Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月4日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/403833
シリーズ: m3.com意識調査
2016年度改定、4割が60点以上の評価◆Vol.1
【2016年度診療報酬改定】意識調査 第1回

2016年3月4日 (金)配信成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会が2月10日に答申した2016年度診療報酬改定。同日から2月26日にかけてm3.com意識調査(計7回)を実施した。内容を5回に分けて紹介する。

 2016年度改定は、厳しい財源の中で、基本的な点数は総じて据え置きで、一部の重点課題を手厚く評価。一方で薬価や多剤投薬などに切り込んだ。改定の「総合点」について、m3.com意識調査の回答者のうち、4割が60点以上を付け、まずまずの評価といえそうだ。

※各質問に関するコメントは意識調査の結果ページ下部のコメント欄で、全てが閲覧可能です。現在も書き込めますので、ぜひ感想をお寄せください。

 第1回調査(『あなたの注目の項目は?』)では総合点と注目項目について尋ねた。総合点は60~70点台を選んだ会員が最多で36%。40~50点台が35%、20~30点台が14%、80~90点台が6%と続いた。開業医と勤務医を比較すると、60点台以上は開業医が33%だったのに対し、勤務医は46%で、勤務医の方が比較的高い評価をしていることが分かった。

 注目項目1位は職種別に分かれた。開業医の1位は「かかりつけ医の評価の充実」で45%が選択。勤務医の1位は「7対1入院基本料の要件見直し」で35%が選択、薬剤師の1位は「薬関係(残薬・多剤投薬の適正化、調剤報酬の見直しとかかりつけ薬剤師の強化)」で84%が選択など。

 (回答者総数は1827人で、内訳は開業医 377人、勤務医1027人、歯科医師 9人、看護師16人、薬剤師357人、その他の医療従事者41人)

 総合点は低くはなかったが、コメント欄には現場の厳しい意見が相次いだ。
財源不足も医療費高騰も分かりきっていること。医療側に痛みを押し付けるだけの政策ではいつか破綻します。【医師】
かかりつけ薬剤師についての手続きを患者が嫌がりそう。絵に描いた餅になりそうで現実味がない。後発品にしても薬局だけに負担を強いるやり方が納得できない。【薬剤師】
 一方で、診療報酬改定の話題自体に冷めた見方も。
勤務医にとってはあまり関係なさそうなこと。どうせ重症化すれば、総合病院に送られてくるに決まってるしね。なんつっても搬送の義務があるから、看取りをきちんとしてくれるかかりつけ医なんて田舎にはいないな・・・。【医師】



http://mainichi.jp/articles/20160304/ddl/k10/040/140000c
群大病院
研修医、15年度内定半減 前年比・事故影響 /群馬

毎日新聞2016年3月4日 地方版 群馬

 新人医師の初期臨床研修で群馬大医学部付属病院の内定者が、2015年度は前年度の半数に落ち込んだことが3日、県議会で明らかになった。14年度の28人から14人(定員57人)に減った。14年11月に肝臓手術を巡る患者の死亡が発覚しており、青木勇・県医療介護局長は「医療事故の影響もあったと考えられる」と答弁した。中島篤議員(志高会)の一般質問に答えた。

 医師は国家試験合格後に希望する医療機関で2年間、臨床研修を受ける必要がある。群馬大病院は施設や指導体制が充実しているとして研修医から評価されていたとされる。しかし、患者死亡問題を受けて厚生労働省は15年6月、特定機能病院の承認を取り消した。青木局長は「特定機能病院というブランドを欠く状態が長期化すると、患者や研修医の群大離れが進み、県全体の地域医療を支える医師確保や医療提供体制に深刻な影響を及ぼすことも懸念される」と述べた。【田ノ上達也】



http://www.sankei.com/region/news/160304/rgn1603040035-n1.html
臨床研修医20人減83人 群馬大の医療事故が影響
2016.3.4 07:09 産経ニュース

 平成27年度に県内の病院を臨床研修先として選んだ医学部生が83人と、26年度から20人減少したことが3日、わかった。特に群馬大病院については28人から14人と半減、腹腔(ふくくう)鏡手術などの事故が相次いだことが影響した。県議会一般質問で志高会の中島篤県議に青木勇医療介護局長が答えた。

 臨床研修医の減少は医師確保への悪影響が懸念され、県は研修先病院の情報発信や合同説明会開催など確保対策を強化する。

 大沢正明知事は議会で、群大病院を4月1日から県独自のがん診療連携中核病院に指定することも明らかにした。同病院は「都道府県がん診療連携拠点病院」として県内のがん診療連携拠点病院のとりまとめ役だったが、医療事故が相次ぎ指定を取り消されていた。

 県独自の指定で従来の役割を正式に位置付ける上、治療後、群大病院と連携する医療機関を受診した場合、診療報酬上の加点を得られるようにするという。



http://www.asahi.com/articles/ASJ342VGNJ34UBQU007.html
腹腔鏡手術の論文取り消し 元千葉県がんセンター医師
2016年3月4日08時58分 朝日新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)での腹腔(ふくくう)鏡手術について男性医師(50代)らが発表した2本の論文を、日本外科学会の英文誌が取り消した。学会やセンターへの取材でわかった。この手術が、事前にセンターの倫理審査委員会に諮られておらず、本人から撤回の申し出があったという。

 2本の論文は、2009年3月と12年8月に学会の英文誌の電子版に掲載された。センターでは08~14年に腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が相次ぎ、男性医師は11例中8例を担当していた。2本の論文は、2人の女性患者に行った膵臓(すいぞう)などを切除する腹腔鏡手術に関する内容で、2人は退院した。ただ、ともに保険適用外の高度な手術で、事前に倫理審査委の承認を得る必要があったが諮られず、論文には承認を得たと記述していた。

 男性医師は昨年7月、死亡事例について倫理審査委に申請を行わずセンターの社会的信用を失わせたなどとして、減給の懲戒処分を受け、退職している。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/404830
シリーズ: 医療従事者の需給に関する検討会
「医師の職業選択の自由」を尊重、厚労省医政局長
強制力を伴う医師偏在解消策には否定的

レポート 2016年3月3日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 3月3日の厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学学長)の第3回会議で、同省医政局長の神田裕二氏は、医師の地域・診療科偏在対策について「何もやってこなかったわけではない」と反論、一定の規制ルールで偏在解消すべきとの意見に対し、「医師の職業選択の自由」を尊重しつつ、偏在解消ができる仕組みを検討すべきとの考えを示した(資料は、厚労省のホームページ)。

 3日の会議のテーマは、医師の需要・供給推計の方法と、医師が地域・診療科偏在する課題の整理――の二つ。医師偏在の問題は、2008年7月の厚労省の「医師の需給に関する検討会報告書」でも検討した経緯がある。10年経っても問題解決に至っていない現状を踏まえ、委員から問題視する声に答えたのが、神田局長。

 神田局長は、「2008年の検討会は、マクロの需給は将来足りるが、まだ医師が不足している地域があるため、実効性がある地域定着策を講じながら、医師を増やす結論だった。その後、医学部定員を1637人分増やすなど、何もやってこなかったわけではない」と説明。

 その上で次のように付け加え、まずは強制力を持って進めるのではなく、医師の自主的な選択を通じて、偏在解消を図ることが先決だとした。「極端に言えば、保険医の定数を地域別、診療科別に決めるやり方もあるのかもしれない。しかし、憲法上の問題もあり、まずは職業選択の自由を尊重し、『いやいやへき地に来た医師に、診てもらう』のではなく、医師が自らそうした選択ができるようにしていきたい」。地域医療支援センターの設置、医学部の地域枠の定員増などの施策は打ってきたとし、「しかし、それがまだ十分ではない。そのためには何をすべきかという議論ではないか」とまとめた。

 医師の需要・供給推計の方法は、第2回にも議論したテーマで、方法論については了承を得た(『必要医師数、4つの医療機能別に推計』を参照)。

 医師の需要推計は、(1)臨床に従事する医師、(2)臨床以外に従事する医師――に分けて行う。(1)は、入院(一般・療養病床、精神病床)と外来に分けて推計し、介護老人保健施設に勤務する医師も含める。(2)の推計は、医育機関等の従事者、産業医、行政機関の従事者、保健衛生業務の従事者――の4つに大別して行う。現時点では長時間労働を強いられる医師は少なくないため、将来の労働時間をどう見込んで推計するかなどが論点だ。

 医師の供給推計については、出産育児中の女性医師、高齢医師、研修医の労働時間を、それ以外の医師と比較してどの程度の割合として推計するかが課題。「高齢医師」の定義に関し、厚労省は、60代以降、特に65歳以上が一つの区切りになると説明。研修医については、「1年目の研修医の労働力は大幅に低く見積もり、2年目はそれより増加すると仮定」して推計する方針。

 3月末の次回会議では、医師の需要・供給推計と医師の偏在解消策について、次々回の会議では、今年4月末に予定されている中間報告取りまとめに向けて、それぞれ議論する。同取りまとめでは、2017年度で期限が切れる医学部の「臨時定員増」の取り扱いと、医師の偏在解消策を整理する予定。それ以降、偏在解消策についての議論を深める。


「この10年、何をやっていたのか」
 医師の地域・診療科偏在について、厚労省は、(1)医師の養成、キャリア形成に関する課題(医学部定員、医学部卒前教育に関するものを含む)、(2)医師の労働環境等に関する話題、(3)医師派遣機能に関する課題、(4)医師の生活環境に関する課題、(5)育児等を伴う就労への支援に関する課題(女性医師支援を含む)、(6)住民、患者のニーズの変化や住民、患者への情報提供、普及啓発等に関する課題――に整理。

 この課題整理に対し、最初に問題視したのは、聖路加国際病院院長の福井次矢氏。「課題はよくまとまっているが、大部分が既に分かっていること。ステークホルダーが、効果的だが困難な対策を、勇気を持って行ってこなかったことが、(偏在が解消しない)最大の要因」と指摘。フランスは大学卒業時点で専門診療科を割り振る、米国ではフェローシップに入る時点で専門医数を決めている、ドイツでは開業場所に制限があるなど、規制的な仕組みを導入している諸外国の例を挙げた。

 慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏も、自身も委員として加わり、2013年8月にまとめた社会保障制度改革国民会議の報告書で、「適切な場で適切な医療を提供できる人材が確保できるよう、職能団体には、中心となって、計画的に養成・研修することを考えていく責務がある」と提言していることを紹介。日本医師会と全国医学部長病院長会議が共同でまとめた2015年12月の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」でも(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)、医師の地域・診療科偏在のために「医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない、と書いている」と指摘。大学の医師派遣機能は低下し、「事態は前より悪くなっている」とし、「責務を果たしていくべきではないか」と求めた。

 読売新聞東京本社編集局社会保障部次長の本田麻由美氏も、2006年の厚労省検討会の委員を務めた立場から、「課題は、10年前の検討会で出ていることがほとんど。10年間、何もできなかったと思ってしまう。以前から、プロフェッショナル・オートノミーでやると言われていたが、10年変わらなかったので、どうしても不信を感じてしまう」と指摘し、「何らかの規制を行っていくべき、と10年前に議論していた。今回こそ、そうした議論でやるべきではないか」と提言した。

「まずはプロフェッショナル・オートノミーで対応」
 これらの意見に反論したのは、大学関係者と日医だ。

 全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏(大阪市立大学医学部長)は、「『10年以上、何もしていなかった』とは、言いすぎではないか」と反論。地域偏在の要因として、2004年度から必修化された臨床研修制度で、マッチング方式が導入され、研修医が自由に研修先を選べるようになったことを挙げた。2015年12月の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」の中で、各大学への医師キャリア支援センターの設置を挙げていることから、「プロフェッショナル・オートノミーでまずやり、各医師に一番ふさわしいキャリアを指導していくべきでないか。それでも問題解決しない時に規制のステップには進む」との考えを述べた。

 日医常任理事の小森貴氏も、「我々は何もしていなかったわけではないことを理解してもらいたい。緊急提言でも、一定の規制は受けなければならないとして制度設計している」と荒川氏に続いた。

 東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授の北村聖氏も、10年前と比較すれば、人口10万人当たりの医師絶対数は増えている上に、「臨床研修の必修化で、医師の能力の均てん化が進んでいる」と説明。今後の対策として、医学教育の成果を見る意味もあり、卒業後の医師のキャリアを大学がフォローする仕組みを構築していくとした。さらに、医師偏在をめぐる課題をリストアップして文章化すると10年前と変わらない印象があるものの、各項目の実態について「変化した部分」「変わらない部分」を整理すべきと提案した。

 そのほか、岩手医科大学学長の小川彰氏からは、「医師は全て同じ、という誤解が国民の中にある。『20万人以上の均質な医師がいる』と思うのは大きな間違い。レベルが高い医師から、辞めてもらいたい医師まで、そのレベルはさまざま。医師の需給を議論する際には、こうした視点が必要」との意見も出た。常勤先を持たず、複数の勤務先をかけ持ちする「フリーター医師」の存在も問題視。医師のキャリア形成、医師の質保証のためにも、北村氏の指摘のように、「各医師が、いつ、どこで、どんなトレーニングをしているか」を把握する仕組みが必要だとした。「医師の登録番号と、医師・歯科医師・薬剤師調査をひも付ければ、把握は可能」(小川氏)。

 片峰座長から、見解を質された厚労省は、冒頭のように神田局長が答えたほか、厚労省医政局地域医療計画課長の迫井正深氏も、「前回の検討会で、既に偏在の議論はした。(今回の整理で)新しい大発見があるわけではなく、自然と整理するとこうなる。逆に問いかけると、なぜ今日に至るまでこうした現状なのか。地域医療の確保に向け、一定程度、対策は講じてきた」と回答。その上で、「医師養成に要件を設けたり、医師の研修に当たって勤務地や診療科の制限を付けることには、基本的人権にかかわるデリケートな問題がはらんでいる」と述べ、本来の意思とは別の赴任地に医師が赴いた場合に、当該医師および医療を受ける側の理解が得られるかなどの問題もあるとした。

「タイム・スタディで医師の業務分析を」との要望も
 第3回会議のもう一つのテーマ、医師の需要・供給推計については、厚労省が資料で「現在の医療提供体制で、必要な医療需要におおむね対応できている前提に立ち、現在の医療需要当たりの医師数を算出する」「ただし、労働時間については、現在と将来で異なる値を用いることも検討」と記した点に、質問が集中した。病院外来の医師需要については、「入院と一体として推計する」部分にも質問が出た。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「前提に立ち、というのは初めて出てきた話」と指摘し、厚労省の意図を質したほか、「入院と一体として推計」との点についても、高度急性期や急性期などの種別によって、入院と外来の診療に充てる医師の勤務時間比率は異なってくると指摘。

 福井氏は、現状ではなく、「理想的な体制」でも医師の需要推計を行うべきと提案。さらに医師の入院と外来の勤務時間比率について、「どのくらいの割合で医師が仕事をしているか、エビデンスベースで数値を得るべき」と述べ、推計に当たっては、医師の勤務時間のタイム・スタディなどのデータが必要だとした。小森氏からは、休日夜間、あるいは救急医療への対応も踏まえるべきとの意見も出た。

 これらの質問に対し、迫井課長は、「必要な医療需要におおむね対応できている前提」について、「医療の総量を規定しないと推計自体が成り立たない。今の日本では、医療を受けられない人が多数いるわけではなく、必要なサービスが提供されている、というのが今回の前提であり、過少評価ではない」と説明。医師の勤務時間をどう考えるかは別の問題であり、長時間勤務が問題になっている領域については、医師の需要推計に当たって、現状追認ではなく、「医師を厚めに配置する」(迫井課長)ことを検討する。

 さらに、入院と外来の医師需要を病院では一体的に推計する点について、迫井課長は現状でも、病院勤務医は入院と外来の両方をやっていることから、現状で入院医療に従事する医師数をカウントし、推計すれば、おのずから外来医療に従事する医師数も推計できると説明。福井氏のタイム・スタディの提案に対しては、本分科会には「医師数を推計するというミッションがある」とし、コスト的にも、時間的にも新規の実施は難しいと回答。タイム・スタディの結果は、施設によっても大きく異なる上、医療の実態は時間とともに変わるため、過去データの利用も容易でないとした。



https://www.m3.com/news/general/405081
四日市病院:示談、7年間で15件に 計5200万円 /三重
2016年3月4日 (金)配信 毎日新聞社

 市立四日市病院のER(救命救急センター)で患者が急性大動脈解離で死亡、示談が成立していた問題に関連し、同病院は3日、2009~15年度の医療事故に伴う示談概要を四日市市議会産業生活常任委員会で報告した。7年間で示談件数は計15件、示談額は計5200万円余に上った。主な示談例は、カテーテル留置の際にガイドワイヤ(細い針金)を抜き忘れ、体内に残った ▽子宮収縮抑制剤を投与すべきなのに子宮収縮剤を投与した ▽皮膚疾患の治療で紫外線を照射する際、予定照射量の10倍を照射し軽いやけどになった ▽乳腺異常に伴う細胞検査時に肺を穿刺(せんし)した――など。いずれも同病院の事故公表基準で公表対象に当たらないとして、これまで非公表扱いだった。【松本宣良】

〔三重版〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/404481
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「診療報酬の遍在是正」がキーワード - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.1
最大の成果は調剤医療費への歯止め

2016年3月2日 (水)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2025年に向けて、地域包括ケアシステムの構築が進む中で実施された2016年度診療報酬改定。7対1入院基本料の見直しなど、医療機能の分化と連携の推進に向けた改定項目が並ぶ。
 診療側の立場から中医協の議論を主導したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。今改定の注目点やその評価、影響などをお聞きした(2016年2月25日にインタビュー。計4回の連載)。

 ――前回の2014年度改定は、地域包括ケア病棟入院料や地域包括診療料など、注目の新設点数がありました。次回の2018年度改定は、診療報酬と介護報酬の同時改定です。その中間に当たる今改定は、新設点数は少なく、診療報酬体系の問題点の修正に重点を置いた印象です。

 目立った新しい点数がないという理解は正しいと思います。限られた財源しかない改定なので、無理に大変革をせず、点数の修正にとどめたのは正しいやり方でしょう。

 日本医師会が、今改定の議論の中で問題視していたのは、調剤医療費の高騰です。その是正に向け、調剤報酬を大幅に見直したことが、第一の評価すべき点です(『かかりつけ薬剤師」の有無で点数に大差』を参照)。特に、大型門前薬局の評価の見直しが行われた意義は大きいと思います。第二のポイントは、長期投薬の是正。長期投薬も含め、モラルハザードの是正が今改定の特徴です。これにより、診療報酬の偏在の是正が進むと考えています。

――改定率については、どう評価されていますか。厚労省は、診療報酬全体では「ネットで0.84%のマイナス」と説明しています。さらに、通常の市場拡大再算定と、今改定で導入された特例の市場拡大再算定を加えると、よりマイナス幅は拡大します。先生は、この点の考え方を厚労省に質していました(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』、『「極めて遺憾」、改定率決定で中川日医副会長』などを参照)。

 塩崎恭久厚労相が、昨年の診療報酬の改定率決定時に説明した通りだと思います。ネットで0.84%のマイナス、過去の改定時の表現と揃え、通常の市場拡大再算定分(医療費ベースで0.19%減)を加味すると、1.03%のマイナスです。なお、特例再算定分(同0.28%減)を加えて計算した場合には、1.31%のマイナスです。

 ただ診療報酬本体は0.49%のプラスです。財政制度等審議会は昨秋の建議で、診療報酬本体についてもマイナス改定を求めていたことを考えると(『「社会保障費増、5000億円弱に抑制」財政審建議』を参照)、一定程度評価できる結果だと思います。

 次回改定に向けた議論では、今改定を前例にせず、薬価等引き下げによる財源は、診療報酬本体の改定財源に充当すべきだと要求していきます。

――第一の評価ポイントとして挙げられた、調剤報酬についてお聞きします。改めて問題意識をお聞きできますか。

 株式会社経営の薬局、特に大手調剤薬局チェーンが、公的医療保険制度下に入っていること自体に無理があります。この問題に尽きます。大手調剤薬局チェーン4社の2014年の純利益の合計は139億円、内部留保の増加額は120億円、配当は約26億円に達します(『門前薬局から、かかりつけ薬局・薬剤師への転換迫る』を参照)。これは大きな問題です。その実態を明らかにするため、有価証券報告書で、保険分野とそれ以外の分野に分けて、収益を出してもらいたいと提案しています。公的医療保険制度下で運営する以上、明瞭な決算の開示を義務付けるべきです。

 今改定では、大型門前薬局の調剤報酬を引き下げました。さらに「かかりつけ薬剤師」の考え方を導入したことは成果であり、営利に走る大手薬局チェーンに対する一定の歯止めになったと思います。当初の議論では、「かかりつけ薬局」との表現でした。最終的には「かかりつけ薬剤師・薬局」となり、「薬局」が残ったのは残念ですが、「薬剤師」との言葉が入りました。

――調剤報酬については、調剤基本料や基準調剤加算をはじめ、さまざまな点数が見直されました。当初の想定通りに進んだのか、あるいはまだ不十分な点があるのでしょうか。

 現時点では、検証してみないことには分かりません。

――長期投薬は、「モラルハザードの是正」から、制限したとのことです(『「内服薬2種類以上、減少」で250点』を参照)。

 はい、その点が重要なポイントです。「90日処方が当たり前」というのは、医療としておかしい。中医協総会にも日医総研のデータを出しましたが、「長期投薬により、患者が服薬を忘れたり、中断したために、病状が改善しなかった」などの問題が生じています(『分割調剤や残薬調整、診療側と支払側で意見対立』を参照)。大病院から逆紹介で診療所に戻ってきても、患者さんが「60日処方」や「90日処方」 に慣れてしまっています。2カ月も、3カ月も受診しなくてもいい状況は問題。

――「30日超」の場合には、病状が変化した際の対応方法を患者に周知したり、分割調剤を検討するなどの対応が必要になります。

 「30日超」という言葉が入ったのは、画期的と評価しています。漫然と長期処方をするのではなく、それが本当に必要なのかを今一度、立ち止まって考えていただきたい。

――残薬問題についても対策が講じられ、処方せん様式も変更されました。残薬対策は必要ですが、疑義照会が増え、現場の業務が大変になる懸念もあります。

 その影響こそ、まさに検証が必要。残薬が多いのは、多剤投薬ではなく、処方日数が長いことが主たる原因だと私は思っています。

 そのほか薬関連では、院内処方に対する「外来後発医薬品使用体制加算」の新設も、注目点です。医薬分業から院内処方に戻す選択肢もあり得るという意味が込められています(『「後発品70%以上」、処方料3点加算』を参照)。

――「モラルハザードの是正」から改正された点は、他に何がありますか。

 回復期リハビリ病棟の疾患別リハビリテーションで、アウトカム評価が導入されたことです(『回復期リハビリでアウトカム評価を導入』を参照)。「回復期リハビリ病棟の中には、入院患者の9割以上に、1日平均6単位を超す疾患別リハビリを実施している病棟が約2割ある」といった実態は、やはりおかしい(『リハビリ、「アウトカム評価」重視へ』を参照)。その背景には、理学療法士数が多すぎるという現状があると考えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/192043
今改定は「予告編」、7対1は影響大 - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.1
低い改定率は自民党政権誕生時に予想

2014年2月25日 (火)配信  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 「予告編」のような改定だった。第一歩であり、「小さく産んで大きく育てよう」という内容が多かったのではないか……。
 これが、日本医師会副会長で、2013年10月末から中医協委員として、改定論議の議論の最前線に立った中川俊男氏の2014年度診療報酬改定の全般的評価だ。7対1入院基本料の見直しの影響は大きいと見るものの、主治医機能を評価する「地域包括診療料」などの新点数は、「予告編」であり、算定施設はあまり多くはないという見方だ。中川氏に、今改定のポイントなどをお聞きした(2014年2月21日にインタビュー。計4回の連載)。

 ――まず改定の全般的評価について、お聞きします。前回、前々回などの改定と比較して、今改定の評価は。

 あまり触らず、微修正的だったような気がします。7対1入院基本料の見直し以外は、驚くほどの項目はないでしょう。結局、今回の診療報酬改定は、全体的に見て、無難な形に落ち着いたのではないか。低い改定率だったことが、かえってよかったのかもしれないと思っています。

――方向性が見えても、施設基準が高いなど、算定できるかどうかは別問題の点数もある。

 つまり、「予告編」のような改定だった。第一歩であり、「小さく産んで大きく育てよう」という内容が多かったのではないかと思います。「予告編」なので、評判が悪かったら、辞めることもしなければいけない。


中川俊男氏は、今改定の問題点の一つとして、薬価改定財源が診療報酬の本体改定に振り替えられなかった点を挙げる。

――改定率の評価は。

 残念ながら、非常に低かった。(厚生労働省社会保障審議会の)医療部会で、「消費税引き上げ対応分と従来の改定分を明確に分けて、予算編成をしてほしい」と繰り返し要望した。政府も与党も、混乱したというか、意図的に混乱させたというか、結果的には本体はわずかプラスの微々たる改定になり、残念でした。

――全体では0.1%増ですが、消費増税対応分を除けば、1.26%の引き下げです(『「“医療崩壊”の悪夢」現実か、実質1.26%引き下げ』を参照)。プラスとマイナス、どちらの評価なのでしょうか。

 どちらでもない。医科の診療報酬本体について見れば、0.11%増にとどまった。それは残念ということです(編集部注:医科本体は、0.82%増で、うち0.71%が消費増税対応分)。

 ただし、改定率については、不透明感がぬぐえない。予算編成の段階で、今改定の財源のうち、公費は353億円とされた。しかし、どう考えても、140億円くらいしか使っていないと思う。残る200億円強は、7対1入院基本料の円滑な移行のための財源とされているが、約200億円は財政中立でねん出した財源(編集部注:7対1入院基本料の算定病床削減により生じた財源を、受け皿作りの財源として充当すること)。

――財源については、薬価改定財源を本体改定に振り替えない点も問題視されていました(『中川日医副会長、改定で「3つの苦言」』を参照)。2013年11月の財政制度等審議会の建議では、薬価改定財源の振り替えは「フィクション」と指摘していますが、日本福祉大学学長の二木立氏は、「フィクション」ではなく、1972年の中医協で振り替えを建議しており、その後、時々の厚生大臣、首相の答弁を踏まえて、振り替えは「根拠に基づく」慣行であると指摘されています。

 その点については、「今回は、異例中の異例、異常な状態なので、前例にしないでほしい」と、さまざまな場で主張しています。

――今回、厳しい改定率になった理由をどうお考えですか。

 予想はしていました。自民党政権になった時に、既に心配はしていました。

――民主党政権時代よりも、厳しい改定率になると。

 そう思っていました。

――具体的な改定項目についてお聞きします。一番影響が大きいのは。

 それは、7対1入院基本料の病棟の削減です。

――社会保障・税一体改革が目指す2025年の医療提供体制に向けて、7対1病棟を減らす方針については。

 ある程度、見直しは必要だと思います。7対1入院基本料の病棟の中でも、明らかに誰が見ても「不似合い」「ふさわしくない」病棟はあり得る。そこは認めますが、今回は一律に要件を厳しくした。本来必要な病棟も、7対1入院基本料から落ちる可能性があるので、その点を心配しています。

――では、「不似合い」な7対1入院基本料の病棟だけを減らすには、どうすれば。

 限界がある。どうやっても問題は起こります。より問題なのは、7対1入院基本料を取らなければ、病院経営が成り立たない診療報酬体系であること。これを見直さなければいけない。

――厚労省の試算では、この2年間で7対1入院基本料の病床を9万床減らす方針です。

 ただ本当に9万床減るかどうかは、分かりません。各病院は、必死に努力をしますから。

――7対1入院基本料については、先生は最後まで「特定除外制度」の廃止に反対されていた。最長2015年9月末まで経過措置がありますが、その期限自体もどこかで検討する。

 その点は、「検討する」という約束をしてもらったと思っています。日医と四病協の調査結果を基に、中医協で「上限を設けて、(特定除外制度を)残すべきだ」と、何度も主張しています(『病床機能分化、「三歩も、四歩も進む」』などを参照)。

 1病棟のうち、2室4床、計8床までは、経過措置がある。1病棟50床の場合、病床稼働率は100%ではないので、1割程度を上限に、経過措置ではあるけれど残った。この措置が始まるのが、今年10月。それから1年あるので、計1年半は「特定除外制度」が残る。その間に、対応できるところは対応するでしょう。できないところが多く、経過措置の延長を主張するデータが得られれば、主張していきたい。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H4W_U6A300C1PP8000/
「かかりつけ医」育成課題 厚労省、診療報酬改定を告示
2016/3/5 0:03日本経済新聞 電子版

 厚生労働省は4日、2016年4月からの診療報酬改定を告示し、医師や薬剤師などが受け取る報酬の詳しい条件がすべて決まった。例えば今回の改定では、紹介状なしに大病院を受診する患者から5000円以上の追加料金を取り、まずは地域の「かかりつけ医」に行ってもらうよう促す。この仕組みを機能させるには、医師の能力の向上が欠かせない。

 診療報酬は医療サービスの公定価格。昨年末に全体として平均1.03%のマイナス改定とすることが決まった。年明け以降は、個々の診察や手術などの報酬を議論してきた。

 厚労省が思い描くのは、体調を崩した人がまず地域のかかりつけ医に行く仕組みだ。かかりつけ医が幅広い症状を診察して、高度な治療が必要だと判断した際だけ大病院に紹介状を書く。

 ただ、日本医師会総合政策研究機構の調べによると、かかりつけ医がいると答えた人は全体の53.7%。探し方が分からないという声が多い。「日本には幅広い症状を診られる医師はほとんどいない」(八代尚宏・昭和女子大学特命教授)との指摘もある。

 このような状況を受け、厚生労働省は2017年度から幅広い病気を診ることができる総合診療専門医の養成を始める。ただ専門医を認定するのは20年度からだ。日本医師会も今年4月からかかりつけ医を育てるための研修を始めるが、どの程度の効果が上がるかは不透明だ。かかりつけ医の報酬を16年4月から増やすものの、患者がメリットを感じるには時間がかかりそうだ。



http://www.yomiuri.co.jp/local/saga/news/20160304-OYTNT50193.html
病院移転 伊万里市内存続の署名1万3000人分市長に提出
2016年03月05日 読売新聞

 独立行政法人「地域医療機能推進機構」(本部・東京)が運営する伊万里松浦病院(伊万里市山代町)の移転問題で、伊万里市区長会長会は3日、市内存続と早期立て替えを求める約1万3000人分の署名を塚部芳和市長に提出した。

 同会は、同病院が市外に移転することは市民への影響が大きいなどとして、2月上旬から署名活動を開始。今月3日までに同会の集計で1万3182人分を集めた。安並勇会長は「かなりの数が集まっており、市外に移転したら困るという市民の意思表示の表れだ」と語り、市内での存続を求めた。


  1. 2016/03/05(土) 05:42:25|
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