Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月3日 

http://www.medwatch.jp/?p=7854
医師の地域・診療科偏在是正に向け、何らかの規制を実施すべきか―医師需給分科会
2016年3月3日|医療・介護行政をウォッチ MediWatch

 医師の地域・診療科偏在が指摘されていますが、その是正策を考える上では原因分析が不可欠です。この原因分析にあたって、3日に開かれた医療従事者の需給に関する検討会の「医師需給分科会」では、「偏在の最大の原因は、ステークホルダーが効果的な是正策に取り組んでこなかった点にある。一定の規制を行う時期に来ている」と指摘する構成員と、「何もしてこなかったわけではない。さまざまな方策をとっている」と主張する構成員との間で激しい議論の応酬がありました。

 医師需給分科会では4月中に中間報告を取りまとめる予定ですが、どのような偏在是正策が書き込まれるのか注目が集まります。

医師偏在の背景には複合的な要因
 わが国では「都道府県の間」「同じ県内でも県庁所在地と地方との間」「診療科間」で医師の偏在があるとかねてから指摘されています。

 こうした偏在の放置は好ましくないため、かつて厚労省に設置されていた「医師の需給に関する検討会」は2006年7月に、 ▽ 地域に必要な医師の確保の調整を行うシステムを構築する▽自治体病院間で連携体制を構築し、地域内での医師の効果的な配置・相互異動を実施する  ▽ 地域の中核的な医療を担う病院の位置付けを検討する  ▽ 地域で医療機能の集約化・重点化を行い、医師への負担を軽減する  ▽ 大学医学部の入試における地域枠の設定や、一定期間の勤務地を指定した奨学金の推進・拡大を行う―などの是正策を提言しています(報告書はこちら)。

 しかし、例えば、厚労省が2015年11月19日に発表した2014年の医療施設(静態・動態)調査を見ると、人口10万対の常勤換算医師数について最多の高知県(234.8人)と最少の埼玉県(114.8人)との間には2.04倍の格差があります。このデータが端的に偏在を意味するかは別として、偏在は是正されていないと見る向きが少なくありません。

 厚労省もこうした状況を重く見ており、3日の医師需給分科会には偏在の課題と要因をまとめた資料を提示しました。例えば次のような要因が挙げられています(関連記事はこちらとこちら)。

▽ 勤務地により経験できる症例数や質が異なり、キャリアアップや専門医の維持などに影響があるため、地方などを割ける傾向がある

▽ 人口規模の小さな地域では患者数が確保できず、十分な医業収入が得られない

▽ 産科、小児科、救急科などでは、他の診療科よりも労働時間が長く、24時間対応が求められる

▽ 医師のライフスタイルが変化し、本人・家族のQOLを重視した考え方に基づいて勤務地や勤務形態を選ぶ傾向がある

▽ 女性医師では出産・育児の時期が「医師の働き盛りの時期」と重なり、キャリアデザインが描きにくい

▽ 医療に関する知識が国民の広く行きわたり、多くの国民が質の高い医療を受けたいというニーズを持つようになった(しかし、質の高い医療をどこで受けられるかが国民には明確に分からないため、結果として大病院志向を招いている)

 医師需給分科会では、こうした分析を前提に、偏在の是正策をできる限り具体的に練っていくことになります。


一部委員からは「2006年以降、偏在是正策がとられていない」との指摘も
 ところで、前述の「偏在の課題と要因」について福井次矢構成員(聖路加国際病院院長)は、「ずいぶん前から明らかになっていることである」とし、その上で、「フランスでは医学部卒業時に専門科の振り分けが行われ、ドイツでは開業できる場所が決まっている。これらの実行が難しいことは理解しているが、わが国で偏在が是正されない最大の原因は、こうした効果的な取り組みをステークホルダーが勇気をもって実行してこなかった点にある」と指摘しました。

 また、権丈善一構成員(慶應義塾大学商学部教授)は、「職能団体(医師会や病院団体など)や国には偏在を是正する責務があり、力を併せて対策を打つ段階に来ている。中間報告取りまとめなどに向けて、この点を明確にすべきである」と訴えました。

 さらに、かつての『医師の需給に関する検討会』のメンバーでもあった本田麻由美構成員(読売新聞東京本社編集局社会保障部次長)は、報告書の出された2006年からの10年間を振り返り、「プロフェッショナルオートノミーに則った対策がとられたが、偏在は変わっていない。偏在是正に向けて、何らかの規制を加え、職能団体などに一定の責務を負わせる方向で議論すべき」と要望しています。

 

 一方、医師養成を行う立場にいる荒川哲男構成員(全国医学部長病院長会議会長)や、小森貴構成員(日本医師会常任理事)は、「昨年(2015年)12月2日に、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長が共同して、▽各大学の医師キャリア支援センターを設置する▽全国医師キャリア支援センター連絡協議会を設置し、需給調整を支援する▽医師不足地域での診療経験を病院・診療所管理者の要件とする―ことなどを内容とする『医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言』を取りまとめた。まずプロフェッショナルオートノミーに沿った対策を打ち、その後に規制を考える必要がある。医師キャリア支援センターが主導になって指導を行い、医師の開業の自由などと適正配置とのバランスをとっていく必要がある」との考えを述べ、対策を取っていないわけではない点を強調。福井構成員や本田構成員の「何もやってこなかった」旨の指摘に強く反発しました(関連記事はこちら)。


自由意思を踏みにじられた医師から診療を受けたいだろうか
 こうした議論を踏まえ、厚労省医政局の神田裕二局長は「偏在是正対策を取っていないわけではない。2006年の報告書を踏まえて、医師が不足する部分への対策を講じている」点を強調。また、「極論すれば、『保険医の数を地域で規定し、超過分は保険診療を行えない(事実上、開業できない)』とする仕組みも考えること自体はできる。しかし、憲法22条第1項では『営業の自由』も保障されており、できるだけ強制力のない仕組みで、医師が自ら地域や診療科を選択できるように進めてきた」との考えも述べています。

 また、厚労省医政局地域医療計画課の迫井正深課長も、「自分の意思と異なる地域や診療科で働く医師に診てもらうことが患者にとって好ましいだろうか、という問題もある」と説明しました。


 ただし、前述した日医と全国医学部長病院長会議の共同緊急提言の中には、「医師の地域・診療科偏在の解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」ことが明記されています。

 もちろん、これが神田局長の例示した極論(保険医の定数設定)のような規制までをも視野に入れているとは考えにくいのですが、医師の地域・診療科偏在を是正するために、一定の仕組み(何らかの規制)を医師需給検討会で検討していくことになりそうです。迫井課長は、「次回以降、偏在是正策案をできるだけ具体的に提示したい」と述べており、今後の議論が注目されます。



http://www.medwatch.jp/?p=7858
将来の医師需要、地域医療構想の4機能に沿って機械的に推計、3月末に試算結果公表―医師需給分科会
2016年3月3日| 医療・介護行政をウォッチ Medi Watch

 「将来、どの程度の医師数が必要になるのか」を推計する手法について、3日に開かれた医療従事者の需給に関する検討会「医師需給分科会」が大枠を固めました。

 入院医療については、地域医療構想で打ち出された▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―のそれぞれについて、一定の幅を持たせて推計します。

 外来医療については、無床のクリニックでの外来医療部分、在宅診療部分について、それぞれ一定の幅を持たせて推計します。

 また介護・福祉に関しては介護老人保健施設における医師需要を、さらに臨床に携わらない大学医学部などの研究者数などを推計することになります。

 厚生労働省は3月31日に開催される予定の次回会合に、一定の推計値を報告する構えです。

入院、外来、介護・福祉、臨床以外の将来医師需要を一定の仮定を置いて試算
 安倍内閣が昨年(2015年)6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2015」は、「人口構造の変化や地域の実情に応じた医療提供体制の構築に資するよう、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正などの観点を踏まえた医師・看護職員等の需給について、検討する」よう厚労省に指示しています。

 医師需給分科会では、この指示を踏まえて将来の医師需要(必要医師数)を推計することとし、これまでに「入院医療、外来医療、介護福祉に分けて推計する」基本的な方針が固められました。

将来の医師需要(必要医師数)を推計する手法の大枠
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 3日の医師需給分科会では、さらに詳細な推計方法について議論し、次のような大枠を固めています。

【入院医療】

(1)一般病床・療養病床の医師需要について、医師・歯科医師・薬剤師調査で得られた「医療施設(病院・診療所)の従事者数」から推計する

(2)(1)の結果を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4機能に按分する。按分方法としては、「4機能における平均的な医療資源投入量に基づく方法」や「現状の病床機能報告制度などを活用する方法」など、いくつかの仮定を置いて、『複数の推計値』を示す(関連記事はこちらとこちらとこちら)

地域医療構想では、一般病床・療養病床を▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―の4区分に分けて、将来の医療需要を推計している
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(3)精神病床について、「性・年齢階級別の推計人口」と「性・年齢階級別の入院受療率」に基づいて医師需要を機械的に推計する

【外来医療】

▽ 無床診療所で外来医療を提供している部分の医師需要を推計する(病院・有床診療所については、入院医療の医師需要に包含して推計している)

▽ 「性・年齢階級別の推計人口」と「性・年齢階級別の外来受療率」に基づき、さらに受療の動向(患者調査や社会医療診療行為別調査を活用)を踏まえて、医師需要を推計する

▽ 在宅医療については、外来需要とは分離して、「将来、慢性期から在宅に移行する」部分を含めて医師需要を推計する

【介護・福祉分野】

▽ 介護老人保健施設における医師需要を持って「介護・福祉分野の需要」とする

▽ 医師・歯科医師・薬剤師調査で得られた「介護老人保健施設の医師数」と、将来の介護老人保健施の入所者に基づいて医師需要を推計する

【臨床以外に従事する医師】

▽ 医師・歯科医師・薬剤師調査の結果を基にして、「医育機関などの従事者」「産業医」「行政機関の従事者」「保健衛生業務の従事者」数を推計する

 これらの中で、外来医療について「無床診療所で外来医療を提供している部分の医師需要を推計する(病院・有床診療所については、入院医療の医師需要に包含して推計している)」という点が気になります。しかし、これは「病院・有床診療所の必要医師数を低く見積もる」という趣旨ではありません。厚労省医政局地域医療計画課の迫井正深課長は、「現在でも病院などでは、入院医療と外来医療の両方を提供しており、将来も同様と考える。病院における外来医療の医師需要は、入院医療の医師需要の中に包含されていると考えて推計する」旨の説明を行っています。


医師需要の推計結果は、医療提供体制の在り方論議に影響を及ぼさない
 ところで、こうした推計は「現在の医療体制で、必要な医療需要に概ね対応できている」という前提に立って行われます。仮に「今後、認知症施策が変わっていくので、それを見込む必要がある」などと考えると、試算を行うことが極めて困難になってしまうからです。

 しかし、「認知症施策の変化」や「医師の労働環境の変化」などを全く考慮しないわけにはいきません。そのため厚労省は一定の補正を行って、幅を持たせた推計を行う方針を示しています。

 推計結果は、今後の医学部入学定員にも影響を及ぼす可能性があります。医学部の入学定員については、骨太方針や新成長戦略に基づいて2017年度まで暫定的に増員することになっています。今回の推計で「将来の医師需要に対し養成数が足らない」という判断がなされた場合には、将来の医学部入学定員を増員する措置が採られる可能性も出てくるからです。

 こうした時間的制約があるため、医師需給分科会は4月中に中間報告をまとめるというスケジュールが組まれています。一方、現在「精神保健医療福祉」の見直しに向けた検討が進められていますが、これを待って試算することは時間的制約から認められません。この点について厚労省医政局地域医療計画課の迫井正深課長は、「精神医療に関する将来の医師需要推計結果が、本体の『精神保健医療福祉の見直し』論議に影響を及ぼすことはない(推計結果に基づいて、精神医療提供体制の議論を行うことはない)」点を確認しています。


 厚労省このような推計手法に基づいた試算結果を、3月31日に開催される予定の次回会合に提示する考えです。なお、厚労省医政局医事課の渡辺真俊課長は、「中間報告は、『医師需要の推計』と『医師偏在の是正』の2本立てとする」と述べ、次回以降、両テーマについて議論してほしいと構成員に要請しています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/404746
シリーズ: 地域医療構想
地域医療構想、「病床削減の根拠になる恐れ」
日医委員会の報告書、「国政の場で正しい主張を」

2016年3月3日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏が3月2日に会見し、地域医療対策委員会が策定した地域医療構想における日医の役割に関する報告書を発表し、地域医療構想の病床必要量の報告が病床削減の根拠に使われる恐れがあると指摘、「日医として、国政で正しい主張を続けないといけない」と述べた。

 報告書は、「地域医療構想・第7次医療計画に向けての医師会の役割について」と題し、宮崎県医師会副会長の富田雄二氏を委員長に迎え、8回の議論の内容をまとめた。

 報告書では、各都道府県が2025年に向けた地域医療構想を策定するに当たり、構想で示される「病床の必要量」は、2013年の疾病構成や受療率、機能区分などの条件を前提として計算した医療提供側のための参考値であり、医療機関による自主的な転換・収斂を目指したもので、病床削減のための制度ではない、との認識の共有が重要だと指摘。行政が参考値を目標値として捉え、急性期病床や慢性期病床の削減のための根拠として悪用する心配があるとして、日医が国政の場で「正しい主張」を続けることや、議論をリードすることが必要だとした。

 釜萢氏は、2016年度は多くの都道府県で「地域医療構想」の策定と第7次医療計画の検討が始まる重要な時期だと強調。「地域医療のあるべき姿は、全国一律ではなく、地域ごとの設計が必要で、地域の医師会が地域の実情を最も理解している」(同報告書)との記載に触れ、「地域の特性を生かし、地域の構成員がしっかり考えて作ることが重要だ」と指摘した。その上で、地域医療調整会議で病院や行政、医師会などのメンバーが集まって連携して協議をして地域医療構想を策定する枠組みについて「画期的だ」と高く評価。医師の需給に関する協議にも導入すべきだと提案した。

 病床数削減に関しては、過去10年間で病院数が7%、有床診療所が43%、病床数(一般・療養病床)は7.3%減少し、病床利用率も6%減っていることから、「現実を踏まえて、社会の流れの中で検討を生かさないといけない」と述べ、医療需要の変化に適切に対応することが必要だとした。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/285334
伊万里松浦病院の市内存続求め署名提出
1万3千人分集める

2016年03月03日 18時18分 佐賀新聞

 伊万里松浦病院(旧社会保険浦之崎病院=伊万里市山代町)の移転先をめぐり伊万里市と長崎県松浦市が競合している問題で、伊万里市区長会長会(安並勇会長)は3日、病院の市内存続と早期建て替えに賛同する市民ら1万3182人の署名を塚部芳和市長に提出した。

 安並会長ら関係者3人が訪れ、市長宛ての署名簿を提出した。趣意書は病院建て替え地を明示せず、「旧伊万里市民病院跡地」の文言は入っていない。市は病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(本部・東京)に署名を報告し、区長会長会からの要望書も近く送付するという。

 塚部市長は「住民の熱い思いを機構に伝えたい。いろんな要素を状況分析して最終判断されるだろうが、大きなインパクトがあると思う」と後押しに感謝した。

 署名活動は市内全13地区ごとに2月10日ごろから始めたという。安並会長は「病院が市の西端にあり、地域的な温度差も確かにあったが、多くの市民は市内存続を望んでいる」と話した。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20160303-OYTNT50368.html
柏市立病院 移転白紙に…柏の葉地区断念
2016年03月04日 読売新聞 千葉

 老朽化した柏市立柏病院を柏市布施の現在地で建て替えるか、移転するかで賛否が割れ、事業が凍結されている問題で、秋山浩保市長は3日の市議会で「膠着こうちゃくしている建設地の議論はいったん白紙とする」と述べ、前提としてきた柏市正連寺の「柏の葉地区」への移転を断念することを表明した。秋山市長は取材に対し、病院の機能や建設場所についても「ゼロから見直す」と述べ、新たな組織を設けて検討する方針を示した。


 理由について秋山市長は報道陣に対し、「市民の代表である市議会からも『考え直せ』と言われた。我々の進めてきたことが駄目だということで反省している」と説明。「いい病院を早く造るのが私の仕事だが、1、2年足踏みした。失政と言えば失政だ」とも語った。

 秋山市長は2014年9月、現在地から西に約4キロ離れた柏の葉地区に小児救急医療に重点を置いた新病院を建設する考えを発表した。だが、現在地近くの住民らの反対を受け、15年2月に事業凍結を表明した。同市は今後、市長の諮問機関の健康福祉審議会に分科会を設置し、市民や医療関係者、学識経験者らで改めて議論する。

 現在地の地元住民でつくる「市立柏病院現地建替え対策委員会」の坂巻勝さん(70)は市議会を傍聴し、「病院がなくなれば地域医療は崩壊する。移転撤回はとりあえず歓迎」と語った。

◆柏市立柏病院を巡る経緯

14年 3月 建て替え候補地を現在地と柏の葉地区に絞り込む
   9月 秋山市長が柏の葉地区への移転を表明
15年 1月 市議会の公明党会派が移転凍結を申し入れ
   2月 秋山市長が建て替え事業の凍結を表明
   5月以降 町会などとの意見交換会を開催
16年 3月 秋山市長が柏の葉地区への移転断念を表明



https://www.m3.com/news/iryoishin/404747
日医のかかりつけ医研修、新年度からスタート
診療報酬・算定要件にはならず

2016年3月3日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏が3月2日に会見し、2016年4月に開始する「日医かかりつけ医機能研修制度」について説明した。同研修制度は、地域包括診療料・加算などの診療報酬の算定要件となる研修ではないが、鈴木氏は、「地域住民からのより一層の信頼につながり、修了証書を院内掲示して、かかりつけ医を持っていない人が持つきっかけの一つになる」とメリットを強調した。5月22日には、座学の研修会を日本医師会館(東京都文京区)で開く。

 「日医かかりつけ医機能研修制度」は、かかりつけ医機能の充実・評価を目的に、都道府県医師会が実施。基本、応用、実地の3つの研修を経て修了証書(認定書)を取得できる(『2016年度からかかりつけ医研修、日医』を参照)。これまでに全国で9割ほどの都道府県医師会が実施する意向を示しているという。

 5月22日の研修会は、応用研修のうちの日医が実施する中央研修。中央研修は、日医が策定したシラバスに基づき、6講義、計6時間を年1回開催する。5月22日は、(1)かかりつけ医の倫理、(2)生活習慣病、(3)フレイル予防、高齢者総合機能評価(CGA)・老年症候群、(4)かかりつけ医の嚥下機能障害、(5)かかりつけ医の在宅医療・緩和医療、(6)症例検討――の6講義を午前10時から行う。中央研修の後、都道府県医師会も座学の研修会をする予定。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0303500379/
スルーされた"血圧値の奇妙な一致"
バルサルタン訴訟で桑島巖氏が見解

医療制度 | 2016.03.03 14:00 Medical Tribune

当日配付資料(Clin Exp Hypertens 2012; 34: 153-159)
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 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)バルサルタンの臨床試験問題をめぐり,薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われたノバルティスファーマ元社員の白橋伸雄被告の公判が,昨年(2015年)12月に始まった。臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)理事長の桑島巖氏(東京都健康長寿医療センター顧問)は,昨日(3月2日)東京都で会見を開き,検察側が公判で取り上げたKYOTO HEART Studyのサブ解析論文において,達成された降圧血圧値±標準偏差が4群とも完全に一致するという奇妙な現象が争点になっていないと疑問を呈した。

イベント水増しによる図表の作成あったか

 時効の関係から検察側が公判で取り上げた主な論文は,カルシウム拮抗薬(CCB)とバルサルタン併用の有用性を検討したCCB論文(Clin Exp Hypertens 2012; 34: 153-159)と,冠動脈疾患(CAD)例でのバルサルタンの有用性を検討したCAD論文で,いずれもKYOTO HEART Studyのサブ解析である。

 桑島氏の説明による裁判の主な争点は下記の通り。

1. CCB論文の作成に際して,白橋被告がアムロジピン群での心血管イベント数の水増しデータから図表を作成し,研究者らに提供したか
2. その行為を行った場合,意図的な改竄があったか
3. CCB投与群と非投与群の割り付けについて,プロトコルに基づかない恣意的な割り付けによる解析データを提供したのか。その場合,P値に意図的な改竄があったのか
4. 薬事法による虚偽記載に当たるのか
5. 仮に改竄行為があったとすれば,被告会社の業務に関連するのか


CCBや利尿薬の非併用で降圧目標達成は困難

 桑島氏は,そもそもKYOTO HEART Studyの論文自体が捏造されているため,サブ解析は全く信頼できないとしている。

 CCB論文は,①CCB+バルサルタン群②CCB+非ARB群③バルサルタン群④非ARB群―の4群で,心血管イベントを評価したもの。なぜか達成された血圧値±標準偏差(134mmHg±11 mmHg)が,4群で完全に一致している。

 同氏は,CCBやサイアザイド系利尿薬を併用せずに降圧目標を達成することはできないとし「血圧値±標準偏差の完全一致は,医学的にありえない」と述べた。

 また同氏は,京都大学の由井芳樹氏が疑義を呈したJIKEI HEART Study,KYOTO HEART Study,VART(The Valsartan Amlodipine Randomized Trial)における,バルサルタン群と対照群との血圧値の一致が問題の発端となったことに触れ「なぜCCB論文での4群の血圧値の奇妙な一致が争点とならないのか疑問である」と述べた。

 なお,臨床試験に携わった現場の医師が血圧値を操作するのは不可能であり,データ全体を操作できる者は限定される。

 桑島氏は,バルサルタンの医師主導臨床研究の不正問題を受けて2013年に設置された,厚生労働相直轄の「高血圧症治療薬の臨床研究に関する検討委員会」(委員長=名古屋大学名誉教授・森嶌昭夫氏)で委員を務め,白橋現被告にもヒアリングを行っている。

(田上玲子)


  1. 2016/03/04(金) 05:45:24|
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