Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月26日 3.11震災関連 

http://tocana.jp/2016/02/post_8983_entry.html
丸川珠代発言こそが日本のホンネか? 福島で甲状腺がんの子どもがさらに増加するも政府、県、メディアは黙殺
2016.02.26 TOCANA

 2月下旬の再稼働が確定的となっていた福井県高浜原発4号機で、20日午後、放射性物質を含む一次冷却水が漏れ出していたことが発覚した。高浜原発では1月29日に3号機を再稼働させたばかりで、それから1カ月も経たない4号機の重大事故に衝撃が走っている。  

 だが、当事者である関西電力、そして福井県原子力安全対策課は早々に「大きなトラブルではない」「周辺環境への影響はない」と事故を過小評価するのに必死だ。

 そして、なぜかこうした"原子力ムラ"の言い分がまかり通り、原発の危険性に警鐘を鳴らす報道はほとんど見られなくなっている。

 最近もある重大なニュースが無視されてしまった。それは、福島原発事故の後の子どもたちの甲状腺がんの増加だ。2月15日、福島の有識者会議「「県民健康調査」検討委員会」が会見で、事故後、甲状腺がんと診断された福島県の子どもたちは167人に上ると公表したのだ。

 福島原発事故後の2011年10月から始まった当時18歳以下だった子どもへの甲状腺がんの検査だが、現在は1巡目が終わり2巡目の検査が行われている。そこで新たに甲状腺がんまたはがんの疑いの子ども51人(男性21人、女性30人)が発見され、最初の検査と合計で167人という膨大な人数に膨れ上がっている。

 しかし驚くのはこの数字だけではない。会見で検討委員たちが次々と発した言葉だ。それらは全て、がん増加と事故のその因果関係を否定したものだった。

 例えば星北斗・福島医師会副会長はもってまわったような言い方で、福島県の甲状腺がんと事故の因果関係をこう否定した。

「チェルノブイリとの比較の線量の話、あるいは被爆当時の年齢などから考えまして、これらのがんにつきましては、放射線の影響とは考えにくいとの見解をこのまま維持する形に、今日の議論としては委員会としてはそうなったと理解しています」

 また被爆医療の専門家でもある同委員会の床次眞司・弘前大学被ばく医療総合研究所教授も「総じて言えば福島の事故における甲状腺被ばく線量はチェルノブイリ事故に比べて小さいことは言えるだろうと考えます」と同様の見解を表明している。

"チェルノブイリより被爆線量が少ない"そんな根拠だけで、専門家たちが福島事故と甲状腺がん増加の関係を否定したのだ。

 さらに同委員会は事故から5年に当たる3月に「中間報告」を取りまとめる予定だが、その最終案にも"チェルノブイリとの比較"から甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくいと断定している。

「これまでに発見された甲状腺がんについては、被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べてはるかに少ないこと、被ばくからがん発見までの期間が概ね1年から4年と短いこと、事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、放射線の影響とは考えにくいと評価する。但し、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ現段階ではまだ完全には否定できず、影響評価のためには長期にわたる情報の集積が不可欠であるため、検査を受けることによる不利益についても丁寧に説明しながら、今後も甲状腺検査を継続していくべきである」

 要するに何もわからないけど、でも事故とがん増加は関係ない。無責任にもそう断定するものなのだ。しかも最終案には「数十倍多い甲状腺がんが発見されている」と明記されているにも関わらず、だ。

 いや正確な発生率はそれ以上という指摘もある。昨年8月には岡山大学大学院の環境疫学の専門家である津田敏秀教授を中心とした研究グループが甲状腺がん発生率は国内平均の20~50倍であり、潜伏期間やチェルノブイリでのデータから今後も増加は避けられないと公表している。これに対し、政府や原発ムラ学者たちは、甲状腺がんの増加を「過剰診断」や「スクリーニング効果」などと反論したが、それでも説明はつかないほどの増加だという。

 さらに「検討委員会」に先立つ今年1月22日、国際環境疫学会(ISEE)は日本政府に対して「福島県民における甲状腺がんのリスク増加は、想定よりはるかに大きい」と懸念を表明し、リスクの推定をきちんとやるよう警告する書簡を送ったことも明らかになっている。

 福島県の子供たちに甲状腺がんが多発し、国際機関からさえも指摘を受けているにもかかわらず、政府や"お抱え"学者たちは、決してそれを認めない。今後さらに甲状腺がんが激増しようともその姿勢は変わることはないだろう。

 もちろん今回の高浜原発4号機事故にしても同様だ。記事直後から「漏洩した放射性物質の量は国の基準の200分の1以下で、作業員も被ばくしていない」などと嘯いているが、高浜4号機では福島原発事故後でも、同様の一次冷却水が漏れる事故が起きていたことも判明している。

 さらに運転期間が40年を過ぎた高浜1号、2号機においても2月16日に新基準適合検査が終了し、事実上「合格」が確定したが、その審査で大きな問題となっていた地震や津波などへの安全対策は「4号機の審査が終わっているから」としてほぼ無視されたままでの「合格」だった。

 こうした問題は高浜だけではない。福島原発事故後も福井県美浜原発2号機や北海道泊原発、茨城県東海原発、愛媛県伊方原発など冷却水漏れが続いているが、いずれのケースも今回同様「環境に影響がない」として政府や電力会社は"事故"として認める姿勢が極めて低い。

 こうした姿勢、本心が露骨に現れた典型例が環境相の丸川珠代議員の発言だ。

 2月7日、丸川議員は長野県の講演で、東京電力福島第1原発事故後に、国が除染に関する長期努力目標として「年間1ミリシーベルト」と定めていることに関し「何の科学的根拠もない」「反・放射能の人がワーワー騒いだ」と発言して大きな問題となった。さらに衆院予算委員会で発言を追及された丸川議員は一旦はそれを否定したが、後日、一転して謝罪をするドタバタぶりを露呈した。しかしこれは丸川議員個人の問題や見解ではないだろう。原発再稼働や海外輸出をがむしゃらに推し進める安倍政権の"ホンネ"が表れたにすぎない。

 そして、この姿勢はマスコミも同様だ。前述した甲状腺がんの問題は新聞でもテレビでも大きく取り上げられることはほとんどなかった。唯一『報道ステーション』(テレビ朝日系)だけが3月11日、大々的に特集を放映予定だというが、その「報ステ」も3月一杯で古舘伊知郎が降板し、体制が大きく変わる。

 東日本大震災から5年、原発報道のこれからを考えると、暗澹とするばかりだ。
(伊勢崎馨)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160226_13028.html
入院遅れて肺炎で死亡 石巻の医療法人提訴
2016年02月26日金曜日 河北新報

 宮城県石巻市の診療所を受診した宮城県内の男性会社役員=当時(70)=が死亡したのは、診療所が適切な治療を怠ったためだとして、男性の遺族が25日までに、診療所を運営する同市の医療法人(石巻市)に約5920万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、男性は2011年2月18日、発熱などを訴えて診療所を訪れ、肺炎と診断された。診療所は必要な血液検査などをしないまま男性に通院治療を受けさせたが、3月7日のエックス線検査で転移性肺がんを疑い、同月10日になって東松島市の病院に入院させた。男性は4日後に重症肺炎で死亡した。
 遺族側は「病原菌を特定する検査は通常2日程度かかるが、入院翌日に東日本大震災が発生して検査ができなくなった。遅くとも3月7日までに肺炎の重症化を把握できれば、病原菌を特定し、有効な治療を開始できた」と主張している。
 医療法人は「弁護士に一任しており、答えられない」と話した。



http://blogos.com/article/163072/
被災40病院 138人「防げた死」? では現実にできる?
中村ゆきつぐ
2016年02月25日 22:59 BLOGOS

本日の朝日新聞の朝刊記事。((東日本大震災5年)被災40病院、138人「防げた死」 厚労省研究班)厚労省の研究班の報告紹介記事です。

震災による停電で人工呼吸器、痰の吸引ができなかった
重症患者が集中し、医療スタッフの手が回らなかった
輸液や薬など医療物質が不足した
受診しないで家、避難所にとどまって容態が悪化
転院ができなくて容態が悪化

それに対する対策として

1 災害による外傷への対応だけでなく慢性疾患を悪化させないような備えも求められる
2 地域外の病院へ転院させる手続きや手順を定めておく
3 薬や医療機材の優先的な供給関する協定を薬の卸会社などと結んでおく

と記事はまとめられています。

この代表の先生はPDFで阪神と東日本大震災の違いを解説されています。外傷がメインだった阪神、溺死がメインだった東日本を比較し改善策を提言されています。(東日本大震災の教訓から課題を抽出し対応策を検討 災害医療体制とDMATの今後とは)

このPDFを読むとまあ納得できるのですが、朝日の記事を読んでも「防げた死」の記載に悪意を感じてしまいました。

まして 対策に上がっている1、2の施策は田舎の医療において平時でも少しハードルが高いものです。転院の場所の確保は言うのは簡単ですが、いざという時のためにベッドを空けておくとその施設は利益が出ません。つまりいつ起きるかわからない有事のために平時の利益を捨てろと言われても現実的には難しいものです。

3の薬も在庫があっても送れなかった輸送の問題があります。正直医療の部分を改善するよりも、食料品などを含めた生活品の輸送手段確保が優先されます。

以前書いた記事です。(NHKスペシャル「原発事故 100時間の記録」現場の意見、平時と有事)どうしても医療者は自分の分野だけでまとめようとしてしまいます。当時と比較しながら変わってないなと少し思ってしまいました。



http://www.asahi.com/articles/ASJ2V2DZ5J2VUBQU006.html
東日本大震災
シリーズ:震災5年へ
福島からの報告(4) きしむ心と体 関連死2024人

大岩ゆり、高田誠、永野真奈
2016年2月26日07時23分 朝日新聞

 福島県内の仮設住宅で独り暮らしの50代の男性の姿が見られなくなったのは昨年春のことだ。

アピタル特集「東日本大震災」
 連絡を受けた親族が、役場から鍵を借りてドアを開けると、男性は玄関口で息絶えていた。死因は肝硬変とみられた。男性が生前、頻繁にタクシーで飲みに出かけていたのを近所の人たちは見かけている。

 男性は原発事故で全村避難する葛尾村の出身。事故で牧場の仕事を失った。関係者が言う。「避難生活が心労となり、もともと好きなお酒にのめりこんだ」

 男性の死は、近隣町村でつくる審査委員会で東日本大震災や原発事故と因果関係がある「震災関連死」と認定された。世帯の生計維持者の遺族には500万円、それ以外の人には250万円の弔慰金が国や自治体などから支払われる。

 浪江町の元高校教師、門馬洋さん(当時70)も昨年2月、震災関連死と認定された。妻の昌子さん(73)によると、事故直後に東京に避難してから坂道を転げ落ちるように体調が悪化し、半年後には「生きていてもしょうがない」が口癖になった。認知症となり、2014年7月、肺炎をこじらせ亡くなった。

 福島では原発事故で飛散した放射性物質による急性被曝(ひばく)で亡くなった人はいない。しかし、事故後約5年間での関連死は2024人に上り、津波や地震による直接死の1604人を超えている。13年に「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」と発言した与党政治家は、後に発言の撤回に追い込まれた。

 関連死の認定にかかわる医師によると、事故後に健康を悪化させて亡くなっても、遺族が申請をあきらめるケースが少なくない。申請には健康に関する詳細な記録が必要になるからだ。

 自殺者の多さも目立つ。内閣府によると昨年末現在で80人。減少傾向にある岩手、宮城の津波被災地とは対照的で、昨年も19人と、前年の15人を上回った。

 心身の問題を抱え、生活習慣病の予備軍になる人も増えている。

 事故前後で同じような健診を受けた40歳以上の男性でみると、糖尿病が強く疑われる人や脂質異常の高中性脂肪血症、肝臓の働きが悪い人の割合が震災後に増えた。女性も似た傾向だ。県の県民健康調査検討委員会では「脂質異常の割合は高いままで、糖尿病は増加し続けている」と指摘する。

県が避難指示区域のある12市町村の住民を対象にした調査では、うつ傾向の比率は事故直後よりは改善したが約10%と高止まり。国内平均より3倍ほど高い。

 避難者を中心に診療を続ける双葉郡医師会顧問の井坂晶さんは「被災者の高齢化だけでは説明がつかない。避難生活による運動量の減少やストレス、先行きの見えない不安や生きがいを失った絶望感。これらが時間がたつにつれ蓄積し、心身の状態が悪化してきている」と分析する。

 及川友好・南相馬市立総合病院副院長は「避難者に定期的に健康診断を受けてもらう、体を動かす機会を増やしてもらうといった地道な取り組みを続けるしかない」と指摘する。

■孤独死防げ 黄色の旗

 一方、住民同士支え合って命や健康を守ろうとする試みもある。大玉村にある富岡町民の復興住宅。約60軒ある住宅の玄関口には早朝になるとぽつりぽつりハンカチ大の黄色い旗が掲げられる。独り暮らしのお年寄りによる「今日も元気」という合図だ。旗は夕方になると取りこまれる。

 復興住宅に隣接する仮設住宅の自治会長、鎌田光利さん(60)が高倉健主演の映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」をイメージして布を用意し、配ったのが始まりだ。夕方に旗をしまっていない独居男性が「苦しい」とうなっているのを見つけ、一命をとりとめたこともある。鎌田さんは言う。「旗だけで孤独死は防げない。気付いてくれる人が周りにいることこそ大切です」(大岩ゆり、高田誠、永野真奈)

=おわり


  1. 2016/02/27(土) 08:29:04|
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