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2月13日 診療報酬関連

https://www.m3.com/news/iryoishin/399313
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
抗うつ薬・精神病薬も2剤まで、精神医療
厚生局への報告は3カ月に1回

2016年2月13日 (土)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2016年度診療報酬改定で、精神医療では長期入院患者の退院支援や身体合併症患者の治療や受け入れの評価、薬物依存症や児童・思春期の外来の評価などを新設する一方で、多剤投与 の減算規定や長期の精神科デイ・ケアの要件を厳格化する。地域移行・地域生活支援を含む質の高い精神医療を評価するのが狙いだ(資料は厚生労働省のホームページ)。

 多剤投与の減算規定は、抗うつ薬と抗精神病薬について、現行の4種類以上から3種類以上の投与に対象を拡大。多剤投与に関する地方厚生局への報告も3カ月に1回に増やす。1年以上の精神科デイ・ケア等は週4日以上の場合は特定の場合を除き算定できなくなる。

 一方で、評価を手厚くしたのは、精神病棟における退院支援や地域移行の取り組み、身体合併症の治療体制や受け入れ体制など。また、薬物依存症の集団療法や専門的な児童・思春期精神科外来医療、自殺企図後の患者指導なども評価を新設する(『身体合併症の精神患者、受入で加算』を参照)。

【2016年度診療報酬改定◆精神医療の主要改定項目】
◆抗精神病薬等の処方の適正化

 抗精神病薬の多種類処方では、減算対象を拡大する。処方料(20点)、薬剤料(80%)、処方せん料(30点)に減算するのは、現行では「3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬、または4種類以上の抗精神病薬の投薬」だが、今回の改定で、抗うつ薬と抗精神病薬も4種類以上から「3種類以上」に厳格化する。ただし、臨時の投薬と「患者の病状などでやむを得ず投与が必要な場合、3種類の抗うつ薬または3種類の抗精神病薬を投与」については除外する。

◆通院・在宅精神療法の多剤投与の減算規定
 「通院・在宅精神療法」でも同様の算定要件を設置。「精神科継続外来支援・指導料」は、1回の処方で「抗不安薬3種類以上、睡眠薬3種類以上、抗うつ薬3種類以上、または抗精神病薬3種類以上」を投与した場合は算定できない(同様の除外規定あり)。また、抗精神病薬が「3種類以上」または抗うつ薬が「3種類以上」処方されている場合は、厚生労働大臣が定める場合を除き50%の減算になる。

◆多剤投与の報告書は3カ月に1回へ
 年1回だった「抗精神病薬多剤投与に係る報告書」の提出は、3カ月に1回となり、報告範囲も通年に広がる。抗精神病薬多剤投与の場合、処方料の算定要件として3カ月に1回、その状況を地方厚生局に報告することが義務付けられる。対象は「6月に受診した患者」から「直近3カ月に受診した患者」になる。

◆長期の精神科デイ・ケア等の算定要件を厳格化
 長期の精神科デイ・ケア等(「精神科デイ・ケア」「精神科デイ・ナイト・ケア」「精神科ナイト・ケア」「精神科ショート・ケア」)は算定要件が厳しくなる。最初の算定日から1年を超える場合は週5日が限度だが、4日以上の場合は(1)医学的に必要との判断、(2)精神保健福祉士が患者の意向を聴取し、その意向に沿った診療計画に基づいて実施、(3)当該医療機関で週4日以上のデイ・ケアを受ける患者が8割未満――の3つの要件を満たした場合に限られる。また、3年を超える場合は、精神科ショート・ケアと長期入院患者を除いて週4日目以降は90%の算定となる。

◆「地域移行機能強化病棟入院料(1527点)」の新設
 精神病棟における退院支援と地域移行の推進を目的に新設されるのは、「地域移行機能強化病棟入院料(1527点)」。長期入院患者の退院者数が月平均で届出病床数の1.5%に相当することや、専従の精神保健福祉士2人以上の配置などを要件に算定できる。「重症者加算1(1日60点)」「重症者加算2(1日30点)」「非定形抗精神病加算(1日15点)」も新設する。また、5年以上の長期入院患者の退院を評価する「精神科地域移行実施加算」も10点から20点に増点する。

◆精神科重症患者早期集中支援管理料の要件緩和
 重症精神疾患患者に対する多職種の訪問支援や緊急時対応の推進を目的に、「精神科重症患者早期集中支援管理料」の要件を緩和する。対象患者を長期入院後の患者だけでなく単独で通院困難な患者も追加。特定施設の居住による評価の差を廃止する。その結果、同管理料1では、単一建物診療患者数が1人の場合は1800点、2人以上の場合は1350点。同管理料2では1480点と1110点となる。施設基準では作業療法士の常勤要件を外し、24時間対応は往診もしくは訪問看護の体制のいずれかの整備で算定可能になる。

◆身体合併症のある患者の治療と受入れを評価
 身体合併症のある精神科疾患患者の治療体制の評価では、「精神科急性期医師配置加算(500点)」を新設。100床以上の複数の身体科と精神科を標榜する二次救急医療体制のある総合病院で、精神科リエゾンチーム加算の届出や精神科医が身体合併症を持つ救急搬送患者を月5人以上、到着後12時間以内に診察していることなどが条件。同時に、一般病院で身体合併症のある精神疾患患者の受け入れをした場合や救急搬送患者を精神科医が診療した場合の評価も新設。「精神疾患診療体制加算」として、精神科病院の求めに応じて転院を受け入れた場合は1000点(入院初日)、救急搬送患者を精神科医が診察した場合は330点(入院初日から3日以内に1回)が算定できる。

◆薬物依存や児童・思春期の評価を新設
 「依存症集団療法」は、薬物依存症患者が対象で、1回340点(半年間週1回まで)。医師や医師の指示を受けた看護師や作業療法士(いずれも研修が必要)が実施する。また、20歳未満の患者が対象の「通院・在宅精神療法 児童・思春期専門管理加算」では、16歳未満は1回につき500点、20歳未満の患者で病状評価を60分以上した場合は1200点(初診から3カ月以内に1回)を算定できる。精神保健指定医として5年以上児童・思春期の精神医療に従事した常勤医の配置や、月40人以上16歳未満の患者がいることなどが条件。

◆自殺企図後の患者への指導を評価
 「救急患者精神科継続支援料」を新設し、自殺企図後の患者に対する指導を評価する。精神科医か精神科医の指示を受けた看護師らが、自殺企図による入院から半年以内の精神疾患患者に生活や治療の課題を確認し、助言や指導を行う。入院中の患者は435点(月1回まで)、退院後は135点(半年間に6回まで)。

◆「精神科リエゾンチーム加算」の要件緩和と増点
 5年以上の経験がある専任の精神科医、所定の研修を修了した専任の常勤看護師、精神医療の経験が3年以上ある専従の常勤精神保健福祉士の3人以上で構成する「精神科リエゾンチーム」。今回、その普及を目的に要件緩和するとともに、週1回200点の加算から300点に増やす。看護師の経験年数を5年以上から3年以上に引き下げ、精神保健福祉士等の専従要件を緩和する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/398417
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「在宅患者95%以上」が在宅専門診療所
「同一建物」への在総管の引き下げも見直し

2016年2月12日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 2016年度診療報酬改定のうち、在宅医療関連の注目の改正点は二つ。一つは、在宅医療を専門に行う診療所が新たに診療報酬上、位置位置付けたこと。もう一つは、2014年度の前回改定で大幅引き下げとなった「同一建物・同一日」の複数患者への点数が見直され、重症度・居住場所に応じた評価が導入された点だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 在宅専門診療所は、都市部などで近年増えており、今改定はそれを踏まえた対応だ。「在宅医療専門」とは、「在宅患者が占める割合が95%以上」と定義。外来診療が必要な場合に対応できる体制を整えることなどを要件に、健康保険法上で開設を認める(『在宅専門診療所、「訪問エリア規定」で可能に』を参照)。

 在宅専門診療所に対しては、在宅療養支援診療所(以下、在支診)のハードルを上げ、現行の「機能強化型」の施設基準に加えて、看取り件数や重症患者の割合など一定の実績要件を満たすことを求める。この結果、在支診、もしくは「機能強化型」の在支診のいずれの点数を算定可能とするかについては、今後、通知等で示される予定。一方で、この施設基準を満たさない場合には、在宅時医学総合管理料(在総管)などは低い点数しか算定できず、安易な在宅専門診療所の開設に釘を刺した。既存の診療所でも、「在宅患者が占める割合が95%以上」であれば、この基準が適応される。

 重症度・居住場所に応じた評価は、「同一建物・同一日」の複数患者への在総管等を見直して導入する。機能強化型在支診、在支診のいずれの在総管等についても、「同一建物・同一日」という要件を廃止、同一日に診療するか否かを問わず、同じ建物(「単一建物」と定義)に居住する人数を「1人」「2~9人」「10人以上」の3区分に分け、(1)重症患者か否か、(2)月2回以上の訪問、(3)月1回の訪問――というマトリックスで、計9種類の点数を設定する。ただし、訪問診療のたびに算定する「訪問診療料」については、「同一建物・同一日」という概念が残っているので注意が必要だ。

 そのほか、特別養護老人ホーム等向けの「特定施設入居時等総合医学管理料」(特医総管)の対象となる住居を、有料老人ホームなどまで広げ、名称も「施設入居時等総合医学管理料」(施設総管)に変更。従来は休日の往診の評価がなかったが、夜間の往診と同様の加算を算定できるようにするなどの見直しも行う。

【2016年度診療報酬改定◆在宅医療の主要改定項目】

◆在宅医療を専門に行う診療所の開設を許可
・開設要件
 ●(1)無床診療所である、(2)在宅医療を提供する地域をあらかじめ規定、(3)外来診療が必要な患者が訪れた場合に対応できるよう、地域医師会から協力の同意を得ている、または(2)の地域内に協力医療機関を2カ所以上確保、(4)規定した地域内において在宅医療を提供、在宅医療導入に係る相談に随時応じる、医療機関の連絡先等を広く周知、(5)求めに応じて医学的に必要な往診や訪問診療に関する相談を行い、医学的に正当な理由等なく断ることがない、(6)診療所において、患者・家族等からの相談に応じる設備・人員等の体制を整える、(7)緊急時を含め、随時連絡に応じる体制を整える――の7要件。
・在宅専門診療所向けの在支診の施設基準
 現行の「機能強化型」の施設基準に加え、(1)在宅患者が95%以上、(2)1年に5カ所以上の医療機関からの新規患者紹介実績、(3)看取り実績が年20件以上、または15歳未満の超・準超重症児の患者が10人以上、(4)「在総管・施設総管の件数」に占める「施設総管」が70%以下、(5)「在総管・施設総管の件数」に占める「要介護3の患者+重症患者」の割合が50%以上――という実績を満たすことを求める。これらを満たさない在宅専門診療所は、在総管・施設総管は、在支診でない場合の所定点数の80/100相当の点数を算定。

◆重症度・居住場所に応じた評価
・在総管、施設総管の見直し
 月1回の訪問診療による管理料を新設、同一日に診療した人数に関わらず、「当該建築物」において医学管理を実施している人数に応じて評価。在宅時医学総合管理料(在総管)と施設入居時医学総合管理料(施設総管)について、訪問診療の回数と患者像に応じて、「単一建物診療患者の人数」が、(1)1人のみ、(2)2~9人、(3)10人以上――の3区分に分け、「月2回以上訪問(重症患者)」、「月2回以上訪問(重症患者以外)」、「月1回の訪問」の点数を設定。
 重症患者とは、末期の悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群、人工呼吸器使用、ドレーンチューブ等を使用、在宅血液透析――などの患者。 ・特定施設入居時等総合医学管理料(特医総管)の見直し
 対象となる住居を、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、特別養護老人ホーム、特定施設に加え、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームも追加。名称も「施設入居時等総合医学管理料」(施設総管)に変更。

◆休日の往診を評価
・往診料の「夜間加算」を「夜間・休日加算」に変更
 従来は緊急・夜間・深夜の往診については、往診料の加算があったが、「休日」の往診でも加算が算定できるようにする。

◆看取り実績の評価
・「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を新設
 緊急、夜間・休日または深夜の往診、ターミナルケア加算、在総管・施設総管、在宅がん医療総合診療料の加算として新設。(1)機能強化型の在支診または在支病を届出、(2)過去1年間の緊急往診と在宅看取りの実績、(3)緩和ケア病棟または在宅での1年間の在宅看取り実績が10件以上の医療機関において、一定期間の勤務経験がある常勤医を配置――などが要件。



https://www.m3.com/news/iryoishin/398957
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
手術料、約300項目で最大30%アップ
重粒子線・陽子線治療、237万5000円

2016年2月12日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 2016年度診療報酬改定においては、手術料が最大約30%アップしたほか、幾つかの注目される医療技術が新たに保険適用された(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 手術料については、「外保連試案第8.3版」に基づき改定され、約300項目を引き上げた。一方、引き下げた手術料はない。前回2014年度改定で、約1割の大幅引き下げになり問題視された「緊急帝王切開」は、2万2200点(2012年度2万2160点、2014年度2万140点)で、2012年度と同程度の水準に戻った。ただし、「選択的帝王切開」は2万140点(2012年度2万2160点、2014年度2万140点)のまま据え置き。

 長年先進医療として行われてきた小児腫瘍を対象にした陽子線治療と、切除非適応の骨軟部腫瘍を対象にした重粒子治療が、新たに保険適用されたことも今改定の注目点(『「ダ・ビンチ」、腎臓がんにも保険適用へ』を参照)。いずれも同点数で、治療費は15万点だが、治療適応判定や治療計画に基づく医学的管理などの各種加算の合計で23万7500点(237万5000円)となる。同じく先進医療から保険適用となった「硬膜外自家血注入療法」(いわゆるブラッドパッチ)は800点だ。先進医療から保険適用されたのは、これらを含めて計13技術。

 新規保険適用の一つが、内視鏡下手術用ロボット「ダ・ビンチ」を用いた腹腔鏡下腎部分切除術で、点数は7万730点。「ダ・ビンチ」の保険適用は、2012年度改定の前立腺がんに続いて2番目。

 現在、保険収載されていない鏡視下手術のうち、一定の有効性と安全性が認められる術式にしては点数を新設する。「内視鏡下鼻腔手術I型」(5520点)、「腹腔鏡下臍ヘルニア手術」(9520点)などだ。

 そのほか、医療技術の関係では、「短期滞在手術等基本料3」の対象が拡大したほか、既存の点数において、手術の内容や対象年齢に応じて評価を細分化、包括範囲の見直しも一部行う。新規に追加するのは、「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」「体外衝撃波腎・尿結石破砕術」「ガンマナイフによる低位放射線治療」の3項目。評価の細分化については、例えば、水晶体再建術は片眼と両眼に分けたほか、鼠径ヘルニア手術現行では「15歳未満」「15歳以上」の2区分だったが、「3歳未満」「3歳以上、6歳未満」「6歳以上、15歳未満」「15歳以上」の4区分とする。


  1. 2016/02/14(日) 06:41:52|
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