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2月10日 診療報酬改定関連 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48080.html
看護必要度、影響検証して必要なら見直しを- 答申受け、日医と四病協が記者会見
2016年02月10日 21時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)と四病院団体協議会(四病協)は10日、中央社会保険医療協議会(中医協)による2016年度診療報酬改定の答申を受けて、合同記者会見を行った。16年度改定では「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の基準が厳しくなったことから、病院経営や人員配置でどれくらいの影響があるのか、検証すべきとの声が相次いだ。【大戸豊】


 日医の横倉義武会長は、16年度診療報酬改定のポイントとして、(1)かかりつけ医のさらなる評価(2)在宅医療の推進(3)入院の機能分化(4)医療技術の評価(5)医薬品の適正使用-を挙げた。
 在宅医療の推進に伴い、在宅医療専門の医療機関に関する評価が新設されたが、横倉会長は、かかりつけ医が並行して在宅医療を行う場合に、訪問するのが難しいような地域を、在宅医療専門の医師にバックアップしてもらうといった役割もあるとし、「地域包括ケアシステムを推進する中で、地域医師会と協力し、地域医療を守ってほしい」と述べた。
 入院の機能分化については、看護必要度の見直しによる7対1の厳格化が進むとし、急激な変化による医療現場の混乱を避けるためにも、現場の影響をしっかり検証した上で、必要であれば次回改定を待たずに見直すべきと指摘した。


日医と四病協の記者会見では、看護必要度の厳しさを指摘する声が相次いだ

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は、今回示された7対1の看護必要度の基準が妥当かどうかは判断が難しく、早期の検証が必要とした。
 また、病棟群単位による届け出は、日病が当初、病床機能区分が進められる中で、1つの病院を1つの機能だけで運営するのは難しいという考えから提案したもので、もともとの趣旨とは異なってきていることから、注意して見守る必要があるとした。

 質疑応答では、今回の改定で7対1に残れる病院と残れない病院についての質問が出た。
 堺会長は、病院の経営判断で7対1から10対1へ移ろうと思っても、そこで働く看護師のことを考えた場合、1年間でも完全に移れるかどうかは疑わしいとし、タイムラグを考慮する必要があるとした。
 また、病棟群単位による届け出も、2年間の経過措置で判断するのは非常に難しいとしたほか、地域全体を見ても、看護師の需要動態が変わっていくなど、影響が大きいことを考えると、軽々しくは移行を判断できないと述べた。

 全日本病院協会(全日病)の西澤寛俊会長は、看護必要度については、これまでも大病院と比べると、明らかに中小病院が基準を下回ることが多く、不利な状況があるとした。また、救急や外科を専門とする病院が有利な一方、内科中心の病院は厳しくなるとし、「内科は急性期ではない」とみなされることを懸念していると述べた。
 大病院でも、病棟が診療科ごとに分かれている場合、基準である25%を大きく上回る病棟と、下回る病棟が出てくるとみられることから、西澤会長は「(看護必要度を)クリアしないところは本当に急性期ではないのかという検証が必要になる」としつつ、個人的には看護必要度を別の基準に変える必要があると思っていると述べた。
 そして、10対1に移行しても、看護師をすぐに減らすことはできず、7対1の人員配置のままで10対1の収入では、病院は人件費を賄うことも危うくなるとした。



http://mainichi.jp/articles/20160210/dde/041/010/041000c
薬物依存症
専門治療、初の診療報酬 医師ら実施に限定 依存者支援策、進展に弾み

毎日新聞2016年2月10日 東京夕刊

 中央社会保険医療協議会(中医協)が塩崎恭久厚生労働相に答申した2016年度の診療報酬改定案で、薬物依存症の専門治療に診療報酬が初めて認められることになった。薬物乱用が深刻化する中、遅れていると指摘されていた依存症治療の体制整備に弾みがつきそうだ。【江刺正嘉】

 厚労省によると、診療報酬の対象になるのは、「集団認知行動療法」と呼ばれ、薬物依存症からの回復に効果があるとされる治療プログラム。平易なワークブックを使い、薬物への依存がなぜ危険なのか▽再び使ってしまう「引き金」は何か▽どうすれば再使用の欲求を断ち切れるか−−などを集団による外来診療で学ぶ。

 診療報酬額は患者1人当たり1回3400円で、医師か医師の指示を受けた看護師・作業療法士が実施することが条件。毎週1回、6カ月以内が原則で、必要があればさらに1年半延長できる。

 医療界では覚醒剤などの薬物乱用者は「司法の対象」とみなされてきた面が強く、薬物患者を受け入れる専門医療機関は全国でわずかしかなかった。国立精神・神経医療研究センター(東京都)によると、診療報酬の対象となるプログラムと同様の専門療法を実施している一般医療機関は20施設程度にとどまっている。

 プログラムを開発した同センターの松本俊彦・薬物依存研究部長は「薬物依存症に特化した医療技術に診療報酬が認められるのは、わが国の医療の歴史を見ても画期的」と評価する。そのうえで、元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)が逮捕されるなど薬物関連の事件が後を絶たない現状を踏まえ、「今回の診療報酬改定をきっかけに、依存症からの回復支援策を真剣に考える時期に来ている」と指摘した。

 一方、改定案が医師や看護師らがプログラムを実施した場合しか診療報酬を認めないとしている点について「各地で実施されているプログラムは精神保健福祉士や臨床心理士が中心。この案のままではプログラムが広がるどころか、逆に実施施設が減る恐れがある」として、条件の見直しを訴えた。

 プログラムを長く実践している埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也(のぶや)・副病院長は「今まで依存症治療に関わっていなかった医療機関が関心を持つきっかけになれば」と話した。

 一方、全国薬物依存症者家族会連合会(19家族会591人)の林隆雄理事長は「厄介者扱いされてきた薬物患者を診察する精神科医が増え、『あの病院に行けば治療プログラムを受けられる』と助言できるようになることを期待したい」と語った。



http://www.medwatch.jp/?p=7596
2016年度診療報酬改定、要介護高齢者などの目標設定支援などしなければ、疾患別リハ料を減算―中医協総会
2016年2月10日|2016診療報酬改定ウォッチ MediWatch

 中央社会保険医療協議会の総会が10日、2016年度診療報酬改定に関する答申を行いました(関連記事はこちら)。

 リハビリについては「アウトカムの低い回復期リハ病棟での疾患別リハビリ料の算定制限」が注目されますが、このほかに▽廃用症候群リハの創設▽要介護高齢者の維持期リハの介護保険への移行促進―なども重要ポイントです。

 また、入院基本料の施設基準である「月平均夜勤72時間要件」のみを満たせない病院について、救済措置の拡充が行われました。


一定期間内にリハの目標設定支援などしなければ、疾患別リハビリ料を減算

 リハビリの見直しについて速報2でもお伝えしていますが、次のような見直しも行われます。

▽回復期リハビリ病棟について体制強化加算2(120点)を新設。この加算を算定する場合には、病棟の専従医師が一定程度、病棟外業務を実施することができる(他の病棟の専従医師とすることは不可)。

▽廃用症候群リハビリ料(リハビリ料I:180点、リハビリ料2:146点、リハビリ料III:77点)を新設。現在の、脳血管疾患等リハビリ料(廃用症候群の場合)と同じ点数設定で、I、II、IIIのそれぞれの施設基準も同様に設定される。対象患者は「治療の有無を問わず、急性疾患などに伴う安静による廃用症候群であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力、日常生活能力が低下している者」で、廃用症候群の診断・急性増悪から原則として120日まで算定できる。

▽要介護被保険者の維持期リハビリについては、介護保険への完全移行が2年間延期されましたが、要介護費保険者に対する維持期の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハ料は「60%」に減算される(現在の90%から厳格化)。また、医療機関が介護保険のリハ実績を持っていない場合には、さらに「80%(つまり本来の点数の48パーセント)」に減算される。

▽要介護被保険者の維持期リハを介護保険へ移行させるため、新たに「目標設定等支援・管理料」(初回250点、2回目以降100点)が新設される。これは、患者に対して「リハビリを通じて何を実現したいのか」という目標を設定する際の支援や、介護保険のリハへの紹介などを評価するもの。なお、標準的算定日数の3分の1経過後に、この点数を算定せず(目標を定めず、介護保険リハの紹介などもせず)に疾患別リハを提供した場合には、疾患別リハ料が90%に減算されるのでご注意を。

▽摂食機能療法の対象を、「内視鏡下嚥下機能検査・嚥下造影で他覚的に嚥下機能低下が確認でき、医学的に接触機能療法の有効性が期待できる患者」にも広げる。さらに経口摂取回復促進加算について、より緩やかなアウトカム基準である加算2(20点)を新設する(加算1は185点)。


療養病棟1の「在宅復帰機能強化加算」、他院からの患者受入を促進

 療養病棟については、速報2でお伝えした内容(療養病棟2の施設基準厳格化や医療区分の精緻化)のほかに「在宅復帰機能強化加算」の見直しが行われます(関連記事はこちら)。

 より「他院の急性期などの病棟」→「療養病棟」→「自宅」という流れを強化することが狙いで、施設基準のうち次の点が見直されました。

▽入院期間が1か月未満の退院患者も在宅復帰率(50%以上)の計算に含める。ただし「自院の他病棟から転棟した患者」は、入院期間1か月以上の患者のみを計算対象とする。

▽病床回転率について、「一般病棟・地域包括ケア病棟から当該病棟に入院し、自宅などに退院した年間の患者割合が10%以上」と改める

 この見直しには半年間の経過措置がありますが、仮に加算を算定できなくなった場合、7対1や地域包括ケア病棟の「在宅復帰先」にカウントされなくなります。当該療養病棟はもちろん、連携する7対1病院にも影響が出ると考えられます(関連記事はこちら)。


「月平均夜勤72時間のみを満たせない」病院の救済措置を充実

 看護師の月平均夜勤時間の計算方法を見直す点については、既にお伝えしたとおりですが(関連記事はこちら、月平均夜勤72時間のみを満たせない場合の救済規定(看護師確保が難しい中では、この要件のみが非常に厳しくなっている、という声が医療現場から出ているため)について、次のような見直しが行われます(関連記事はこちら)。

▽月平均夜勤時間のみを満たさない場合の減算(月平均夜勤時間超過減算、3か月間のみ算定可能)について、現在の「20%減算」から「15%減算」に緩和する。

▽月平均夜勤時間超過減算も算定できなくなった(3か月超過)場合に対し、「夜勤時間特別入院基本料」(入院基本料の70%、ただし特別入院基本料+10点が下限)を新設する。


後発医薬品使用体制加算、計算方法を「数量」ベースに変更

 2016年度改定では、効率化の一環として「後発医薬品の使用促進」も重要ポイントの1つとなり、このうち病院については「後発医薬品使用体制加算」の見直しが重要でしょう。

 この加算は、これまで「採用品目数に占める後発品の割合」に着目した点数設定がなされていましたが、他の加算などと同様に「数量」に着目した点数設定に組み替えられます。具体的には、「後発品の数量 ÷(後発品有りの先発品と後発品の数量)」を計算し、70%以上であれば42点(加算1)、60%以上であれば35点(加算2)、50%以上であれば28点(加算3)が算定できます。

 なお「数量」は、薬価基準の規格単位(●グラム当たり○円や●ml当たり○円とされているところの、●グラムや●mlが規格単位)で計算されます。単純に「使用量が多ければ、後発品の数量シェアが大きくなる」わけではない点に留意が必要です。例えば、A医薬品とB医薬品を同じ100グラムずつ使用しても、規格単位がAは1グラム、Bは10グラムであれば、数量はAとBで10倍異なる(Aのほうが10倍大きい)のです。


眼内レンズ用いる水晶体再建術、片眼は2万2096点、両眼は3万7054点に

 このほか、ポイントとなる診療報酬項目の見直し内容を見ると、次のようになっています。

●外来化学療法加算について、それぞれ所定点数を15歳未満では40点、15歳以上では20点引き上げた。

●CT、MRI、PETの撮影料を次のように見直した(関連記事はこちら)。

【コンピューター断層撮影】(イ)64列以上のマルチスライス
(1)施設共同利用(10%以上)において行われる場合:1020点
(2)その他の場合:1000点(従前から据え置き)

【磁気共鳴コンピューター断層撮影】(1)3テスラ以上
(イ)施設共同利用(10%以上)において行われる場合:1620点
(ロ)その他の場合:1600点(従前から据え置き)

【ポジトロン断層撮影など】:施設共同利用率を30%以上に引き上げ(現在は20%以上)

●人工腎臓の点数について、次のように見直した。

【慢性維持透析を行った場合】
(イ)4時間未満:2010点(←2030点)
(ロ)4時間以上5時間未満:2175点(←2195点)
(ハ)5時間以上:2310点(←2330点)

【慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合】:2225点(←2245点)

●短期滞在手術等基本料について、例えば次のような点数の見直しを行った(関連記事はこちら)

▽水晶体再建術1眼内レンズを挿入する場合 ロその他のもの(片眼):2万2096点(←2万7093点)
▽水晶体再建術1眼内レンズを挿入する場合 ロその他のもの(両眼):3万7054点
▽ヘルニア手術5鼠径ヘルニア(3歳未満):3万5052点
▽ヘルニア手術5鼠径ヘルニア(3歳以上6歳未満):2万8140点
▽ヘルニア手術5鼠径ヘルニア(6歳以上15歳未満):2万5498点
▽ヘルニア手術5鼠径ヘルニア(15歳以上):2万4466点

●障害者施設入院基本料について、脳卒中患者(医療区分1と2)の評価を次のように設定する

▽7対1、10対1:医療区分2では1465点、医療区分1では1331点
▽13対1:医療区分2では1317点、医療区分1では1184点
▽15対1:医療区分2では1219点、医療区分1では1086点

●特殊疾患病棟入院料・入院医療管理料について、脳卒中患者(医療区分1と2)の評価を次のように設定する

▽特殊疾患病棟1:医療区分2では1857点、医療区分1では1701点
▽特殊疾患病棟2:医療区分2では1608点、医療区分1では1452点
▽入院医療管理料:医療区分2では1857点、医療区分1では1701点



http://mainichi.jp/articles/20160210/k00/00e/010/181000c
診療報酬改定
「かかりつけ医」手厚く 中医協答申

毎日新聞2016年2月10日 11時22分(最終更新 2月10日 14時55分)

 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10日午前、2016年度の診療報酬改定案をまとめ、塩崎恭久厚労相に答申した。身近な「かかりつけ医」の機能を強化するため、認知症の人や乳幼児を対象に、かかりつけの役割に対する報酬を新設する。また、紹介状なしで大病院を受診する場合、診察料などとは別に初診で5000円以上が請求されるようになる。4月から実施する。

 厚労省は、患者を継続的に診て療養指導や健康管理をするかかりつけ医の機能強化を進めている。今回の改定で、認知症患者の主治医役を果たす場合、従来より報酬を手厚くする。小児かかりつけ医についても新たに報酬を設け、原則3歳未満の患者について、予防接種の指導や発達段階に応じた助言などを行うよう促す。

 一方で500床以上の大病院(全国約160)や、大学病院など特定機能病院(同84)では、紹介状のない患者から、初診で5000円以上(歯科は3000円以上)、再診で2500円以上(同1500円以上)を徴収するよう義務づける。軽度の患者の受診を減らし、専門的な診療に専念するため。

 調剤分野でもかかりつけ機能を重視し、かかりつけ薬剤師の評価を新設する。逆に、かかりつけ機能が不十分とみられる「大型門前薬局」は、調剤基本料を引き下げる。処方箋の受け付け回数が月に計4万回超の薬局グループに属し、特定の医療機関からの処方箋が95%以上の薬局などが対象となる。

 また、重症者向けに「患者7人に看護師1人」という最も手厚い配置に対する高い報酬算定は対象を絞り込む。入院患者のうち特に重症度の高い患者の割合(現行15%以上)を「25%以上」に引き上げるなどする。医療機関の役割分担を明確にするのが狙い。

 16年度の診療報酬改定率は、医師の技術料など「本体」がプラス0・49%、医療材料を含めた「薬価」が実質マイナス1・52%。患者負担は診察料などでは増えるが、薬代は軽くなる。【堀井恵里子】
2016年度診療報酬改定の主な項目(★は新設)

<医療の質などの改善>
★認知症患者の主治医や小児かかりつけ医、かかりつけ薬剤師の機能を評価
★身体の病気で入院した認知症患者へのケアに報酬新設
・35歳未満が禁煙治療を受けやすいよう基準を緩和

<医療機関の機能分化>
・重症者向けに手厚い看護師を配置した病床に対する報酬の算定基準の厳格化
・訪問診療専門の診療所開設を解禁

<患者負担増や医療費の抑制>
・紹介状なしで500床以上の大病院などを受診する際、定額の自己負担(初診5000円以上、再診2500円以上)
・外来での湿布薬は原則1回70枚まで
★内服薬(6種類以上)を2種類以上減らす取り組みに報酬
・「大型門前薬局」の調剤基本料を引き下げ



https://www.m3.com/news/iryoishin/398235
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
7対1病棟の重症者割合、25%に引き上げ
「C項目」新設、200床未満には2年間の経過措置

レポート 2016年2月10日 (水)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2月10日に答申された2016年度診療報酬改定の最重要ポイントは、地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化と連携だ。入院医療の目玉は7対1入院基本料の算定要件の厳格化で、病棟の種別ごとに適切な患者像を評価し、適切でない場合は評価を見直す。患者像を表す「重症度、医療・看護必要度(以降、重症度)」に新設の「C項目」などを追加し、対象患者を拡大した上で、算定病棟における該当患者の基準を15%から25%に引き上げる。ただし、2016年3月現在の届出機関で、200床未満の病院は、2018年3月までは23%の基準が適用される(資料は厚生労働省のホームページ)。

 複数の病棟を持つ病院については、経過措置として7対1と10対1入院基本料の病棟群単位の届出も認められる。また、看護師の月平均夜勤時間の基準も緩和。在宅復帰率の計算対象の見直しと基準の引き上げや、10対1入院基本料の評価の拡充も実施する(『7対1見直し、「骨抜き」と支払側が懸念』を参照)。これらの措置で、7対1入院基本料病棟から、10対1入院基本料病棟等へのスムーズな転換や、患者の地域への早期復帰を促すのが狙いだ。

【2016年度診療報酬改定◆7対1入院基本料等に関する主要改定項目】

◆重症度の項目の見直し

一般病棟用の重症度では、新設される手術後や内科的治療が必要な患者を評価する項目名称を「C項目」に決定。これまで「M項目」が議論で使われてきたが、日本医師会の中川俊男氏の指摘があり、修正された。C項目では、特定の手術後、あるいは救命等に係る内科的治療後の一定の日数内の患者を評価する。開頭・開胸の手術は7日間、開腹・骨の観血的手術は5日間、胸腔鏡・腹腔鏡の手術は3日間、全身麻酔・脊椎麻酔の手術(前記の手術を除く)が2日間。救命等に係る内科的治療も2日間だ。救命等に係る内科的治療の具体例は今後通知で示される予定。

 A項目では「無菌治療室での治療」「救急搬送後(2日間)」を追加、B項目は「起き上がり」と「座位保持」を削除した上で、「危険行動」と「療養・診療上の指示が通る」を追加した。該当基準は、現行は「A項目2点以上かつB項目3点以上」としているが、さらに「A項目3点以上」または「C項目1点以上」の場合を追加する。

◆該当患者の割合の見直し

 上記の一般病棟用の重症度について、各入院基本料の該当患者の割合を変更する。7対1入院基本料病棟は、15%以上から25%以上に引き上げ(200床未満の病院は、2018年3月末までは23%)。看護職員夜間配置加算と急性期看護補助体制加算は5%以上から6%以上に引き上げ、地域包括ケア病棟入院料病棟は10%の据え置きで、対象患者をA項目のみからC項目も追加。回復期リハビリテーション病棟入院料病棟については、10%以上から5%以上に引き下げる。

◆10対1病棟の看護必要度加算の見直し

 現行の「看護必要度加算」は、重症度の該当患者が15%以上で30点(同加算1)、10%以上で15点(同加算2)が算定できるが、24%以上で55点(同加算1)、18%以上で45点(同加算2)、12%以上で25点(同加算3)に改める。

◆病棟群単位の届出

 一般病棟で7対1入院基本料から10対1入院基本料に変更する場合、2016年4月から2年間、病棟群単位で持つことが可能になる。2016年3月末の時点で、直近3カ月以上7対1入院基本料の複数病棟の届出があることが必要で、4以上の病棟数がある場合は両方の基本料の病棟を複数持たないといけない。届出は1回のみで、2017年3月末まで。届出をした場合、2017年4月以降は、7対1病棟は一般病棟入院基本料の病床数の60%以下とすることが求められ、7対1病棟と10対1病棟での患者の転棟は原則不可。

◆在宅復帰率の見直し

 在宅復帰率については、自宅や介護施設、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟などに退院する患者の割合がこれまで75%以上であることが7対1入院基本料の算定要件になっていた。今改定で、評価対象となる退院先に、新設の在宅復帰機能強化加算の届出をした有床診療所を追加、割合も80%に引き上げる。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48077.html
7対1見直しの影響、最大でも1万床減- 支払側会見で幸野委員
2016年02月10日 20時00分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)の支払側委員は10日、2016年度診療報酬改定案の答申後に記者会見を開いた。この中で幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、今改定で最大の争点となった7対1入院基本料の施設基準の見直しの影響を厚生労働省の資料に基づき独自に試算したところ、最大でも1万床程度の減少にとどまることを明らかにした。その上で、18年度改定へ向け、改めて基準を見直していく必要性を訴えた。【坂本朝子】


 幸野委員は改定案を総括し、「一部、継続課題は残ったが、全体としては非常に良い内容だった」と評価する一方、「結果として、診療報酬本体がプラス0.49%という引き上げになり、薬価についても国民に還元するという方向が示されなかったことについては残念」と語った。

 また、7対1入院基本料の施設基準など入院医療の評価については、「われわれの主張する内容と一部異なる結果となったが、『重症度、医療・看護必要度』の評価項目ならびに該当患者の水準の見直しが行われたことや、急性期病院の入院医療をより適切に評価できるようになった指標が示されたことは評価をしている」と述べた。

■18年度改定では必ず3点セットで見直しを

 一方、18年度に控えている診療報酬と介護報酬の同時改定について、幸野委員は、「地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携などを引き続き検討することが何よりも重要」との意見を述べた。また、機能分化を進めるためには、こうした議論に加え、「将来的には病床機能報告制度上の病床機能と、診療報酬上の評価の整合性を求めることも必要」との考えを示した。

 さらに、7対1入院基本料の厳格化について、幸野委員は、指標として「重症度、医療・看護必要度」「平均在院日数」「在宅復帰率」の3点セットで見直さなければ意味がないとの従来の主張を改めて展開。16年度改定では、平均在院日数は見直されず、在宅復帰率は「指標が形骸化していて高い数値が出るような計算式になっている」と断じ、どのくらいの病床が本当に削減されるのか検証をしていく必要があると指摘。「次回改定では必ずや3つをセットで見直していくという主張は今後も続けていきたい」と強調した。

■かかりつけ薬剤師や薬局の活躍に期待

 また、今改定で示された処方医と連携して一元的かつ継続的に患者の服薬指導を行う「かかりつけ薬剤師」の評価について、花井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、「調剤薬局だけでなく、薬剤師全体、職能全体が正念場を迎えていると個人的には思っている」と述べ、「本来、国民が利益を得られる医薬分業という姿を見せていただきたい」とその活躍に期待感を示した。

 幸野委員もかかりつけ薬剤師の活躍に期待しているとし、「長い目で見ると、一時的な負担はあるものの医療費は減少していく傾向に機能していくのではないか」と述べた。

 そのほか、平川則男委員(連合総合政策局長)が、看護職の月平均夜勤時間数を72時間以内とする入院基本料の要件が一部緩和されたことについて、長時間夜勤が助長されないか把握するとともに、労働条件の悪化が見られた場合には早急に要件の見直しを求めていくと強い姿勢を示した。また、複数の委員から、今回新設された「かかりつけ歯科医」の評価に関して、その役割や機能が十分に議論されていないことを問題視する声が上がった。



http://www.medwatch.jp/?p=7593
2016年度診療報酬改定、実は「小児医療の見直し」が大きなポイント―中医協総会
2016年2月10日 | 2016診療報酬改定ウォッチ MediWatch

 入院基本料の重症患者割合を25%に引き上げるとともに、病棟群単位の入院基本料届け出を一時的に認め、機能分化を進める―。中央社会保険医療協議会・総会は10日、こういった点を重要な柱に据えた2016年度診療報酬改定に関する答申を塩崎恭久厚生労働大臣に宛てて行いました(答申書の受け取りは竹内譲厚生労働副大臣)。

 答申を受け、厚生労働省は関連法令(診療報酬点数表、施設基準、薬価基準、材料価格基準など)の準備を進め、3月上旬(4日見込み)に告示・通知発出を行う予定です。

 2016年度改定では、7対1入院基本料の施設基準(重症患者割合など)や地域包括ケア病棟の手術・麻酔の取り扱いなどが注目されますが(関連記事はこちらとこちら)、実は「小児医療」について非常に多くの見直し項目が含まれています。「小児医療の重点評価」が今回改定の大きな柱の1つと言えそうです。


NICUやPICU、算定日数上限を延長する疾患を拡大

 まず入院について見てみると、次のような項目が挙げられています(関連記事はこちら)。

(1)小児入院医療管理料の包括範囲から「在宅療養指導管理料」「在宅の薬剤料・特定保険医療材料料」を除外する。これにより、在宅医療の導入に関する診療報酬(在宅人工呼吸指導管理料や人工呼吸器加算など)を退院月にも算定することができ、重症小児の在宅移行が進むと期待できる。

(2)小児入院医療管理料の3、4、5について、重症児の受け入れ実績を評価する「重症児受入体制加算」(1日につき200点)を新設する(速報2でお伝え済)。

(3)小児慢性特定疾患患者について、小児入院医療管理料を20未満まで算定できる(現在は15歳未満まで)こととし、15歳を超えて小児慢性特定疾患と闘う患者へのサポートを強化する。

(4)新生児特定集中治療室(NICU)管理料について、先天性心疾患(カテーテル手術・開胸手術・人工呼吸器管理・一酸化窒素吸入療法・プロスタグランジンE1持続注入を実施したもの)の児については、先天性水頭症などと同じく、算定日数を35日まで延長する。

(5)小児特定集中治療室(PICU)管理料について、▽腹膜透析でない急性血液浄化が必要な状態▽心臓手術ハイリスク群▽左心低形成症候群▽急性呼吸窮迫症候群▽心筋炎・心筋症―では21日、体外式心肺補助(ECOM)が必要な状態では35日まで、算定日数上限を延長する

(6)新生児特定集中治療室退院調整加算を、「退院支援加算3」(退院時に1回、1200点)に組み替える。


3歳未満の小児について外来医療を包括的に評価する新点数を設定

 小児の外来については、継続的に受診している3歳未満の小児に包括的な外来医療を提供する医療機関を評価する「小児かかりつけ診療料」が新設されます。▽初診療▽再診料とその加算▽地域連携小児夜間・休日診療料▽院内トリアージ実施料▽夜間休日救急搬送医学管理料▽診療情報提供料のI・II▽往診料とその加算―以外は、次の点数に包括されています(関連記事はこちら)。

▽処方せんを交付する場合:(イ)初診時602点、(ロ)再診時413点

▽処方せんを交付しない場合:(イ)初診時712点、(ロ)再診時523点

 この点数を算定する場合、「電話などの問い合わせに原則として常時対応する」「急性疾患発症時の対応方法やアトピーなどの慢性疾患の管理方法などを指導し、診療する」「健診結果を把握し、保護者からの相談に応じる」「予防接種歴を把握し、予防接種のスケジュール管理などに関する助言などを行う」「必要に応じて専門医療機関を紹介する」ことが必要です。

 また、本点数を算定するための施設基準として、▽小児科外来診療料の届け出▽時間外対応加算1または2を届け出▽小児科または小児外科の専任常勤医師の配置―が設置されたほか、「初期小児救急への参加」「小児在宅医療の提供」「幼稚園の園医への就任」などのいずれか3つ以上を満たすことなども規定されています。


 さらに小児科療養指導料(270点、現在は脳性麻痺や先天性心疾患などの小児が対象)の対象に、小児慢性特定疾患患者も含めることになりました。

 一方、在宅については速報2でお伝えしたとおり、機能強化型の在宅療養支援診療所などの「看取り実績」に、「超重症児・準超重症児の診療実績」も含めて考えることができるようになります。例えば、単独型の機能強化型在支診では、現在「1年間の看取り実績4件以上」となっているところが、「1年間に、看取り実績4件以上または、15歳未満の超・準超重症児に対する総合的な医学管理4件以上」と見直されます。

 このほか小児医療に関連して、次のような充実が図られています。

▽生体検査料や画像診断などの新生児加算を80%上乗せに、乳幼児加算を50%上乗せに引き上げ、幼児加算(30%上乗せ)を新設する

▽救急搬送診療料の新生児加算を1500点に、乳幼児加算を700点に引き上げる

▽小児がん拠点病院について加算(750点)の新設などを行う(関連記事はこちら)

▽児童・思春期の精神疾患患者に対する専門的な外来診療を確保するため、児童思春期精神科専門管理加算1(1回につき500点)、同加算2(初診から3か月以内に1回、1200点)を新設する



http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2016021000177
かかりつけ医に手厚く=「紹介状なし」5000円追加-16年度報酬改定案答申・中医協
(2016/02/10-10:28)jiji.dom (時事通信)

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10日、公的医療保険から病院や薬局に支払われる診療報酬の2016年度改定案を塩崎恭久厚労相に答申した。患者に身近な「かかりつけ医」や「かかりつけ薬局」への報酬を手厚くしたのが特徴。超高齢化社会に備え、地域医療を充実させる。紹介状なしで大病院を受診した患者に、初診時5000円以上の追加負担を求める制度を4月から導入する。 
 高齢者が住み慣れた地域で医療サービスを受けられる体制を整備するため、患者の健康状態や服薬状況を管理するなど、医師や薬剤師のかかりつけ機能を強化。医療機関の病床は、重症患者向けの要件を厳格化し、高齢化で増える慢性期の患者を受け入れる病床への再編を誘導する。
 かかりつけ医については、糖尿病などを併発する認知症患者のケアなどへの評価を新設。がんの診療や緩和ケアに取り組む地域の病院への報酬を増やす。
 高度な医療を提供する全国240カ所程度の大病院を対象に、紹介状なしで受診した患者から窓口負担(1~3割)とは別の特別料金徴収を義務付ける。軽症の場合は、かかりつけ医を受診するよう促す。
 徴収する額は病院側が設定するが、初診時5000円(歯科3000円)、再診時2500円(同1500円)を最低額とする。救急搬送の患者などは対象外。
 かかりつけ薬局普及に向け調剤報酬は大幅に見直す。患者が選んだ薬剤師による服薬指導への報酬を増額するなど、薬の飲み残しや重複投与を減らす取り組みを広げる。これに対し、大手チェーン薬局をはじめ、特定病院の処方箋を扱うだけの大型「門前薬局」への報酬は減らす。
 また、安価な後発医薬品(ジェネリック)の価格を新薬の原則6割から同5割に下げるなど、医薬品価格を適正化し医療費抑制につなげる。
 16年度改定をめぐっては政府が年末に全体の改定率をマイナス0.84%と決定。これを受け、中医協が医療行為ごとの配分を議論してきた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48068.html
16年度の診療報酬改定案を答申- 中医協、看護必要度の基準は25%に
2016年02月10日 23時00分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)は10日の総会で、2016年度の診療報酬改定案を取りまとめ、塩崎恭久厚生労働相に答申した。最大の争点となっていた一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)については、重症者の割合の基準を25%に引き上げることが決定。手術後の患者の状態などを評価するため、看護必要度に新設される項目の名称は、委員の意見を踏まえて「M項目」から「C項目」に変更となった。【敦賀陽平】

 看護必要度の基準の厳格化に伴い、4月1日から2年間の激変緩和措置として「病棟群単位」の届け出が導入される。現行の制度では、同じ医療機関内に7対1病棟と10対1病棟を混在させることはできないが、一般病棟の7対1入院基本料から10対1入院基本料に変更する場合に限り、期限付きでそれを容認する。

 対象となるのは、一般病棟の7対1入院基本料(特定機能病院と専門病院を含む)の届け出期間が3月末時点で直近3カ月以上で、複数の7対1病棟を持つ医療機関。受付期間は4月-来年3月だが、届け出は1回のみ(病棟群内の病床数は変更可)。

 この届け出を行った医療機関(特定機能病院を除く)は来年4月以降、7対1病床の数を一般病床全体の6割以下に減らす必要がある。一方、この制度を利用しない許可病床200床未満の医療機関に限り、18年度改定までの2年間、重症者の割合の基準が「23%」に緩和される。

 このほか、7対1病棟の在宅復帰率については、新設される「在宅復帰機能強化加算」を届け出る有床診療所を対象に加えた上で、現行の75%から「80%」に引き上げられることになった。



http://mainichi.jp/articles/20160211/ddm/012/010/153000c
2016年度診療報酬改定案
患者負担・医療サービス、どうなる?

毎日新聞2016年2月11日 東京朝刊

背骨の圧迫骨折で入院
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 2016年度診療報酬改定が実施された場合、患者の負担はどうなり、どのような医療サービスが受けられるのか。厚生労働省の試算に基づき、三つの例を紹介する。【細川貴代】(3面にクローズアップ)

早期のリハビリ実施

 重症患者を積極的に受け入れる医療機関に対する報酬が加算され、容体が不安定な時期でも早くから質の高いリハビリを実施した場合の加算は増額する。

 この患者は入院4日目からリハビリを実施。環境の整った医療機関で、より充実した治療を受けられることが期待される。ただし、医療費も5150円余計にかかる。

 背骨の圧迫骨折で入院したこのケースのように、身体の病気やけがで受診したものの、認知症のケアが必要な場合がある。こうした患者を適切に看護すれば報酬加算の対象になる。

 これだけで2万1000円の医療費増となるが、従来より充実したケアが受けられるとしている。具体的には、認知症患者の看護や退院に向けた支援などの経験を持つ看護師に加え、社会福祉士などの専任スタッフによるチームが関わることになる。

 また、早期に退院して住み慣れた地域での療養生活を進めるため、退院支援にあたる専従職員を病棟に配置し、地域の施設との連携も図っていくよう促すため、手厚い退院支援加算(6000円)を新設する。

 これらにより、このケースでは総医療費は従来から3万3650円増の40万6080円となる。ただ、毎月の医療費の自己負担に上限を設けた高額療養費制度により4万333円が支給され、自己負担は8万1491円と337円増となる。

夜間の看護体制充実

脳梗塞で手術
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 さまざまな職種の人材を手厚く配置する医療機関の報酬を増やすことで、患者が安全で安心な医療を受けられる環境整備を目指す。夜間に脳梗塞(こうそく)など重症の急患に対応するため、看護体制を充実させて業務の負担軽減を図った際の加算を引き上げる。

 また、特定集中治療室などに薬剤師を配置した場合の加算も1日800円へと拡充。これにより、より質の高い薬剤管理を適切に受けることが可能となる。

 入院中の患者の栄養管理に関しても、栄養食事指導を拡充(初回2600円、2回目以降2000円)し、管理栄養士から十分な時間をかけた指導を受けられるようにする。

 一方、医療の質の向上に向け、診療実績のある医療機関に対する加算を1・5倍に引き上げて1日あたり1800円とする。

 このケースでは、総医療費は従来よりも3万5950円増の164万2850円となる。高額療養費制度により39万8996円が支給され、自己負担は360円増の9万3859円となる。

薬の重複投与を防止

認知症の疑い
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 認知症は早期の発見・治療が重要だが、それには専門的な診断が必要だ。このケースでは高血圧などの治療で一般の医療機関の外来を受診していたため、認知症を専門的に診断したり支援したりする診療所型認知症疾患医療センターにつなぐ必要がある。認知症専門医を紹介した場合の加算が500円付き、専門医の診断・治療につながることが期待される。

 一方、この患者は複数の医療機関にかかり、薬の重複投与もある。これを防ぐため、今回の改定で医師の適切な減薬に対して管理料を新設し、処方されている全ての薬を医師がチェックすることに報酬を付ける。6種類以上の内服薬が処方されていて2種類以上を減らせたら1回2500円が算定される。

 重複投与の防止では、薬局の加算も拡充。患者が複数の薬を服用していることを把握した薬剤師が主治医と連携して減薬するなどの対応をすれば服薬管理を受けられる。

 また、服薬の管理に関する指導料は、初回よりも2回目以降(380円)の金額を低く設定。かかりつけ薬局を持って継続してかかった方が、服薬状況をすべて確認してもらえるため一部自己負担が軽くなるようにした。

 薬剤については、薬剤師の専門性が発揮される業務に加算が付けられた。例えば、後発医薬品と先発品の2種類の調剤を、安全性や有効性を損なわずに2品とも後発品にすることで自己負担も減る。

 1月当たり自己負担額は139円高い1356円となる。



http://mainichi.jp/articles/20160211/ddm/003/010/113000c
クローズアップ2016
診療報酬改定案 「地域・在宅」医療を重視

毎日新聞2016年2月11日 東京朝刊

かかりつけ推進のイメージ
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 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、2016年度診療報酬改定案を答申した。地域の診療所などに加え、薬局にも「かかりつけ」の役割を担わせる。ただ、かかりつけに関する情報は少ない。患者側にはメリットもあるが、機能しなければ絵に描いた餅になりかねない。

かかりつけ医、情報少なく

 継続的に診て、病歴や体質を把握し、ちょっとした体調の変化にも気づく。何かあれば相談に応じてくれ、必要なら専門的な大病院を紹介してくれる−−厚生労働省が推進している「かかりつけ医」だ。同省はこれまでも、かかりつけ医を推進してきた。特に今回の改定では、複数の病気を持つ認知症患者や、小児を継続的にケアする医師に対する報酬を引き上げる。これが患者側にはどんなメリットがあるのか。

 認知症は早期の発見、治療が重要だが、専門医でなければ診断が難しい。しかし、かかりつけ医として常に診てくれる人がいれば、認知症の疑いに気づき、専門医につないでもらうことができる。

 小児では、発達段階に応じた指導や予防接種のスケジュール管理の助言などが受けられる。小学校や中学校に進んでからも診てもらうことができる。

 答申後の記者会見で、健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司理事は「認知症の人や小児を一元的に診る医師を作るのは評価していい」と歓迎。2人の子どもを抱え仕事をしている女性は「予防接種を漏れなく受けるのは大変。こういう医師がいれば助かる。これからも長く診てもらえたらありがたい」と話す。

 一方で、今回の改定ではかかりつけ医の紹介なしで大病院を受診すると、初診で5000円以上(歯科は3000円以上)、再診で2500円以上(同1500円以上)を診察料や初診料などとは別に追加請求されることになる。軽いけがや病気の人の受診を減らし、高度で専門的な診療に専念するためだ。

 さらに、かかりつけ医がいることで、大病院に入院せずに在宅で医療を受ける人も増える可能性がある。

 厚労省は今回、薬剤師にも「かかりつけ」を広げようとしている。高齢者は複数の病気を抱え、別々の医療機関からたくさんの薬を処方されているケースも多い。患者にしてみれば、薬剤師が24時間の相談や薬の整理に応じてくれる。薬の重複や飲み合わせも確認できる。処方箋を出した医師に変更を求めることも。こうした場合に報酬がもらえるようになったり、引き上げられたりするからだ。

 薬局でも特定の医療機関から集中的に処方箋を受け付ける大型の「門前薬局」の報酬は引き下げる。「医師の処方のままに薬を出すだけ。患者の利益になっていない」(厚労省幹部)からだ。薬を渡す行為ではなく、患者の健康への寄与という観点を重視。健保連の幸野氏は「(かかりつけの)報酬を上げることで医療費が上がる懸念はなくはない。しかし、質的に転換した。改革元年だ。長い目でみれば(無駄な薬の減少や健康増進によって)医療費が減少するのではないか」と評価した。

 ただ、「かかりつけ」の医師や薬剤師をどこでみつければいいのか。選択するための情報は少ない。それが大病院志向の一因にもなっている。改定を議論した中医協の委員から「かかりつけの役割やサービス内容など、わかりやすい情報が不可欠だ」との声が上がっていた。日本医師会(日医)の横倉義武会長も10日の会見で「『どこにかかりつけ医がいるのか』と聞かれる」と語った。日医は4月からかかりつけ医への研修事業を始める予定だ。横倉氏は「研修を受けた医師が地域住民から分かるようにすることも必要だ」と述べた。【阿部亮介】

重症者の病床削減へ

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向け、医療費はさらに増大すると見込まれており、医療費の膨張に歯止めを掛けることは政府にとって急務だ。今回の改定では、在宅医療を前提にした「かかりつけ」が患者の健康増進や薬を減らすことで、医療費抑制の効果が期待されている。

 一方で、頭を開いたり、全身麻酔を伴う手術や放射線治療などが必要で、比較的長期入院を要する「重症患者」向けの病床への対応も盛り込まれた。

 こうした病床は、医師・看護師の厳しいケアが求められるため、1日1万5910円と報酬は手厚い。他の病床より2590〜6310円も高い。病院は患者1人当たりの報酬を受け取るが、すべての患者が重症者である必要はない。現在、入院患者の15%以上が重症なら高い報酬を受けられる。このため、「コストが掛かりすぎる」との指摘が出ている。

 今回の改定では重症患者の割合を「25%以上」に引き上げることなどで「医療費の高い病床」を削減しようとしている。ただ、診療報酬改定に向けた議論で、日医などは「(経営悪化で)地域医療が困難になる」などと見直しに慎重な姿勢を示していた。厚労省幹部も「急な見直しは医療機関の経営に影響する」と改定の難しさを指摘する。

 重症者向け病床については、前回14年度の改定でも基準を厳しくし、25%(約9万床)程度削減できるとの見通しだった。しかし、昨年10月までの1年半で減ったのはわずか約1・1万床だった。収入を確保するために医療機関が基準をクリアしようと軽症者らに早めの退院を促したとみられる。

 こうした患者は、退院後の行き場を失う恐れもある。急な見直しは医療機関の経営だけでなく、患者側にも影響を与えかねない。患者の容体などに合わせた医療機関の「すみ分け」が求められている。【堀井恵里子】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC10H04_Q6A210C1EA2000/
患者、まず診療所に 大病院集中を初診負担増で抑止
2016/2/11 1:18 日本経済新聞

 保険医療の価格である診療報酬が4月から変わる。紹介状なしで病院に来る外来患者から初診時に5000円以上の追加負担を徴収する一方で、小児科などで地域のかかりつけ医(主治医)機能を高め、初診や慢性疾患の患者は身近な診療所で診るよう役割分担を強める。入院患者の在宅復帰も促す。重複受診や入院を減らして医療の効率化を進めるのが狙いだ。

■薬局もかかりつけ
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 厚生労働省の中央社会保険医療協議会が10日、16年度の改定内容を塩崎恭久厚労相に答申した。

 改定の大きな狙いは重症患者を受け入れる病院と、クリニックや医院など住民に身近な診療所の役割分担をもっと進めることだ。軽症の人が大病院に殺到すると、医師や看護師などのマンパワーが外来にさかれ、入院患者らが手厚い治療を受けられなくなるためだ。

 このため診療所などの紹介状なしで大病院を受診した患者からは初診時に5000円以上の追加負担を徴収する。高額負担で患者が初診でいきなり大病院に来る動きを抑え、「まずは地域の診療所に」と誘導する。

 患者にとって最初の相談相手となる診療所の機能を高めるため、「かかりつけ医」を普及させる。これは患者の同意を得て継続的に診察すれば、手厚い報酬を支払う仕組み。新たに小児や歯科、認知症でも設定した。

 薬局でも同じ患者に一人の薬剤師が対応すれば報酬を増やす「かかりつけ薬剤師」制度を始める。事実上、対応してくれる薬剤師を患者が「指名」する制度だ。患者にとって危険な飲み合わせや過剰な投薬を防ぐ。

 試算では高血圧や整形外科など複数疾患を抱え、診療所に通う80歳男性の負担は通院1回あたり364円と今より24円増える。ただ「かかりつけ薬剤師」は重複投薬を防ぐ役割も担い、成果が出れば薬代が減り、負担の総額も減るという。

 「なじみの薬剤師に毎回対応してもらえるなら安心だ」。埼玉県蓮田市の薬局オリーブファーマシーに通う60歳男性は改定をこう受け止める。男性の神経性の難病や薬歴を把握しており、相談しやすいという。

■在宅医療充実、入院短く
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 改定のもう一つの狙いは入院患者をなるべく早く退院させることだ。政府は2025年までに入院ベッドを最大20万床減らす計画で、在宅療養の態勢づくりを急ぐ。

 東京・世田谷に住む篠沢美智子さん(80)は重い腰の病気を抱えるが、自宅で過ごす。月に2回、在宅医療を手がける桜新町アーバンクリニック(東京)の医師が訪問。体調の変化などを確かめる。篠沢さんは「着替えて車いすに乗って病院に行くと家族に負担がかかる。住み慣れた自宅で生活もしやすい」と話す。

 今回の改定ではこうした患者の意向も踏まえ、在宅医療を報酬増で後押しする。末期がんや難病、休日対応に取り組む医療機関の報酬を増額。訪問診療専門の診療所も解禁する。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅でも、きめ細かい訪問診療・訪問看護サービスが受けやすくなる。

 厚労省の試算では在宅医療への報酬を厚くする結果、有料老人ホームに入居し、糖尿病で療養する82歳女性の自己負担は月額2056円となり、今より750円増える。

 病院には患者を早く退院させるよう促す。退院を支援する職員を配置し、患者の自宅近くの診療所や介護専門支援員と連携して在宅療養の態勢をつくる病院は入院基本料に加算する。一方で比較的軽症の入院患者が多い病院の報酬は減らす。

 「長い目で見ると医療費の減少につながる良い内容だ」。今回の改定について健康保険組合連合会の幸野庄司理事はこう評価する。中長期的に医療の効率化につながりそうな取り組みを後押しする内容だからだ。

 ただ診療報酬のうち医師らの診察料が増額になったこともあり、報酬減という「ムチ」よりも、報酬増で医療機関の取り組みを促す「アメ」が目立つ。患者が大病院に向かうのは診療所の診察に不安を感じていることの裏返しでもある。「かかりつけ医」の質が高まらなければ、改定の狙いは絵に描いたモチに終わりかねない。

 ▼診療報酬 公的保険が適用される医療サービスや薬の価格のこと。厚生労働相が2年に1度見直す。政府は昨年末の2016年度予算案の編成過程で診療報酬の改定率を1.03%引き下げることを決めた。内訳は薬価部分が1.52%分のマイナス、医師の技術料など診察料が0.49%分のプラスだ。今回は改定率の枠内で、診断や手術、検査といった診療行為ごとの単価を決めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/398227
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「医療クラーク」大学でも算定可、5~10点引き上げ
手術の時間外加算見直し、遠隔画像読影も可能に

2016年2月10日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 2016年度診療報酬改定では、大学病院をはじめとする特定機能病院での「医療クラーク」配置を評価する(資料は、厚生労働省のホームページ)。特定機能病院でも、「医師事務作業補助体制加算1」の算定を可能とする(『医療クラーク、大学病院でも評価』を参照)。

 勤務医の負担軽減が狙いであり、「医師事務作業補助体制加算1」は、最高の15対1補助体制加算は870点(入院初日)で、それ以外についても5~10点引き上げる。特定機能病院では既に作業補助者を配置しているケースが多く、収入増につながることが期待される。また同加算については、従来は病棟または外来に限られていた医師事務作業補助者の勤務場所の要件を見直し、診断書作成補助等の業務は実施場所を問わない。

 2014年度診療報酬改定で新設された手術・処置の「休日・時間外・深夜加算1」についても、手術前日の当直回数の制限を緩和する。

 そのほか、医療従事者の負担軽減の関係では、複数の非常勤職員がいる場合、常勤換算法で施設基準を満たすことを認めるほか、脳卒中ケアユニットにおける夜間休日の医師配置の基準を緩和する。

【2016年度診療報酬改定◆医療従事者の負担軽減の主要改定項目】

◆医師事務作業補助体制加算1 の評価
・「加算1」の対象に特定機能病院を追加等
 特定機能病院入院基本料でも算定が可能とする(加算2は、不可)。50対1、75対1、100対1補助体制加算の対象として、療養病棟入院基本料と精神病棟入院基本料を追加。
・「加算1」の施設基準の見直しと点数引き上げ
 (1)「医師事務作業補助者の延べ勤務時間数の8割以上の業務を、病棟または外来で行う」との施設基準について、「診断書作成補助および診療録代行入力」については実施の場所を問わず、医師事務作業補助の業務時間に含める、(2)点数は、15対1、20対1、25対1、30対1については10点、それ以下は5点、それぞれ引き上げ――を実施。
・20対1補助体制加算の緩和等
 20対1補助体制加算について、25対1、30対1、40対1補助体制加算の施設基準と同様の基準に緩和。75対1、100対1補助体制加算については、年間の救急入院患者数の要件を「100人以上」から「50人以上」に緩和。

◆手術・処置の「休日・時間外・深夜加算1」の評価
・手術前日の当直回数の制限の緩和
 同加算は、診療科単位の届出制。届け出た診療科の合計で、予定手術前日の当直免除の例外を「年間12日以内」まで認めているが、全診療科で届け出た場合、当直医師を毎日6人配置することを条件に、「年間24日以内」に緩和。

◆夜間の医師の負担軽減
・脳卒中ケアユニット入院医療管理料の医師配置要件の見直し
 神経内科または脳神経外科の経験5年以上の専任医師が常時1人以上いることが施設基準。ただし、夜間または休日については、経験5年以上の医師が院外におり常時連絡が可能であり、画像や検査結果などの情報を送受信でき、必要に応じて医療機関に行くことが可能であれば、経験3年以上の専任医師が常時1人以上いれば算定が可能になる。
・画像診断管理加算の医師配置要件の見直し
 夜間または休日に撮影した場合については、画像の読影および送受信を行う十分な装置・機器を用いることを前提に、院内で読影した場合と同様に加算を認める。

◆常勤配置の取り扱いの明確化
・複数の非常勤従事者の常勤換算化
 常勤の従事者が、産前・産後休業および育児・介護休業法に定める休業を取得した場合、その休業期間中は、複数の非常勤従事者を常勤換算法で計算し、施設基準を満たすことを認める。
・育児・介護休業後の短時間勤務の常勤扱い要件の緩和
 育児・介護休業法に規定する短時間勤務制度を利用し、正職員として勤務する場合、週30時間以上の勤務を常勤扱いとする。


  1. 2016/02/11(木) 06:06:41|
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