Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月5日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/394055
シリーズ: 真価問われる専門医改革
専門医の更新、2015年度は3領域で開始- 池田康夫・日本専門医機構理事長に聞く◆Vol.3
内科と外科、サブスペシャルティと「連動」

2016年2月5日 (金)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――サブスペシャルティの検討状況はいかがでしょうか。

 この際、サブスペシャルティの専門医を少し整理したいと考えています。サブスペシャルティの専門医像を確認し、それにふさわしい研修プログラを作成できるかについてのヒアリングを今、進めています。重複する部分があるサブスペシャルティについては見直し、より分かりやすいサブスペシャルティの専門医制度に変えてもらうこともあり得るでしょう。

 また例えば、心臓血管外科と外科など、基本領域とサブスペシャルティの関係が明確な場合には、「基本領域とサブスペシャルティの研修が連動して然るべき」との意見があります。内科でも同様であり、内科と外科については、サブスペシャルティ領域のプログラムの中で、基本領域における研修内容を含めることも可能としています。内科あるいは外科で3年間、研修した後に、サブスペシャルティの研修に入るのが基本。ただし、外科を選ぶ際に、既に心臓血管外科に進むことを決めている場合には、なるべく早く心臓血管外科での研修を始めてもらうために、外科の3年間のうち、心臓血管外科の研修を1年間程度組み込むことが可能です。その分、サブスペシャルティプログラムでの研修期間は、1年分短縮できます。

――がんのような複数の領域にまたがる専門医は、どのように位置付けることをお考えですか。

 専門医制度の中で、がん治療をどう位置付けるかは、これからの課題です。日本専門医機構の中にアドホックの「がん診療の専門医に関する委員会」があり、その第1回会議を近く開く予定です。委員長は、日本がん治療認定医機構副理事長の西山正彦先生にお願いしています。

 現行のがん治療認定医は、「がん治療に関連する人は、幅広く勉強してもらいたい」という発想。個別のがん診療ではなく、がんの発症メカニズム、告知の問題、化学療法や放射線治療の進展状況など、がん診療の全体に関わる問題を理解してもらうことが目的です。この認定医を、日本専門医機構として、専門医制度にどのようにリンクさせるかは今後の重要な検討課題です。日本人の2人に1人はがんになる時代であり、がんはコモンディジーズ。呼吸器外科や消化器外科など、がんを数多く扱うサブスペシャルティとの関係も議論になるでしょう。

 患者さんからすれば、肺がんや胃がんなど、がんの種類ごとに専門医がいた方がいいわけです。しかし、個別に専門医を設けるのは問題。専門医制度の中で、どのように患者さんに分かりやすく位置付けるかという視点も重要です。

――今、サブスペシャルティとして認められているのは、29領域です。今後、この数はどうなるのでしょうか。

 今後、サブスペシャルティの数が増えることは間違いありません。3階建てにするのではなく、基本領域とサブスペシャルティという2階建てで認める方針です。内視鏡をはじめ、主に技術認定の専門医についても、専門医像が明確になってくると思うので、サブスペシャルティとして認められる可能性が十分にあると思います。

――サブスペシャルティは、基本領域と1対1の関係とは限らないという理解でいいですか。またいつぐらいまでに、サブスペシャルティの議論を終える予定でしょうか。

 はい、1対1ではありません。全てのサブスペシャルティについて整理するには、数が多いこともあり、時間がかかると思います。ただし、2020年度には、新しい制度による専門医が誕生しますから、その1年くらい前までには、決着を付けておかないといけません。

新基準による専門医更新の開始予定
  産婦人科、 病理、 形成外科
  リハビリ、 泌尿器科、 整形外科、 精神神経科、 救急科、 臨床検査、 耳鼻咽喉科
  眼科、 放射線科、 外科
上記以外の5領域は未定。


――既に専門医を取得している場合の更新の問題は。

 更新についても、産婦人科と病理、形成外科の3領域が先行しています。 3領域では、2015年度の更新から、日本専門医機構の基準と、従来の学会の基準の「ハイブリット型」で更新を行い、機構理事長と学会会長の連名で認定証を出すように今、進めています。2016年度に同様に「ハイブリット型」による更新を開始する予定は7領域、2017年度からの開始予定が3領域です。残る5領域はまだ開始時期を確定していません。

 最終的には日本専門医機構の更新基準に移行しますが、「ハイブリット型」はその過渡的な基準です。更新は5年ごとの予定なので、2015年度であれば1年分は機構の基準、残る4年分は従来の学会の基準、2016年度の場合は、2年分が機構基準、3年分が学会基準に則ります。例えば、機構の更新基準では、診療実績や講習等の出席実績を点数化するので、2015年度は1年分だけはその基準に則った点数が求められるわけです。

――全面的に、日本専門医機構の更新基準に移行した場合も、認定証は機構理事長と学会会長との連名なのでしょうか。

 将来的には機構理事長名に一本化するのがいいと思っていますが、この点については今後、学会と話し合って検討していきます。

――最後に運営費用についてお聞きします。専門医を取得する医師が支払う認定料や更新料、研修を行う基幹施設の負担は。

 各学会がこれまで徴収していた認定料、あるいは更新料については、各学会に任せてありますが、新たな認定・更新基準に従って日本専門医機構専門医として認定する際には、新たに当機構に1万円を支払ってもらいます。そのうち10~20%を各学会での事務経費分として、学会に支払います。

 また研修プログラムの認定料は、基幹研修施設は1領域につき、初年度は10万円、2年目以降の維持・管理費は年1万円。認定は5年間有効なので、1領域当たり計14万円かかります。複数の基本領域の研修プログラムを運営する基幹施設では、各プログラムに対し、認定料がかかります。

――2016年度の日本専門医機構の予算規模はどのくらいになる予定ですか。

 機構の収入は、専門医の更新料、研修プログラムの認定料が主で、費用は会議費や旅費、事務経費などです。それほど大きな組織で運営する予定はないので、年間2億円から3億円の予算規模になると思います。

 また専門医に関するデータベースの構築も進めています。その費用は国から一部補助を受けていますが、どの程度の規模にするかによっても、予算が変わってきます。

――専門医データベースが構築できれば、将来的には、地域別、領域別の患者数も把握でき、必要な専門医数を推測することもできるのでしょうか。

 その可能性はあります。今、各地域で地域医療構想の策定が進められています。その策定主体は行政ですが、プロフェッショナルオートノミーを機能させて、地域医療の調整、病床の機能分化を進めることは重要です。専門医制度構築や医学教育のモデルコアカリキュラムも併せ、医師は、プロフェッショナルオートノミーの発揮が求められるこれら3制度の運営を通じて、日本の医療提供体制にも貢献していかなけれななりません。



https://www.m3.com/news/general/397116
生活保護受給者の後発品使用割合、「17年央までに75%達成」を通知に明記へ--厚労省
2016年2月5日 (金)配信 薬事ニュース

 厚生労働省社会・援護局は生活保護受給者の後発医薬品の使用割合について、「17年央までに75%を達成する」との目標を記した通知を年度末にも発出する方針。

 生活保護受給者の後発品の使用割合を巡っては、政府の経済・財政諮問会議が昨年12月に取りまとめた改革工程表において、「17年央までに75%。80%以上とする時期は18年度を基本に、医療全体の目標の達成時期の決定状況などを踏まえて17年央に具体的に決定する」とのKPI(評価指標)を記載。この方針を踏まえ社会援護局では、年度末に発出する通知において17年央に75%を達成すると明記した上で、次期目標についても改革工程表を踏まえて検討する。



http://mainichi.jp/articles/20160206/k00/00m/040/115000c
医師法違反容疑
診察せずに死亡診断書…嘱託医ら書類送検

毎日新聞2016年2月5日 21時51分(最終更新 2月5日 22時32分) 三重県

 三重県名張市赤目町長坂の特別養護老人ホーム「名張もみじ山荘」の男性嘱託医(73)が、入所者が死亡しても診察せず死亡診断書を交付したとして、県警生活環境課と名張署は5日、嘱託医と女性看護師2人(36歳と48歳)を医師法違反容疑で津地検に書類送検した。容疑を認めているという。

 容疑は、昨年3月23日に死亡した90代女性と、同6月22日に死亡した80代男性についての2件で、24時間以内に嘱託医が診察していないのに、看護師がそれぞれの遺族に死亡診断書を交付したとしている。医師法では、受診後24時間以内に患者が死亡した場合、診察なしの死亡診断書交付が認められている。

 同署によると、非常勤の嘱託医は、死亡日時を空欄にし死因などを記入した死亡診断書を事前に用意、ホーム側に渡していた。2011年5月のホーム開設以降、同様のケースが計30件確認されたという。

 任意の事情聴取に対し、嘱託医は「体力が衰え、夜間に呼び出されても遺族を待たせる。早く遺体を遺族に渡してあげたかった」、看護師は「前からやっていたので」「医師不足で施設の存続のためだった」−−などと容疑を認めているという。

 ホームは社会福祉法人・東海宏和福祉会が運営。ホーム関係者から内部告発を受けた県が昨年11月、嘱託医を刑事告発していた。【鶴見泰寿】



http://mainichi.jp/articles/20160205/ddl/k06/040/041000c
米沢市立病院
来月末で精神科閉鎖 常勤医確保できず /山形

毎日新聞2016年2月5日 地方版 山形県

 医師不足を背景に常勤医が確保できないとして、米沢市立病院の精神科(70床)が3月末で閉鎖される。山形大医学部精神科医局(山形市)から3人の派遣を受けているが、うち2人が3月末までに退職し、代わりが見つからないという。同病院は転院先が決まるまでの経過措置として、同大医学部などに医師派遣を要請している。【佐藤良一】

 昨年12月16日の米沢市議会で、渡辺孝男・病院事業管理者兼医院長が「精神科の常勤医2人が今年度で退職する意向のため診療継続が難しくなる」と報告。同病院は同25日、ホームページに「3月末で閉鎖する見込みとなった」と掲示した。東北では精神科の勤務医が不足し、県内でも精神科の診療施設を集約せざるを得ない状況として理解を求めた。同大医学部は毎日新聞の取材に、「特にコメントはありません」としている。

 同病院は患者に聞き取りして市内外の医療機関に照会した結果、昨年12月16日時点で32人いた入院患者は11人となり、3月末までに転院できるめどが立ったという。だが、1500人超の外来患者のうち約350人の転院先が未定。診療が可能な市内の医療機関はすでに飽和状態で、交通手段などから市外で見つけるのも困難という。

 これを受けて、県置賜保健所は1月26日、置賜地方の5医療機関を集めた検討会を開き、4月以降の協力体制を話し合った。保健師が窓口になって患者らの個別相談に応じることや、定期的に検討会を開き情報交換することなどを確認した。

 同病院精神科の2014年度の患者(1日平均)は外来が109人、入院は44人。5年前と比べて外来は微減だが、入院は約3割減っているという。

 同市の中川勝市長は1月25日の記者会見で、「廃止ではなく休止。医師が確保できれば復活させたい」と強調したが、ある医療関係者は「復活は難しいのではないか」と話す。

 一方、市民ら16人による「米沢市立病院精神科の存続を求める会」が昨年12月下旬に発足。1万人を目標に署名を集め、3月上旬に中川市長らに提出するという。精神保健福祉士の山脇みちさんは「精神疾患の患者は合併症が多いので、総合病院から精神科がなくなるのは影響が大きい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/397064
慈恵医大と国がん、専門医制で連携へ
包括協定記念し講演会、Web外来予約システムも

2016年2月5日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 慈恵大学と国立がん研究センターは2月3日、「大学とナショナルセンターとの新しい連携モデルの構築を目指して」をテーマに講演会を開催した。連携大学院を立ち上げるほか、2017年度からスタートする新専門医制度でも連携するなど、さまざまな面で包括協定の成果を挙げつつあることを紹介した。臨床面では2015年11月から「Web予約システム」を導入、国立がん研究センター中央病院から、東京慈恵会医科大学附属病院(本院)に患者紹介する際に、Web上での初診外来予約が可能になり、予約取得の負担を軽減した。


 両機関は2015年4月、臨床・教育・研究、管理・運営面での連携、交流を目指し、包括協定を締結した。大学とナショナルセンターとの新しい連携モデルとして注目されている(『慈恵医大と国がん、医療・教育・研究で包括協定』を参照)。

 講演会の冒頭に、両機関のトップがあいさつ。慈恵医大理事長の栗原敏氏は、「それぞれの社会的な役割を踏まえ、連携により機能強化を図り、新しいモデルを構築するのが狙い」と包括協定の趣旨を説明。国立がん研究センター理事長の堀田知光氏は、同センターはがん専門病院であるが故に、それ以外の分野はあまり強くないとし、「総合的な診療科を持つ大学との連携により、弱い分野を補完できる」と連携の意義を語った。「診療幅を広げるいいチャンス」とし、日常診療の面だけでなく、「1+1」が2以上になる連携を目指すとした。

 両機関は、連携推進に向け、「連携推進協議会」を設置、その下に診療連携、医師教育、看護教育、大学院、研究関連という5つのワーキンググループを設置して取り組んできた。まず期待されるのが、臨床面での連携。慈恵医大本院を受診する患者の疾病は多様だが、がん患者が年々増加している。例えば新規入院患者のうち約23.5%、全身麻酔手術患者の約28%ががん患者だ。栗原氏は、がんの治療法は多様化し、かつ進歩が著しい時代にあって、がん研究センターと連携する臨床面での意義は大きいとした。

 一方で、がん研究センターにとっても、堀田氏が指摘したように、患者の高齢化、さらには新たな分子標的薬の登場などにより、がん以外の疾患への対応が必須となっている。同センター中央病院副院長の大江裕一郎氏が例として挙げたのは、一部肺癌に適応拡大された免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ。「約9割は大きな副作用はあまり出ないが、約1割の患者には多彩な自己免疫疾患が生じ、中には劇症型1型糖尿病を起こす例があり、がん専門病院が単独で対応するのが難しい」(大江氏)。

 さらに、教育、研究、管理・運営面でも連携を進めている。医師の教育面では、2017年度からの新専門医制度の開始に備え、主に内科、外科、産婦人科において、慈恵医大病院が基幹病院となり、がん研究センター中央病院が連携施設となる専門研修プログラムを申請する方向で調整を進めている。同制度では、19の基本領域のいずれにおいても幅広い疾患の経験が求められるため、がん研究センターが研修の基幹施設になれる領域は限られるからだ(『新専門医制、「がん」研修に支障も - 堀田知光・国立がん研究センター理事長に聞く』参照)。

 研究強化の第一歩としては、連携大学院をスタートさせる。これは、がん研究センターの研究者を慈恵医大の連携大学院の教授にし、大学院生は通常はがん研究センターで連携大学院教授の指導下で研究、共通カリキュラムは慈恵医大で受講し、学位取得を目指す仕組みだ。2017年度からの開始を目指す。がん研究センターは既に、順天堂大学、慶應義塾大学とも連携大学院を立ち上げており、慈恵医大が3番目になる。そのほか研究面では、既に共同研究が始まっているほか、今後は合同シンポジウムの開催、慈恵医大側で手術検体の全てについて患者から研究使用への同意を得る仕組みの構築などを予定している。

 国がん・荒井氏「柔軟でタフな文化形成」を期待

 講演会では、国立がん研究センター中央病院院長の荒井保明氏と、慈恵医大学長の松藤千弥氏が、それぞれの組織の概要や歴史などを紹介しつつ、連携の意義を語った。

 最初に登壇した荒井氏は、自身が慈恵医大卒。がん研究センターの役割として、標準的治療の提供、がん診療に当たる全国の病院の均てん化とともに、新規治療、支持療法、機器開発など、あらゆる領域において臨床評価を行い、新たな標準的治療の確立を進めることを挙げた。ただし、専門病院であるが故に、高齢がん患者の併存症に十分に対応できない現状があるという。「がん制圧以外を考える文化がない」(荒井氏)。

 その上で、荒井氏は今後の医療の在り方に言及。日本は人口高齢化が進み、それに伴いがんに罹患する患者は増加してくるため、「日本が向かっている社会は、生産性が低く、補完能力が弱い社会、つまり『足りない社会』『がん患者が多い社会』に確実に向かっている」(荒井氏)。昨今の高額な分子標的薬の登場にも触れ、これまでは、「治癒率向上と生存期間延長」という物差しを利用していたが、これからは「結果が同等ならより安く」という物差しも必要だとし、「これまでの『獲物を狙うような文化』とは異なる文化での発想が必要」(荒井氏)。

 荒井氏は、がん研究センターと慈恵医大の間には、大きな文化の違いがある点にも触れた。両機関の連携は、診療・研究・教育面での連携だけでなく、「異なる文化での発想」が求められる時代にあって、柔軟でタフな文化の形成につながることが期待できるとした。

 両機関に「文化の違い」

 松藤氏はまず、初の私立医科大学として創設された慈恵医大の歴史のほか、「病気を見ずして病人を診よ」と「医と看護は車の両輪」という、建学の精神を紹介。荒井氏が指摘した両機関の「文化の違い」は、がんという疾患にアプローチするがん研究センターの文化と、慈恵医大の建学の精神の相違に表われている。包括協定は、臨床・教育・研究の面での連携だが、「結果的に患者貢献につながればと考えている」(松藤氏)。

 松藤氏は、研究重視のがん研究センターと、臨床重視の慈恵医大では相違があることを示す幾つかのデータを提示。2015年のPubMed収載論文数は、国立がん研究センター870、慈恵医大584。「Total Impact Factor」(Research Gateによる)は、がん研究センターが慈恵医大の2倍。「これは決して悪い状況とは言えない。慈恵医大の場合、臨床医が限られた時間の中で、自らが研究する意義がある研究に取り組んでいる」と松藤氏は語る。包括協定に先立ち、現場レベルでの連携は行われており、両機関の共著の論文数(PubMed収載数)は、2011年はゼロだったが、2012年は2、2014年は5、2014年15、2015年24と年々、着実に増加している。

 その上で、前述したような臨床・教育・研究の各分野での連携の取り組みを紹介。松藤氏は、両機関の連携にはシナジー効果があり、「1+1は2以上」と語り、今後に期待を込めた。

 包括連携の成否は、両機関の「文化の違い」をうまく生かせるか、それとも障害になるかがカギの一つと言える。慈恵医大病院院長の丸毛啓史氏は、慈恵医大ではチーム医療を大切にし、患者対応も重視し「エチケット・ベースト・メディスン」を実践していると説明。「文化的な違いがあることを認識して歩みを進めていくことが必要」(丸毛氏)。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/0205038348/
快刀乱麻① 特定機能病院の医療安全制度
弁護医師®田邉昇の快刀乱麻!

2016.02.05 Medical Tribune

 今回から新シリーズとして,「弁護医師® 田邉昇の快刀乱麻!」というテーマで,医療トピックスについての解説や,会社法から見た医療法人のガバナンス等を解説するコーナーをいただくことになった。「快刀乱麻」というほどトピックを理解して書く能力はないのであるが,単なる解説ではない切り口で話題を取り上げていきたい。第1回は,特定機能病院の医療安全確保施策について斬り込んでみたい。

 1月に厚生労働省から特定機能病院における医療安全に関する厚労省の報告書がまとまったとのプレスリリースがなされた(日本経済新聞2016年1月29日付記事他)。

 Death reviewを院内の全死亡症例について行う他,外部からの視点で医療の安全をチェックするため,各病院には「監査委員会」を設置することも求めているとのことである。

 監査委員会は,過半数を外部の医師や法律の素養のある者(弁護士など)の第三者で構成すること,監査の結果については原則公表することとしている。監査委員会で指摘された問題点は,厚労省の地方機関が定期的に立ち入り検査をし,改善状況を調査するとのことである。

 特定機能病院は,現在は承認取り消し中の群馬大学と東京女子医科大学以外の大学付属病院本院とナショナルセンター,自治体関係の一部病院などであるが,私が厚生省(当時)の医系技官をしていた当時に医療法の改正でつくられた制度である。

 それまでは文部省(当時)の傘下にあり,厚生省の言うことなどはなかなか聞いてくれなかった大学付属病院に対して,覇権を握るためにつくったのが特定機能病院制度である。計画は大成功で,特定機能病院の認定と健康保険を連動させることにより,経済的にも完全に大学付属病院を厚労省にひざまずかせることに成功した。

「大学」である限り,憲法に保障された「学問の自由」がたかが一省庁に差配されることなどおこがましいはずであるが,現在では札束と許認可権の下,役人に言われるがままで,医系技官の天下りも多い。

 確かに,病院内での死亡事案についてのdeath reviewは学術的には有用なことであり,近年では病理解剖が減少していることから注1),個々の死因究明を超えて,医学の基礎資料を得る手段として必要なことであろう。

 しかし,以前から体制の整備が求められている小児死亡の悉皆的reviewの制度注2)や悉皆的ながん統計注3)にはまともに対処しておらず,ある大学の学長選で怪文書を大騒ぎしただけの件で,現場の医師に負担をかけるだけの今回の制度が設けられた。医療安全のパラダイムシフトとも言うべき医療事故調査制度に対する厚労省の決意注4)〔説明責任が目的ではなく,非懲罰性や秘匿性,そして医療機関を処罰する権力を有する官庁からの独立(独立性)を必須要件としている学習のための制度,関連記事〕とは逆行しており,一貫性がない制度とも考えられる。これを機に,医師養成機関たる大学には,医療崩壊から医学崩壊,そして生命崩壊,国家の崩壊へとつながることを懸念するものである。

注1) 深山正久「医療における病理解剖―剖検率の低下について考える」日本内科学会雑誌 第102巻 臨時増刊号・平成25年2月20日122ページ

 深山によると,日本病理学会による剖検輯報の年間剖検登録数は1985年の4万例をピークとして,1990年から急速に減少し,現在は1万5千件を下回っている。日本医療機能評価機構によれば,剖検率は500床以上の病院で9.2%となっている。剖検率低下の直接的な要因として,医療費と医師数の抑制,臨床研修医制度などの医療政策や医療の高度化による「医療現場での忙しさ」が挙げられる。一方,これと関連してもたらされた患者側の医療への不信感も剖検率低下につながっているとしている

注2):山中龍宏「チャイルド・デス・レビュー:Child Death Review(CDR)」日本セーフティプロモーション学会誌 2014; 7:34-37. 

注3):がん登録などの推進に関する法律による悉皆的ながん登録は2016年1月になってようやく施行された。世界的に大きな後れを取っている

注4):医療事故調査制度に関するQ&A(Q1)には,「世界保健機関(WHO)のドラフトガイドラインでは報告システムは,『学習を目的としたシステム』と,『説明責任を目的としたシステム』に大別されるとされており,ほとんどのシステムではどちらか一方に焦点を当てていると述べています。その上で,学習を目的とした報告システムでは,懲罰を伴わないこと(非懲罰性),患者,報告者,施設が特定されないこと(秘匿性),報告システムが報告者や医療機関を処罰する権力を有するいずれの官庁からも独立していること(独立性)などが必要とされています。今般の我が国の医療事故調査制度は,同ドラフトガイドライン上の『学習を目的としたシステム』にあたります。」と明記されている



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kawabata/201602/545591.html?bpnet
連載: プライマリケア医のための認知症診療講座
第63回 運転免許更新時の臨時適性検査とその診断から見た認知症診療
運転免許更新時の臨時適性検査をどうする?

川畑信也(八千代病院神経内科部長)
2016/2/5  日経メディカル

 2015年6月に道路交通法の改正案が国会を通過し、2年以内の施行が予定されています。主な変更点は、75歳以上で免許更新の際に受検する認知機能検査で第1分類(「認知症の疑いあり」)と判定された者は全員、交通違反の有無に関係なく医師の医学的診断を受けることが義務付けられたことです。臨時適性検査を受けて医師による診断書を発行してもらうことになります。現行法では、第1分類と判定されても、過去1年以内に交通違反を犯していなければ、臨時適性診断は義務付けられていませんでした。

 この場合の、臨時適性診断を行う「医師」とは、認知症専門医に限らず、かかりつけ医の先生方も含まれています。現行法では都道府県公安委員会が指定する(またはかかりつけの)専門医への受診が求められていました。ですが、2014年度に第1分類と判断された受検者は5万人を超えているといわれていますので、かかりつけ医の先生方に第1分類と判断された受検者の認知機能検査と診断書作成を期待されていることは明らかなことと思います。

 詳細は不明ですが、第1分類と判断された受検者にかかりつけ医がいるならば、まずはそのかかりつけ医に診断書作成を依頼することが基本となっているようです。私は愛知県から臨時適性検査と医学的診断を委託されていますが、「診断書作成の依頼が来たが自分では書けないので、作成してくれないか」という依頼が来ることもあります。

 実際にかかりつけ医の先生方がこの診断書を作成することは可能でしょうか。以下、臨時適性検査から見た認知症診療の問題点について私の考えを述べてみたいと思います。

認知機能障害が軽度の場合が少なくない

 講習予備検査で第1分類と判断される受検者は、認知機能障害が軽度の場合が少なくないと想定されます。認知症診療では、認知機能障害が軽微、軽度なほど認知症の診断が難しいといえます。私の所属する認知症疾患医療センターでは、神経心理検査を専門とするスタッフが認知機能の詳細な評価を1時間ほどかけて施行し、さらにMRIや脳SPECT検査などの機器も使用した上で診断を下しています。ですが、それでも13%前後の初診患者さんでは初診の時点で認知症なのか加齢に伴うもの忘れなのかの判断ができません。より詳細な神経心理検査を施行する時間的な余裕がない、MRIなどの機器を利用できないかかりつけ医の先生方の外来で、第1分類と判断された受検者の認知症の有無について診療をすることが果たして可能でしょうか。

活発な周辺症状(行動障害・精神症状)を示す事例が少ない

 徘徊やもの忘れ妄想などのように家族が迷惑する周辺症状が見られるときには、運転免許更新のいかんにかかわらず家族が早めに医療機関に相談受診することが多いと思います。しかし、運転免許更新を行う受検者にはこのような活発な周辺症状が見られることが少ないので、周辺症状の有無で認知症を判断することは難しいといえるでしょう。

家族が認知症の視点で患者さんを見ていない

 認知症診療で最も重要なことは、患者さんの生活をよく知る家族からの病歴聴取です。家族からの詳細な病歴聴取のみでその患者さんが認知症か否かの判断をすることは多くのケースで可能といえます。しかし、第1分類と判断される受検者の場合、一緒に生活している家族が認知症の視点で患者さんを見ていないことが多いのです。あるとき、公安委員会から第1分類と判断された家族の医学的診断のために指定医療機関を受診してくださいと通知がきて初めて認知症の問題に向き合うことになります。臨時適性検査を目的に私の外来を受診してくる家族に病歴を聞いても「自分はそんなにもの忘れを感じていませんでした」「正直言ってよく分かりません」などと回答される場合が少なくありません。したがって、臨時適性検査の場合には家族からの詳細な病歴聴取が期待できないといえます。

本人自身も受診に前向きではない

 臨時適性検査を命じられた本人が医療機関受診に前向きではなかったり、不満を感じていることも少なくありません。多くの受検者は、まさか自分が第1分類と判断されるとは考えておらず、自分の所持する運転免許証が取り上げられるかもしれないとの思いを抱いて受診してきます。

 最近経験した事例ですが、会社を経営している方で、第1分類と判断された後に信号無視と一時不停止の交通違反を犯し、私の外来に臨時適性検査目的で受診してきました。診察室では、「免許を取り消しされると自分が社長をしている会社がつぶれる」「自分に落ち度はない」「バックの会社(我が国で誰でも知っている会社)に相談して対応を考える」「裁判に訴える」などと大声を出し、興奮状態になっていました。これは殴られるかなと思いましたが、幸い暴力行為まで進展せず、最後に机を叩き診察室から出て行ってしまいました。私はアルツハイマー型認知症と診断しました。その後、この方は公安委員会に抗議し、裁判を起こすと言い張っていたようです。

 以上、現時点で私に思い浮かぶ問題点を列挙してみました。先述のとおり、私は愛知県から臨時適性検査と医学的診断を委託されていますが、その経験から考えますと、第1分類と判断された受検者の一部については、認知症の有無を判断することが難しいとは考えていません。第1分類と診断された受検者の中には、既にアルツハイマー型認知症をはじめとする認知症と診断されている受検者も少なくないと考えられるからです。

 しかし、いまだ医学的診断を受けていない受検者の診断依頼が来たとき、先生方は診断書作成を請け負われるでしょうか。現在、警察庁をはじめとする関係機関から詳細な施行手順が開示されていませんので、断定的なことは言えませんが、運転免許更新時における医学的診断をかかりつけ医の先生方が行うには相当のリスクを伴うのではないかと考えています。これが、長年、認知症診療の従事してきた私の経験に基づく意見です。

 次回では、かかりつけ医の先生方が運転免許更新時における臨時適性検査と医学的診断を下す際のリスクについて考えていきたいと思います。



http://www.medwatch.jp/?p=7530
地域医療構想策定後はもちろん、策定前から地域医療の課題抽出をすべき―地域医療構想策定GL検討会
2016年2月5日|医療・介護行政をウォッチ Medi Watch

 地域医療構想の策定後に、それを実現する上での課題を抽出することはもちろん必要であるが、診療データを活用し、構想策定前・策定中にも地域の課題を抽出することがきわめて重要である―。4日に開かれた「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」で、厚生労働省医政局の神田裕二局長はこのように強調しました。

NDBやDPCなどのデータを活用し、地域の現状把握を

 2025年における地域の医療ニーズと必要病床数を明らかにする地域医療構想の策定が進められています。2015年度中に全体の3分の1程度の都道府県で策定が完了し、それ以外でも16年度中には策定される見込みです。

 構想を策定し終えた後に、地域では「地域医療構想調整会議」を設置し、構想実現に向けた検討を開始することになります。調整会議での議論は、次のように進めることが考えられます。

(1)「地域の医療提供体制の現状」と「将来目指すべき姿」について認識を共有する

(2)地域医療構想を実現する上での課題を抽出する

(3)具体的な「病床の機能分化」「連携の在り方」を議論する

(4)地域医療介護総合確保基金を活用した具体的な事業を議論する

 この進め方は地域医療構想策定ガイドラインに既に示されていますが、都道府県から「より具体的な内容を示してほしい」との要請があることを受け、厚労省が4日の検討会に(1)-(4)に関する、より詳細な考え方を示しました。

 まず(1)では、▽将来の推計人口▽医療圏の現在の病床数・診療所数・位置▽医療従事者数の配置状況▽地域で不足する医療機能の把握▽病院間の診療実績の比較▽疾患ごとの医療機関へのアクセス時間▽在宅医療・介護サービスの設置状況―などを把握することで、「現状の把握」が可能となります。

 NDB(ナショナルデータベース)やDPCのデータなどを用いることで、現状を比較的容易に把握することができます。

 なお、この点に関連して中川俊男構成員(日本医師会副会長)や櫻木章二構成員(日本精神科病院協会理事】ら医療関係者は、「昨年6月に地域医療構想策定ガイドラインに基づいた必要病床数が公表されたが、都道府県では『病床削減目標』と考えている。その考えは誤っていることを厚労省が都道府県にしっかりと伝えてほしい」と強く指摘しています。


「地域の課題抽出」が地域医療構想の実現に向けた出発点

 こうした現状把握の次に、(2)の課題抽出を行います。厚労省は次のような課題を抽出することを例示しています。

▽ 診療科や主要な疾患に対する医療提供体制が確保できているか

 →例えば、県内の医療圏ごとに疾患別の患者流出入の状況を把握すれば、「当該疾患の自己完結度」が分かる

医療圏別に、疾患別の患者流出入の状況を見ることで、当該疾患の「自己完結度」を把握できる
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▽ 地域で、近接する複数の医療機関が同様に機能を担っていないか

▽ 救急搬送時間や、疾患ごと病院へのアクセス時間が長くなっていないか(県境については他県へのアクセスも考慮)

DPCデータを用いることで、救急患者の搬送に係る時間を地域ごとに把握できる
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県境においては、他県へのアクセスの状況も把握するべきである
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▽ 医療従事者の確保が十分に行えているか

▽ 地方自体の取り組み体制や人材育成は十分に行えているか

 厚労省は、課題を抽出し、対応策を議論するにあたって「数字だけでなく、地域の課題を十分に議論し、地域にとって最も適した計画を策定することが望ましい」と指摘しています。

 この点について神田医政局長は「課題抽出こそが地域医療構想実現の出発点である。地域医療構想策定後はもちろん、策定の前、策定する最中にも地域の課題抽出を行うことが重要である」と強調しました。

 また相澤孝夫構成院(日本病院会副会長)は、「地域では地域医療構想に関心のない医療関係者も多く、住民に至っては誰も知らないのが実際である。こうした状況のまま地域医療構想を策定し進めるのは非常に危険である。合意形成がきわめて重要だ」と指摘しています。

 なお、こうした課題抽出は行政の担当者が行い、重要な部分を調整会議に提出するという形が現実的でしょう。行政と調整会議の役割分担も、円滑に会議を進める上で重要な視点と言えます。


医療計画と地域医療構想の整合性にも留意を

 課題への対応案を考慮するとともに、(3)の「機能分化、連携」の具体的な在り方を議論することになります。

 その際には、各医療機関の「地域での位置づけ」を把握した上で、「役割分担」を明確にすることが重要ですが、厚労省は医療機関だけでなく「保険者や関係者を巻き込む」「患者・住民への啓発に取り組む」ことの重要性を強調しています。

 さらに機能分化・連携を進めるためには、(4)の「地域医療介護総合確保基金」の活用も考慮しなければいけません。基金は、「病床の機能分化・連携」のほか、▽ 居宅における医療提供▽医療従事者の確保・養成―にも活用できる点には注意が必要です。

 なお都道府県では、2018年度からの第7次医療計画の策定を近く検討することになります。地域医療構想は「医療計画の一部」であるため、厚労省は「医療計画」と「地域医療構想」の整合性にも留意するよう求めています。


病棟の構成が変化する中で、機能の変遷をどこまで分析できるか


 4日の検討会には、2015年度の病床機能報告(2回目の報告)の結果速報も提示されました。

 現在の機能を見ると、2014年度報告に比べて▽高度急性期がやや減少▽回復期がやや増加―しています。地域ごとに「急性期機能がどの程度、回復期に移行したのか」などが気になりますが、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は「病棟構成が変化しており、分析が難しい」と述べており、どこまで明らかにできるのかは不明です。

2015年(平成27年)の病床機能報告の結果速報、前回(2014年)と比べて高度急性期が少し減り、回復期が少し増加している
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 また「6年後の機能」と「2025年度の機能」(いずれも速報)も報告されており、やはり▽高度急性期がやや減少▽回復期がやや増加―という状況は同じです。

6年後の機能の状況を見ても、やはり高度急性期がやや減少し、回復期が少し増加している
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2025年の機能の状況を見ても、やはり高度急性期がやや減少し、回復期が少し増加している
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http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160205_13023.html
被災地に医療現場を知って 学生向けツアー
2016年02月05日金曜日 河北新報

 宮城県薬剤師会は4日、薬剤師を目指す学生を対象に東日本大震災の被災地の医療現場を案内するバスツアーを開いた。被災者の健康を支える現場を知ってもらい、被災地での就業を考えてもらうのが狙い。
 東北薬科大(仙台市青葉区)の学生23人が参加。気仙沼薬剤師会が運営する南三陸町の志津川薬局、津波で被災した石巻市の雄勝病院跡地、女川町の地域医療センターなどを回った。女川町地域医療センターでは、地元薬剤師から震災直後の話を聞いた。新田充主任薬剤師は「慢性の病気を抱えながら津波で薬を流された患者が避難所に大勢いたが、何の薬を飲んでいたのか分からず苦労した。混乱する災害時ほど、正しい薬の知識を持った薬剤師が必要になる」と述べた。
 参加した4年の阿部慎さん(31)は「被災地の医療現場の実情を目の当たりにしたのは初めて。現場で働く薬剤師の話を聞き、震災の発生直後から患者のために必死に働いたことが分かり身に染みた」と話した。
 ツアーは、都市部に薬剤師が偏在する中で、人手不足の被災地や過疎地での就業を考えてもらおうと、県薬剤師会が2014年度から実施している。



http://diamond.jp/articles/-/85833
年収1000万円以上でも割に合わない?
医者の収入と貯金大調査!

dot. 2016年2月6日 ダイヤモンドオンライン

 医師は、どのような環境や待遇で働いているのだろうか。

『医学部がわかる』(AERAムック)では、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の協力のもと、現役医師344人への一斉アンケートを行い、医師たちのリアルと本音を調査した。気になる年収や貯金を公開!

*  *  *

 高収入のイメージが強い医師。この調査でも、年収1000万円以上が全体の8割超を占めた。ただし、医師になればすぐ高給かというと、そうではない。研修医時代の収入は多くないうえ、原則としてアルバイト禁止の研修病院も多い。

「研修医時代の給与は、当直代などを除けば、手取り月20万~30万円程度でしょう。研修医制度の改定前は無給だった施設も多く、以前よりは恵まれていると思います。勤務医は、手取り30万~40万円程度から始まるのが一般的です」(診療所の副院長を務めるA医師)


現在の年収について教えて下さい(『医学部がわかる』より)
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 勤務医になれば、アルバイトが解禁になる。アルバイト収入は、就職間もない医師にとって貴重だ。半日勤務が1コマで、報酬は約4万円。週1回で年間200万円、2コマこなせば、年間約400万円もの収入になる。大学病院勤務の30代の医師は、毎週2~3コマと、産業医のパートも務めている。

 ニューハンプシャーMC取締役で、医師向けのキャリアコンサルタントを務める中村正志氏によると、ベースになる常勤先の収入は、勤務先により大きく異なるという。

「大学病院の医局や高名な病院は、症例が多く効率的に学べるメリットがありますが、医師も集まりやすいため、給与がそれほど高くないことも多い。一方で、医師不足に悩む病院は増えています。認定医や専門医などの資格を取ってから、よりよい条件の病院へ転院する医師が多いんです」(中村氏)

 気になるのは、医師たちの本音だ。「割に合わない」「お金持ちにはなれない」との不満が多数あがっている。

「医師の満足度の分岐は年収1500万円といわれています。1000万円未満の所得は、大学病院所属者が多いようです。技量や経験に、収入が比例しないため、不満もたまりやすいのではないでしょうか」(中村氏)

 A医師も言う。

「特に国公立の病院の場合、公務員に準じた扱いなのでアルバイトもできない。管理職になっても年収が1000万円を超えません。名誉と収入が一致しない、珍しい職業です」


現在の貯金について教えて下さい(『医学部がわかる』より)
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 次に、貯金を見てみよう。収入に対して貯金額は、やや慎ましい傾向にある。A医師が言う。

「医師はランニングコストが高い。認定医や専門医の取得や維持のため、各地の学会に参加しますが、その費用や試験費用はたいてい自腹。大学院に進学すれば、学費がかかります。開業するなら、資金も必要です。」

 開業費用は、立地にもよるが、ビルで5000万円、戸建てで1億円以上といわれる。

 生活水準が高いために出費も多いと指摘するのは、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のライフカウンセラーである戸田充俊氏だ。

「収入も多いですが、住宅費や生活費のほか、子どもの教育資金がかさむケースも多いため、なかなか貯蓄にまわらない世帯も多いようです」

 ひとつの勤務先に留まることが希で、転院することも多いため、退職金は通常の企業勤務のように期待できないことがほとんど。ただし、定年にも縛られないため、生涯現役で働く人が多いのも、医師の特徴だ。

※AERA Premium『医学部がわかる』(AERAムック)より



  1. 2016/02/06(土) 06:05:28|
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