Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月4日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/396885
シリーズ: 医療従事者の需給に関する検討会
必要医師数、4つの医療機能別に推計
医師の労働時間、現状追認か是正かも課題

レポート 2016年2月4日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 2月4日の厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学学長)の第2回会議で、入院医療に関する必要医師数は地域医療構想を基にするなど、将来の必要医師数の推計方法についての基本的な考え方が提示された。

 本推計方法は、産業医科大学公衆衛生学教授の松田晋哉氏が提案したもので、まず医師の需要を、(1)臨床に従事する医師、(2)臨床以外に従事する――に分ける。(1)のうち、入院医療については、各都道府県で現在策定が進む「地域医療構想」に基づき、4つの医療機能別(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の病床数に、100床当たりの必要医師数を勘案した「一定の幅」を持った係数をかけて推計する。外来医療については、初再診のレセプト数と、医師1人1日当たりの診察患者数を基に、「補正係数」をかけて推計する。

 (2)としては、研究機関(基礎医学)、産業医(産業保健)、行政機関、製薬会社等の民間企業、国際協力――など、多岐にわたる医師の活躍の場があり、どこまで推計対象に加えるかは今後の検討課題だ。

 基本的な考え方には異論はなかったが、「一定の幅」「補正係数」を持って推計するとされている上、「各地域の現在の受療率」を用い現状を追認するか、あるいは「全国平均受療率」を用いるかによっても推計は大きく異なる。また精神医療については、地域医療構想に含まれず、外来医療については、生活保護・自賠責・労災などのデータが、NDBには含まれていないという問題もある。さらに、医師の勤務時間についても現状追認か、あるいは勤務負担の軽減を加味するかなど、さまざまな変動要因があり、その調整次第で、必要医師数は大きく変わり得る。言い換えれば、この辺りが今後の論点になる。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「現状追認で推計するかどうかで、大きく変わってくる。医師の労働時間は、“ブラック企業” 並み。特に若手医師の勤務時間を是正せずに推計しなくていいのか」と問題提起。「今、不足している分野にどうすれば医師が増えるかという議論が必要だと思うが、その議論ができないのであれば、医師を増やす以外にない」とも述べ、地方、特に県庁所在地以外の地域の病院での医師確保の難しさを訴えた。

 これに対し、岩手医科大学学長の小川彰氏は、「時間軸の中で、考えなければいけない」と医師養成数の増加に反対。2008年度以降の医学部入学定員増に伴い、医師が増えてくるのはこれからであり、今後の定員は10年後、20年後の医師の需給を考えて検討すべきと主張した。

 4日の検討会では、厚労省が「医師偏在に係る課題」(案)も提示。医師のキャリアを、大学医学部、臨床研修、後期研修、大学院・留学、大学病院勤務、市中病院勤務、開業などさまざまなステージに分け、(1)医療サービス、(2)介護・福祉サービス、(3)産業保健、(4)行政機関、(5)研究機関、(6)民間企業、(7)その他――という視点と併せ、課題を整理した資料だ。

 本検討会は、2017年度、2019年度にそれぞれ期限が切れる医学部の「臨時定員増」に関する方針のほか、医師の地域・診療科偏在等について議論する予定(『医学部定員、増員維持か?削減か?』を参照)。厚労省医政局地域医療計画課長の迫井正深氏は、「2017年度末に期限が切れる医学部定員について、優先的に議論していく」と説明したものの、中長期的な医師数の方向性についても一部並行的に議論をしていくとした。

 診療密度踏まえ、100床当たりの医師数設定

 松田氏は、入院医療における「100床当たりの必要医師数」については、4つの医療機能の診療密度を考えて、重み付けを行い、係数を設定するとした。また神野氏の懸念点については、「医師の長時間労働を前提にすれば、歪んでしまう。医師1人当たりがどの程度、勤務しているかを見ながら、関係部局と話し合いながら、検討する」と回答。またパートタイムなどの勤務形態も踏まえながら、「合理的な説明ができる係数を設定したい」とした。

 ほかにも、検討会の構成委員からは、必要医師数の推計に当たって、変動要因となる点についてさまざまな意見が出た。日本精神科病院協会常務理事の平川淳一氏は、精神医療は入院医療から外来医療にシフトしている現状を踏まえた推計の必要数を指摘。「メディアスなどから、必要な精神科医師数を推計するのは、難しいのではないか」(平川氏)。

 「医師偏在に係る課題」(案)については、青森県健康福祉部長の一戸和成氏が、国、都道府県、2次医療圏など、どんなレベルで議論すべきかと質問。「少なくとも都道府県レベルまでの是正を図ってもらい、都道府県内は、各等道府県が責任を持ってやるべきと考えている」(一戸氏)。迫井課長は、「まずは課題を整理し、その上で、どんな対策を考えるべきか、その上で国あるいは2次医療圏単位で検討すべきかなどを整理していきたい」と答えた。

 本検討会では、期限が切れる「臨時定員増」の医学部定員の問題と、医師の地域・診療科偏在、さらには将来の必要医師数の推計の議論が錯綜した。片峰座長は、少し議論を絞り込む考えを示したものの、一戸氏は「マクロベースでは、どこからも充足しているとの声は出てこない」と述べ、都道府県の担当者の間では、地域偏在の状況も踏まえた上で議論すべきとの意見が出ているとした。

 小川氏も、地域医療構想は2025年の医療機能の推計であり、医学部入学定員は、卒業生が活躍する将来を見据えて検討しなければいけないことなどから、「医師需給の問題は、“多変量解析”の議論になる。もともとこの議論は変数がとても多い」と指摘。さらに小川氏は、「医師1人が皆、同じ技術を持っている前提で話をしている」と指摘、「医師の質」も推計の際の変数になり得るとした。

 女医の労働力、「小学生以下の子あり」では60%

 4日の検討会では、女性医師と医療の国際展開という視点について、ヒアリングも実施。

 女性医師についてプレゼンテーションしたのは、日本女医会会長の山本紘子氏。自身の経験や周囲の意見を基に、「同世代の男性医師の労働力を100%」とした場合の女性医師の労働力について、(1)配偶者なし:100%、(2)配偶者あり・子供なし:90%、(3)配偶者あり・子供あり(中学生未満の子供あり):50%、(4)配偶者あり・子供あり(中学生未満の子供なし):60%――という印象を提示。

 富山大学の中村真由美氏の研究なども引用しながら、女性医師の場合、結婚前は、男女同等に働いているが、特に子育て中は、非常勤化するケースが多い現状を説明。「夜間の呼び出しに対応できないため、非常勤化するケースが多い。短時間の勤務でも、収入は確保されるので、『それでいいかな』と思ってしまう。一方で、非常勤化により、キャリアが途絶え、新しい技術に付いていけなくなり、『さびしくなる』という声も聞く」(山本氏)。ただ、いったん離れると復帰も容易ではなくなることから、「非常勤でもいいので、医療につながっていることが重要」とした。

 最近は、育児休業、時間短縮勤務、院内・院外保育なども充実してきたため、女性医師の勤務環境は徐々に整いつつあるとしたものの、どんな就労をしているか、実態が必ずしも把握されていないとした。有効な対策を講じるためにも、「同窓会などを通して、3世代くらいを対象に、聞き取り調査も含めて、どんな就労しているかを調査すれば、かなり正確なデータが出てくるのではないか」と山本氏は提言した。

 医療の国際展開、必要医師は「10~20人」

 「医療の国際展開と医師の需給」というテーマで、プレゼンテーションしたのは、一般社団法人Medical Excellence Japan(MEJ)理事で、慶應義塾大学名誉教授の相川直樹氏。2013年の政府の「日本再興戦略」では、官民一体となって、医療の国際展開を推進することが掲げられ、「民」の取りまとめ役を担うがMEJだ。

 既にアウトバウンドでは、インドネシアやベトナムに内視鏡医療センターを開設。ロシア、ミャンマーなどにも海外拠点を持つ。相川氏は、インドネシアを例に、国際展開における必要医師数を紹介。内視鏡医療センターは、神戸大学の協力を得て運営。2014年度には、2014年9月に5人、2015年2月に2人、それぞれ1週間程度、現地に赴き指導をした。その前後の準備等を併せ、約2週間かかったという。「日本再興戦略」では、2020年には、海外の医療拠点を10カ所程度作ることを予定しており、そのためには常勤換算で医師が10~20人程度が必要と見込まれるという。

 インバウンドでは、MEJがかかわった実績では、2011年1月から2014年12月までの間で、問い合わせは4211件(104カ国・地域)、受入受診者は567人(45カ国)だった。現在、渡航受診受入の医療機関リスト「日本国際病院(仮称)」の作成を進めており、それを海外に発信することで受け入れるが増加する見通しだとした。今は既存の医師で対応しているが、限界であり、「受入が増えれば、その規模は分からないが、必要医師数が増えることは間違いない」(相川氏)。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0204038356/
今のアレルギー診療は"くじ引き"状態?!
第1回アレルギー疾患対策推進協議会

健康・公衆衛生 | 2016.02.04 Medical Tribune

 2月3日,第1回アレルギー疾患対策推進協議会(会長=国立研究開発法人国立成育医療研究センター副所長・斎藤博久氏)が開かれた。昨年(2015年)12月25日から施行されたアレルギー疾患対策基本法で設置が定められた組織。今夏をめどにアレルギー疾患対策の総合的な推進を図るための基本指針を取りまとめる。今回はアレルギー疾患を取り巻く主な課題が取り上げられた。「患者にとって,今のアレルギー医療はたまたま受診した医師で人生が大きく左右されることがある"くじ引き"のようなもの」とのコメントも聞かれた。

2005年の「3人に1人」から11年には「2人に1人」

 アレルギー疾患対策基本法は2014年6月に議員立法により制定され,昨年12月から施行された。アレルギー疾患患者が国内で急増していること,最新のガイドライン(GL)に沿った標準治療での予防や症状の管理が可能になっているにもかかわらず,適切な医療の提供が行われていないことなどが制定の背景にある。

 この協議会では同法に基づき,厚生労働相が策定するアレルギー疾患対策基本指針に関する意見を取りまとめる。今回は厚労省,アレルギー疾患患者や家族の団体,自治体の代表らが同疾患を取り巻く課題について説明した。

 事務局の厚労省によると,2005年には国民の約3人に1人がなんらかのアレルギー疾患(喘息,花粉症,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー)に罹患していると推計されていた。しかし,2011年には約2人に1人と急速に増加。アレルギー疾患により医療機関を受診する患者の数も年々増加している。

 医療の進歩により,アレルギー疾患の症状コントロールが可能になり,喘息死は年々減少しているものの,2014年時点においても1,550人が喘息で死亡。食物アレルギーに起因するアナフィラキシーによる死者は2002年に一度ゼロとなった以外は,年に数例ずつ発生し続けている。アレルギー疾患の患者数に全国的なばらつきはないが,人口当たりのアレルギー科常勤医の数には偏在が見られるといった問題も指摘されている。

 アレルギー対策には厚労省,農林水産省,環境省,文部科学省などの省庁が関わっているが,どのような領域でどのような予算措置の対策が行われているのかも,基本方針の策定に向け整理されていく見通し。

「困った患者,重い患者にプロとして対応を」

 NPOアレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」代表の栗山真理子氏は,アレルギー疾患を持つ小児や親が安心して生活できるための社会基盤の整備を目標に掲げ,厚労省や文科省,内閣府食品安全委員会などでGL策定にも関わってきた。「患者は当事者として"してもらう"だけでなく,一緒に考え行動する」ことが重要との考えを示す。一方,患者が最も困っている点として専門医と実地医家の治療格差を挙げ「これは医療を提供する側の問題」と指摘する。

「患者の自己管理が悪い,医師の言うことよりインターネットを信じるなど,患者側の問題も十分承知している。しかし,困った患者やなかなか良くならない患者がいれば,プロの医師として次のプロに紹介し,回復のチャンスを逃さないでほしい」と訴えた。そして,「エビデンスに基づいた最新のGLに沿った情報提供や治療が適切に行われれば,アレルギー疾患のかなりの症状はコントロールが可能なのではないか」とアレルギー治療の均てん化に向けた取り組みの重要性を強調した。

脱ステロイドでカポジ水痘様発疹,血液検査で十数種類の除去食を指示...

 アレルギー治療の均てん化が進まないために患者や家族に何が起きているのか。実際の事例を紹介したのは,NPO法人「アレルギーを考える母の会」代表の園部まり子氏。「患者にとって今のアレルギー医療は"くじ引き"のようなもの」で「たまたま受診した医師で人生が大きく左右されることがある。さらに,受けている治療が適切かどうか患者や保護者自身が分からない。この2つが大きな問題」と述べた。

 日本でもアドレナリン自己注射薬(商品名エピペン)の承認や,オリンピックで活躍する選手の10人に1人が喘息患者とも報告されるようになるなど,アレルギー疾患を取り巻く状況は着実に改善している。しかし,一般社会では最新の情報が必ずしも普及していない。同氏らの元には「喘息の男子高校生が夜になっても帰宅せず,翌朝学校のトイレで吸入器を口にくわえたまま亡くなっているのが見つかった。幼少時から喘息をからかわれ,高校でも喘息のことを友人や先生に知らせず,トイレに隠れて吸入薬を使用していたと分かった」「夜間当直の救急隊員がベッドの中で喘息死。医師から吸入薬を処方された際に"あまり使うと危険"と言われ,発作が起きても我慢して使用していなかった」といった事例が多く寄せられている。「こうしたケースには最重症の患者は含まれていない。年間に亡くなっている1,000人を超える人の一部」(同氏)。

 他にも,最新のGLに沿った情報提供や治療が行われていないために,なかなか症状が改善しない患者が医療不信となり,安全性や有効性が確立されていない民間療法など「違うところ」に行ってしまうケースもあるそうだ。メディアによく取り上げられる「脱ステロイド療法」を受けたアトピー性皮膚炎の男性は,皮膚症状が徐々に悪化。「仕事がストレスなので,奥さんが代わりに働けば良い」と指導された。男性の症状はさらに悪化したため,不安になった妻が同団体に相談し,皮膚アレルギーの専門医を紹介された。男性は「カポジ水痘様発疹」で入院加療が必要と診断された。主治医に「適切な治療でどんな過酷な仕事でもできるようになる」と言われ,スキンケアや標準治療を受け3週間で回復し退院した。今は新たな仕事を頑張っているとのことだ。

 血液検査だけで,十数種類以上の食品の除去を医師に指示されていた3歳児の例も紹介された。このケースでは,日々の厳しすぎる食事制限のために子供も母親も心身ともに疲弊し,痩せ細ってしまった。この小児も,紹介先の医療機関で,ステロイド外用剤や院内でのプリックテストに基づき除去すべき食品と摂取しても大丈夫な食品を慎重に判定されるなどの標準治療を受け,肌の状態も普通の子と変わらない状態で元気に過ごせるようになった。

 学校での事例も多数あると同氏。アレルギー疾患児のエピペン携帯を「危ないものを持ち込むな」と許可されなかったり,アレルギー対応の相談すら「忙しい」「お宅の子のために苦労している」と受け付けてもらえなかったりするなどの相談も多いそうだ。

 こうしたアレルギー疾患を取り巻く多くの問題を解決するために同氏は「指針には医療の均てん化や社会基盤の整備を盛り込む他に,目標を設定した上で定期的に評価,見直しを行うPDCAサイクルの導入」が必要と提言した。

自治体も頭抱える「研修開いても来てくれない」

 川崎市健康福祉局医務監の坂元昇氏によると,自治体のアレルギー対策はもともと公害対策から派生しており,全国で小児喘息への医療費助成制度が行われている特色がある。そのため,他のアレルギー疾患対策との不公平感が指摘されるようになっているそうだ。また,自治体によってはアレルギー疾患対策を保健福祉や環境関連など複数の部局が管轄し事業が重複している,医療専門職が不在のところもあるなど,実施内容にもかなりの温度差が生じている問題を指摘した。

 自治体には医師など医療職へのアレルギー疾患に関する研修を行う役割もある。しかし,医師会と共催で研修会を開催しても医師がほとんど集まらない。「医師向けの研修参加に対するインセンティブもなく,強制力もない。多くの自治体が苦慮している」(同氏)。

「患者が集まる」とアレルギー科標榜を奨める

 さらに市民から自治体への診療機関に関する問い合わせにも十分対応できていないのが現状と同氏。現時点では「アレルギー科」の標榜は可能だが,専門医の標榜は許されていないためだ。この点については栗山氏からも「"今アレルギー科にかかっているのですが"との患者からの問い合わせで,実際の治療内容を聞いて驚くこともある」といったコメントがあった。

 国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長の海老澤元宏氏は「アレルギー診療を専門医だけで担うのはとても無理。一般医家との連携は非常に重要だ。一方で,一部の開業コンサルタントが"集客に役立つから"とアレルギー科の標榜をアドバイスしているとも聞く。今回の話を聞いて,開業の際に学会として研修の機会を提供するような取り組みも必要かもしれないと感じた」と話した。

 この他にも,アレルギー疾患患者の長期予後を検討する縦断研究や,標準治療から外れた,生命の危険を与えかねない治療に関する情報提供が必要といった意見が出された。今後は関係者からのヒアリングを交え指針案作成に向けた議論が継続される。

(坂口 恵)



http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/syuzainote/2016/160203.html
野洲市立病院整備計画 市と議員、対話の姿勢を
湖南総局 田代真也
[京都新聞 2016年2月3日掲載]

 野洲市の市立病院整備計画の関連予算案が、市財政への不安などを理由に市議会で2度否決され、市が24日開会予定の定例会で3度目の提案をするという異例の事態となっている。問題がこじれたのは、市、市議の双方に対話をして最善策を探ろうという姿勢が足りないからではないだろうか。
 計画は、民間の野洲病院の経営継続が困難になったことを受け、市が2011年から検討を始めた。JR野洲駅前の市有地約5500平方メートルに約86億円かけて199床を整備する内容で、市は昨年3月に基本設計予算案を提案した。しかし、保守系会派を中心に反対があり、5月の市議会で否決。市は内容を精査して11月に再提案したが1票差の僅差で再び否決された。
 市は計画断念を野洲病院と医師会に通知したが、市自治連合会が12月に開いた意見交換会で反対派を含む全議員が市内に病院は必要と表明したことなどから、「計画が地域医療を確保するための唯一の方策であることに間違いはない」と判断。方針を転換して2016年度一般会計当初予算案にあらためて盛り込むことになった。3月の定例会最終日で採決されるとみられ、市民の注目が集まる。
 反対派議員は主に市財政への影響が懸念されると主張している。しかし、2度目の否決時には議会で反対討論も行わず、批判が集中した。そもそも、反対派のほとんどの議員が一般質問で病院計画を取り上げていない。質問した議員を中心に野洲病院の耐震化や駅前から郊外への立地変更など対案も出されているものの、市はそれら一つ一つに論点を整理して回答しており、さらに反対を続けるなら、市民にも明確に分かる理由をきちんと説明するべきだ。
 市側にも気になる点がある。山仲善彰市長は「8年目から黒字」とする収支見通しを挙げ、財政不安を「根拠がない」と切り捨てる。病院経営は専門性が高く、議員でも分からないことはあるはずだが、質問に対しても、逆に質問者の考えを聞き返し、議員が答えきれない場面が何度もあった。
 双方に対話の姿勢が欠けているのではという声は、市民からも聞く。2度目の否決を受けて11月にあった野洲病院の臨時の理事会・評議員会で、委員の市民から「市も議会も努力が足りない」との意見が上がった。市が普段から情報公開に努め、公開の場で議論を進めることを大切にしていることは評価できる。一方で、ある自治会長は「市と議会はすり合わせができていない。歩み寄る姿勢が必要ではないか」と話す。
 市立病院計画は野洲市の地域医療はもちろん、今後のまちづくり全体に関わる重大施策。議論が深まらず、提案と否決が繰り返されているような市と市議会の現状は、市民にとって不幸だ。徹底的に意見を戦わせ、より良い道を探る。そうした取り組みの先に計画の行方が決まることを期待したい。



http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/03/doctor-call-jal_n_9155086.html
「お客様の中にお医者様は...」不要になる? JALの新制度に「法律整備が先」の意見も
執筆者: Chitose Wada
投稿日: 2016年02月04日 12時52分 JST DOCTOR RESCUE The Huffington Post

旅客機内での「お客様の中に、お医者様はいませんか」というドクターコールが、今後、なくなるかもしれない――。

日本医師会と日本航空(JAL)は2月3日、医師であることを事前にマイレージ会員に登録する「JAL DOCTOR登録制度」制度を導入したと発表した。医師がどこに座っているかを客室乗務員(CA)が事前に把握することで、機内で急病人が発生した際にも迅速に対応できるようにする。日本医師会の担当者はハフポスト日本版の電話取材に対し、「1分1秒を争う事態に、対応できるようになる」と自信を見せた。

登録の対象となるのは、日本医師会が発行するICカード型資格証を持つ医師。航空ニュースの「Aviation Wire」によると日本医師会に所属する約16万人の医師のうち、約2500人がこの資格証を所持しているという。登録は任意だが、JAL側は登録した医師に上級マイレージ会員向けの空港ラウンジへの入室など、インセンティブを用意する。

■医師への訴訟リスクを懸念する声も

このニュースに対し、Twitterでは「いくら賠償があると言っても、医師の訴訟リスクは減らないのではないか」などの声があがっている。万一の場合に訴訟になることを恐れ、事前登録は進まないのではないかというのだ。

JALの担当者はハフポスト日本版に、「国内線・国際線あわせて、1日1件ぐらい、年間約350件のドクターコールが発生している」とコメント。これまでも機内での医師対応で、万一のことが起きた場合、賠償責任は原則として医師ではなく会社が負うことになっており、新制度でも同様とだと説明した。

日本医師会の担当者によると、アメリカやカナダなど一部の国では、「よきサマリア人(びと)の法」と呼ばれる法律が整備されており、航空機内や路上などで無償で急病人などを救う行動をとった場合、誠実にできることをしたのであれば、失敗しても責任を問われないようになっているのだという。日本にはこの法律がないため、路上などで困っている人を見かけても、訴訟を恐れて助けるのをためらってしまう場合もあるとのことだった。

日本医師会の担当者は、よきサマリア人の法が今後日本でも整備されれば良いとする一方、今回の制度化の意味について、「現状でも困っている人を自ら進んで助ける医師はたくさんいる。その方たちが事前に登録をしておくことで、呼吸困難などの1分1秒を争う事態に対処できるようになれば」などと語った。



http://www.medwatch.jp/?p=7515
消費税率10%時に介護報酬でどのような対応をすべきか、介護給付費分科会がヒアリングを実施
2016年2月4日|医療・介護行政をウォッチ Medi Watch

 消費税率10%への引き上げに向けて、介護報酬でどのような対応をすべきなのか―。こうした点について日本医師会や全国老人福祉施設協議会、全国老人保健施設協会などから意見を聴取していくことが、3日に開かれた社会保障審議会の介護給付費分科会で決まりました。

 消費税率は来年(2017年)4月から10%に引き上げられる予定で、仮に介護報酬で対応するとなると、今年(2016年)中に方針を固める必要があります。分科会では3月中を目途に意見聴取を行い、今後の議論のベースにする考えです。

3月目途に関係団体からヒアリング、書面での意見陳述も可能

 公的介護サービスについては消費税が非課税とされているため、介護事業所・施設が設備投資や備品購入などの際に支払った消費税を利用者に転嫁することはできません。消費税率が引き上げられた場合、介護事業者の消費税負担が重くなるため、前回の消費増税(5%→8%)の際には、通常の介護報酬改定と合わせて特別のプラス改定(消費税負担を補填するため)が行われました。

 来年4月には消費税率が10%に引き上げられる予定ですが、その際にどういった対応をとるのかが重要課題となっています。仮に前回と同様に介護報酬のプラス改定を行うとすれば、その改定内容などを介護給付費分科会で議論する必要があります。

 分科会では議論の基礎資料を得るために、(1)消費税率が8%に引き上げられた際に介護報酬プラス改定を行ったが、それをどう評価しているか(補填は十分か)(2)消費税率が10%に引き上げられる場合、どのように対応すべきと考えているか―の2点について、関係団体から意見を聴取(ヒアリング)することにしたものです(関連記事はこちら)。

 ヒアリングの対象は、▽全国老人福祉施設協議会 ▽全国老人保健施設協会 ▽日本医師会 ▽日本慢性期医療協会 ▽全国特定施設事業者協議会 ▽日本看護協会 ▽健康保険組合連合会―など28団体。

 厚生労働省老健局老人保健課の佐原康之課長は、「今月(2月)中には各団体に案内を出し、3月中(日程調整の関係で4月に入ることもありうる)を目途にヒアリングを行いたい」と説明しています。「書面での意見陳述」や「意見なし」と回答することも可能で、前回改定時には、実際に会議に出席して意見を述べたのは7団体に、書面での意見陳述も4団体でした。

 ヒアリングは、介護給付費分科会の下部組織である「介護事業経営調査委員会」で行われ、一部の分科会委員もオブザーバーとして参加する見込みです。

2018年度改定に向け、2014・15の2年度分の経営状況を調査

 3日の介護給付費分科会では、2016年度の介護事業経営概況調査の概要も固められました。

 介護報酬改定をする際、介護事業所・施設の経営実態を把握する必要があります。経営面が非常に厳しいサービスがあれば、そこに補填する必要などがあるためです。

 経営実態の把握には、「介護事業経営概況調査」と「介護事業経営実態調査」の2つが活用されますが、分科会では「より正確な経営実態を把握する必要がある」と考え、▽概況調査は前回改定を挟んだ2年分とする(従前は1年分)▽実態調査は改定後2年目の1年分とする(従前は1か月分)▽キャッシュフローを一定程度把握する―などの見直しを行うことを決めました(関連記事はこちらとこちら)。

 厚労省はこの見直し方針に基づいて具体的な調査設計を行い、3日の分科会に提示。分科会はこれを了承しています。

 調査は次のように行われます。

▽調査対象は「2014年度」と「2015年度」の決算額とする(従前であれば、2015年度の決算額のみであった)

▽すべての介護サービスを対象に一定割合の事業所・施設を抽出し、そこを調査対象とするが、事業所数の少ない定期巡回・随時対応型訪問介護看護などは全事業所を調査対象とする(過去の調査で回答率が低かった短期入所生活介護などでは、抽出率を上げて、回答数の確保を目指す)

▽調査項目は「収入」「支出」「サービス提供の状況(利用者数や利用者の要介護度など)」「居室・設備などの状況」「職員配置」「職員給与」などとする

 このうち支出については、新たに「設備資金借入金元金償還金支出」「長期運営資金借入金元金償還金支出」が調べられます。

 これは「簡易にキャッシュフロー(資金繰り)を把握する」ことが目的で、厚労省は「収入と減価償却費から長期借入金の返済分を除けば、事業所・施設の資金繰りは一定程度把握できる」と説明しています。これまで「建物などの整備に関する借入金の返済」が議論の中心でしたが、「運営に関する長期借入金の返済」も対象となっています。

 こうした「長期借入金返済額」の調査対象は、▽介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)▽介護老人保健施設▽介護療養型医療施設▽短期入所生活介護▽特定施設入居者生活介護▽小規模多機能型居宅介護▽認知症対応型共同生活介護▽地域密着型特定施設入居者生活介護▽地域密着型介護老人福祉施設▽看護小規模多機能型居宅介護(旧、複合型サービス)―の10類型のみで、他のサービス(訪問介護や訪問看護など)は回答の必要はありません。

 なお佐原老人保健課長は、回答率を上げるために「過去の調査で記入不備が目立った部分については記入要領を充実する」「WEBで回答する場合にはエクセルの機能による誤記入が分かりやすくなる(例えば内訳の数値を間違えると、合計に反映され、記入者自身が誤りに気づける)」ような配慮をしていることを強調しています。

 今後、総務省の審査を経て調査票などが対象事業所・施設に発送されます。事業所・施設は5月末までに調査票に記入の上、投函する必要がありますが、仮に締め切りを過ぎても提出が可能です。



https://www.m3.com/news/iryoishin/396411
シリーズ: 若手・中堅座談会:「2035年の医療を語る」
20年後、医師はコモディティ化する?◆Vol.2
創造的仕事とルーチンの仕事で二極化か

スペシャル企画 2016年2月4日 (木)配信 聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:成相通子(m3.com編集部)

渋谷 20年後の医療の在り方ということで、皆さん、どういうイメージを持っているでしょうか。20年は長いようで短い。20年前を思い返すと、自分はちょうど留学していた時。ネット検索ができるようになり、論文を書く時に便利になったとはいえ、本質的な所は今もそんなに変わっていない。

 20年先を見た時、本当に医療ってそんなに変わるものなのか。どんな医療になっているか、期待や希望、20年後の医療の現実について、キャリアの観点も含めて聞いてみたい。

森田 医療がもっと生活に「寄ってくる」という印象はあります。例えば、「Apple Watch」などのウェアラブルディバイスやセンサーが発達すると、患者の生活の中で情報を取ることができるようになる。高齢者の管理も、今は1カ月に1回外来に来てもらって、血液検査して薬を出すだけなのが、家にいるだけでデータが取れるようになれば、「(1カ月に1回も)来なくてもいいよ」と言えるようになる。そういう需要は高くなると思います。

医師がどの地域にいても、一度に数百人ぐらいのデータを見て診断し、もっと低コストで回せるという時代が来るかもしれません。

渋谷 医師はどこかコールセンターのような所にいて、データを見ているイメージですか。

森田 一部ではそういう方向に進むのかなと思います。診断はもっと機械に任せるようになるのではないでしょうか。それは20年後の変化というより、5年後ぐらいのことかもしれません。

渋谷 機械や人工知能でどこまでできるでしょうか。

森田 診断のウエイトが低くなったとしても、その後、医師がどこまで権利を守るかの争いが起きるでしょう。例えば、(IBM開発の)人工知能のワトソンが出した診断は医師が承認しなければいけないとか。でも、医師が権利を守ろうとしても、一般の人が(診断する機械を)使えるようになったら、一般の人でもいい、という意見にはかないません。

渋谷 ライセンスの意味があまりなくなるわけですね。

森田 無くなる方向もありますが、やはり(外科的な)「切って貼って」は絶対必要です。それは医師でないとできない、ということになるかもしれない。

岡崎 ワトソンの診断が、一般の内科医よりも正診率が高かったという話も聞きました。ある意味、医師の機能が代替可能になり、コモディティ化が起きてしまうのではないか。医師のスキルが特殊技能でなくなってしまう。診断を付けてそれに対して、『今日の治療薬』にあるような薬を出すことは、機械でもできるのではないかと思います。

 制度として、処方権は医師が手放さないと思います。最後まで手放さないので、全部が全部、代替されることは無いでしょう。ただ、市販のOTC薬が増えて、患者が人工知能や民間サービスを使って、簡単な薬だったら自己責任で自分で診断して、自分で飲むという形にどんどん移り、事実上医師の処方権がどんどん消えて行く形になるかもしれない。それが医療費削減に使われると思います。

森田 医師のコンサルタントとしての役割は残ると思います。例えば、確定申告する人が税理士に見せるように。

渋谷 麻酔科の分野ではどうでしょうか。20年後はどうなると思いますか。

公平 麻酔科の技術というのは、ほとんど成長しきった感じがあります。もうほとんど公式を覚える、パターンをひたすら覚えるだけで、トラブルに対してどう対処するかということも。その経験をたくさん積んで、覚えるだけだと感じます。

 各科では、機械が進歩していて、(手術支援ロボットの)ダヴィンチや、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)などで今までできなかったことができるようになりました。脳外科や耳鼻科などでもモニタリングが進化し、様々な角度から可視的なアプローチができるうようになったと感じます。

渋谷 それって本当に進歩しているのか分からないですね。コスパが必ずしもよくなっているかは分かりません。ダヴィンチは本当に「良い」のでしょうか。

杉原 低侵襲で失禁や勃起の機能温存には優れているとされていますが、OS(全生存期間)が伸びるデータは無いと思います。コストは開腹手術と比べると相当高いです。

公平 アメリカでは、呼吸器外科や消化器外科、耳鼻科などで色々な手術がダヴィンチの方向になっています。

杉原 患者さんベースというよりも、執刀医の負担軽減が一番大きなメリットかもしれません。執刀医は座りながらできるので。ただ、全部お任せではなく、助手の医師がダヴィンチの脇について、鉗子の交換などお世話をしないといけません。それと、ただ緊急時に備え、どうしても医師は待機しないといけません。

渋谷 医師の役割は、コンサルタントというよりも、単なる介助役みたいですね。

杉原 だんだんそうなっていくと思います。イレギュラーや緊急時に備える人ですね。

公平 あと20年ぐらいすると、緊急時に対応できる、開腹手術をしたことがある医師がいなくなるのでは、と言われています。今、腹部のステント留置をやるような6年目ぐらいの医師は、開腹手術をしたことがないくらいです。そんな状況では、トラブルになったら、どうなるか分かりません。

岡崎 あらゆる他の職業にも言えますが、ルーチン化した仕事は機械に任せて、創造的な仕事と、新しい技術仕様の開発を人間が担当する。あと、機械をマネージする人材も必要です。

渋谷 医師の役割が小さくなり、差別化が起きる。イノベーション力や突出した技能を持っている人と、コモディティ化する人と、機械をアシストする人に分かれる。この辺り、医師に成りたての人はどう捉えていますか。

森田 学生の時は聴診器のことを、「こんな原始的なもの、いつまで持ってやるんだろう」とずっと思っていました。

岡崎 他の人でもできてしまうことが、できているだけでは生き残れない、という危機感は覚えます。

渋谷 心臓血管外科ではどうでしょうか。新しい機械や医療技術が入ってきていますが、施設や人によってパフォーマンスに差もある。結果が明白に見える最先端でやっているイメージがあります。

伊藤 心臓血管外科で20年後生き残っているのは、唯一、形成術だと思います。例えば成人心臓に限っては心臓の僧帽弁、三尖弁、大動脈弁などの形成。一番難しいとされているのが、大動脈弁の形成ですが、それぐらいしか残らないかなと思います。その他はほとんど全てが経カテーテル的、経血管内的にできてしまう。今、心臓血管外科と循環器科と分かれているのがほとんどですが、20年後は「循環器科」と、内科、外科をひとまとめにして疾患ベースになるかもしれません。

森田 TAVIは高額ですよね。コストはどうですか。

伊藤 TAVIについては、僕は内心、すごく反対しています。450万円ぐらい(使用される人工弁の値段)かかります。90歳を超えるような高齢な方にもするべきか検討が必要だと思います。

【参加者プロフィール】(※所属は2015年11月末現在)
【司会】渋谷健司氏 東京大学大学院教授
公平順子氏(静岡市立静岡病院所属、2000年卒)、吉野美幸氏(新座志木中央病院、国境なき医師団に所属、2004年卒)、杉原亨氏(東京医科大学病院所属、2005年卒)、伊藤丈二氏(東京ベイ浦安市川医療センター所属、2006年卒)、森田知宏氏(相馬中央病院所属、2012年卒)、岡崎幸治氏(日本海総合病院所属、2015年卒)。



http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS03H1Z_T00C16A2MM8000/
大病院の実績 開示義務 
厚労省方針 受診内容、患者が比較 非公表は診療報酬減

2016/2/4付日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省は2017年度から全国の大病院に治療実績の公表を求める。年齢や進行度別の患者数のほか、診療科や病気ごとの平均入院日数をホームページ(HP)で発表しなければ、病院が受け取る診療報酬(総合2面きょうのことば)を減らす。患者が病院の得意分野を比べて受診先を選びやすくする。病院の競争を促すことで医療の質の向上と効率化を促す。
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 厚労省は8月にも公表制度の枠組みを決めて10月をめどに各病院に15年度分を発表してもらう。公表しない病院の診療報酬は17年度から減らし、公表する病院の報酬増額に回す。増減幅は今後検討する。

 対象は公的医療保険から定額の報酬を受け取る病院(DPC病院)で全国に約1600カ所ある。大半は大学病院など重症患者が多い大病院で一般病院の2割、ベッド数では5割を占める。

 現在は厚労省のHPで詳細な病院の実績を公表しているが、数百万個の数字が並ぶ膨大なデータのため個人が理解するのは難しい。患者にとってわかりやすい7項目を新たに作り、各病院に自らのHPで発表させる。

 病院に事実上公表を義務付ける7項目は年代別の入院患者数や胃がんなど5大がんのステージ別患者数などで、患者が受診先を選ぶ手掛かりとする。診療科ごとの主な手術の平均入院日数、診療科ごとの主な症例数なども示す見通しだ。手術前後の平均的な入院日数が他の病院と比べ長いか短いかを患者は把握でき、病院の得意分野を知る手掛かりになる。

 ただ、重症患者を積極的に受け入れる病院は治療が適切でも入院日数が長くなりがちだ。治療実績の数字だけを公表すると患者が誤解しかねないため病院は実績に対する解説もつける。

 現在も一部の病院は7項目を自主公表しているが、基準がそろっているか不透明だ。厚労省は7項目の基準を統一し、患者が複数の病院を比べる参考にしてもらう。病院の間に競争原理が働くことで「医療の質が高まることが期待できる」(藤森研司東北大医学部教授)。

 情報公開を通じて病院が医療の質の向上やコストの削減に取り組むよう促す例は海外にもある。米国では高齢者向け公的医療保険(メディケア)で3300を超える全米の大病院に対し、NPOを通じて治療実績の公表を義務付ける措置をおよそ3年前に導入した。公表に従わなかったり「再入院が多い」など治療成績が芳しくない病院名をインターネット上で公表し、罰金を科している。

 日本の今回の取り組みは診療報酬の仕組みを大きく変える可能性もある。今の診療報酬は一つ一つの病気の治療にかかるコストに合わせ決まるのが原則。治療結果は関係しないため医療の質が低くても運営効率が悪くても報酬は同じだ。塩崎恭久厚労相は将来は個々の医療機関の成果を考慮した報酬の仕組みに変える方針を打ち出す。公表制度から病院の治療実績のデータが充実すれば、成果主義の診療報酬に向けた足がかりとなる。



https://www.m3.com/news/general/396845?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160204&dcf_doctor=true&mc.l=142708507&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
新潟大が教員人事を凍結 今春から2年間 交付金減で人件費抑制
大学 2016年2月4日 (木)配信 新潟日報

 新潟大が教員の昇任や退職者の補充など人事の大部分を凍結することが3日、分かった。国からの運営費交付金の減少に対応するため人件費を抑制する異例の措置で、今春採用(昇任)分からおおむね2年間凍結する。ただ、決定が1月になったため、ことし3月の定年退職者の補充は行う。学生への教育への影響が懸念されるが、高橋姿学長は「教員の給料や教育、研究の質を下げないための苦渋の判断だ」としている。

 学部長らが重要事項を審議する1月28日の教育研究評議会で合意を得て高橋学長が決定した。原則として教員の昇任や退職者の補充をしない一方で、(1)三つの教員組織(人文社会・教育科学系、自然科学系、医歯学系)ごとに空きポストが五つ出た場合(2)病院診療の担当教員に欠員が出た場合(3)配置数が国の設置基準を下回る場合―などは例外として新たな配置を認める。支障がある場合は非常勤講師などで補う。3カ月ごとに教員の配置や財政状況を確認し、必要に応じて見直す。

 新大によると、国から新大への一般運営費交付金は法人化された2004年度の145億円から、15年度は134億円に減少し、今後も厳しい状況が予想されるとしている。新大教員の定年退職者は毎年20~30人で、人件費の削減効果は年数千万円から億単位になるとしている。

 高橋学長は「あくまで短期的な対応」と強調した上で、2年の間に第3期中期計画(16~21年度)期間の配置の見通しなどをつくりたいとしている。

 文部科学省国立大学法人支援課は「個別大学の人事方針については把握していない」としている。

 凍結方針は、昨年に学内で本格的に検討が進められ、職員組合は「教員の士気低下につながる」と反発。慎重な審議を求めるため組合役員らでつくる有志が教員らから約300人分の署名を集め、1月27日に高橋学長に提出した。

 新潟大職員組合の岡野勉中央執行委員長は「教育や研究などへの影響は避けられない。昇任できず不利益を被ることになる教員への対応を大学にただしていきたい」としている。



https://www.m3.com/news/general/396820
残業代2億円支払いへ 富山大病院
大学 2016年2月4日 (木)配信 共同通信社

 富山大は4日、大学の付属病院に勤務する看護師に適切な残業手当を支払っていなかったとして、2013年1月以降の残業代2億円余りを全額支払うと発表した。支払対象者は既に退職した86人を含む703人。

 大学によると、昨年1月、富山労働基準監督署から「労働時間を正確に把握していない」として是正勧告を受け、調査した結果、残業代の未払いが判明した。

 労働時間が正確に把握されなかった理由は「職員側からの申請がなかった」と説明。一部の看護師に残業時間を申請しなかった理由を聞くと「忘れた」「短時間だったから」と話したといい、時間外労働に関する教育不足があったとしている。

 塚田一博(つかだ・かずひろ)病院長は「再発防止と適正な労働時間の把握に努める」とのコメントを発表した。

 富山大学教職員組合の広瀬信(ひろせ・しん)委員長は「組合が申し入れても大学側が対応しなかったので、こちらから労基署に相談した。大学は責任の所在を明らかにするべきだ」と話している。



http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20160205/CK2016020502000063.html
金沢・夜間急病診療所 6市町が小児科共同運営
市方針18年度に駅西移転

2016年2月5日 中日新聞 石川

 金沢市は二〇一八年度から、金沢総合健康センター夜間急病診療所の小児科を、白山、かほく、野々市、津幡、内灘との六市町で共同運営する方針を示した。小児救急医療の充実と医師の負担軽減を目指す。これに伴い、場所も金沢健康プラザ大手町から、六市町のほぼ中間でアクセスも良い市駅西福祉健康センター(西念)へ移転する。四日の市議会市民福祉委員会で、市側が報告した。(飯田樹与)

 夜間急病診療所は午後七~十一時、年中無休で開設。市医師会(開業医)から週六回、金沢大病院から週一回、小児科医一人が派遣されている。派遣医師は現在、開業医二十七人を含めて三十九人。

 市健康政策課によると、小児科開業医は減少・高齢化傾向で、医師の負担が大きく、このままでは当番体制を組めない恐れがある。また、施設は老朽化し、駐車場も不足。このため本来、入院が必要な患者を受け入れる高次医療機関に、時間外の軽症患者が受診するケースがあり、地域の医療連携に支障を来す恐れもある。

 一四年度の診療所の患者数は三千五百二十九人。金沢市は二千九百二十三人で82・8%を占めるが、野々市市(二百三十人、6・5%)、白山市(百九人、3・1%)、津幡町(六十八人、1・9%)と、夜間急病診療所のない五市町からも来ている。

 金沢市はこの五市町と連携し活性化に取り組む「連携中枢都市圏」形成を目指している。小児救急地域医療の充実も連携の一環。

 市は今後、五市町に対し、駅西福祉健康センター一階を改修し、一八年度に移転開所する計画を示す。白山ののいち医師会と河北郡市医師会からも医師の出向を求めるほか、費用負担については、連携中枢都市の金沢市が施設整備費を負担するものの、運営費は患者数の割合に応じて各市町で負担するよう提案する。

 これら施設整備の基本構想を考える懇話会を一六年度に立ち上げる。

 夜間急病診療所には小児科のほか内科もある。内科の派遣医は九十一人おり、今後も対応できるとして、移転後も市単独で運営していく。



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016020502000085.html
残った薬を訪問調査 岐阜県が新年度、医療費抑制狙う
2016年2月5日 朝刊 中日新聞 

 岐阜県は二〇一六年度、糖尿病やリウマチなど慢性疾患の通院患者宅を薬剤師に訪問してもらい、処方薬の飲み残しを実態調査する。残した量や理由を聞いてむだをなくし、医療費抑制を図る狙い。中部六県(愛知、岐阜、三重、長野、滋賀、福井)では初めての試みで、一六年度当初予算案に費用を盛り込む。

 岐阜県は、飲み残しの理由を「日中は仕事で忙しい」「味や形状から飲みにくい」「うっかり忘れた」などと想定。患者が「怒られるかも」「恥ずかしい」などと医師に飲み残しを言い出せず、同じ薬を追加で処方されることが少なくないとみている。

 県の調査では、薬局約五十カ所が協力し、薬剤師は慢性疾患の患者五十~百人の自宅を三カ月間に三回訪ねる。飲み残しを把握した場合は医師に報告するため、次回からの処方量を減らせる。理由によっては、一日三回飲む種類から二回飲む種類に変更したり、粉末から錠剤に変えたりといったことも検討する。

 三回の訪問によって飲み残しの量をどの程度減らせるか、成果をまとめた上で県薬剤師会全体で情報を共有する。一七年度以降、県内に約千カ所ある薬局すべてで患者との対話に力を入れ、処方の改善につなげるという。

 同様の調査は埼玉県が一四年度、百五十人を対象に実施。三回の訪問調査を行った結果、飲み残しの薬は金額で四割減ったという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48027.html?src=catelink
医師偏在の解消目指し7分野の課題提示- 厚労省、分科会に要因の検討促す
2016年02月04日 22時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は4日、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会に対し、医師偏在の解消に向け、特に議論する必要がある7分野の課題を示した。医療や介護・福祉サービス、産業保健などの課題について、患者や住民、自治体の視点とサービス提供者の視点に区分して提示。医師が偏在している背景や要因を分科会で検討するよう求めた。【新井哉】

 厚労省は、医師が従事する具体的なサービスや分野として、▽医療サービス(病院、診療所)▽介護・福祉サービス ▽産業保健(産業医) ▽行政機関(保健所を含む) ▽研究機関(大学、試験研究機関など) ▽民間企業(製薬会社など) ▽その他(国際協力など)―を提示した。

 例えば、日常の診療や救急医療のアクセスが困難な地域や、専門医療や周産期医療が確保されていない地域が存在することを指摘。一方、大規模施設(大病院)に患者が集中し、待ち時間や診療時間(診療内容)に不満が生じていることも課題に挙げた。

 また、医師の派遣機能が低下していることにも触れ、「都会や一部の病院等に集中した医師が必ずしも不足地域・施設に派遣されていない」と説明。有床診療所についても「開設者の高齢化に伴い後継者の確保が困難」と指摘した。

 このほか、医師であることが資格要件となっている保健所の所長や矯正施設の医官を確保する必要性を提示。医師不足の地域での介護老人保健施設の医師確保や介護分野に精通している医師育成の必要性に加え、医学部などで基礎研究を志す医師が減っていることも課題に挙げた。

 分科会の委員からは、現在の医師不足は医師の偏在が原因として、「臨床研修制度やマッチング制度を見直すことが重要」との意見が出た。また、偏在が解消しない場合、医師の総数を増やす必要性があるとの声も上がった。今後、厚労省が提示した課題案を踏まえ、分科会で議論すべき点を絞り込みながら医師の需給に関する検討を進める方針。



http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/02/2000.php
カーターの癌は消滅したが、寿命を1年延ばすのに2000万円かかるとしたら?
Jimmy Cater's Remission Took Expensive Drug Research
医学博士の著者らは、カーターの奇跡的生還をもって癌治療薬の莫大な開発費は正当化されると主張するが
2016年2月4日(木)17時30分 Newsweek Japan
チャールズ・ボルチ、ジョン・カークウッド

 アメリカのジミー・カーター元大統領は昨年12月、最新の免疫療法で癌がほぼ消えたと発表した。カーターは数年前、致死性が特に高いタイプのメラノーマ(悪性黒色腫)と診断された。死刑宣告を受けたも同然だった。

 多くの患者に希望を与えたこのニュースは、メラノーマ治療の目覚ましい進歩を印象づけると同時に、より有効な治療薬の開発を支援する政策の重要性も浮き彫りにした。

 カーターは退任後は人道支援活動に取り組んできたことでも知られる。癌を克服し、ライフワークに復帰できたのは、「患者の免疫システムに癌を攻撃させる、まったく新しいタイプの治療薬」のおかげだと主治医は語っている。

 私たちは数十年の研究・臨床経験を持つ癌の専門家として、同僚の医師たちや製薬業界と共同で免疫療法の開発に取り組んできた。この分野の研究がもどかしいほど後れている状況を身をもって知っている。

メラノーマの余命が延びた

 新しい治療が高くつくことを問題にする声があるのは当然だが、一般の人たちも、政策立案にかかわる人たちも、これを機会に研究開発への投資の重要性を理解してほしい。新薬は患者に測り知れない恩恵をもたらす。

 癌などの疾患の治療薬の値段が驚くべきペースで上がっていることは否めない。

 96年には新型の癌治療薬は、寿命1年ごとにざっと5万4000ドル(約670万円)だった。13年にはそれがほぼ4倍の20万ドル(約2360万円)になった。

 この問題は社会政治・経済の観点で議論されているが、患者の寿命が劇的に延びたこと、生活の質が大幅に改善されたことを薬価に関する議論から外してはならない。

 11年には、カーター元大統領と同じく、肝臓と脳に転移したステージ4のメラノーマと診断された患者の平均余命は3~6カ月だった。それまでの30年間、治療上の大きな進歩はなかった。このタイプの患者の大多数には既存の治療薬は効果がなく、民間療法などに頼って症状を悪化させるケースが多かった。

 その後の進展は奇跡と言っていい。11年以降、製薬会社は3種類の主要な免疫治療薬の実用化にこぎつけた。今では免疫療法は患者の3分の2に有効で、効果が現れた患者の過半数は当初の予想より何年も余命が延びている。

 カーター元大統領のように、新型の免疫治療薬の投与と標的を絞った放射線療法の併用治療を数カ月行って寛解した患者も多くいる。

 このタイプの患者の場合、化学療法は効果が一時的で、副作用が強い上、患者は家族と職場から長期間引き離されることになる。化学療法以外の治療の選択肢ができただけでも画期的なことだ。

 こうした画期的な新薬はここ数年で立て続けに生まれたように見えるが、奇跡の新薬が生まれるまでには何十年、いや何世代にも及ぶ研究が必要だった。

 98年以降、失敗に終わったメラノーマの治療薬開発プロジェクトは少なくとも96件ある。同時期に何らかの成果を挙げた研究は10件にすぎない。

 山のような失敗とわずかの成功を通じて、メラノーマそのもの、そして癌細胞を攻撃する免疫システムの役割についての理解が深まった。それを土台に、より有効で安全性の高い治療薬の開発が始まる。臨床試験の実施と併せて、この段階でも長い時間が必要だ。

恩恵と負担のどちらが大きい?

 新薬開発の最終段階に多額のコストがかかることは避けられない。とくにここ数年はコストの膨張に拍車がかかっている。タフツ大学の研究チームによると、新薬開発の平均コストは過去10年間で約8億ドルから26億ドルに膨れ上がった。

 成功した治療薬ひとつで、失敗した何十件ものプロジェクトの費用を賄わなければならない。

 研究開発費の元が取れず、進行中のプロジェクトの予算が圧迫され、株主に十分な配当金を支払えない──そうした見通しがあるかぎり、製薬会社がメラノーマなど致死性の高い病気の新薬開発に及び腰になるのも当然だ。

 コストは度外視できないが、新薬がもたらす恩恵を考えれば、その創造を推進する政策の重要性は改めて指摘するまでもない。

 新しい治療薬のおかげで、癌患者の平均余命はかつてなく延び、辛い副作用はほとんどなくなった。カーター元大統領の元気な姿がそれを実証している。カーターにとって、家族や友人たちと過ごす時間は思いがけない贈り物だ。彼は今も世界各地を飛び回ってライフワークの慈善活動を続けている。

 免疫療法はまだ新しい分野で、今後数年にどんな新発見がもたらされるか予想もつかないが、現時点で明らかなことがひとつある。研究支援を渋れば、未来の患者から命を救う治療薬を奪うことになる、ということだ。

(筆者のチャールズ・ボルチはサウスウエスタン医療センターとテキサス大学MDアンダーソン癌センターの教授で専門は外科。ジョン・カークウッドはピッツバーグ大学癌研究所のメラノーマ・プログラムの共同ディレクター)
original article:
http://www.newsweek.com/jimmy-carters-remission-took-expensive-drug-research-422699
JIMMY CARTER’S REMISSION TOOK EXPENSIVE DRUG RESEARCH
by Charles Balch And John M. Kirkwood on 2/3/16 AT 2:38 PM



http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20160204-OYTNT50106.html
医師不足 93病院で597人…県調査
2016年02月05日 読売新聞 岩手

 県内の病院で597人の医師が不足していることが、県の調査でわかった。4日の県地域医療対策協議会で県が報告した。

 93病院と公的診療所に今年度に調査し、全施設から回答を得た。このうち、93病院で必要とされる医師は2318人で、前回調査(2010年度)より78人増えた。確保できている医師(1721人)も前回より121人増えたが、必要数には達していない。

 増加した医師121人のうち9割は盛岡医療圏で、うち6割ほどが岩手医大だった。岩手医大の医療が高度化し、医師の需要が増えたことが影響していると県はみている。

 協議会では、県内で一定期間勤務することを条件に県などが奨学金を支給し、今年4月から現場に配属される「奨学金養成医師」の配置案の中間報告もあった。16年度は13人が県立病院に配置される見込みで、3人は勤務地などが未定。15人は大学院への進学などで現場への配属が猶予される。

 県は、奨学金養成医師が6~9年の義務履行後も、県内で勤務を続ける割合を4割と見積もっており、医師不足の解消は、28年頃とみている。


  1. 2016/02/05(金) 05:36:59|
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