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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/395065
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「減薬に成功」で新点数、入院・外来ともに評価
残薬管理で処方せん様式変更、長期投薬是正で「分割調剤」

2016年1月29日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月29日、2016年度の個別改定項目について議論、多剤投薬を適正化する観点から、入院患者の内服薬を減薬した場合の「薬剤総合評価調整加算」を新設する方針を了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。外来と在宅医療についても同様に、処方内容を調整して内服薬を減薬した場合の医療機関に対する「薬剤総合評価調整管理料」と、当該調整に際し、他の医療機関や薬局に照会した場合の「連携管理加算」を、それぞれ新設する。

 医薬品の残薬管理に向け、処方せん様式も見直す。処方せんの欄に新たに、「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」の欄を設け、(1)医療機関へ疑義照会した上で調剤、(2)医療機関へ情報提供――のいずれかを指示する場合には、「レ」または「×」を記載する。

 長期投薬にもメスを入れ、30日超の投薬を行う場合には、病状変化時の対応を患者に周知するという要件を課す。この要件を満たさない場合に長期投薬する場合には「30日以内に再診」「200床以上の病院の場合には、200床未満の病院、診療所に文書による紹介を行うことを申し出」「患者の病状は安定しているが、服薬管理が難しい場合には、分割指示処方せん交付」のいずれかの対応を行う。

 多剤投与、残薬・不適切な長期投薬の是正は、2016年度診療報酬改定の重要課題だ(『「不適切な長期投薬」は是正、削減対象は薬』を参照)。

入院については「6種類以上」が対象か
 入院基本料の加算である「薬剤総合評価調整加算」は退院時に1回算定でき、対象は、(1)入院前に○種類以上の内服薬(頓服薬と、服用開始から○週間以内の薬剤を除く)が処方されていた場合に、処方内容を総合的に評価し、退院時に○種類以上減少した場合、(2)精神病床に入院中の患者では、入院直前または退院1年前のいずれか遅い時点で、○種類以上の抗精神病薬を内服していた場合、退院までの間に○種類以上減少した場合――だ。「○」の部分は、今後の検討課題だが、入院については「6種類以上」の場合に、「2種類以上」削減するという案などが挙がっているようだ。

 外来または在宅医療における「薬剤総合評価調整管理料」は月1回算定可能で、対象薬は、「薬剤総合評価調整加算」と同じ。

処方せんのチェック欄は2種類

 残薬管理に当たって、処方せんのチェック欄を、(1)医療機関へ疑義照会した上で調剤、(2)医療機関へ情報提供――という2パターンを設けたのは、(1)では、疑義照会を受ける医療機関がすぐには対応できない場合が想定されるからだ。(2)では、いったん処方せん通りに調剤、その後に残薬があったことを医療機関に情報提供、その後に患者が受診した際に、医師は患者の服薬管理を行う際に参考にするという流れが想定される。

薬局の分割調剤、医師の指示で可能に
 長期投薬への対応に当たって、医師が「分割指示処方せん交付」を交付する場合は、処方せんの備考欄に、「分割日数と分割回数」を記載することが必要となる。分割調剤は、長期投薬や後発医薬品を初めて使用する場合以外にも、医師が必要であると認めた場合には可能。

 薬局側はこの指示を基に、分割調剤を行った薬局は、2回目以降の調剤時は患者の服薬状況等を確認し、処方医に対して情報提供を行う。



https://www.m3.com/news/iryoishin/395112
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
後発薬、診療所の「院内処方」を評価
「全て一般名処方」の高加算も新設

2016年1月29日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月29日、2016年度診療報酬改定で、後発医薬品の使用促進に向け、診療所については院内処方の場合でも後発医薬品の使用率に応じて加算を設けるほか、院外処方の場合に後発医薬品がある全ての医薬品を一般名処方した場合の加算を手厚くする方針を了承した(厚生労働省のホームページ)。そのほか、入院料の加算である「後発医薬品使用体制加算」では高い評価を設け、薬局の「後発医薬品調剤体制加算」の基準を引き上げる。

 政府は「骨太の方針2015」で、後発医薬品使用の数量シェア目標を「2017年央に70%以上」と引き上げた。2016年度改定はこれを踏まえた対応。

 後発医薬品関係の主な改定内容は以下の通り。

【2016年度診療報酬改定の主な項目(後発医薬品関連)】

1.院内処方を行う診療所の後発医薬品使用を評価
 「外来後発医薬品使用体制加算」を新設、「加算1」と「加算2」の2段階とする(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。薬剤部門または薬剤師が、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、後発医薬品の採用を決定する体制の整備などが条件。

2.「後発医薬品使用体制加算」の高ランクを新設
 従来は「加算1」と「加算2」の2段階だったが、高ランクを新設し、3段階に変更(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。

3.「一般名処方加算」の高ランクを新設
 現行は、処方せんに1品目でも一般名処方が含まれれば、「一般名処方加算」(2点)を算定できる。改定後は、「後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方」の場合を「加算1」として評価し、従来の加算は「加算2」とする(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。

4.薬局の「後発医薬品調剤体制加算」の施設基準の引き上げ
 「加算1」(数量割合55%以上)、「加算2」(数量割合65%以上)の数量割合をそれぞれ引き上げ(具体的数値は今後決定)。



https://www.m3.com/news/general/395069
現場判断での報告漏れ防ぐ 医師の負担増に懸念も
2016年1月29日 (金)配信 共同通信社

 腹腔(ふくくう)鏡などによる肝臓手術で患者の死亡が相次いだ群馬大病院の医療事故では、病院側の問題把握が遅れたとの指摘が出ている。特定機能病院に、全死亡事例の院内報告を義務付けた厚生労働省は、その狙いを「医師個人の判断による報告漏れをなくすため」と説明。ただ医療現場からは死亡事例の多さを踏まえ、「医師への負担が大きい」との懸念も出ている。

 同じ医師に肝臓手術を受けた患者の死亡が続出した群馬大病院については、院内で事態を把握できず、チーム医療も機能しない実情が浮き彫りになった。一方、東京女子医大病院でも禁忌の鎮静剤投与を受けた男児の死亡事故が表面化した。

 国の承認を受け高度医療を提供する特定機能病院に対し、全死亡事例を院内の安全管理部門に報告するよう求めた厚労省。担当者は「制度がある病院でも報告の基準が不明確なのが現状。医師個人の判断で検証が必要な事例が漏れることがないよう、病院が全てを把握することが重要だ」。

 ただ関係者によると、特定機能病院の大半を占める大学病院では、病死も含め各施設で1年間に数百人程度が死亡しているとされ、北海道大病院の南須原康行(なすはら・やすゆき)医療安全管理部長は「全死亡事例で報告を求めると、現場の医師の手間は相当増える」と話す。

 北大病院では2015年に院内で約250人が亡くなったが、想定外の急変や合併症などによる死亡事例や事故として主治医から報告があったのは約10例。全死亡事例をチェックしている南須原部長が、カルテの確認や主治医への聞き取りを行ったのは他に5、6例だった。この計十数例の中で、問題のある事例はほとんどなかったという。

 南須原部長は、病院が全死亡事例を把握する必要性を認めるものの「明らかな医療事故以外の場合、診療科からの報告は簡易な報告にとどめ、医療安全管理部門を中心に確認を徹底すればいい」と指摘する。



https://www.m3.com/news/general/395072
腎不全患者ら、二審も敗訴 病気腎移植訴訟、高松高裁
2016年1月29日 (金)配信 共同通信社

 「病気腎移植」を国が原則禁止としたのは日本移植学会の元幹部らによる発言がきっかけだったとして、腎不全の患者や遺族計4人が治療を受ける権利の侵害を訴えて学会の元幹部ら5人に計約2700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁(吉田肇(よしだ・はじめ)裁判長)は28日、請求を退けた一審松山地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。

 問題となったのは「移植できる腎臓は摘出の必要がない」「がんの臓器を移植することは絶対禁忌」などの発言。

 原告らはこれらの発言で臓器移植法の運用に関する厚生労働省のガイドラインが改正されたと主張したが、判決は一審と同様に「発言に違法性はなく、ガイドライン改正も国の主導で行われた」として発言と改正の関連性を認めなかった。

 病気腎移植は、がんなどで摘出した腎臓の病変部分を切除し、別の患者に移植する手術方法。2006年、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の臓器売買事件に絡んで問題となった。日本移植学会などは07年に「医学的妥当性はない」との声明を発表した。



https://www.m3.com/news/general/395130
男性准看護師の不起訴不当 介助中の女性死亡事故で
2016年1月29日 (金)配信 共同通信社

 札幌市の脳神経外科病院で2011年、入院中の女性=当時(79)=が転倒し、その後に死亡した事故で、札幌検察審査会は29日までに、介助が不十分だったとする男性准看護師の業務上過失致死容疑を不起訴とした札幌地検の処分を「不当」と議決した。27日付。

 議決書によると、女性はくも膜下出血のため入院中だった11年1月8日午後2時半ごろ、トイレで倒れそうになった。准看護師が体を支えようとしたがバランスを崩し、女性は個室のドアに頭をぶつけ、同22日に急性硬膜下血腫のため死亡した。

 地検は12年10月31日、嫌疑不十分で准看護師を不起訴処分にしたが、議決書で検審は「女性は何かにつかまることなく歩くことは困難だった。准看護師には女性のプライバシーを保護しつつ、近くで女性の動静を頻繁に見守り、何かあってもすぐ対応できる体勢を取っておくべきだった」と判断した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/394857
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「薬局改革の元年」、2016年度改定
かかりつけ薬剤師を評価、「対物」から「対人」へ

2016年1月28日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 「薬局の改革の元年であり、量から質に転換してもらい」

 1月27日に開催された中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、薬局関連の個別改定項目についてこう評したのは、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏だ。幸野氏の指摘通り、2016年度診療報酬改定で、保険薬局は大きな変革を迫られる(資料は、厚生労働省のホームページ)。医薬分業が普及した今、「二度手間」「院内調剤よりも患者負担が高い」などの批判を払拭するため、分業の「質」を問うのが今改定だ。

 一言で言えば「対物業務から対人業務への転換」を求める内容。患者への服薬指導などを行う、かかりつけ薬剤師を評価する点数として、「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」を新設する。その一方、基準調剤加算の施設基準を抜本的に見直し、在宅患者に対する服薬指導、24時間調剤体制(他の薬局との連携も可)、在宅を行う病医院との連携などを要件とする。新設の指導料・管理料の届出も条件となっており、基準調剤加算のハードルは高い。

 かかりつけ薬剤師機能を担っているか否かは、薬局の基本的な点数である調剤基本料にも影響する。「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」「重複投薬・相互作用防止等加算」「在宅患者訪問薬剤管理指導料」などを一定期間算定していない場合は、調剤基本料を減額する。

 いわゆる門前薬局の評価のあり方も見直す。現在は特定の医療機関からの処方せんの集中率に着目し、その割合が高い薬局の調剤基本料を低く設定している。その集中率の要件を下げるとともに、集中率によらず処方せんの受付回数が一定以上の場合の調剤基本料も低く設定する。さらに、「同一法人グループ内の処方せん受付回数の合計が1月に一定回数を超える」場合、(1)特定の医療機関からの処方せん調剤割合が一定率以上、(2)特定の医療機関と不動産の賃貸借関係がある――のいずれかに該当する薬局の調剤基本料も引き下げる方針。ただし、かかりつけ薬剤師の業務実施などの所定の要件を満たせば、引き下げの対象外となる。

 薬局の関連では、医療機関との連携による減薬を進めるほか、残薬確認する仕組みも導入する。「重複投薬・相互作用防止加算」は処方変更がない場合の評価を廃止し、処方変更の場合のみ算定可とする。残薬確認については、処方せん様式を変更、薬局が残薬確認を行った場合には、(1)医療機関へ疑義照会をした上で調剤、(2)医療機関へ情報提供――のいずれかの対応を、処方せんの記載指示に基づき行う。そのほか、長期投薬などの場合に、分割調剤する仕組みも導入する。

 薬剤師による一連の服薬管理を推進するため、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」も改正。「正当な理由なく療養に関する指導に従わない患者等を把握した場合」は、保険者への通知義務を規定する。

 2016年度改定、「かかりつけ機能」評価

 2016年度改定は、「かかりつけ機能」を医師、歯科医師、薬剤師のそれぞれについて評価するのが特徴(『かかりつけ医を重点評価、小児も対象に』を参照)。

 かかりつけ薬剤師は、患者1人に付き1人。「かかりつけ薬剤師指導料」を算定には、薬剤師としての一定以上の経験が必要で、患者への服薬指導が主な業務だが、医療に関する地域活動などへの参画も求められる。薬局での一定以上の勤務経験のほか、薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得などが要件になる。「かかりつけ薬剤師包括管理料」は、調剤基本料など基本的な調剤報酬を包括した点数で、「かかりつけ医」機能を評価する点数である地域包括診療料・加算を算定する患者が対象で、「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件を満たすことが必要。

 かかりつけ薬剤師が担う役割は、多岐にわたり、そのハードルは高い。(1)患者の理解に応じた適切な服薬指導、(2)患者が服用中の薬剤について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、手帳を用いて指導などの内容を記載、(3)患者が受診している全ての医療機関の情報を把握し、処方薬、要指導医薬品、一般用医薬品、健康食品などについて把握、その内容を薬剤服用歴に記載、(4)患者から24時間相談に応じる体制を取り、開局時間外の連絡先を伝える、(5)患者が他の薬局で調剤を受けた場合には、その服用薬などの情報を入手し、薬剤服用歴に記載、(6)調剤後も患者の服薬状況の把握、指導などを行い、その内容を処方医に情報提供、必要に応じて処方提案、(7)継続的な薬学的管理のため、ブラウンバック(服用中の薬剤などを薬局に持参する動機づけのための薬剤等を入れる袋)を必要に応じて配布――などの実施が求められる。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160129_11044.html
<被災者医療費免除>打ち切り→受診控える4割 宮城県保険医協会アンケート
2016年1月29日 (金) 河北新報

<被災者医療費免除>打ち切りなら受診控える4割

 東日本大震災で被災した国民健康保険(国保)などの加入者の一部を対象とした医療費の窓口負担免除が打ち切られた場合、対象者の4割弱が「受診を控える」と考えていることが、宮城県保険医協会のアンケートで分かった。国の財政支援は3月で終わるため、協会は制度維持に向けた支援の継続を国や県に求めている。
 免除対象は国保と後期高齢者医療制度の加入者のうち、自宅が大規模半壊以上などの住民税非課税の世帯。介護サービス利用料の免除もある。
 アンケートは仮設住宅と災害公営住宅に住む被災者を対象とし、免除を受けているのは回答者全体の55.0%だった。免除の有無にかかわらず82.1%に持病があり、85.4%が医療機関を受診していると答えた。
 免除対象者の37.5%が、免除が打ち切られたら「受診回数を減らす」「受診をやめる」と答えた。対象が限定されていることには48.8%が「納得できない」と回答。「納得できる」(45.9%)を上回った。
 井上博之理事長は「震災から5年がたつのに先が見えず、自殺を考えるほど追い詰められている被災者もいる。医療費負担免除はそうした人たちに手を差し伸べる措置で、国や県、市町村は継続と拡充をしてほしい」と強調した。
 アンケート用紙は2015年11月~16年1月、仙台市や石巻市など9市町の仮設・災害公営住宅1万1885世帯に配布。2527世帯が回答した。回答率は21.3%。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160129_11043.html
<被災者医療費免除>自治体の意向調査へ
2016年01月29日金曜日 河北新報

 被災した国保加入者の医療費窓口負担を免除する国の財政支援が3月で打ち切られるのを受け、宮城県は2月中旬までに国保保険者の35市町村を対象に、免除を続けるかどうかの意向調査をする。震災から5年が経過する中で市町村が継続の必要性をどう判断するか把握し、対応を検討する。
 県国保医療課などによると、県内の免除対象者は約2万7000人。同様に負担免除がある後期高齢者医療制度の対象者は約1万4000人、介護保険のサービス減免の対象者は約6000人で、重複もある。
 免除の財源は国が8割を占め、国の支援が終わると市町村の多くは継続困難になるとみられる。県は国に支援を続けるよう求めているが、「低所得者には別の軽減措置で対応する」(南三陸町)と早々に免除終了を表明した自治体もある。
 免除対象者以外からは制度の不公平感を指摘する声も出ている。県国保医療課は「復興の進行具合や施策の優先順位は市町村ごとに異なる。まずは市町村の考えを聞く」と説明する。



http://dot.asahi.com/dot/2016012500102.html
年収1000万円以上でも割に合わない? 医者の収入と貯金大調査!
(更新 2016/1/29 11:30) dot朝日

 医師は、どのような環境や待遇で働いているのだろうか。

 『医学部がわかる』(AERAムック)では、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の協力のもと、現役医師344人への一斉アンケートを行い、医師たちのリアルと本音を調査した。気になる年収や貯金を公開!

*  *  *
 高収入のイメージが強い医師。この調査でも、年収1000万円以上が全体の8割超を占めた。ただし、医師になればすぐ高給かというと、そうではない。研修医時代の収入は多くないうえ、原則としてアルバイト禁止の研修病院も多い。

「研修医時代の給与は、当直代などを除けば、手取り月20万~30万円程度でしょう。研修医制度の改定前は無給だった施設も多く、以前よりは恵まれていると思います。勤務医は、手取り30万~40万円程度から始まるのが一般的です」(診療所の副院長を務めるA医師)

 勤務医になれば、アルバイトが解禁になる。アルバイト収入は、就職間もない医師にとって貴重だ。半日勤務が1コマで、報酬は約4万円。週1回で年間200万円、2コマこなせば、年間約400万円もの収入になる。大学病院勤務の30代の医師は、毎週2~3コマと、産業医のパートも務めている。

 ニューハンプシャーMC取締役で、医師向けのキャリアコンサルタントを務める中村正志氏によると、ベースになる常勤先の収入は、勤務先により大きく異なるという。

「大学病院の医局や高名な病院は、症例が多く効率的に学べるメリットがありますが、医師も集まりやすいため、給与がそれほど高くないことも多い。一方で、医師不足に悩む病院は増えています。認定医や専門医などの資格を取ってから、よりよい条件の病院へ転院する医師が多いんです」(中村氏)

 気になるのは、医師たちの本音だ。「割に合わない」「お金持ちにはなれない」との不満が多数あがっている。

「医師の満足度の分岐は年収1500万円といわれています。1000万円未満の所得は、大学病院所属者が多いようです。技量や経験に、収入が比例しないため、不満もたまりやすいのではないでしょうか」(中村氏)

 A医師も言う。

「特に国公立の病院の場合、公務員に準じた扱いなのでアルバイトもできない。管理職になっても年収が1000万円を超えません。名誉と収入が一致しない、珍しい職業です」

 次に、貯金を見てみよう。収入に対して貯金額は、やや慎ましい傾向にある。A医師が言う。

「医師はランニングコストが高い。認定医や専門医の取得や維持のため、各地の学会に参加しますが、その費用や試験費用はたいてい自腹。大学院に進学すれば、学費がかかります。開業するなら、資金も必要です」

 開業費用は、立地にもよるが、ビルで5000万円、戸建てで1億円以上といわれる。

 生活水準が高いために出費も多いと指摘するのは、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のライフカウンセラーである戸田充俊氏だ。

「収入も多いですが、住宅費や生活費のほか、子どもの教育資金がかさむケースも多いため、なかなか貯蓄にまわらない世帯も多いようです」

 ひとつの勤務先に留まることが希で、転院することも多いため、退職金は通常の企業勤務のように期待できないことがほとんど。ただし、定年にも縛られないため、生涯現役で働く人が多いのも、医師の特徴だ。

※AERA Premium『医学部がわかる』(AERAムック)より
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http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016012901001845.html
がん新薬、糖尿病の副作用 適用拡大で注意喚起
2016年1月29日 17時36分 中日新聞 共同

 厚生労働省は29日、新しい仕組みで免疫細胞ががんを攻撃する力を強める治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の投与を受け、1型糖尿病を発症する副作用がこれまで7人で報告されているとして、日本医師会や日本糖尿病学会、自治体などに注意喚起したと明らかにした。

 注意喚起は28日付。オプジーボの添付文書は2015年11月に既に改訂済みだが、同12月に肺がんにも適用が拡大され使用患者の増加が見込まれることから、医師に適切な対応を求めた。

 報告のあった7人に死亡例はないが、進行が早く症状が重い劇症例が3人であった。

(共同)



http://www.medwatch.jp/?p=7455
7対1の重症患者割合、診療側は「20%台前半」「病床規模別の設定」などを要望―中医協総会
2016年1月29日|2016診療報酬改定ウォッチ Medi Watch

 7対1入院基本料の重症患者割合は20%台前半とし、医療現場の混乱を避けるために「病床規模別」「内科系・外科系」の基準値も検討する必要がある―。29日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)はこのように要望しました。

 一方、支払側は「M項目に内科的処置などが追加され重症とカウントされる患者が増える。以前に『最低25%』と述べたが、それよりも高い基準値とすべき」と反論しています。

 2016年度の次期診療報酬改定において最も注目されている「7対1入院基本料の施設基準」を巡り、ぎりぎりの調整が続けられます。

「現場の混乱を避けるための配慮が必要」と診療側・中川委員

 厚生労働省が前回27日の中医協総会に個別改定項目(いわゆる短冊)を提示したことから、2016年度改定に向けた議論はまさに大詰めを迎えています。短冊の項目は膨大なため、「7対1入院基本料」を巡る議論は、29日に持ち越しとなっていました。

 短冊で示された7対1の見直し内容をおさらいすると、次のような点がポイントとなっています(関連記事はこちら)。

(1)看護必要度の項目見直し(A項目、B項目の内容を見直し、術後患者などのM項目を新設)

看護必要度の項目と重症患者の定義見直し案、M項目に新たに「脊椎麻酔」「救命等に係る内科的処置」後の患者が追加されている
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(2)重症患者割合の基準値(現在は15%以上)を引き上げる

(3)在宅復帰の対象に「在宅復帰機能強化型の有床診療所」(新設)を追加し、基準値(現在は75%以上)を引き上げる

(4)7対1から10対1に移行する際の急激な変化を緩和するため、一定期間「病棟群単位の入院基本料」を認める

 このうち最大の争点は(2)の重症患者割合の基準値です。具体的な数値は未確定ながら、12月9日に示された資料から「厚労省は25%を想定している」との見方が強くなっています。

 この点について29日の総会では、診療側の中川委員から「20%台前半を希望する」という具体的な要望が出されました。さらに中川委員は「基準値を一律に設定するのではなく、状況を見て『病床規模別の設定』や『内科系・外科系に分けた設定』などの配慮をし、現場の混乱を避ける必要がある」との見解も表明しました。

 これに対し支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「M項目に脊椎麻酔後の患者・救命等の内科的治療を受けている患者が追加され、12月9日の厚労省試算値よりも重症とカウントされる患者は増える。25%よりも高く設定すべきと考える」と反論しています。


「在宅復帰率は7対1の指標に値しない」と支払側・幸野委員

 また幸野委員は(3)の在宅復帰率について、「これまでは『自宅』『高齢者向け住宅』に退院する患者を最重視し、他院の回復期リハ病棟などに転院する患者の評価を低くする方向で検討が進んでいたが、短冊では在宅にカウントする患者を広げる方針だが、なぜか」と質問。

 厚労省保険局医療課の宮嵜雅則課長は、「有床診療所の在宅復帰機能を評価すべき」「在宅復帰率は2014年度の前回改定で導入されたばかりで、大幅な見直しは混乱を招く」という診療側の意見を踏まえたものと説明しています。

 しかし幸野委員はこの説明に納得せず、「今回の見直しで、在宅復帰率はかなり高くなる。基準値を引き上げても7対1の指標に値しない」と批判しています。

 さらに幸野委員は「短冊には盛り込まれなかったが、平均在院日数も短縮するべきである。厚労省の調査分析では、平均在院日数の長い7対1病院では診療密度が低いことが分かっている。看護必要度・重症患者割合と平均在院日数、この2点を厳しくするべき」と改めて主張しましたが(関連記事はこちら)、中川委員は「在院日数は年々短縮している。これを政策的に短くすれば地域医療が崩壊してしまう。在院日数は医療の質に関係ない。在院日数が長く安い医療費(診療密度が低い)で、患者が納得して退院すれば医療の質も上がる」と強く反対しています。また同じ診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)も、「同じ7対1でも一般病棟の平均在院日数要件は18日以内だが、特定機能病院は26日以内と長く設定されている。しかし特定機能病院の方が医療の質が低いとは考えられない。高度な医療を提供するには、一定の入院期間が必要である」との考えを述べ、理解を求めました。

 最終的にどのような調整が行われるのか注目する必要があります。

平均在院日数の長い(上位10%)の病院では、看護必要度のA項目に該当する患者が少なく、1日当たり請求点数も小さい
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病棟群単位の入院基本料、2018年度改定以降も重要テーマとなる見込み

 (4)の病棟群単位の入院基本料については、万代委員は「非常に厳しい基準が設定されているため、かえって『7対1を維持しよう』との考えに向かいかねない。7対1から10対1への移行を促進し、7対1病床を削減することが目的であると思うが、安心して移行できるような運用が必要」との考えを述べています。

 ところで、7対1からの移行先の1つである10対1について「重症患者割合に着目した加算」の点数が引き上げられます。10対1の魅力を高め、7対1からの移行促進を狙うものですが、この点について万代委員は「十分な充実(引き上げ)をしてほしい」とも要望しています。

 なお、今回の「病棟群単位の入院基本料」は一時的なもの(経過措置)とされています。この点について中川委員は「病棟群の状況を検証した上で経過措置に止めるのか、継続すべきなのかを中医協で議論することとしてはどうか」と提案しており、2018年度の診療報酬改定以降に重要な検討テーマとなることが予想されます。


 このように、7対1入院基本料の見直しについては、診療側と支払側で意見の隔たりがあり、今後もぎりぎりの調整が続けられます。



http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016012900490&g=eco
病院と薬局、フェンス不要に=構造規制を緩和-厚労省
(2016/01/29-13:13)時事通信

 厚生労働省は29日、病院と薬局との構造上の分離を義務付けた規制の見直し案を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に示し、了承された。フェンスで仕切るなどし、公道にいったん出ないと行き来できない構造を一律に求めた規制を緩和する。厚労省は2016年度中に新たなルールの運用を始める方針だ。
 構造規制は、医師の処方内容を薬剤師がチェックする機能などを期待した「医薬分業」を推進するために設けられている。しかし、フェンスがあると車椅子の患者や高齢者は不便だとして、政府の規制改革会議が見直しを求めていた。
 規制緩和により薬局が病院と同じ敷地内に併設されている場合でもフェンスは不要になる。ただ、病院の建物内での営業や、両者を専用道路で結ぶことは従来通り認めない。 
 病院と薬局の「一体的な経営」は禁止されているため、規制緩和を認める上で、薬局には経営上の独立性が確保されていることを証明する書類の提出を求める。



http://mainichi.jp/articles/20160129/ddl/k24/040/316000c
名張市立病院
赤字解消へ初会合 改革委、5月に原案 /三重

毎日新聞2016年1月29日 地方版 三重県

 2014年度決算で約2億2200万円の経常赤字を出した名張市立病院が自立できるようにする「改革検討委員会」の初会合が28日、同市百合が丘西の介護老人保健施設ゆりの里で開かれた。県が年度内に策定する「地域医療構想」を踏まえ、有識者や医療関係者、市民ら委員9人が協議し、5月下旬に原案を、8月中旬に最終案を市議会に示し、9月の策定を目指す。

 同委は、国の新公立病院改革ガイドライン(2014年度)に従って設置。経営改革をはじめ、伊賀市の市立上野総合市民病院と岡波総合病院を含めた3病院における名張市立病院の役割についても審議する。

 この日、亀井利克市長は市内への移住が増える子育て世代は地域医療への関心が高いとして「経営面とバランスを取りながら市民に愛される病院にするため、スピード感を持って課題に取り組んでほしい」とあいさつ。同病院の伊藤宏雄院長は「経営は良くなってきているが赤字が続く。皆さんの知恵を拝借して改革プランを立てたい」と語った。

 その後、委員長に岩崎利彦・大阪商大非常勤講師を、副委員長に名賀医師会の東明彦副会長を選出し、病院側が09年度から5年間取り組んだ改革プランを説明。収益は増加傾向にある半面、当初建設費の借金返済や人件費、救急医療などで赤字が続く現状を示した。

 次回の第2回会合は2月25日で、改革案の骨子を審議する。7月下旬までに5回開き、最終案をまとめる。【鶴見泰寿】

〔伊賀版〕



http://www.asahi.com/articles/ASJ1Y4PT6J1YUBQU00H.html
特定機能病院の承認要件見直し 全死亡例に報告義務
2016年1月29日14時04分 朝日新聞

 群馬大病院や東京女子医大病院で死亡事故が相次いだことを受け、高度な医療を提供する大学病院などの「特定機能病院」について、厚生労働省は、新たな承認要件をまとめた。入院患者の死亡例はすべて、医療安全を担当する部門への報告を求める。今年4月以降は、要件を満たさなければ、承認の取り消しが検討される。

 厚労省の専門家会議に28日報告し、大筋で了承された。

 死亡例は医療事故が疑われないものも含めて全例が報告対象になる。死亡していなくても、通常であれば必要とされない治療などをした事例も報告させる。また、医療安全を担当する部門には、医師、薬剤師、看護師の各1人を専従させることを原則として求める。

 いずれも4月をめどに実施するが、準備が間に合わない病院もあるため、一定の経過措置期間を設ける。

 厚労省によると、特定機能病院は全国に84カ所。群馬大と東京女子医大の両病院は、昨年6月に承認を取り消している。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96631660Y6A120C1NZBP01/
高齢者の服薬、安全に 代替薬や服用法など例示
新指針、増える種類に対応

2016/1/28付[日本経済新聞夕刊2016年1月28日付]

 病気に悩む高齢者にとっては薬は手放せない。しかし多くの薬を服用するため、予想もしなかった副作用に襲われる事態が問題になってきた。解決に向けて日本老年医学会は2015年11月、10年ぶりに「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を改訂した。服用を慎重に考えた方がよい薬や代わりの薬を例示しており、消費者も参考にできそうだ。

■処方の「流れ図」

 年齢を重ねると、1つだけでなく複数の病気にかかりやすくなり、慢性的な症状に悩まされる。新薬が続々と登場し、それぞれの診療科で治療薬が勧められる。いつのまにか多くの種類の薬を長期間服用する「多剤併用」に陥る。厚生労働省研究班や日本老年医学会などの共同調査から、5~6剤以上を服用する患者に転倒が多くみられるようになり、緊急入院や通院の長期化といった問題が起きることが分かってきた。

 今回のガイドライン作成を担当した東京大学の秋下雅弘教授は「75歳以上や要介護状態の高齢者に目立つ。15領域で2098本の信頼できる論文をもとに、多剤併用の問題を避ける方策を提示した」と説明する。
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 05年に作成した前ガイドラインと大きく違う点は、高齢者に適した処方の流れ図を示し「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」を掲げたことだ。重い副作用が出る薬剤は「服用をすぐに中止する」と判断するのではなく、服用状況を見直しながら、代わりになる薬や服用法を検討する。

 例えば高血圧治療薬の場合、一般の大人と同じように高齢者が服用すると、時に血圧が下がりすぎてしまう。糖尿病治療薬の場合は、血糖値が下がって意識を失う危険がある。通常の3分の1から2分の1の量を目安に適切な服用量を見つける対策が有効だという。

 投与を慎重にする薬とは逆に、推奨する薬も流れ図を示しながら例示した。精神疾患や循環器疾患、糖尿病など15領域でそれぞれのリストを作り、昨年末に冊子を発売した。「一般向けのパンフレットも作り広めたい」(秋下教授)

 漢方薬の扱いも前ガイドラインから大きく変えた。検証に利用できる論文が少なく、他の薬と同様に評価できなかったためだ。しかし伝統的な薬物療法であり利用している高齢者が多い実態を考慮し、疾患ごとのリストから外して独立の章を立てて副作用や注意事項を紹介した。

 日本老年医学会は当初、15年4月に案を公表し、外部から意見を募って修正したうえで6月ごろにまとめる予定だった。ところが意見が158件に及び、特に精神疾患や神経疾患分野で関連学会が調査が不十分な点を指摘。再検討の作業が長引き、11月にずれ込んだ。秋下教授は「10年前のガイドラインはほとんど注目されなかった。超高齢社会の到来を実感する」と話す。
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 意見が対立した代表は、認知機能の低下を招くと評価した一連の薬剤だ。治療現場でよく使われる「三環系抗うつ薬」に老年医学会は当初、使用を禁じるような評価を下した。これに対し日本うつ病学会や日本神経精神薬理学会などは「リスクを強調しすぎる」などと異議を唱えた。

 完成版のガイドラインでは処方の流れ図を加え、名称を「慎重な投与を要する薬物」と和らげた。しかし、75歳以上の高齢者に安易に使える薬ではないとして、評価を大きく変えてはいない。

■他学会が批判も
 日本睡眠学会も当初のガイドライン案に再検討を求めた。一例は、老年医学会が「慎重な投与を要する薬物」に加えた「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」だ。不眠治療の現場で約3割の利用率があり、違う分野の学会が「慎重な投与を要する」と唱えても、臨床の医師が優先して支持することにはならない。

 睡眠学会のガイドライン委員を務める、国立精神・神経医療研究センター精神生理研究部の三島和夫部長は「高齢者向けのリスクだけを強調し、代わる対策を示さないのは混乱を招く」と解説する。

 高齢の患者やその家族も、多剤併用に陥らないよう心がける必要がある。医師の診断を受けて出された薬は、信用してつい使ってしまうが、多くの診療科を回っていると胃腸薬のように似た薬が重なってしまうことも多い。診察時に使っている薬をはっきり伝え、相談するとよいだろう。

 曜日と時間ごとに薬を区分けできる「服薬カレンダー」や「お薬ケース」も市販されている。老年医学会も「薬の間違いや見落としを減らせる」と利用を勧めている。

(編集委員 永田好生)



https://www.m3.com/news/iryoishin/395053
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
手術・麻酔、地域包括ケア病棟入院料の包括外へ
入院中の他医療機関受診時の減算規定も緩和

2016年1月29日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日に開かれ、入院医療について議論した(資料は、厚生労働省のホームページ)。地域包括ケア病棟入院料の包括範囲から手術・麻酔を除外するほか、入院中の他医療機関受診時の減算規定を緩和する方針を厚労省が示し、了承された。7対1入院基本料に関しては、1月29日に議論する予定。

 地域包括ケア病棟入院料は、2014年度の診療報酬改定で新設された。今回の見直しで、包括範囲から手術、麻酔にかかる費用を外し、出来高算定することについて、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「病床転換は進んでおらず、時期尚早だ」と反発。「包括料も見直すべきだ」と指摘した。これに対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は「包括の点数が十分でないために手術ができない現状がある。趣旨を理解してほしい」と応じ、包括料の引き下げには否定的な見方を示した。

 入院中の患者が他医療機関を受診時する際には、現行制度で出来高の入院料の場合は原則30%、包括の場合は70%(精神療養病棟、認知症治療病棟、有床診療所療養病床では15%)が減算される 。これに対し、診療科が少ない医療機関の負担が大きいとする批判があり、それぞれの減算幅を緩和する方針だ。具体的な減算幅や点数は今後の議論になる。

 そのほか入院料の関連では、短期滞在手術等基本料や特定集中治療室の重症度、総合入院体制加算、療養病棟に関しての見直し案が提示された。

 短期滞在手術等基本料3は、手術の内容や対象によって評価を細分化する。水晶体再建術で、片眼と両眼で評価を分ける。鼠径ヘルニア手術では、年齢に応じて3歳未満と3歳以上6歳未満、6歳以上15歳未満、15歳以上で評価を分ける。腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術も同様に年齢で評価を分ける。また、「経皮的シャント拡張術・血栓除去法」「体外衝撃波腎・尿結石破砕術」「ガンマナイフによる低位放射線治療」の3項目が、短期滞在手術等基本料3に新たに追加する。

 特定集中治療室用の「重症度、医療・看護必要度」では、A項目のうち、心電図モニター、輸液ポンプ、シリンジポンプの管理の3つについて、他の項目より低く評価するように設定、B項目については、「起き上がり」と「座位保持」の項目を削除した上で、認知症やせん妄の患者への対応として、「診療・療養上の指示が通じる」「危険行動」などの項目を追加する。

 総合入院体制加算の見直しでは、化学療法の実績件数を引き下げるほか、総合入院加算1・2に続いて3も新設し、年間手術件数や救急搬送の件数、精神疾患患者の受け入れ体制などを要件に評価をする。また、療養病棟に関しては、医療区分の評価を変更した上で、該当患者の割合の規定を引き上げ、療養病棟入院基本料2の病棟で、医療の必要が高い患者の増加を目指す。障害者施設等入院基本料等における脳卒中患者の評価の見直しも実施する。



http://www.medwatch.jp/?p=7458
選定療養費、「保険導入の可能性」が生じることもあり得ると厚労省が明示―中医協総会
2016年1月29日|2016診療報酬改定ウォッチ Medi Watch

 差額ベッドや制限回数を超える医療行為など、保険外併用療養の1形態である「選定療養費」でも、保険導入の可能性が生じることがあり得る―。こういった見解が、29日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会に厚生労働省から提示されました。

 この考え方に沿って、新たに選定療養費項目を追加するのか、中医協で議論される見込みです。

「選定療養は保険導入を前提としていない」わけではない
 わが国の医療保険制度では、安全性・有効性が確認され、広く国民が享受すべきと考えられる医療は「保険給付」に導入されます。逆を返せば、保険給付されていない医療は、必ずしも安全性・有効性が確認されていないと考えられ、これを受ける場合には保険給付が受けられなくなります(混合診療の禁止)。

 しかし、保険給付されていない医療にもさまざまな種類があり、例えば「一定程度、安全性・有効性が確保され、将来的に保険給付を目指す医療」などは、患者の利益を考慮して保険給付と保険外の医療とを同時に受けることも可能です(保険外併用療養費)。

 保険外併用療養費には、(1)評価療養(2)選定療養―の大きく2区分があります。ちなみに、来年(2016年)度から始まる「患者申出療養」は、新たな保険外併用療養費の1区分で、来年度からは3区分になります。

(1)の評価療養には、先進医療や治験に係る診療などが該当し、「将来的に保険導入を目指す」ものです。

 一方、(2)の選定療養には、「差額ベッド」や「200床以上の大病院における紹介状がない場合の特別負担(来年度から特定機能病院などでは廃止され、特別費用の徴収が義務となる。関連記事はこちらとこちらとこちら)」、「制限回数を超える医療行為」など10項目があります。

 一般に、「(1)の評価療養は保険導入を目指すもの、(2)の選定療養は保険導入を前提としないもの」と位置付けられがちですが、29日の中医協総会で厚労省保険局医療課保険医療企画調査室の三浦明室長は、「医療を取り巻く状況の変化や技術の進展などに伴って、『保険導入の可能性』が生じることがあり得る」ことを説明しました。もっとも、厚労省は方針を展開したわけではなく、「選定療養は保険導入されない」という誤解を解くために、考え方を明確にしたというものです。

選定療養の基本的な考え方、「選定療養でも、保険導入の可能性が生じることがあり得る」ことを明確にしている
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 さらに三浦室長は、この考え方に立って「治療中の疾病または負傷とは直接関係しない検査」を11項目目の選定療養として認めてはどうかとも提案しました。広く関係学会や医療関係団体、国民から寄せられた「新たな選定療養の項目案」を検討した結果で、具体的には「治療方針の決定に直接影響がなく、治療の実施上は必要ないノロウイルス検査などを実施する」場合、選定療養として保険給付との併用を認めてはどうかという提案です。

 現在、ノロウイルス抗原定性検査(D012 感染症免疫学的検査)は、▽3歳未満の患者▽65歳以上の患者▽悪性腫瘍の診断が確定している患者―などでは、「感染が疑われる場合」でも保険給付されます。しかし、例えばサラリーマンの家族がノロウイルスに罹患し、自身に嘔吐などの症状が出ていない場合、別のA疾患で治療を受けながら、会社にノロウイルスの診断書を提出する必要があって検査を受けると、ノロウイルス検査は保険外のため、A疾患の治療も保険給付を受けられないということが生じてしまいます。

 こうした場合でも、ノロウイルス検査を選定療養とすれば、A疾患の治療は保険で、ノロウイルス検査は保険外(自費)で受けるということが可能になるのです。なお、将来的には、若年成人についてもノロウイルス検査(疑い)が保険導入される可能性は否定できません。ここで、前述した「選定療養にも保険導入の可能性がある」点の明示が意味を持ってくるのです。

新たな選定療養の追加に関する提案一覧(抜粋)、オレンジで囲った部分が、厚労省が新たな選定療養として追加を提案しているところ
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 しかし中医協総会では、提案の前提となった「選定療養も保険導入の可能性がある」という点について、「すぐに了承はできない」という意見が診療側・支払側の双方から出され、結論は保留となっています。近く審議し直される見込みです。

 選定療養の拡大には、診療報酬点数の改定などと同じく厚生労働省告示の改正が必要ですが、2016年度の診療報酬改定と同時に行われるかどうかは決まっていません。


 なお、厚労省は上記のほか▽当日に検査をキャンセルした患者から、キャンセル料を徴収することが可能(保険とは関係なし) ▽院内託児所の使用料も実費徴収可能(同) ▽がん患者を対象としたウィッグ貸与や化粧方法の講習に関する費用も実費徴収可能(同)―であることなどを選定療養に関する通知などで明確化する考えも提示。

 さらに、関連通知の改正(新たな選定療養の創設ではない)によって、▽長時間の滞在が必要な治療を個室などで提供する際に「差額診察室」を徴収することを認める▽夜間や土日などの特別な時間枠での予約診療について、特別負担を認める―考えも示しました。

新たな選定療養の追加に関する提案一覧(抜粋2)、グリーンで囲った部分が、厚労省が通知改正などを考えているところ
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 これらについても中医協は結論を保留しており、更なる検討を待つ必要があります。


  1. 2016/01/30(土) 06:53:04|
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