Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月28日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ1W547YJ1WUTFL006.html
紹介状なく大病院受診、患者負担5千円以上に 4月から
小泉浩樹
2016年1月28日08時37分 朝日新聞

 厚生労働省は、紹介状なしで大病院を受診した患者に初診時で5千円以上、再診時で2500円以上の定額負担を求める方針を決めた。安易な受診を抑えて大病院が重症患者の治療に専念できるようにする狙いで、診療所との役割分担を図る。4月から実施する。

 診察代や検査料などの窓口負担は収入などに応じて1~3割。紹介状がない受診に対する定額負担は、これに上乗せされる。初診時の5千円、再診時の2500円は最低額で、病院側の判断でこれ以上の請求もできる。歯科は初診時で3千円以上、再診時で1500円以上とする方針。

 対象は高度な医療を提供する大学病院などの「特定機能病院」と、500床以上ある病院の計約250カ所。現行でも200床以上ある病院は、地方厚生局に届け出れば紹介状がない患者から特別料金を徴収できる。多くが初診時に3千~4千円を徴収しており、実質は1千~2千円ほどの負担増となりそうだ。

 近くに診療所がなく大病院に行くしかない地域の患者は、定額負担を免除される。診察後すぐに入院が必要だったり、急病や天災などで搬送されたりした場合も負担する必要はない。(小泉浩樹)



https://www.m3.com/news/iryoishin/394516?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160128&dcf_doctor=true&mc.l=141532886&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
医療クラーク、大学病院でも評価
勤務医負担軽減、手術「時間外等加算1」も一部緩和

2016年1月27日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月27日、2016年度診療報酬改定の個別改定項目について議論、同改定の重点課題の一つである、勤務医の負担軽減に向け「医師事務作業補助体制加算1」を見直し、点数を引き上げるほか、大学病院本院など特定機能病院についても同加算に限り、新たに算定を認める方針を了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。具体的な基準や点数は、2月の診療報酬改定の答申時に提示される予定。

 「医師事務作業補助体制加算1」については、要件も緩和し、「医師の指示に基づく診断書作成補助や診療録代行入力」に限っては、病棟あるいは外来以外の場所での実施も評価する。同加算の算定には、医師事務作業補助者が、延べ勤務時間の8割以上を「病棟または外来での医師事務作業補助業務」に充てるという要件があるが、診断書作成補助等については、病棟・外来以外の場所での実施も業務時間として算定する。なお、特定機能病院での算定可能加算を「加算1」に限ったのは、「加算2」は「その本来の機能に含まれる」との理由からだ。

 勤務医の負担軽減の関係では、2014年度改定で新設された、手術・処置の「休日・時間外・深夜加算1」の施設基準も見直す。同加算は、診療科単位の届出制で、予定手術前日の当直免除などが要件だが、その例外を「年間12日以内」まで認めている。ただし、「年間12日以内」は届け出た診療科の合計であり、解釈が2014年度改定後に明確化され厳しくなったことから、現場の混乱を招いた経緯がある(『時間外手術の「高額加算」、算定は1割強』を参照)。2016年度改定では、「全診療科で届出」という条件付きだが、手術前日の当直回数の制限を緩和する。

 診療報酬上の常勤医師の取り扱いも変更する。労働基準法に定める産前・産後休業、育児・介護休業法に定める休業を取得中の医師がいる場合、複数の非常勤従事者を常勤換算方法により計算することを可能とするほか、短時間勤務制度を利用し、正職員として勤務する場合は一定時間以上勤務する場合は常勤扱いとする方針。

 そのほか、(1)脳卒中ケアユニット入院医療管理料の医師配置要件の見直し(「神経内科または脳神経外科の経験5年以上の専任医師が常時1人以上」という要件を、夜間・休日では、5年以上の経験医師に常時連絡可能で、診療上必要な情報を送受信できる体制などを条件に緩和)、(2)画像診断管理加算の夜間等における負担軽減(夜間・休日に撮影した画像については、画像の読影・送受信を行うための十分な装置・機器を用いた自宅等での読影でも算定可能)――などの改定も行う。



https://www.m3.com/news/general/394795
入院乳児ベッド転落、鹿児島市が控訴 1億円賠償命令に
2016年1月28日 (木)配信 朝日新聞

 鹿児島市立病院で2007年、当時生後7カ月だった男児(9)がベッドから転落して重い後遺症が残ったとして両親と男児が病院を運営する市に損害賠償を求めた訴訟で、市は27日、約1億1350万円の支払いを命じた鹿児島地裁の判決を不服として福岡高裁宮崎支部に控訴した。

 判決によると、男児は自宅で転倒して頭を打ち、市立病院に入院し、翌日に診察用ベッドから転落した。地裁は13日の判決で「(転落)事故が無ければ後遺障害を回避できた」と病院側の過失を認めた。

 鹿児島市の森博幸市長は28日の定例記者会見で「搬送された時点で、患者はすでに重篤だった。(地裁判決で)主張が認められなかったのは残念。今後も裁判の場で主張していく」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/394508
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
かかりつけ医を重点評価、小児も対象に
2016年度診療報酬改定、地域包括診療料等の普及へ

2016年1月27日 (水)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日に開かれ、2016年度診療報酬の個別項目について、厚生労働省が改定案を提示した(資料は、厚労省のホームページ)。地域包括ケアシステムの推進を目的に、かかりつけ医を重点的に評価し、地域包括診療料等の施設基準の緩和、小児かかりつけ診療料を新設するほか、歯科医や薬剤師のかかりつけ機能も診療報酬上で評価する。


1月27日の中医協は4時間近く開催され、厚労省が詳細な改定案を説明した。

 診療側・支払側ともに、大きな異論は出なかった。中医協では、個別事項の方向性について全体的な議論をした上で、具体的な点数設計の議論を来週以降にする見通し。

 病院の地域包括診療料は 、救急病院等の指定の施設基準を削除するとともに、診療所の地域包括診療料・加算は現行の「常勤医師3人以上配置」の施設基準を緩和する 。同診療料・加算は、2014年の診療報酬改定で中小病院や診療所で主治医機能の評価を目的に、新設されたものの、看取り件数や常勤医の配置数といった要件がハードルとなり、普及して いなかった(『地域包括、看取り件数・医師数がハードル』を参照)。今回の基準緩和で、届出医療機関を増やし、急性期病棟からの変換を促すのが狙い。

 小児についても、「小児かかりつけ診療料」を新設する。小児外来医療で患者の同意の上、「継続的かつ全人的な医療」を提供する医師の評価が狙い。小児科を標榜し、外来で診療する場合、小児かかりつけ診療料として、処方の有無、初診・再診に分けて包括点数を設定する。対象は3歳未満で、患者の電話等の問い合わせに常時対応することや、予防接種履歴や健診の把握、急性疾患やアトピー性皮膚炎やぜんそくなどの慢性疾患について指導や診療を行うことなどが算定要件。施設基準は、小児科外来診療料の届出機関であることや、小児科または小児外科の常勤医師がいることなど。

 また、複数疾患がある認知症患者の主治医機能の評価を新設する。地域包括診療料の届出をしている医療機関は、認知症および他の疾患もある患者に対して、認知症地域包括診療料・加算が算定できることになる。包括診療料は患者1人に対し月1回のみ、加算は再診料に加算する。ただし、患者の投薬に関して、1処方で4種類以下の内服薬であること、抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬で2種類以下であることなどの制限がある。服薬管理が難しい認知症患者に対し、主治医機能を評価するのが狙い 。

 かかりつけ歯科医に関する診療報酬上での評価は今回が初めて。エナメル質初期う蝕管理加算、歯周病安定期治療、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の加算の3つが新設される。方向性について異論は出なかったものの、支払側から算定要件に患者の同意書と常勤歯科医師の要件を加えるよう要望があり、調整する。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「糖尿病患者の重症化予防や口腔ケアに期待したい」と述べた。

 かかりつけ薬剤師・薬局についても評価を新設した。一定程度の勤務経験や研修認定の取得などを要件に、地方厚生局長に届出をした、「かかりつけ薬剤師」は、患者の署名付きの同意書を作成した上で、服薬指導等をする場合に「かかりつけ薬剤師指導料」を算定できる。算定要件には患者からの相談を24時間応じる体制なども盛り込まれた。地域包括診療料・地域包括診療加算等の算定加算患者を対象にした「かかりつけ薬剤師包括管理料」も新設する。他の指導料等の同時算定はできない。基準調剤加算1・2については統合し、後発医薬品の調剤割合が低い門前薬局は、基準調剤加算が算定できなくなる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/394733
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
看護師の夜勤、計算方法見直しを検討
7対1、10対1とそれ以外で対象範囲を変更

2016年1月28日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日に開かれ、2016年度診療報酬改定の個別項目について議論した(資料は、厚生労働省のホームページ)。入院医療で7対1入院基本料の算定病床削減に向けた議論が進む中、厚労省は、同基本料の算定要件にかかる、看護職員の夜勤時間の制限を見直す改定案を示した。支払側委員と日本看護協会副会長の菊池令子氏が反対意見を表明し、診療側は厚労省案を支持した。改定案の文言はそのままで、具体的な要件を今後議論する。

 一般病棟入院基本料等の算定では、看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であることが要件になっている(「72時間ルール」)。この基準が満たせない場合は2割減算などの厳しい措置が課されるため、診療側が見直しを求めていた。今回、見直されるのは、月平均夜勤時間数の計算の対象者の範囲。現在は月当たり夜勤時間数が16時間以下の看護職員は対象外になっているが、厚労省の案では、7対1入院基本料と10対1入院基本料とそれ以外の病棟で、計算方法に含まれる対象者の範囲を変更。16時間よりも引き下げ、対象者の拡大を検討している。

 連合総合政策局長の平川則男氏は、「特定の看護師の夜勤の回数が多くなる懸念が拭えない」と指摘し、見直しに反対する意見を改めて述べた。菊池氏も、「夜勤が増えれば、患者に提供されるケアの質や医療安全も憂慮される」として、72時間ルールの堅持を訴えた。一方で、日本医師会副会長の中川俊男氏や同常任理事の松本純一氏は基準の緩和を求めた。

 厚労省は、72時間ルールを満たせなかった場合の減算措置を2割から引き下げて緩和する案や、その他の基準は満たしている医療機関については、看護職員の採用活動状況を届け出た上で、新たに夜勤時間特別入院基本料を算定できるようにする救済案も提示。これらの案について、診療側、支払側ともに、異論は出なかった。

 夜間の看護体制に関しては、負担軽減を目的に、7対1、10対1一般病棟入院基本料等の算定病棟で、夜間に12対1、16対1などの手厚い配置をしている場合の評価の引き上げ、看護補助者の夜間配置の評価の充実を検討している。また、有床診療所でも看護職員の夜間配置の評価を引き上げる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/394726?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160128&dcf_doctor=true&mc.l=141532887&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPC見直し決定、診療実態をより評価した体系へ
「高度・先進的な医療」、医師主導治験・治験を評価

2016年1月28日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月27日、2016年度診療報酬改定における、DPC制度の改定方針を決定した(資料は、厚生労働省のホームページ)。DPCをI群からIII群に分けて評価する基本方針に相違はないが、包括評価に当たって、診療実態を適切に評価できるよう、各係数を見直すのが狙い。

 DPCのII群の対象病院設定に当たって使用する「実績要件」において、従来の「外保連試案」に加えて、内保連(内科系学会社会保険連合)による「特定内科診療(2014年度版)」で定められた技術の実施も、評価対象に追加(『DPC病院、「高度な内科系技術」も評価』を参照)。

 機能評価係数IIも、診断群分類点数表では反映しきれない患者の重症度を評価するため「重症度指数」を追加し、現行の7指標から8指標に増やす。「地域医療指数」では、新たに2017年度から「高度・先進的な医療の提供体制」を評価する。その指標としては、当初は臨床研究中核病院が挙がっていたが、診療側委員から反対意見があり、「年間10例以上の医師主導治験」などに落ち着いた(『DPC、「臨床研究中核病院」の評価で対立』を参照)。

 DPCに関係する主な改定内容は以下の通り。

【2016年度診療報酬改定の主な項目(DPC)】

1.調整係数の機能評価係数IIへの置き換え
 2003年度のDPC開始以降、円滑な導入のため、医療機関別に設定されていた調整係数の75%を、機能評価係数IIに置き換え、残る25%は「暫定調整係数」として設定。調整係数は、2018年度改定で廃止。

2.基礎係数の見直し
・DPC病院のI群(大学病院本院)、II群(I群に準じる病院)、III群(それ以外の病院)という3群構成を維持。
・II群の選定に係る「実績要件」の1~4のうち、「実績要件3」=「高度な医療技術の実施」を見直す。外科系実績(手術実施症例など)に加え、内科系(重症脳卒中、髄膜炎・脳炎、重症筋無力症クリーゼなど「特定内科疾患25疾患」の症例割合、DPC算定病床当たりの症例件数、対象症例件数)の実績評価を追加。

3.機能評価係数IIの見直し
 現行の評価項目(7指数)に加え、重症度指数を追加して、8指数により評価を行う。7指標のうち4指数については、見直しを行う。
・保険診療指数:(1)本院よりも機能が高い分院(DPC病院)を持つ大学病院本院、(2)II群の実績要件決定の際に外れ値に該当した大学病院本院、(3)精神病床を備えていない、または医療保護入院もしくは措置入院の実績のない大学病院およびII群病院――に関する評価項目を追加。病院情報の公開に関する取り組みも評価(0.05点加点、2017年度以降の評価導入を検討)。
・カバー率指数:がんや小児など、専門病院・専門診療機能に一定の配慮を残した上で、機能がより評価されるように評価方法を変更。
・地域医療指数:地域がん登録に関する評価を廃止し、高度・先進的な医療の提供体制に対する評価項目を2017年度から追加。具体的には、(1)10例以上の医師主導治験、かつ10例以上の先進医療、かつ1例以上の患者申出療養の意見書作成(1ポイント)、(2)20例以上の治験、かつ10例以上の先進医療の実施または10例以上の患者申出療養の意見書作成(0.5ポイント)――と設定。
・後発医薬品指数:政府の後発医薬品数量シェア目標の変更(2017年央に70%以上)に合わせ、評価上限を60%から70%に引き上げ。
・重症度指数(新設):診断群分類点数表では十分評価されない患者の重症度の乖離率を評価(当該医療機関における「包括範囲出来高点数」と「診断群分類点数表に基づく包括点数」の比を評価)。

4.算定ルールの見直し
・第Ⅲ日(包括算定の終了日)を入院日から 30 の整数倍とし、入院期間Ⅲの点数の調整を行う。
・DPC 対象病棟に入院中は、DPC 制度に基づく算定または医科点数表に基づく算定のいずれかに、一入院で統一する。
・再入院の契機となった病名に「分類不能コード」を用いた場合には、同一病名での入院による一連の入院として取り扱う。
・診断群分類点数表の一部(脳血管疾患、肺炎、糖尿病)に、「重症度を考慮した評価手法」として、CCP (Comorbidity Complication Procedure)をマトリックスを導入する。
・適切なコーディングを行うための体制の強化を図るために、コーディング委員会の開催回数の要件を年2回から4回へ引き上げる等の必要な対策を講じる。

※DPCの包括評価部分の点数は、「診断群分類別点数」×「医療機関別係数」で決まる。「医療機関別係数」は、(1)I群からIII群の医療機関群別の「基礎係数」、(2)各医療機関の機能に応じて変わる「機能評価係数I」(人員など医療機関の構造を評価する係数)と「機能評価係数II」(医療機関の実績などを評価する係数)、(3)「暫定調整係数」(前年度の実績を保証するための係数)――で決まる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/394498?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160128&dcf_doctor=true&mc.l=141532885&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
在宅専門診療所、「訪問エリア規定」で可能に
在支診の施設基準高く、安易な参入に釘も刺す

2016年1月27日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月27日、2016年度診療報酬改定の個別改定項目について議論、在宅医療専門の診療所を保険医療機関として認めることを了承した。在宅医療を提供する地域をあらかじめ規定したり、外来診療が必要な場合に対応できるよう地域医師会から協力の同意を得ていることなど、7項目の要件を満たすことが条件。

 一方で、在宅専門診療所に対しては、在宅療養支援診療所(以下、在支診)の施設基準を追加、この基準を満たさない場合には在宅時医学総合管理料(以下、在総管)を減額する。在宅専門診療所を認める代わりに、高いハードルを課し、安易な在宅参入に釘を刺した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 在宅医療の関連ではそのほか、(1)在総管について、月1回の訪問診療の場合の点数を新設(現行は月2回)、(2)従来は緊急・夜間・深夜の往診については、往診料の加算があったが、「休日」の往診にも加算を新設、(3)緩和ケアの体制を整え、緊急往診や看取りの実績を有する、機能強化型の在支診および在宅療養支援病院(以下、在支病)について、「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」の形で評価――などが注目点。

 また2014年度改定では、「同一日・同一建物」の複数患者への在宅医療関連の点数が大幅に引き下げられたが、日をずらしてこの減額を回避するケースもあった。2016年度改定では定義を見直し、「単一建物診療患者の人数」、つまり訪問診療の日を問わず、医学的管理を行う患者数に応じて、在総管などの点数を設定する。

在宅医療専門の診療所の保険医療機関の開設要件
(1)無床診療所である。
(2)在宅医療を提供する地域をあらかじめ規定。
(3)外来診療が必要な患者が訪れた場合に対応できるよう、地域医師会から協力の同意を得ている、または(2)の地域内に協力医療機関を2カ所以上確保。
(4)規定した地域内において在宅医療を提供、在宅医療導入に係る相談に随時応じる、医療機関の連絡先等を広く周知。
(5)求めに応じて医学的に必要な往診や訪問診療に関する相談を行い、医学的に正当な理由等なく断ることがない。
(6)診療所において、患者・家族等からの相談に応じる設備・人員等の体制を整える。
(7)緊急時を含め、随時連絡に応じる体制を整える。
 在支診の算定、施設基準を追加
 在宅専門診療所を認めたのは、最近、「在宅専門」をうたう診療所が増えてきたことへの対応。健康保険法上、保険医療機関は外来応需の体制を有していることが原則となっている。

 在宅専門診療所が在支診を算定する場合には、追加の施設基準が設定される。「現行の機能強化型の在支診」の施設基準に加えて、過去1年間の在宅看取りの実績のほか、在総管および特定施設入居時等在総管の算定対象のうち「要介護3以上」等の患者が一定割合以上であるなどが求められる。この基準を満たさない場合には、在総管の点数が減額される。具体的な基準や点数は、2月の診療報酬改定の答申時に提示される予定。

 そのほかの在宅関連の主な改定内容は、以下の通り。

【2016年度診療報酬改定の主な項目(在宅医療関連)】

1.在宅時医学総合管理料(在総管)と特定施設入居時医学総合管理料(特医総管)について、月1回の訪問診療の場合の点数を新設(現行は月2回)
 訪問診療の回数と患者像に応じて、(1)月2回(重症度が高い患者)、(2)月2回〔(1)以外の患者〕、(3)月1回――の3区分について、「単一建物診療患者の人数」が、(1)1人のみ、(2)2~9人、(3)10人以上――の3種類に分け、在総管等を設定。

2.往診料の「夜間加算」を「夜間・休日加算」に変更
 従来は緊急・夜間・深夜の往診については、往診料の加算があったが、「休日」の往診でも加算が算定できるようにする。

3.「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を新設
 緊急、夜間・休日または深夜の往診、ターミナルケア加算、在総管・特医総管、在宅がん医療総合診療料の加算として新設。(1)機能強化型の在支診または在支病を届出、(2)過去1年間の緊急往診と在宅看取りの実績、(3)緩和ケア病棟または在宅での1年間の在宅看取り実績が10件以上の医療機関において、一定期間の勤務経験がある常勤医を配置――などが要件。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/1000research/201601/545546.html
連載: 医師1000人に聞きました
医師2561人に聞きました
医師が健康のために摂取している食品は?
積極的に摂取、第3位が「青魚」、第2位が「コーヒー」、第1位は…

2016/1/28 友吉 由紀子=日経BPメディカル研究所主任研究員

 医師は、医療の専門家であるとともに、健康に関しても豊富な知識をもった「健康のプロ」と言える。その医師たちは、自らの健康のために、どのようなことに気をつけているのだろうか。今回は、医師の「食生活」の実態に迫ってみた。

 日経BPメディカル研究所が、日経メディカルOnlineの医師会員を対象に調査を行ったところ、医師2561人から回答があり、そのうちの78.8%が、「日々の食事に気をつけるようにしている」と回答した(図1)。具体的に医師が食生活上、注意しているのは、「栄養のバランスの良い食事」(64.3%)、「規則正しく食べる」(46.7%)、「腹八分目で暴飲暴食をしない」(40.5%)、「塩分を摂り過ぎない」(39.5%)などだった。

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図1 「日々の食事にどのくらい気をつけていますか」(n=2561)

 医師が積極的に摂るよう心がけている食材について聞いたところ、最も回答が多かったのは「豆腐」(61.2%)で、これに次いで「コーヒー」(60.6%)、「青魚」(59.9%)、「納豆」(53.9%)、「ヨーグルト」(50.4%)などが挙がった(図2)。

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図2 「日々の食事で健康維持のために積極的に摂るよう心がけているものは何ですか」(n=2561 )

 また「最近、注目している栄養成分や食品」について聞いたところ、最も多くの医師が注目していると回答したのは「ヨーグルト」。こちらも「コーヒー」が第2位で、以下、「日本茶」「納豆」「オメガ3脂肪酸」が続いた(図3)。

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図3 「最近注目している栄養成分、食品は何ですか」(n=2561)

 これらの健康食材について、医師はどのような効果を期待しているのだろうか。注目する理由について自由記述形式で記入してもらったところ、「コーヒー」については、大腸癌や肝臓癌をはじめとする「癌の予防効果」を期待する声が最も多く、「カフェインの覚醒作用」「寿命を延ばす効果」などの記述も見られた。

 最も注目度の高かった「ヨーグルト」については、「腸内細菌叢の改善」や「整腸作用」の効果をあげる人が多く、「免疫力向上」「アレルギー改善」などの記述も見られた。

 「日本茶」については、「抗酸化作用」「抗菌作用」など、カテキンの効果を期待する声が目立った。「納豆」は発酵食品としての効果を挙げる人が多かったほか、「良質の蛋白源」であることを評価する声も見られた。「オメガ3脂肪酸」は、「動脈硬化予防」を上げる人がほとんどで、「心血管イベントの発症予防」や「認知症予防」などを上げる人もいた。

 なお、「健康のためになるべく摂取を控えているもの」について聞いたところ、糖質や砂糖を含む食品を上げた医師が約4割に上った。

調査概要 日経メディカル Onlineの医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2015年12月22日~24日で、回答数は2561人(男性2291人)。内訳は、病院勤務医69.4%、診療所開業医14.6%、診療所勤務医9.7%、病院理事長・院長3.0%。年齢は、29歳以下が2.3%、30歳代が18,2%、40歳代が27.3%、50歳代が38.0%、60歳代以上が13.4%。

連載の紹介
日常臨床における選択から日常生活における嗜好やスタイルまで、日経メディカル Onlineの医師会員の方々1000人(目標)にお聞きした結果をいろいろとご紹介します。「他の先生はどうしているんだろう?」と感じる疑問があれば、お問い合わせフォームからご提案ください。調査のテーマとして検討いたします!



http://www.medwatch.jp/?p=7420
DPCの地域医療指数に、「高度・先進的な医療提供」の評価項目を追加―中医協総会
2016年1月28日|2016診療報酬改定ウォッチ Medi Watch

 DPCの地域医療指数の中に、「高度・先進的な医療提供」を評価する項目を2015年度から追加する―。こういった方針が、27日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で了承されました。

 このほかに、▽II群の高度医療技術実施要件については6項目中5項目を満たせばよいこととする▽2016年度改定でも激変緩和措置(診療報酬の変動を2%以内に抑える)▽新設される重症度指数(機能評価係数II)には上下限を設ける▽精神病床のないI群・II群病院などでは保険診療指数を0.05点減点する―などの見直しも了承されました。

10例以上の医師主導治験などを行う病院を評価

 DPC制度改革について昨年(2015年)末の中医協総会で大枠が了承されたことを受け、厚生労働省が今般、詳細な見直し案を提示。委員からは反論が出されず、原案通り了承されています。

 厚労省は、この見直し案(出来高部分の改定内容も含めて)に沿って、診断群分類や包括点数の設定、各DPC病院の係数などを計算していきます。

 DPC改革の中で、1点だけ固まっていない部分がありました。それは「臨床研究中核病院の評価」です。この点について厚労省は、特に診療側から「拙速である」などの指摘が強かったことを受け(関連記事はこちらとこちら)、次のような修正を行いました。「臨床研究中核病院」に限定することなく、「高度・先進的な医療提供を行う病院」を評価する内容ですが、かなり厳しい要件が設定されています。

◆次の要件を満たす病院について「高度・先進的な医療を提供している」点を地域医療指数の体制評価指数」の新項目とする

▽10例以上の医師主導治験の実施、10例以上の先進医療の実施、1例以上の患者申出療養に係る意見書の作成(すべて満たす場合に1ポイント)

▽20例以上の治験(協力施設としての実施も含む)、10例以上の先進医療の実施、10例以上の患者申出療養の実施(いずれかを満たす場合に0.25ポイント)

 前者の要件のうち「患者申出療養の意見書」は臨床研究中核病院のみが作成でき、また「10例以上の医師主導治験」は臨床研究中核病院に求められる要件よりも厳しい(承認要件では4件以上などに止まる)ものとなっています。

 一方、後者は臨床研究中核病院以外の病院でも基準を満たすこと自体は可能です。

 なお、今回の見直しは「地域医療指数の体制評価指数」の新項目を増やすものにすぎません。現在、I群病院とII群病院については、全12項目の体制評価指数のうち10項目を満たせば満点の評価を受けられます。これが13項目となったとして、既に10項目を満たしていれば、それ以上評価が上がることはありません。


 このほか機能評価係数について次のような見直しが決まりました。

▽「本院よりも機能が高い分院を持つI群病院」(実績要件9項目のうち5項目以上分院の方が高いケース)、「II群の実績要件決定の際に外れ値に該当したI群病院」、「『精神病床を持たない、または医療保護・措置入院実績のないI群・II群病院』について、保険診療指数を0.05点減点する(関連記事はこちら)

▽CCPマトリックスの導入で、脳血管疾患・肺炎・糖尿病の分類が大幅に増えることを受け、カバー率指数の計算にあたって「CCPマトリックスの対象傷病では診断群分類でなく『支払分類』を用いる」こととする

▽新設される重症度指数(「包括範囲出来高実績点数と診断群分類点数表との比」に着目し、資源投入量の多い患者受け入れを評価する項目)について、上限値を90パーセンタイル、下限値を10パーセンタイルとする。例えばDPC病院が1000病院と仮定した場合、上位100病院は「最高点」(100位の病院の指数を用いる)、下位100病院は「最低点」(901位の病院の指数を用いる)、中間はそれぞれの病院で計算された指数、となるイメージ。

機能評価係数IIの具体的な設定方法、保険診療指数(減算規定を追加)、カバー率指数(下限値を設定)、地域医療係数(新たな体制評価指数の項目を追加)、重症度指数の新設などの見直しが行われている
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機能評価係数II、見直しの大枠
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II群の「高度な医療実績」、6項目中5項目以上満たすことが必要
 2016年度改定から、II群の実績要件が見直されます。現在、II群になるためには▽診療密度▽医師臨床研修の実施▽高度な医療技術の実施▽重症患者に対する診療の実施―という実績要件を満たす(I群の最低値、あるいは外れ値を除外したI群の最低値をクリアする)ことが必要です。

 このうち「高度な医療技術の実施」について、これまでの外科系の診療実績3項目に加えて、新たに特定内科診療(重症脳卒中や髄膜炎など、内科系で高度な技術が必要な25疾患)の診療実績3項目が設定され、都合6項目となります(関連記事はこちら)。

いわばDPC版の特定内科診療、赤字部分が修正されている
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(G3註:オリジナルでも解像度不良)

 厚労省は27日に中医協総会に、「6項目中5項目以上を満たす」ことで、高度な医療技術の実施有と考えることを提案し、了承されました。GHCが協力した内科系学会社会保険連合のグリーンブック(特定内科診療について詳述した冊子、関連記事はこちら)では「6項目中5項目以上を満たす病院をII群としてはどうか」と提案されており、これも踏まえた格好です。

 また、高度な医療技術6項目については、すべて「外れ値を除外したI群の最低値」が基準値とされます。これまで手術実施症例件数は「全国平均値」が基準値でしたが、見直されているのでご注意ください。

 なお、II群の実績を判断するにあたり、2016年度から新規にI群となる東北薬科大学病院のデータは除外されます。

II群の実績要件の考え方、「高度な医療技術の実施」について項目を追加(特定内科診療の診療実績)し、基準値を変更する(すべて「外れ値を除外した最低値」にそろえる)
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高額な抗がん剤用いる治療など6分類をD方式に追加

 このほか、次のような見直しも行われます。

▽点数設定方式Dに次の6分類を追加する(高額な抗がん剤を用いたものが多い。診断群分類の最終見直しにより変更となる場合もある)

(1)060020xx99x7xx 「胃の悪性腫瘍 ラムシルマブ」

(2)080005xx99x2xx 「黒色腫 ニボルマブ」

(3)010070xx9910xx 「脳血管障害 E003 造影剤注入手技」

(4)100020xx99x2xx 「甲状腺の悪性腫瘍 I131 内用療法」

(5)010030xx9910xx 「未破裂脳動脈瘤 E003 造影剤注入手技 動脈造影カテーテル法 主要血管の分枝血管を選択的に造影撮影した場合」

(6)050050xx9920xx 「狭心症、慢性虚血性心疾患 D206 心臓カテーテル法による諸検査+血管内超音波検査等」

点数設定方式D(入院初日に高額な薬剤の費用などを支払ってしまう)に6つの診断群分類が追加される(暫定)
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▽激変緩和措置を継続する(出来高部分も含めた推計診療報酬が2%を超えて変動しないよう、暫定調整係数を調整する)

▽コーディング委員会の開催頻度を「年4回」に増やす

▽入院患者の超過が1.05倍以上(月平均入院患者数/許可病床数)となった場合、当該月の翌月から出来高算定とする



https://www.m3.com/news/iryoishin/394865
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
身体合併症の精神患者、受入で加算
2016年改定、精神を重点的に対応

2016年1月28日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日に開かれ、厚生労働省は2016年度診療報酬改定で重点的な対応が求められる分野として、精神医療の推進の改定案を示した(資料は、厚生労働省のホームページ)。身体合併症がある精神疾患患者を受け入れた一般病院に対する加算や、自殺企図後の患者に対する指導の評価などが新設されたほか、向精神薬の多剤処方に対する減算規定の対象を拡大する。委員からは異論は出なかったため、これらの方針を基に2月に点数を決定する。

認知症を持つ高齢者の増加に対応

 身体・精神の両方の疾患がある患者について、一般病院での受け入れ体制の強化を目的に、新設されたのは2種類の加算。精神科病院の要請に応じて、転院を受け入れた場合に算定できる「精神疾患診療体制加算1」と救急搬送患者を精神保健指定医等の精神科医が診察した場合に「精神疾患診療体制加算2」だ。精神病棟では、高齢化で認知症患者の割合が増えるなど、身体と精神、両方の疾患への対応の必要性が高まっているが、精神科を持つ総合病院は減少傾向で、急患でも精神疾患がある場合は、「専門外で対応が難しい」などの理由で断られるケースが多かった。そのため、これらの加算で一般病院での受け入れを促す。また、精神科救急・合併症入院料や、精神科身体合併症管理加算の対象疾患を拡大。末期の悪性腫瘍や劇症肝炎などを追加する。


1月27日の中医協総会で、個別項目についての改定案が示された。
 自殺企図後の患者に対する、継続的な指導の評価も新設する。継続的な介入で、再企図を予防するのが狙い。精神科医の指示を受けた看護師、精神保健福祉士等が、自殺企図後の6カ月以内の患者に対し、必要な助言・指導を行った場合に「救急患者精神科継続支援料」が算定できる。入院中は指示をする精神科医が週一回以上の診察をしていること、退院後は看護師、精神保健福祉士等が1カ月に2回以上、電話等で指導をした上で、外来でも対応することが要件になる。精神科医や看護師、精神保健福祉士等は研修の受講も必要だ。

向精神病薬、適正使用目指す

 向精神薬を多種類処方した場合の減算対象は拡大する。2014年度改定で、処方料・薬剤料・処方せん料については、臨時の場合を除いて、3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬、または4種類以上の抗精神病薬の投薬で減算する規定が設けられたが、抗うつ薬と抗精神病薬の種類をさらに引き下げるほか、除外となる臨時の規定を厳しくする見込みだ。また、適切な説明や医学管理が行われずに、多種類の抗精神病薬や抗うつ薬が処方された場合、通院・在宅精神療法の精神科継続外来支援・指導料の半減を検討している。現在、年1回の報告が義務付けられている抗精神薬多剤投与に関する報告書については、年1回以上に提出頻度を上げる方針だ。

 長期入院の精神疾患患者の地域への移行を目的に、「地域以降機能強化病棟入院料」も新設された。精神保健福祉士などを重点的に配置し、退院後の生活のための訓練や居住先の確保といった退院支援を評価する。

 精神科デイ・ケアに関しては、最初の算定日から1年以上経った患者について、新たに週3日以上の利用の算定要件を設定。医学的な判断や診療計画の実施が義務付けられるほか、当該医療機関における週3日以上の患者の割合も設定し、これらの条件が満たせないと算定できなくなる。長期にわたって頻回に利用している患者に対して、「より自立した生活した生活への移行を促す」のが狙いだ。

 このほか、精神医療では、精神科医、看護師、精神保健福祉士などのチームで精神科医療に当たる「精神科リエゾンチーム加算」について、基準の引き下げと評価の充実を図るほか、総合病院の精神病棟に対して、同リエゾンチーム加算の届出や一定数の医師数と身体合併症の患者数などを条件に「精神科急性期医師配置加算」も新設。「精神科重症者早期集中支援管理料」の要件緩和、20歳未満の外来患者に対する児童・思春期の専門的な精神科医療を評価する「児童思春期精神科専門管理加算1・2」の新設、薬物依存症の集団療法を評価する「依存症集団療法」の新設などが提案された。



http://mainichi.jp/articles/20160128/ddl/k10/040/093000c
行政ファイル
個人情報紛失の群馬大医師、戒告処分 /群馬

毎日新聞2016年1月28日 地方版 群馬県

 群馬大は27日、医学部付属病院の患者584人の個人情報を記録したUSBメモリーを紛失した40代の男性医師を戒告とした。USBメモリーには2015年4〜9月に輸血を受けた患者の氏名▽住所▽電話番号▽血液型▽受診科−−といった個人情報が記録され、男性医師が11月17日に紛失に気付き、病院側は11月27日に公表していた。個人情報流出は確認されていない。院外に持ち出していないことから「書類整理中にごみ箱に捨てた可能性がある」と釈明している。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53654/Default.aspx
16年度診療報酬改定 多剤併用、残薬を“減らす”評価で医薬品適正使用推進 処方せん様式変更も
 2016/01/28 03:52 ミクスオンライン

厚生労働省は1月27日、中医協総会に2016年度診療報酬改定の個別改定項目について提示した。高齢化が進展し、残薬・重複投薬、不適切な多剤投薬の問題が社会問題化する中で、“医薬品の適正使用”の推進を強く打ち出した。かかりつけ薬剤師が職能を発揮し、かかりつけ医と連携することで、多剤併用が指摘される複数疾患を合併する高齢者や精神科領域などでの適正使用を進めたい考え。具体的には、内服薬を減少させる取り組みを評価する「薬剤総合評価調整加算」、「薬剤総合評価調整管理料」、「連携管理加算」などの新設や、残薬についての取り組みを促す処方せん様式の変更を盛り込んだ。製薬企業にとっても、医療環境が変化する中で、高齢化や多剤併用、残薬などを切り口とした医薬品の適正使用推進に向けた情報提供が迫られることになりそうだ。

新設される薬剤総合評価調整加算は入院時、薬剤総合評価調整管理料は、外来受診、在宅患者について、向精神薬など多剤併用の状況に陥っている高齢者の処方薬剤を減らすことを評価する点数だ。6種類以上の内服薬を処方されていた入院患者について、効果、副作用を総合的に評価し、退院時に2種類以上減少した場合を評価されることになりそうだ。連携管理加算は、外来受診、在宅患者において、別の保険医療機関、保険薬局に照会、情報提供を行った場合算定できる。また、医師と連携して減薬した取り組みを評価する「重複投薬・相互作用防止加算」は、これまで算定できなかった同一保険医療機関の同一診療科でも算定できるよう拡大される。ただし、処方変更がない場合については評価を廃止し、処方を変更した場合のみ評価されることとなる。

◎残薬対策に分割調剤も 調剤料や一包化加算も見直しへ

残薬対策としては、残薬への対応を明記するよう処方せん様式を変更することや、調剤後の継続的な服薬的な管理の手厚い評価、30日を超える長期投薬の際の分割調剤の考慮、などを盛り込んだ。

処方せん様式は、残薬が確認された場合の対応として、▽保険医療機関へ疑義照会した上で調剤、▽保険医療機関へ情報提供-のいずれかの項目にチェックをつける形が検討されている。これにより、保険医療機関と保険薬局が円滑に残薬確認、残薬を伴う日数調整ができるよう後押しする。

調剤後の継続的な服薬管理については、服用中の薬剤を袋に入れて保険薬局に持参してもらい、服薬管理を進める(いわゆる“ブラウンバック”)取り組みなどを評価する。患者や患者家族が保険薬局に持参した服用薬の整理などの服薬管理を行い、その結果を医療機関に情報提供した際にも外来服薬支援料を算定できるよう拡大する。また、分割調剤の範囲をこれまでの長期保存が困難な場合や後発医薬品を初めて使用する場合だけでなく、患者の服薬管理が困難である場合なども可能にした。多剤併用の原因として診療側から指摘されていた30日を超える長期処方を行う際、患者の病状や服薬管理が安定していない場合には、再診や他院の紹介に加え、「患者の病状は安定しているが服薬管理が難しい場合には、分割指示処方せんを交付する」ことも明記された。

一方で、これまで処方薬の剤数に応じて点数が伸びてきた内服薬の調剤料や一包化加算は見直す。一元的・継続的な服薬管理を包括的に評価する“かかりつけ薬剤師包括管理料”でも調剤料も含めて包括化されている。これまでのような処方薬の剤数に応じた評価から患者ひとりへの評価へと大きく舵を切った。つまり、薬剤師側からみれば、処方の剤数を増やすことのメリットは16年改定で大きく減少するとみられる。

◎かかりつけ医 向精神薬などで多剤投与は引下げ範囲拡大

かかりつけ医の評価でも同様に、処方薬剤数を減らす方向性を明確に打ち出した。向精神薬の多剤投与をする際の処方料、処方せん料、薬剤料減算の拡大や、医学的管理が不十分なまま向精神薬が大量処方された可能性の高い患者については通院・在宅精神療法などの評価を新たに引き下げる。また、今回新設された認知症患者に対する主治医機能を評価する「認知症地域包括診療料」でも、1処方につき▽5種類を超える内服薬がある、▽抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬を合わせて3種類を超えて含む―場合には、算定できないとしている。

◎お薬手帳 2回目以降で薬歴管理料低く 継続来局うながす

不適切な多剤併用や残薬を解消し、医薬品の適正使用を進めるためには、お薬手帳などを介した患者の服薬状況の一元管理が重要になる。薬剤服用歴管理指導料は、初回来局時の点数に比べ、2回目以降の点数を低くする。患者負担が軽減されることで、患者にとって継続的に同じ保険薬局に来局することのインセンティブを感じてもらい、継続的な来局を促したい考えだ。保険薬局にとっても、継続的にお薬手帳を活用した服薬管理を行うことで、手間が省ける。一方で、手帳を持参していない患者や、大型門前薬局など調剤基本料の特例対象となる保険薬局では、来院回数にかかわらず、初回来局時と同じ点数を算定する。少なくとも過去1年分の服薬情報を一覧的に閲覧できることや、データ移行ができるなど要件を満たした電子お薬手帳については、紙媒体と同様の点数の算定も可能になる。



http://www.medwatch.jp/?p=7441
入院患者の退院支援、「体制に着目した評価」に大幅な組み替え―中医協総会
2016年1月28日|2016診療報酬改定ウォッチ MediWatch

 これまで入院日数に着目した点数設定となっていた退院調整加算について、2016年度の診療報酬改定では「退院を支援する体制」に着目した点数設定とし、大幅な組み替えを行う―。このような方針が、27日に中央社会保険医療協議会総会に示され短冊から明らかになりました。

 また入院基本料の施設基準となっている「看護師夜勤時間」の計算方法見直しなどの詳細も明らかになっています。

退院支援を専門に行う看護師などを配置する医療機関を高く評価

 在宅復帰の促進には、「ADLの低下を防ぐ」「院内感染リスクを低減する」「在院日数の短縮につながり医療費を適正化する」などの効果があります。現在、診療報酬上でもさまざまな早期退院を支援する項目があり、中でも「退院調整加算」が代表的と言えます。

 退院調整加算は、「入院早期から退院困難な患者(がん、要介護認定未申請、入退院を繰り返しているなど)を抽出し、退院支援計画を策定し、その計画に基づいて退院させる」ことを評価するもので、入院日数に応じた点数(早期退院ほど高い点数)が設定されています。

 この退院調整加算について、2016年度の次期改定では大幅な見直し(組み替え)を行うことが分かりました(関連記事はこちら)。

 まず「退院調整加算」という名称が廃止され、「退院支援加算」となります。退院支援加算は大きく3種類設けられ、次のような位置づけとなります。

(1)退院支援加算1:新設

(2)退院支援加算2:退院調整加算の組み替え

(3)退院支援加算3:新生児特定集中治療室退院調整加算の組み替え

 (1)の退院調整加算1は、退院支援に向けた体制を非常に手厚くしている医療機関を評価するもので、「現行の退院調整加算の厳格化版」と言えるかもしれません。具体的な施設基準は次のように設定されます。

▽現行の退院調整加算の施設基準を満たすこと

▽退院支援・地域連携の専従看護師・社会福祉士が、各病棟に専任で配置されていること(退院支援業務について2病棟まで併任可能)

▽一定数以上の医療機関・介護事業所などと転院・退院体制について事前に協議し、連携していること

▽連携先の医療機関・介護事業所などの職員と、当該医療機関の退院支援・地域連携職員が、一定以上の頻度で面会し、転院・退院体制の情報共有などを行っていること

▽介護支援連携指導料の100床当たり算定回数が、一定以上であること

▽廊下などの見やすいところに、分かりやすく退院支援職員とその業務を掲示すること

新設される退院支援加算1(退院調整加算の体制強化版のようなイメージ)の施設基準と算定要件案
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 退院支援の専任者が、他の医療機関や介護施設と緊密な連携をとることは早期退院を促すために極めて重要です。メディ・ウォッチでも紹介した大阪府の生長会府中病院では、こうした取り組みを点数設定前から行って効果を上げており(関連記事はこちら)、ここに診療報酬が追い付いてきたと見ることもできそうです。

 また、具体的な業務(算定するための要件)としては、現在の退院調整(前述)に加えて、▽他院に出向くなどして担当者と面会し、転院・退院体制の状況を共有する▽退院支援職員が、入院後一定期間内に退院困難患者などを抽出する▽退院困難患者・家族と入院後一定期間内に退院後の生活を含めた話し合いをする▽入院後一定期間内に病棟看護師・退院支援職員・退院調整部門の看護師などがカンファレンスを行って退院調整に当たる―ことが必要です。

 単に人員を配置するだけではなく、具体的な取り組みを含めて評価するものと言えます。


退院支援体制の充実が、早期退院に向けて大きな効果を持つ
 (2)の退院支援加算2は、現行の退院調整加算を組み替えたものです。退院調整加算は入院日数に応じた評価となっていますが、これを廃止している点が注目されます。

 この点について厚生労働省保険局医療課の宮嵜雅則課長は、「体制をしっかり整えることが退院調整にとって非常に有効であることが分かったため、そこを第一に評価する体系に組み替えた」旨を説明しています。

 ところで、入院日数に応じた評価の廃止は、平均在院日数の短縮などにブレーキがかからないだろうかとの心配もありますが、この点について厚労省保険局医療課の担当者は「在院日数に応じた評価としては、一般病棟入院基本料の加算などさまざまなものがある」点を強調し、今般の見直しでブレーキがかかることはないとの考えを示しています。

 また(3)の退院支援加算3は、新生児特定集中治療室退院調整加算をベースにしたもので、施設基準などは同じ形になる見込みです。

 
 このほか退院支援については、▽地域連携診療計画管理料などを「地域連携診療計画加算」に組み替える▽救急搬送患者地域連携紹介加算・同受入加算などを廃止する▽介護支援連携指導料や退院時共同指導料の評価充実▽入院医療機関の看護師が患者宅を訪問し療養上の指導を行うことを「退院後訪問指導料」として評価する―といった見直しも行われます。


看護師の月平均夜勤時間、計算方法を見直し
 入院基本料に共通する施設基準の1つとして「看護師の1人当たり月平均夜勤時間が72時間以下であること」(いわゆる夜勤72時間要件)があります。現在、夜勤専従者や月の焼時間が16時間以下の看護師は、計算対象から除外されていますが、厚労省は「より多くの看護師で夜勤負担を分け合うべきではないか」との考えの下、最終的に「7対1病棟および10対1病棟」と「それ以外の病棟」で計算対象から除外する短時間夜勤の看護師を分ける考えを提示しました。例えば、「7対1・10対1では月当たり夜勤時間が●時間以下の看護師は含めない、それ以外では月当たり夜勤時間■時間以下の看護師は含めない」といった定め方になる見込みです。

 この考え方には平川則男委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)や菊池専門委員(日本看護協会副会長)から、「看護師の総数を減らしても夜勤72時間要件を満たせることになり、1人当たりの夜勤負担が増える可能性がある。慎重な検討をすべき」との要望が出されています(関連記事はこちらとこちら)。

 また夜勤に関しては、▽月平均夜勤時間超過減算の割合(現在は20%)を見直す▽夜勤72時間要件のみを満たせない場合の「夜勤時間特別入院基本料」の新設―も提案されています。後者は、前者の「月平均夜勤時間超過減算」と「特別入院基本料」の間に位置するクッションの役割を果たすものです。

72時間要件を満たせない場合、減算(救済)点数の算定期間を延長(1)するとともに、特別入院基本料までにさらにワンクッション(2)置くことにしてはどうかと厚労省が提案している
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身体疾患で入院した認知症患者、多職種チームでの対応を評価
 また入院医療に関連して、「身体疾患で入院した認知症患者」への病棟対応などを向上するために、「認知症ケア加算」が新設されます。各種の入院基本料や特定入院料の加算という位置づけです(関連記事はこちら)。

 まず、▽認知症患者の診療に十分な経験・知識のある常勤医師▽認知症看護に従事した経験を持ち、適切な研修を修了した専任の常勤看護師▽認知症患者の退院調整経験のある専任の常勤社会福祉士・常勤精神保健福祉士―で構成されるチームを設置し、身体拘束の実施基準を含めた認知症ケア手順書を作成・活用する医療機関では、「認知症ケア加算1」を算定することが可能です。

 具体的な取り組みとしては、▽認知症症状の悪化予防▽適切な看護計画の作成と実施▽多職種チームが患者家族や病棟職員への助言▽院内研修―などが期待されます。

 また、▽認知症患者の入院する病棟に、認知症看護などの研修を受けた看護師を複数配置▽体拘束の実施基準を含めた認知症ケア手順書を作成・活用―する医療機関では、「認知症ケア加算2」の算定が可能です。

 加算の算定対象は、「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」でランクIII以上となった人が想定されています。


 なお、2016年度の次期改定では、救急患者の受け入れ体制を強化するために、▽「時間外、休日、深夜における再診後に、緊急で入院となった場合」にも再診料・外来診療料の時間外などの加算を算定可能とする▽夜間休日救急搬送医学管理料の評価を充実する―などのほか、救急医療管理加算1の対象に「緊急カテーテル治療・検査」「t-PA療法」が必要な患者が追加される見込みです(関連記事はこちら)。



http://mainichi.jp/articles/20160129/k00/00m/040/165000c
特定機能病院
患者全死亡事例の院内管理部門報告義務付け

毎日新聞2016年1月28日 22時30分(最終更新 1月28日 22時30分)

 厚生労働省は28日、大学病院など高度医療を提供する「特定機能病院」の安全対策強化を目的とした新たな承認要件を取りまとめた。事故かどうかにかかわらず、患者の全死亡事例を院内の医療安全管理部門に報告するよう義務付けることが柱。必要に応じて検証を実施した上で、病院長への報告も求めている。病院と利害関係のない第三者が過半数を占める監査委員会の設置も規定した。

 群馬大病院や東京女子医大病院で2014年に相次いで発覚した医療事故を受けた措置。

 4月にも省令を改正し、現行の全国84カ所の特定機能病院には半年から2年の経過措置期間内に要件の順守を求める。年に1度の立ち入り検査や業務報告で実施状況を確認し、できない場合は国が承認を取り消す可能性もある。新たに承認を申請する病院はこれらの要件を満たすことが必要となる。

 また、これまで事実上、専従は看護師のみだった医療安全管理部門に、専従の医師と薬剤師を配置することも義務化。常勤で、就業時間の8割以上を安全業務に従事していることを原則とする。

 一方、難易度の高い医療技術を導入する際に、その適否を確認する部門も設置するよう規定。患者へのインフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)徹底と、診療録の管理を担当する責任者をそれぞれ置く。(共同)



http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/01/28/03773/
シリーズ◎2016調剤報酬改定
大手チェーンの門前薬局は調剤基本料を引き下げ
集中率や妥結率なども加味して調剤基本料が5区分に

2016/1/27 内海 真希=日経ドラッグインフォメーション

 2016年度調剤報酬改定では、大手チェーン薬局に属する門前薬局に対して厳しい評価となりそうだ。1月27日に中医協で示された個別改定項目のたたき台によると、大手チェーン薬局で集中率が極めて高い、いわゆる大型門前薬局や、大手チェーン薬局で特定の医療機関と不動産の賃貸借関係のある薬局については、調剤基本料の評価を見直す。大手チェーン薬局は、「同一法人グループ内の処方箋受付回数の合計が1月に一定回数を超える法人グループ」と定義されている。

 また、現在の処方箋受付回数と集中率に基づく特例対象も拡大する。ただし、特例対象の薬局や大型門前薬局であっても、かかりつけ薬剤師としての業務を一定以上行っている場合は、特例対象から除外する。これに伴い、現在の特例対象除外要件である24時間開局の要件は廃止する。

 ここに、妥結率が5割を超えるか否かという指標も加わり、調剤基本料は「調剤基本料1」から「調剤基本料5」まで、5つの区分に分けられるもようだ。

 さらに、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料、重複投薬・相互作用防止等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料などを一定期間算定しておらず、かかりつけ機能を十分発揮していないとみられる薬局に対しては、処方箋受付回数が少ない場合を除き、調剤基本料を減算する。減算幅(%)は現時点では明らかになっていない。

 なお、薬局における妥結状況の推移などを踏まえ、大手チェーン薬局に属さない薬局については、妥結率の報告は、契約書の写しなどを添付資料として提出することを不要とし、簡素化する方針も示された。



http://mainichi.jp/articles/20160128/ddl/k10/040/093000c
行政ファイル
個人情報紛失の群馬大医師、戒告処分 /群馬

毎日新聞2016年1月28日 地方版 群馬県

 群馬大は27日、医学部付属病院の患者584人の個人情報を記録したUSBメモリーを紛失した40代の男性医師を戒告とした。USBメモリーには2015年4〜9月に輸血を受けた患者の氏名▽住所▽電話番号▽血液型▽受診科−−といった個人情報が記録され、男性医師が11月17日に紛失に気付き、病院側は11月27日に公表していた。個人情報流出は確認されていない。院外に持ち出していないことから「書類整理中にごみ箱に捨てた可能性がある」と釈明している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201601/545555.html
コラム: 色平哲郎の「医のふるさと」
出色の特集「NOと言えない医療制度改革」

色平 哲郎(佐久総合病院)
2016/1/29 日経メディカル

 読者の方々は、『月刊保険診療』(医学通信社)という雑誌をご存じだろうか。

 同誌の新年号は、「永久保存版」ではないかと思う。この雑誌の読者は、医療機関の保険請求事務にかかわる事務職が中心だが、医師や看護師、コメディカル、あるいは行政、メディア関係者もぜひ、目を通してほしい内容となっている。
 
 特集「『NO』と言えない医療制度改革(座談会)~TPPと国民皆保険の憂鬱な未来~」では、植草一秀氏(オールジャパン平和と共生運営委員)、金子勝氏(慶應義塾大学教授)、小池晃氏(参議院議員)、本田宏氏(医療制度研究会副理事長)が、安倍政権のデマゴークぶりを、メディアの萎縮、官僚や財界への官邸支配などを背景に語りあう。

 たとえばアベノミクスでは、2013年4月に黒田日銀総裁が「物価上昇率2%以上」と公約し、大胆な金融緩和が行われた。ところが大企業の株価は上がっても、一般市民の消費は上向かず、公約は破たん。メディアはこれを指摘せず、批判せず、国民は気づかない。

 社会保障分野の締めつけは厳しい。2016年度は社会保障費の自然増分を概算要求の6700億円から5000億円まで減らし、診療報酬は全体で1.03%引き下げることになった。介護報酬はすでに過去最大規模の引き下げが行われており、東京商工リサーチの調査では介護事業者の倒産数は前年度比1.4倍だという。「社会保障と税の一体改革」で消費税増税分を社会保障に回すと言いながら、結局は増えた分の5分の1しか回らなかったと金子氏は指摘する。

 そこにTPP合意で医薬品と医療機器を起点に医療費高騰の道がひらかれる。特集冒頭のマンガのように、20年後の日本の学校では教師が「財政のお荷物だった国民皆保険からの解放」→「自由で高度な医療を実現!」と大真面目で生徒に教えているのかもしれない。

 特集に続く「21世紀『医療制度改革』総まとめ」も、どの内閣が何をしたかが一目瞭然で貴重な資料。小泉内閣と第二次安倍内閣が国民に「痛み」を押しつけた一方、民主党政権の野田内閣が「初めに増税ありき」に踏み出したことも記銘しておきたい。

 この『月刊保険診療』1月号が出色なのは、医療制度関連記事が続いた後、ノンフィクション作家の山岡淳一郎氏が「視点・『在宅医療ルポ 在宅医療の現場から』」と題し、診療に同行して「血の通う」現場について詳述しているからだ。この現場リポートによって、制度と現実に橋がかかっている。

 自由診療を含む高額の入院医療費に耐えかねた患者家族が患者を退院させ、口から食べ物を摂らせ、胃瘻を外し得たエピソードなどは、庶民の「まっとうな」ちから勁さを感じさせる。



http://www.medwatch.jp/?p=7449
病棟群単位の入院基本料は厳しい、ICU廃止し7対1に統合するような動きを懸念―日病協
2016年1月29日|2016診療報酬改定ウォッチ MediWatch

 病棟群単位の入院基本料は、中央社会保険医療協議会の総会で示された短冊を見る限りとても厳しく、病院側は病棟群単位の届け出はしにくい。7対1を死守するために、ICUやHCUの患者を7対1に移行させるという本質的でない動きが出る可能性がある―。日本病院協議会(日病協、日本病院会や全日本病院協会など12の病院団体で構成される)の楠岡英雄議長と神野正博副議長は、このような見解を28日の定例記者会見で述べました。

 一方、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(看護必要度)のM項目に「脊椎麻酔後の患者」や「救命等に係る内科的治療後の患者」が追加された点については、評価できるとの見解も明らかにしています。

7対1から10対1への転棟、どういったケースで認められるのか
 厚生労働省は27日に開いた中央社会保険医療協議会の総会に、2016年度診療報酬改定に向けた、いわゆる「短冊」を提示しました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。そこでは「病棟群単位の入院基本料」の骨格も示されています。

 それを見ると、「病棟群単位の入院基本料」は、7対1病院が10対1病院に移行する際のワンクッションであることが明確にされており、その内容は厳しいものとなっています。例えば、「一定期日移行は7対1のベッド数が一定割合以下とする」「4病棟以上の病院では、どちらとも複数の病棟にしなければならない」「7対1から10対1への転棟は原則認められない」ことなどです。

 こうした点について神野副議長は、「かなり厳しいもので、病院側として病棟群単位を選択しにくい」と指摘。

 その結果、「7対1を死守するために、ICUやHCUをやめ、重症患者を7対1に移行させる病院が出るのではないか。これは医療の質、医療安全という面、さらに看護師の労働環境などの面でも問題がある」と見通し、本質的でない動きが出ることを神野副議長は懸念を示しました。

 また楠岡議長は、「7対1から10対1への転棟が原則として認めないとされているが、原則がどこまでをさすのかが不明確である」と述べ、今後の議論を注意深く見守る考えも示しています。さらに、「病棟の機能に基づく評価をすべきである。病院群単位の入院基本料が余分なコスト(例えば比較的軽症な患者でも7対1入院基本料を算定するなど)を発生させている」とも指摘。また「これまで厚労省は『病棟群単位の届け出など、あり得ない』という姿勢だったが、一時的にせよ認めることになった。今後、入院基本料の混合がうまく活用できることが分かれば、他にも広がっていくかもしれない」と期待もにじませています。

 一方で、看護必要度のM項目には「「脊椎麻酔後の患者」や「救命等に係る内科的治療後の患者」が追加されています(関連記事はこちら)。これについては楠岡議長、神野副議長ともに厚労省の考えを高く評価。内科的治療の具体的な中身は明らかにされていませんが、神野副議長は「通知などで示されることになるが、広く認めるべき」との考えを述べました。

 ただし、重症患者割合を例えば25%に引き上げる点については、依然として「厳しい」との考えも示しています。

地方では「地域包括ケア病棟が複数必要」な大病院もある


 ところで短冊では、地域包括ケア病棟の見直しも明らかにされています。

 そこでは500床以上の大病院やICUなどを持つ病院では、地域包括ケア病棟は1病棟しか設置できないこととされました(関連記事はこちら)。この点について神野副議長は、「地方で、その病院しかないというところでは、複数の機能の病棟を設置せざるを得ない。そういった点も考慮して今後(通知などを)検討していく必要がある」との考えも述べました。

 さらに、地域包括ケア病棟で手術・麻酔が出来高になることが明確にされましたが、この方針に対して「看護配置の薄い地域包括ケア病棟で手術・麻酔をすることは、(医療安全などの面で)本末転倒にもなりかねない」と指摘し、注意深く今後の動向を見ていく考えも述べています。


 なお28日の記者会見では、来年度(2018年度)から、神野副議長が日病協の議長に就任し、副議長には全国公私病院連盟(公私病連)から選出されることも報告されました。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H7N_Y6A120C1CR8000/
厚労省、死亡例すべて報告義務 特定機能病院の要件に
2016/1/28 23:48 日本経済新聞

 厚生労働省は28日、すべての死亡事例を院内の医療安全管理部門に報告するよう義務付けることなどを柱とする、高度な医療を提供する特定機能病院の新たな承認要件をまとめた。第三者が過半数を占める監査委員会の設置も求めた。

 東京女子医大病院や群馬大病院で深刻な医療事故が相次いだことを受けた措置で、厚労省は4月にも省令や通知を改正。現在大学病院など84ある特定機能病院に対し、2年後までに新要件を順守していくよう求める。

 国は年1回の定期検査などで守られているかをチェックし、不備がある場合、承認を取り消す可能性もある。今後、新たに承認を申請する病院は新要件を満たすことが必要になる。

 新要件では、(1)患者の全死亡事例を安全管理部門に報告し、必要に応じて検証して病院長に伝える(2)同管理部門に原則として就業時間の8割以上を安全業務に従事する専従の医師と薬剤師、看護師を配置する――ことなどを義務化する。

 医療安全の専門家や法律家ら利害関係のない第三者が過半数を占める監査委員会を設けることや、難易度の高い新たな医療技術を導入する際に適否を確認する部門を設けることも求めた。

 特定機能病院は医療法に基づき、集中治療室(ICU)を整備するなど高度医療を提供する能力があるとして厚労相の承認を受けた病院。診療報酬が加算される優遇措置がある。



http://www.medwatch.jp/?p=7433
改善効果の低い回復期リハ病棟、疾患別リハを1日6単位までに制限―中医協総会
2016年1月28日|2016診療報酬改定ウォッチ Medi Watch

 入院時点と退院時点のADL改善度合い(効果)を見て、リハビリの効果が低い回復期リハビリ病棟では、疾患別リハビリ料の算定を「1日6単位まで」に制限する(通常は1日9単位まで算定可能)―。こういった見直し案の詳細が、27日の中央社会医療協議会・総会に示された短冊から明らかになりました。

 リハビリの効果は次のような式で計算し、それが水準以上かどうかを判定します。

 Σ【回復期リハ病棟から退棟した全患者の入院時FIM運動項目得点-退院時FIM運動項目得点】÷Σ【回復期リハ病棟から退棟した全患者の退棟までの日数÷状態に応じた上限値】

 中医協委員からは「早期の結果検証が必要」との意見が出ています。

リハの効果出にくい人を計算から除外し、クリームスキミングを防止
 回復期リハビリ病棟では、1日当たり9単位までの疾患別リハビリ料を算定でき、また1日6単位の疾患別リハビリ料を算定する場合にはリハビリテーション充実加算も算定できます。

 こレまでの中医協論議では、「一部の病院では効果を考えずに、多くの入棟患者にリハビリを過度に提供している」可能性が浮上し、厚労省は「効果の低いリハビリを提供している回復期リハビリ病棟では、1日当たりに算定できる疾患別リハビリ料を6単位までに制限する(6単位を超過する部分は、入院料に包括する)」との考えを示しました(関連記事はこちら)。短冊では、具体的な考え方が明らかにされています。

 まず「効果」の判定方法ですが、次のような計算式で「効果」を測定し、これが今後定める基準値以上かどうかで判定します。

 Σ【回復期リハ病棟から退棟した全患者の入院時FIM得点-退院時FIM得点】÷Σ【回復期リハ病棟から退棟した全患者の退棟までの日数÷状態に応じた上限値】

 ただし、高齢者や認知症患者など、リハビリの効果が出にくい患者もいます。しかし、こうした患者にも十分なリハビリを提供することが必要なため、厚労省は次のような人を「計算式の分母から除外できる」ことも明らかにしました。具体的な数値は今後を待たなければいけませんが、一般に「リハビリの効果が出にくい」患者が網羅されており、クリームスキミングは避けられるものと考えられます。

●分母から必ず除外する

・回復期リハビリ病棟入院料を一度も算定しなかった患者

・在棟中に死亡した患者

●分母から全数除外できる

・「高次脳機能障害の患者が一定割合以上入院している医療機関」に入院する高次脳機能障害患者

●分母から一定割合を除外できる

・FIM運動項目得点が一定以下

・FIM運動項目得点が一定以上

・FIM認知項目得点が一定未満

・一定年齢以上の高齢者

 このほか「FIM運動項目得点が1週間で急激に低下した患者」については、低下の直前に退棟した、と扱うことも可能です。

 なお、「脳血管疾患などの患者で、発症後60日以内」の患者については、早期の集中的なリハビリが必要なため、今回の制限は適用されず、1日6単位を超えて算定することが可能とされています。

 この制限の適用時期は決まっていませんが(2月中旬に確定)、「今年(2016年)4月1日以降に入院した患者」が対象になることは明確にされました。なお、短冊では「過去6か月間に回復期リハビリ病棟入院料を算定した患者が一定数未満の場合」を除外する規定が設けられているため、
には

このアウトカム指標に基づく制限措置は大きな影響を医療現場に与えると見られており、中医協では猪口雄二委員(全日本病院協会副会長)や万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)から「早期の結果検証が必要」との意見が出されています。

回復期リハにおける「リハ提供の効果」の測定方法、効果の出にくい患者を除外する規定も整備されている
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 また、リハビリ効果の低い回復期リハ病棟については、6単位を超えるリハビリ提供量(包括され、出来高で算定できないリハビリ提供量)を、リハビリテーション充実加算の施設基準を満たすかどうかの判断に用いることはできません。事実上、リハビリテーション充実加算を算定できない(極めて困難)ことになります。


早期リハ加算・初期加算の起算日などを整理
 このほかリハビリについて、次のような見直し項目の詳細が明らかにされています。

▽回復期リハビリ病棟の専従医師が、病棟業務以外の業務を行う場合の「体制強化加算」を新設する

▽疾患別リハ料の早期リハビリ加算・初期加算の算定対象を「急性疾患、手術、慢性疾患の急性増悪」患者に限定する

▽心大血管疾患リハ、呼吸器リハについて、早期リハビリ加算・初期加算の起算日を「発症、手術もしくは急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早いもの」と見直す

▽脳血管疾患等リハ、運動器リハについて、標準的算定日数の起算日を「急性疾患、手術、慢性疾患の急性増悪」患者はそれぞれの日から、それ以外では「最初に診断された時点」に見直す(関連記事はこちら)

現在、発症から時間が経っていても、「治療開始日」から起算した一定期間は初期加算・早期加算を算定できてしまう
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▽廃用症候群に対するリハを脳血管疾患等リハ料から独立させる。施設基準は脳血管疾患等リハの施設基準と同様とするが、専従の常勤理学療法士・作業療法士について、他の疾患別リハとの兼任を一定程度可能とする(関連記事はこちら)

▽要介護被保険者への維持期リハビリ(運動器、脳血管疾患等、廃用症候群)については、介護保険への移行を「2018年度から」に延期するが、減算規定は厳しくする(支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)らは、延長を強く批判し、減算を厳しくするよう強く求めている)(関連記事はこちら)

▽脳血管疾患等・運動器・廃用症候群リハを受ける要介護被保険者などに対し、目標を設定した上で、予後の見通しなどを説明し、リハビリとの関係を説明することを評価する「目標設定等支援・管理料」を新設する

▽脳血管疾患等・運動器・廃用症候群リハを受ける要介護被保険者などに対し、標準的算定日数の3分の1が経過しても、一定期間内に「目標設定等支援・管理料」を算定しない場合には疾患別リハ料が減算される

▽リンパ浮腫に対する治療を充実するため、リンパ浮腫複合的治療料を新設する。2年間にリンパ浮腫の治療を5例以上診療した常勤医師1名、リンパ浮腫について適切な研修を受けた専任の常勤看護師などが1名勤務していることなどが必要。対象となるのは、一定のがん手術後にリンパ浮腫に罹患した病気分類I期以降の患者で、II期以降の患者は「重症者」とされ、より高い点数の算定が可能となる。重症者では月1回(治療開始月と翌月のみ月2回)、それ以外の患者では6月に1回、所定点数が算定可能(関連記事はこちら)

新設される「リンパ浮腫複合的治療料」の算定要件と施設基準案
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▽ADL維持向上等体制加算について、「専従・専任を含めた5名以下の常勤理学療法士を定め、そのいずれかが実際にその病棟で6時間以上勤務する」「自宅などの環境を把握して、退棟後のリスクを多職種カンファレンスで共有する」「必要に応じて機能予後に対する患者の理解を多職種カンファレンスで共有する」「必要に応じて患者の希望を多職種カンファレンスで共有する」ことを施設基準として追加し、点数を引き上げる(関連記事はこちら)

 なお、ADL維持向上等体制加算について、「予定手術患者では必然的にADLが低下してしまう」点を考慮し、解釈通知などで一定の配慮が行われる見込みです(関連記事はこちら)。

  1. 2016/01/29(金) 06:18:45|
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