Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月26日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/394053
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制、大学は地域医療に配慮を - 池田康夫・日本専門医機構理事長に聞く◆Vol.1
地域全体での専攻医育成を期待

2016年1月26日 (火)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度の新専門医制度の開始まで1年強。2015年12月からは、研修プログラムの申請受付が始まるなど、準備が具体化しているが、同時に専門医研修のあり方が変わり、大学病院をはじめ、大規模病院に専攻医並びに指導医が集中し、地域医療への影響を懸念する声も出ている。

 日本専門医機構理事長を務める池田康夫氏に、現場から挙がっている懸念やその対応を中心に、新専門医制度の準備状況についてお聞きした(2016年1月13日にインタビュー。計3回の連載)。

――日本専門医機構では2015年後半、各地域で説明会を開催したとお聞きしました。

 今、新専門医制度の準備は、正念場を迎えていると思っています。情報提供のために、昨年9月から12月かけて、新制度に関する説明会を北海道、東北、関東、北陸、中部、関西、中四国、九州という各ブロックのほか、要請があった県などでも開催しました。地方厚生局に案内をお願いし、大学病院、基幹施設の候補となる病院、医師会、行政の方々に集まってもらいました。各ブロックで、300~400人くらいの出席がありました。我々機構側が、新制度の概要や研修プログラムの作成方法などを1時間半にわたり説明、残り1時間あまりが質疑応答の時間でした。

――質疑応答の中で、最も多かった質問は何でしょうか。

 さまざまな質問が出ましたが、多かったのは、新専門医制度が地域医療の混乱を招くのではないか、という懸念の声です。

 新専門医制度では、研修プログラム制を採用、基幹施設を中心に、連携施設とともに研修施設群を構成して、そのプログラムを実施します。基幹施設は、各地域の大学病院のほか、国公立などの大規模病院が中心になるでしょう。連携施設になるには、指導医と一定の症例数が必要。結果的に専攻医、また指導医も、各地域の都市部に集まり、地域の中小の病院で医師不足が起きるのではないかと不安視する声が聞かれます。

 こうした懸念を払拭するため、我々は、基幹施設、特に大学病院には、その地域全体を俯瞰し、資格のある地域の施設と連携して研修プログラムを作ってもらうことを求めていますし、全国医学部長病院長会議でも理解していただくようにお願いしています。また各領域の研修プログラムをどのように作成するかについて、行政や医師会、大学病院などが集まって協議する場を各地域で設け、地域全体で専攻医を育成する体制を構築するよう求めています。これらの要請を盛り込んだ通知を2015年11月18日に、都道府県、全国の大学病院をはじめ、関係者に配布しました(資料は、機構のホームページ)。

――連携施設も、一定程度、大きな施設を想定されているのでしょうか。

 特に外科などは、設備が整い、症例数が多い施設でなければ、手術のトレーニングはできず、連携施設になることは難しいでしょう。これに対し、内科については、指導医がいない地域の中小病院や診療所でも、基幹施設と上手に連携を取れて、研修の質が保証できる体制を構築できれば、連携施設になれる仕組みを作っています(『新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」』を参照)。領域によって多少異なりますが、専門研修プログラム整備指針に記載がなくても、運用上、内科と同様の考え方で研修施設群を作ることも可能と考えています。

――関係者の「協議の場」ですが、当初から想定していたのか、それとも説明会などで地域医療への影響を懸念する声を受けた対応なのでしょうか。

 研修施設群を構成する新制度においては、「協議の場」があった方がいいという話は以前からありました。実際に説明会において、地域医療への影響についての質問が非常に多かったので、各地域で設置するよう要望した経緯があります。既に「協議の場」を設置済みなのは北海道。道内の3大学医学部・医科大学、医師会、行政、基幹施設などが参加し、適正に研修プログラムを配置させるための議論をしている最中です。

――先の11月の通知では、「無理な申請は、開始早々に修正を行わざるを得なくなる、あるいは研修プログラム廃止の原因にもなり、専攻医およびその地域に深刻な影響を及ぼす危険性があります」などと記載されています。何らかの問題となる動きがあったのでしょうか。

 実際にクレームが来たこともあります。例えば、ある地域で、大学病院が、研修施設群を作るとします。同じ地域で領域によっては基幹施設になれる病院に対して、「大学の連携施設になってほしい。基幹施設として手を挙げるのであれば、大学としては協力できない」などとプレッシャーをかけるケースです。昔ながらの医局の権限を振りかざす例が皆無ではないようです。

 今回の新専門医制度では、各領域の専門的な実のある研修はもちろんのこと、「地域医療を経験する」と「リサーチマインドを涵養する」という二つの到達目標があります。大学病院では、地域医療は経験しにくいので、いろいろな施設と連携することが、研修プログラム作成の観点からも求められます。また大学病院は、先進医療の推進だけでなく、医育機関として人を育て、また地域医療を守る役割も担っています。全国医学部長病院長会議でも、研修施設群の構築に当たっては、地域医療に配慮するよう求める通知を、全国の大学に出す予定と聞いています。

 一方で、規模が大きい病院でも、大学病院から医師を派遣してもらっている配慮から、基幹施設に手を挙げないケースもあるようです。基幹施設になれば、その施設のレベルが上がることが期待されるため、大学病院以外にも、基幹施設として手を挙げてもらいたい。大学病院が専門医研修の中心になっていくことが予想されますが、各地域でそれ以外の基幹施設を育てていくことも大切です。

――研修プログラム制は、最初から研修施設先を決める仕組みです。国立がん研究センターなどから、基本領域の研修の途中でも「がん領域に関心を持ち、研修を受けたい」と思った場合に、短期間研修を可能にするなど、柔軟的な運用を求める声が出ています(『新専門医制、「がん」研修に支障も - 堀田知光・国立がん研究センター理事長に聞く』を参照)。

 6つのナショナルセンターからは、2015年12月に要望書を受け取っています。ナショナルセンターは、人を育てる施設として非常に重要。ただ特に、国立循環器病研究センターや国立がん研究センターは、特定の診療領域に特化しているので、基幹施設になりにくいのは確かです。大学病院など、他の基幹施設とうまく連携を取り、役割を果たしていただけたらと思います。とはいえ、全ての施設とあらかじめ連携施設の契約を結ぶのは難しい。例えば、東大での外科の研修プログラムを運用する際に、東大の連携施設となっていなくても、「6カ月間、がん研究センターで研修したい」という希望が出た際には、プログラムの責任者がそれを認め、日本専門医機構に届出を行ってもらえれば、短期研修は可能だと考えています。

 また、基本領域の研修プログラムは3年が基本ですが、実際には3年で終わらない人もいると予想されます。妊娠や出産などで研修を中断せざるを得なかったり、あるいは思ったように研修が進まず、4年や5年かかるケースもあり得ます。やむを得ない事情で勤務地の異動を希望することも想定されます。こうした際にも、フレキシブルに対応し、研修の中断や延長を行うほか、プログラム責任者が研修内容が同等であると判断した場合には、他の研修プログラムに移ることも考えられます。要するに、研修プログラムで規定した内容を、カバーしてくれればいい。期間等を問わず、研修プログラムを修了した時点で修了証が得られ、各領域の専門医試験を受験してもらうことになります。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0126038293/
車の運転中止で高齢者の抑うつが2倍
システマチックレビュー

2016.01.26 MEDICAL TRIBUNE

 社会の高齢化に伴い,高齢者の自動車運転に関する問題が注目されている。日本では2014年から施行の改正道路交通法で,医師による認知症患者への自動車運転の中止に関する説明や当局への任意の届け出制度などが始まっている。米Columbia University Medical CenterのStanford Chihuri氏らは,高齢(55歳以上と定義)運転者の自動車運転中止による健康影響を検討した報告のシステマチックレビューを実施。運転中止例の非中止例に対する抑うつ症状のオッズ比が約2倍に上ることなどを報告した(J Am Geriatr Soc 2016年1月19日オンライン版)。

長期療養施設への入所リスクは5倍に上昇の報告も

 自家用車を持つことや自動車運転が高齢者の自立や生活満足度に強く関連するとの報告は多いとChihuri氏ら。一方,先進国では人口の高齢化に伴い,高齢運転者の増加と加齢による運転能力の低下による影響が研究課題として注目されている。高齢者の健康状態と運転中止は互いに密接な因果関係があるが,運転中止に伴う実際の健康影響を網羅的に検討した報告は少ないと同氏らは指摘している。

 今回,同氏らは55歳以上の運転者を対象に運転中止者と現運転者の健康指標を比較した横断またはコホート研究,症例対照研究のうち,導入基準に合致した16件の報告を抽出。運転中止は全体的な健康状態や身体機能,社会機能,認知機能の低下の他,長期療養施設への入所リスクが5倍近く上昇するとの報告や死亡リスクの上昇との関連を示した報告もあった。

 運転中止と抑うつ症状の関連を検討していた5件の報告を統合した解析では,高齢運転者の運転中止の非運転中止に対する抑うつ症状のオッズ比は1.91倍(95%CI 1.61~2.27)であった。

 同氏らは「高齢者が自動車運転を中止する際には健康状態への悪影響も考慮すべき」と結論付けている。ただし,先行研究では,自動車運転に変わる交通手段の使用は運転中止に伴う抑うつ症状の改善につながらないことも報告されているそうだ。こうした課題の解決には,高齢者の可動性や身体・社会機能の維持を支援する有効なプログラムの開発が必要と提言している。
(坂口 恵)

Chihuri, Stanford, et al. "Driving Cessation and Health Outcomes in Older Adults." J Amer Geriatr Soc (2016).
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgs.13931/abstract;jsessionid=5A5133E5BA8298D6803C225DE2E8B299.f01t02



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0126038292/
神戸の病院、生体肝移植10例目も死亡...死者6人に〔読売新聞〕
yomiDr
2016.01.26(2016年1月26日 読売新聞)

 患者の死亡が相次いだ神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)で昨年10月に生体肝移植を受けた10例目の患者が今月、神戸市内の病院で死亡していたことがわかった。

 これで、同センターの生体肝移植10例のうち6人の患者が死亡したことになる。一般に生体肝移植の患者の1年生存率は80%以上だが、同センターでは大幅に下回っている。

 2014年11月に開院した同センターで、15年4月までに行った生体肝移植8例中患者4人が死亡。日本肝移植研究会が診療体制の不十分さを指摘して移植が中断されたが、同6月に独自の判断で再開して行った9例目の患者も手術終了翌日に死亡した。日本移植学会などが同センターに第三者による検証を求め、再び移植は中断された。

 10例目は、同センターが設置した外部委員からなる評価委員会が「体制が概ね備えられている」と判断したとして移植再開を発表してから初の事例。ただ、評価委は、移植を再開する場合は医師の増員などによる体制改善を求めていた。10例目は、その約2週間後に行われた。

 関係者によると、10例目の患者はインドネシア人の成人男性で、移植でつないだ肝静脈の血流に問題があるなどして術後の容体が悪く、入院治療が続いていた。昨年11月下旬に同センターが診療を事実上休止してから近くの病院に転院していたが、今月22日に死亡した。

 同研究会によると、日本で13年までに生体肝移植を受けた患者の1年生存率は83・8%に上る。同センターは、10例のうち5人が移植後1か月以内に死亡、10例目の患者は4か月以内に死亡した。

 10例目の患者の転院先だった神戸市立医療センター中央市民病院は「(10例目の)患者が亡くなったことは事実だが、それ以上のことは申し上げられない」としている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201601/545472.html?n_cid=nbpnmo_mled
私の視点
生体肝移植患者死亡報道の余波で…
「このままだとKIFMECは閉院の憂き目に」
弁護士の山崎祥光氏に聞く

2016/1/22 聞き手は満武里奈=日経メディカル

 生体肝移植を行った7例中4例が術後早期に死亡したと2015年4月に報道されて以降、その動向が注目されている神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)が存続の危機に立たされている。2015年10月に移植を再開したものの、資金繰りがうまくいかず、11月下旬からは事実上、休院状態となっているという。一体、何が起こり、今後どうなってしまうのか――。同センター設立者の田中紘一氏のアドバイザーを務める弁護士の山崎祥光氏に話を聞いた。


やまざきよしみつ氏○2003年京都大学医学部卒業。同附属病院で1年間研修した後に京都大学法科大学院に入学し、2009年に司法試験に合格する。翌2010年に井上法律事務所(東京都港区)に就職し、現在に至る。医療側に立っての医療紛争や医療訴訟を中心に弁護士活動を行っている。

――KIFMEC理事長の田中紘一氏からは、2015年10月に移植を再開し、11例目も予定されていると聞いていました(関連記事)。しかし最近、「閉院へ」といった報道もありました。一体、何があったのでしょうか。
山崎氏 11月下旬から資金繰りがうまくいかなくなり、このままでは移植待機患者さんに迷惑を掛けてしまう恐れがあるため、11例目となる予定だった患者さんや外来患者さんなど、全ての患者さんを他の病院に紹介したとのことでした。11月下旬からは診療を休止しています。現在は、診療再開を目指して、追加融資してくれる支援者を募っている状況です。


――資金繰りがうまくいかなくなったのはなぜでしょうか。
山崎氏 そもそもKIFMECは、2007年に神戸市が示した医療産業都市構想に基づいて設置された医療施設の1つで、2014年11月に開設されました。総合病院である神戸中央市民病院を核とし、その周辺に高度専門病院を作ってネットワークを形成することでアジアの医療拠点となるメディカルクラスターを形成するという構想です。実際には、神戸市が所有している土地を約10社の企業が借りて、その土地にKIFMECの建物をまず建てました。その建物を医療法人であるKIFMECが賃借するという構図で成り立っています。KIFMECは5つの銀行から10億ほどの融資を受け、開院3年後から返済を開始する予定でした。

 しかし、開院から5カ月であのような報道があり、風評被害を受けたことで、患者数は想定の半分以下となってしまいました。本来であれば、診療収入で人件費などを賄えるようになる時期だったのですが、それが難しい状況となってしまったのです。

 追加融資がないため、運転資金が捻出できない状況となり、11月には一部の事務職を残し、医師と看護師などほぼ全ての職員を解雇せざるを得なくなったとのことです。


――閉院の危機を耳にされたときの率直な感想は?
山崎氏 あまりに急な話で、閉院するのはもったいないと強く思いました。

 生体肝移植はもともと難しい治療法ですが、ある程度の成功率を目標にすべきとの考え方もあり、リスクが高い症例は、医師が一歩踏み込まないと移植できないのです。そういったチャレンジが必要な症例に対しても患者さんと家族の要望があれば移植を検討してきたのが田中先生でした。田中先生が移植したことで、死を免れ、現在も元気に生存されている方は複数います。

 KIFMECがなくなってしまうことは、患者さんが生きるための選択肢が減ることを意味しますので、非常に危機感を覚えています。

――山崎先生はKIFMECの顧問弁護士ではないと聞いています。山崎先生が理事長の田中先生をサポートされるようになった経緯を教えてください。
山崎氏 私は京都大学医学部を卒業し、医師免許を持っています。医学生時代の病院実習、いわゆるポリクリの際、田中先生が教授をされる移植外科で1週間ほど指導していただいたのが最初の出会いです。

 実習や研修では様々な科を回りますから、いろんな医師の働き方を目の当たりにすることができます。その中でも特に田中先生は「技術は非常に高く、患者さんのことを最優先に考えている医師」というのが定評で、私もその通りの印象を持ちました。

 例えば、移植を迷っている患者さんにもご自身の携帯番号を伝えておられました。時間の掛かることは部下に任せてもおかしくないとは思うのですが、パイオニアである田中先生自ら、患者さんに携帯番号を伝え、真摯に対応する姿を見て、大変感銘を受けました。

 そんな中、2015年4月には、KIFMECで生体肝移植を受けた患者が術後早期に死亡していたことが報道されましたが、京大時代の知り合いの先生も多く勤務しておられたので気に掛かっていました。その後、日本移植学会と日本肝移植研究会は5月に、生体肝移植施設に求められる体制をまとめた緊急注意喚起を出しました(関連記事)。

 世間の注目を集める中で、6月に再開された9例目の移植は、術直後に患者が死亡。5人目の死亡事例が出たと、またもや大きく報道されました。

 9例目の患者さんの手術は神戸市保健所の立ち入りと報道の影響を受け、予定よりも1カ月近く遅れていたとのことですが、もともと厳しい患者さんの状態は1か月でさらに悪化し手術成功の可能性はより厳しくなっていたでしょう。メディアバッシングと世間の目が厳しく光っているこの状況で手術に踏み切った田中先生は、やはり施設や自身の保身ではなく患者さんのことだけを考えておられるのだと思い知り、いたたまれなくなって田中先生に連絡したのが6月中旬のことでした。さらに、その状況で亡くなられた患者さんのご家族が「移植できたことを感謝する」という趣旨の記者会見をされていたことも、患者さん・ご家族と田中先生たちチームの信頼関係を感じました。

 その後は神戸と東京を往復しながら、田中先生のサポートを積極的に行っています。KIFMECには顧問弁護士がおられますので、私は医療者側の紛争処理などを専門にする立場から田中先生にアドバイスをしてきました。

 開設間もない施設で、残念ながら複数のレシピエントの方が亡くなられたことから、KIFMECでは真っ先に、第三者を招いて移植体制を評価し、より安全な移植のできる体制、継続的に移植体制を確認・改善する仕組みを立ち上げられました。第三者委員会は今年8月に発足され、医療安全の専門家を委員長に据えて生体肝移植、肝臓内科、周術期管理、医療倫理、レシピエント経験者、ドナー経験者ら、外部の専門家10人が参加しておられます。

 計6回開催され、検討した結果、2015年9月時点で「適応評価や移植手術、術中術後経過について専門家のサポートや参加を行うこと、今後の生体肝移植症例の経過を踏まえ、より詳細な体制評価を行うこと」を条件に、生体肝移植の再開ができると結論を出しました(関連記事)。その後、10月に10例目の移植を再開したところでした(関連記事)。


――閉院の危機を聞いた患者さんから声が届いているそうですね。
山崎氏 はい。これまでにKIFMECで移植を受けたことがある患者さんやその家族から2015年の12月末ごろにメールをいただきました。

 胆道閉鎖症で入退院を繰り返していた娘さんがKIEMECで生体肝移植を受けたというKさんのメールには、「(閉院の危機を聞き、)あまりのショックに言葉がありませんでした。今では薬も飲まずに、結婚、出産と順調に過ごしています。あの日あの時に田中先生にお会いできたことで娘の『今』があることに感謝のほかに何もありません。そんな私たちの喜びをこれからの患者家族にも思っていただけると感じていた矢先の出来事。なぜ?の思いと残念としか思えません」とあります。

 また、KIFMECで移植手術を受けたSさんは「生体肝移植を望んでいる患者さんやその家族の方々がどんなにか落胆されているだろうと思うと心が痛みます。脳死肝移植が進まない現状ではKIFMECの閉院は、胆道閉鎖症の子どもたちをはじめ移植でしか命をつないでいけない肝疾患の人々にとっては生きていく道を閉ざされたことにもなります。患者のいのちを救いたいという一心で治療に取り組んでこられた田中紘一先生はじめ、多くの医師の真摯な気持ちがどうして報われないのでしょうか」と訴えています。

 現在は追加融資者が現れるのを待っている状況ですが、現状は厳しく、このままでは早晩、閉院することになるでしょう。多くの患者さんの命を移植で救うことができるはずのこの施設がこのまま閉院になってしまうのは、非常に残念です。追加融資してくれる人が現れることを心から願っています。



http://www.medwatch.jp/?p=7385
2016年1月26日|医療・介護行政をウォッチ
有床診の減少止まらず、2015年11月には7905施設・10万6890床に―医療施設動態調査(15年11月)

2016年1月26日 Medi Watch

 有床診療所の減少に歯止めがかかりません。2015年8月末に8000施設を割り込み、11月末には7905施設となったことが、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。


有床診、前月から22施設・320床減少

 厚生労働省は全国の病院・診療所の増減を毎月調べ、医療施設動態調査として公表しています。

 15年11月末の医療施設総数は、全国で17万8443施設。前月に比べて87施設増加しました。主な原因は「無床の一般診療所の増加」で、無床診は前月に比べて89施設増加しています。有床診の無床化や病院勤務医の開業などが続いていると考えられます。

 病院は8479施設で、前月から3施設減少しています。種類別に見ると、一般病院が7416施設で3施設減少、精神科病院は1063施設で前月から増減なし、都合、3施設の減少となっています。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3842施設(前月から24設減少)、地域医療支援病院は500施設(前月から1施設増加)という状況です。

 有床診療所は7905施設で、前月から22施設減少しました。8月末に8000施設を割り込み、その後も減少にまったく歯止めがかかっていません(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
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有床診療所の減少には歯止めがまったくかからない状況である
 
 地域包括ケアシステムの中では、地域に密着する有床診の機能も重視されていますが、どう確保するのかも考えていく必要があるでしょう。中央社会保険医療協議会では2016年度の次期診療報酬改定に向けた議論が進んでおり、1月13日には、これまでの議論を整理した「現時点の骨子」が取りまとめられました。そこでは有床診療所に固有の項目こそないものの、▽主治医機能を評価する地域包括診療料・地域包括診療加算の対象患者拡大▽処置に関する評価の充実▽診療所型認知症疾患医療センターとかかりつけ医が連携した取組の評価―などが盛り込まれており、これがどのような効果をもたらすのか注目が集まります(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。


有床診の病床数は、1か月に300-400床のペースで減少続く

 病床数に目を移すと、2015年10月末の全病床数は167万2635床で、前月から848床減少しました。

 このうち病院の病床数は156万5671床で、前月に比べて528床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から378床減少して89万3508床に、療養病床も127床減少して32万8732床となっています。平均在院日数の減少や外来シフトによって、病床の必要数は長期的には減少していくと考えられています。

 また有床診療所の病床数は前月から320床減少し、10万6890床となりました。減少ペース(1か月に300-400床減少)が落ちておらず、このまま進めば、2017年初め頃には10万床を切ると予測されます。
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病院の病床数は、大きく見ると減少傾向にある。ここ最近停滞していたが、また減少カーブを描きだした
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療養病床数も緩やかな減少傾向にある。ここ最近はやや増加していただが、2015年11月には再び減少した




http://www.medwatch.jp/?p=7376
地域包括ケアシステムの構築に向け、地域包括支援センターの体制を強化―厚労省
2016年1月26日| 医療・介護行政をウォッチ MediWatch

 地域包括ケアシステムの構築に向けて、厚生労働省はこのほど地域包括支援センターの体制強化や関係機関との連携強化などを進めるために設置運営要綱の改正を行いました。

地域包括ケアシステムの構築に向け、地域包括支援センターの機能を充実する必要がある
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高齢化の進行に伴い、支援センターは適切な人員確保が必要


 地域包括支援センターは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で暮らせるよう「保健・医療・福祉の向上」「介護予防マネジメント」「高齢者からの相談受け付け」などを総合的に行う施設で、各市町村に設置されています。

 設置の根拠は介護保険法第115条の46に規定されていますが、どのような人員体制を整備するのか、どのような運営を行うのか、具体的な業務はどのようなものなのかなどは設置運営要綱(厚労省の通知「地域包括支援センターの設置運営について」)に記載されています。

 ところで厚労省は、地域包括ケアシステムの構築を最重要施策の一つに位置付けており、その一環として2015年に介護保険法の改正を行いました。今般、改正法の趣旨も踏まえて地域包括支援センターの体制強化などをめざし、設置運営要綱の改正を行いました。主な改正点は次の4点です。

(1)「地域包括支援センターの体制強化」を市町村の責務に加える

(2)地域ケア会議の実施に関する内容を加える

(3)関係機関との連携に関する内容を加える

(4)「新しい総合事業」創設に伴う見直しを行う

 (1)の体制強化については、▽適切な人員の確保▽市町村との役割分担・機能強化▽センター同士の役割分担と機能強化▽効果的なセンター運営―に関する規定が置かれました。

 地域包括支援センターの人員は、業務量に応じて配置する必要があります。例えば、高齢化が進展すれば、それに伴って相談件数が増加することが考えられるため、人員増を検討しなければいけません。

地域包括ケアシステムの構築に向け、地域包括支援センターの人員体制などを強化する
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 この点、市町村の行う包括的支援事業・任意事業の上限額については、2014年度までは「介護給付費見込額の2%」とされていましたが、2015年度からは「介護給付費見込額の2%に、その市町村における『65歳以上高齢者数の伸び率』を掛けた金額」に引き上げられています。

 設置運営要綱では、この上限額引き上げの枠組みも活用しながら、適切な人員を確保することを求めています。

包括的支援事業・任意事業について、2015年度から上限額が引き上げられている
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地域全体の課題を解決するために、多職種による地域ケア会議を開催

 (2)の地域ケア会議は、地域の個別事例のうち、地域全体で解決するべき課題をテーマに、多職種で解決方法を検討するものです。Aさんへの介護サービスを行うには大きな課題があり(例えば医療・介護の連携が上手くいっていないなど)、それを解決することが地域全体の介護サービスを向上させるケースなどが代表的でしょう。

 2015年の介護保険法改正で、地域ケア会議の設置・開催が「法律上の制度」(市町村の努力義務)に位置付けられ(法第115条の48)、地域包括支援センターがその運営を担います。

 設置運営要綱では、地域ケア会議の留意点として次のような項目が付加されました。

▽会議で検討するために、必要に応じて関係者に資料や情報提供などの協力を求めることができ、関係者は協力するよう努めなければならない

▽会議の参加者は、正当な理由なく会議で知り得た情報を漏らしてはならず、違反者には罰則がある

▽会議の目的や、管内で統一すべきルールなどを市町村と地域包括支援センターが共有し、センターが抽出した課題(前述の例であれば、医療・介護連携の不足)を、市町村が適切に集約し、課題の活用方法なども併せて提示する

▽地域包括支援センターは、関係機関(在宅医療・介護連携推進事業、生活支援体制整備事業、認知症総合支援事業などを推進する関係者)との緊密な連携を図る必要がある


新たな総合事業の創設に伴い、支援センターの業務内容を整理
 2015年の介護保険法改正では、新たな総合事業が創設されました。これは、高齢者が要介護状態になることを防ぐ(介護予防)ために市町村に実施が義務付けられたもので、要支援者などに対する「介護予防・日常生活支援総合事業」と、すべての高齢者を対象とした「一般介護予防事業」で構成されます。

 この新たな総合事業の創設によって、従前の「介護予防ケアマネジメント事業」が「第一号介護予防支援事業」(前述の要支援者などに対する事業の一環)に変更されます。

 そこで設置運営要綱では、この事業を実施するに当たって地域包括支援センターの業務内容を整理しています。

介護保険法の改正によって「新たな総合事業」が創設された
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http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129472
佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
高齢者の2割にベンゾ処方 118万人調査で判明

(2016年1月26日 読売新聞)

 前回の記事「聖マリアンナの虚言」には多くのアクセスがあり、貴重な情報、証言が寄せられた。続報を近く掲載したい。

 その前に、抗不安薬や睡眠薬の多くを占めるベンゾジアゼピンについて、改めて取り上げてみよう。依存性のあるベンゾを長期服用することで生じる害は、この2、3年で一般にもだいぶ知られ、慎重な処方を望む患者が増えた。以前はベンゾの長期処方の問題を書く度に、精神科医らに陰口をたたかれたものだが、書き続けた甲斐かいがあった。だが、ベンゾに頼り切りだった医師たちが、そう簡単に治療内容を変えられるはずはない。医療経済研究機構の主任研究員、奥村泰之さんらが行った最新の大規模調査で、日本国内のベンゾの処方実態が明瞭に浮かび上がったので紹介する。

66%に1年後も処方


 この調査は、国の科学研究費補助金を受けた「過量服薬の再発予防に向けた大規模レセプト情報を活用した臨床疫学研究」の一環。健康保険組合の加入者約118万人を2012年から追跡し、医療機関の外来でベンゾを処方された人の数などを調べた。その結果、1年間にベンゾを処方された人のうち、13%が2か所以上の医療機関でベンゾを処方されたことが分かった。また、1か所の医療機関でベンゾを処方された人のうち、66%は1年後もベンゾの処方を受けていた。

 118万人のうち、12年10月から13年9月までの1年間に、医療機関(身体科と精神科。歯科は含まない)でベンゾを処方された人は5万8314人。全体の約5%にあたる。118万人の中には、この間に医療機関を受診しなかった人も多く含まれるので、医療機関を受診した人に絞って計算するとベンゾの処方率はもっと高くなる(118万人の中の受診者数や未受診者数は今回集計されていない)。

年齢上がると処方率も上昇

 年代別で見ると、処方率が最も高いのは65~74歳。この年代の健保組合加入者1万7863人のうち、3366人にベンゾが処方されたので、ベンゾ処方率は約19%だ。この年代の高齢者の実に5人に1人が、ベンゾの処方を受けていることになる。

 今回の調査対象は健保組合加入者なので、仕事をリタイアして国民健康保険に加入する高齢者よりも元気な人が多いと考えられる。そのため奥村さんは「高齢者全体でみると、ベンゾ処方率はもっと高くなる」とみている。

 同様に、50~64歳のベンゾ処方率は、18万3259人のうち1万6933人で約9%。35~49歳では、38万1941人のうち2万5241人で約7%。20~34歳では、25万1251人のうち1万184人で約4%。0~19歳では、34万4047人のうち2590人で約0.8%だった。年齢が上がるにつれて高まるベンゾ処方率は、不眠の悩みが多い高齢者への処方の多さとともに、若い頃から数年、十数年、あるいはそれ以上続く長期処方の存在を暗示している。

 日本老年医学会が2015年に改定した「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」には「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」(対象は75歳以上。それ未満でも体力が著しく低下した高齢者は含む)が盛り込まれ、抗精神病薬や抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などと共にベンゾが記載された。ベンゾの主な副作用として「過鎮静、認知機能低下、せん妄、転倒・骨折、運動機能低下」を挙げ、注意を喚起している。

 だが、ベンゾを長年処方され続けた高齢者の中には、減薬すると頭痛や不眠などの苦しい離脱症状が出て、簡単にはやめられない人が多い。こうした長期処方の被害者たちにどう対応するのか。不適切な漫然処方を放置し続けた国や医療界の早急な対応が求められる。



佐藤光展(さとう・みつのぶ)
読売新聞東京本社医療部記者。



https://www.m3.com/news/general/394044
3大学が世界トップ20入り 5千人未満校のランキング
大学 2016年1月26日 (火)配信 共同通信社

 【ロンドン共同】英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は25日、学生数が5千人未満の大学を対象にした今年の世界ランキングを発表し、20位内に日本から東京医科歯科大など3大学が入った。

 東京医科歯科大が12位、横浜市立大が16位、東京海洋大が20位だった。1位は米国のカリフォルニア工科大で、アジア勢では韓国の浦項(ポハン)工科大が4位と最も高かった。

 ランキング作成を担当した同誌のフィル・バティ氏は、小規模な大学では教授や講師のサポートを受けやすいと利点を強調。「規模が大きい大学の方がいいという学生もいるが、小さな規模を選ぶのも正しい選択だ」と指摘し、日本の3大学は「小さな規模でも世界クラスの授業や研究が可能だということを示している」と評価した。

 ランキングは論文の引用頻度や教員スタッフ1人当たりの学生数、留学生の数など13の指標で評価している。



http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160126/evt16012622430076-n1.html
自治医大入試会場に男侵入か 「試験問題の漏洩ない」
2016.1.26 22:43 iza / 産経デジタル

 仙台市内の宮城県自治会館と宮城県庁で、20代とみられる不審な男が職員と称し、夜間に警備員から鍵を受け取って建物内に侵入する事案が連続して起きていたことが26日、分かった。2施設はいずれも自治医大の入学試験に関連しており、県は同一人物の可能性があるとみているが、入試問題の漏洩(ろうえい)はないと説明している。

 県によると、22日午後6時半ごろ、自治会館で、男が実在しない県の部署と職員名をかたって警備員から2階会議室の鍵を受け取った。会議室は25、26日の2日間にわたって自治医大の入学試験会場だった。「入試の準備作業をしていたが、中に新幹線の定期券を忘れた」と話したという。

 23日午前3時半ごろには、県庁で男が実在する職員の名前を言って、警備員から入試事務を所管する医師確保対策室の鍵を受け取り、約1時間、庁内に入った。入試問題は自治会館にも医師確保対策室にも保管されておらず、盗難などの被害もなかった。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47942.html
地域医療支援病院が500施設に- 厚労省
2016年01月26日 20時00分

 厚生労働省は26日、紹介患者の積極的な受け入れなどで、地域の診療所や中小病院を支える「地域医療支援病院」として承認を受けた病院が、昨年11月末までに500施設に達したと発表した。【佐藤貴彦】

 地域医療支援病院制度は、患者が身近な地域で医療サービスを受けられる体制を整備するため、1998年4月にスタートした。紹介状を持って受診する患者の割合(紹介率)などで一定の基準をクリアする病院を都道府県知事が承認し、承認を受けた病院は入院料が加算されるなど、診療報酬上の優遇措置が受けられる。

 厚労省によると、昨年11月に1施設が承認を受け、500施設の大台に乗った=グラフ=。同月末時点の病院数は計8479施設で、その6%近くが承認を受けていることになる。

 地域医療支援病院として承認されるための基準は2014年4月に見直され、より高い紹介率が求められるようになった。承認を受ける際にそれを満たしていない病院や見直し前に承認を受け、新基準に届かない病院は、2年程度かけて改善することになっている。それでも達成できないと承認が取り消される場合もあるため、地域医療支援病院の数には今後も注目が集まりそうだ。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/1000research/201601/545440.html?n_cid=nbpnmo_mled
連載: 医師1000人に聞きました
医師3248人に聞く
発熱でも38℃未満ならば、9割の医師は出勤
「かぜ」で医師が飲むのは葛根湯、ロキソニン

2016/1/25 加納亜子=日経メディカル

 空気が乾燥し、気温が下がるこの季節。かぜ(感冒)を引くのは患者に限らない。医師は自身が発熱や咽頭痛、咳といったかぜ症状(ウイルス性上気道炎)を発症した場合、どう対処しているのか――。

 日経メディカル Onlineの医師会員3248人に、かぜ症状を発症した場合の対処法に関する調査を実施。その結果、58.5%と半数以上の医師が「欠勤せず睡眠時間を十分にとる」と答え、「薬剤を服用する」(52.1%)、「水分を十分にとる」が33.5%。「欠勤・勤務時間を短くして休養する」と答えた医師は12.2%に留まっていた(図1)。

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図1 自身が発熱や咽頭痛、咳などのかぜ症状(ウイルス性上気道炎)を発症した場合の対処法

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図2 かぜ症状で発熱が何℃以上になったら欠勤するか

 次に、何℃以上の発熱を生じたら欠勤するかを尋ねた。最も多かった回答は「38.0℃以上」で34.6%、「38.5℃」が22.1%、「39.0℃」が21.5%と続き、合わせると92.1%。ほとんどの医師が38℃未満の発熱では欠勤していないことが分かった(図2)。

 また、自身のかぜ症状に「薬剤を服用する」と答えた医師に、どの薬剤を服用しているかを尋ねた結果では、解熱・鎮痛剤と答えた医師が47.8%、続いて総合感冒薬42.0%、漢方薬29.0%、抗菌薬18.7%となった(図3)。解熱・鎮痛剤や総合感冒薬、漢方薬を用いている医師が多い傾向が見られた。

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図3 自身がかぜ症状を来した場合に服用する薬剤
回答者3248人のうち、「薬剤を服用しない」と答えた1080人を除外した。

 かぜ症状によく服用する薬剤の具体名を自由回答で聞いた結果では、西洋薬ではロキソニン、カロナール、ムコダイン、PL顆粒を多くの医師が挙げた。漢方薬では葛根湯、麻黄附子細辛湯、麻黄湯、市販薬ではパブロンを挙げる医師が多かった。

かぜ症状によく服用する処方薬とその理由

【西洋薬】

●ロキソニン(385人)
・ロキソニンと葛根湯。通常のかぜ薬は眠くなってしまうから。(50歳代男性、勤務医、脳神経外科)
・ロキソニンとフロモックス。上気道感染を悪化させないため。(40歳代男性、勤務医、形成外科)
・ロキソニンとそのジェネリック。他は特に効くとは思っていないので、とりあえずNSAIDsで熱を下げて、あとは寝て治す。(40歳代男性、勤務医、一般内科)
・ロキソニンが結局無難。(40歳代男性、開業医、泌尿器科)
・ロキソニン。解熱効果が得られ、日中のパフォーマンスをキープできるから。(30歳代男性、勤務医)
・ロキソニン。熱が下がれば仕事はできる。(30歳代男性、勤務医、呼吸器内科)

●カロナール(118人)
・解熱目的にカロナール。かぜのひき始めの体力増強を目的に葛根湯。クラビットは細菌感染を起こしたときに。(30歳代男性、開業医、循環器内科)
・カロナール。倦怠感などの症状を緩和してくれるため。(30歳代男性、勤務医、総合診療科)
・カロナール。解熱・鎮痛剤として無難な薬剤です。(70歳以上男性、病理科)
・カロナールと葛根湯です。高熱が出ては仕事に差し支えるので服用します。かぜの初期症状では葛根湯を利用して、血行を良くします。咳、鼻についてはよほどでない限りあまり服用しません。(40歳代男性、勤務医、一般内科)
・カロナールとアレグラ、クラビットをよく飲みます。鼻水と熱が高いとものを考えられなくなるので。(50歳代男性、勤務医、代謝・内分泌内科)

●ムコダイン(110人)
・ムコダイン、メイアクトです。細菌感染対策に。(50歳代男性、開業医、小児科)
・ムコダイン。黄色痰が出て、痰が切れにくい場合はフロモックスを服用することもある。(60歳代男性、勤務医、一般内科)
・ムコダイン。気道の粘膜を修復するため。(50歳代男性、勤務医、小児科)
・ムコダイン。痰が切れにくいと蓄膿や喘息の再発が心配なので。(50歳代男性、勤務医、精神科)
・ムコダイン。湿性咳嗽がある場合や鼻閉がある場合などに効果があると思うので。(40歳代女性、勤務医、小児科)

●PL顆粒(160人)
・PL顆粒。眠気は出るものの、鼻水等は止まるため。あとはロキソニンも。解熱、鎮痛効果が早く発現するため。(50歳代男性、勤務医、一般内科)
・PL顆粒。比較的早期に服用すればよく効く。(50歳代男性、勤務医、脳神経外科)
・PL顆粒。毎回感じる化学薬品という喉越し感、まれに感じる引きこまれる脱力感、睡魔、薬が効いてる実感が得られるから。(50歳代男性、勤務医、循環器内科)
・PL顆粒。副作用が少ないため。(30歳代男性、勤務医、一般内科)
・PL顆粒。たいていの症状が緩和され、手に入りやすいから。(50歳代男性、勤務医、麻酔科)

●クラリスロマイシン(44人)
・クラリスロマイシン。抗菌作用と抗炎症作用を期待して。(60歳代男性、開業医、循環器内科)
・クラリスロマイシン、PL、ムコソルバン。この組み合わせが自分に合っている。(50歳代男性、勤務医、一般内科)
・重症化予防にクラリスロマイシン。(50歳代男性、開業医、一般内科)
・クラリス。マイコプラズマなときがあるから。(40歳代男性、勤務医、リハビリテーション科)
・クラリス。ウイルス感染に有効であるので。(40歳代男性、勤務医、小児科)


【漢方】

●葛根湯(451人)
・葛根湯などの漢方薬。漢方は免疫力に作用する可能性があると考えているため。抗菌薬はただのかぜでは絶対に服用しない。(40歳代男性、勤務医、一般内科)
・葛根湯と補中益気湯。かぜの初期症状と体力回復によい。(50歳代男性、開業医、一般内科)
・葛根湯。漢方で眠くならないから。解熱、消炎のために消炎剤。(50歳代男性、勤務医、心臓血管外科)
・葛根湯。免疫を上げるため理にかなっているから。桔梗湯は咽頭痛に非常によく効く。小青竜湯は鼻炎、湿性咳嗽によく効く。(30歳代男性、勤務医、総合診療科)
・葛根湯。服用後眠気が少ないのが良いから。PL顆粒は鼻水をすぐ止めたいときに役立つが、眠気・口渇がつらい。(30歳代男性、勤務医、放射線科)
・葛根湯:かぜ症状の初期に服用すると著効する印象があります。鼻炎症状のみでもかなり効果あります。場合によっては倍量服用することも発熱を伴う激しい症状の時は麻黄湯を使うこともあります。(50歳代男性、勤務医、脳神経外科)

●麻黄附子細辛湯(29人)
・麻黄附子細辛湯や参蘇飲。自分自身の証を見て服用すると奏功するため。(30歳代男性、勤務医、精神科)
・麻黄附子細辛湯。悪寒が和らぐから。(50歳代男性、勤務医、精神科)
・麻黄附子細辛湯。初期に服用すれば効く。(50歳代男性、勤務医、眼科)
・麻黄附子細辛湯(喉かぜの切り札)。五虎湯(咳にも有効)。(30歳代男性、勤務医、神経内科)
・麻黄附子細辛湯。体質に合っているから。(20歳代女性、勤務医)

●麻黄湯(55人)
・麻黄湯と葛根湯を一緒に熱湯で内服、1日4~5回繰り返す。(50歳代男性、勤務医、産科・婦人科)
・麻黄湯が効果があり、愛用しています。(30歳代男性、勤務医、麻酔科)
・麻黄湯。これまで試したかぜの中で一番合っていた。(40歳代男性、勤務医、精神科)
・麻黄湯。発汗→解熱により回復が早いから。(50歳代男性、勤務医、麻酔科)
・麻黄湯。たいてい就寝時に飲んでおくと翌朝は治っている。(60歳代男性、勤務医、麻酔科)

【市販薬】

●パブロン(31人)
・パブロン三層錠。なぜかいつも家にある。(40歳代男性、勤務医、一般内科)
・パブロン。安価だから。(40歳代男性、勤務医、小児科)
・パブロン。対症療法に徹する。(50歳代男性、開業医、小児科)
・パブロン。いつも飲んでいるので。(50歳代男性、勤務医、一般内科)
・パブロン。処方箋なしで購入できるから。(30歳代男性、勤務医、放射線科)

調査概要
 日経メディカルOnlineの医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2015年11月15日~11月23日。有効回答数は3248人。

  1. 2016/01/27(水) 05:55:01|
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