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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月12日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/390094
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「大学医局」復権の懸念 - 末永裕之・日病副会長に聞く◆Vol.1
地域医療に支障を来さない配慮必要

2016年1月12日 (火)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度から新専門医制度がスタートする。それに向けた準備が進む中、日本専門医機構は2015年12月から専門医研修に取り組む基幹施設からの「研修プログラム」の申請受け付けを開始した。専門医研修は、基幹施設と連携施設が研修施設群を形成し、取り組むのが基本。その基幹施設になるハードルの高さから、大学病院が中心となり、結果的に大学病院などの大病院に指導医や専攻医の集約化が起き、ひいては地域医療に支障が生じる懸念が、ここに来て高まっている。

 日本病院会では12月、専門医制度の運営において地域医療への配慮などを求める要望書を日本専門医機構に提出した。同副会長で、同機構の理事も務める末永裕之氏(小牧市民病院院長)に、専門医制度に対する考えや要望書を提出した経緯などをお聞きした(2016年1月6日にインタビュー。計2回の連載)。

――日病の会員病院の中には、現在も専門医研修に取り組んでいる病院が多いと思います。新専門医制度については、どんな声が上がっているのでしょうか。

 プロフェッショナル・オートノミーを基盤として、患者や社会からの要求と厳しい評価に耐え得る専門医制度を構築、運営していくという、新制度の理念・基本方針はいいものだと思っています。また現場の医師が自らが持つ専門医資格を公表することにより、周囲から見て何を専門とする医師かが分かりやすくなり、医師自身も自信を持って仕事ができるようになることはいいことでしょう。

 ただし、より良い専門医制度を作ろうと思えば思うほど、専門医取得の条件が厳しくなるという一面があります。この点は当初から想像していました。両者の折り合いをどう付けるかが問題ですが、大学の先生方中心に検討されると、地域医療の実情から離れた制度になる懸念があります。

 2004年度の臨床研修の必修化以降、「大学から地域の病院へ」という医師の流れが出てきており、初期研修だけでなく、日病の会員病院の中には、後期の専門医研修への取り組みを強化した病院も少なくありません。今現実に専門医研修を行っている病院だけでなく、それ以外にも専門医研修の基幹施設になり得る病院もあるでしょう。しかし、日本専門医機構の2015年度予算案が明らかになった頃に、想定されている基幹施設の数はかなり少なく、大学病院が中心に考えられていると予想しました。

 さらに昨夏くらいから、領域別の専門研修プログラム整備基準が出そろってくると、基幹施設の要件が厳しいことが、現実問題として分かってきました。「大学の権限が極めて強くなると、(大学医局の権限が強い)昔に戻ってしまうのではないか」という懸念を私自身だけでなく、皆さんが持ち始めた。大学が地域医療への配慮を考えてくれる地域であれば、問題はないでしょう。しかし、そうではない地域がたくさん出てくるのではないか、要するに「地域医療の崩壊に結び付くのではないか」と皆さんが感じられたわけです。大学病院を含め、大規模病院への医師の集約化が起き得ることが懸念されるからです。

――そうした懸念には、地域差などはあるのでしょうか。

 それはもちろんあると思います。専攻医の養成数は、症例数だけでなく、指導医の数によっても左右されます。またより良い専門医を養成するために、その更新基準も厳しくなることが想定されます。実績重視であれば、例えば外科の場合では、手術数が多い病院の方が専門医資格の更新に有利になる可能性も出てきます。こうした事情を踏まえ、特に、「1県1大学」の地域における中小病院などは、指導医の引き揚げが起きたり、指導医の補充がなされないことを懸念しています。指導医がいなければ、専攻医は来ません。指導医クラスだけでなく、若手の確保も難しくなるわけです。

――「より良い専門医の養成と、地域医療の在り方は別」との考えもありますが、不可分一体であると。

 私自身は、専門医制度を利用して医師の地域や診療科の偏在を是正できれば、という考えを持っています。この考えに反対する方もおられるでしょうが、プロフェッショナル・オートノミーには、当然ながら「セルフ・レギュレーション」も伴います。その中で、地域医療を守る方策が出てこないかと期待しましたが、今は「より良い専門医を養成する」ことが一番の使命であり、医師の偏在是正は行政の仕事ではないか、という議論になっていると思います。

――日病は、専門医制度に対し、これまでどのような働きかけをされてきたのでしょうか。

 まず2015年4月の段階で、四病院団体協議会(四病協)として、(1)研修施設群については、地域の実情を把握した上で多様な施設を認める、(2)日本専門医機構で進む議論についての情報開示と透明性の確保を図る、(3)機構の収支予算の明確化を図る――の3点を要望しています。

 2015年8月には、日病として、会長、副会長をはじめとする役員の78病院を対象に、「新専門医制度に関する意識調査」を実施しました。「新専門医制度で医師の偏在が是正されるか」という質問には、「不明」が26病院で最も多く、「その他」として「期待できない」「悪化する」との回答もあり、「期待できる」は1病院のみでした。病院運営に与える影響も、「ある程度、影響がある」との回答が22病院と最多でした。「残念ながら、医師の地域偏在、診療科偏在に対し、有効に働くようには感じられない。医局の権限が強くなる懸念がある」「専門医資格確保と維持のため、大学病院・大病院と中小病院、都市部と地方などの格差が広がる可能性をどうするか」といった、いろいろな意見が出ました。

「新専門医制度に関する意識調査」(日病による)
◆ 調査概要
 015年8月17日から20日、会長、副会長をはじめとする役員の78病院を対象に実施。回答は49病院。400床以上は27病院(55.1%)、200床未満は8病院(16.3%)。
◆ 主な調査結果
・ 後期研修実施:41病院
・ 大学医局との関係あり:46病院
・ 基幹施設の可能性あり:25病院、連携施設の可能性あり:43病院(重複回答あり)
・ 新専門医制度で専門医レベルの向上が期待できるか:「不明」が21病院で最多、「ある程度期待できる」20病院、「期待できる」6病院、「その他」(期待できない)2病院。
・ 新専門医制度で医師の偏在が是正されるか:「不明」が26病院で最多、「ある程度期待できる」8病院、「その他」(期待できない、悪化する)14病院、「期待できる」1病院。
・ 新専門医制度が病院運営に与える影響:「ある程度、影響がある」22病院、「大きな影響がある」11病院、「少し影響がある」8病院、「分からない」5病院、「あまり影響はない」3病院。
 この調査結果が日本専門医機構の中で話題になった辺りから、機構の理事会の中でも、地域医療への悪影響を意識し始めたように思います。

 10月28日には、四病協として2回目の要望書を日本専門医機構に対して提出しています。(1)機構は基幹施設に対し、地域医療への配慮を求める、(2)連携施設の要件には、地域特性に対する柔軟な配慮をする、(3)医局から独立して運営している病院にも配慮する――という3点を求める内容です。(2)は、民間病院によっては、短時間でも常勤医として認めている場合があり、機構が想定する指導医の常勤要件を満たせない場合について対応を求めるのが趣旨です。

 こうした要望に対しては、日本専門医機構からいろいろな説明を我々は受けています。11月19日には、日本専門医機構が、同機構の社員23団体に対して、研修プログラム作成に当たって、地域医療への配慮を求める通知を出しています(同機構のホームページ。12月3日には各都道府県にも通知送付)。

 それでもなお「多彩なプログラムを拒む状況がある」など、いまだ「残る疑問」があります(表)。大学への入局も、専門医制度とは関係ないとされていますが、大学病院が基幹施設になり、そこで一定期間、研修をする場合、入局していない人が不利益にならない保障はありません。日本専門医機構の中に、専攻医の身分を考える委員会ができてはいますが、基幹施設で採用した専攻医が、連携施設で研修する場合、その身分はどうなるか、給与はどこから出すかなどが決まっていないので、現場の医療機関は困っています。さらに、前期研修への影響も想定され、研修先を選ぶ際に、専門医研修までそのまま残れる基幹施設が有利になることもあり得るでしょう。

新専門医制度をめぐる「残る疑問」(末永氏による)
・ 多彩なプログラムを阻む状況
・ 大学集約、入局強制への懸念
・ 大規模病院への専攻医集中、中小病院が専攻医を確保するのが困難?
・ 前期研修医への影響
・ 地域偏在・診療科偏在の解消は無理
・大都市集中、地域医療崩壊への懸念
・ 専攻医の給与、保障に関しての懸念
・ サブスペシャルティとの関連性は?
・ ダブルボードは困難?



https://www.m3.com/news/general/390053
受給者の過剰処方改善へ 薬剤師訪問、生活保護で 16年度から厚労省
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 一部の生活保護受給者が同じ病気で必要以上に医療機関を受診する「頻回受診」や過剰に薬剤の処方を受ける「重複処方」が問題となる中、厚生労働省は2016年度から新たな防止策を導入する。薬剤師や看護師が受診や処方の頻度が高い受給者の自宅を訪問し健康状態や薬の飲み方をチェック。不要な受診や処方があれば改善を指導する。

 受給者の医療費は「医療扶助」として公費で全額負担。自己負担はなく、生活保護費の半分を占める。病気で働けなくなったために保護を受ける人が多いこともあるが、制度を悪用して大量に処方された向精神薬などを不正転売するケースも問題となっており、増える医療扶助費を適正化するのが狙い。対策費として来年度予算案に2億1千万円を計上した。

 新たな防止策では、毎月、受給者のレセプト(診療報酬明細書)を分析し、同じ病気で月15日以上の通院を3カ月以上続けている人や、同じ月に同じ薬を何度も処方されている人を抽出。

 これまで受給者宅を訪問していた福祉事務所のケースワーカーに加え、病気や薬の知識を持った看護師や薬剤師も新たに訪れる。不要な受診を控えたり安価なジェネリック医薬品(後発薬)を使ったりするよう促す。その後の状況を確認し、改善されない場合は再び指導。糖尿病などの生活習慣病を早期発見し、重症化することも防ぐ。

 厚労省によると、13年度に「頻回受診」が疑われた受給者は約4千人。また12年11月の1カ月間だけで約5200人が必要以上に向精神薬を処方されていた。

 ※生活保護費
 厚生労働省によると、生活保護の受給者や世帯数は年々増加傾向にあり、受給世帯数は昨年10月時点で過去最高の163万2321世帯に上った。2013年度の生活保護費は3兆6300億円で、10年前(2兆3900億円)の約1・5倍。内訳は「医療扶助費」(約1兆7千億円)が47%、次いで食費や生活費などの「生活扶助費」(約1兆2千億円)が34%、家賃や地代に充てる「住宅扶助費」(約5800億円)が16%となっている。



https://www.m3.com/news/general/390115
前薬学部長ら岡山大提訴 解雇処分の無効求め
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 大学教員としての適性を欠くとして、昨年末に岡山大から解雇処分を受けた前薬学部長森山芳則(もりやま・よしのり)元教授(62)と前副学部長榎本秀一(えのもと・しゅういち)元教授(52)が12日、処分の無効とそれぞれ1千万円の慰謝料を求めて岡山地裁に提訴した。

 訴状によると、岡山大は2人が懲戒処分に関する調査委員会に出席しなかったことや、大学に無断で記者会見したことなどを理由として昨年12月28日に解雇処分にした。2人は合理的理由のない処分で解雇権の乱用だと主張している。

 提訴後に記者会見をした森山元教授は、自身が学内の論文不正を告発してきた経緯に触れ「不正をかばうような大学側の行為や今回の処分が許されれば、日本の科学に対する信用は失われ、大学教育に深刻な影響を及ぼす」としている。

 岡山大は部下の教員にハラスメント行為をしたとして2人を2014年9月にも停職9カ月の懲戒処分とし、学部長職と副学部長職を解任している。2人はこの処分についても無効確認などを求める訴訟を昨年1月に岡山地裁へ起こしている。

 岡山大も記者会見し「事実と認められない情報を流し、大学の名誉を著しく傷つけた2人の解雇は相当だ」と反論した。



https://www.m3.com/news/general/390057
不適切な救助で死亡と提訴 富士山滑落事故の遺族
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 2013年、富士山で滑落した京都府の支援学校教諭高橋美明(たかはし・よしあき)さん=当時(55)=が救助した静岡市のヘリコプターから落下し翌日死亡した事故で、遺族が不適切な救助が原因で死亡したとして、市に約9100万円の損害賠償を求め京都地裁に提訴していたことが8日、分かった。静岡市が明らかにした。提訴は昨年12月1日付。

 静岡市などによると、13年12月、京都府の登山グループが富士山頂付近で滑落。消防局のヘリが高橋さんをつり上げる際、誤って3メートル下に落下させた。天候不良などのため救助を中断、当初高橋さんは意識があったが、翌日救助した際は心肺停止状態で、病院で死亡が確認された。滑落で高橋さんを含む男性2人が死亡、男女2人がけがをした。

 静岡市によると、遺族側は「救助器具の選定や、装着の仕方が不適切だったため落下した」と主張。すぐに再救出しなかったため、高橋さんが死亡したと訴えているという。

 市消防局は事故調査委員会を設置し、14年3月、「高橋さんの下半身が防寒シートで覆われ、補助ベルトを使えない状況で、救助器具から腕が抜け落ちた」とする報告書を公表。すぐに救助できなかったことは「気象条件の悪化に加え、過酷な環境下で隊員の体力が消耗しており、断念せざるを得なかった」と説明していた。

 提訴を受け、田辺信宏(たなべ・のぶひろ)市長は8日、「消防職員はできる限りの救助活動をしたと認識しており、提訴は遺憾」とのコメントを出した。



https://www.m3.com/clinical/news/389047
麻酔科医の活躍の場はさらに拡がる
どうなる?10年後、20年後【麻酔】【産婦人科】(基本領域編2)
2016年主要医学会代表者アンケート

2016年1月12日 (火)配信  一般内科疾患産婦人科疾患

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

自動麻酔や安全装置の導入に期待――日本麻酔科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 私の過去30年に渡る「麻酔」という業務との関わりにおける個人的見解になりますが、診断や技術という面では、麻酔薬剤や臨床モニターの開発・改良によって、麻酔の安全性は相当に高まったと考えています。超音波診断装置の進歩によって、経食道心臓超音波診断や超音波ガイド下神経ブロックなど、新たな診断・治療技術の導入も進みました。今後10年の間には、航空機や自動車領域の技術の進歩と同様に、薬剤管理や臨床モニターにコンピュータ技術を用いた自動麻酔や安全装置などが導入され、進化していくことを期待しています。

 一方で、麻酔科医の関わる業務も、社会のニーズに合わせた変革が求められると考えています。高齢社会や医療の高度化、医療安全に対する社会的要望、国民医療費抑制などの問題を鑑みれば、麻酔科医に求められる業務は拡大傾向にあります。術中麻酔から術前術後の管理に至るまで、麻酔科医の担当業務はますます拡がっていくでしょう。日帰り手術や休日入院、入院当日手術、早期退院など、さまざまな形態の入院に対応する周術期管理も求められます。通院レベルでの術前評価や、入院形態に合わせて全身麻酔や区域麻酔を組み合わせるといった対応、早期離床につながる術後管理なども、求められるようになるでしょう 。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 いくら薬剤や診療機器が進歩しても、診療行為の基本は「患者を診て医を施す」です。麻酔科医に限らず、医師の関わる診療行為は「診る、聴く、触る」という基本的な診療技術無くしては成立しません。視診、聴診、触診で基本的所見を取る技術の重要性は決して失われることはないでしょう。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 侵襲的な技術は、技術の発達によってより低侵襲な技術へと置き換わっていくでしょう。従来のマッキントッシュ型喉頭鏡による気管挿管などは減少し、ビデオ喉頭鏡による気管挿管が一般的になってくるだろうと思います。ランドマーク法など盲目的な穿刺による中心静脈路確保や神経ブロックは医療安全の観点からもますます減り、超音波ガイド下が基本になるでしょう。侵襲的なモニタリングである肺動脈カテーテル留置も減少すると思います。より低侵襲なモニタリング技術へと移行していくでしょう。


抗HPVワクチンが再開されれば…――日本産科婦人科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 悪性腫瘍に対するロボット手術
 悪性腫瘍に対する分子標的薬治療、免疫療法
 卵子保存、卵巣保存。倫理的問題が解決されれば卵子に対するミトコンドリア注入療法、あるいは再生医療の応用など。卵巣喪失や卵巣機能廃絶・低下に対する生殖医療
 超音波技術をはじめとする画像診断技術
 胎児治療、胎内手術

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 悪性腫瘍根治手術
 腹腔鏡をはじめとする内視鏡手術
 体外受精・胚移植
 超音波診断技術
 正常妊娠・分娩管理法
 帝王切開術
 女性の健康をライフステージに応じて管理する診療能力

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 良性婦人科疾患に対する開腹手術
 抗HPVワクチンの推奨が他の先進国と同じように再開され、かつがん検診率が向上すれば子宮頸癌、特に浸潤癌の患者数

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



https://www.m3.com/clinical/news/389048
消化管バリウム造影は消える
どうなる?10年後、20年後【放射線腫瘍】【呼吸器外科】(サブスペシャルティ領域編3)

2016年主要医学会代表者アンケート
2016年1月12日 (火)配信  一般内科疾患呼吸器疾患癌

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

粒子線施設の小型化が鍵か――日本放射線腫瘍学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 PETやCTによる分子標的や、低酸素などの画像化をターゲットにした放射線治療。
分割照射中の腫瘍の縮小やリスク臓器の位置変化に合わせて治療計画を即座に対応できる適応放射線治療(adaptive radiotherapy:ART)の実用化。
 粒子線治療施設の小型化、低価格化によるさらなる放射線治療への進出。施設の小型化が進めば、陽子線治療は現在のX線治療に置き替わるかもしれない。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 放射線治療、特に強度変調放射線治療(IMRT)および定位放射線治療(SRT)は間違いなく残るだろう。
Oncologic imagingの診断は、形態だけでなく機能画像が進歩するだろう。
 イリジウム192腔内照射やヨード125組織内照射などの小線源治療もおそらく残る。若手には技術を学んでほしい。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 画像診断に関しては、バリウムを用いる消化管造影は消えていく。
 セシウム針を用いた小線源治療。

肺腫瘍針生検は減っていく――日本呼吸器外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 ハイブリッド手術室を用いた術中ナビゲーションの一般化、およびより低侵襲の胸腔鏡手術の進歩
 癌に対する分子標的療法
 肺移植など臓器移植における拒絶反応の抑制などの薬物療法

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 気管支鏡によるリンパ節生検(EBUS)
 胸腔鏡手術
 肺移植

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 縦隔鏡下の縦隔リンパ節生検
 経皮的な肺腫瘍の針生検

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



https://www.m3.com/clinical/news/389046
「外科医は絶滅危惧種」説は外れた
どうなる?10年後、20年後【消化器外科】【脊髄外科】(サブスペシャルティ領域編2)

2016年主要医学会代表者アンケート
2016年1月8日 (金)配信  消化器疾患神経内科疾患一般外科疾患

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

消化器癌の手術はなくならない――日本消化器外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 癌細胞そのものを捉えようという技術の進展によって、診断技術はさらに詳細に進歩すると予想されます。CTやPETといった現在の技術では、癌細胞がある程度の大きさ(5mm程度)にならなければ癌診断はできませんが、より小さな段階で捉えることができるようになるということです。消化器外科領域の癌手術で克服すべき課題は治療前後の生活の質(QOL)の低下ですが、より小さな段階で癌細胞を捉えることができれば、切除範囲をより少なくすることが可能になり、ひいてはQOLの低下も抑えられます。

 日本ではまだロボット手術は普及していませんが、技術の進歩によって10年後にはより広く使われるように(使われやすく)なるのではないかと思います。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 ひと頃、薬物療法や放射線治療の進歩に伴って癌の手術はなくなり、外科医は「絶命危惧種になってしまうのではないか」と言われました。しかし、外科的切除は最も確実かつ根治的な治療法であり、医療経済的にも有用な手法です。20年後も癌の手術はなくならないでしょうし、急性腹膜炎といった救急疾患に対する外科治療も、診療の要であり続けるでしょう。

 どのサブスペシャルティを選択しても、外科医は一般外科の知識・技術をエッセンスとして学ばなければなりません。これも20年後も変わらないでしょう。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 以前まで胃潰瘍や胃悪性リンパ腫、食道静脈瘤は外科的手術の対象でしたが、現在ではほとんど行われなくなりました。時の流れとともに手術の対象となる疾患構成は変化するものと思います。ヘリコバクターピロリ除菌療法の普及によって10年後には胃癌患者が減っているかもしれませんし、ウイルス性肝炎の減少によって肝癌患者も減るかもしれません。ただし、それらの手術が皆無になることはないと思います。


脊椎の金属固定は減る――日本脊髄外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 脊椎の安定化で、リジッドな金属固定法に替わる技術
 内視鏡の応用

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 顕微鏡外科的な技法

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 転移性脊椎腫瘍
 金属による脊椎固定術

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/200090.html
医師数増も不足状態続く 静岡県内、若手取り込み策強化
(2016/1/12 07:44) 静岡新聞

【図表】人口10万人当たりの県内医師数と県内医師数
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 静岡県内の人口10万人当たりの医師数は193・9人で、2012年の前回調査から4・0%増加し、上昇幅は全国水準(3・1%)を上回ったことが11日までに、県がまとめた14年医療人材状況で分かった。ただ、全国平均の233・6人からは依然大幅な開きがあり、全国順位も40位と医師不足状態が続く。
 まとめでは、14年の県内の医師数は7185人で12年の6967人から218人増えた。14年の全国は29万6845人。

 県は、医学部卒業後の県内勤務を条件に返済を全額免除する奨学金制度を軸に、若手の取り込み策を引き続き強化する。現在策定中の地域医療構想にも「医療従事者の確保・養成」の項目を盛り込み、団塊世代が75歳以上になる25年に向けたあるべき医療体制の構築を急ぐ。
 医師確保策の柱に掲げる奨学金制度は本年度、利用者110人が新たに県内での勤務を開始し、単年度で初めて100人を超えた。

 地域医療の魅力を医学生に伝え、本県に関心を向けさせる取り組みも展開。県内病院の専門研修医25人を「ふじのくに次世代医師リクルーター」に委嘱し、臨床研修病院合同説明会に派遣している。
 また、医師数と同様に不足が指摘される看護職員の人口10万人当たりの数は1043・0人だった。全国順位は前回と同じ41位で改善が見られなかった。看護職員数は県内3万8643人。全国は150万9340人。
 調査対象は医師がすべての資格保有者、看護職員が業務に従事している資格保有者とした。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128936
乳房全摘事故、病理診断前に検体入れ替わる
(2016年1月12日 読売新聞)

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 千葉県がんセンター(千葉市)が乳がん患者の検体を取り違えた医療事故で、取り違えられた患者2人の検体は、医師による採取から病理診断前の保存作業までの間に入れ替わっていたことが8日、病院関係者への取材で分かった。

 検体の保存作業を行った臨床検査技師が病理医に渡した段階で既に取り違えが起きていたことになる。病院側は同日夜、外部の医師や弁護士らが加わった「院内事故調査委員会」の初会合でこうした経緯を説明した。

 今回の医療事故では、30歳代の早期がん患者と、50歳代の進行がん患者の検体を取り違え、早急な手術の必要がない30歳代患者の右乳房を全摘出していた。

 病院関係者によると、乳腺外科の担当医師は2015年10月中旬の同じ日に、2人の患者に針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を行った。約1時間を空けて別々に採取し、それぞれ検体容器に入れた。看護師が患者の名前などを記したラベルを二つの容器に貼った。

 その後、検体容器は同科から病理検査科に一緒に運ばれ、臨床検査技師が翌日、検体を固めたパラフィンブロックを作製する作業を終えた。薄く切り取った診断用の切片はプレパラートに載せて病理医に提出し、病理医は病理診断の結果をカルテに記入した。

 この診断を基に同年12月上旬、誤って30歳代患者に対する右乳房の全摘出手術が行われたが、病院が保存していたパラフィンブロックと、2人の患者から改めて採取した検体の遺伝子検査を行ったところ、ブロックが入れ替わっていたことが明らかになった。

          ◇

 パラフィンブロック 患者から採取した検体組織などをロウ状の化合物「パラフィン」に浸透させ、固めた生体試料。柔らかい組織を固定することで切りやすくなり、長期保存できる。病理医はプレパラート上の薄く切り取った切片を顕微鏡で調べ、がん細胞の状態などを確認する。



http://gigazine.net/news/20160112-cancer-screening-mortality-rate/
「ガン検診で死亡率が低下しているデータはない」と研究者が発表
By Pan American Health Organization-PAHO
2016年01月12日 07時00分00秒 GigaZine

 ガンは1981年から日本人の死因の1位に君臨し続け、非常に恐ろしい病気として認知されています。ガンによる死亡を防ぐには早期発見と早期治療が重要視されており、早期発見のためにガン検診を毎年受診する人がいます。ガンを早期発見して死亡率を減らすためにガン検診があるわけですが、オレゴン健康科学大学医学部のVinay Prasad准教授が「ガン検診が死亡率に影響を与えた証拠はない」と発表し、大きな議論を呼んでいます。

 Why cancer screening has never been shown to “save lives”—and what we can do about it | The BMJ
 http://www.bmj.com/content/352/bmj.h6080

 ガン検診に関する調査を行ったPrasad准教授によると、ガン検診により死亡率が下がっているのは肺ガンなど特定のガンをすでに患っている患者であり、一般的な死亡率は、乳ガン・結腸ガン・前立腺ガンの検診方法が確立された後でも減少したというデータはないとのこと。言い換えれば、ガン検診はすでにガンと診断された患者の死亡率を下げることがあるものの、そのほかの人の死亡率を下げるには至っていないということになります。

 Prasad准教授はガン検診によって発生するリスクについても明らかにしています。例えば、前立腺特異抗原を測定する前立腺がんの検査「PSA検査」では、本来は陰性であるのに陽性と判定された例が多数あり、本来、不必要であるにも関わらず前立腺に特殊な針を刺して組織を採取する「前立腺生検」を受けた患者が多数いるとのこと。前立腺生検は前立腺に多数の針を刺すため、直腸出血や血精液症、血尿といった軽度の合併症をしばしば発症させます。さらに、前立腺ガンと診断された男性患者の中には、心臓発作を起こす患者や自殺する患者がいるなど、ガンの治療による合併症で死に至るケースもあるそうです。

 また、Prasad准教授の調査では女性の約68%が「乳房X線撮影が乳ガン発症の危険性を下げる」、62%が「ガン検診で乳ガンの罹患(りかん)率が半減する」と信じており、さらに約75%が「10年間のガン検診は、女性1000人当たり10人を乳ガンよる死亡から救っている」と考えていることが判明。Prasad准教授によると、ガン検診のデータをどれだけ甘く見積もっても上述のような数値にはならず、ガン検診に過度の信頼を寄せている女性の多さが浮き彫りになりました。

 ガン検診の非有効性を示すデータが医学界で注目を集める中、スイスの国立医療委員会は毎年乳ガン検診を受けることを推薦しない方針を打ち出しました。アメリカでも子宮頸ガン検診の標準頻度が、毎年ではなく2年以上に1回に変更されています。

 Prasad准教授は「ガン検診は、病歴から必要と判断された人にだけ有用になるものであり、検診のメリットとデメリットを患者にきちんと話してから受けるべきで、誰にでも受けさせるべきものではありません」と、安易にガン検診を受けることに対して警告しています。

 ガンの死亡率を下げるためには、治療法の開発や技術の向上などが必要になりますが、新しい治療法や技術の開発には長い時間がかかります。これを考慮すると、早期発見から治療につなげられるガン検診が重要であるのは間違いありません。しかしながら、日本の医療界にもガン検診の必要性や危険性を訴える識者がいるのも事実であり、今後はガン検診に関する議論が進められる可能性があります。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20160112-OYTNT50275.html
成田の医学部校舎起工式
2016年01月13日 読売新聞

 ◆国際医福大、来春開学目指す

 国家戦略特区の枠組みで、国際医療福祉大(栃木県大田原市)が来年4月の開学を目指している医学部の校舎起工式が12日、成田市の京成線・公津の杜駅前で開かれた。来年2月に1期棟(6階)、同12月に2期棟(11階)が完成予定。文部科学省への医学部設置認可申請は3月下旬の予定だが、開学に間に合わせるため建設に着手した。

 同大によると、精巧な人体模型や手術室などを備えた医学教育シミュレーション(模擬訓練)センターを設ける。同大は同センターで行う授業について、「現場さながらの環境で、手術や診察など実践重視で行う」としている。

 海外勤務経験のある国内外の教員を採用する計画で、日本人約400人、外国人約130人の応募があったという。多くの科目で英語を使った授業を行う予定。1学年の定員は140人で、うち20人は留学生などとし、同大は「授業料などの納付金は6年間で1800万円台と、全国の私立大医学部でも安い設定とし、優秀な学生に門戸を開く」とする。

 起工式後、同大の高木邦格くにのり理事長は「地域医療に貢献し、海外でも活躍できる総合診療力を持つ医師の育成を目指す」と述べた。



http://biz-journal.jp/2016/01/post_13263.html
新見正則「医療の極論、常識、非常識」
国民全体が最低限の医療を保障されている今の制度は、恐らく崩壊する

文=新見正則/医学博士、医師
2016.01.13  Business Journal

 新年早々ですが、今日は医療保険制度の話題で盛り上がっています。「極論君」は「医療保険制度は早晩崩壊する」と言い、「非常識君」は「これからは、個人の責任で保険会社が用意する医療保険に加入すればよいのだ」という論調。「常識君」は「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という楽観論です。

 さて、まず医療保険制度について説明しましょう。厚生労働省のHPには、次のように記載されています。
・我が国は、国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現。
・今後とも現行の社会保険方式による国民皆保険を堅持し、国民の安全・安心な暮らしを保障していくことが必要。
 そのHPに掲載されている円グラフを見ると、日本の国民医療費の負担構造(財源別)がわかります。保険料の被保険者分が28.4%、保険料の事業主分が20.2%、国庫が26.0%、地方が12.4%、そして患者負担が12.3%です。つまり保険料として48.6%、公費として38.4%、残りが患者負担で12.3%となります。
 そして概要の図を見ると、75歳以上が1割負担(現役並み所得者は3割負担)、70歳から74歳は2割負担(現役並み所得者は3割負担)、義務教育就学後から69歳が3割負担、義務教育就学前が2割負担と書いてあります。
 医療費は39.2兆円で、患者負担が4.7兆円、保険料が19.1兆円とも書いてあります。39.2×12.3=4.82ですので4.7とならないのがちょっと不思議なのですが、この概要が正しい前提で話を進めましょう。
国民皆保険が崩壊する?

 まず、医療費は年々増加しています。約50年前の1965年は医療費が1兆円を超えた年でした。そして50年経った今、それが40兆円近くに跳ね上がりました。当たり前です。医療は進歩しているからです。医療の進歩はこのまま続くでしょうから、医療費がますます増加することは自明の理です。
 そうであれば、極論君が言うように「今の医療保険制度は早晩崩壊する」というコメントに賛成せざるを得ません。高齢化が進んで労働人口が減少し、そして高齢化による医療費がさらに医療費を圧迫するでしょう。常識君の「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という夢のような理屈が実現するには、医療費の増加を補うほどの経済成長が見込めればいいのです。
 この点に関して私は専門家ではないのでコメントできませんが、雰囲気的にはそんなことは起こりそうにありません。でも起こるかもしれません。

 政府は医療を成長産業にしようとしています。とてもいいことですが、医療が成長産業になるということは、医療でお金が回るということです。つまり、医療費がますます増加するということですから、その発想自体が、国民皆保険が崩壊するということを念頭に置いているとしか思えません。
 そうであれば、非常識君が言うように「各自の責任で、民間保険会社の医療保険に加入すればよい」という立ち位置が実はバランスがよいように思えます。自分の健康は自分で責任を持つということです。高額な医療費が将来必要となったときに、それまで支払ってくれるような保険に入っておこうという発想です。
 その前提には今の医療保険制度は崩壊するか、または国が最低限の医療のみ保障するという体制に変化します。確かにもっともな意見で、なぜ非常識君がこんなもっともな意見を言うのかとかえっていぶかしくなります。
家族が病気になることを想像できない

 大切なことは、健康な時には自分や家族が病気になるとどうなるかということが想像できないという点です。または想像できても、今生きるのが精一杯な人、今食べるのが精一杯な人、今子供の教育費に少しでもお金を掛けたい家庭に、「将来の病気を予測して今から自己責任で保険に入れ」と勧めてもなかなかできないものです。ですから、ある意味強制的に保険料を徴収したり、税金から補填することで社会保障が成り立っているのです。そんな意味でこのもっともな発言は、非常識君の発言としたのです。
 悩ましいですね。国民全体が同じ医療を受けられるという今の制度は限界でしょう。非常識君の発言は確かにもっともで、最低限の医療を国民全体が享受できる、つまり10年前の治療やジェネリック医薬品を用いた医療は国民皆保険で、それよりも新しい医療は自分の責任で民間の保険会社の保険に入るといった制度にならざるを得ないようにも思えます。そんなことにならないように、常識君の夢のような発言が現実となることを祈っています。新年ですから夢と希望を持って、経済のミラクルを願っています。
(文=新見正則/医学博士、医師)



https://www.m3.com/news/iryoishin/390220
55術式、「手術時間の短縮」の成果などを評価
外保連、2016年度改定に向け「外保連試案2016」

2016年1月12日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は1月12日の会見で、「外保連試案2016」を公表、「新しい評価軸」により対応が必要と思われる、帝王切開術など55の手術術式について、2016年度診療報酬改定では重点的に評価するよう求めた。外保連は昨年6月に厚生労働省に対し、同改定に関する要望書を提出しているが、新規もしくは改正要望について、前々回の2012年度改定と同程度の採用率になるようとの期待も表明した。

 外保連会長の岩中督氏は会見でまず、昨年末に決まった改定率について、「薬価引き下げは仕方がないが、診療報酬本体だけは、プラス改定を求めていた」とし、全体ではマイナス改定だったものの、本体では0.49%、医科では0.56%となったことを評価、「何とか低迷を続けている病院経営に、ささやかだが陽が当たったのではないか。外保連としては、外科医の技術に焦点を当て、それなりの評価をしてもらいたい」と求めた(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』を参照)。

 55の術式は、帝王切開術など、2014年度改定で引き下げになったり、実際に要するコストと診療報酬との間に乖離がある術式。「外保連試案」は、人件費や償還できない材料費を基本に費用計算する試案。技術の進歩や術式の工夫などの努力により手術時間が短縮すると、試案点数が安くなってしまう。2014年度改定でその影響を最も大きく受けたのが、帝王切開術(『「手術加算で勤務医の“タダ働き”解消を」外保連』を参照)。人件費等では評価しきれない「+α」の部分を加味するよう求めるのが、「新しい評価軸」だ(『「手術時間短縮で減点」回避へ、今秋に要望』を参照)。

 岩中会長は、「外保連の試案は、科学的なものにするために、ファジーな評価はそぎ落している」と前置きした上で、「外科医が患者の侵襲を軽減するために、努力して手術時間を短くした場合に、診療報酬を下げるのは、プロフェッショナルとして襟を正したことに水を指すもの」と、2014年度改定を問題視。「最近の診療報酬改定では、周産期医療は重点課題に含まれているが、その流れに逆行し、帝王切開術の点数は引き下げられた。手術点数の背景に潜んでいる状況を見てもらうのが新しい評価軸の狙い」(岩中会長)。

 「新しい評価軸」は、緊急度など、当該手術の重要性を「見える化」するための指標で、5つの評価軸から成る(表)。帝王切開術は、「3a」と「4」に該当するとされた。ただし、「新しい評価軸」の対象術式に該当した場合に、何%の加算かが必要かは示していない。「外保連の試案点数は、きちんと計算できる形で表している」(手術委員長の川瀬弘一氏)ため、「+α」の評価の点数化は現状では困難なためだ。「どんな形で加味するかは、厚労省に考えてもらいたい」(川瀬氏)。

 「新しい評価軸」での対応を求める術式は、外科系学会から募集。100を超す要望が挙がったという。その中から、論文発表などのエビデンスがあるもの、あるいはエビデンスがなくても外科医らの経験で必要性が認められるものとして、55術式に絞った。「1a」、「1c」、「2」は、「該当術式なし」だった。手術の場合、「2」の医療紛争リスクは避けられないが、個々の手術についてのリスクの程度や紛争処理に係る必要などの検討が難しかったため、該当なしとなった。

手術試案における「新しい評価軸」
1. 手術を行うベネフィットのスコア化の策定
  a. 生命維持・延命効果(該当術式なし)
  b. QOLの維持・改善効果(6件)
  c. 医療資源の有効活用(該当術式なし)
2. 医療紛争リスク(該当術式なし)
3. 手術中の緊急度
  a. 手術時間を短縮することで生命予後の改善が見込めるか、重篤な機能障害(脳性麻痺など)が防げる場合で、エビデンスがあるもの(17件)
  b. 手術時間を短縮することで患者の状態が明らかに改善できる場合で、エビデンスがあるもの(1件)
  c. 手術時間を短縮することで患者の状態が明らかに改善できる場合で、経験的には理解されているが、エビデンスがないもの(12件)
4. 2つの命を扱う手術(8件)
5. 費用対効果(11件)
 「外保連試案2016」、全体では小幅な改訂
 「外保連試案2016」は、手術試案、処置試案、生体検査試案、麻酔試案から成る。

 最も早くから検討が始まった手術試案は、第8.3版に当たる。2014年度改定に先立ち作成された第8.2版からは、180術式を追加、42術式を削除、計3386の術式を掲載。第8.2版では、手術時間の実態調査などを行ったため、大幅な改編になったが、第8.3版は、人件費の単価や材料費などを実態に合わせて調整した程度の改訂なので、試案点数自体は第8.2版と大差はない。

 処置試案は、診療報酬と実際の費用が逆転しているものを中心に改訂。生体検査試案については分類コードを見直した以外の改訂は少なく、麻酔試案についても大きな変更はない。

 外保連の昨夏の要望書は、新設210項目、改正202項目、材料新設・改正47項目の計459項目を盛り込んだ。外保連実務委員長の瀬戸泰之氏は、新規と改正の採用率について、「4年前(2012年度改定)の水準になってくれれば」と期待した。新規項目は、2012年度は218項目で採用率は42%だったが、2014年度は190項目で採用率は23%に下がった。改正項目の採用率も2012年度の48%から、2014年度は27%に減少している。


  1. 2016/01/13(水) 05:49:20|
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