Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月9日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/387204?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160109&dcf_doctor=true&mc.l=138712496
最後に残る医師の役割、「責任取ること」 - 横倉義武日医会長に聞く◆Vol.2
若手も、中堅も医師会を知って触れてほしい

インタビュー 2016年1月9日 (土)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

――2016年には参院選もあります。
 日医として初めての女性の組織内候補として自見はなこ先生を推薦する。新人では政策決定に直接関与することは難しいが、組織内候補の国会議員がいると国会、政府の情報を早く知ることができ、対応を考えやすくなる。同じく日医擁立の参院議員の羽生田俊先生といいコンビになってほしい。

 政治の世界では、2016年にはG7(先進7カ国首脳会議)が日本で開催されて、同時に保健大臣会合がある。各国の医師会と連携して、高齢社会のフロントランナーとして日本の医療を世界に発信していきたい。日本の公的医療保険とアメリカのような民間医療保険のどちらが国民にとって幸せかを議論できれば意義があると思う。

――将来の医療体制という点では、団塊世代が後期高齢者になる2025年はどのように展望しますか。
 テレメディスン(遠隔医療)が進んでいるだろう。現在もアップルウオッチのようなスマートデバイスで心拍数を記録できるようになっているが、さらに一般的になってくるのではと思う。在宅医療がやりやすくなるなど、医療の在り方も変わってくる。

 一方で、医療も介護も最終的には人が人をケアする。ロボット技術やコンピューターによる診断が進んで来るだろうが、電気が使えない時に何もできないようでは困るのでしっかりと研鑽することが重要だ。

――機械化、IT化が進む中で最後まで残る医師の役割は何でしょうか。
 死の宣告を含む、最終的な責任を取ることが医師の役割だろう。

――もし今、医学生ならどの分野に進みますか。
 やはり心臓外科を選ぶだろう。できれば天野先生(順天堂大学教授の天野篤氏)みたいに腕一本でやっていけるようになりたい。彼は、何かあった時は患者に寄り添うという医療の本質を理解している。安心を与えることが医師としての一番の基本で、その上で腕もいいとなれば鬼に金棒。こうした医師の役割は、10年後もロボットに代わることはないだろう。

――今後伸びる診療科は何だと思いますか。
 心の病、神経疾患、認知症など、つまり精神科領域なのでは。また、悪性疾患は原因究明が進み、悪性転化させないようにできてくるだろうが、良性疾患ほど最後まで医師の判断が求められるだろう。

――医学生にアドバイスがあれば、お願いします。
 まずは医師の基本として、患者に寄り添う姿勢を身に付けてほしい。総合的に診察できる能力は全ての医師が持つべきで、そのあとに何らかの専門性を身に付けていけばいい。全ての臓器は奥深いものがあり、興味を持つ分野にまい進してほしい。

 また2015年度から研修医については日医会費の無料化を行った。都道府県でも研修医の歓迎会をやってもらうなど、研修医の方に医師会を知ってもらう機会を増やしている。ぜひ関心を持ってもらいたい。

――中堅医師でも将来への不安が多いのが現実です。
 脂が乗っている先生に対しては、まずは医療に真剣に取り組んでほしいとお願いしたい。医師会への批判を持っている人も多いだろうが、まずは医師会に触れてほしい。医師会は勤務医の先生方への活動も力を入れている。

 医師の専門職集団は他になく、地域で医療をしていく上で行政との交渉や他職種との連携の場が医師会であり、重要な組織であるのは間違いない。批判があれば入会して変えていけばいい。私もかつては地区医師会で若手の会を作ったりして先輩とバトルをしてきた。見聞きすることだけで判断するのではなく、触れて判断してほしい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/389532?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160109&dcf_doctor=true&mc.l=138712498
安倍首相「医療者の誇りと自信を持てる予算確保したい」
四病協・賀詞交歓会に首相や厚生労働大臣ら出席

2016年1月9日 (土)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 四病院団体協議会の賀詞交歓会が1月8日、東京都内で開かれ、安倍晋三首相は2015年末に決まった診療報酬の改定率について「何とかこの会に出席できる水準ではなかったかと思う」とあいさつした。

 会の終盤から参加した安倍首相は約6分間に渡ってスピーチ。アベノミクスによって経済が回復基調にあることや、「GDP600兆円」「出生率1.8」「介護離職ゼロ」の新三本の矢について説明した後、医療分野については「昨年の診療報酬改定率でも色々な議論があったか、何とかこの会に出席できる水準ではなかったかと思う次第」と話し、会場からは笑いが起こった。さらに、「医療に携わる皆さんが誇りと自信を持って、国民の健康を守る仕組みはしっかり守っていきたい。そのための予算を確保していきたい」と話した。

 今年5月に開催される伊勢志摩サミットについても触れ、「保健 が大きなテーマになる。日本の優れた保険制度を世界に広めていくという使命があり、リーダーシップを取って進めていきたい」と述べた。

 会には、自民党からは、塩崎恭久厚生労働大臣や丸川珠代環境大臣、稲田朋美・自民党政策調査会長、宮澤洋一・党税調会長らが参加。野党では、日本共産党の小池晃参院議員が「共産党は皆さんが言いたいことを代弁する。ネットでプラスがいいですよね」と話し、会場から拍手を受けていた。



https://www.m3.com/news/general/389533?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160109&dcf_doctor=true&mc.l=138712501
乳房全摘事故、病理診断前に検体入れ替わる
2016年1月9日 (土)配信 読売新聞

 千葉県がんセンター(千葉市)が乳がん患者の検体を取り違えた医療事故で、取り違えられた患者2人の検体は、医師による採取から病理診断前の保存作業までの間に入れ替わっていたことが8日、病院関係者への取材で分かった。

 検体の保存作業を行った臨床検査技師が病理医に渡した段階で既に取り違えが起きていたことになる。病院側は同日夜、外部の医師や弁護士らが加わった「院内事故調査委員会」の初会合でこうした経緯を説明した。

 今回の医療事故では、30歳代の早期がん患者と、50歳代の進行がん患者の検体を取り違え、早急な手術の必要がない30歳代患者の右乳房を全摘出していた。

 病院関係者によると、乳腺外科の担当医師は2015年10月中旬の同じ日に、2人の患者に針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を行った。約1時間を空けて別々に採取し、それぞれ検体容器に入れた。看護師が患者の名前などを記したラベルを二つの容器に貼った。



https://www.m3.com/news/general/389455
生活保護受給者、後発薬利用6割 医療費の削減効果、45億円超
2016年1月9日 (土)配信 朝日新聞

 生活保護を受けている人が2015年中に使用した薬のうち、割安な後発医薬品(ジェネリック)の割合は63・8%だった。前年より5・1ポイント増え、生活保護費は少なくとも45億円以上の削減になるという。厚生労働省が8日にまとめた実態調査でわかった。

 生活保護の受給者は医療機関での診察料や薬代が無料で、生活保護費のうち医療費にあたる「医療扶助」が半分を占める。この伸びを抑えるため、厚労省は13年5月の通知で、受給者は後発薬を使う原則を徹底。15年度からは「17年中に75%」という使用率の目標を定め、使用を促す計画作りを自治体に義務づけた。

 厚労省は後発薬の有効性に不安を持つ受給者もいるため、16年度から生活保護のケースワーカーに薬剤師や看護師らが同行し服薬指導などをするモデル事業を実施。当初予算案に2億円余りを計上した。(久永隆一)



https://www.m3.com/news/general/389523
遺伝子検査ビジネス:業界団体、認定延期 13社申請、予想上回る
その他 2016年1月9日 (土)配信 毎日新聞社

 病気のかかりやすさや体質を判定する個人向けの「遺伝子検査ビジネス」を手がける業界団体が一定の基準を満たした企業を独自に認定する制度で、認定企業の公表が予定した3月から遅れる見通しとなった。認定を希望する企業からの申請が予想を大幅に上回り、審査に時間がかかるため。団体側は「サービスへの世間の関心が高まっており、慎重に審査を進めたい」と説明している。【千葉紀和】

 遺伝子検査ビジネスは医療目的とは別に、利用者から送られた唾液や口の粘膜などの遺伝子を分析し、特定の病気のリスクや太りやすさなどの体質を調べる。健康維持のきっかけになると期待される一方、科学的根拠のないサービスを提供する業者もあり、認定制度は業界の信頼性を高める狙いがある。

 認定制度は、大手のヤフーやDeNAライフサイエンスなど33企業・団体が加盟するNPO法人「個人遺伝情報取扱協議会」(事務局・東京)が昨年10月に創設。利用者への事前の説明や科学的根拠の明示、個人遺伝情報の取り扱いなど206項目のうち、各企業が扱う部分をチェックする。審査は医療や法律の専門家らでつくる第三者機関が担当する。

 認定は大手数社を想定していたが、団体に未加盟だった企業を含めて申請が相次ぎ、最終的に13社が応募した。全社の審査を終えた後、夏前には認定企業を公表するという。

 ◇ビジネス活況、ITなど1000社参入 「才能分かる」怪しい商品も

 遺伝子検査ビジネスは近年IT企業を中心に参入が相次ぎ、海外サービスの仲介も含めると国内に1000社近くあるとされる。個人がインターネットを通じて数千~数万円の検査キットを購入し、唾液などを入れて送るだけで利用できる手軽な方法が主流で、美容やダイエット目的での利用も広がる。

 一方、内容は業者任せで、子供の才能が分かるなどとうたい文句を掲げて信用性の乏しい事業を展開したり、同じ項目を調べても企業によって結果が大きく異なったりする問題が指摘されている。

 遺伝情報は「究極の個人情報」とも言われ、遺伝子ビジネスを規制している国もある。日本は法規制はなく、昨年末に政府の検討会で、遺伝情報を改正個人情報保護法の対象に位置付けることが大筋で了承された。不適切に取り扱われれば就職や保険加入などでの差別につながりかねず、遺伝子差別を禁止する法制度の必要性も指摘されている。



https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2476815?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160109&dcf_doctor=true&mc.l=138712505
厚労省、がん治療実績を一覧に…病院選びの参考
読売新聞16/01/08

 厚生労働省は新年度、全国のがん治療の拠点病院の治療件数や医師数を一覧表示するシステムを導入する。
 国立がん研究センターのホームページで、利用者が、がんの種類や地域を選び、治療の実績や診療体制を比較できるようにして、病院選びの参考にしてもらう。政府が昨年12月に策定した「がん対策加速化プラン」に盛り込んだ。
 システムは、厚労省が指定する全国約400のがん診療連携拠点病院が対象。ホームページで胃がんや大腸がんなどがんの種類や、進行度、都道府県を入力すると、条件に合った複数の病院の手術件数や専門医資格を持つ医師数、痛みを和らげる緩和ケアチームの数などがまとめて表示される。数が多い順に並べる機能も付ける。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0221332.html
障害者病棟、3月閉鎖 移転方針の登別病院、医師不足や経営難で
01/09 13:29 北海道新聞

 【登別温泉】登別市登別温泉町の独立行政法人地域医療機能推進機構・登別病院(242床)が、長期入院に対応する「障害者施設等一般病棟」(36床)を3月末で閉鎖することが8日分かった。医師不足と経営難を理由としている。近隣地域で入院患者29人の受け入れ先を探し、関係する職員は系列病院に転勤させる方針。

 同病棟は、パーキンソン病といった神経難病や寝たきりの肢体不自由者らを受け入れている。登別市や室蘭市などの高齢者が大半で、数年単位で入院している患者もいるという。登別病院は昨年12月22日、病棟閉鎖を患者と家族に伝えた。

 機構は取材に対し、同病棟を担当した登別病院の院長(整形外科)が3月末で定年退職するため「後任医の見通しが立たず、病棟継続が難しくなった」と説明。病院の経常赤字が年3億円を超えており、経営改善の一環とも話している。



http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016010902100007.html
石川 医師の1/5女性 20年で倍 子育て両立 県支援
2016年1月9日 中日新聞

 全国的に慢性的な医師不足が課題となる中、石川県の女性医師が二十年間で倍増したことが、厚生労働省や県への取材で分かった。医師の総数は微増だが、女性が占める割合は伸びており、いまや「五人に一人が女医」の時代だ。県は、二〇一七年度の開院を目指し、建て替え工事している県立中央病院(金沢市)に女性専用外来エリアを設ける。女性医師の役割がますます高まる中、結婚や出産、子育てをサポートし、職場復帰を後押しする。(前口憲幸)

 厚労省によると、石川県の医師は一九九八年に初めて三千人の大台に乗ったが、その後は増減を繰り返した。二〇一四年は過去最高の三千三百三人となったが、男性医師は年平均で一桁の増加にとどまる。

 一方、女性医師の数は順調に伸びている。九六年まで三百人に届かなかったが、一〇年に五百人を突破。一四年は過去最高の五百七十五人に増え、全体に占める割合は二十年前の10%台から20%に迫る勢いだ。
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 県は〇九年六月、県医師会と連携し「県女性医師支援センター」を開設。女性医師が多い病院で勤務する先輩格の女性医師をメンター(助言者)として委嘱し、身近な相談を受け付けている。子育て支援の情報を提供し、仕事との両立に悩まないよう応援している。

 センターは一〇年から金沢大病院と「女性医師の生き方セミナー」を開催。託児所を用意し、先輩の助言を聞く懇談会も開いている。自由で気楽な雰囲気が好評で、研修医や医学生、男性医師も参加している。

 一方、国も一四年六月に改訂した「日本再興戦略」に女性医師が働きやすい環境整備の推進を明記。団塊の世代が大量退職した後は、女性医師の活躍の場が広がると予想する。

 県医師会理事の辻川弘子医師は女性医師の役割として「男性医師の診察に抵抗がある女性患者の受け皿になる」と強調。乳がんなど女性特有の疾患を挙げて「恥ずかしがらずに診療に入れる環境は極めて大切」とも話し、幅広い団体との連携、意識共有の必要性を説いている。

院内保育望む声

7割 時間外も勤務

 石川県内の女性医師のうち、家庭と仕事との両立に悩む女性医師は全体の約三割に及ぶ。また、約一割が勤務する病院内に保育所や病児保育所の設置を望んでいる。県が二〇一二年十一月に実施した女性医師アンケートで示された。

 アンケートは勤務形態のほか、結婚や育児などを問う内容。二百十四人から回答を得た。

 呼び出しや宿直を伴う職場において、子育て中は34%が業務内容の軽減を希望している。ただ、将来的には半数近くが「常勤」を求めた。約七割が時間外勤務をこなし、過半数が宿直を担当している現状も浮かんだ。

 自由記述の欄には「時間外が当たり前。子どもを保育園に迎えに行くため、職場を抜けるのがストレス」との声も。「妊娠中の同僚が宿直を続けていた」と医師不足の現状を嘆く意見もあった。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160109-00050093-yom-soci
若手医師へき地異動、年収800万増えないと…
読売新聞 1月9日(土)17時38分配信

 東京勤務の若手医師がへき地に異動するなら、年収が800万円近く増えないと満足しない――。

 日本医師会総合政策研究機構の坂口一樹主任研究員と滋賀大の森宏一郎教授が、医学部卒業後10年未満の若手医師1302人を調査し、就職条件の傾向を分析した。医師偏在の解消の参考になると期待される。

 調査は、国公私立の80大学の内科や外科など計1195診療科を対象に実施。年収、所在地、病床数、休日や当直数など8項目の条件が示された架空の求人票を、医師が1人あたり20枚ずつ評価し、就職したいか判断してもらった。

 へき地や離島の勤務は、大都市圏に比べ不人気で、就職先に選ばれる確率は15・1%低かった。現在の勤務地が大都市圏にあるほどこの傾向が強く、へき地の選択確率は東京では23・8%低下し、北海道・東北の低下は6・0%だった。



http://mainichi.jp/articles/20160110/ddm/013/100/004000c
在宅医療
40診療所連携

毎日新聞2016年1月10日 東京朝刊

 首都圏の「在宅療養支援診療所」約40カ所が連携し、24時間の在宅医療を提供する仕組みを4月から始める。

 医師が1人だけの診療所では、夜間・休日も1人で対応しなくてはならないため、在宅医療が広がらない一因となっている。余力のある診療所が夜間など通常の診療時間外の対応を引き受けることで、患者が自宅で最期まで過ごせる環境の実現を目指す。

 東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に在宅医療が主体の診療所を9カ所持つ医療法人社団「悠翔会」(佐々木淳理事長)が中心となる。一般社団法人「次世代在宅医療プラットフォーム」を設立し、連携する診療所を増やしていきたい考え。

 悠翔会は既に外部の13診療所と電子カルテを共有し、夜間・休日対応を担当。連携診療所を年内に約30カ所に広げ、時間外対応を一元化する。当直拠点を4カ所設けて、6000〜1万人の在宅患者に対応する計画だ。

 佐々木理事長は「日中は普段のかかりつけ医が訪問して診療し、夜間は緊急対応に慣れた医師が駆けつける方が患者の満足度は上がる。持続可能な在宅医療の仕組みをつくりたい」としている。



http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160108/med/00m/010/008000c
健康に暮らす孤島の小さな診療所から
島で薬を手に入れるには

太田龍一 / 沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
2016年1月9日 毎日新聞

処方薬も診療所で管理

 病院で医師の診察を受けてお薬を処方された時、病院から処方箋というものをもらうと思います。その処方箋をもって薬局に行き、お薬をもらう。これが今では一般的な流れになっていると思います。病院だけでなく、診療所でもその近くに門前薬局というものがあって、実際に処方薬を受け取るのは診療所ではなく薬局ということが多いと思います。こうすることによって病院や診療所は、たくさんの薬の在庫を抱えることなく、またその管理に時間を取られなくなります。

 しかし、島の診療所はそうはいきません。診療所を受診される全ての患者さんへの処方を診療所内で管理し、実際に処方しています。診療所には医師を含めてスタッフは4人しかおらず、医師以外の3人が手分けをして在庫の把握から注文、運搬まで行ってくれています。薬の在庫が限られるため、診療所では長期分をまとめて処方することは難しく、病状が安定している患者さんでも、月に1回診療所に通っていただいております。

自己流“治療”の危うさ

 島では診療所以外で薬が手に入らないかというと、そうではありません。市販の一般的な風邪薬や整腸剤、湿布薬などを置いているお店があります。薬だけでなく、包帯やばんそうこうなど、県立診療所ではたくさん出せないものもそろえていただいており、とても助かっています。ただ問題は、その薬が本当に患者さんに必要かどうか、症状に合っているかどうかもわからないのに、たくさん服用している場合があるということです。

 私が赴任してからも、せき・たんが治らないので1週間風邪薬を飲み続け、我慢できずに診療所に受診に来た時には重症の肺炎になっていた糖尿病のおばさん▽風邪薬を飲んでいたら徐々におしっこが出なくなった前立腺肥大症のおじいさん▽農作業中に足を傷つけたため市販の傷薬を塗り続け、診療所に来た時には細菌感染が骨まで広がっていた糖尿病のおじいさん−−など、挙げればきりがありません。島の診療所でさえこれだけたくさんの事例があるのですから、都会ではさらに多くの人が自己流の“治療”を続けたために症状を悪化させているのではないかと思います。

患者さんとお店に十分な情報を提供したい

 診療所に行くことで生じる待ち時間、診察・検査などを受ける大変さを考えると、市販の薬でなんとかしたいという気持ちも分からなくはありませんし、なんでもかんでも医療機関を受診したらいいというものではないと思います。

 大切なのは、患者さんそれぞれが自分自身の元々持っている病気の性質を理解し、常にどんなことに気をつければ良いのか、どんな症状があれば市販薬ではなく診療所を受診したら良いのかを知っていることだと思います。そのためには、診療所自体が患者さんに対して十分な情報を提供することが大切です。それをふまえて市販薬を買うように指導することも必要だと感じます。それと同時に、市販薬を売ってくれているお店の方々に対しても、病気の合併症やその悪化のリスクに関して伝えていけるように努力していきたいと考えています。


  1. 2016/01/10(日) 05:41:09|
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