Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2016年1月1日 

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=349720&nwIW=1&nwVt=knd
高知県内で専門医資格取得を 若手定着へ奨学金制度を改定
2015年12月30日08時16分 高知新聞

 高知県は2016年4月、県内で将来医師として働く意思のある医学生向けの奨学金制度を改定する。2017年度から全国で始まる新たな専門医制度を見据え、奨学金を貸与されて医師になった者が、希望する専門医資格を県内で取得できるよう支援する内容。若手医師の県内定着を図る。

 高知県は、医師確保対策として2007年度に「医師養成奨学貸付金制度」を創設。6年を限度に月額15万円を貸与している。

 医師が著しく不足している郡部の医療機関を県が指定。大学卒業後、その医療機関で貸与期間の1・5倍の期間勤務するなどの条件を満たせば、返済は全額免除される。高知県医師確保・育成支援課によると、貸与を受けた卒業生のうち39人が現在県内で勤務している。また181人が在学中で、2016年春からは毎年30人程度が卒業する見通しだという。

 今回の改定では、卒業後に勤務する指定医療機関を、医師が不足する地域以外の医療機関にも広げる。

 具体的には、専門医資格を取得するため高知大学医学部付属病院や高知医療センターなど高知県中央部の基幹病院で勤務した場合でも、返済免除の条件となる勤務期間に一定年数を算入するという。高知県医師確保・育成支援課は「若手医師が中央部と郡部で交互に勤務することで、郡部の医師確保と専門医取得が両立できる態勢を整備したい」としている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H13_R31C15A2CR8000/
在宅医療を24時間提供 首都圏40診療所が連携、4月から
2015/12/31 21:22 日本経済新聞

 首都圏の「在宅療養支援診療所」約40カ所が連携し、24時間の在宅医療を提供する仕組みを4月から始める。

 医師が1人の診療所では、夜間・休日も1人で対応しなくてはならず、在宅医療が広がらない一因となっている。余力のある診療所が夜間など通常の診療時間外の対応を引き受けることで、患者が自宅で最期まで過ごせる環境の実現を目指す。

 東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に在宅医療が主体の診療所を9カ所持つ医療法人社団「悠翔会」(佐々木淳理事長)が中心となる。一般社団法人「次世代在宅医療プラットフォーム」を設立し、連携する診療所を増やしていきたい考え。

 悠翔会は既に外部の13診療所と電子カルテを共有し、夜間・休日対応を担当。連携診療所を年内に約30カ所に広げ、時間外対応を一元化する。当直拠点を4カ所設けて、6千~1万人の在宅患者に対応する計画だ。

 佐々木理事長は「日中は普段のかかりつけ医が訪問して診療し、夜間は緊急対応に慣れた医師が駆けつける方が患者の満足度は上がる。持続可能な在宅医療の仕組みをつくりたい」としている。〔共同〕



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/0101038133/
【2015年 私の3大ニュース】平井 愛山
新春特別企画 2015年私の5大ニュースと2016年の抱負

2016.01.01 Medical Tribune

 2015年はどのような年だったでしょうか。医療を必要とする人々を支援すべく,奔走を続ける先生方も多いことと思います。一方,第三者機関による医療事故調査制度の開始,次々と現れる新薬とジェネリックの躍進など,医療を取り巻く環境の変化を感じる出来事も相次ぎました。Medical Tribuneは医療関係者と医療・医学の最新情報をつなぐ架け橋として,鋭意活動を続けていきます。本企画では魅力あるコンテンツづくりに多大な貢献をいただいている,さまざまな診療科・領域でご活躍の先生たちに,2015年の3大ニュースを語っていただきました。

 先進国の中でも最速のペースで少子高齢化が進むわが国では,医療の構造転換が迫られているが,2015年は始まりの年であった。それを代表する3つのニュース・論文から来る16年を展望してみたい。

1. 新たな専門医制度がスタートへ(http://www.japan-senmon-i.jp/)

 2015年以降の医学部卒業生を対象として,いよいよ新たな専門医制度が始まった。総合診療専門医の導入をはじめとする19の基本領域の専門医を,これまでの各領域の学会ではなく,新たに設置された日本専門医機構が審査認定するのである。この新制度は,明治以来の医療制度のみならず,地域医療の在り方,さらに今後の医学研究の展開に大きな影響を与える,根幹に関わるパラダイムシフトといえるだろう。大学などの医育機関,病院などの医療機関,各地方自治体とその住民,そして製薬企業などの医療関連産業に携わる人々は,新制度の導入が医療の向上につながるよう,智恵を出し合って取り組まれることを強く希望する。筆者は,地域医療を支える総合診療専門医の育成システムづくりを通じて,地域医療の継続性に少しでも貢献できればと願っている。

2. 健保の健康対策に競争導入...成績で負担増減方針(平成27年8月14日讀賣新聞)

 日本の医療制度は,フリーアクセスが可能な点が特徴的な皆保険制度である。少子高齢化,慢性疾患を中心とした疾病構造の変化が進む中,国民皆保険制度を堅持するためにさまざまな取り組みが進められている。この記事は,日本の4大保険者(自治体国保,協会けんぽ,組合健保,共済健保)と医療が連携協働して,糖尿病の透析予防をはじめとする慢性疾患の重症化予防を推進することを伝えている。これは,今までにない政策展開であり,今後の展開が大変注目されると考えている。小生が代表理事を拝命している日本慢性疾患重症化予防学会(略称:JMAP)は,慢性疾患の重症化予防に向けた医療と保険者の連携協働のツールとワークフローを開発し,全国に展開してきた。16年はJMAPにとっても,これまでの各地の取り組みを具体的なエビデンス創出につなげる正念場の年である。

3. 寝たきり予防による介護度の重症化防止の新たな展開:骨粗鬆症治療の集大成か?

 Leder BZ et al. Denosumab and teriparatide transitions in postmenopausal osteoporosis (the DATA-Switch study): extension of a randomised controlled trial. Lancet 2015; 386:1147-55.
 少子高齢化が進み,医療・介護費が急増する中で,最優先の課題の1つが『寝たきり』の防止である。脳血管疾患と並ぶ『寝たきり』の主な要因が,女性では閉経後骨粗鬆症による骨折である。骨粗鬆症の治療法は平成10年代以降,破骨細胞に作用して骨吸収を強力に抑制するビスフォスフォネート製剤が登場して大きく進歩した。平成20年代になって,骨芽細胞に作用して骨生成を強力に促進する副甲状腺ホルモン製剤(テリパラチド)や,破骨細胞に作用するランクル抗体製剤(デノスマブ)が市場に導入され,骨粗鬆症診療は新たな時代を迎えつつある。この論文は,最初にテリパラチドを2年間投与し次いでデノスマブに切り替えて継続することで,これらの治療薬の効果を最大化することができるという画期的な内容であった。筆者もその追試に取り組んでおり,結果が注目される。
 (千葉県循環器病センター内科 平井 愛山



http://www.asahi.com/articles/SDI201512014042.html
診療所の窓辺から
「医は片思い」 降る雪が呼び起こす記憶

アピタル・小笠原望
2016年1月1日07時00分 朝日新聞デジタル


【今月のことば】 先日、名前入りの風呂敷を作りました。風呂敷は自在です。風呂敷のようにお年寄りも思春期も、それぞれに対応できる医療者としての幅広さを持ち続けたいと思います。ただ、ぼくはひとを包むことは好きですが、自己主張をしてどんどん道を切り開いてゆくのは苦手です。それでもいいかなと思っています。

 南国土佐でも、ここ四万十市は雪がよく降る。雪が降るといつもうきうきするぼくを、妻が笑う。雪と言えば、津軽。青森県弘前市で過ごした六年間の学生時代ははるか昔のことになったが、今のぼくの大きな柱になっている。

 「どんなにわめいても騒いでも、春にならないと雪はやまない」、六回の津軽の冬を過ごすあいだに、せっかちなぼくは変わってきた。思い出すのは、雪の夜の光景。郊外電車の駅前の居酒屋のカウンターで、二百五十円の大盛りのイカ刺しと百五十円のコップ酒の一杯で、終電車の時刻までねばった。「さあ」と、暖簾をくぐって外に出ると、横殴りのさらさらの雪が顔にあたる。そして前かがみになりながら、駅のホームを歩いてゆく。

 「これからどう生きてゆくか。どんな医者になるか」を悩む時期に、津軽の自然の中で暮らした経験は大きかった。そんな時期に、ぼくは片思いを続けていた。今の若い人には想像できないだろうが、毎日毎日手紙を書いた。その中には、原稿用紙五枚の手紙もあった。「返事を書こうと思ったら、次から次と来るので……」と、相手からたまにはがきが届いた。そのうちに、書くことでぼくの毎日が成り立てばそれでいいと思うようになった。

 「医は想い、それも片思い」、ぼくは医療の現場で、患者さんを相手にずっとずっと片思いを続けている。津軽での実際の体験がぼくのこころに生きている。これが津軽でなかったら、すさんだこころになっていたかもしれない。津軽の雪のなかだからこそ、ぼくのこころに素直に定着したのだろう。

 この一カ月、四万十川の河口の集落の、九十四歳の患者さんの診察に出向く。家族から「ばあば」と親しみを込めて呼ばれる患者さんは、脳梗塞の再発を起こした。「ばあば」を家で看てあげようと、近所に住む子ども、孫たちが集まった。最初はいい感じだった。

 二週間後、「ばあば」の反乱がおこった。「家族が食べ物に毒を入れている」と、真剣に訴える。「お疲れ様でございます。休みの日にすみませんねえ」と、ぼくにだけは丁寧に接してくれる。疲れ果てる家族、言葉が荒くなる患者さん、点滴をしながらぼくは迷った。

 「無理をしたらいかん、自然な流れがいい」と、本人を説得していったん入院を決めた。「これからはその時に考えよう」、ぼくの楽観を家族に話した。

 その後、「ばあば」は一進一退が続いた。「家に連れて帰りたいと家族が希望したらどうしましょうか」と、入院先の病院の主治医から電話があった。「もちろんいつでもお引き受けします」と、躊躇なく答えた。

 「ばあば」の顔を週末には見にゆこうと思いつつ、ぼくは受話器を置いた。

<アピタル:診療所の窓辺から>
http://www.asahi.com/apital/column/shimanto/

アピタル・小笠原望(おがさわら・のぞみ)
大野内科院長
1951年高知県土佐市生まれ。76年弘前大医学部卒、徳島大第一内科入局。77年高松赤十字病院内科。88年同病院神経内科部長。97年大野内科(旧中村市)。2000年同院長。「かかりつけ医としての在宅医療、神経難病、こころのケア」に、「四万十のゲリラ医者」として活動中。02年から朝日新聞高知版柳壇選者。



http://medley.life/news/item/56696c431e2b9e2007c19b61
日本の健康寿命は世界一〔新年企画〕
GBD2013の解析

from Lancet (London, England)
2016年1月1日 Medley

医学の進歩や経済的発展により、世界の人々はより健康に、より長く生きられるようになっています。日本は長寿の国として知られ、最近のデータによる解析では、男女とも健康寿命が世界で最も長いという結果が出ました。

◆188か国の統計から

この報告は、世界の188か国の人口と病気の統計をまとめた「世界疾病負担研究2013」のデータを使い、いくつかの角度から解析した結果です。

統計をもとに、平均余命と、そのうち病気がなく健康な期間として期待される平均健康余命が計算されました。出生時の平均余命は平均の寿命、出生時の平均健康余命は平均の健康寿命と考えることができます。

◆日本の健康寿命は世界一

得られた2013年の推計値を1990年と比較して、次の結果が得られました。

全世界で、1990年から2013年の間に出生時平均余命は6.2年(95%不確定性区間5.6-6.6)延び、1990年の65.3年(65.0-65.6)から2013年には71.5年(71.0-71.9)となった。出生時平均健康余命は5.4年(4.9-5.8)延び、56.9年(54.5-59.1)から62.3年(59.7-64.8)となった[...]。
全世界の合計で見ると、1990年には出生時の平均寿命が65.3年、平均健康寿命が56.9年でしたが、2013年には平均寿命が71.5年、平均健康寿命が62.3年と、いずれも長くなりました。

国別に見ると、1990年と2013年の比較は次のようになりました。

1990年の平均寿命:
   最も短い国:中央アフリカ共和国、46.9年
   最も長い国:アンドラ、80.7年

1990年の平均健康寿命:
   最も短い国:中央アフリカ共和国、40.4年
   最も長い国:日本、70.2年

2013年の平均寿命:
   最も短い国:レソト、48.3年
   最も長い国:アンドラ、83.9年

2013年の平均健康寿命:
   最も短い国:レソト、42.0年
   最も長い国:日本、73.4年

このように、2013年の日本は平均健康寿命が世界で最も長い国と見られました。

男女別で全世界と日本を比べると次のようになりました。

全世界:
   男性:平均寿命68.80年、平均健康寿命60.59年
   女性:平均寿命74.29年、平均健康寿命64.13年

日本:
   男性:平均寿命80.05年、平均健康寿命71.11年(世界最長)
   女性:平均寿命86.39年、平均健康寿命75.56年(世界最長)

健康を損なう原因として多かった上位10分類は次のものでした。

全世界:
   虚血性心疾患、下気道感染症、脳卒中、腰痛・頸部痛、
   交通事故、下痢症、COPD、早産合併症、HIV/AIDS、マラリア
日本:
   腰痛・頸部痛、脳卒中、虚血性心疾患、下気道感染症、
   肺がん、その他の運動器疾患、糖尿病、感覚器障害、自傷、うつ


世界の中では、日本は経済的に豊かで、医療資源が調い、衛生状態がよい環境にあります。同時に、高収入で長命な国の特徴として、がんや糖尿病に苦しむ人が多い面もあります。

これからの医療と健康を考えるうえで、寿命や病気の頻度についてのこうした統計は、基礎となる非常に重要な情報です。

◆参照文献
Global, regional, and national disability-adjusted life years (DALYs) for 306 diseases and injuries and healthy life expectancy (HALE) for 188 countries, 1990–2013: quantifying the epidemiological transition.
Lancet. 2015 Nov 28 [PMID: 26321261 ]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26321261



http://medg.jp/mt/?p=6388
Vol.001 MRIC 2016年新年にあたり
医療ガバナンス学会 (2016年1月1日 06:00)
上昌広
2016年1月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

明けましておめでとうございます。
2016年を迎え、皆様はいかがお過ごしでしょうか。2004年に始まったMRICは、今年で12年目を迎えます。ここまで、このメールメディアが続いたのは、読者および寄稿者の皆様のお陰です。編集部を代表し、心より御礼を申し上げます。

さて、今年はどんな年になるでしょうか。私は我が国の医療にとって、大きな節目になる年と考えています。

まず、今年は東日本大震災からは5年目を迎えます。5月には福島県相馬市で相馬地方市町村会とWHOが共催してシンポジウムが開催されます。震災から現在に至るまでの様々な経験が研究成果として、発表されるでしょう。

夏には参議院選挙が予定されています。医療を発展させながら、増大する社会保障費とどう折り合いをつけていくか、国民全体で議論されることを期待しています。

昨年、免役チェックポイント阻害剤である「オプジーボ」が承認され、肺がんなど固形癌への応用が進んでいます。これまでの抗がん剤と異なり、この薬剤は高い効果が見込めます。ただ、薬剤費は年間三千万円以上と高額です。全てを保険償還すれば、早晩、国民皆保険は破綻するでしょう。

我々は、有効な薬剤は全て健康保険で利用できるという時代から、保険で償還する治療に優先順位をつけることが求められそうです。これは、一部の患者には有効だが、保険償還できない薬剤が出てくることを意味しています。混合診療の議論が避けられなくなります。社会全体で「大人の議論」が求められます。

医師不足は解決の目途がたっていません。仙台、成田についで医学部を新設するのか、それとも医療業界の要望に応え、医師の養成数を減らすのか、これも今年、大きな決断を迫られそうです。

海外に視点を移せば、グローバル化が加速しそうです。昨年のエボラ感染症のような問題は、今後も繰り返すでしょう。今年は伊勢志摩サミットも予定されています。グローバルヘルスが主要な課題に掲げられています。この分野についても、世界各地で研究が進むでしょう。

我が国の医療は、これ以外にも様々な問題を抱えています。MRICでは、このような問題に対して、現場からの発信をお待ちしています。マスコミや業界誌では報じられない現場のリアリティーを社会に発信する場になればと希望しています。医師、研究者、患者、一般人、立場は問いません。今年も多数、御寄稿頂ければ幸いです。本年も宜しくお願い申し上げます。


  1. 2016/01/02(土) 05:35:04|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<1月2日  | ホーム | Google Newsでみる医師不足 2015年12月31日>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する