Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月24日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/386232
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」
日医、医師偏在の進展を懸念し提言

2015年12月24日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会は12月24日、「新しい専門医の仕組み―地域医療を守るための提案―」を公表した。2017年度からの新制度の開始に伴い、現在以上に医師の偏在が進むことを防ぐために、指導医が在籍していない過疎地の中小病院などでも、一定の要件の下で研修を認めることを求める内容だ(資料は、日医のホームページ)。これらの配慮が失われた場合、「現在の地域医療の機能を大きく損なうことが強く危惧される」としている。

 新専門医制度では、19の基本領域別に、専門研修プログラム整備基準とモデルプログラムが定められる。それを基に、実際に研修を担当する基幹施設が、地域の施設との連携を視野に入れつつ、専門研修プログラムを作成する。この時期に提言を出したのは、各基本領域を担当する学会が現在、各基幹施設からの専門研修プログラムの申請受け付け、あるいはその準備を進めているからだ。

 24日に会見した日医常任理事の小森貴氏は、内科領域の専門研修プログラム整備基準では、「指導医が在籍していない診療所や過疎地の病院等の特別連携施設と定義して、プログラム統括責任者と指導医による管理のもとで1年以内の研修を求め、地域医療やへき地医療の経験を積極的に評価する」と記載されていることを紹介。

 しかし、他の基本領域では、こうした記載がないために混乱が生じているという。例えば、指導医が1人しかいない施設では、何らかの事情で研修施設を休職あるいは異動等をした場合、専攻医は当該施設での研修期間は認められないことになる上、連携施設として認められにくくなることも想定される。その上、指導医数や症例数で専門医研修の在り方が規定されれば、専攻医に当たる卒後3~5年目程度の医師が、基幹病院等に集まり、結果的に地域の中小病院等の医師不足を招く懸念もある。

 日本専門医機構の理事も務める小森氏は、「専門研修プログラム整備基準に記載されていないために、『指導医がいない施設は連携施設になれない』と誤解しているケースもある。内科領域の考え方は、他の基本領域でも当てはまることは、機構の中でも十分に認識されている。指導医がいない施設での研修のあり方について明確に記載しつつ、地域医療の崩壊が絶対に起こらないようにしてもらいたい」と述べた。各基本領域の専門研修プログラム整備基準の大半は既に同機構で承認済みのため、同基準の変更ではなく、基幹施設が専門研修プログラムを作成する際に、今回の提言の趣旨を踏まえることを求めている。

 2013年4月の厚生労働省「専門医のあり方に関する検討会」の報告書でも、「現在以上に医師が偏在することのないよう、地域医療に十分配慮すべき」と記載されている。さらに小森氏は、同報告書で、研修プログラムの作成に当たって、「国や都道府県、大学、地域の医師会等の関係者と十分に連携を図ることが期待されている」と言及していることも紹介。地域全体で専門医に関する連携協議会を発足することが必要だとした。既に北海道では連携協議会が稼働しており、他にも数県準備段階にあるという。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128478
刑務所など矯正施設、医師不足が深刻化
(2015年12月24日 読売新聞)

 刑務所など矯正施設の常勤医師である矯正医官の定員割れが深刻化している。

 受刑者らの高齢化が進み、需要は高まる一方だが、九州・山口・沖縄では定員(47人)の7割しかおらず、常勤医を必要とする30施設のうち7施設は不在だ。こうした現状を踏まえて今月、国家公務員でありながら民間医師との兼業を容易にする特例法が施行。敬遠されがちな現場で、関係者は医師確保に奔走している。

 法務省によると、統計が残る2003年以降、矯正医官は全国的に定員割れが続き、最近は8割に満たない。背景として〈1〉民間医師に比べ、給与水準が2割ほど低い〈2〉医療技術の進歩に取り残される不安〈3〉業務の過酷さに応じた評価を得られない――などが指摘されている。九州・山口・沖縄は、全国統計よりさらに不足している。

 一方、受刑者は全国で60歳以上が約2割を占め、疾病を抱える入所者は6割以上に上る。医官不足に伴う外部の医療機関への搬送は、14年が1096件で10年前より約2割増えた。

 搬送は逃走の恐れを伴うとして受刑者1人に職員3人程度が付き添う規定があり、施設の負担は重い。福岡矯正管区の担当者は「医師不足は危機的な状況」と嘆く。

 こうした事態を受け、国は特例法改正で矯正医官の待遇改善に乗り出した。「公務を上回る公益性」など兼業の条件だった規定を変更し、本人の意向を尊重。手続きも簡略化した。さらに、研修に参加しやすいようフレックスタイム制を導入するなどした。

 法施行を受け、福岡矯正管区は研修医の就職説明会にブースを設けたり、医学生向けの出張講義を開催したりするなどしている。現役医師に対しても、兼業やスキルアップがしやすくなったことをPRする独自のパンフレットを制作し、周知、広報を図っている。

 同管区の大津幸雄・矯正医療調整官は「受刑者らの更生や社会復帰につなげるためにも医官を確保し、健康を維持して罪と向き合う環境を整えたい」と話す。(峰啓)

          ◇

 矯正医官 刑務所や拘置所、少年院などで働く医師で、入所者の診察や治療を行う国家公務員。今年の定員は全国で328人だが、257人(4月1日現在)しかいない。人事院によると、2012年の平均年齢は50.2歳(民間の医療機関で役職のない医師は41.2歳)。募集は各矯正管区が行う。

          ◇

「毎日、気が抜けない」受刑者530人を1人で診察

 受刑者約530人を収容する鹿児島刑務所(鹿児島県湧水ゆうすい町)で矯正医官を務める有村光生さん(52)は、「毎日、気の抜けない状態が続く」と厳しい業務の内容について語る。

 有村さんは2003年、大学病院の医師を辞めて医官として赴任。昨年11月に定員(2人)に戻るまでの約2年間、1人で受刑者を診察してきた。病死や体調の急変があると、深夜に自宅から駆けつけることもある。

 病状が重い場合などで移送が必要でも、受刑者の受け入れを拒む医療機関は少なくない。大声を上げたり、刑務作業を逃れようとして詐病を訴えたりする受刑者もいるなど、特有の事情もある。循環器科、外科や耳鼻科、眼科など幅広い診療を求められ、矯正医官ならではの難しさがあるという。

 刑務所内の診察室は、磁気共鳴画像(MRI)などの先端機器はなく、レントゲンがある程度。医療の最先端からは離れ、給料も大学病院時代からは下がったが、「自分がやめたら困る人が大勢いる。見捨てるわけにはいかないという使命感がある」と強調する。



http://mainichi.jp/articles/20151224/k00/00m/040/132000c
ワクチン
不足懸念が広がる 化血研不正で出荷自粛

毎日新聞2015年12月24日 09時00分(最終更新 12月24日 09時00分)

 血液製剤やワクチン大手の一般財団法人「化学及血清療法研究所」(熊本市)の不正製造を巡り、化血研のシェアが高い九州各地で出荷自粛によるワクチン不足への懸念が広がっている。既に北九州市内では、市医師会が把握できた医療機関のほぼ半数でB型肝炎と4種混合のワクチンが不足か入荷ゼロの状態。販売大手によると、B型肝炎と日本脳炎のワクチンが来年1月にも在庫切れの恐れがあるといい、各県は不安を募らせている。【大場伸也】

 「ワクチンが入荷せず、B型肝炎や日本脳炎の接種の予約は11月中旬ごろから断っている」。北九州市八幡東区の小児科は窮状を明かす。

 市医師会によると22日現在、ワクチンごとの入荷状況を把握できた市内の約90〜130医療機関のうち、B型肝炎と4種混合はほぼ半数、日本脳炎では4分の1程度でワクチンが「不足」または「入荷ゼロ」となっている。「ワクチンを接種できる病院を探している」との問い合わせが相次ぎ、入荷待ちが続く病院もある。また、「化血研のワクチンは接種したくない」と言う人もいるという。

 化血研のワクチンは、日本脳炎▽B型肝炎▽インフルエンザ▽4種混合(百日ぜき、ジフテリア、破傷風、ポリオ)−−などで全国的にシェアが高い。インフルエンザと4種混合は出荷自粛が解除されたが、B型肝炎と日本脳炎は現在も自粛中で入手しにくい。

 中でも九州は化血研製ワクチンのシェアが高く、例えば地元の熊本県では昨年度、日本脳炎ワクチンの約7割を同社製が占め、全国平均の約2倍。化血研によると、九州ではかつて販売会社を通さず卸業者に直接販売していた経緯もあるためシェアが高いといい、出荷自粛の影響を受けやすいようだ。

 長崎県医師会にも複数の郡市医師会から「B型肝炎、日本脳炎などのワクチンが足りない」と相談が寄せられている。大分県は医師会などに不要不急の接種を控えるよう要請した。福岡県は卸業団体などに在庫が少なくなったら連絡するよう求めている。

 厚生労働省はワクチンが不足した場合、県内の地域間もしくは県同士で融通する方針を示しており、「一部で足りない地域は出るが、当面、全国的な供給不足は生じない見込み」としている。だが、B型肝炎と日本脳炎のワクチン出荷がいつ再開されるか分からず、大分県の担当者は「B型肝炎は母子感染防止など緊急性を要するケースもある。このまま出荷自粛が続けばどうなるのかという不安はある」と話す。

 日本脳炎ワクチンは4歳までに3回、9歳で1回、原則公費で接種。B型肝炎は任意だが、標準で0歳児への接種(3回)を自治体に義務づけることが検討されている。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0037071.html
診療報酬改定 患者負担を抑制したい
12/24 08:55 北海道新聞 社説

 政府は、医療や薬の公定価格である診療報酬の2016年度改定で、全体で0・84%引き下げることを決めた。

 計算方法の一部変更があったため、従来の計算方法で算出すると1・03%のマイナスとなる。マイナス改定は8年ぶりだ。

 ただ、医療材料と薬の値段「薬価部分」を1・33%引き下げるのに対し、医師や薬剤師の技術料、人件費となる「本体部分」は0・49%の引き上げとなっている。

 肝心なのは、この改定が患者の窓口負担にどう影響するかだ。

 薬価が下がるのは確実だが、「本体部分」の引き上げをうけた医療行為ごとの報酬は、厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)の来年1、2月の審議で決まる。

 医療費の負担増は家計に直接響く。必要な治療を避けるケースも出かねない。負担の抑制につながるよう、患者本位の視点で議論を深めてもらいたい。

 今回の改定では、薬価引き下げで1400億円の国費を圧縮するほか、安いジェネリック医薬品(後発薬)の価格を下げ、使用割合を引き上げる目標を掲げた。

 大病院周辺の「門前薬局」の報酬引き下げなども盛り込んだ。

 利益率が依然として高い医薬品や調剤薬局のあり方を見直し、価格を抑制するのは当然だろう。

 疑問なのは、厳しい財政事情にもかかわらず、医療機関の収入に直結する「本体部分」をプラス改定した経緯だ。

 来夏の参院選を控え、自民党の有力支援団体である日本医師会など、医療関係団体に配慮したとの指摘が出ている。

 命に直結する医療の報酬が政治的思惑で決まったとすれば、患者不在との批判は避けられない。政府は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 一方、膨張し続ける社会保障費の伸びの抑制は、財政運営上の大きな課題だ。とりわけ、医療費は今後も焦点となってくる。

 今回の改定では「本体部分」の引き上げが決まったが、こうした情勢も踏まえれば、今後の引き下げも視野に入れる必要がある。

 特に、赤字体質が目立つ地方の病院では、成功事例などを参考にした経営努力が不可欠だろう。

 同時に中医協には、開業医に比べて、過酷な勤務を強いられがちな勤務医の待遇改善につながるよう、協議してほしい。

 それが、医師不足が顕著な救急や産科、小児科医などの確保や、地域医療を守ることになる。



http://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201512/0008673531.shtml
胃カメラ洗浄不足、900人検査へ 豊岡の病院
2015/12/24 21:30神戸新聞NEXT

 公立豊岡病院組合日高医療センター(兵庫県豊岡市日高町岩中)は24日、2013年7月~15年10月に人間ドックなどで使った胃カメラの洗浄で、洗剤の使用期限切れなどがあった、と発表した。消毒などはされていたためウイルス感染の可能性は低いとみているが、豊岡市内を中心に検査を受けた約900人に無料で血液検査を行う。

 10月16日、洗剤卸業者による棚卸しで発覚。検査後、手で胃カメラを洗う際に使う酵素系洗浄剤の期限が14年6月までだった。手洗い後の自動洗浄装置にも不具合があり、洗浄剤が使われていなかったことも判明。正常な作動を確認したのは13年7月だったという。

 評価を依頼した神戸大医学部付属病院の医師は「消毒まで推奨されている基準に準じており、感染の可能性はほとんどない」としたが、対象者には謝罪文を送り、検査を勧める。今回の確認中、血液検査の22人の結果通知にミスがあり、個別に謝罪したという。

 同センターの田中愼一郎副院長は「利用者に心配とご迷惑をおかけした」と謝罪。今後はマニュアルを見直し、洗剤の使用期限を徹底する。(若林幹夫)



https://www.m3.com/news/iryoishin/384645
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
2015年の医療界のキーパーソンは?◆Vol.3
1位は3年連続で安倍首相、政治の影響大

2015年12月24日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.3 2015年の医療界のキーパーソンは誰だと思われますか(5人まで選択可。必須)。

1位に選ばれたのは?

全体の順位   人物      それぞれの票数と順位
                勤務医  開業医
1    安倍晋三氏      295    307
    (内閣総理大臣)   (1位)  (1位)

2    山中伸弥氏      268    238
    (京都大学iPS細胞研  (2位)  (2位) 
     究所所長、2012年ノーベル生理学・医学賞受賞)

3    横倉義武氏       83    155
    (日本医師会会長)   (5位)  (3位)

4    大村智氏       124    109
    (2015年ノーベル生理 (3位)  (5位)
     学・医学賞受賞)

5    塩崎恭久氏       92     115
    (厚生労働大臣)    (4位)  (4位)

6    小保方晴子氏      63     67
    (元理化学研究所発生・ (6位) (6位)
     再生科学総合研究センター)

7    麻生太郎氏       44    65
    (財務大臣)      (7位)  7位)

8    永井良三氏       32    28
    (社保審医療部会長、  (8位)  (8位)
     自治医科大学学長)


9    近藤誠氏        26    25
    (『医者に殺されない  (11位)   (9位)
      47の心得』著者)

10   村木厚子氏       28    22
    (前厚生労働事務次官) (10位)  (11位)


 2015年の医療界のキーパーソンの1位は内閣総理大臣の安倍晋三氏で602票、2位は2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏で506票を集めた。2氏は3年連続で1位と2位を独占している。日本医師会会長の横倉義武氏は3位だった。

 これまでのキーパーソンを振り返ってみると、2008年から2011年までの調査では厚生労働大臣と日本医師会会長が上位を争っていたが、2013年からは首相が1位を堅持。山中氏と横倉氏で2位と3位を争う形が続いている。安倍首相は社会保障費抑制などを掲げた「骨太の方針2015」を打ち出し、実質的にそれに沿って診療報酬改定をはじめ、各種の制度改革の議論が進められるなど、首相官邸の意向が色濃く医療行政に反映されていると感じている会員が多いのではないだろうか。厚生労働大臣の塩崎恭久氏は4位、財務大臣の麻生太郎氏は7位だった。

 今年の新顔としては、4位に2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏がランクインした。また、勤務医の9位には、生体肝移植で死亡例が続いた神戸国際フロンティアメディカルセンター理事長の田中紘一氏が選ばれた(11位以降は>こちら)。

 そのほか、元理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏は、2015年はほとんどメディアに自身の姿を見せなかったものの、早稲田大学が博士号を取り消し、小保方氏の弁護団が抗議するなど、根強い存在感を示し、麻生氏を抑えて6位になった。

 社会保障審議会医療部会長を務める、自治医科大学学長の永井良三氏は8位、『医者に殺されない47の心得』著者の近藤誠氏が9位、2015年に退官した厚生労働事務次官の村木厚子氏が10位だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/383308
シリーズ: 始動する“医療事故調”スペシャル座談会
「当事者の責任追及」を正面から否定◆Vol.6
悉皆調査で医療事故の統計的分析可能に

2015年12月24日 (木)配信 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――仮に、事故の発生を報告した後に、「調査の過程で、事故ではなかった」と判断した場合、報告自体を取り消すことは可能なのでしょうか。

山本 法律の建て付けから考えれば、可能だと思います。報告後に、「医療事故ではなかった」と判断すれば、「報告義務の範疇には含まれなかった事象だった」ことを、センターに報告すればいいと思います。

武田 医学の世界には、「偽陽性」「偽陰性」があります。医療事故でも、「偽陰性」が問題であり、「偽陽性」が少し増えても問題はないと考えればいいでしょう。

山本 私もそう思います。

がん研有明病院の長田理氏は、「責任追及とは切り離した形で医療事故調査制度が動いた時点で、初めて安堵してこの制度に乗っていける」と語る。

長田 私たちの病院でも、「報告すべき事例は、年間どれくらいあるのか」を見積もってみたことがあります。当院の院内死亡は、年間500例弱です。癌の専門病院なので、癌でお亡くなりになる方が当然おられます。化学療法や手術を行う場合、死亡も想定され、そのリスクは患者さんに説明しているので、死亡例の大半は「予期した」に近いでしょう。

 こうした視点で検討した結果、「報告すべき死亡は年に2、3件あるかどうか」という推定になりました。10月を迎えるに当たって、職員を対象に説明会を繰り返していくと、重篤なアクシデントの数が減ってきました。また今までは、インシデントやアクシデントについて「報告してください」と依頼しても、なかなか報告が上がってこなかったのですが、早く出てくるようになりました。

 どの医療機関でも対応しているので、年間の報告数は1000例も出ないように、改善が進んでいるのでは、と思っています。仮に想定よりも報告が少なかったとしても、「隠している」のではなく、本当に減ったのだと思います。

武田 それは、にわかには信じがたいですね。今回の制度では、医療機関の規模を問わず、報告を求めています。中小病院や診療所、助産所などでは、人手や費用が足りず、必ずしも患者安全という視点からの取り組みが進んでいない可能性もあります。やや逆説的に聞こえるかもしれませんが、この辺りは、「Pay for Reporting」、つまり事故報告し、調査をしたら、診療報酬上で加点をするくらいのインセンティブが必要かもしれません。報告に対して、ネガティブではなく、ポジティブなインセンティブを付け、再発防止につなげていくようになれば、この制度のインパクトは大きくなると思います。

山本 予算があれば、「Pay for Reporting」もあり得るかもしれません。

武田 報告に対して支払っても、国全体としては医療事故が減れば、全体の費用は減るのではないでしょうか。悉皆データが中央に集まれば、我が国がエビデンスに基づくマネジメントができる可能性があるわけです。

 私が阪大病院で医療安全を担当していた時、「インシデントレポート」をものすごくたくさん出してくる診療科がありました。私は当時の病院長から、「診療科長を呼んでこい。これだけたくさんのレポート出して、危ないことになっている」と言われたことがあります。そこで私は「待ってください。そうしたカルチャーが根付いているのだから、むしろ頑張ってください、と一言言ってください」とお願いしました。

――そのようなことを指摘される先生がいる病院ではいいのかもしれませんが、医療者の間では、事故報告が懲罰や責任追及につながる恐れはないのか、という懸念があります。今回の医療事故調査制度は、「非懲罰性」がどの程度、担保されているのでしょうか。

武田 確かに懸念はあるのでしょうが、国が、非懲罰性、独立性、専門性を強調し、法制化するのは珍しい。普通なら、逆に事故原因調査に国が介入してくるでしょう。

 この10月から、医療安全の第2期と言ってもいいと思うのですが、医療者が自ら医療安全に取り組む体制になってきたわけです。このことを皆が理解して、医師会や病院団体などを挙げて、大キャンペーンをすべき、と思うほどです。そうすれば、この制度の精神を生かし得る。

山本 責任追及は、一番は刑事の問題だと思いますが、最後に訴追するのは、検察官の役割。しかし、検察官も、医療事故を扱いたくないのが本音でしょう。彼らは医療の専門家ではなく、専門的なことは分からない。裁判になれば、大変なことは目に見えています。

 本当に悪質な事例は別ですが、検察官の背中を押すものがなければ、「訴追しよう」とは思わないでしょう。ではなぜ後ろから押されるのか、なぜそうした世論が形成されるか……。私は、医療界自身が、事故の原因を明らかにし、再発防止に真剣に取り組み、医療安全を図っていくカルチャーを確立していけば、検察官は、個々の医療者を犠牲にして、「国民全体の非難欲求を満たそう」といった行動を取らないと思うのです。

 「医療事故調査制度は、責任追及につながる」という懸念は、観念的には分からなくもないですが、中長期的に見れば、この制度がうまく確立すれば、紛争はむしろ予防され、ご遺族の納得は得られ、社会の非難欲求は解消されていくようになると考えています。

長田 現場の考えを申し上げます。先日、ある病院で起きたのは、造影剤の誤投与事故。この事故は、医療機関側が、個人の問題を指摘し、刑事事件になり、有罪判決が出ましたが、それ以降はニュースで取り上げられることはなくなりました。

 一方で、大学病院の医療事故も昨年来、ニュースになっています。手術をすれば、一定の確率で患者さんは死亡する。もっと典型的なのは、関西で起きた生体肝移植の問題で、第一人者が、国内だけでなく、海外の患者さんなどにも移植を行っていたところ、死亡例が続いた。関連研究会の調査では、その施設でできることは全てやっていたけれども、小さな病院なので、マンパワーが足りないなどと指摘されたものの、担当の医師は反論されている。いずれも、いまだにニュースは続いています。

 私たちの目から見ると、最終的にすぐにケリが付くのは、「刑事事件になって、断罪されたケース」と見えてしまう。

 造影剤の誤投与事故については、本当であれば、誤投与された造影剤についてはバイアルなどを変更して、誰もが間違えないようにする工夫が必要なのに、そうした取り組みにはつながっていない。新たな制度になり、この辺りが変わるのか、というのが知りたいところです。

山本 まさにそこを変えたいところです。責任追及型の問題解決ではなく、何らかの事故が起きた場合、それをきっかけとして医療の安全につなげていく。事故の当事者の責任が問われるかどうかは別の次元の話でしょう。この制度は、当事者の責任を追及しただけで、次の日から何もなかったように対応する病院を、正面から否定しているのだと思うのです。

長田 先生が言われた通りに制度が動いた時点で、現場のスタッフとしては、初めて安堵してこの制度にしっかりと乗っていけるようになるのでは、と思います。

山本 ぜひ、そうあっていただきたい。

――また先ほど、武田先生は「悉皆データが集まれば」と言われましたが、現在、日本医療機能評価機構は、「医療事故情報収集等事業」を実施しています。医療事故調査制度と、どのように役割分担をしていくとお考えでしょうか。

武田 新たな制度は、センチネルイベント、本当に重大な結果を報告する制度。「医療事故情報収集等事業」においては、報告が義務付けられているのは、一部の医療機関のみである上、センチネルイベントは含んでいるけれども、ヒヤリ・ハットも収集しています。若干、目的が異なると思います。もちろん、医療安全という点では一致しており、ヒヤリ・ハットは出てくるものの、本当にフィードバックできているのでしょうか。

 新たな制度では、データをきちんと分析して、医療事故の実態を明らかにすることが可能になったので、日本の医療はこの10月から大きな一歩を踏み出したと言えます。医療者が医療者自らの手で、医療を変えていかなければいけないことを、行政から突き付けられたわけです。医療者はそうした気概を持ってやらないと、6月に予定されている見直しが怖い。とはいえ、1年足らずの見直しは、「執行猶予」にしてもらいたい。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201512/545098.html
色平哲郎の「医のふるさと」
成田市の医学部新設は誰のため?

色平 哲郎(佐久総合病院)
2015/12/24日経メディカル ブログ

 日本の空の玄関口、千葉県成田市に政府主導の国際戦略特区を利用して大学の医学部が新設される。成田市は国際医療福祉大学(栃木県大田原市)と共同で「医療分野におけるイノベーションの創出を担う国際的な人材育成」を目的に掲げ、医学部の新設を提案。政府は国際性を強く打ち出すことを条件に新設を認めた。

 東日本大震災からの復興目的で特例的に認められた東北医科薬科大学(2016年4月開学)を除けば、じつに38年ぶりの新設となる。この新設医学部は、教員200人以上のうち10人以上を外国人とし、学生も定員140人のうち20人の留学生枠を設ける。

 大多数の科目で英語の授業を行い、学生は海外での臨床実習を最低4週間受ける。2017年4月に開設し、20年には附属病院を成田市内につくり、10カ国以上の外国人患者を受け入れる計画が立てられている。

 国家戦略特区を担当する内閣府地方創生推進室の藤原豊次長は、11月7日付の東京新聞に、「成田市の提案は、世界的に活躍する医師の養成によって競争力を高め、国際ビジネス拠点になるという趣旨に合致した」とコメントしている。

 いわゆる「医療ツーリズム」。人間ドックや先端医療と首都圏の観光をセットにして、外国人富裕層を呼び込む拠点にしようという意図が見て取れる。

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は、こうした方針に強く反発している。7月には、地元の基幹病院の医師らが教員として引き抜かれ、このままでは地域医療が崩壊すると声明を出した。

 そもそも千葉県内には医学部は千葉大学にしかなく、厚生労働省によれば、県人口10万人当たりの医師数は172.7人(2012年)と全国ワースト3位。小泉一成・成田市長も「最も重要なのは、地元と県内の医師不足解消」と言っている。

 しかし、新設を許可した政府は「医師不足解消のためとは聞いていない」(藤原次長)と突っぱねる。いったい何のための大学医学部なのか。国際的な医師を育てるというが、国民のニーズはどこにあるのか。

 以前、この話題を医療者のネットワークで発信したら、次のような声が寄せられた。

・特区に指定された成田市民の問題であると同時に、地域医療などの全国共通の問題があります。特区に関しては、混合診療、保険外併用療法拡大の問題もあり、油断できないと思います。

・これだけコンセプトが曖昧なのに計画だけは進んでいくなんて、信じられない。いったい医療の「国際競争力」って何? 勘違いしている人が多すぎる。

・例えばこの大学で、医療通訳の養成はもちろん、外国人もきちんと診られる医師を育てる意志があるのなら、その点は評価したい気もします。医療通訳にはそれなりの質と量の経験が必要ですし、外国人をきちんと診ることで、高齢者を含めコミュニュケーションが困難な方に寄り添う姿勢が醸成され得るとも思うからです。

・大学ができて地域医療をぶっ壊す、というようなことがないよう、今からしっかり予防線を張っていただきたいものですね。また、新設大には、地域にしっかりコミットするというスタンスを市との契約レベルで明確にしていただきたいものです。

 医学部の新設は、国民の声が反映されるチャンスなのに、情報開示がほとんどない。そこが「成田医大」の最大の問題点のような気がする。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386144
シリーズ: The Voice(医療)
医療界を愚弄する「実質▲1.43%」改定に抗議する
虚構を演出する「外枠改定」を厳しく指弾する

レポート 2015年12月24日 (木)配信 桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

 次期診療報酬改定の改定率が、▲0.84%で政府決定された。しかし、「外枠」改定分▲0.59%が算入されておらず、実質は▲1.43%である。前回の改定率(▲1.26%)を大きく上回るマイナス改定となった。医療経済実態調査では医療機関の5割が「経営悪化」と示されており、これに冷や水を浴びせた格好だ。われわれは医療機関を愚弄する、このマイナス改定の泥沼路線に、断固抗議する。

◆社会保障関係費増5,000億へ抑制 財務省の意向を貫徹し前回上回るマイナス改定
 決定された改定率▲0.84%の内訳は、本体+0.49%、薬価等▲1.33%とされている。しかし、「外枠」で(1)市場拡大再算定▲0.19%、(2)「特例」品目の市場拡大再算定▲0.28%の改定率明示分と、(1)新規収載後発品引下げ・長期収載品の特例的引下げ(20億円)、(2)大型門前薬局の調剤報酬引き下げ(40億円)、(3)経腸栄養製品の給付適正化(40億円)、(4)湿布薬の1処方あたりの枚数制限と歯科材料適正化(30億円)の計▲130億円が行われる(改定率▲0.12%相当)。これらを合計すると▲1.43%となる。

 次年度社会保障関係費は概算要求の増額分6,700億円が結果的に5,000億円へと切り込まれた。削減額1,700億円は①協会けんぽの国庫負担の削減200億円と②医療費の削減1,500億円で捻出する。つまり、診療報酬で▲1,500億円で捻出するのであり、その方策が上記であり、真の改定率は▲1.43%となる。関係者の尽力は多とするが、事実は厳然としている。

◆ゴマカシの「制度改定分」という、「外枠改定」の詐術が定着 医療崩壊の懸念
 改定率に組み込まない、「外枠改定」分は、「制度改定分」と称される。実は、この改定率分割の「手法」は、政権交代でプラス改定に転じた2010年度改定(改定率+0.19%)で、「プラス改定」を演出するために採用された。10年は「後発品のある先発品引き下げ」(▲0.16%)、12年は「ビタミン剤の保険外し」(▲0.12%)、14年は「うがい薬の単剤使用」(▲0.07%)と、以降は「定着」し常套手段となっている。今回は、薬価引下げに乗せて本体マイナス改定が財務省サイドから早々に提言され、攻防の末、本体+0.49%となったが、実は外枠改定となった市場拡大再算定分▲0.47%と同水準であり、改定率の明示がない「外枠改定分」▲0.12%で、実質は本体分が「深堀り」、マイナスされたに等しい。

 報道で急遽「実質▲1.03%」と踊った数字は、今回「外枠改定」分に分割した市場拡大再算定分を、戻し入れた数字である。それ以外の「外枠改定分」に注意が向かないよう仕向け、本体プラスの虚構を糊塗する厚労省からの作為的な演出となっている。 つまり、今次改定は、(1)薬価引き下げ財源の技術料振替えの廃止の「恒常化」と、(2)改定率を分割する「外枠改定」の手法の「定着」が図られ、(3)実質マイナス改定の完全な「既定路線化」が敷かれ、泥沼化した。骨太方針2015は2020年までに社会保障関係費1.9兆円削減を予定しているが、この間の診療報酬改定は3回あり、大半は医療で削減することとなる。今回の改定はそのプロローグとなる。

 今次改定にあたり、本体プラス改定の財源捻出を高額療養費の償還基準の引き上げ、要は患者負担の増加で行うことが画策された。いまだ火種は残っているが、「本体=医師技術料」に矮小化する報道と相まって、この方法は、診療報酬改定財源を患者負担で賄うという、医療者―患者・国民を完全に分断し、信頼関係を基礎とする現場の治療を台無しにする愚策であり、言語道断である。

 われわれは改めて、今回の診療報酬マイナス改定に強く、抗議する。

※本記事は、2015年12月24日付けの「政策部長談話」として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



https://www.m3.com/news/general/386095
「若い女性危険にさらす」 ワクチンでWHO諮問委
2015年12月24日 (木)配信 共同通信社

 【ワシントン共同】世界保健機関(WHO)のワクチン安全性諮問委員会は23日までに、日本で子宮頸(けい)がんワクチン接種の積極的な勧奨が中止されていることについて「若い女性をヒトパピローマウイルスによるがんの危険にさらしている」と批判する声明を出した。

 日本でワクチン接種後に全身の痛みやしびれが報告されている問題では、厚生労働省の専門部会がワクチンの成分が原因である可能性を否定したが、諮問委員会は「ワクチン接種再開の合意に至っていない」と懸念を示した。また「薄弱な根拠によって有益なワクチンを使わないことは、実質的な損害につながる」と警告した。

 諮問委員会は、フランスの医薬品・保健製品安全庁が200万人の少女を対象に行った研究でも、接種者と未接種者との間で症状の発生にほとんど差はなかったとし、「仮にリスクがあったとしても小さい。長期間にわたりがんを防ぐ利益との関係で勘案すべきだ」と指摘した。

 ワクチンは、日本で2013年4月に定期接種となったが副作用の報告が相次ぎ、厚労省は同6月に積極的な勧奨を中止した。



https://www.m3.com/news/general/386101
保険指定取り消し17施設 14年度返還請求133億円
2015年12月24日 (木)配信 共同通信社

 厚生労働省は22日、診療報酬の不正請求などで2014年度に健康保険法に基づく指定を取り消したのは、歯科を含む医療機関16と薬局1の計17施設(前年度比3施設減)だったと発表した。登録を取り消したのは医師8人、歯科医師13人、薬剤師8人の計29人。

 このほか24施設が取り消し相当だったが、いずれも取り消し前に廃業、1人が自主的に登録の抹消を届けた。

 指導や監査で不正請求を確認し、返還を求めた総額は約133億2千万円(前年度比約12億8千万円減)。看護職員らの勤務実態を偽り、診療報酬を不正に請求していた福岡県岡垣町の清涼会岡垣記念病院(閉院)の約3億3千万円が最多だった。



http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201512/0008673600.shtml
患者家族の思い聞き取る 医学生が柏原病院で実習
2015/12/24 21:40神戸新聞NEXT

 緩和ケア病棟の患者の家族が抱える思いを医学生が聞き取るセミナーがこのほど、兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町柏原)であった。神戸大医学部(神戸市中央区)や兵庫医科大(西宮市)の2~5年生9人が訪れ、時折涙を浮かべて語る患者家族に、真剣な表情で向き合った。

 神戸大地域医療教育学部門などが年2回開くセミナーの一環。県が学資を貸与する養成医学生が対象で、地方の医療の実態を学ぶのが狙い。同病院緩和ケア病棟(20床)はがん患者らの身体的、精神的苦痛を和らげる医療を提供している。



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226583616970.html?pageKind=outline
医薬関係に90.5億円、PMDA人員拡充に1.3億円  医薬・生活衛生局の16年度予算案
( 2015年12月24日 ) 日刊薬業

 厚生労働省医薬・生活衛生局の2016年度医薬関係予算案は、前年度比1.7%(1億5000万円)増の90億5400万円となった。このうち「新しい日本のための優先課題推進枠」が14億400万円を占めた。革新的な医薬品・医療機器等の国内開発の環境整備や国際薬事規制調和戦略など10項目が柱となっている。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の人員拡充には1億3200万円を充て、職員を13人増員する。



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226583612494.html?pageKind=outline
厚労省、革新的医薬品創出に825億円  16年度政府予算案、AMEDに3省で1265億円
( 2015年12月24日 ) 日刊薬業

 政府は24日の臨時閣議で、2016年度当初予算案を決定した。厚生労働省は、9月に策定した「医薬品産業強化総合戦略」を踏まえ、「革新的医薬品の創出」などで825億円を計上。ゲノム医療の実用化に向けた取り組みなどを推進する。日本医療研究開発機構(AMED)の対象経費は、厚生労働、文部科学、経済産業の3省で1265億円(前年度1248億円)と、1.3%増えた。そのうち厚労省予算は「医療分野の研究開発の促進」として盛り込んだ478億円(474億円)で、総合戦略を踏まえた予算の中に入っている。



http://getnews.jp/archives/1321209
優れた『新薬』は早く世の中に出てきて欲しいのです。
DATE:2015.12.24 21:00 imedi(アイメディ)ガジェット通信

厚生労働省が発表した、新薬を世界に先駆けて実用化するために迅速に審査する「先駆け審査指定制度」の対象には、
製薬会社MSDの胃がん治療薬・日本新薬のデュシェンヌ型;筋ジストロフィーの治療薬、塩野義製薬のインフルエンザ薬、アステラス製薬の急性骨髄白血病の治療薬などを計6品目を指定したと発表しています。今回のような、同制度の医薬品指定は初めてです。

「本制度は革新的な医薬品、医療器具、再生医療製品の審査をスピードアップするもの。追って、医療機器などについても指定したい」と、塩崎恭久厚労相は同日の閣議後の記者会見で 述べられました。

通常医薬品は、臨床試験、いわゆる治験を通じて、「従来の治療法よりも重篤な病気に高い有効性が期待できる」と判断され、通常1年程度かかる承認審査を、半年に短縮するのです。

どの治療薬、医療器具も含め、今すぐ助けを求めている患者さんがいるのが現実です。
それらを実用化し、苦しんでいる患者さんの命を助けてあげたいお医者さんがいるのもまた事実。
十分な安全性の確保は無論必要ではありますが、このような審査のスピードアップは、今後の医療ニーズに見合っていると思います。

治験(ちけん)とは
 医薬品もしくは医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験のこと。元々は、「治療の臨床試験」の略。
 治験は従来、「薬が承認を取得することが目的」であったため、少し前までは、企業主導で行われてきましたが、法改正により、必ずしも企業の開発プロセスに乗る必要はなく、医師主導でも実施可能となっています。
 動物を使用する試験により、薬の候補物質、もしくは医療機器の安全性および有効性を検討し、安全で有効な医薬品もしくは医療機器となりうることが期待される場合に行われます。
 治験は、第I相~第Ⅲ相までの「3段階」で行われることが多い
※ ただし、抗がん剤(特に細胞傷害性の抗がん剤)に関しては、方法を異にする場合があります。

・第I相試験(フェーズ I)
 試験参加を志願した健常成人が対象。被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や、安全性(有害事象、副作用)について検討することを主な目的とした試験です。
 第I相試験は、動物実験の結果をうけて、ヒトに適用する最初のステップであり、安全性を検討する上で重要なプロセスですが、手術や長期間の経過観察が必要な場合や、がんに対する抗がん剤などの投与のように、事前に副作用が予想されるものは、外科的に治療の終わった患者(表面的には健常者)に対して、補助化学療法としての試験を行うことがあります。
 また、抗がん剤の試験の場合は、次相で用いる用法・用量の限界を検討することも重要な目的となってきます。

・第II相試験(フェーズ II)
 第I相の結果をうけて、比較的軽度な少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験です。
 多くは、次相の試験で用いる用法・用量を検討するのが主な目的ですが、有効性・安全性を確認しながら徐々に投与量を増量させたり、プラセボ群を含む3群以上の用量群を設定して反応性を検討したりすることから、その試験の目的に応じて様々な試験デザインが採用されます。

・第III相試験(フェーズ III)
 実際に製品化された後、その化合物を使用するであろう患者を対象に、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われるのが第III相です。
 それまでに検討された有効性を証明するのが主な目的であるため、ニセ薬(プラセボ)を用いるなどの試験デザインが採用されることがほとんど。
 ときには、数百例以上の規模になることもあるため、多施設共同で行う場合が多くあります。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47713.html
医療消費税問題、「抜本的な解決へ前進」- 日医、16年度与党税制改正大綱で
2015年12月24日 21時00分 キャリアブレイン

 2016年度の与党税制改正大綱で、検討項目として医療に関する消費税課税の在り方について明記されたことを受け、日本医師会(日医)の今村定臣常任理事は24日の記者会見で、「(問題の)抜本的な解決へ向けて、より前進した」と述べた。【松村秀士】

 医療界ではこれまで、社会保険診療に対する消費税が非課税であることによって生じている控除対象外消費税が、医療機関の経営を圧迫しているとの指摘があった。こうした問題について、15年度の与党税制改正大綱では、「個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を『見える化』することなどにより実態の正確な把握を行う」と明記された。

 これを受けて厚生労働省は今年、「見える化」に向けて、消費税率5%から8%への引き上げに伴う診療報酬による補てんの状況を把握する調査を実施。この厚労省の対応を踏まえ、今回の16年度大綱の検討事項には、「見える化」の文言は削除された。一方で、新たに「高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」とされた。

 24日の会見で、今村常任理事は、16年度大綱で検討項目に新たに盛り込まれた内容を評価した上で、医療消費税の問題の抜本的な解決に期待を示した。

■新たな専門医の仕組みで提言

 日医の小森貴常任理事は同日の会見で、新たな専門医の仕組みに関する提言を発表した。内科領域での専門研修プログラム整備基準では、指導医が在籍していない診療所や過疎地の病院などでの研修を一定の要件下で認めるとした一方、他の診療領域では「このような配慮がなされた明確な記載がない」と指摘。指導医が不在の診療所などでは研修が認められず、専門研修の実施が困難になる恐れがあるとの懸念を示した。

 小森常任理事はまた、内科以外の診療領域で今後、専門研修プログラム整備基準を策定する場合は、指導医が不在の診療所などでの研修を一定の要件で認めることを明確化する必要性を強調した。

  1. 2015/12/25(金) 05:51:17|
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