Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月14日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47609.html
通信制看護師養成所、専任教員増で教育拡充- 厚労省、入学要件の就業年限短縮で提案
2015年12月14日 21時00分 キャリアブレイン

 看護師養成所2年課程(通信制)の入学要件となっている10年以上の就業経験年限について、厚生労働省は14日、医道審議会保健師助産師看護師分科会に対し、就学経験年限を短縮する際の教育内容の充実などを検討するよう提案した。「日本再興戦略」で短縮の検討が求められたことを受けたもので、厚労省は、対面授業を充実させるため、専任教員を増員することを検討事項に挙げた。【新井哉】

■対面授業の日数追加や准看護師の就業形態把握も

 現在の通信制の看護師養成課程は、准看護師として10年以上の業務経験を入学資格としている。この要件をめぐっては、6月30日に閣議決定された「日本再興戦略2015」で、地域医療体制の充実に向けた看護師育成のため、現行の10年から大幅に短縮することを「全国的な措置として検討し、本年中に結論を得て、速やかに措置する」としていた。

 日本看護学校協議会も今月、入学要件の緩和に対する意見書を厚労省に提出。短縮する場合、教育の質向上に向けてカリキュラムなどを改正するよう求めていた。

 この日の会合で、厚労省は、就業経験年限を短縮する場合、入学者の実技能力や必要な知識・思考過程を確認することを挙げ、「身に付けるべき技術を学生が習得できるよう、養成所における教育の充実を図ることとしてはどうか」と提案した。

 具体的な方法として、▽対面による授業日数を追加し、根拠に基づいた看護教育を実践するための問題解決プロセスを学ぶ内容などを含める▽対面授業の充実のため、専任教員の定員を現行の7人から増員する▽准看護師としてのこれまでの就業形態や日数などについて入学時に把握し、個々の学生の教育内容に生かす―ことなどを挙げた。

■就業年限半減の「5年」に反対する委員も

 また厚労省は、教育内容の見直しには、養成所の体制整備に時間がかかることが考えられることを挙げ、「施行時期について配慮することとしてはどうか」と提案した。

 こうした就業経験年限の短縮を前提とした提案に対し、委員から「通学が王道」として慎重な議論を要求する意見が出た一方、全日制や定時制の看護師養成所がない県があることを挙げ、「通信で学ぶ機会もないといけない」と一定の配慮を求める意見も出た。

 現在10年以上となっている就業経験年限については、委員から「5年が妥当」などと具体的な期間を提示する意見が出た。これに反論する形で、通信制への志願者が急増して全日・定時制の養成所の経営が悪化する事態を避けるため、徐々に就業年限を減らす方法を検討すべきだと主張する委員もいた。

 今回の会合で議論された就業経験年限や教育内容に対する意見を踏まえ、今月下旬に開かれる予定の次回の会合で、分科会の意見をまとめる見通し。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47597.html
岡山大、メディカルセンター構想の推進決定- 産業競争力会議部会で報告
2015年12月14日 13時00分 キャリアブレイン

 岡山大は、地域医療連携推進法人を通じ、岡山市内にある6つの公的病院の統合を目指す「岡山大学メディカルセンター構想」を同大の役員会で承認したことが分かった。11日に開催された政府の産業競争力会議実行実現点検会合で報告された。今後は、市内の5病院の構想参加が焦点になりそうだ。【大戸豊】

 地域医療連携推進法人制度は、9月の改正医療法成立で創設が認められ、2017年4月をめどに施行される予定だ。
 岡山大の場合、大学と分離する形で、地域医療連携推進法人の傘下に大学付属病院が入る形になる。ただ、大学医学部には大学病院の設置が必須とされており、文部科学省では、岡山大が担ってきた教育、研究、臨床機能を確保しつつ、地域医療連携推進法人に移行するためのスキームを検討中だという。
 産業競争力会議実行実現点検会合自体は非公開だったが、終了後の記者会見で岡山大が役員会で「岡山大学メディカルセンター構想」の推進を了承したことが明らかにされた。現在の進捗について内閣府の担当者は、事務局レベルで具体的な話が進められているとしたほか、「厚生労働省も、同大の構想の推進を重要ととらえ、本省ベースでサポートしているようだ」と説明した。
 今回の決定は岡山大内部の方針であり、今後は、市内の5病院の構想参加が焦点になりそうだ。

 同会合では、サービス産業副主査(医療介護等分野)の小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス会長)が、地域医療連携推進法人の創設について言及し、参加法人の間での資金融通や地理的活動範囲、出資の条件などについて、使い勝手のよいものにしてほしいと注文したほか、地域医療介護総合確保基金の対象にすることも要望したという。



http://biz-journal.jp/2015/12/post_12878.html
連載
岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」
がん検診が死亡率高める?過剰な診断・医療が、無駄に犠牲者を増やす危険な現実

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
2015.12.15 Business Journal

 現在、5つのがんに対する集団検診が国によって推進されています。胃、大腸、肺、乳房、それに子宮の各がんです。しかし、どのがん検診も死亡率を下げる効果がないか、むしろ死亡率を高めてしまうものであることは、本連載で述べてきたとおりです。

 検診でがんが見つかれば必ず治療が行われていますから、これは検査だけの問題でなく、治療の方法にも疑義があることを意味します。
 では早期発見・早期治療ができるはずのがん検診で、なぜ死亡率が下がらないのでしょうか。
 「がん=死」というイメージが人々の脳裏に焼きついています。日本では、昭和27年に公開された黒澤明監督作品『生きる』がひとつのきっかけだったように思います。映画の中で、がんを患った主人公を名優・志村喬が演じていましたが、「がんは必ず死ぬ病気」であることが強調されていました。しかし、本当にそうなのでしょうか。
 その昔、がん細胞のかたまりを動物に移植すると、たちまち大きな腫瘍に成長して動物が死んでしまうという研究報告が世界中でなされました。がん=死であることが専門家の共通認識となり、やがて世界中の人々の知るところとなったのです。
 しかし動物にがんを移植しようとしても、普通は拒否反応が起きるため、うまくいきません。もし移植したがんが動物の体内でどんどん大きくなったとすれば、よほどたちの悪いものを選んで実験を行ったと考えられます。動物実験の結果だけから、がんの性質を論ずることはできないのです。
 何も治療せずに、病気を放置した場合にたどる経過を「自然史」といいます。『現代病理学体系-癌の自然史(藤田哲也著)』によれば、ヒトの胃がんや大腸がんは、1個のがん細胞がレントゲン検査や内視鏡検査で発見できるほどの大きさ(直径1センチメートル以上)に成長するまでに、理論上25年くらいかかるのだそうです。しかし現実には個人差も大きく、また、がんが発見されるとほぼ例外なく手術などの治療が行われるため、本当の自然史は誰にもわかっていませんでした。

放置と最新治療、5年生存率は同じ?

 ところが最近、意外な事実が次々と明るみに出されるようになりました。
 たとえば、CTによる肺がん検診が行われ、小さな変化まで見つかるようになりましたが、ある研究によれば、直径が3センチメートル以下の腫瘍では、サイズとその後の運命、つまり死に至るかどうかとは無関係であることがわかりました
 乳がんと診断される人の22%くらいは、放置しても自然に消滅してしまう可能性が高いことは、本連載ですでに紹介したとおりです。
 また、海外で行われた調査によると、死亡した人の解剖を行ったところ、たまたま肺がんが見つかった153人のうち、43人は生前に肺がんの診断は受けておらず、症状もいっさいなかったそうです。
 さらに国内で行われた調査によれば、精密検査で胃がんと診断されながら、なんらかの理由で治療をいっさい受けなかった38人の日本人を追跡したところ、5年後に生存していた人が63~68%もいたというのです。胃がんと診断された時点での「進行度」は不明ですが、平均して2期(正式表記はローマ数字/がんが胃壁に留まる)くらいだったとすれば、最新治療を受けた場合の5年生存率とほぼ同じだったことになります。(参考文献)
 がんは放置すると必ず大きくなり、たちまち死に至るとの神話は、すでに崩れ去っています。がんの悪性度には大きな個体差があり、人畜無害なものから極悪なものまでさまざまなのです。無害ながんを検診でたくさん見つけて治療すれば、5年生存率は高く見えるに決まっています。
 がん検診の専門家は、レントゲン検査をCTや内視鏡に替えて「検診の精度が高まった」と自慢しています。しかし、その努力は過剰な診断(over-diagnosis)を助長し、過剰医療の犠牲者を増やしているだけです。
 がん検診の旗振り役が「日本対がん協会」のようですが、いったい誰が、何を根拠に、どんなことをしているのか、国民にわかる言葉で説明してほしいものです。「ピンクリボン」という名の運動を支援している厚生労働省、東京都、日本医師会、朝日新聞社などは、利益相反の有無も含めて自らの責任を明確にする必要があるでしょう。
 がん検診を推進する組織のホームページは、どれも「受けるのが当然」との前提でつくられていて、筆者には誇大広告か詐欺商法にしか見えません。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)
参考文献:Gut 2000;47:618-21. H Tsukuma, A Oshima, H Narahara, T Morii. Natural history of early gastric cancer: a non-concurrent, long term, follow up study.
http://gut.bmj.com/content/47/5/618.abstract



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/azuma/201512/545024.html
コラム: 東謙二の「“虎”の病院経営日記」
地域医療構想のヒアリングで高校の進路指導を思い出した

2015/12/15 日経BP

 今から約30年ほど前、親父が今でいう携帯電話を買ってきた。当時は「ショルダーホン」という呼び名で、大きさは今のノートパソコン2台分くらい。その機械にストラップが付いており、肩にかけて持ち運ぶという大層なものだった。

 親父はなかなか触らせてくれず、高校生だった私は「線で繋がっていないのに、なぜ電話がつながるの?」と尋ねたものだった。そもそも、親父は携帯電話でどこの誰と電話をしていたのだろう。

 1990年代に入ると電話はものすごいスピードで進化していく。プッシュホン、コードレス電話、そして携帯電話、スマートホン……。25年、30年という年月は、想像を遥かに凌ぐ変化に見舞われることだと電話の進化は教えてくれる。

耳にタコができるほど説明する真の目的

 2015年もあと1カ月余りとなった11月末、熊本県による地域医療構想についての説明会が医療機関向けに行われた。その場で、熊本県健康福祉部健康局医療政策課の担当官から耳にタコができるほど何度も地域医療構想についての説明を受けた。

 担当官の説明によれば、地域医療構想とは「より良質な医療サービスを受けられる体制」やら「県民幸福量の最大化」を目指しての改革だそうだ。でもこの説明会の真の目的は、“耳にタコができるほど説明すること”だったようだ。そのことを理解できていた病院長がどれほどいただろうか。

 お役人独特の、自分よりインテリジェンスは低いが口うるさい集団を黙らせる手法の一つが、“耳にタコができるほど説明すること”である。本当は納得してもらえそうないことを、回りくどく何度も何度も説明する。1回で終わせると「よくわからない説明だ」と文句を受けてしまうから、あえてよくわからない説明を何度も回りくどく説明する。そうすると大半の人は音を上げてこうつぶやいてしまう。「もうわかった」。

 ここまで追い込んだ時の最後のお役人の言葉もすごい。彼らは「お分かりいだけたでしょうか」とは絶対に言わない。ただ「ありがとうございました」と言うのみだ。「おわかりいだけてない」のは百も承知だからだ。
 要約するとこうだ。

「ぐにゃぐにゃ、ぐにゃぐにゃ、ぐにゃぐにゃ、ぐにゃぐにゃ」
「もういい、わかった」
「ありがとうございました」

 お役所に戻って上司からどうだったと聞かれたら、担当官は「みなさん、十分に理解され今回の我々の方針に賛同して頂きましたので、最後に丁重にお礼申し上げてきました」とい報告するのだろう。議事録を見ても、おそらくそのように読めるから、日本語は恐ろしい。

ヒアリングでだめ押し

 今回の説明会で、構想区域(すなわち二次医療圏)における2040年の病床削減目標の達成は9割方決まったようなものだ。さらに今回はダメ押しともいえる「ヒアリング(聞き取り調査)」なる作戦も展開される。

 今まで国の政策をゴリ押しで展開してきた役人が、何故、今回に限って個々の医療機関ごとにヒアリングなるものをやろうとしているのか……。皆さん、思い出してみて下さい。介護保険ができたとき、診療報酬改定で大幅なマイナス改定だった時、各医療機関のご意見をお聞きするヒアリングなんてものがあったでしょうか。もちろんない。それなのに何故今回はヒアリング?

 要するに、それほど医療関係者に念押しをしておかなければいけない、重要かつ大変な改革だということなんですね。

 まずヒアリング前に医療機関ごとに調査票を提出させる。期日は11月末。その後、来年の1月から2月にかけて「聞き取り日時」を決めるのだそうだ。事前調査は「地域医療の実情を把握するため、平成27年度病床機能報告の報告内容や将来の医療提供の見通し等について、調査票に基づく聞き取りを行う」という目的で、病床報告の内容や、2021年、2025年の病床数見通し、在宅医療の実施状況や見通し、機能分化・連携の取り組みなどを調査することになっている。

「大学は無理だから専門学校にしなさい」

 要約すると、「2025年の時点で、あなたの病院はどんな施設として生き残るつもりですか?」ということだ。急性期や回復期の施設として生き残りたいなら設備投資や人材確保・教育に力を入れろ。それができるだけの準備や体力(経営力)はあるか。もしできないなら、訪問看護や在宅医療といった、新しい道を自分で見つけなさい、と迫られているわけだ。

 よく考えると、このヒアリング、まるで高校の進路指導のようでもある。「君の実力では国立も早慶も無理だから、MARCHにしなさい」「MARCHも無理だから日東駒専にしなさい」「大学は無理だから専門学校にしなさい」……。

 この調査票を提出した上で年明けに県の医療政策課と個別の面談を受けることになる。ここまでしておけば、医療機関側は「勝手に地域医療構想を決めやがって」なんて言えなくなる。さすがです。

 国、県としては、あとは病院の統合、再編を進めながら、病床数を減らすだけ減らし、人口減の近未来に備えるだけである。ちみに熊本県公表のデータでは、2013年度の熊本県全県の病床数は3万1809床(一般、療養合計)で、2025年の必要病床は2万379床、2040年の必要病床は2万944床と推計している(医療機関所在地ベース:患者の流出入が現状のまま継続するものとした推計)。2025年、2040年に向け1万1000床近く減らさなければならないのが、熊本県の状況だ。

30年後の“設計図”への不安

 今回は単に厚生労働省や県の健康福祉部だけが関係する施策ではない。財務省、さらには総務省の“計画”とも関連させ、立案された壮大な計画である。事実、総務省から3月に公表された「公立病院改改革ガイドライン」は、地域構想と連動させながら、公立病院の統合・再編を強力に進めるとしている。

 したがって地域の医師会レベルの抵抗ではもはやどうなるものでもない。既に青写真ができている2040年の目標必要病床数に向けて粛々と医療制度改革が行われ、ついて行けない病院が音を上げて、病床機能を変更したり、返上したりすることになるのだろう。30年後には、病気をしてもすぐに入院できる病床がなくなっている地域が全国各地に生まれているかもしれない。

 冒頭の電話の話に戻るが、スマホは確かに便利なものだが、大震災の時には、機能がマヒし、昔からの公衆電話に長蛇の列ができた。また、高機能で色々遊べるが、年寄りには難しすぎ、なくてもまったく不自由しない人も少なくない。昔のガラパゴス携帯に回帰する人すらいるという。

 そう考えると、地域医療構想で25年後、30年後の地域の医療体制を“設計”することはできるが、果たしてその設計図が30年後の地域の住民にとって「より良質な医療サービスを受けられる体制」(冒頭の図参照)になっているかどうか、とても心許ない。マンションのくい打ち問題ではないが、「あの設計図、間違ってました」と25年、30年たって言われても、もう手遅れだからだ。

 この大改革に先鞭をつける2016年の診療報酬改定の内容がまもなく明らかになる。医療界においては「来年もよい年でありますように」とはいかないようである。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201512/0008646796.shtml
生体肝移植の44施設 勧告ほぼ順守 研究会調査
2015/12/14 21:21 神戸新聞

 専門医らでつくる「日本肝移植研究会」(事務局・大阪大学内)は14日、生体肝移植を実施する全国44施設を対象にした人員や設備体制など13項目の調査結果を発表した。

 神戸市中央区の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)」で生体肝移植を受けた患者が相次ぎ死亡した問題を受け、同研究会などは5月、全国の施設に対し、麻酔医らがそろった総合病院並みの体制で実施するよう勧告。体制が勧告に沿っているかどうかをKIFMECを含めて調べていた。

 調査結果によると、麻酔医や肝臓医などの専門医配置や移植前後の評価体制など12項目は95~100%とおおむね勧告が順守されていた。一方、患者に対する認定肝移植コーディネーターの配置は74%にとどまった。同研究会は「日本移植学会などと協力して移植コーディネーターの配置を充実させたい」としている。(金井恒幸)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53482/Default.aspx
医療ビッグデータ・コンソーシアムが「政策提言2015」を発表 データ利活用で新産業創出を提案
2015/12/15 03:52 ミクスオンライン

「医療ビッグデータ・コンソーシアム」(代表世話人・本庶佑公益財団法人先端医療振興財団理事長)は12月14日、東京都内で記者会見し、医療ビッグデータの利活用に関する「政策提言2015」を発表した。政策提言では、全国の医療機関に集積されるレセプトや電子カルテの情報の利活用について言及し、製薬企業や医療機器メーカー、ITベンダーや社会インフラ系企業などを巻き込んだ「新たな産業の創出」を提案した。記者会見では、同政策提言を12月中に総務、文科、厚労、経産各省の事務次官、審議官クラスに手渡す方針を明らかにした。

同コンソーシアムは、レセプト情報や特定健診等の情報を集積した国のNDB(ナショナルデータベース)の民間開放など、医療ビッグデータの利活用に道筋をつけることを目的に2014年11月に設立された。産官学の有識者が参画し、会員企業には、アステラス、大塚、参天、塩野義、第一三共、武田、中外などの製薬企業が名を連ねる。このほか東芝、日本IBM,日立など日本を代表する社会インフラ系企業や大和総研や日興アセットマネジメント、野村不動産HD、アイ・エム・エス・ジャパンなど合計16社が参画している。

コンソーシアムでは、医療情報の領域を「ヘルスケア」「ライフサイエンス」「予防医療・健康情報」の3分野に分け、これまで計40回を超える討議を行った。そのアウトカムが今回発表された「政策提言2015」だ。

◎民間参入の障壁を撤廃を提言 ただ法改正などハードル高い


政策提言は医療ビッグデータの利活用で「つなぐ」、「活かす」、「変える」の3つのパートから構成される。「つなぐ」のパートでは、レセプト、特定健診、DPC、電子カルテなどそれぞれ単独で集積されている情報を連結し、医療DB(データベース)を整備構築するための統一的指針を策定すべきとした。また医療分野で個人を識別する「医療等ID」と医療DBを連結するための法規制など環境整備を国に求めている。

「活かす」のパートでは、データ分析や評価によって想起されるアイデアから「新たな産業を創出」するとした。このため国に対しては必要な法的整備を求めると同時に、医療ビッグデータに対する民間からのアクセスや活用のハードルを下げるべきと提言した。

ただ、利活用の部分は、現時点で超えるべきハードルが最も高い。個人情報保護法の適切な運用など法改正が求められる部分でもある。仮に法規制のもとで医療ビッグデータの利活用に関する「代理機関」が発足すれば、使用目的を外れない範囲で、製薬企業や医療機器メーカーが新薬や医療機器の開発にデータを活用できる。これにより開発コスト抑制や研究医療機関の選定などに応用できるとも指摘され、産業側からは強い期待感が示されている。さらに医療者側が行う臨床研究や医薬品の安全性評価なども実診療情報を応用することが可能になることから、企業側もこれまでと違ったスタンスで医療者との新たな協働の形を模索することもできる。

この点は政府側も検討する姿勢を示しており、政策提言に盛り込まれた、個人情報保護法の適切な「運用ガイドライン」の制定や、必要な法規制などを通じ、民間参入の障壁について何らかの策を講じる考えだ。

「変える」のパートでは、ビッグデータから得られる知見や価値観による国民のヘルスリテラシーの向上が提言された。今後は電子お薬手帳に代表されるPHR(Personal Health Records)が急速に普及することを見据え、国と個人の情報を通じた「共有財」という価値観の浸透に期待している。財としての共通認識を醸成することで、医療費や医療資源などへの国民の意識を高め、きたるべき超高齢化社会における様々な課題に対処する狙いが込められている。情報の可視化や共有化を通じて、医療費の適正化も視点の先に置いているようだ。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53480/Default.aspx
16年度診療報酬改定 湿布薬、経腸栄養からも財源確保へ 改定率はプラス0.3%台後半で最終局面
2015/12/14 03:51 ミクスオンライン

中医協総会が12月11日開かれ、次期診療報酬改定について診療側の「プラス改定」、支払い側の「マイナス改定」の両論を併記する形で公益委員による意見書を取りまとめた。薬価等の引き下げ財源の扱いについて診療側は「本体価格財源分に充当すべき」と主張したのに対し、支払い側は「診療報酬本体に充当せず、国民に還元すべき」と真っ向から対立している。一方、この日の中医協総会では、湿布薬を1回70枚までに処方の上限を設けることや、入院中に経腸栄養製品を投与した際の入院時食事療養費の引き下げなどが議論された。いずれも改定財源に充当できる改革項目だけに、診療・支払い両側ともこの点では一致した。

中医協が次期改定に関する意見書を厚労省の唐澤保険局長に手渡したことで、16年度予算編成にむけた厚労・財務両省による折衝は最終局面を迎える。厚労省の掲げる歳出抑制項目は、薬価等の通常改定分1400億円超に加え、C型肝炎治療薬など1000億円超の売り上げの薬価を下げる”巨額再算定”、長期収載品の特例引き下げ(Z2)、後発医薬品の初収載時の0.5掛け(10品目を超える内用薬は0.4掛け)に加え、湿布薬や経腸栄養食品の適正化、協会けんぽへの補助金の抑制などを積み上げた。

改定率決定にむけた財務・厚労両省の折衝は今週後半から週明けにかけてヤマ場を迎える。厚労省側は、C型肝炎治療薬の巨額再算定を含む各種改革項目を実現することで、数百億円程度の財源を確保できるとしており、プラス改定の実現に意欲的だ。16年度改定を経て実行される「地域包括ケアシステム」の実現には、医療関係団体との協力や連携は不可欠としており、診療報酬本体プラス0.3%台後半から0.4%程度で最終調整に挑む。"抜本的な見直し”を迫られた調剤報酬も本体、ネットともにプラス改定となる公算が高まった。

◎湿布薬1回当たり上限70枚までの処方へ

この日の中医協では湿布薬の処方上限をめぐる議論がなされ、1回あたり70枚(10袋)を上限とする案が検討された。厚労省側は、処方された湿布薬が何日分に相当するかレセプト上に記載することも提案した。経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)でも市販品類似薬にかかわる保険給付の見直しが求められており、すでにうがい薬やビタミン剤については一部見直されており、それぞれ治療目的以外、単なる栄養補給については算定しないこととされている。

◎胃瘻患者の経腸栄養 入院時食事療養費引き下げへ

胃瘻患者において経腸栄養食品を用いて管理を行っている患者について入院時食事療養費の引下げも提案された。胃瘻患者における経腸栄養製品は、医薬品と食品の2通りがある。医薬品は薬価収載されており、保険給付額(薬価)が1065~1602円であるのに対し、食事として提供される場合には入院時食事療養費として1920円(1食640円)が算定されている。さらに、特別食の算定要件を満たすと、特別食加算(76円)を算定できるなど、医薬品と食品で給付額に開きが見られる。厚労省側はこうした開きを是正する目的で、入院時食事療養費の引下げを提案した。次回改定では、食品である経腸栄養製品に応じた市場実勢価格を把握する仕組みを導入し、さらなる引き下げも検討する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/383288
時間外手術の加算、当直制限を緩和
ICT活用し、夜間に自宅での画像診断も評価

2015年12月13日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が12月11日に開かれ、勤務医や看護職員の負担軽減策として、手術の時間外加算の要件の見直しなどの6つの論点の案が示された(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 時間外加算は2014年度の診療報酬改定で大幅な増額があったが、施設基準が厳しすぎて加算が算定できないといった批判があった。厚労省は、基準を緩和して負担軽減の取り組みを広げたいとしているが、厳しいとされた 「予定手術前の当直」の制限について、「病院全体」で取り組んだ場合にのみ緩和するとしており、実効性の有無は今後の具体的な要件設定にかかっている。

 厚労省が提示した論点は、(1)医師事務作業補助者の配置の推進、(2)夜間の医師の負担の軽減、(3)手術・処置の休日・時間外・深夜加算1の基準の見直し、(3)看護師の夜間急性期の体制評価と看護補助者の役割の明確化、(4)常勤配置の取り扱いの見直し、(4)気分障害の患者に対する認知療法や認知行動療法の面接を看護師が実施――の6点。

(2)の夜間の医師の負担軽減策としては、ICTを活用して院外や自宅で読影した場合や診療の判断をした場合も評価する方針が掲げられたほか、(4)の常勤配置に関しては、育児休暇等の時間短縮勤務者が出た場合に、複数の非常勤従事者を常勤として換算可能とすることや、時短中は「常勤」の取り扱いになる勤務時間の基準を緩和する案が示された。診療側は方向性については賛同し、支払側からも特に異論は無かった。

例外措置の「緩和」になるか?

 2014年度の診療報酬改定では、医師の負担軽減策として、手術・処置の休日・時間外・深夜加算が一部倍増するなど手厚い増額がされたが、外科系の18学会が実施した調査では、加算を算定している病院はわずか12%に留まった。理由としては、特に施設基準の「予定手術前の当直日数の免除」と年間12日以内とした例外措置の上限が厳しいとの指摘があり、18学会はこの例外措置の対象を緩和するように求めていた(『時間外手術の「高額加算」、算定は1割強』)。

 今回の案では、「年間12日以内」とした例外措置について、「加算を取るために、算定の対象を診療科に限定する傾向があり、大規模な医療機関で病院全体に取組を広げにくい」として、「病院全体での届出」を基準緩和の条件にした。例外措置の対象の解釈をめぐっては、改定直後は「加算の届出を行う診療科単位」とされていたが、改定から半年以上経った2014年11月の厚労省の通知で「届出を行う診療科全体」とより厳しい内容になった。今回の見直しでは、「病院全体」とさらに厳しくする一方で、日数の上限を緩めることになる。

 この点について、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は反対し、「地域によっては診療科ごとで少ない医師で支えている。それを支える仕組みも必要だ」と医師不足の現場への配慮を求めた。

ICTを活用して負担軽減

(2)のICTを活用した夜間勤務の負担軽減策では、2つのケースの評価を想定している。(1)現行の画像診断管理加算で、常勤医が院内で読影するとの要件があるが、ICTを活用して自宅で画像診断した場合も評価する、(2)脳卒中ハイケアユニットの施設基準で、神経内科・脳神経外科の5年以上の経験がある専任の医師が常時1人以上いることが要件になっているが、ICTを活用して院外で基準に該当する医師が診療上の判断を出来る場合は、常時おくべき医師の経験年数を緩和する――の2点だ。画像診断のICTの活用例として、医療従事者間で医療データが共有したり、院外からも院内データにアクセスしたりできる「Join」や「SYNAPS ZERO」といったアプリなどが紹介された(Joinについては、『「アプリで当直医師の孤立無くせ」、慈恵医大がICT化推進』を参照)。

 (1)の医療事務作業補助者の配置は、2014年度の診療報酬改定で、業務の80%以上を病棟か外来で行うことを条件に、「医師事務作業補助体制加算1」が新設された。しかし、場所を問わずに作業ができる場合もあるとして、今回の案では、文書作成の補助(診断書作成補助・診療録の代行入力)に限って、業務する場所を問わずに加算対象にするとしている。


  1. 2015/12/15(火) 05:57:02|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<12月15日  | ホーム | 12月13日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する