Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月11日 

http://www.asahi.com/articles/ASHDC5F6BHDCUTFL006.html
医師が出す湿布薬、1回70枚までに制限 厚労省が検討
2015年12月11日20時51分 朝日新聞デジタル

 医療機関で処方される湿布薬が来年4月から制限される。来年度の診療報酬見直しの議論の中で、厚生労働省が11日に提案。1回あたり70枚までとする方向で検討している。1回で70枚以上処方される患者は月に延べ30万人ほど。国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で提案した。市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1~3割の負担で済む。政府の規制改革会議などでは、患者が必要以上の枚数をもらって使い切れずに残る無駄が問題視されてきた。

 厚労省が主要な湿布薬4種類を調剤した今年4月分の約377万件の処方箋(せん)を調べると、70枚以上の処方が約33万件(8・9%)に上り、140枚以上処方されたケースも10万件以上あった。地域でのばらつきもあり、奈良県や山口県では70枚以上の処方がほぼなかったが、最多の新潟県では処方箋の2割弱で70枚以上を処方していた。

 厚労省は1回70枚の処方で十分だとみて、枚数を制限することで地域の医療費格差を是正しつつ、無駄な医療費を減らすことにした。具体的な制限枚数は年内にも決める方針だ。(小泉浩樹、奈良部健)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H4T_R11C15A2EE8000/
診療報酬改定、中医協の意見書は両論併記 厚労相に提出
2015/12/11 20:36 日本経済新聞

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は11日、2016年度の診療報酬改定に向けた意見書をまとめ、塩崎恭久厚労相あてに提出した。日本医師会などが診察料や検査料などの技術料(本体)の引き上げを求める一方、医療費を支払う健康保険組合連合会などはマイナス改定を求めており、意見書は両論を併記した。

 診療報酬は医療サービスの公定価格にあたり、技術料と、薬の公定価格(薬価)からなる。16年度は2年に一度の改定年だ。上がれば医療機関や薬局の収入が増える一方、労使や患者の負担は増える。

 意見書では医師や歯科医師、薬剤師の委員らが、「アベノミクスによる賃金上昇を医療従事者にももたらす必要がある」として技術料のプラス改定を求めた。医療機関の経営が悪化しているほか、医療の充実にむけた財源が必要なことも理由に挙げた。

 一方、健保連や経団連、連合など保険料を支払う立場の委員は「患者負担や保険料負担の増加につながる診療報酬の引き上げは、国民の理解を得られない」と引き下げを求めた。近年は賃金や物価の伸びを上回るペースで診療報酬が上がっていると指摘したほか、医療保険の財政の悪化も訴えた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1211038027/
診療報酬、本体の改定率を「プラス」に...医師収入に直結する部分に配慮〔読売新聞〕
yomiDr.
| 2015.12.11 Medical Tribune

 政府は10日、医薬品など薬価部分と、医師や薬剤師らの技術料などの本体部分を見直す2016年度の診療報酬改定で、本体部分の改定率をプラスにする方針を固めた。

 薬価の引き下げが大きいため、全体の改定率は8年ぶりにマイナスに転じるが、来夏に参院選を控え、医師らの収入に直結する本体部分には配慮することにした。
 政府は16年度予算で社会保障費の伸びを約1700億円抑制する方針で、診療報酬改定を活用することにしていた。このうち1400億円超は薬価引き下げ分を充て、残る約300億円は本体引き下げや医療制度改正で対応する考えだったが、財政状況が改善している全国健康保険協会(協会けんぽ)への国庫補助金の削減などで対応可能となった。安倍首相は10日、首相官邸で塩崎厚生労働相と面会し、こうした状況について報告を受けた。
 ただ、プラスは小幅にとどまる見通しで、医療機関前に立地する「門前薬局」に関する技術料などは引き下げが検討されている。
 民間の賃金が上昇傾向にある中、日本医師会などは、医療関係者の賃金引き上げには本体プラスが必要と主張している。
(2015年12月11日 読売新聞)



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1211038026/
安倍首相,Lancetに国際保健への貢献に関する寄稿を発表
厚生労働省
健康・公衆衛生 | 2015.12.11 Medical Tribune

 厚生労働省は本日(12月11日),Lancet電子版に安倍晋三首相による「世界が平和でより健康であるために(Japan's vision for a peaceful and healthier world)」と題する寄稿が掲載されたと発表した。来年(2016年)5月に日本で開催予定の伊勢志摩サミットや9月に行われるG7神戸保健大臣会合を前に国際保健への貢献の姿勢をあらためて示した。

保健システム強化を通じた国際貢献への意向を示す

 安倍首相のLancetへの寄稿は2年前に続き2回目。今回の寄稿の中で同首相は,日本が国際保健分野で重要と考えている2点として,①公衆衛生危機に対応する体制の構築②強靱で持続可能な保健システムの構築を日本の経験と専門知識の活用により推進すること―を挙げた。日本が平均寿命の延伸を達成し,世界で健康指標のトップを維持し続けてきた背景には1961年の国民皆保険の達成,食生活や水の良好な状態などがあると説明。国民1人1人の健康を国として確保してきたことで,その後の高度経済成長や社会の安定,公平・公正,連帯につながったと述べている。
 また,保健システムの強化は公衆衛生危機対策でもあると指摘。感染症対策や薬剤耐性菌対策も重要な課題と記している。
 最後は,来年のG7議長国として,全ての人々が財政的困窮に陥ることなく健康上の脅威から守られるよう,国際保健に一層大きく貢献していきたいと結んでいる。全文は下記「関連リンク」のURLで読むことができる。
(坂口 恵)

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2815%2901172-1/abstract

Shinzo Abe
Comment : Japan's vision for a peaceful and healthier world
Lancet Volume 386, No. 10011, p2367–2369, 12 December 2015
Article has an altmetric score of 14
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(15)01172-1



https://www.m3.com/clinical/news/382546
BZの重複処方、複数疾患併存で増
医療経済研究機構調査、薬剤師による関与強化の必要性考察

m3.com編集部2015年12月11日 (金)配信

 複数の身体疾患が併存すると、多施設からの抗不安薬や睡眠薬のベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZ系薬)処方が重複する可能性が高まることが、医療経済研究機構主任研究員の奥村泰之氏らの調査で分かった。健康保険組合に加入する約118万人を2年間追跡したところ、757人でBZ系薬の重複処方が連続31日以上発生していたという。同氏らは、高用量や重複過多につながりかねない多施設処方の改善のため、複数の身体疾患を抱える患者に対しては薬剤師による関与を強化するなどの対策が求められると考察している。

 多施設処方とは、同一患者に複数の医療機関から同種同効薬が処方される状態を指す。奥村氏らは、こうした処方の原因を分析するため、健康保険組合のレセプトデータベースを用いたコホート研究を行った。2012年10月‐14年9月の2年間にわたり、同一健康保険に加入する117万8361人を対象に、研究期間をベースライン年とフォローアップ年に分けて、多施設処方の割合や高用量処方、重複過多の検出率、多施設処方の経過の4項目で検討した。

 BZ系薬の処方があった5万8314人のベースライン年における処方状況を解析したところ、1年間にBZ系薬の処方を受けた施設数(年間総施設数)として2施設が6120人、3施設が982人、4施設以上が282人から挙げられた。月間最大施設数は、2施設4933人、3施設以上439人で、2施設以上から連続31日以上BZ系薬の処方(重複処方)を受けていた患者は757人(1.3%)に上った。

 身体疾患の併存は、2つ以上が3599人、1つが9490人、「なし」が4万5225人であった。これら3群の多施設処方割合を見ると、身体疾患の数に比例して年間総施設数、月間最大施設数・重複処方が増加していることが分かった。身体疾患が 2 つ以上の場合は、重複処方の割合が 4.5%に上り、1 つの人の2.4% より1.8 倍高くなっていた。

 多施設処方の経過を見ると、ベースライン年に4施設以上からBZ系薬の重複処方を受けていた282人のうち、20.6%はフォローアップ年も同様の状況だった。月間最大3施設以上から処方を受けている439人では、うち25.1%がフォローアップ年も持ち越していた。重複処方患者757人のうち、52.7%がフォローアップ年も重複処方を受けていた。

 以上から奥村氏は、「複数の身体疾患を併存する人は多施設からの処方可能性が高く、重複処方の改善には薬剤師による関与強化などの対策が求められると考えられる」と考察。重複処方患者の過半数が1年後も継続されている点にも触れ、「健康保険組合などの保険者は、重複処方の患者を検出するため処方状況を定期的に確認する必要がある」と指摘した。



https://www.m3.com/clinical/news/382526
処方薬に係る年間3250億ドルの費用削減が可能
米国学会短信2015年12月11日 (金)配信 m3

 米国内科学会(ACP)は11月24日、費用を抑え、服薬遵守や臨床転帰を改善する方法として、可能な限りジェネリック医薬品を処方すべきとする論文を紹介した。ACPではジェネリック医薬品の使用により、年間で3250億ドルの費用削減が可能になると試算している。Annals of Internal Medicine誌に掲載。

 同論文では、(1)ジェネリック医薬品が利用できるケースでの先発医薬品の使用頻度、(2)ジェネリック医薬品によるアドヒアランスへの影響度、(3)臨床効果の同等性、(4)ジェネリック医薬品の使用増加を阻む障害、(5)ジェネリック医薬品の利用促進に有効な戦略――などを検討した。

 その結果、ジェネリック医薬品の処方は経時的に増加しているが、低額のジェネリック医薬品が利用可能な場合でも、医師が高額な先発医薬品を処方することは多かった。メディケアを受給する糖尿病患者においては、同一のジェネリック医薬品が利用できるケースにおける先発医薬品の使用は、処方の23-45%を占めていた。研究者らは、ジェネリック医薬品の代替により、メディケアの糖尿病患者だけでも14億ドルを節減できると試算している。

 また、ジェネリック医薬品によるアドヒアランスの影響については、患者の自己負担の増加が、長期服薬アドヒアランスの低下と一貫した関連性を示しており、先発医薬品が中止される可能性はジェネリック医薬品に比べて約2倍高いことが判明。安価なジェネリック医薬品の使用が増えれば、アドヒアランスを高める動機付けとなると、同論文は指摘している。

 一方、ジェネリック医薬品の使用促進が進まない理由としては、有効性や安全性に対する医師の懸念と、「低価格のものは品質も低い」とする患者の捉え方があると分析。また、外観の相違がノンアドヒアランスの高さと関連しており、患者に混乱を招いていると考えられると考察している。

 ジェネリック医薬品の処方促進には、電子医療カルテの導入により医薬品集に収載の処方薬を知らせる支援や、アカデミックディテーリングなどの双方向型の継続的医療教育の利用などが、医師の処方行動を変える効果的な手法として紹介している。



http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20151211/CK2015121102000032.html
産科医 当直が全国最多 県内10施設 勤務時間も最長
2015年12月11日 中日新聞 富山

 日本産婦人科医会が産婦人科勤務医の就労環境について行った調査で、県内医療機関の月平均の当直回数と一週間の勤務時間が全国最多だったことを、県議会予算特別委員会で奥野詠子委員(自民)が指摘した。

 同会は全国の分娩(ぶんべん)取り扱い病院を対象に昨年夏に調査。今年一月に結果を公表した。回答を得た七百八十施設のうち、県内は十施設。当直を除く一週間の平均勤務時間は全体の四九・六時間に対し、県内は五八・一時間。月平均の当直回数は全体の五・八回に対し、県内は八・六回。回数が「多すぎる」と回答した施設の平均七・五回を上回った。

 産科医に多い女性医師の労働環境改善を求めた奥野委員に対し、県の井内努厚生部長は、院内保育所の運営支援や分娩手当を出す医療機関への助成、労務管理の相談体制などの取り組みにより、分娩手当や保育所、女性当直室の整備などが進んでいることを紹介した。 (木許はるみ)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47567.html
税制改正、スイッチOTC薬の所得控除創設- 16年度与党大綱に盛り込む
2015年12月11日 21時30分 キャリアブレイン

 自民・公明両党による2016年度の与党税制改正大綱では医療に関して、セルフメディケーションを推進するために、医療用から一般用に転用されたいわゆるスイッチOTC薬の年間購入費用の1.2万円を超えた額を所得控除する特例の創設が盛り込まれた。また、医療消費税については、検討事項で高額な設備投資が医療機関の負担になっていることなどに配慮するよう明記された。【君塚靖】

 セルフメディケーションの推進については、6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2015」に盛り込まれた。これを踏まえて、健康の維持・増進と疾病予防への取り組みを税制で後押しすることになる。17年1月から5年間、個人が購入するスイッチOTC薬の費用が年間1.2万円を超えた場合、8.8万円を限度にその超えた額を所得控除する。

 この特例が適用される要件としては、▽特定健康診査(いわゆるメタボ健診)▽予防接種▽定期健康診断(事業主健診)▽健康診査▽がん検診―を受けていることを挙げている。製薬業界などによるセルフメディケーションの推進という要望と、医療界が求めてきた個人の健康増進・疾病予防の推進を要件化して、所得控除の特例を創設することにした。

 この特例の適用を受ける場合には、医療費控除の適用は受けられず、逆に医療費控除の適用を受ける場合は、この特例の適用は受けることができない。

 与党税制改正大綱で、この特例の創設を訴えてきた公明党の参院議員で医師の秋野公造氏は、「健康管理の動機付けに結び付くことを期待しつつ、骨太方針2015 に『重症化予防』の文言を初めて盛り込むよう働き掛けた立場としては、この特例だけで安心して適切な受療行動が取られずに疾病が重症化してしまうと、元も子もなくなる。運用は効果を見ながら慎重に進めていく必要がある」と語る。

■医療消費税は検討事項で「見える化」の文言消える

 医療消費税については、17年4月に消費税率の10%への引き上げが予定されているだけに、大綱にどのように盛り込まれるか注目されていた。この書きぶり次第で、与党が、社会保険診療に対する消費税が非課税であるために生じている控除対象外消費税が医療機関の経営を圧迫している問題をどの程度、真剣にとらえているかが分かるからだ。

 15年度大綱には、「個々の診療報酬項目に含まれる仕入税額相当額分を『見える化』することなどにより実態の正確な把握を行う」と明記されたことから、厚生労働省は今年、「見える化」に向けて消費税率5%から8%への引き上げに伴う、診療報酬による補てんの状況を把握する調査を実施した。

 この厚労省の対応を踏まえ、今回の16年度大綱の検討事項には、「見える化」の文言は消え、代わりに、「高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、平成29年度(2017年度)税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」と明記された。

 この問題について自民党の羽生田俊参院議員は、「医療界は一つになっているというが、実際にヒアリングをするとばらばらで、統一した要望にはなっていない。財務省と折衝すると必ず、医療機関の負担を軽減させるためには財源が必要との話になる。そこで以前も検討され頓挫したが、消費税率の引き上げ分の一部を原資にした基金をつくり、それで高額投資をした医療機関に補てんする方法も再度、議論してもいいのではないか」と話している。



https://www.circl.jp/2015/12/11/7401/
「キラキラネームは深夜受診が多い」!? 波紋を呼ぶ医学論文発表
WRITER: Masao Ando
2015/12/11 CIRCL

 「キラキラネームの子は、真夜中の救急受診割合が高い」。そんな「医学論文」が波紋を広げている。論文から読み取れるのは、キラキラネームの子の親は「病院という公共空間への配慮に欠けている可能性がある」というショッキングな見解だ。「やっぱりね」の一方で、「名前で差別するなよ」との声も。時ならぬキラキラネーム論争の趣きだ。
このキラキラネーム、読めるかな?

 苺愛、黄熊、七音、希星、今鹿…。あなたは一つでも読めるだろうか。順に「べりーあ」「ぷう」「どれみ」「きてぃ」「なうしか」と読むそうだ(※1)。よくぞ考えたと感心するものばかりだ。
 しかし、読み方が非常に難しい名前となると、不都合も考えられる。学校で、会社で、そして病院でも。特に救急医療の現場は時間との闘いだ。名前の確認に手間取ったり、読み方を間違えられた名前で検査や手術などが行われたりしたら、生死に関わりかねない。

キラキラネームの子どもの深夜受診 そうでない子の3倍?

 この論文の舞台も救急医療現場で、タイトルは「キラキラネームとER受診時間の関係」。2013年12月の1週間、日赤和歌山医療センターの救命救急センター(ER)を訪れた15歳以下の患者104人を、キラキラネームの子と、そうでない子に分け、診察に訪れた時間帯を比較した。104人のうちキラキラネームの子は16人、非キラキラネームは88人だった。調査では、深夜帯に受診したのキラキラネームの子が6人(37.5%)、非キラキラネームの子が11人(12.5%)で、比率的には3倍にもなった。
 統計学的には「キラキラネームの子の方が深夜帯に訪れる割合が高い」ということになり、調査グループは「『キラキラネーム児』の親が、病院という公共空間に対する配慮に欠いているために深夜に救急受診している可能性を示唆している」とした(※2)。

キラキラネームへの偏見? 「結果ありき」の調査では?

 この調査結果を、「キラキラネームの子を持つ親には非常識な人が多い」という見方を裏付けたものと見る向きが多いようだ。
 しかし、あまのじゃくの筆者は、調査が医療サイドによるものであることもあり、「結論ありき」だったのではないかと思ってしまう。
 しかし、論文の筆頭著者の医師はインタビューで次のように答えている(※2)。「『キラキラネームは就活に不利だ』といった議論も含め、キラキラネームへの偏見を感じていたんです。だからERの深夜受診を調べても、キラキラネームだから割合が高くなるというような差は出ない、というストーリーを立てていたんです」。つまり仮説として、「名前によって深夜の受診率に差が出ることはない」、という予測を立てていた、ということだ。

「キラキラネームだから…」 バイアスはやめて

 もともと調査前に立てていた仮説とは逆の結果になってしまったというわけだ。
 しかし、この調査は和歌山県の1地域で、わずか104人という小規模なものなのだ。そのまま「研究成果」とするには不十分なようだ。もっとも怖いのはこうしたデータが一人歩きして、医療スタッフが患者を見る目にバイアスがかかってしまうことだ。

必要な時はためらわず!遠慮は無用


 この調査は、どんな理由で、どんな症状があって受診したか、という「必要度」にまで踏み込んでいない。単に「深夜に来たから配慮に欠ける」という結論が短絡的な調査であることは明らかだ。
 わが子の健康を願わない親はいない。子どもが急に体調を崩すのは、時間や場所を選ばない。子どもが苦しんでいる、高い熱が治まらない…本当に必要な時は、深夜であってもためらわず病院へ。遠慮は無用だ。
※1:キラキラネーム2015年最新版と芸能人の子供の名前リスト http://matome.naver.jp/odai/2137697259762667901
※2:キラキラネームは深夜の受診が多い? 医学論文に反響、著者の狙いは http://withnews.jp/article/f0151101001qq000000000000000W02j0401qq000012687A



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47581.html
国立大・独法の病院で未収診療費200億円- 検査院調査、年間10億円の貸し倒れも
2015年12月11日 18時00分 キャリアブレイン

 国立大学法人と独立行政法人の病院で200億円近い未収診療費の債権があることが、会計検査院の調査で分かった。債権の回収が不可能になり、貸し倒れとして処理した金額が年間10億円超あったことも判明。検査院は「可能な限り多くの債権を回収するよう努める必要がある」として、債権の発生防止に加え、督促などを行うよう求めている。【新井哉】

 検査院によると、2013年度末の未収診療費の債権は、独立行政法人(186病院)で約103億円、国立大法人(45病院)で約90億円あった。債権残高に占める未収診療費の債権の割合が50%以上の法人もあった。

 検査院は、債務者の死亡や時効の成立などで債権の回収ができなくなり、貸し倒れの処理を行った金額についても言及。13年度は独立行政法人で6億9175万円、国立大学法人で4億6474万円あった。

 未収診療費の債権について、検査院は「収納されないまま3年が経過すると消滅時効が完成し、患者等が消滅時効を援用すれば、債権の履行の請求はできない」と指摘。こうした事態を回避するため、債権の保全措置を行っている病院の数は、国立大学法人では半数に満たなかったという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47579.html
赤字経営の特養、4施設に1施設以上- 福祉医療機構、昨年度の経営状況を分析
2015年12月11日 14時30分 キャリアブレイン

 昨年度、赤字経営となった特別養護老人ホーム(特養)は、4施設に1施設以上の割合に達することが福祉医療機構の分析で分かった。中でも定員が29人以下の小規模の特養では、約4割が赤字となっていた。同機構では、特に大都市圏を抱える南関東では、介護職員の不足に伴う稼働率の低下が特養の経営を圧迫していると指摘している。【ただ正芳】


 福祉医療機構では、開設後1年以上を経過している上、社会福祉法人の新会計基準を採用している3130施設(従来型1445施設、個室ユニット型1307施設、一部個室ユニット型378施設)の特養の昨年度の収支状況について分析した。

 その結果、赤字経営だった特養は853施設(27.3%)あり、一昨年度の調査(26.3%)に比べて、その割合は1ポイント増えていた。

 福祉医療機構では、赤字施設を利用率などで再分析したところ、「従事者の不足に伴う稼働の低調が赤字要因と見られる施設が、南関東を中心とする都市部に多く見られた」(同機構担当者)と指摘。特に都市部で特養の整備を進めるためには、人材不足への対応も喫緊の課題としている。

■小規模の特養では4割が赤字

 また、特養の規模別で収支を分析したところ、定員が「29人以下」の小規模の施設では、40.1%が赤字経営を強いられていたが、「30人以上49人以下」では、その割合は27.5%まで低下。さらに、「80人以上90人以下」では21.8%、「100人以上」では18.7%と、規模が大きくなるほど、赤字の施設の割合が低くなる傾向も明らかになった。

 小規模の特養ほど赤字の施設が増える点について、福祉医療機構では規模が小さいため定員一人あたりのコストがかさむことや、従事者が少ないため、短期入所の利用を促進できないことが背景にあるのではないかと分析している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47576.html
診療報酬改定、二次救急などに「配慮必要」- 塩崎厚労相
2015年12月11日 13時00分 キャリアブレイン

 2016年度の診療報酬改定に関して、塩崎恭久厚生労働相は11日の閣議後の記者会見で、「二次救急はまだまだ十分ではないところがある」などと述べ、二次救急と小児の在宅医療、認知症に対して「配慮が必要」との見解を示した。【新井哉】


 二次救急をめぐっては、四病協(四病院団体協議会)が今年9月、厚労省に対し、深夜や休日などに救急車で搬送された患者に対する「夜間休日救急搬送医学管理料」の算定要件の緩和などを要望。また、救急搬送で認知症の高齢者を扱うケースも少なくないことから、認知症の人の対応についても加算ができるよう求めていた。

 この日の会見で、塩崎厚労相は「小児の在宅医療、認知症への配慮といったことも必要となってくる」と指摘。「財政が厳しい中でもあっても、より良い医療を作っていくという観点が大事」と述べた。



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20151211_7
片道2時間半…応援診療心強く 大槌で盛岡の3医師
(2015/12/11) 岩手日報

 東日本大震災から4年9カ月を経た今も、仮設施設での診療が続く、大槌町大槌の県立大槌病院(坂下伸夫院長)。医師不足も深刻だが、盛岡市の医師3人が毎月1、2度、タクシーや鉄道で片道約2時間半かけて同病院を訪れ、町内にない整形外科と皮膚科の医療を支え続けている。町外への通院が難しい高齢者らにとって、頼もしい存在だ。

 3人は、同市菜園のむろおか骨粗鬆(しょう)症・整形外科クリニック院長の室岡玄洋(げんよう)さん(49)と同市肴町の栃内病院副院長の沼田徳生(のりお)さん(49)=いずれも整形外科=と、同市永井の盛岡友愛病院皮膚科部長の昆宰市さん(84)=皮膚科。室岡さんは毎月2度、昆さんと沼田さんが同1度同町を訪れている。

 室岡さんは2002年、昆さんは04年に大槌病院の応援診療を開始。震災で一時中断したが、仮設施設で診療が始まった11年6月に再開した。沼田さんは12年7月ごろからで、それ以前は県立大槌、釜石両病院に通算14年間勤めていた。

 続ける理由について、室岡さんは「今は人とのつながりだが、初めは内陸とは環境が異なる沿岸を経験して技術を高めたかった」、昆さんは「実家が隣の山田町で古里(沿岸)に恩返しするため」、沼田さんは「医師として育ててくれた第2の古里だから」と語る。特に室岡さんは、栃内病院を退職して13年8月に開業した後も通い続け、周囲を驚かせた。

 県医療局によると、震災応援で採用した常勤・非常勤医師は11、12年度計29人だったが、13年度は2人、14年度は1人と激減。常勤のほか応援医師の確保にも苦慮している。坂下院長(54)は「往復だけで半日つぶれる中での継続に感謝する。内科と外科しか常勤医がいないので、専門医が定期的に来る意味は大きい」と語る。大槌病院は3人のほか、8人の医師が応援診療に当たっている。



http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/event/15/120800020/121100003/?ST=ndh
日経デジタルヘルス・セミナー
「どうなる?遠隔診療」遠隔診療の普及を阻むものは何か?
日本遠隔医療学会副会長の酒巻哲夫氏が講演

2015/12/11 15:06
赤坂 麻実=日経デジタルヘルス

 日本遠隔医療学会 副会長の酒巻哲夫氏は、2015年12月9日に開催されたセミナー「どうなる? 遠隔診療」(主催:日経デジタルヘルス)で、遠隔診療の有用性や課題について講演した。

 酒巻氏は、患者のそばにいる担当医を遠隔地の専門医がアシストするDtoDや、医療機関と在宅患者が通信する(多くの場合、訪問看護師がサポートする)DtoPの遠隔診療の様子を映像で紹介。遠く離れていてもスムーズにやりとりができている様子や、診療に使える画質での画像・映像の送受信が一般普及レベルの機器でも可能なことなどを示した。「医師が患者に様子を聞くなかで、患者に笑顔が出るのが印象的。遠隔でも心が通じているようだ」(酒巻氏)。

 遠隔診療の有用性については、脳血管障害の後遺症や末期がんの患者を対象にした、安全性に関するレトロスペクティブ調査(2010年度)の結果を紹介。遠隔診療を受けた在宅患者群と、訪問診療を受けた在宅患者群の比較で、死亡や入院などのイベント発生率は変わらないことが確認できたという。

 患者の意向については、全国33医療機関で実施したアンケートの結果を報告した。アンケートによれば、DtoP、センシングデバイスなどによる遠隔モニタリングとも、「ぜひ実施したい」または「どちらかといえば実施したい」との回答が、合計で6割強を占めたという。

 遠隔診療によって、家族を自宅で看取ることができた人の講演の様子も映像で紹介した。講演の内容は、講演する男性の妻が、末期がんに苦しんでいたが、自宅で遠隔診療を受けることで子供たちのそばにいることができ、亡くなる前に、子供が将来読んで心のよりどころにできるような手紙を書き残すことができたというものだった。

難病に苦しむ人の助けに

 遠隔診療が特に効果を発揮しそうな分野として、酒巻氏は“難病”を挙げる。難病は、指定難病だけでも2014年末時点で110疾患あり、病理・病態がさまざまで未解明の部分が多い。患者数が少ないため、その治療に精通した医師の数も限られ、患者は遠方からの通院を余儀なくされたり、風邪にかかった場合でも近所の病院では治療を忌避されたりすることがある。「こうした患者と遠方の専門医をつなぐことができれば、患者の助けになれるのではないか」(酒巻氏)。

 酒巻氏は、難病に遠隔診療を使うには、技術と経済性の両面から通信環境の整備を担えるキーパースンや、患者・担当医・専門医の3者をつなぎ、日程調整などができるコーディネーターの存在が必要になると指摘。また、専門医と担当医の診療費を保険診療制度の中で適切に配分する仕組みが必要であるとした。

モデル化やエビデンスが必要

 遠隔診療が普及していくには、モデル化(臨床場面の定義)やエビデンスの収集が当面の課題になると酒巻氏は指摘する。また、不十分な報酬も、普及を阻害する要因になっているという。DtoPの遠隔診療は、診療報酬制度の適用を受けようとすると、現時点では再診料の中の「電話等による再診」に当てはめるしかない。その電話等再診にも、200床未満の病院でなければ認められない、患者の求めが必要といった要件や、併算定できない指導管理料などがあるのが現状だ。

 「遠隔診療はまだ十分な発展を遂げていない。課題を解決する方法を、法制度も含めた幅広い視点で考えていく必要がある」(酒巻氏)。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127871
「行政への裏切り」化血研告発も視野…厚労相
(2015年12月11日 読売新聞)

 一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)による血液製剤の不正製造問題で、塩崎厚生労働相は11日の閣議後の記者会見で、「薬務行政を裏切る行為で、組織的な隠蔽は言語道断」と述べた。

 厚労省は、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで刑事告発することも視野に調査を進めている。

 塩崎厚労相は、化血研が長期間、国の承認書とは異なる製法を採用し、組織的な隠蔽を続けていたことを問題視。「自浄作用として食い止めるだけのガバナンスの力もなく、コンプライアンス(法令順守)の意識も低かった」と断じた。

 同法は、国の未承認の方法で製造した医薬品の販売や、国の検査に虚偽の説明をすることを禁じている。



http://blogos.com/article/149324/
大村氏ノーベル医学賞受賞から考える「医療はビジネスか、ボランティアか」
THE PAGE2015年12月11日 10:00 BLOGOS

 12月11日(日本時間)、イベルメクチンという薬の開発への貢献でノーベル医学・生理学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授の大村智氏が、同じくイベルメクチンの開発に携わった米国ドリュー大学名誉研究フェローのウィリアム・キャンベル氏、マラリア治療薬の開発で受賞した中国中医科学院終身研究員兼首席研究員のト・ヨウヨウ氏と共に、スウェーデン・ストックホルムで行われた授賞式に臨みました。今回は、大村智氏とウィリアム・キャンベル氏の研究がどのような形で医療現場に届けられたのかを紹介しながら、医療の発展のために考えなくてはならない課題を考えます。

土の中から発見された微生物が、難病の特効薬に

 今回、2人がノーベル賞を受賞することになった研究は、1970年代に静岡県で始まります。自然界にある微生物の研究を専門にしている大村氏は、静岡県伊東市にあるゴルフ場の土壌から「放線菌」と呼ばれる新種の細菌を発見しました。

 ちょうどその頃、ペニシリンやストレプトマイシンといった抗生物質の開発を手掛けていたメルク社(米国)は、創薬に応用できる可能性のある新しい微生物を発見するために、大村氏が所属する北里大学の研究所から土壌サンプルを入手。その中に、大村氏が発見した「放線菌」の入った土壌が含まれていました。このとき、土壌を研究するメルク社の上級研究員だったのが、大村氏と共にノーベル賞を受賞したウィリアム・キャンベル氏です。ここで、放線菌を発見した大村氏が持つ“バトン”は、キャンベル氏へと引き継がれます。

 キャンベル氏は、北里研究所から送られた土壌サンプルを元に、数百回もの試験を実施。その結果、大村氏が発見した放線菌を含む土壌サンプル「S3153」の中に、有効成分である「エバメクチン」という新たな物質を発見し、この物質が当時アフリカなどの途上国で猛威を振るっていたオンコルセカ症(河川盲目症)や象皮病という寄生虫由来の感染症に有効であることを突き止めます。

 オンコルセカ症は、小さなブヨを媒介して体内に侵入する寄生虫で、体内で繁殖することで身体の至る所が強い痒みに襲われて皮膚の損傷を引き起こし、目に侵入すれば失明を招きます。また象皮病は、蚊が媒介する寄生虫で、体内に侵入することにより足が象の足のように太く硬くなることからその名がついています。

 世界保健機構(WHO)の1978年の統計によると、オンコルセカ症の感染者はアフリカを中心に約1800万人にのぼり、失明に至った重篤な患者も約34万人に。感染者を安全に治療する方法も確立しておらず、当時使用できた薬は強い副作用のため死者を出すほど。事態は深刻な状況でした。

 キャンベル氏によって発見されたエバメクチンは既に動物の感染症に有効であることがわかっていましたが、キャンベル氏は更にエバメクチンがこのオンコルセカ症や象皮病の治療に有効な“特効薬”なのではないかという可能性を考え、メルク社も後に誕生する抗寄生虫薬「イベルメクチン」の創薬に向けた検討を行います。しかし、そこには大きな壁が立ちはだかっていました。

“患者が買えない薬”、“儲からない薬”のための巨額投資、メルク社の決断は

 創薬メーカーが新しい薬(新薬)を開発し世の中に届けるためには、莫大な費用と時間と手間が掛かります。エバメクチンを人体に使用しても安全な薬にするためには十分な研究期間と費用が必要になり、薬を生産するための製法も開発する必要が。そして、創薬が実現したとしても、動物による有効性と副作用の実験、世界各国で患者に投薬することによる臨床実験(治験)が必要になります。新薬を世の中の患者の元に届けるためには、10数年の期間と数億ドルもの資金が費やされるのです。

 この開発資金は、もちろん回収して利益を上げなければ創薬メーカーは新薬開発を通じて多くの研究者・社員・研究機関・生産拠点を抱える企業体を維持することはできません。そのためは、創薬メーカーがその開発資金を薬の価格に転嫁したり、国や国際機関、ボランティア団体などが薬を患者に届けるための費用を負担したりします。しかし、「イベルメクチン」を必要としているアフリカをはじめとする途上国の人々は、薬を買ったり治療を受けるための資金力がなく、国や団体からの資金援助が受けられる見込みもありません。それでもメルク社は、製品化に成功したイベルメクチン(製品名:メクチザン)を途上国の患者に無償で提供するという決断をしたのです。

 もちろん、商品の無条件での無償提供は営利企業がやるべきことではありません。そのようなことを続けていては、企業は瞬く間に破綻してしまいます。その中で、メルク社が検討した画期的な新薬を数百万人もの患者に無条件で寄付するという前代未聞の発想は、社内でも大きな議論を呼んだといいます。

 しかしメルク社は、できるだけ早く、そして多くの患者にイベルメクチンを届け、感染症による苦しみから解放したいという思いと、世界中にメルク社のポリシーを示したいという思いから、無償提供を決断。薬を提供するだけでなく、その薬を患者に届けるための流通システムをも開発し、多くの患者の治療に貢献しました。

 大村氏が日本の土壌の中から新物質を発見し、そのバトンを受け継いだ米国のキャンベル氏はエバメクチンという新成分を発見。そして、そのバトンをアフリカなどの途上国で苦しむ患者の手元に届ける過程においては企業の前代未聞と言える決断があり、イベルメクチンは数百万人とも数千万人とも言われる多くの患者の治療に貢献することになりました。今年のノーベル賞医学賞の裏には、「多くの患者を救いたい」という国を超えた強い熱意の繋がりがあったのです。こうした研究者と民間企業の連携について、大村氏はストックホルムで行われた受賞記念講演の中で次のように語っています。

 「私は毎年2千種類以上の微生物を土壌サンプルから抽出して、その微生物がどのような物質を生み出しているかを調べている。有望な物質は保存して研究対象にしているが、科学研究にはお金がかかり一人ではできず、産業界でパートナーを探す。1970年代初頭、幸運にもメルク社と新たに共同研究を始めることができた。メルク社との共同研究を通じて、多くの興味深い物質を発見した。特にキャンベル氏が特定した、日本の土壌から発見した放線菌が生み出す物質エバメクチンは最も重要で、体内の寄生虫を殺すことができる世界初のものだった。イベルメクチンの研究は産学連携の先駆けとなった」(大村氏)。

 一方、イベルメクチンの研究で大村氏とキャンベル氏がノーベル賞を受賞したことについて、メルク社の日本法人であるMSDの広報担当者は、「30年近くに渡る当社の歴史の中で、アフリカや南米の難病である河川盲目症の治療薬メクチザンの開発をめぐる、全ての関係者の疾病との戦いにおけるイノベーションと熱意を誇らしく思う。大村博士の貢献、キャンベル博士と当社の“人々を救う”という情熱がメクチザンの開発を可能にし、結果的に河川盲目症に苦しむ多くの人を救うことにつながったと考えている。当社はメクチザンの無償提供プログラムを通じて、30年近くにわたり河川盲目症に苦しむ人々に治療薬を提供してきた。これからも世界の健康課題の解決に向けて、科学とイノベーションの探究に専念していきたい」とコメント。

 また、メルク社が新薬の無償提供という決断を行ったことについて、MSDの担当者は「創業者の子息ジョージ・W・メルクは、『医薬品は人々のためにあるのであり、利益のためにあるのではないことを決して忘れてはならない。どのようにすれば全ての人々に最良の医薬品を届けることができるだろうか。その答えを見出し、最高の成果を全人類にもたらすまでは休むことはできない』という言葉を残している。巨額の費用を投じて開発した新薬を無償配布することについては、開発費用の回収や患者に届ける流通ルートの確保など多くの懸念や課題があった。しかし、当社は創業理念に立ち返り“必要な人がいる限り、必要なだけ”メクチザンを無償提供することを決断し、WHOなどと協働して実現した」と説明しています。

 イベルメクチンによる人類への貢献は、大村氏の探求心とキャンベル氏の熱意、メルク社の献身的な姿勢が三位一体となって実現したものだと言えるのです。

イベルメクチンのストーリーをただの“美談”だと思ってはいけない

 このイベルメクチンをめぐるストーリーは、広く医療分野において多くの称賛を浴び、書籍や経営学の教材にもなっているほどです。しかし、このストーリーは医療分野に大きな課題を投げかけているとも言えます。それは、ノーベル賞を受賞するような高度な研究に込められた“多くの人の病を治し、命を救いたい”という強い思いと、一方でその研究の恩恵を世の中に届けるためには莫大な研究開発資金を必要とし、患者にも巨額の医療費の負担を強いることになってしまうという現実との間には、大きな矛盾が生じているということです。

 例えば、アフリカなどの途上国や紛争地域で活動し、98年にノーベル平和賞を受賞した国境なき医師団は、寄付を募ってそれを活動資金にしています。2012年にIPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は、IPS細胞の研究を実際の医療に応用するために企業と連携したり基金を設立して資金を集めたりするなど、マネジメントに奔走しているのだそうです。

 今回紹介したイベルメクチンのストーリーを含めて、このような“世の中に貢献したい”という情熱や献身的な姿勢は医療にとって重要なことであることは間違いありません。しかし一方で、寄付やボランティア精神に基づき採算性を度外視した医療活動や研究開発は、長期的に見てその企業や団体の疲弊を招くというリスクも内包しているのではないでしょうか。

 医療に携わる企業や団体は、その莫大な研究開発費を患者からの医療費や国からの補助金によって回収できなければ、新薬や医療技術の開発による社会への継続的な貢献は不可能であり、医療は企業にとって利益=新たな研究資金を生み出すことができるビジネスでなければなりません。

 しかし一方、企業が儲けを優先すれば、貧富の差によって必要な医療を受けられない患者もたくさん生まれてしまいます。全ての企業や団体がメルク社のような決断ができるわけではありません。全ての人に平等に医療を提供して社会に貢献したいという理想と、企業や団体の持続性のためには患者に高額な医療費を支払えるか否かという条件を突きつけなければならないという現実。

 この相反する状態をどのように解決すべきかを考えることは、これからも次々とノーベル賞を受賞する研究者が生まれて医療分野が発展していく将来に向けて、非常に重要な課題なのではないでしょうか。

(執筆:井口裕右/オフィス ライトフォーワン)



http://tocana.jp/2015/12/post_7898_entry.html
医者は「4人に1人がうつ」のブラック職業!? 医療ミスの原因に繋がる可能性も
2015.12.11 TOCANA

 今月、政府は来年度の診療報酬見直しに関して、マイナス改定をする方針を固めた。もちろん、診療報酬が直接医者の収入になるわけではないが、国の財政事情が改善するまでは、医療業界にとっては厳しい話が続きそうだ。

 そんな時代であっても、医者を志す若者はたくさんいる。しかし、そんな彼らの心を更にへし折るような研究が8日、「米国医師会雑誌」に発表された。なんと、研修医の4人に1人は「抑うつ状態」に陥るというのだ。

■50年以上に渡る大規模な調査

 ハーバード大学のダクラス・マタ博士らは、現役研修医を含んだ研究チームを結成し、研究議題としてしばしば話題となる、「研修医の何割がうつ状態であり、どのように推移しているのか」について、包括的な調査を行うことを決めた。

 そこで、1963年1月から2015年9月までの間に行われてきた、54の先行研究を統合・集計し、17,560人の研修医のデータを調査したところ、抑うつ状態であるとみなされたのは4,969人にものぼり、割合にして28%に達したのだ。さらに悪いことに、その割合はこの50年間で増加してきていることも判明した。

 研究チームの一人で、ミシガン大学の精神科医であるスリジャン・セン博士は、「ここ何年か、研修医のメンタルヘルスの改善に取り組んでいただけに、この増加傾向は重大なことだ」と、結果を危惧している。

■苦労の多い研修医時代、日本でも同様の結果が

 米では、日本での医学部にあたるメディカルスクールを卒業後、「インターン」や「レジデンシー」とよばれる研修期間に入る。この時期に実際に現場で訓練する集中的なOJT研修が行われるのだが、十分な知識や経験がない状態で、主要な診療科に一通り所属するため、非常にストレスが多いという。また、研修医という立場であっても当然、患者に対して重い責任を持って対応することが求められるため、思うような治療ができずに心を痛めることもあるようだ。

 「若い医師たちが苦しんでいる具体的な数字が証拠として出てきたからには、一刻も早く彼らを助けるためにこの問題に取り組まなくてはならない」と、セン博士は危機感を語る。最近ではほとんどのメディカルスクールにおいて、メンタルヘルスについて対応を始めたものの、今以上の取り組みが必要だという。

 今回の研究は米の研究であり、日本の研修医とは制度も地位も微妙に異なるものである。しかし、日本でも小規模ではあるが過去に同様の研究が行われ、やはり4人に1人が抑うつ状態になるという結果が出ている。

 病んでいる医者は、医療ミスや治療の質の低下を招くことから、患者となりうる私達にも身近な問題である。健康を損なったときの頼みの綱である医者、まずはその身の健康を損なわないような研修制度を考えなければならないようだ。

参考リンク:
UofMHealth.org
http://www.uofmhealth.org/news/archive/201512/one-four-new-doctors-may-be-depressed-and-their-patients-may
The JAMA Network
https://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2474424
ほか



http://www.sankeibiz.jp/macro/news/151211/mca1512110500014-n1.htm
医療分野効率化に政府、規制緩和検討 大学病院の別法人化容認へ
2015.12.11 07:20 SankeiBiz

 政府が、大学設置基準で禁じている大学付属病院の別法人化を認める規制緩和を検討していることが10日、分かった。2017年度から新たな地域医療機関の連携制度が導入されるが、法人格を参画要件としており、法人格を持たない大学病院は参加できない。政府は規制緩和を通じて高度な人材や技術を持つ大学病院を呼び込み、安倍晋三政権が成長戦略の柱の一つと位置づける医療分野の効率化などに役立てる考えだ。

 政府は11日に産業競争力会議の点検会合を開き、複数の医療機関を一体運営する「地域医療連携推進法人」制度導入に向けた準備状況を話し合う。この中で、岡山大学が国内で初めて、同制度への参画と、付属病院の別法人化を目指す方針を報告する。


 同制度は、都道府県知事の認定で新設される「地域医療連携推進法人」が複数の医療機関のまとめ役になり、医薬品の共同購入や、グループ内で資金や人員の融通を進め、経営の効率化を目指すというもの。

 ただ、参加要件を「非営利法人」などとしており、大学医学部の一部局に過ぎない付属病院は加われない。法人格を持つ大学全体で参加すれば、意思決定のスピードなどが遅くなる。岡山大もこうしたハードルを超えるため、会合で病院の別法人化を目指すことを表明する。

 政府はこうした声をくみとり、早ければ16年度にも規制緩和を行う。教育研究機関として、大学の医学部に付属病院を置くことを義務づけている文科省令の大学設置基準の改正などを検討する。



  1. 2015/12/12(土) 07:54:08|
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