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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月10日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/382560
シリーズ: 医療従事者の需給に関する検討会
医学部定員、増員維持か?削減か?
厚労省、医師需給の検討開始、来春に中間報告

2015年12月10日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の第1回会議が12月10日開催され、医師をはじめとする医療従事者の需給について検討を開始した。座長には国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏が就任。

 同検討会の下に、医師、看護職員、理学療法士・作業療法士の3つの分科会を設置する。当面は、「医師需給分科会」の議論を先行させ、2016年4月末予定の中間報告では、2017年度で期限が切れる医学部の「臨時定員増」に関する方針をまとめる。その後に、2019年度で期限が切れる「臨時定員増」についても検討を行う。来年の秋口以降、各都道府県で現在策定を進めている地域医療構想がおおむね出揃うことから、医師の地域・診療科偏在についての議論も深め、最終報告は2016年末を予定。

 医学部定員は、2008年度から、それまでの抑制時代から増加に転じた。2007年度は7625人だったが、2016年度は9262人で、計1637人増。ただし、「臨時定員増」が965人分含まれ、うち317人分は2017年度、648人分は2019年度が期限で、その後の医学部定員の在り方を早急に検討する必要が生じていた。

 「医療従事者の需給に関する検討会」に続いて開催された「医師需給分科会」では、「OECD平均に近づきつつある人口当たりの医師数と、現場での不足感との間にギャップがある」といった意見が相次いだものの、一方で、医学部定員増の効果はこれから出てくることから、その点を踏まえて議論すべきという慎重論もあり、構成員の間で温度差が見られた。また近年の定員増に伴い、18歳人口当たりの医学部進学者数は、年々増加し、「過去に比べて、明らかに“粗製乱造”になっている」との指摘も出た。

 さらに今後の医師需給の議論に当たっては、地域や診療科の偏在、医師の年齢分布や女性医師の割合、さらには「ブラック企業」に相当する医療機関も多いという医師の勤務時間など、多岐にわたる視点から検討すべきとの意見が続出した。医師の需給は、医療提供体制の在り方とも関係する。今回の検討会の議論が「臨時定員増」への対応に加えて、どこまで議論の幅を広げるかが注目される。

 なお、東北薬科大学が2016年4月に医学部新設の予定で、国際医療福祉大学も2017年4月の新設を目指し、準備を進めている(『「東北医科薬科大学」、来春誕生』、『国際医療福祉大学、「明治以来の医学教育を変える」』を参照)。本検討会では、2大学の定員も踏まえて、将来の医師需給を検討する見通し。

 この点に関連して、日本医師会副会長の今村聡氏は、「本来なら医師需給を検討した上で、医学部新設を議論すべきだった」と述べ、医師需給の検討は、随時ではなく、定期的に行うべきであるとした。

 「医師需給分科会」では、「臨時定員増」も今後も維持した「A パターン」と、「臨時定員増」は終了した「Bパターン」の二通りについて、医師の供給数を推計した結果も報告された(2017年から2019年は、2011年から2016年の平均である年52人ずつ臨時定員増があると仮定)。起点の2012年は30万1048人(人口10万人当たり236.1人)、2023年はいずれのパターンも33万7011人(同276.0人)だが、2035年には「A パターン」は37万3877人(同333.5人)、「Bパターン」は36万3117人(同328.9人)と推計され、1万人強の差がある。千葉大学予防医学センター教授の藤田伸輔氏による推計。

 需給の検討には詳細データが必要

 医師の需給は、新卒医師から死亡数を差し引いても、年間4000人程度毎年増加している。人口10万人対医師数は年々増加し、2012年の時点で226.5人だが、地域差が大きく、最も多い京都の296.7人に対し、最も少ない埼玉は148.2人と約2倍の開きがある。

 「医療従事者の需給に関する検討会」では、今後の検討に当たって、都道府県別だけではなく、2次医療圏単位などの地域別の医師数が分かるデータ、診療科別、年齢別、病院か診療所かなどの勤務先別といった詳細なデータを求める声が相次いだ。

 医師需給の現状認識については、日本医療法人協会会長の加納繁照氏が、「病院の現場から考えると、まだ不足していると思う。日本の約7割を占める医療法人立の病院では、医師確保に苦労している。多額の費用を支払いながら、医師を確保している」とコメント。日本精神科病院協会会長の山崎学氏も、人口当たりの医師数でみた充足感と、現場での不足感がかみ合っていないと指摘。

 統計データと現場の不足感にギャップ

 続いて開催された「医師需給分科会」の座長には、長崎大学学長の片峰茂氏が就任。片峰氏は会議の冒頭、「臨時定員増」の扱いについて議論するとしたものの、「単なる医師数の議論では、問題は解決しない。偏在の問題を考えつつ、適正な医師需給を議論する。地域医療構想、医療費、臨床研修制度、専門医制度、医学教育、さまざまな事柄が密接に関係する。議論は多岐にわたり、混乱もあるかもしれないが、実効性のある結論を期限内にまとめたい」とあいさつ。

 「医師需給分科会」では、関係資料の説明後、フリーディスカッションが行われたが、片峰氏の言葉通りの展開となった。

 まず医師需給の現状認識については、検討会と同様の意見が相次いだ。全日本病院協会副会長の神野正博氏は、地方においては、官民を問わず、病院は医師不足にあるとし、「高齢者が増えれば、医療需要は増える。小児科や産婦人科がいなければ、若者は地域から去っていく。地域を守る意味でも医師は足りない、というのが基本認識」と指摘。さらに、(1)90歳や100歳といった高齢者でも、日本では医師数としてカウントしている、(2)週当たりの全労働時間が「60時間以上」の医師が、約40%に上る――という実態を踏まえた検討も必要だとした。「日本の医療機関の40%が、『ブラック企業』であることを、『厚生労働省』として見過ごしていいのか」(神野氏)。

 全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏(大阪市立大学医学部長)も、大阪府は、数字から見ると、人口当たりの医師数は全国平均を上回っているものの、医師不足から自治体病院が閉鎖になっている現状を紹介。2004年度からの臨床研修制度におけるマッチングの導入や、「フリーター医師」の増加を要因として挙げた。さらに「地域枠」が地元への医師定着につながっているかについても懐疑的な目を向けた。「東北にある大学の地域枠の学生に対し、奨学金を肩代わりして、関東に連れてくるケースなどもある」(荒川氏)。

 これに対し、日医常任理事の小森貴氏は、神野氏や荒川氏の意見に一定の理解を示したものの、2008年度以降の医学部定員増後に入学した学生が、初期研修を終え、臨床現場に出てくるのは、2016年4月以降であることから、医師需給の推計に当たっては、「冷静に考えた方がいい」とコメント。さらに「(臨時定員増のままでは)近い将来、18歳人口の100人に1人が医師になる時代が来る。我が国の産業の在り方としていかがか」と、日本の少子化を踏まえた議論が必要だとした。

 森田氏も、医師の年間休暇日数や、医師と他の医療職種との役割分担の在り方などによっても、医師の需要数は変わってくるため、医師数の国際比較は難しいとした上で、「我が国の人口減少はかなり急速に進んでいる」と述べ、小森氏と同様に、少子化という視点の重要性を説いた。

 東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授の北村聖氏は、2008年度以降の定員増を踏まえ、「今でも留年者は増えている。過去に比べて、明らかに“粗製乱造”になっている」と指摘。学生増に加え、医学教育が座学から臨床実習重視になっており、「教育現場の疲弊もある。定員増を維持するなら、教育環境の充実が必要であり、定員を基に戻すという選択肢もある」と述べた。

 「新専門医制度の議論は別」

 各構成員が指摘したように、医師の需要は、医師の年齢や勤務時間をはじめ、さまざまな要因で変わり得る。聖路加国際病院院長の福井次矢氏も、研修医や高齢の医師など、アクティブな中堅医師と同等にカウントできないとしたほか、大学病院の勤務医などは研究にも従事することから、この辺りを考慮して議論すべきと主張。

 そのほか、今村氏からは法医学など臨床以外の分野、北村氏からは基礎研究や国際協力に従事する医師の需給についても検討すべきとの指摘も出た。

 なお、医師の診療科偏在の議論に当たっては、2017年度からの新専門医制度と絡めた議論も想定し得るが、異議を唱えたのは、小森氏。厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の構成員として議論してきた経緯を踏まえ、「専門医制度は、プロフェッショナルオートノミーで運営する。ここが肝だ」と釘を刺した。同検討会では、新専門医制度を運営する第三者機関を、行政から独立した組織にしたほか、医師偏在の議論とは切り離した経緯がある(『「医師不足」消える、専門医制度の最終報告』を参照)。



http://www.wakayamashimpo.co.jp/2015/12/20151210_56293.html
将来の「医師余り」に警鐘 医大の岡村学長
15年12月10日 18時56分[社会] わかやま新報

 講演会「明日のわかやまの医療を考えるフォーラム」が5日、和歌山市紀三井寺の県立医科大学付属病院で開かれ、同大の岡村隆学長が講演し、近い将来の〝医師余り〟の実情に警鐘を鳴らした。

 医療従事者や学生ら約100人が参加した。岡村学長は、平成16年からの10年間で、病院数が9077カ所から8495カ所、病床数が181万床から168万床に減っていることを示し、「近年、病院の経営が苦しくなっている」と人口減少などで医療を取り巻く環境変化を紹介。宮城県で来年4月、千葉県で再来年に医学部が新設されることについて、「このまま医師が増えれば、過剰になるのは目に見えている」とし、国の医師養成政策を批判した。

 地域が直面する医師不足の本質について、「地域間の偏在と診療科間の偏在があり、それを解消しなくてはならない」と強調した。

 この日はその他、同大地域医療支援センターの上野雅巳教授、京都大学医学部付属病院呼吸器外科の伊達洋至教授が、それぞれ医療の現状について講演した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47573.html
新専門医制度、日病協の各団体も社員化を- 全自病が日本専門医機構に要望
2015年12月10日 22時00分 キャリアブレイン

 2017年から新たな専門医制度が始まることを踏まえ、全国自治体病院協議会(全自病)は、制度を運営する日本専門医機構に対し、日本病院団体協議会(日病協)の12団体を構成メンバーに加えるよう要望した。10日に開かれた常務理事会後の記者会見で、全自病の邉見公雄会長が明らかにした。【松村秀士】

 新しい専門医制度では、同機構が専門医の認定や養成プログラムの評価などを行う。そのメンバー(社員)は、日本医師会や全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会(四病協)のほか、18の基本診療領域の学会の代表者などで構成される。

 要望書では、社員のほとんどは総合診療医以外の学会の代表者で占められており、この構成では「患者に信頼される制度になるとは思えない」と指摘。その上で、「日病協の各団体、とりわけ地域に密着して日々の診療を行っている全自病を社員とすることが必要」とした。

 10日の会見で、邉見会長は「四病協以外、病院団体は社員に入っていない」とし、現場の意見を反映させるために日病協の各団体を社員に加える必要性を改めて強調した。さらに、同機構の社員や理事の選考方法などが明瞭でないことも課題だとした。



http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00310879.html
医師数が「西高東低」に 地域格差是正に向け議論始まる
12/10 18:43 FNN

医師の数が「西高東低」となっているため、地域格差を是正するための議論が始まった。
現在、医師の数は増加傾向にあるが、地域別で見ると、京都府が最も多く、次いで、徳島県となる一方、埼玉県は最も少ないなど、「西高東低」との指摘もある。
10日に始まった厚生労働省の検討会では、医師の数の地域格差の是正に向けた制度の効果などを検証するほか、9年ぶりに医学部の定員見直しの議論も行う。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t239/201512/544987.html
シリーズ◎2016診療報酬改定
次期改定の基本方針を中医協に報告
年明けの医療部会では専門医制度について議論予定

2015/12/10 二羽 はるな=日経ヘルスケア

 厚生労働省は社会保障審議会医療部会(会長:自治医科大学長・永井良三氏)、医療保険部会(会長:学習院大学経済学部教授・遠藤久夫氏)がまとめた2016年度診療報酬改定の基本方針を12月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告した。今後はこの基本方針に基づき議論を詰める。基本方針では地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化や連携を重点課題と位置付け、急性期や回復期、慢性期などの医療機能の分化や連携を推進したり、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価することなどを盛り込んでいる。

 2016年度改定の基本方針では、改定の基本的視点として(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携、(2)患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療の実現、(3)重点的な対応が求められる医療分野の充実、(4)効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める――という四つの視点を挙げている。

 具体的な方向性の例として、(1)では医療機能や患者の状態に応じた評価を行い、急性期、回復期、慢性期などの医療機能の分化・強化や連携を推進すること、チーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化などによる医療従事者の負担軽減、個別の疾患ごとではなく患者に応じた診療が行われるようにするためのかかりつけ医の機能の評価などを挙げた。服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価も盛り込んだ。併せて、患者が早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続するための取り組みの推進や、効果的・効率的で質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制の確保も挙げた。

 (2)では、情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や、医療に関するデータの収集・利活用の推進、質の高いリハビリテーションの評価をはじめとする患者の早期の機能回復の推進などを挙げた。

 (3)では、重点的な対応が求められる医療分野として癌(緩和ケアを含む)、認知症、精神、難病、小児、周産期、救急医療などを挙げ、これらの分野について診療報酬改定で適切に評価することが重要とした。

 (4)では、後発医薬品の使用促進や価格の適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討、残薬や重複投与、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取り組みなど医薬品の適正使用の推進などを挙げた。医薬品の適正使用については、医療部会で「多剤投薬の記述を削除すべき」との意見も出たが、最終的には盛り込まれた。


年明けの医療部会では専門医制度について議論
 12月4日に開催された医療部会では、基本方針の確認とともに今後の医療部会の進め方や議論すべき内容などについて、委員から意見が相次いだ。全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は、「医療部会は医療提供体制のあり方について議論する重要な部会。地方創生の中での医療のあり方、医師の偏在や医学部新設についてなど、議論すべきことはたくさんある。診療報酬改定の前だけでなく、定期的に開催してほしい」と話した。

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏もこれに賛同。「2017年度から新しい専門医制度がスタートし、来年6月以降に研修医の募集が始まるが、これが医師の偏在につながる懸念がある」と指摘し、医療部会に日本専門医機構を呼んで議論することを要望した。

 日本精神科病院協会会長の山崎學氏は「現在の診療報酬改定の仕組みでは、医療部会で改定率などの財源に踏み込んだ話ができない。政府は国民の所得を上げる方針だが、マイナス改定となれば医療従事者の所得は下げてもいいということなのか」と訴えた。

 これらの要望を受け、厚労省は「2016年の医療部会に日本専門医機構を呼び、専門医制度について議論できるよう準備を進めたい」と応じた。



http://blogos.com/article/149129/
主張/診療報酬16年改定/「医療の質」崩す削減許されぬ
BLOGOS しんぶん赤旗2015年12月10日 09:15

 2016年度政府予算案の編成作業で大きな焦点になっている診療報酬の改定総額を決める政府内の議論が大詰めです。診療報酬は公的医療保険が対象とする医療サービスの価格です。社会保障費の大幅削減を推進する安倍晋三政権は、診療報酬の「マイナス改定」を行う構えを強めています。日本の医療現場はすでに、診療報酬を削減・抑制する政治が長年続くことで疲弊を深め、患者に十分な医療を提供できない事態まで起きています。医療従事者にも患者にも、いっそうの困難を強いるマイナス改定は国民の願いに反します。

「マイナスありき」の暴走
 公的医療保険財政から医療機関に支払われる診療報酬は原則2年に1度改定されます。報酬総額の改定率は12月中に内閣が決め、診療や薬ごとの価格は、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を通じ、年明けの2月中に決定されます。

 安倍政権は16年度予算案の編成に際し、最初から「診療報酬マイナス改定ありき」の姿勢を示しています。今年8月の概算要求では、社会保障費の増額分を15年度に比べて1000億円以上減らし6700億円増しか認めませんでした。さらに財務省は削減幅がまだ足りないと、今月中に閣議決定する政府予算案で増加分を5000億円にまで減額することを強く要求しています。削減の大部分をまかなわせる対象として政府が目を付けたのが診療報酬です。診療報酬改定以外に大きな制度変更がないことが最大の理由とされています。

 これほど不当なやり方はありません。高齢化や医療技術の進歩などで日本の社会保障費は年1兆円程度「自然増」するとされています。それを無理やり半減させること自体、乱暴極まるものです。そのうえ機械的に決めた削減額を絞り出すために、ほかに削減するところがないからと、国民の医療を支える診療報酬を狙い撃ちすることにまったく道理はありません。

 自民・公明政権の「社会保障費一律削減路線」の下で02〜08年度に繰り返された診療報酬の大幅マイナス改定は、各地で深刻な「医療崩壊」を引き起こしました。その後も抜本的なプラス改定は行われていません。前回14年度改定も消費税増税のもとで実質マイナス改定となり、多くの医療機関で経営が悪化している実態は、厚労省の調査からも明らかです。

 地域の医療機関の体制縮小・撤退、診療科の閉鎖などで被害を受けるのは住民です。保険給付の範囲を狭めるとして湿布薬などを公的保険の対象から外す動きは、患者に負担増を強いるとともに適切な健康管理に逆行するものです。「医療の質」を揺るがし「医療崩壊の再来」の引き金になる診療報酬マイナス改定は許されません。

政治の姿勢を変えてこそ
 安倍政権は16年度予算案で軍事費を引き続き増額し過去最大にする構えです。財界の求めに応じ法人実効税率の20%台への引き下げも前倒しで実施しようとしています。法人実効税率を1%下げるための財源は約5000億円とされています。これにたいし診療報酬を1%下げることで確保できる国費は約1000億円です。いったい誰に顔を向けた政治なのか。

 軍拡と大企業優遇のため、医療・社会保障を犠牲にする安倍政治からの転換が急がれます。



http://news.mynavi.jp/news/2015/12/10/552/
日本調剤 Research Memo(5):国の政策は医療費抑制へと移っている
  [2015/12/10] マイナビニュース

■調剤報酬改定の影響

(1)現況


 健康保険制度における各種報酬は2年ごとに見直される。調剤薬局業界は2016年4月に調剤報酬改定を迎えることが予定されている。改定の具体的内容や改定幅などは、当然ながら現時点では明らかになっていない。国の政策は、かつては医薬分業に力点が置かれた時代もあったが、ここしばらくは医療費抑制へと移っている。その結果出てきたのが、ジェネリック医薬品の使用促進と在宅医療への対応だ。調剤報酬改定は、国の政策推進のための最有力なツールであり、2016年の改定もそれに沿った方向で進められると考えられる。

 2015年6月30日閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針)によれば、医療介護分野で政策に変更はないようだ。この前提に立つと、2016年の調剤報酬改定の方向性もこれまでと大きくは変わらないと考えられる。しかし一方で「メリハリある配分」という表現に象徴されるように、政策推進に向けて「加算点」制度のみならず「減点」などが取り入れられる可能性も取り沙汰されている。一部報道では、財務省が調剤基本料の「特例」拡大・点数引き下げを要望していることが報じられている。

(2)日本調剤への影響

 前述のように、改定の内容が明らかになっていない現状では、日本調剤<3341>の収益への影響を試算するのは困難だ。しかしながら、定性的な表現ではあるが、調剤報酬改定のマイナス影響に対しては、同社は相対的に強い抵抗力を有している、というのが弊社の見方だ。

 まず、政策に変更がないという前提に立てば、ジェネリック医薬品使用促進と在宅医療対応は今後も柱であり続ける。この点で同社が進捗度が最も高い企業であることは前述のとおりだ。仮に、「メリハリある配分」が実行されたとして、それは上記2大施策に対して進捗の遅れた薬局に対するペナルティの性格を有するものと想定される。そうであれば、高い進捗度を有する同社には無縁の話と言える。

 もう1つ取り沙汰されているポイントに、門前薬局をターゲットにした「特例」の強化がある。これは通常の薬局であれば調剤基本料として41点が得られるところを、「月当たりの処方箋受付回数が4000回超かつ集中率70%超、もしくは、月当たりの処方箋受付回数が2500回超かつ集中率90%超」の薬局は「特例」として調剤基本料を25点に下げる、という制度だ。財務省はこの「特例」を拡大して「1200回超かつ70%超、もしくは、2500回超かつ50%超」の薬局も25点に引き下げるというものだ。

 仮にこの制度改正が実現したとしても、同社への影響は極めて小さいというのが弊社の見解だ。理由は、同社の門前薬局はすでにこの「特例」に該当して調剤基本料が25点に引き下げられているためだ。適用範囲拡大という形での制度改正が同社へ及ぼす影響は小さいと言える。

 まとめると、同社は調剤報酬改定による収入の『削りシロ』が小さい企業ということができる。調剤報酬改定は何らかの形でマイナス影響を及ぼすことが懸念されるが、その度合いは相対的には小さいというのが同社の今の立ち位置だ。むしろ、中小薬局の淘汰が進むと想定されるなかで、資本力を有する大手調剤薬局チェーンの強みを活かして、ビジネスチャンスへと転換できる可能性もあると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

本記事は「フィスコ」から提供を受けております。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47563.html
新規後発品の薬価の減額、注射薬など除外を- 日薬連など要望
2015年12月10日 12時00分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)の薬価専門部会は9日、来年春の薬価制度改革に向け、業界団体から最後の意見聴取を行った。この中で日本製薬団体連合会(日薬連)など3団体は、厚生労働省が新規収載の後発医薬品の薬価を先発品の原則5割に引き下げる方針を示したことについて、注射薬と外用薬を対象外とするよう強く求めた。【敦賀陽平】

 この日の会合では、日薬連の野木森雅郁会長、日本製薬工業協会の多田正世会長、日本ジェネリック製薬協会の吉田逸郎会長らが出席。3団体を代表して野木森会長が意見書を読み上げた。

 2017年半ばに後発品の数量シェア70%以上とする政府目標の達成に向け、後発品を取り巻く環境が急激に変化する中、野木森会長は新規収載の後発品の薬価について、原則6割とする現行のルールを維持するよう要望。注射薬と外用薬に関しては、内用薬と比べ、公定価格と実売価格の乖離率が小さく、製造コストも高いとして、少なくともこれらについては新たなルールから外すよう強く求めた。

 厚労省側は、後発品の置き換え率(シェア)が低い長期収載品(後発品のある先発品)の薬価を引き下げる特例(Z2)に関しても、現行のシェアの基準をそれぞれ10%引き上げる方針だが、野木森会長は「後発品への置き換えによる薬剤費の節減が著しく進んでいる中、さらなる削減を目的としたルールの見直しは行われるべきではない」と強調した。

 さらに、既に保険収載されている後発品の薬価に関しては、現行の価格帯を維持するとともに、改定後の薬価と実売価格との乖離率を極力小さくするため、後発品のみの市場実勢価格を基に価格を決める仕組みを検討するよう改めて求めた。

 吉田会長は、「注射薬と外用薬の乖離率は、内用薬と比べて明らかに小さい。2回連続で引き下げる妥当性は低い」などと主張した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09HCD_Q5A211C1000000/
予期せぬ死亡、届け出26件と低調 医療事故調査制度11月分
2015/12/10 11:56 日本経済新聞

 診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡を対象とした医療事故調査制度で、第三者機関の「日本医療安全調査機構」(東京)は10日までに、11月に医療機関から院内調査が必要として届け出があった事案は26件だったと発表した。10月1日の制度開始後の累計は45件。このうち1件で、制度に従い院内調査の報告書が機構に提出されたという。

 機構側は届け出件数について、依然として制度開始前の想定を下回っていると説明。「制度がなお十分に医療現場に周知されていないことや、医療機関側が調査対象の判断に苦慮していることが影響した」との見方を示している。

 機構によると、11月に届け出があった26件は、病院(20床以上)が24件、診療所(20床未満)が2件。診療科別では内科が5件、消化器科、外科、脳神経外科、産婦人科各3件などだった。

 機構に寄せられた相談は160件。内容は院内調査に関する相談が24%と最多で、「機構への届け出の範囲やその判断」が21%など。

 一方、10月の届け出件数は20件だったが、うち1件は「医療事故ではなかった」として医療機関側が取り下げたという。制度は、いったん届け出た事案について、医療機関側が院内調査開始前に「医療に起因しない」「予期していたと認められる」とあらためて判断した場合は、遺族に説明した上で取り下げることを認めている。〔共同〕



http://www.m3.com/news/general/382456?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151210&dcf_doctor=true&mc.l=134531719&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
診療報酬、「本体」微増方針 財源に高額療養費見直し
2015年12月10日 (木)配信 毎日新聞社

診療報酬:「本体」微増方針 財源に高額療養費見直し

 医療の公定価格である診療報酬の2016年度改定に関し、政府は薬価を除いた医師らの技術料など「本体」を微増とする方針を固めた。財源は患者の自己負担に上限を定める高額療養費見直しで捻出する。国民負担につながるため、具体策作りは来年夏の参院選後とする方針だ。【堀井恵里子、阿部亮介】

 診療報酬はほぼ2年に1回改定する。来年度の診療報酬改定で、政府は、「薬価」と「本体」を合わせた全体をマイナスとする方針を決めている。最大の焦点は、10年ぶりの「本体マイナス」となるかどうかだった。

 政府は来年度予算の概算要求で6700億円だった社会保障費の自然増を約1700億円圧縮する方針を決めている。市場価格に合わせた「薬価」の引き下げは来年度は1500億円台になる見通し。さらに約200億円の削減について、当初、財務省は本体に切り込む意向だった。

 しかし、日本医師会の横倉義武会長は9日に東京都内で開かれた集会で「診療報酬改定が厳しい内容となれば、医療現場は疲弊し、国民に必要かつ十分な医療を続けられなくなる」と反発。自民党の厚生労働関係議員からも本体増を求める声が強い。

 このため、政府は本体微増もやむを得ないと判断した。

 本体微増の財源に関し厚労省は、来年度については景気改善で保険料収入が増えている全国健康保険協会(協会けんぽ)への国庫補助削減分(数百億円程度)を充てる意向だ。ただ、17年度以降も同様の財源が出る保証はない。そこで、高齢者の高額療養費について、現役世代より優遇されている高齢者の負担上限額を引き上げる方向だ。

 国民負担につながるため具体策は来夏の参院選後とする。ただし、確実な実施を担保するため、政府は年末までに、「16年末までの具体案取りまとめ」を決定する方針だ。

 それでも負担増方針が参院選前に決定することになり、自民党内には「野党に攻撃材料を与える」など反発する声もある。

 この他、ジェネリック(後発医薬品)の見直しでも財源の積み上げを図る。新発売される後発医薬品の価格を現行の「先発品の原則6割」から「5割」に引き下げる方向は決まっている。厚労省は他に、メーカーの想定以上に売れ、販売額が巨額な医薬品の価格を特別に引き下げる仕組みの導入も検討している。



http://www.m3.com/news/iryoishin/382203
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「ネットプラス改定」を要望、総決起大会
国民医療推進協議会、厳しい財源状況に理解を示す場面も

2015年12月9日 (水)配信 成相通子(m3.com編集部)、橋本佳子(m3.com編集長)

 40の医療団体で構成する国民医療推進協議会(会長:横倉義武・日本医師会会長)は12月9日、「国民医療を守るための総決起大会」を開催し、適切な財源の確保と医療の消費税問題の抜本的解決を求める決議を全員一致で可決した。国会議員179人(代理99人)を含む計約2000人が参加した。

 大会趣旨の説明で、日医副会長の中川俊男氏は「社会保障費の機械的抑制の阻止」と「ネットプラス改定の実現」の2点が重要だと指摘。財務省の1700億円の削減要求について、「過去を学ばずに削減すれば、国民からの信頼は失われる」と警鐘を鳴らした。同日開催された、自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」も「ネットプラス改定」などを要望する決議をまとめた。


日比谷公会堂に国会議員と医療団体の関係者ら約2000人が集まり、「頑張ろう」コールに合わせて拳を突き上げた。

80人の国会議員が参加

 横倉会長は冒頭のあいさつで、「大変厳しい財源状況だが、医療介護は公共財で、国家的事業として最優先されないといけない」と主張。地域医療構想の実現のためにも「医療機関の経営が安定して成り立つために適切な財源の確保が必要」と訴えた。

 あいさつでは、具体的に要求する改定率については触れなかったが、終了後の会見で横倉会長は「要望するのはネットプラスだ」と説明。国の厳しい財政状況に理解を示しながら、医療従事者の給与手当の必要性や医療の進歩による医療費の伸びなどに触れ、人口の高齢化に伴う社会保障費の伸びについては、財務省の主張する5000億円ではなく、厚労省が試算した6700億円に「近づけるべきだ」と述べた。


 国会議員は80人が自ら参加。自民党副総裁の高村正彦氏が「自民党も国民医療を守るため全力を尽くすことを誓う」と訴えたほか、公明党副代表の古屋範子衆議院議員が社会保障費の伸びを3年間で1兆5000億円に抑えるとした骨太の方針について触れ、「あくまで目安であることを留意すべき。消費税率引き上げや前回改定に伴う医療機関への影響を十分に精査し、必要な改定を行うとともに、医療従事者の確保に資する改定にすべき」と述べた。民主党からは桜井充衆議院議員らが出席した。

 大会の趣旨説明では、中川氏と同日医副会長の今村聡氏が登壇。中川氏は、前回診療報酬改定は消費増税の補填分を除きマイナス改定だったことを踏まえ、「連続ネットマイナス改定は絶対にあってはならない。過去の連続マイナス改定の時と同じように、医療が崩壊の危機にさらされるのは必至だ」と語気を強めた。

6月に閣議決定した「骨太の方針2015」についても、社会保障費の伸びを3年で1兆5000億円以内に抑制するとしているが、「あくまで目安で、年平均の抑制額は出ていない。しかし、財務省は機械的に抑制しようとしている」と批判。2006年度の歳出改革に触れ、「過去に学ばずに、機械的削減を断行すれば、社会保障制度は再び崩壊の危機にさらされ、国民からの信頼は失われる。過去の轍を踏んではならない」と訴えた。

 今村氏は、医療機関の消費税負担問題について説明。2014年度の消費税率5%から8%引き上げ分については、11月30日の中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織の調査で「マクロでおおむね補填されたと総括された」としたが、消費税5%までの引き上げ分については、「全く手つかずだ」と指摘。毎年2600億円を医療界全体で負担しているとの日医の試算を紹介し、医療機関ごとに補填状況にバラつきがあるとの認識も強調した。2017年度の消費税率10%への引き上げまで、残された1年間は「抜本的な解決方法を決める1年間」と位置づけ、それまでに「医療の消費税問題に決着を付けよう」と呼び掛けた。

消費税補填は病院と診療所で別々に

 終了後の会見では、横倉会長に対し、消費税の補填方法と診療報酬の改定率に質問が集中した。医療機関の消費税の補填については、「診療報酬による補填は不十分で、診療所と病院で負担が大きく違う」と指摘し、「対応を分けるべきでないかと思う」と提案。2017年度の診療報酬改定と消費税引き上げまでに、病院と診療所に 分けて別々の補填方法を検討すべきだと述べた。

 診療報酬本体の医科・歯科・調剤の技術料の配分については、「基本原則は変えない」と述べ、現状維持の方針を主張。引き下げの圧力が強まっている調剤報酬についても、医科:歯科:調剤の配分比率のうち、調剤分は現在の0.3を維持するとした上で、「0.3と言っても、切り上げ、切り捨て、四捨五入がある」と述べ、100分の1の位の範囲内での変動については含みを持たせた。

 診療報酬の財源確保の手段として、高額療養費制度の上限を見直す動きがあることについては、「所得の高い人がある程度の負担は仕方がないと思う」として、一定程度の負担増はやむを得ないとする見方を示した。

自民議員連盟も「ネットプラス」を要望

 12月9日午前には衆議院議員会館で、自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」の総会が開かれ、2016年度診療報酬改定で、薬価改定財源を診療報酬の本体に充て、薬価を含めた全体でのプラス改定にするように求める決議を可決した。

 代理を含め、約260人の国会議員が参加。日本医師会、都道府県医師会の幹部らも集まった。高村正彦会長は冒頭に「財政状況は厳しいが、医療の質を守るには相応の財源が必要」と訴えた。

 決議では、2016年度の診療報酬改定で、約1500億円もの削減が見込まれている薬価差について、「制度発足時に十分な技術評価ができなかったことから生じた、不足分に相当する潜在的技術料」と指摘。「薬価改定財源は診療報酬本体に充て、診療報酬改定率はネットプラス改定にすること」を要求している。

 そのほか、医療従事者の手当を含む処遇の改善、「かかりつけ医」の位置づけの明確化と適切な評価、機能分化による効率的な医療提供体制の推進、救急・小児・周産期・精神医療・認知症対策など評価が不十分な医療の充実、医療機関の消費税負担問題の場本的解決の計6つの課題に取り組むよう求めている。

 会議は非公開で、横倉会長が参加した議員らに医療業界の実態について説明した後、質疑応答を行った。病院診療所の老朽化と建て替え対策、後発医薬品の価格が諸外国に比べ高い実態、終末期医療についての検討などの課題も検討すべきとの意見が出たという。



http://www.m3.com/news/general/382494
「化血研が製造停止懸念」 厚労省、不正の背景説明
2015年12月10日 (木)配信 共同通信社

 熊本市の一般財団法人「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)が国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造した問題で、厚生労働省の担当者が10日、民主党の厚生労働部門会議に出席し、問題の経緯や化血研へのこれまでの対応を説明した。

 約40年にわたり未承認製造が続けられた理由について、同省担当者は「(製造方法の)承認変更には1年以上かかり、化血研側はその間製造が止まってしまうことを懸念した」と述べた。一方、出荷された製品の安全性や有効性は「国の検定で確認している」とし問題ないとの認識を示した。

 化血研の第三者委員会は今月2日に最終報告書を公表。未承認製造や記録偽造などの隠蔽(いんぺい)工作を歴代理事長が把握、関与していた事実を明らかにしており、厚労省は業務改善命令などの行政処分を出す方針。

 報告書によると、1974年ごろから、血友病患者らに使われる血液製剤12製品を国の承認とは別の方法で製造。国の査察で発覚しないよう、遅くとも95年ごろまでには実際の製造工程記録とは別に、承認書に沿った製造記録の偽造を始めた。98年ごろには虚偽記録を組織的に作成。不正や隠蔽には歴代理事長ら幹部も関与していたという。

 厚労省は既に化血研への立ち入り検査を実施。国の査察で不正を見抜けなかった点を考慮し、血液製剤やワクチンのメーカーに対する製造工程の査察を一部抜き打ちで実施するよう改める。化血研は動物用ワクチンも未承認の方法で製造していたことが判明、農林水産省が経緯を調べている。

 ※化学及血清療法研究所

 熊本市にある一般財団法人の薬品メーカー。旧熊本医科大(現熊本大医学部)に設置されていた研究所を母体に、1945年に設立された。血液製剤のほか、インフルエンザや日本脳炎、A、B型肝炎のワクチンや家畜用ワクチンを製造、販売。2015年3月期の総売上高は約475億円で、血液製剤の売上高の国内シェアは2位。インフルエンザワクチンの製造では国内シェア約3割を握る。「薬害エイズ事件」では89年に被告企業の一つになり、96年に和解した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/382208?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151210&dcf_doctor=true&mc.l=134531723&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「市場拡大再算定」拡大と消費税改定に異議
薬価基準制度改革、3製薬団体にヒアリング

2015年12月9日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:西村万里子・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月9日、次期薬価基準制度の「論点整理」(案)に対する、3つの製薬団体へのヒアリングを実施した(「論点整理」(案)は、『後発品は0.5掛け、「年間売上1000億円超」引き下げ』を参照、資料は、厚生労働省のホームページ)。

 3団体が共通して強く反対したのは、売上が薬価収載時よりも大幅に上回った場合に実施される「市場拡大再算定」の対象拡大と、2017年4月に予定されている消費税率の引き上げに伴う市場実勢価格に基づく改定だ。

 「市場拡大再算定」について、日本製薬団体連合会会長の野木森雅郁氏は、「薬価算定時の前提条件が何らかの理由で大きな変化がないにもかかわらず、市場規模の拡大という事実のみをもって、薬価を引き下げるのは妥当ではない」と異議を唱えた。消費増税に伴う改定についても、「2016年4月改定から1年しか経過していないにもかかわらず、市場実勢価格に基づく引き下げを実施することは、日本の製薬産業の競争力の弱体化になる」などの理由から反対。通常改定の2016年度と2018年度の間に、2017年度改定が行われれば3年連続改定になり、現行の「2年に一度」の改定から、「毎年改定」への布石にもなり得る。

 そのほか、日薬連は、後発医薬品に関しては、「2017年央までに数量シェア70%」と目標が上がったことから、後発医薬品への置き換えが進まない長期収載医薬品の引き下げルールについて、「区分の見直し」についてはやむを得ないとしたものの、「さらなる置き換えを目的としたルールの見直しは避けるべきと」と、釘を刺した。一方で、後発医薬品の新規収載時の薬価について、現行の先発医薬品の0.6掛けから、0.5掛けに下げることには反対。

 これに対し、「論点整理」(案)の中で、製薬団体が支持したのは、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の維持・継続。日薬連はそのほか、長期間臨床現場での使用実績があり、医療上必要性が高い「基礎的医薬品」の安定供給のため、薬価を下支えするルールについては、「当方の要望に適うもの」と支持した。

 製薬団体の意見に対し、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「要望の趣旨は理解できる」としたものの、「日本の薬価は公定価格として設定される以上、市場拡大再算定も含め、取るべき措置」などと述べ、「論点整理」(案)に盛り込まれた改革案の実施を求めた。「基礎的医薬品の薬価下支えはいいが、(市場拡大再算定で)キャップをはめるのはやめてほしい、というのは受け入れられない」(幸野氏)。

 次回の薬価専門部会で、薬価基準制度改革の骨子案について議論する予定。

 市場拡大再算定「市場の予見可能性損なう」

 ヒアリング対象は、日楽連のほか、米国研究製薬工業会(PhRMA)と、欧州製薬団体連合会(EFPIA)。

 PhRMAの在日執行委員会委員長のトニー・アルバレズ氏は、「特許期間中の薬剤の薬価について、市場の予見可能性が損なわれることはやめてもらいたい」と述べ、(1)新薬創出・適応外薬解消等促進加算の2016年度以降の維持、(2)市場拡大再算定の廃止、もしくは類似薬効比較方式で算定された医薬品には適用しない、(3)2017年度の消費増税の薬価改定は、薬価調査を実施せず、係数で補正するなど、限定的なものにする――の3点を要望。

 EFPIA Japan副会長のフィリップ フォシェ氏も、(1)新薬創出・適応外薬解消等促進加算の安定的継続、(2)新薬の加算評価の充実、(3)市場拡大再算定の廃止、(4)隔年での薬価改定継続――の4点を要望。

 後発医薬品、「注射薬と外用薬は高コスト」

 日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、日薬連が、後発医薬品の新規収載時の薬価に関し、「現行の0.6掛けを維持」とし、特に「注射薬と外用薬」について維持を求めている理由を質した。

 日薬連とともにヒアリングに出席した、日本ジェネリック製薬協会会長の吉田逸郎氏は、「現行ルールの維持」を求めつつ、「内用薬と比べて、注射薬と外用薬の乖離率は明らかに低い。また注射薬には製造コストが、外用薬は開発コストがそれぞれかかる」と説明。過去2年間で、注射薬の後発医薬品の約半数は1品目のみ、さらには外用薬の後発医薬品は出ていないとし、現行ルールを維持できない場合には、注射薬と外用薬について「例外的な取り扱いを検討してもらいたい」と要望した。



http://medg.jp/mt/?p=6339
Vol.254 医療事故調査制度とは
東京 葛飾区 おその整形外科 於曽能正博
東京保険医協会勤務医委員会委員
日本医療法人協会医療事故調運用ガイドライン作成委員会委員
医療ガバナンス学会 (2015年12月10日 06:00)
この文章は、東京保険医協会雑誌「診療研究」15年12月号に掲載されたものです。
2015年12月10日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

*はじめに
 2015年10月から「医療事故調査制度」が始まりました。
 これまで、医療を受けながらも想定されなかった事態が起き、亡くなられた方々がおられました。こういった“できごと”に遭われた遺族の方々に共通するのが「今後、このような“できごと”が2度と起こらないで欲しい」という思いです。
 こうしたご遺族の貴重なご意志をもとに “医療における残念な結果を少しでも減らしていこうという医療側の自主的な取り組み”が、今回始まった「医療事故調査制度」なのです。

*「医療事故」とは
 ここで注意しておきたいのが「医療事故」という言葉の定義です。今回の法律で医療事故とは「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産であって、“当該医療機関の管理者(以下、管理者)”が予期しなかったもの」と定められました。
 医療を受けても残念ながら亡くなる方は多くおられます。その中から管理者がどうしても死亡を予測できなかった今後の医療安全の向上につながる事例を「医療事故」として報告することになりました。今後この要件に該当しない“できごと”はインシデント(出来事、事件、事案、事象、事例)アクシデントなどの語が用いられます。

*「医療事故」が起きたと判断された時
 それでは、医療事故調査制度の実際の流れを見てみましょう。
 医療機関の管理者は、「医療事故」が実際に起きたと判断した時、事故発生報告を「医療事故調査・支援センター」(以下、センター)に行います。この報告の際には、ご遺族の方に「今後の医療安全のために患者さんの情報を使わせていただきます」という説明を行います。その後管理者は院内調査を行い、その調査結果をご遺族にご説明し、センターに報告します。
 ご遺族はなぜ直接センターに報告できないのでしょうか。患者さんが亡くなった時にそれが「医療事故」にあたるのか、つまり本来の病気が原因で亡くなったのか、あるいは提供した医療に起因するのか、死亡することは予期できたかどうか、という判断はかなり専門性が高く、高度な医学の知識・技術が要求されます。そのため、事故発生の報告は医療機関の管理者に委ねられているのです。
 重要なのは、「医療事故調査制度」は純粋に医学的に「医療事故」を集積し再発防止を目指すためのもので、調停や紛争解決を行うための制度ではありません。医療ミスを報告するためのものでもありません。あくまでも管理者が医療事故と判断した事例を報告する制度です。
 もし遺族の方が医療機関の対応に納得できないものがあるときはもう一度、医療機関に説明を求めてください。それでも納得いかない場合は、医療事故調査制度とは別枠の方法にゆだねることになります。

※有害事象が起きたときには
 医療を受けて思いもよらなかった結果が起きたときは、まずその医療機関に説明を求めてください。残念ながら意外に病気の進行が早かったということもあります。また、現代の医療はかなり高度なことが行われていて、治療に使われる薬などは、よく効きますが、それだけに副作用や合併症なども強いものがあります。疑問に感じる点があれば、遠慮なく医療者にお尋ねください。医療者には医療の経過を説明する義務があります。説明を聞いてもどうしても納得がいかない時は、遺族は、第三者に相談されてもよいと思います。

*集積した後に再発防止策を出す理由
 先ほど、管理者が院内調査を行い結果をセンターに報告すると記しましたが、個々の事故について再発防止策を出すことは通常はありません。なぜでしょうか。
 1つには、医療従事者の数・ベッドの数・診療科目・備わっている設備の質や量といった条件が医療機関ごとに異なり、医療機関によって医療の仕組み自体が変わってくるということがあります。ある医療機関で有効な防止策が他の医療機関にはそぐわない、ということは珍しくありません。個々の事例での防止策にこだわると、真の普遍的な再発防止策作成の妨げになってしまうのです。
 もう1つの理由は、個々の事案で無理に再発防止策を出そうとすると医療従事者個人の追及になりやすく、冤罪を生んでしまうこともあるからです。(実際、これまで個人の責任追及により冤罪が発生してきた歴史があります)
 現在の「医療事故」は特定の個人の責任によるものは少なく、システム(さまざまな人的・物的要素が相互に影響しあいながら、全体として機能するまとまりや仕組み)のエラーとして起こるものがほとんどなのです。
 システムに不備があるのですから、たまたま最後のスイッチを押す役目にあたった当事者を罰しても同様の事故が起こってしまうのは当然の事なのです。当事者を罰する事により「一件落着」したかの誤解を招き本当の原因(システムエラー)の改善は先送りにされてしまうのです。ヒューマン・エラーが起こったとしても、それをカバーするシステムの構築こそが必要なのです。具体的には「フェール・セーフ(故障や操作ミス、不具合などの障害が発生することも予め想定し、それが発生した際の被害を最小限にとどめる工夫を盛り込んだ設計思想)」や「フール・プルーフ(利用者が誤った操作をしても危険に晒されることがないよう、設計段階で安全対策を施しておくこと)」の考えを取り入れなければなりません。

※薬の誤投与
 ウログラフィンという造影剤があります。本来尿路や関節撮影などに使うこの薬を間違って脊髄造影に用いて死亡させてしまった例がわが国で過去9例あり、うち6件7例が刑事事件となり全例で医療者個人が有罪となりましたが再発を防ぐことはできず、去年4月に同様の事例が起こってしまいました。いずれの裁判も被告人個人の責任を追及し、過失を認定しましたが、次の事故の発生を防ぐことはできませんでした。刑事裁判が医療安全、再発防止の役に立たない典型的な例と言えるでしょう。

*非識別加工
 「個人の責任追及」になってしまうことを避けるという観点から、ご遺族への事故発生報告・調査結果説明、センターへの医療事故発生報告・調査結果報告の際には「非識別加工」がなされ、事故にかかわった医療者個人が特定できないようになっています。ただ単に匿名化されているだけでなく、他の情報との照合によっても個人の特定が不可能な報告となります。

*おわりに ~医療の限界について~
 医療は決して安全なものではありません。例え検査とは言っても危険を伴うものなのです。例えば血管カテーテル検査や大腸内視鏡検査などは病気や加齢で既にもろくなっている血管や腸管にある程度の硬さのある管を入れていくので慎重に操作を行っても血管や腸管を傷つけてしまうことがあり、その傷が場所と大きさによっては致命的となることがあります。「たかが検査で命を落とすなんて」と思われるかもしれませんが、これが現在の医療の現実であり限界なのです。
 癌や狭心症あるいはその疑いで悩んでいるところへ「検査で命を落とすかもしれない。検査を受けなければそのまま死んでしまうかもしれない。」となると、さらに悩みが増えてしまいます。今まで医療者は患者さんの心の負担を軽くしようとして気を使い、検査や手術・投薬などでの危険性の説明を過小に行うことがあったかもしれません。
 しかし、今後は医療の現状・限界を丁寧にご説明し、死亡もあり得ることを納得いただいたうえで、全力を尽くして不幸な事態を避けていくことになります。“医療側・医療を受ける側”ともに危険性を理解した上で、より真剣に協力して医療に取り組む。そのことによって不幸な事態の発生が減少し、医療安全・再発防止に結びつく。これが今回の制度の副次的な効用ではありますが、重要なポイントと言えるでしょう。



http://www.sankei.com/politics/news/151211/plt1512110003-n1.html
大学から付属病院切り離し 政府検討、岡山大病院など別法人化
2015.12.11 05:00 産経ニュース

 大学から付属病院を切り離し、別法人化することを認める規制緩和を政府が検討していることが10日、分かった。第1号として、岡山大病院など岡山市内の6医療機関が統合し、持ち株会社型の新医療法人を全国で初めて発足させる方針。政府の産業競争力会議が11日に開く点検会合で公表する。

 会合で岡山大などは、9月成立の改正医療法で創設された、複数の医療機関を一体運営する「地域医療連携推進法人」への参画と、付属病院の別法人化を目指す方針を報告する。

 地域医療連携推進法人は、良質で適切な医療の提供を目指して連携する法人を、都道府県知事が認定する仕組み。病床の過不足を調整したり、資金の足りない施設に融通したりする。各医療機関でカルテを共有するため、患者側も重複診療を避けられるなどのメリットがある。

 ただ、地域医療連携推進法人は「非営利法人」が参画要件となっている。国の大学設置基準で大学からの分離を禁じられている付属病院は、現行制度での参画が困難だった。早ければ平成28年度にも、医学部に付属病院の設置を義務付けた文部科学省令を改正し、新医療法人への再編を可能にする。

 安倍晋三政権は医療分野の効率化を成長戦略の柱の一つと位置づける。政府は、岡山をモデルに有力な大学病院を抱える全国の他の地域にも広げる構想だ。



http://www.sankeibiz.jp/business/news/151211/bsd1512110500002-n1.htm
国立大など特許収支赤字 出願料や維持費、収入上回る
2015.12.11 05:00  SannkeiBiz

 独立行政法人や国立大学法人の2009~13年度の財務状況を会計検査院が調べたところ、研究開発などで得た特許権の収入より特許の出願料や維持費用が上回るケースが多く、全体の収支では13年度の特許関連で計約22億円の赤字だったことが10日、分かった。

 検査院は“死蔵”状態の特許を放棄することも含め管理を見直すよう求めた。また独法や国立大が設置する病院で未回収の診療費が計約190億円に上ることも判明した。

 検査院は、特許権の登録などをした独法や国立大を調べた。その結果、特許収入が黒字だったのは22法人で、116法人は費用負担の方が多かった。平均収支を見ると、独法は毎年度10億~15億円、国立大は6億~13億円の赤字だった。

 独法や国立大は13年度末時点で10年以上利用されていない特許を合計で1万件以上保有。法人化前に国が登録した特許は維持費が免除されるが、独法に組織再編されるまで民間だった機関が登録した特許や、近年登録したものは免除されず、維持費がかさんでいた。

 また検査院は、病院を設置する51法人に関し、患者から未回収の診療費がどの程度あるかも調べた。13年度末時点で独法は約102億円、国立大は約90億円に上った。

 時効の延長措置をしていたのは設置病院の半数未満にとどまり、13年度には計11億円余りが回収不能として計上された。


  1. 2015/12/11(金) 05:34:51|
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