Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月4日 

http://www.sankei.com/politics/news/151204/plt1512040008-n1.html
診療報酬 薬価1.4%下げ方針 28年度改定 医療費6000億円圧縮
2015.12.4 09:30 産経ニュース

 政府は3日、医療サービスの公定価格である診療報酬の平成28年度改定で、医薬品と医療材料を合わせた「薬価部分」を1・4%前後引き下げる方針を固めた。全国の医療機関などに支払われる医療費を6千億円超圧縮でき、1600億円程度の国費負担軽減につながると見積もっている。

 医薬品と医療材料の今年の市場実勢価格が、国が定めた公定価格を平均でそれぞれ8・8%、7・9%下回ったことが同日判明。これを受けて薬価部分の下げ幅が固まった。調査結果は、厚生労働省が4日の中央社会保険医療協議会(中医協)で報告する。

 27年度の医療費は約43兆円で、このうち医薬品とカテーテルやペースメーカーなどの医療材料にかかる費用は10兆円あまり。診療報酬は薬価部分に加え、医師や薬剤師の技術料である「本体部分」からなり、28年度の全体の改定率は月内に決まる。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47507.html
ストレスチェック制度、課題への対策早急に- 精神神経学会が見解を発表
2015年12月04日 13時00分 キャリアブレイン

 日本精神神経学会は厚生労働省宛てに、ストレスチェック制度の課題やその対策の必要性を訴える見解を出したと発表した。同学会は、制度の周知不足や精神科の専門的知識を有する産業医の不足などを指摘。「本制度の課題は多岐にわたる」とし、その対策を早急に行うべきだと主張している。【坂本朝子】


 見解では、ストレスチェック制度は産業医が選任されている職場すべてに適用される法律であるにもかかわらず、多くの企業にその趣旨が十分に伝わっていないと指摘。また、行政機関をはじめ、医療機関や福祉機関など対象となる職場は多数あるのに、いずれも周知が不十分だとし、さらなる啓発が望まれると訴えた。

 また、産業医の中で精神科を専門とする医師が少ないことを問題視。制度を実施する上で必要な精神医学的知識や技術を習得する必要があるとした。

 そのほか、この制度により業務量が増大する産業医への経済的・人的支援、労働者が守られる環境整備、ストレスが高いと評価されても面接を希望しない人へのフォローアップ体制の整備などを課題として挙げた。

 そして、これらの課題の解決のためには、▽産業医の実地的な研修▽産業医を支援する精神科医の組織体制の確立▽産業医や産業保健スタッフの負担増に関する調査▽保健師等の配置を行う事業所への経済的支援▽高ストレスと評価されても面接指導を希望しない労働者への相談体制の例示▽集団分析を踏まえた職場環境改善の好事例の共有化-の6つの対策を早急に実施すべきと主張した。

 同学会は、「関連専門学会による産業医、産業保健スタッフへの研修に関与し協力するとともに、精神科医の産業精神保健に関する資質向上を図り、種々の調査に協力していく」としている。



http://mainichi.jp/shimen/news/20151205ddm041040151000c.html
瀬戸上健二郎医師:「Dr.コトー」続投へ 島民要望受け「定年」延長
毎日新聞 2015年12月05日 東京朝刊

 人気漫画でテレビドラマにもなった「Dr.コトー診療所」のモデルとして知られる鹿児島県薩摩川内市・下甑(しもこしき)島の診療所長、瀬戸上健二郎医師(74)が、来春以降も所長を続投する見通しになった。瀬戸上さんは市職員の任期切れを機に退任する意向だったが、島民から続投を望む声が多数寄せられ、市が再任できるよう採用方法を見直すことにした。

 市によると、瀬戸上医師の退任が伝えられた11月半ば以降、島民の3分の1にあたる約850人が署名付き要望などを提出した。市は、年明けにも実施予定の所長の公募の内容を改め、瀬戸上さんが応募できるように年齢制限を設けないことにした。岩切秀雄市長が2日に瀬戸上さんに続投を要請した。瀬戸上さんは4日、取材に対して「島の人たちの思いを重く受け止めた。それに応えたい」と話した。【宝満志郎】



http://www.asahi.com/articles/ASHD44G5XHD4TLTB00F.html
「Dr.コトー」来春以降も続投へ、診療所再編を撤回
田中啓介2015年12月4日18時54分 朝日新聞

 人気漫画の主人公「Dr.コトー」のモデルである鹿児島県薩摩川内市・下甑(しもこしき)島の手打(てうち)診療所長、瀬戸上(せとうえ)健二郎医師(74)が来春以降も続投することになった。岩切秀雄市長が4日の市議会本会議で、島内の3診療所を来年度から1カ所に再編する計画を白紙撤回し、37年間診療を続ける瀬戸上医師に所長職にとどまるよう求める考えを明らかにした。

 岩切市長は2日、手打診療所に瀬戸上医師を訪ねて協議した。その結果、隣の中甑島と下甑島を結ぶ藺牟田(いむた)瀬戸架橋が完成する2018年までに、市は瀬戸上医師の助言を得ながら、上甑島を含む甑島全体の医療体制の見直しを進める一方、ともに協力して瀬戸上医師の後任を探すことで合意したという。

 3診療所を手打地区1カ所に統合し、瀬戸上医師に退任を求める再編計画をめぐっては、島民から異論が噴出していた。市が11月、島内7カ所で住民説明会を開いたところ、常勤の医師が不在となる手打以外の地域から不安の声が上がり、手打地区の住民らは「瀬戸上先生を辞めさせないで」と訴えた。続投を求める署名活動を有志が展開した結果、下甑島民の3分の1を超す854人の署名が寄せられた。取材に対し、岩切市長は「こうした住民の要望も考慮した」と答えた。

 瀬戸上医師は1978年に手打診療所に赴任した。取材に対し、「島のみなさんの思いに応えたい」と話している。(田中啓介)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H6A_U5A201C1PP8000/
医療費の地域差半減、メタボ人口25%減 財政工程表原案
2015/12/5 0:36 日本経済新聞

 財政健全化の工程表を議論する政府の専門調査会は4日、2020年度までの工程表原案を公表した。1人当たり医療費の地域差の半減に向け年々縮小するとの目標を掲げ、生活習慣病の予防や重病化で具体的な数値目標を設けた。一方、医療費の患者負担に上限を設ける高額療養費制度など負担増を伴う制度改正は16年度末までに検討するとして結論を先送りした。

 政府が工程表に沿って改革を進めれば、今後3年間の一般歳出の伸びの目安を1.6兆円にとどめることが可能という。今月下旬に開く経済財政諮問会議で決定する。

 重点分野と位置付ける社会保障では、18年度に見直す予定だった地域保健医療計画の見直しを16年度に前倒しして、過剰な病床を削減する。生活習慣病では、高血圧や糖尿病の危険が高まるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の患者や予備軍の人口を20年度までに現在の1400万人程度から25%減らすとした。

 公共事業関連では、16年度末までに人口20万人以上の自治体にPFI(民間資金を活用した社会資本整備)を優先的に活用する仕組みを導入する。



http://jp.wsj.com/articles/JJ10947105880154974346119603066563526243707
医療費の地域差半減=財政再建の工程表原案—諮問会議
2015 年 12 月 4 日 18:00 JST 更新  ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 政府は4日、財政健全化の工程表を作る経済財政諮問会議の専門調査会を開き、歳出削減の評価指標を盛り込んだ「経済・財政再生アクション・プログラム」の原案をまとめた。社会保障費の抑制に向け、1人当たり医療費が全国平均を超える自治体について、平均との差を半減させるなどの目標を示した。

 政府は2020年度に基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げている。原案は目標達成に向け、自治体間で比較できるように、歳出改革の取り組みや成果の「見える化」が重要と指摘。約180の指標を設け、改革の進捗(しんちょく)状況を測る。

 具体的には、社会保障分野の指標として医療費の地域差半減のほか、「20年までに健康寿命を1歳以上延ばす」などを挙げた。社会保障以外では「教員の総勤務時間を減少」、「クラウド導入市町村を17年度までに倍増」などを掲げた。 

[時事通信社]



http://www.qlifepro.com/ishin/2015/12/04/the-report-of-medical-care-and-long-term-care-3/
フランスの医療と介護(3)医療と介護の一体提供とは
2015年12月4日 Q Life Pro 医心

この日は、パリ郊外の病院を訪問。
Le Centre de Gerontologie Les Abondances(CGA:アボンダンス病院)
ディレクターのMarie-Anne Fourrier氏よりお話を伺いました。

●地域プロフィール
イルドフランス第二の都市、ブローニュ・ブランクール市に立地。
ここは比較的富裕層の多い地域だが、高齢化が進み60歳以上人口が21%、うち41%が75歳以上。

●施設概要
急性期以外の全フェイズの機能を有した高齢者病院と施設の複合体。
医療保険によるサービスと、社会福祉手当によるサービスを提供している。
19世紀初頭に作られた病院。かつては貧困者向けの慈善病院であった。
病院としては、長期療養病床が110床(終身)、24時間未満床が10床、亜急性期が30床(平均在院日数1カ月)、アルツハイマー病床が40床、メモリー外来を開始。
福祉サービスとしては高齢者施設120床、デイケア50人、SSIAD(※1)による在宅支援190人。
1897年、1932年、1980年、2012年と増築を重ねてきたが、個室はなく、フロア共同トイレなど現在の建築基準に適合しておらず、近代化のための改築工事中。(かつては大部屋にベッドがずらりと並んでいた。病院で働いていたのはみなカトリックのシスター。女性部屋と男性部屋に大きく分かれていた。食堂も男女別になっていた。)

●CGAが提供している患者支援
医療と介護を通して、3つのパターンの患者支援を行っている。1つの地域の中の病院間の機能の相互利用(ネットワーク)と、CLIC(※2)CCAS(※3)SSIADなど社会福祉のリソースも活用し、地域包括ケアを実現している。
①SSIAD(身体介護)+レスパイトにて在宅療養を支援
②認知機能が低下してきた場合→メモリー外来→症状に応じてデイケアや日帰り病床→長期療養病床・アルツハイマー病床(40床)へ。病院としてはデイケアを上手に使うことで在宅療養期間を長くしたいと考えている。ただ家族の意思により入院となるケースが多いが、ウェイティングが2年ほどあるため、先を見越した申し込みが必要になる。
③何か重大な急変があった場合(転倒や脳血管障害など)→急性期病院に入院→亜急性病棟(SSR)に転院→在宅または入所・長期入院へ

●SSIAD(訪問看護+身体介護)
まずCGAに併設されたSSIADを訪問。ここはブローニュ・ブランクール市内および周辺地域に対し、サービスを提供している。ここでは看護師が10名、看護助手が30名が勤務。
なお、フランスでは身体介護は看護助手が行う。一般のヘルパーは患者の身体に触らないケア(生活支援)のみである。
患者の受け入れキャパシティは行政により指定されており、ここは190人。毎年80人の新規エントリーがあり、ほぼ同数が退所(概ね死亡による)しているとのこと。急性期の患者はHAD(在宅入院連盟)と連携することもあるが、多くはモバイルチームあるいはSSIAD単体で在宅看取りをしている。(死亡診断はかかりつけ医が行う)
SSIADの勤務シフトは2パターン。
前半チームは08:00-16:00、主に看護師が担当。
後半チームは12:00-20:00、主に看護助手が担当。
15:00にSSIADのオフィスで前半チームと後半チームの申し送りを行う。
看護助手からの申し送りによっては、看護師が家族やかかりつけ医に電話で報告等を行う。
看護師の多くは白人、一方で看護助手の多くは有色人種。
フランス国内における移民との社会的格差(教育レベル、収入など)を象徴しているのかもしれない。

●CGAの亜急性期病棟
ここではメモリー外来からの入院患者、近隣の急性期病院からの転院患者に加え、在宅からの入院患者を受け入れているとのこと。入院理由は多岐にわたるが、多くの患者が複合的な要因を持っている。平均在院日数は30日。

●CGAの日帰り病床(24時間未満床)
ここでは心理療法士による脳血管障害の後遺症のある人たちに対するアトリエプログラムが提供されていた。
この日のプログラムは記憶トレーニング。
09:30~16:30のプログラムで、ランチ+シエスタ、15:00ごろにおやつ(乳製品+飲み物)も。入浴などのサービスはない。
コストは医療保険により1日200ユーロ、患者の送迎にも医療保険が適用される(自己負担60%+医療保険40%)。送迎に利用されるのは患者搬送車(車体には救急車と書いてあるが)。

●認知症デイケア
日帰り病床とは別に、社会福祉によるデイケアも行われている。
こちらは病院のプログラムとは異なり、医療保険・医療専門職によるものではない。
この日は集団でのスペルクイズと、それになじまない2人の利用者が絵を描いていた。
09:00~16:00のプログラムで、ランチ+シエスタ、おやつ。こちらも入浴などのサービスはない。
定員は50人(1日12人)、このキャパシティも公的に指定されている。

●家族支援
フランスがいま力を入れている領域のひとつ。特にアルツハイマー型認知症の人のご家族が対象となるケースが多いという。家族の疲弊やDVの予防のために重要な介入。担当するのは心理療法士。一人が100名ほどの患者を担当するとのこと。
提供されるのは病気や介護方法などに関する教育・研修プログラムに加え、家族のリラクゼーションのためのもの(表現療法、コーラス、リラクゼーション、ピアサポート)もある。これらのプログラムに家族が参加している間、患者さんはレスパイトを利用する。

●アルツハイマー病棟
40人の入院患者に対し、1人の看護師と4人の看護助手、2人のヘルパー。
看護助手は、当日、視察団とともに病棟から出てきてしまった入院患者さんを無理やり引き止めることはせず、そのまま周囲を散歩して、穏やかに帰棟されていた。認知症に対するケアは、日本の現状に比べると非常に進んでいる印象を受けた。
すべて個室で居住空間は広々としている。トイレとシャワーは各居室に。ベッドやソファなどは動かせないように通常のものよりもかなり重く作ってある。
この病棟の外にはサロンのような空間があり、非常に快適なリビングルームという印象。
素敵な中庭では野菜や果物を栽培しており、収穫した後は、サロンに併設されたキッチンでみんなで調理して食べるとのこと。

●高齢者住宅
病院内に高齢者住宅が整備されている。
こちらは老年症候群により心身の機能が低下しているが、病気が顕在化していない方が対象(病気が顕在化している人は長期療養病床を選択)。看護助手によれば、できるだけ長く生活機能を維持するため、自立支援の方針で支援しているとのこと。できることは自分で、入居前はできなかったことができるようになっている人もいる。すべて個室の居住空間は広々としており、通常の賃貸住宅と比較しても清潔で快適。トイレとシャワーは各個室に。

※1) 在宅看護サービス(Services de soins infirmiers à domicile:SSIAD)。開業看護師が法定の業務範囲内で、清拭や褥瘡の処置など の看護サービスや保健衛生ケアを居宅で行う。費用は医療保険財源から支出される。
※2)地域インフォーメーション・コーディネートセンター(Centre Local dʼInformation et de Cordination Gerontologique :CLIC) 日本の地域包括支援センターに近い機能で、高齢者の保健・医療・福祉・介護サービスの総合相談窓口。
※3)市町村福祉センター(Centre Communal des Actions Sociales: CCAS)。市町村からの補助金や一般からの寄付を財源とした独立法人のことで、基礎自治体に根ざした施設サービスの運営主体となる。


(編集部より)
佐々木医師がオーガナイザーを務め、各方面で大きな話題となっている「在宅医療カレッジ」の特別企画としてシンポジウムが開催されます。「地域包括ケア時代に求められる医療と介護の役割」 と題し、厚労省の専門官も含めたパネリスト10人のディスカッションが行なわれるとのこと。詳しくはこちらをご覧ください。

[2015年12月10日開催]在宅医療カレッジ特別企画 「地域包括ケア時代に求められる医療と介護の役割」


佐々木淳
医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
プロフィール
筑波大学医学専門学群、東京大学大学院博士課程卒業。三井記念病院、医療法人社団 哲仁会 井口病院副院長等を経て、24時間対応の在宅総合診療を提供する医療法人社団 悠翔会を設立。



http://mainichi.jp/premier/health/entry/?id=20151202med00m010013000c
健康に暮らす孤島の小さな診療所から
畑仕事に漁師の見習い それが医療実習になるわけ

太田龍一 / 沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
2015年12月5日 毎日新聞

 南大東診療所には、医療系の学生や研修医の方々が毎年10〜20人も実習に来られます。私が島に赴任した当初は、診療所内で行う日常診療などの実習がメインでしたが、今は地域のいろいろな方々にご協力いただき診療所外での実習機会を増やしています。

離島の生活を知ってもらうための実習カリキュラム

 たとえば島のデイサービス施設を見学してもらい、離島の高齢者を支える仕組みを学んでもらったり、保健師と同行してお年寄りのお宅を訪問してもらい、高齢者の生活を実際に目で見て、体験してもらったりしています。季節ごとの島の行事にも、タイミングが合えば積極的に参加してもらい、島の運動会や、年に1度の豊年祭というお祭りの相撲大会に出場した実習生もいました。

 最近は新たに、「農業実習」「漁業実習」を始めています。実際に島の農家や漁師の方に1日付き添っていただき、その仕事の具体的な内容を体験し、理解してもらうものです。医療を学ぶための実習としては、間違いなく異色ですが、これが離島の医療と、そのバックグラウンドにある離島の生活を知ってもらう上で、非常に効果的なのです。

「知る」と「やる」では大違い 体験が共感を生む

 体験した実習生の大半は「知っているのと体験するのとは大きな違い」と口をそろえます。農業や漁業の大変さを、多くの実習生も頭では理解しています。しかし実際に自分の体を使ってやってみると、想像を超える大変さに驚き、続いてそのやりがいに気付くようです。そうして本当の意味で島民の生活を理解します。どうして島の人たちが薬をちゃんと飲まない、あるいは飲めないのか、健康的に思われる亜熱帯の離島で、なぜ健康な生活をすることが難しいかなど、農業実習、漁業実習で得た「気付き」を私に熱く話してくれる実習生もいました。

 普段、私たち医師は病院や診療所にいることがほとんどで、実際の患者の生活を体験する機会はほとんどありません。それに、私を含む多くの離島の医師は、自分が育った環境とまるで異なる島に赴任したため、島の人の日常生活を想像することすら難しいことが多いのです。私自身もこの島に来て、しばらく暮らして、患者さんの仕事や生活を自分の目で一通り見るまでは、患者さんの話を聞いていても、どこか実感がわきませんでした。それどころか、いろんな理由を挙げて治療方法に従うことができないという患者さんに対してあまりいい感情を抱いていませんでした。しかしその生活の実際を知る中で、患者さんそれぞれにあった治療法を考えることの大切さを知り、今は毎回の外来でその方法を患者さんと一緒に考えるようにしております。

実習生と島民と診療所医師、学びの連鎖

 島で実習生を受け入れていく中で最近強く感じるのは、実習生だけでなく、実習を受け入れている側も多くのことを学び変化しているということです。実習生が地域で実習することでそこでの発言や行動が患者さんの学びになります。患者さんは、それを次の外来で自分なりに解釈されて、私に話されます。そして私自身もその体験を通してあらたな課題を見つけ学ぶことができます。島での研修生実習は大きな意味で、すべての人に利益のある「Win-Win」の関係になっているんだなと感じています。

太田龍一
沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0209194.html
ストレスチェック、企業に負担 マイナンバー対応に忙殺/医師確保難しく
12/04 07:00 北海道新聞

 労働者の心の健康状態を調べる検査「ストレスチェック」を事業者に義務づける制度が今月始まったが、道内の企業で実施に向けた準備が遅れている。企業の多くは来年1月に始まるマイナンバーへの対応で忙しいのに加え、ストレス状態を判定する専門知識を持った医師の確保が難しいためだ。労働者からは「検査で心の不調が分かれば、職場から排除されるのではないか」と制度の副作用に不安の声が上がっている。

■年50万円の費用

 「今夏以降はマイナンバーの事務作業に追われ、ストレスチェックの準備は手付かずだ」。札幌の建設会社の総務担当者はそう話す。検査は来年4月に行う予定だが、実施方法や社内の役割分担は決まっていない。「事務作業が多い上、医師への報酬など年間50万円の費用がかかり、負担は重い」という。

 制度は、過労やパワハラによる精神障害の労災請求が近年増えたことを受け、昨年改正された労働安全衛生法に盛り込まれた。

 事業者は年1回、検査を行う。労働者は質問票に答え、企業が依頼した医師や保健師がストレスの度合いを判定する。医師の意見を受け、企業は労働者の勤務時間を短縮するなどの対策を取らなければならない。労働環境を改善し、心の不調を未然に防ぐのが狙いだ。

 労働者が50人以上の事業者に義務づけられ、道内は約5千の職場が対象となる。JR北海道やイオン北海道など制度開始前から自主的に行うところもあるが、大半はこれからだ。

■中小準備進まず

 札幌商工会議所が10月に会員企業約200社に行った調査では、制度に関する社内ルールを作成済みの企業は1割だった。同会議所は「中小企業の多くはノウハウがなく、準備が進んでいない」とみる。

 検査にかかわる医師の確保も難しい。北海道労働保健管理協会(札幌)には今秋以降、企業から「検査を頼む医師が見つからない」という相談が相次いでいる。検査は精神科医でなくてもできるが、企業が契約する産業医は内科医が多く、「専門知識がない」との理由で企業の依頼を断るケースが多いという。

■「評価に影響」懸念

 一方、労働者は検査で心の不調が分かれば、人事評価に影響するのではないかと懸念する。検査の結果、ストレス度が高い労働者は医師の面接を受けられ、面接結果が企業に伝えられる。面接結果を理由に解雇や不当な異動を行うことは禁止されているが、札幌の建設コンサルタント会社で働く男性(46)は「会社にメンタルが弱いとみなされ、陰で嫌がらせを受けるかもしれない」と心配する。



http://www.minyu-net.com/news/sinsai/michishirube/FM20151204-033044.php
復興の道標 【震災・原発関連】
【自立-5】民間病院「見殺しか」 使われていない病院、負の遺産

2015年12月04日 福島民友新聞 

 「病院建物の改修に5億円、解体にも4億円の費用が想定されます。再開・移転に関しては断念せざるを得ない状況です」。休止中の今村病院(富岡町)を運営する医療法人社団邦諭会常務理事の石沢弘幸(58)は8月、厚生労働副大臣に提出した文書に窮状をつづった。

 病院は東京電力福島第1原発から約9キロ南に位置する。5階建て延べ床面積4900平方メートル。1991(平成3)年に約20億円かけて建設した。

 現在、借地料年520万円のほか維持費がかかっている。「賠償が終われば維持できなくなる」。石沢は不安を語る。

 震災と原発事故で休止に追い込まれ、石沢ら役員だけ残り、職員は解雇。開院時の借入金12億円が残った。

 「将来性のない企業さんには、これ以上の支援はできません」。2011年4月、借入先の一つ、都市銀行の支店長は石沢に告げた。自己破産が頭をよぎった。「長年地域医療に携わってきた人間なのに、見殺しにされるのか」

 東電の賠償が始まると、そのほとんどは、借入金の返済と税金の納付で消えていった。

 第1原発20キロ圏内では同病院を含め、小高赤坂(南相馬市)西(浪江町)双葉厚生(双葉町)県立大野(大熊町)双葉(同)の6病院が休止中だ。避難指示解除に合わせて病院を再開させようとしても、どの程度の住民が戻るのかが不透明で経営面で不安が残る。スタッフ集めも大きな課題だ。

 よぎる「民」の限界

 今村病院は町立の診療所の診療業務を受託することで、再起への足掛かりとすることにした。富岡町には「17年4月帰還開始」との目標がある。開始に先立って来年10月、同病院近くに診療所が完成する予定だ。以前、今村病院で働いていた看護師らを呼び戻す。将来的には診療所を払い下げてもらい、再スタートすることも視野に入れている。

 自立に向け歩みを進める今、使われていない病院の建物が法人にとって大きな「負の遺産」となっている。

 「できればここで再開したいが、民間にそんな金はない。やっていけるのは公立病院くらいだ」。石沢の頭に「民」の限界がよぎる。

 10月、事業再開を支援する「福島相双復興官民合同チーム」の担当者が訪ねてきた。石沢は言った。「病院の建物、行政で買い取ってくんにがなあ」

 「そんな。ははは」。担当者は笑うのみだった。

(文中敬称略)

(2015年12月3日付掲載)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47514.html
薬歴未記載薬局、8割弱が返還手続き- 中医協総会で公表
2015年12月04日 20時00分 キャリアブレイン

 昨年、患者の薬剤服用歴の記録に記載する要件を満たさずに「薬剤服用歴管理指導料」を算定していた薬局の8割弱が、報酬の返還手続きをしていることが分かった。厚生労働省が4日に開催された中央社会保険医療協議会の総会で明らかにした。【君塚靖】

 厚労省は今年2月、大手薬局チェーンの子会社が展開する調剤薬局で、薬剤師が薬剤服用歴を記載せずに同指導料を不正請求した疑惑が浮上したことから、日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の3団体に対し、会員薬局の自主点検を要請した。

 その結果を厚労省は6月に公表、1220軒の薬局が薬歴を記載せずに同指導料を算定していたことが分かった。その後、同省に対し、3団体の会員以外の薬局から自主的な届け出があり、不正請求していた薬局は1491軒に達した。

 事態を重く見た厚労省は地方厚生局を通じて、薬歴を記載していた薬局を含め、すべての保険薬局に改めて同指導料の算定要件の周知を徹底するよう求めるとともに、未記載だった薬局に対して報酬の返還を求めたところ、11月末までに8割弱に当たる1130軒が返還手続きをしている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47517.html
同じ薬局2回以上利用で患者負担減- お薬手帳の活用促す、厚労省
2015年12月04日 19時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は4日の中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で、お薬手帳を持参して同じ薬局を2回以上利用した場合の薬剤師の指導料を、来年春の診療報酬改定で引き下げる方針を示した。患者側の負担を減らすことで、お薬手帳の活用を促し、「かかりつけ薬局」の推進にもつなげることが狙い。同省によると、薬局の評価では初の試みという。服薬指導で指導料を下げるという“逆転の発想”に、委員の賛否は分かれた。【敦賀陽平】

 現行の診療報酬制度では、薬剤師が患者に薬の飲み方などを説明する際の報酬として「薬剤服用歴管理指導料」があるが、患者がお薬手帳を持参しない場合、指導料が減額される特例措置が設けられている。

 厚労省が約1000件の薬局を対象に行った実態調査では、指導料の対象となる業務にかかる平均時間(患者一人当たり)は、初めて来局した患者では「5分」が半数近くを占めたのに対し、2回目以降では「3分」が最も多く、初回よりも業務時間が短くなっていることが分かった。

 患者が薬を受け取る際、薬の名前や写真などが掲載された「薬剤情報提供文書」が手渡されるが、2回目以降の来局では、同じ処方内容の場合、一度情報が提供されていることになる上、アレルギー歴などの患者情報についても、薬局側が確認済みとなる。同省側はこうした業務の効率化が関係しているとみている。



http://www.qlifepro.com/news/20151204/the-high-likelihood-of-duplicate-prescription-in-multiple-body-disease-comorbid-patient.html
複数の身体疾患併存患者で重複処方の可能性高く-医療経済研究機構
2015年12月04日 PM12:00 Q Life Pro

約118万人対象に抗不安・睡眠薬処方の実態を2年間追跡
医療経済研究機構は12月2日、奥村泰之主任研究員らの研究グループが行った多施設からの抗不安・睡眠薬処方に関する研究結果を発表した。(http://www.ihep.jp/news/popup.php?seq_no=665 )
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同調査は、健康保険組合に加入する約118万人を2年間追跡し、抗不安薬や睡眠薬の大部分を占めるベンゾジアゼピン受容体作動薬(BzRAs)と呼ばれる薬剤群について、同じ患者に対して、複数の医療機関から処方されている実態を調査したもの。

その結果、757人に連続31日以上にわたる重複処方が認められ、複数の身体疾患を併存する人ほど重複処方の可能性が高いことが明らかになった。また、1年後でもその半数以上の人に重複処方が認められることがわかったとしている。

これらは、多施設において複数の身体疾患の加療が必要となる中で、意図なしに重複処方が生じてしまっていることを示唆する。重複処方の改善のためには、特に、複数の身体疾患を併存する患者に対して、薬剤師による関与を強化するなどの対策が求められると考えられる。

BzRAsの使用量多く、多施設処方の状況検討が課題
これまで欧米における研究では、主に鎮痛薬の多施設処方が注目され、多施設処方が不正販売の原因や過量服薬による入院・死亡の危険因子であると報告されている。日本においては、BzRAsの人口当たりの使用量が多く、多施設処方の状況を検討する必要があると考えられていた。

また、厚生労働省は、2010年に「過量服薬への取組」という指針の中で、レセプト等を利用して、多施設処方を防止する必要があると提起しているが、多施設処方の定義が複数存在しているため、具体的にどのような場合に防止すればよいのか不明瞭な状況となっていることも問題だった。

なお、同研究成果は、米国の学術誌「Drug and Alcohol Dependence」オンライン版に11月22日付けで掲載された。(大場真代)



http://www.m3.com/news/general/380830
国家公務員給与、引き上げ決定…2年連続
2015年12月4日 (金)配信 読売新聞

 政府は4日午前の給与関係閣僚会議で、2015年度の国家公務員の月給とボーナス(期末・勤勉手当)の引き上げを求めた人事院勧告の完全実施を決めた。

 給与引き上げは2年連続。給与法改正案は来年の通常国会に提出する。

 8月の勧告では、国家公務員一般職(行政職)の月給を平均1469円(0・36%)引き上げるほか、ボーナスも0・1か月分引き上げて4・2か月分とするよう求めていた。完全実施で平均年間給与は5万9000円増になる。

 勤務時間を柔軟に選べる「フレックスタイム制」を原則全職員に拡充するよう求めた勧告も実施する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/380788
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
薬価調査、平均乖離率は8.8%、前回より増加
財源相当額、「現時点では明確に言えず」と医療課長

2015年12月4日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 12月4日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、2015年度の薬価・材料等の価格調査の結果が公表された(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 2015年9月取引分を調査した薬価調査の結果、薬価と取引価格との差に当たる平均乖離率は、約8.8%で、前回調査(2013年9月取引分)の約8.2%よりも0.6ポイント増加。後発医薬品の数量シェアは約56.2%で、前回調査の約46.9%よりも、約10ポイント増。

 特定保険医療材料・再生医療等製品価格調査(2015年5月から9月取引分)における平均乖離率は約7.9%で、前回調査(2013年5月から9月取引分)の約8.9%よりも1ポイント減少。

 2016年度予算編成では、社会保障費を概算要求の段階から約1700億円抑えることが求められている(『財務相、社会保障費増「5000億円弱に抑制」と念押し』を参照)。薬価・材料等について、乖離率相当分の価格引き下げが、どの程度の財源に当たるかが、注目されていた。この点について質問したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。

 国費ベースで約1400億円との試算もあるが、厚労省保険局医療課長の宮嵜雅則氏は、「現時点では明確に言うことができる段階ではない」と回答。その理由として、来年度の医療費や薬剤費がどの程度になるか、さらには現在議論が進む薬価基準制度改革で、薬価は変わり得ることを挙げた。同改革をめぐる議論では、市場拡大再算定の拡大、後発医薬品や長期収載品の引き下げなどが検討されている(『後発品は0.5掛け、「年間売上1000億円超」引き下げ』を参照)。

 薬価調査の内訳を投与形態別に見ると、平均乖離率は、内用薬9.4%、注射薬7.5%、外用薬8.2%、歯科用薬剤マイナス1.0%となっている。主要薬効群別で、平均乖離率が最も高いのは、消化性潰瘍用剤で13.3%、以下、その他のアレルギー用薬12.3%、高脂血症用剤12.0%など。



http://www.m3.com/news/general/380746
元病院事務長に懲役5年 1億9千万円着服、岐阜
2015年12月4日 (金)配信 共同通信社

 患者が支払った医療費など約1億9千万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元私立病院事務長森秀行(もり・ひでゆき)被告(57)に、岐阜地裁多治見支部は3日、懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。

 鈴木雄輔(すずき・ゆうすけ)裁判官は判決理由で「風俗やパチンコでの遊興に充てたという動機に酌量の余地はない」と指摘。一方で「病院を懲戒解雇されるなど一定の社会的制裁を受けた」と述べた。

 判決によると、2009~14年に約250回にわたり、患者が支払った医療費や病院理事長名義の預金のうち計約1億9千万円を着服した。



Medical ASAHI 2015 December p85
メディカルインサイト 33
乖離する厚労省の思惑と現場の声。
総合診療医「推奨」の理由

上 昌広
東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム
社会連携研究部門 特任教授

 どの診療科に進むべきか。医学生の永遠の悩みだ。このような質問を受けた場合、私は「自分の頭で考えること」と助言している。
 最近の医学生の中には総合診療医を目指す人が少なくない。厚生労働省が推奨していることも影響しているだろう。私は、このような医学生に対し考え直すように勧めている。
 その際、強調するのは「誰が総合診療医を求めているのか」ということだ。もし、医療現場で総合診療医の価値が高ければ、政府が推奨しなくても、希望者が殺到するはずだ。例えば、スマホの使用を政府は推奨しない。便利で手頃な価格がゆえに、誰もが欲しがるからだ。
 では、厚労省が総合診療医を勧める理由は何だろう。私は医療費削減だと思う。その経緯を振り返ると、全く違う側面が見えてくる。

●総合診療医待望論

 あまり知られていないが、総合診療医の議論が始まったのは1980年代だ。当時、医師誘発需要・医療費亡国論が議論されていた。厚労官僚の友人は、「1人の医師が複数の専門領域を診ることができれば、医療費は抑制できると考えたようだ」と言う。
 ちなみに、このように考えるのは、わが国に限ったことではない。OECDは「健康増進のために最も費用対効果が高い方法はGeneral Practitionerによるプライマリケアである」と述べている。つまり、総合診療医を推奨する理由は、患者満足度ではなく、金ということだ。
 厚労省にとって、総合診療医の価値が最近、さらに高まった。医師不足が社会問題化したからだ。総合診療医を育成することで、医師不足を緩和できるかもしれない。
 このように考えると、昨今の総合診療医の育成推進は、専門医偏重の医療界、特に大学に疑間を持つ医師と、医療費抑制や医師不足対策を進めたい厚労省の思惑が合致した結果と考えることができる。

●国民や医師の「幸せ

 わが国の財政状況を鑑みれば、医療費抑制は大切だ。総合診療医を増やすことが医療費の抑制に貢献する可能性は十分にあると思う。ただ、これはあくまで政府の視点。国民や医師にとって幸せかどうかは分からない。厚労省にとって医療費を減らすことは、病院や医師個人の収入を減らすことと同義だからだ。
 最近、多くの総合病院の経営が悪化している。病院幹部の知人は「経営が悪化した際、真っ先にリストラの対象になるのは総合診療医」と言う。病院経営者にとって、総合診療医は不採算部門で、経営悪化時の緩衝剤になっているのだ。
 総合診療医を推奨するのに疑間を感じる理由はこれだけではない。私には総合診療医が、患者から支持されているように見えない。これまで私が診察した患者の中に、「何でも診ることができる医者」を求めた人はいない。患者が求めるのは、常に「自分にとって一番いい医者」だからだ。
 私は、東日本大震災以降、福島県の浜通りで活動しているが、「総合診療医を待望する」という話を患者、病院長のいずれからも聞いたことがない。求められるのは整形外科、産科、外科など不足している分野の「専門医」だ。

●患者のニーズに成長のチャンス


 誤解のないように言っておくが、私は総合診療医が不要だとは思っていない。特定臓器に着目するのではなく、全体的な健康問題に向き合って治療を行う医師が必要とされる領域は確かに存在する。開業医に、このような資質が求められるのは言うまでもない。では、病院ではどうだろうか?確かにニーズはあると思う。特に、専門分化が進んだ大学病院や臨床研修病院では、研修医教育の面から総合診療医は有用だ。
 ただ、既に、多くの大学が総合診療を専門とする教授を確保しており、この分野で多くの雇用は望めない。つまり、医学生が総合診療の専門医となっても、すぐに地域の家庭医になることも難しく、就職しづらいことが予想される。
 では、医学生は何を重視すべきだろうか。言い古された言葉だが、厚労省ではなく、患者の声を聞くべきだと思う。患者のニーズは常に変化する。そこに我々の成長のチャンスがある。若き医師が生き残りたければ、厚労省ではなく、現場を見るしかない。



http://www.m3.com/news/general/380798?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151204&dcf_doctor=true&mc.l=133809780&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
医師の半数が燃え尽き 米研究、質の低下懸念
2015年12月4日 (金)配信 共同通信社

 【ワシントン共同】米国の医師の半数以上が過労やストレスから仕事への意欲を失う「燃え尽き症候群」とみられるとの研究結果を、米メイヨークリニック(ミネソタ州)のチームが3日までに発表した。

 チームは「離職する医師の増加、保健医療の質の低下につながりかねない」と警告。対処方法として、医師の仕事における裁量を大きくすることや、事務的な仕事の軽減などを提案している。

 調査は2014年、全米の約3万6千人の医師を対象に実施、19%に当たる6880人から回答を得た。燃え尽き症候群の指標となる質問に答えてもらったところ、半数を超える54%が強い消耗感を覚えたり、人が人と思えなくなるような感覚を持ったりしていることが判明した。11年調査の46%から増加した。

 弁護士などの専門職、会社員、農林水産業といった医師以外の仕事をしている人と比較すると1・7倍ほど高かった。医師の平均的な労働時間は週50時間で、ほかの仕事の週40時間よりも長かった。

 日本国内でも昨年、九州大などのチームが脳卒中専門医の4割が燃え尽き症候群との研究結果をまとめている。


  1. 2015/12/05(土) 11:08:28|
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