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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月3日 

http://blogos.com/article/147778/
もう「医師不足」という表現を止めて「医師の偏在」と言おう。足りないのは、勤務医、産婦人科医などや地方だ
猪野 亨
2015年12月02日 09:43 BLOGOS

 以前より、「医師不足」という言葉が使われてきました。そして、その対策として持ち出されるのが決まって医学部の定員増とか医学部の新設です。
 私はこれまでも医学部の定員のあり方については論じてきました。改めて、ここで述べておきたいこと、それはもう「医師不足」という言い方をやめようということです。
 医師が足りない、足りないなどとマスコミは大合唱してきましたが、医師が供給「過剰」であるにもかかわらず医師を増員することによって結果、生じるであろうことは、①医師の能力の低下、②人材養成の無駄、③医療費の増大です。

「医師の偏在解消へ、医学部「地域枠」の拡大検討」(読売新聞2015年11月28日)

 読売新聞の報じ方は、医師の「偏在」ということで一面に視点を当てています。
 医師の不足は、決して数が足りないということに矮小化してはならない問題です。医師の不足が言われているのは、特定の領域です。
 地方での医師不足、産婦人科や小児科など特定の診療科目での医師不足、勤務医不足、緊急医療での医師不足などですが、これらに不足が生じているのは、医師の数の問題ではありません。制度の問題です。
 これを一緒くたに「医師不足」などと表現するから、定員問題に矮小化される議論に陥るのです。というよりも矮小化させたかったからかもしれません。

 とはいえ地方の偏在問題も結局は、医学部の入学のあり方の地域枠などというやはり定員の問題に矮小化してしまっています。
 地域枠を設けるから来てねと言ってみても、普通にその大学の医学部に入学できるだけの学力があるのであれば地域枠など必要ありません。地域枠が意味するところは学力が低くてもいいので、とにかく優遇するから地方に医師として来てねということの裏返しであることは自明のことです。

「医師「不足」と医学部の定員増と新設」


 数を増やして、皆が敬遠するところに行き届かせるということが本当に良い方法ですか?
 このような分野には競争原理は働きません。こうなると医師としての能力が低い人たちがあぶれる形で、「不足」している分野に流入してくることになりかねません。
 中には高い志で能力の高い医師もいるでしょうが、現状において「不足」しているのですから、現実には「来たがらない」ということになるのです。
 産婦人科にせよ、緊急医療にせよ、本来であれば高度な能力や経験を積んだ医師こそ求められているにもかかわらず、就職にあぶれた医師が来ましたでは、その分野で医師が充足されたとしても私たちが求めるような充足の仕方ではありません。

 ここに掲載された以下の記事には非常に違和感があるわけです。
「深刻化する医師不足、その対策は!!【医療】」

 上記記事は日付が入っていないのが大きな欠点なのですが、平成18年の統計が使われているので、その時期なのかもしれません。
 特定の分野の医師が不足していると言いながら、女性医師が働きやすい環境を作れというものもありますが、結局、定員の問題に矮小化されているのです。
 以前、私が医師過剰問題についてブログで述べたとき、医師の方からメールでしたが医師の絶対数が不足しているという批判でしたが、私は、以下のような質問をしました。

①医師不足は絶対、海外と比較しても明らかという点
 都市部には、はっきりいってどうでもいい美容整形などの「医師」もいますが、地域や診療科目による偏在ではなく、絶対数ということは国内の資料のどこから導かれますか。

②増加のよる質の低下はどのように防げるのか。
 現状ですから、医師数の養成数は多く、トップと下位の差は大きいものと思います。
 他方で医師国家試験は選抜機能を有しているのでしょうか。
 学部での実習と両立せず、医師国家試験対策ということは本末転倒であり、現にそのような状況になっている中で質を落とさず増員はどのようにしたら可能なのでしょうか。

 残念ながらお答え頂けませんでした。

 医師は増加しながら、偏在は解消されず、美容医療に関する苦情も絶えません。
「美容医療サービス」(国民生活センター)

 医師として養成されても、都市部では「過剰」なため、必要な分野に医師が流れていくよりも、このような保険外診療の分野に医師が流れているということでもあります。
 美容整形に社会的意味がないとまではいいませんが、その実態は寄せられる苦情の多くが広告の問題だったりと人のコンプレックスにつけ込むようなもので悪質商法の一種ともいえますが、医師過剰が生み出した弊害でもあります。

 このような弊害は、より過剰が鮮明な歯科医師にもみられることです。
「子供の虫歯激減:20年余で4分の1 歯学部の定員検討も」(毎日新聞2015年11月30日)
 あれだけ過剰と言われていた歯科医師ですが、ようやく歯学部定員の削減が検討されるということですが、あまりに対応が遅すぎます。
 過剰ということは質の低下にも直結します。歯科医師としての能力もそうだし、治療方針もそうです。
 上記記事にも「「この歯医者がヤバい」の著書で知られる歯科医の斎藤正人さん(61)は「保険診療ではやっていけず、高額な自由診療の対象になるインプラントや矯正歯科に流れる傾向は強い」と指摘。「歯科医の質は下がり、閑古鳥が鳴く診療所が珍しくない」という。」という指摘があります。

 それでも医師になりたいという子どもたちは少なからずいるでしょうし、優秀な子たちが医師を目指したいという希望を持てるような制度設計こそが求められています。
 二世医師のための医学部であってはならないわけです。そういう二世医師であれば「就職口」があり、楽して金儲けができるということであれば最悪の制度です。
 能力があっても基盤がなければ、他の医師、医院でこき使われるだけでは、よい人材が集まるわけもありません。
 開業医に手厚いとされる診療報酬体系であったり(自民党の支持基盤)、文科省の利権にされてしまっては良い制度ができるわけがありません。

 「医師不足」という言葉とは裏腹に、みなが希望する分野は現実は医師過剰です。もう実態を反映しない「医師不足」という言い方はやめませんか。



https://www.m3.com/news/iryoishin/380194?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151203&dcf_doctor=true&mc.l=133616698&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医師不足への処方せん
医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援
日医と医学部長病院長会議、医師偏在解消で緊急提言

2015年12月2日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は12月2日、共同で記者会見を開き、「求められているのは医学部新設ではない」とのサブタイトルが付いた、「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」を公表した(資料は、日医のホームページ)。今年8月に公表した骨子案とほぼ同じで、「早急な医師養成数の見直し」や「新たな医学部設置認可の差し止め」のほか、医学部入学から生涯にわたって医師の異動を把握し、キャリア形成を支援する「医師キャリア支援センター」の各大学への設置が主な内容だ。


 会見で、日医会長の横倉義武氏は、「現状の医師不足の本質は、医師の地域と診療科の偏在であり、これらの解消こそが喫緊の課題」と述べ、「緊急提言」の実現がその解決になると主張した。医師の絶対数については、2008年度から2016年度までの間に、既存医学部の増員および医学部新設があり、医学部定員が計1642人増加したことを挙げ、「1大学100人とすれば、16の医学部が新設されたのと同じ。(定員増前と比較して)2016年度からは毎年1000人以上多い医学生が卒業してくる。定員増の効果が表れると期待してくる」と説明。一方で、18歳人口が減少してくることもあり、医師養成数の議論が必要だとした。

 全国医学部長病院長会議顧問の小川彰氏も同様に、「いくら医師の絶対数を増やしても、医師の地域偏在や診療科偏在は解消しない」と訴え、医学部新設ではなく、必要なのは偏在解消であると理解を求めた。「2025年には、日本の人口10万人当たりの医師数は、OECDの標準に到達すると推計されている。その後もその標準レベルを維持するのであれば、その6年前の2019年には、医学部の定員削減をやらなければいけない時代に来ている」(小川氏)。

 この時期に「緊急提言」について会見した理由の一つは、12月10日から、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」での議論がスタートするためだ。横倉会長は「検討会では、医師偏在の問題も取り上げられる予定。今回の緊急提言を基に議論が進むことを期待している」と述べた。

 もう一つの理由は、具体的な言及はなかったが、国家戦略特区の東京圏で11月末、千葉県成田市での医学部新設を認め、その事業者を国際医療福祉大学に決定(『成田の医学部新設、正式決定目前』を参照)、11月27日の同諮問会議で正式決定したことにあると見られる。2017年度の医学部新設を目指す国際医療福祉大学は、今後、文部科学省に対し、医学部新設の設置認可申請を行い、大学設置・学校法人審議会の審議を経ることになる。

 「緊急提言」に対しては、「医師キャリア支援センター」の設置が、「従来の大学医局の復活になるのでは」との懸念が、国立病院機構や地域医療機能推進機構(JCHO)などから、挙がっているという。横倉会長は、その懸念を払しょくするため、日医と全国医学部長病院長会議の「医師偏在解消策検討合同委員会」に、国立病院機構やJCHOを呼び、意見のすり合わせを行うことを予定しており、「緊急提言」を医療界全体の意見とする考えだ。


 地域医療構想の「医師版」で需給を把握

 「医師偏在解消策検討合同委員会」は、今年3月19日から計7回議論し、8月19日に「緊急提言」の骨子案を公表した(『「大学が生涯、医師の異動を把握」案提言、医学部新設対案 』を参照)。

 「緊急提言」の特徴は、各大学への「医師キャリア支援センター」の設置。都道府県の「地域医療支援センター」と連携しつつ、医学部入学から、卒業後、生涯にわたって医師の異動を把握し、学部教育、診療参加型臨床実習、臨床研修マッチング、臨床研修、専門医などに関する医師のキャリア形成を支援する。臨床研修を出身大学のある地域で行うようにするため、地域で魅力ある研修プログラムの作成や臨床研修希望者との面接などを行う。

 医師の地域偏在解消には、病院・診療所の管理者要件として、「医師不地域での勤務経験の導入」を求めるほか、診療科偏在の解消に向け、地域別・診療科別の現状および将来の医療需給などのデータを把握し、整備する。日医常任理事の釜萢敏氏は、「これまで情報が提供されてこなかった。地域や診療科の特性を理解して、選択してもらうことが必要。地域医療構想の『医師版』として考えたらどうか」と説明した。

 現在の暫定的な医学部定員増は、2019年度(一部は2017年度)に見直すことになっている。釜萢氏は、「前倒しで検討を開始して、適切な定員に改めていくことが必要。その際は、地域枠を残して、一般枠を削減することが選択肢として必要ではないか」と述べた。2008年度からの医学部定員増では、地域枠も相当数増えた。全国医学部長病院長会議は、文科省の委託を受け、今後3年間の研究として、卒業後の進路など地域枠の検証を進めるという。

 なお、「緊急提言」には、全国医学部長病院長会議が独自にまとめた「補遺」も付いている。小川氏は「医学教育については、本会議が責任を持つ。医学教育がどのように変わってきたのかを理解してもらう」と説明。「補遺」は、(1)地域医療にモチベーションを持つ学生の確保(中・高校生向けセミナーの開催、アドミッション・ポリシーの明確化)、(2)卒前・卒後のシームレスな教育と医師国家試験の見直し(リベラル・アーツ教育、Student Doctorとしての基本的な臨床能力の獲得、卒業時のPost Clinical Clerkship OSCEの実施、医師国家試験の適正化、臨床研修制度の見直し、医師の偏在を深刻化させない専門医制度設計)――から成る。



http://www.m3.com/news/general/380505?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151203&dcf_doctor=true&mc.l=133616732&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
新見で入退院支援ルール策定 医療、介護従事者らが情報共有
2015年12月3日 (木)配信山陽新聞

 お年寄りの退院後の生活や療養を切れ目なく支援するため、新見市内の医療・介護従事者らが連携し、「新見地域入退院支援ルール」を策定した。医療機関と介護事業所の間で情報の引き継ぎが徹底されず、退院後の介護サービス再開に時間がかかるなどの課題が生じており、情報共有の手順を明文化した。

 ルールは、入院する際には家族か病院担当者がケアマネジャーに連絡し、ケアマネジャーは自宅での情報を病院担当者に伝える。退院が決まれば、入院中の情報や退院日を病院担当者がケアマネジャーに伝達する―といった内容。近く、病院の担当窓口やケアマネジャーらの一覧もつくる。

 策定は、市と新見医師会が取り組む市在宅医療連携拠点事業の一環。市内の医療、介護、保健、行政などの関係者約90人が参加して11月19日に開かれた会合で発表され、参加者たちは早速、ルールを踏まえた支援について意見を交わした。ルールは運用しながら必要に応じて見直しを加える。



http://www.m3.com/news/general/380497
診療ミスで手足指20本切断 医療法人を提訴
2015年12月3日 (木)配信 河北新報

 宮城県岩沼市の整形外科クリニックを受診した宮城県南の60代の主婦が両手足の指20本を切断したのは、医師が病状を正しく認識せず適切な処置が遅れたためだとして、主婦が2日までに、病院を運営する同市の医療法人に約4400万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

 訴えによると、主婦は昨年11月、右脚が急に痛み出してクリニックを受診。医師は確定診断を下さず経過観察とし、主婦を帰宅させた。主婦は翌朝、激しい動悸(どうき)に襲われ、救急搬送先の別の医療機関が「壊死(えし)性筋膜炎」と診断した。主婦は次第に指先の血流が悪くなり、1カ月半後に壊死した両手足の指全てを切断した。

 壊死性筋膜炎は病状の進行が速く、皮下組織の壊死につながる病気で、死亡率も高い。主婦は右足のかかとがひび割れており、細菌が侵入して発症した可能性がある。

 主婦側は「症状から壊死性筋膜炎の恐れは十分考えられたのに、クリニックはよく似た別の病気を疑い、適切な医療機関に転送しなかった。初期診断が適切なら指の切断は防げた」と主張している。法人側は「訴訟に関するコメントは差し控える」と話している。



http://www.m3.com/news/iryoishin/380200
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
後発品は0.5掛け、「年間売上1000億円超」引き下げ
次期薬価基準制度改革の「論点整理」(案)を議論

2015年12月2日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長・西村万里子・明治学院大学法学部教授)は12月2日、次期薬価基準制度改革に向けた論点整理(案)を議論した(資料は、厚生労働省のホームページ)。初めて収載される後発医薬品の価格を先発医薬品の0.5掛け(現在は0.6掛け)にするほか、後発医薬品への置き換えが進まない長期収載品の特例引き下げルールの見直し、年間販売額が1000億円を超える医薬品について再算定ルールを新設することなどが骨子。

 診療側はおおむね論点整理(案)を支持したものの、支払側からは、長期収載品の特例引き下げ幅自体も議論すべきとするなど、厳しい意見が相次いだ。

 来週の中医協薬価専門部会で、業界団体からヒアリングを行い、その後、薬価基準制度改革の骨子案を作成、さらに議論を深め、改革の方針を決定する。

 2日の薬価専門部会で議論になった主な改革案は以下の通り。

◆長期収載品の特例引き下げルールの見直し

 特例引き下げ(通称、「Z2」)とは、「後発医薬品の収載から一定期間が過ぎても、後発医薬品への置き換えが進まない場合、それ以降の薬価改定ごとに先発医薬品の薬価を引き下げる」というルール。一定期間は現在は「5年」で、通常の薬価改定に加えて、置き換え率が「20%未満」は2.0%、「20%以上40%未満」は1.75%、「40%以上60%未満」は1.5%、それぞれ引き下げる。後発医薬品の数量シェアが「2017年央まで70%」など、政府目標が引き上げられたことから、この区分を「30%未満」、「30%~50%未満」、「50%以上70%未満」とし、ハードルを上げる方針。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、まず長期収載医薬品の位置付けについて質問。11月30日、武田薬品工業が後発医薬品の世界的なトップメーカー、テバ製薬(イスラエル)と合弁会社を作り、長期収載品の事業を合弁会社に移管する方針を打ち出したからだ。「企業は舵を切った。長期収載品については、特許が切れたら、後発医薬品と同じという扱いにする方針が、如実に出たのではないか」と幸野氏は指摘し、「後発医薬品が出たら、長期収載品は自然に淘汰されていくものと考えていいのか」と質問。さらに幸野氏は、「Z2」の区分の見直しだけでなく、薬価の特例引き下げ幅についても議論すべきとも主張。

 厚労省保険局医療課薬剤管理官の中井清人氏は、後発医薬品促進の政府目標がある以上、「結果的にそうなるものと思う」と回答。

 これに対し、武田薬品工業の方針について、「全製薬企業の方針とは思わない」と指摘し、「長期収載品あっての後発医薬品ではないか。長期収載品の存在意義をある程度、認めることが必要」とコメントしたのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。

 加茂谷佳明氏(塩野義製薬執行役員)は、専門委員の立場から、「特例引き下げは、後発医薬品への置き換えが進まない時に適用されるもので、極めて厳しいルール」とし、幸野氏が提案した「薬価の特例引き下げ幅」の検討については、「業界として強く否定させてもらう」と述べた。

 同じく専門委員の土屋裕氏(エーザイ株式会社代表執行役)も、加茂谷氏の意見を支持。「研究開発費を投じて、新薬を開発するが、特許期間中に開発費が必ずしも回収できるわけではない」と述べ、長期収載品の利益も開発費に回すことが大切だとした。さらに、中川氏の意見を受け、「長期収載品あっての後発医薬品であり、市場で果たす役割は違う。安全性情報なども収集、提供するほか、新たな適用、剤形も検討するなど、新しい価値を生み出す研究開発もしている」とし、長期収載品は製薬産業にとって意味のあるものだとした。

◆後発医薬品の薬価引き下げ

 初めて収載される場合の後発医薬品の価格は、先発医薬品の0.5掛け(現行は0.6掛け)を基本とする。ただし、10品目を超える内用薬が収載される場合は、0.4掛け。また後発医薬品の薬価が煩雑になるのを防ぐため、現行では成分規格別に3つの価格帯で設定している。これをさらに集約する議論もあったが、2016年度改定では変更せず、その後の状況を踏まえ、検討する。

 幸野氏は、「1つの価格帯に収斂することを目指しており、(3つの価格帯であっても)現実には7割くらいは、1つの価格帯になっている。自然に1つに収斂していくので3つの価格帯を維持することには異論はない」と述べた。

 後発医薬品の価格見直しを問題視したのは、加茂谷氏。「(0.6掛けから0.5掛けに)0.1ずつ下げるのは、乱暴ではないか」と述べ、その理由として、注射薬と外用薬は、内用薬に比べて、薬価調査における乖離率が少ないことを挙げ、別扱いすることも検討すべきとした。

◆基礎的医薬品の薬価の維持

 長期間臨床現場での使用実績があり、医療上必要性が高い医薬品の安定供給のため、現行の「不採算品再算定」や「最低薬価」として薬価の下支えとなる前段階として、新たなルールを2016年度改定で試行的に導入。(1)収載から25年以上経過、(2)薬価と市場実勢価格との乖離率が全体の平均以下――という要件を満たす医薬品を対象とする。2016年度改定では、過去に「不採算品再算定」の対象となった品目に加え、病原生物に対する医薬品および医療用麻薬について薬効分類番号を基に選定。価格は、「最も販売額が大きい銘柄に価格を集約して、その薬価を維持」する。

 中川氏は厚労省案を支持したものの、異議を唱えたのが、幸野氏。「(薬価の下支えは)不採算品再算定と最低薬価で対応すべきと主張したが、新たにルールを作るのは、少し残念。こうしたルールを作るなら、限定的なものとして扱ってもらいたい。基礎的医薬品のみで成り立っている企業の場合はいいが、業績がいい企業の基礎的医薬品について、下支えをするのは違和感がある。企業努力でやっていくべきではないか」と述べ、さらに価格を「最も販売額が大きい銘柄」ではなく、「最も安価な銘柄」にすべきではないか、と提案。

 中井薬剤管理官は、基礎的医薬品の薬価の下支えの試行は、限定的にやっていくと考えており、「最も安価な銘柄」に合わせると、長期にわたり継続的供給を求めるというスキームにはなりにくいと回答。幸野氏は、一定の理解を示しつつ、基礎的医薬品について新たなルールを作るのであれば、「安定供給をするという、確約を取ってもらいたい」と求めた。

◆市場拡大再算定の拡大

 販売額が新薬収載時の予測よりも上回った場合に、通常の薬価改定とは別に、薬価を引き下げる「市場拡大再算定」の見直しも議論され、「年間販売額が巨額な品目」まで拡大することになっていた(『「年間販売額が巨額な品目」、薬価引き下げ』を参照)。現在は、「年間販売額150億円超、かつ予測の2倍以上」(原価計算方式で算定した新薬、および類似薬効比較方式で算定し、適用拡大などがあった新薬)。これを薬価算定方式を問わず、(1)年間販売額1000億円超、1500億円以下、かつ予想販売額1.5倍以上(引き下げ幅は最大25%)、(2)年間販売額1500億円超、かつ予想販売額1.3倍以上(同50%)――とする。

 この厚労省案に対しては、診療側と支払側のいずれからも、異論は出なかった。



http://www.m3.com/news/general/380403
幹部ら不正認識、隠蔽も 化血研の血液製剤問題 承認外製造40年以上
2015年12月3日 (木)配信 共同通信社

 熊本県の一般財団法人「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)が国の承認と異なる方法で血液製剤やワクチンを製造していた問題で、化血研の第三者委員会は2日、歴代理事長ら幹部が不正な製造を認識し、隠蔽(いんぺい)にも関与してきたとする報告書を公表した。承認外の製造は1974年ごろから行われ、多くは80年代以降続けられていたとも指摘。2日の厚生労働省血液事業部会に提出した。

 国の査察で発覚を防ぐため幹部の指示や承認の下、虚偽の製造記録を作成するなどしており、医薬品医療機器法(旧薬事法)に違反する悪質な行為と認定。「組織の閉鎖性、独善性が最大の原因」「常軌を逸した隠蔽体質が根付いており、研究者のおごりも根幹にある」と分析した。厚労省は近く、同法に基づき立ち入り検査をした上で業務改善命令などの行政処分を出す。

 化血研は、宮本誠二(みやもと・せいじ)理事長が2日付で辞任したと発表。他の全理事も同日付で辞任や降格などの処分とした。

 報告書によると、化血研は血液製剤の早期の製品化や安定供給を最優先する中で、血液が固まるのを防ぐヘパリンなどの物質を添加するなど、31の工程で承認書と異なる製造法をとっていた。

 国の定期査察の際には、承認通りの製法で作ったとする偽の記録を用意。国に求められた過去の書類がなかったため、紫外線を浴びせることで変色させて作成時期を古く見せかけたほか、虚偽の出納記録も作成していた。製造工程変更の際に必要な国への申請もしておらず、これらの方針は理事長を含む幹部が決定し引き継いでいたという。

 不正があった製品はいずれも出荷前の国の検定には合格しており、重大な副作用などは確認されていないという。

 一方、報告書は、ワクチンに関しては承認外製造の隠蔽を図ったとまでは認定できないとした。

 今年5月、匿名の情報提供が厚労省にあり不正が発覚。同省は6月に血友病患者らに使われる血液製剤12製品の出荷差し止めを指導した。9月にはワクチンでも国の承認と製造法が異なることが判明し、ワクチン10製品などの出荷自粛を要請。一部出荷が認められたが、インフルエンザワクチンなどの供給不足が懸念される事態となった。

 化血研は血液製剤の売上高が国内2位で、インフルエンザワクチンも国内シェアの約3割を製造する医薬品メーカー。薬害エイズ訴訟の被告企業の一つだった。

 ※化学及血清療法研究所

 熊本市にある一般財団法人の薬品メーカー。旧熊本医科大(現熊本大医学部)に設置されていた研究所を母体に、1945年に設立された。血液製剤のほか、インフルエンザや日本脳炎、A、B型肝炎のワクチンや家畜用ワクチンなどを製造、販売している。2015年3月期の総売上高は約475億円で、血液製剤の売上高の国内シェアは2位。インフルエンザワクチンの製造では国内シェア約3割を握る。血友病患者らがエイズウイルスに汚染された輸入非加熱血液製剤を投与され感染した事件で89年に、患者らから提訴された。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201512/20151203_53006.html
山形県酒田市・日本海総合病院 統合モデルとして全国から注目
2015年12月03日木曜日 河北新報

 山形県酒田市の山形県立と市立病院が2008年に統合した日本海総合病院が、収支を大きく改善するとともに医師不足を解消し、病院関係者らの注目を集めている。地方独立行政法人に移行した自治体病院の先駆けで、両施設で急性期と回復期を分担し、周辺医療機関との連携も進む。地域中核病院の統合、経営モデルとして全国から視察が絶えない。(酒田支局・亀山貴裕)

<診療科を整理>

 「急性期の患者を1カ所に集めたことで、施設と医療機器の稼働率が飛躍的に伸びた。医療スタッフの雇用増にもつなかった」

 島根県出雲市の市議ら8人を前に、栗谷義樹院長(69)が統合の効果を解説した。本年度は11月までに自治体や病院関係者ら62人、昨年度は96人が視察に訪れた。寄せられる関心は、競合していた県立、市立が統合したプロセスと病院経営のノウハウに集中する。

 酒田地区医師会の会長として統合を支えた本間清和医師(67)は「わずか2キロ圏内に診療科の重なる病院が並び、県立は赤字、市立は建物老朽化という壁にぶつかっていた。地域に共倒れさせてはいけないという意識が生まれ、国も統合を後押しした」と振り返る。

 弾力的な病院経営を図るため新設した法人の初代理事長には、市立病院長の栗谷氏が就任した。

 旧県立は高度専門医療を提供する本院、旧市立はリハビリなどを担当する酒田医療センターとして再編し、機能分担を明確にした。重複していた診療科を整理し、科ごとの医師数を増やすことで手術件数が増加。入院患者の平均在院日数の短縮と合わせて受け取る診療報酬の増加につなげた。

<他機関と連携>

 機能強化とともに薬品、材料費の削減や委託契約の見直しなど経営の効率化も徹底。統合前の07年度は両病院合わせて5億円近い赤字だった単年度収支が、初年度に1億2233万円の黒字に転換、以後7年連続で黒字決算を続ける。

 経営体質の強化は、全身のがん細胞の状態を調べるPET―CTなど最新機器の導入・更新を可能にした。経費が掛かる救命救急センターを統合後に開設しながら、県と市からの負担金は減少させた。

 当初懸念された人材確保も経営改善とともに軌道に乗る。公務員の身分を失うことなどから、当初9割が病院を離れる意向を示していた旧県立の看護師は3分の2が残った。全体で病床を144減らす一方、医師は約30人、スタッフは200人余り増えた。

 総務省公立病院改革懇談会座長などを歴任した税理士の長隆・病院経営アドバイザーは「労働組合を恐れて非公務員型法人に移行できない自治体病院が多い中、日本海総合病院は大胆に挑戦し軌道に乗せた。経営状況は全国の独法病院でもトップクラスで、自治体病院統合のモデルになっている」と評価する。

 人口減と高齢化に対応するため、厚生労働省は病床数の削減や機能の分化、病診連携を促し、医療現場に変革を求める。来年度の診療報酬改定ではマイナス改定が想定されるなど、地域医療を取り巻く環境は日々厳しさを増している。

 日本海総合病院は地域の病院・診療所と患者情報の共有システムを構築するなど、連携を深めてきた。栗谷院長は「どの地域も病院単体で収支を考えられる時代ではなくなる。地域全体でさらに重複なく医療を提供できる体制を整えていく必要がある」と強調する。

[日本海総合病院]1947年開院の酒田市立酒田病院と93年開院の山形県立日本海病院が経営統合し2008年4月開院。地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」が運営する。本院は27診療科と救命救急センターで670床、分院の酒田医療センターは内科とリハビリテーション科で114床。



http://medg.jp/mt/?p=6315
Vol.246 公務員による民間病院を通じた犯罪
井上法律事務所 弁護士  井上清成
2015年12月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

1. 法治主義の揺らぎ
 筆者はかねてから、この10月1日より開始された医療事故調査制度について法令に則った手堅い運用をするように、と訴え続けていた。理由は、本来は法令を逸脱しないように最も気を使うべき行政官の一部(医系技官)が、逆に法令を軽んじて逸脱濫用させるような運用を慫慂し、医療界を揺さぶっていたからである。そのようなことを皆が見過ごしていたら、我が国の厚生行政における法治主義が揺らぎかねない。
 ところが、やはり同様の事態が千葉県鴨川市に所在する亀田総合病院を舞台にしても起きていた。一般には、亀田総合病院がその副院長である小松秀樹医師を懲戒解雇処分にした、として知られているけれども、当該事件の本質は労働問題ではない。国及び千葉県における一部の医系技官達の法令違反行為、甚だしくは犯罪行為がその背景にある。
 行政官たる医系技官の一部の者達による法治主義の軽視、延いては、法治主義の揺らぎこそが当該事件の本質と言ってよい。

2. 刑法における道具理論(間接正犯)
 刑法の一般理論に、間接正犯という概念がある。背後の主犯が表面は下っ端の者を道具として犯罪を行わせた場合に、道具たる小者よりも影の主犯たる大物を裁きたい。そこで、その大物を間接正犯として処罰する、というものである。親分が子分や鉄砲玉を使って犯罪を行わせた場合に、親分そのものを正犯として裁く。検察実務上は、共謀共同正犯として一網打尽とすることも多い。
 小松秀樹医師がよく使う比喩では、江戸時代には代官が岡っ引きや下っ引きを使って庶民の取締りをした、という例が挙げられるが、道具理論たる間接正犯概念もそれに近いように思う。
 このように道具を上手く駆使すると、もしも公務員(親分や子分に相当)が自ら行うと、収賄罪(第三者供賄罪)・公務員職権濫用罪・公務員法による守秘義務違反罪・労働者派遣法違反罪・偽計業務妨害罪などに該当してしまうものを、自らの手を汚さずに上手く脱法できるかも知れない。いざとなったら、道具(小者たる鉄砲玉に相当)に罪を着せてしまってもよいのである。
 つまり、公務員が脱法を指向し過ぎると、そこに厚生行政における法治主義の揺らぎが生じてしまい、国民皆にとって芳しくない。

3. 公務員による民間病院を通じた人権侵害行為
 ところで、亀田総合病院はかつて小松秀樹医師に対して、「メール、メールマガジン、記者会見等、手段の如何を問わず、厚生労働省および千葉県に対する一切の非難行為を厳に慎むことを命じます」という指示・命令をした。余りにも端的で素朴な指示・命令という感が強い。おそらく顧問弁護士にも何らの相談もしなかったのであろう。
 それはともかくとして、その指示・命令は、単に亀田総合病院だけの発想・発案とも思えない。千葉県の医系技官の一部、そして、厚労省の医系技官の一部が、その発想・発案に関わっていると見るのが常識的であろう。
 亀田総合病院は、厚労省や千葉県から多額な財政的援助を受け、厚労省や千葉県の広汎な監督に服さざるをえない民間病院である。他方、小松秀樹医師は厚労省や千葉県の厚生行政のあり方に対して,それこそ各種の政策分野について数多くの批判を行ってきており、特に医系技官の一部からは徹底的に嫌われていた。つまり、その指示・命令は、国家公務員の一部医系技官や地方公務員の一部医系技官による言論抑圧行為と評しうるものである。
 もっと広く言えば、国家公務員・地方公務員による民間病院を通じた人権侵害行為とも評しえよう。

4. 憲法における国家行為理論(人権侵害)
 このような人権侵害状況に関しては、事柄の実質に即して憲法問題として扱われねばならない。たとえば芦部信喜(あしべのぶよし)元東京大学法学部教授(故人)「憲法論として考えるうえで参考になるのが、アメリカの判例で採用されている国家行為(state action)の理論である。この理論は、人権規定が公権力と国民との関係を規律するものであることを前提としつつ、(ⅰ)公権力が、私人の私的行為にきわめて重要な程度にまでかかわり合いになった場合、…(中略)…当該私的行為を国家行為と同視して、憲法を直接適用するという理論である(国家同視説と呼ばれる)。(ⅰ)の例として、…(中略)…国から多額な財政的な援助を受け、そのかぎり国の広汎な監督に服している私的団体が違憲的な行為を行った場合などが、挙げられる。…(中略)…このような理論構成によって、事実行為による人権侵害の憲法による救済を図ることも考えられてよい。」
 表面上は、亀田総合病院vs小松秀樹医師の私的な労働問題と見えても、国家・地方公務員(医系技官)vs小松秀樹医師の公的な憲法問題として扱われねばならない、というのが事柄の実質なのである。

5. 言論抑圧は刑法と憲法と言論で解消を
 一般に、公権力による直接・間接の言論抑圧に対しては、刑法による公務員処罰、憲法による人権救済、そのもの言論活動による対抗によって、その抑圧を改めさせねばならない。刑法による公務員処罰は、通常の所轄警察署レベルではなく、警察の本部や検察の特別部(特別刑事部、特別捜査部)扱いによって行われることとなろう。もちろん、厚労省や千葉県自体の内部監査による内部処分も行われねばならない。憲法に基づけば、これは表現の自由(憲法第21条第1項)の侵害に対しての救済が行われるべきであるし、そもそも検閲の禁止(憲法第21条第2項)に違反しているので是正されねばならないものである。さらに、最も重要なのは、言論活動それ自体によって対抗することであろう。
 医師の厚生行政施策に関する言論への抑圧であるから、ほかならぬ他の医師らによる言論活動も重要である。同業者であるだけに逆に小松医師を感情的に好まない医師も少なくないかも知れないけれども、事は好き嫌いのレベルの問題ではない。



http://www.sankei.com/west/news/151203/wst1512030082-n1.html
勤務記録ない月に「給与」 収賄容疑の医師 愛知県警
2015.12.3 19:50 産経ニュース

 人工透析患者の転院をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市)の医師、赤沢貴洋容疑者(41)の預金口座に、アルバイト先だった贈賄側の医療法人から勤務記録がない月にも給与名目の入金があったことが3日、愛知県警への取材で分かった。

 県警によると、患者を紹介した後、現金が振り込まれる約束で、その際にはアルバイト代を装っていた。実際にアルバイト勤務した月には賄賂分とみられる金が給与に上乗せされていたといい、県警は容疑を裏付ける証拠の一つとみている。

 赤沢容疑者は2~10月に、病院や診療所に患者8人を紹介した見返りに、医療法人「光寿会」の実質的経営者、多和田英夫容疑者(64)=贈賄容疑で逮捕=から現金約60万円を受け取った疑いで県警に逮捕された。

 赤沢容疑者は受け取った金について「車のローンの支払いや、趣味のバンドの活動費に充てた」と供述している。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H19_T01C15A2EAF000/
診療報酬、官房長官「国民負担抑制へ議論」
2015/12/3 12:52 日本経済新聞

 菅義偉官房長官は3日午前、首相官邸で日本医師会の横倉義武会長と会談した。2016年度の診療報酬をめぐって、横倉氏が「医療を確保できるようにしてほしい」と要請した。菅長官はこの後の記者会見で「様々な論点を踏まえながら国民負担をできる限り抑制できるように省庁間で議論を深めていくことになる」と語った。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47495.html
新規後発品の薬価、先発品の半額に- 10品目超の内服薬は4割、厚労省
2015年12月03日 17時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は2日の中央社会保険医療協議会(中医協)の部会で、現在は先発医薬品の原則6割となっている新規収載の後発医薬品の薬価を、来年春の診療報酬改定で原則5割に引き下げる方針を示した。近く公表する今年度の薬価調査の結果などを踏まえ、引き下げ幅を最終決定する。【敦賀陽平】

 後発品の使用割合について、政府は2017年半ばに70%以上、20年度末までに80%以上に引き上げる目標を掲げており、今回の方針は、こうした流れを受けたものだ。

 新規収載の後発品のうち、10品目を超える内用薬の薬価については、現行の5割から4割に引き下げる一方、通常の後発品よりも製造コストがかかるバイオ後続品については、業界団体が慎重な対応を求めており、バイオ医薬品の7割とする現行のルールを維持する。

 また、既に保険収載されている後発品の薬価については、現行の価格帯を維持する方針だ。現行のルールでは、最高価格(先発品の薬価)の「30%未満」「30-50%未満」「50%以上」の3つに集約されている。同部会では、価格帯の統一を求める声もあったが、同省側は現行の価格帯を維持した上で、来年春の改定後の状況を踏まえ、検討を進めるとした。

 さらに同省は、後発品の置き換え率(シェア)が低い長期収載品(後発品のある先発品)の薬価を引き下げる特例(Z2)に関しては、現行のシェアの基準をそれぞれ10%引き上げ、▽30%未満▽30%以上50%未満▽50%以上70%未満―とする方針を示した。

 同部会では、来年春の薬価制度改革案の取りまとめに向け、月内に業界団体から意見聴取を行う予定で、同省ではその結果も踏まえ、最終的な対応を決める。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201512/20151203_53039.html
医療事故の調査支援協議会を設立
2015年12月03日木曜日 河北新報

 山形大医学部と関連病院などで構成する同大蔵王協議会と県医師会は1日、県内の医療機関に対して無償で医療事故の検証や報告を支援する県医療安全支援協議会を設立した。
 医療法に基づく医療事故調査制度が10月に始まり、予期せぬ死亡や死産が発生した場合、院内調査と第三者機関の医療事故調査・支援センターへの報告などが義務付けられた。協議会は要請があった医療機関への助言、院内調査委員会への外部委員の紹介、報告書の内容確認などを行う。
 会長に就任した山形大医学部の嘉山孝正参与は「医師だけでなく、歯科医、看護師、薬剤師などオール山形の医療人で協議会を設立した。公正な第三者として支援する」と話した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47493.html
化血研の不正、「患者軽視し企業利益優先」- 第三者委が薬食審委員会で報告書説明
2015年12月03日 14時00分 キャリアブレイン

 化学及血清療法研究所(化血研)が国の承認書と異なる方法で血液製剤を作っていた問題で、不正や隠ぺい行為があったとする報告書をまとめた化血研の第三者委員会は2日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会の運営委員会で、その概要などを説明した。医薬品医療機器法(旧薬事法)に違反する行為を行った化血研の姿勢について、報告書では「患者を軽視し、企業の利益を優先させる姿勢が強くうかがえる」と批判している。【新井哉】

■40年前から不正行為、経営層が「改めることなく放置」

 報告書では、化血研の血漿分画製剤について、「承認書と実製造との不整合およびその隠ぺいを行った事実が認められた」とし、化血研が製造販売する国内の献血由来の血漿分画製剤では、11月25日時点で31の不整合があると指摘。こうした不整合は1974年ごろから始まり、その多くは80年代から90年代前半にかけて行われたという。

 こうした不正行為には、宮本誠二理事長や前理事長、元副所長らが担当者や責任者として関与。特に前理事長や理事長ら3人については、虚偽の製造記録を作成して厚生労働省などの査察に対応をする隠ぺい工作を「認識していた」と認定した。その上で、経営層の一部は遅くとも97年には不正を認識していたが、「改めることなく放置してきた」と指摘。「化血研全体が薬事法制の遵守について無理解ないし無関心であったと言わざるを得ない」としている。

 また、厚労省などの査察で発覚することを回避するため、承認書に沿って製造しているかのような虚偽の製造記録を組織的に作成するなど、隠ぺい行為を行っていたと指摘した上で、不整合を防止するため、国の監督機関と緊密なコミュニケーションを取ることをしなかった化血研の閉鎖性や独善性が「不整合や隠ぺいを生じさせた最大の要因」としている。

 この日の運営委員会で、化血研の宮本理事長は、2日付で理事長を辞任することに加え、関与した理事が辞任・辞職することを表明した。ただ、これまでの化血研の説明や第三者委員会の報告書では「説明は不十分」とする委員が少なくなく、関係者の辞任・辞職で幕引きをしないよう、宮本理事長らにクギを刺す場面も見られた。

■ウイルス除去確認前の製剤流通、回収求める意見も

 一部の製剤の出荷再開を踏まえ、厚労省は、この日の運営委員会で患者へのインフォームドコンセントについても提案。血液凝固因子製剤のバイクロット配合静注用など5製剤の患者への説明文の案を示した。

 説明文案では、バイクロットについて、出荷を止めていた経緯に加え、2014年の発売から、製造途中で血液を固まりにくくする物質「ヘパリン」が使われていることや、添加物の量や作り方が「国の承認と異なる方法」であることを明記した。

 献血で得られた血液の中には、検出できないウイルスが残っている可能性が否定できないため、国の承認した方法で作ることが「大前提」となっていることを踏まえ、不整合な製造方法を事実上容認した厚労省は、「国が承認した方法とは異なる方法でバイクロットを作った場合でも、ウイルスを取り除く性能に問題のないことを確認し、出荷されています」と説明文案に記載した。

 この案に対し、運営委員会の委員は、ウイルス除去確認が取れる前のバイクロット(ロット番号BY001、BY002)を7月から出荷していることを問題視。ウイルスの除去が確認されたバイクロット(同BY006)の出荷に伴い、未確認となっているバイクロットを回収するよう求める意見が出た。こうした意見を踏まえ、厚労省も説明文案の記述や流通の在り方を検討する考えを示した。



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1203037943/
簡単そうで難しい? 医学生から指導医への6つの"Choosing Wisely"を発表
カナダ・17の医学部学生らが決議

2015.12.03 Medical Tribune

 カナダ医学生連盟(Canadian Federation of Medical Students)とケベック医学生連盟(Fédération médicale étudiante du Québec)は11月,医学生が指導医に用いる6つの「賢く選ぼう(Choosing Wisely)」リストを発表した。中には「医学生の立場ではちょっと...」と尻込みしそうな項目も含まれている。
この記事はおよそ0.5分で読むことができます
「医学生に指導医を啓発してもらう」

 同キャンペーンは米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が開始し,同国内では100を超える医学団体が参画している。主には医師と患者が「賢い医療」を選ぶためのよりどころとなるエビデンスに基づく項目を提示し,類似の検査の重複や検査・治療に伴う害の低減,医療の妥当性を判断してもらうための項目が示されている。
 今回,カナダで医学生・指導医向けに項目が提示された背景についてカナダ医師会(CMAJ)の公式ニュースはChoosing Wisely Canadaの理事長Wendy Levinson氏のコメントを紹介。「良い指導医は,患者の胸痛のありとあらゆる原因を考え,当たりをつけた全ての検査をオーダーするもの」と医学生たちは習うが,近年新たな報告が集積。医療費の請求が高額な病院で研修を受けた場合,一般内科医や家庭医になってから数年にわたり医療費の請求が高くなる傾向を示す調査結果もあると述べている。とは言え「指導的立場にある医師たちを変えるのは難しい」と同氏。そこで医学生たちと連携し,指導医たちを啓発してもらおうと考えたそうだ。
 同国内17校の医科大学から34人の医学生が集まり,決議した6つの項目は以下の通り。決議に参加したUniversity of Tronto2年生のAnand LakhaniさんはCMAJ公式ニュースで「参加者の誰もが医学教育のヒエラルキーの圧力と向き合っている。このリストで医学生たちが指導的立場の医師に問いかける後押しができれば嬉しい」とコメントしている。

 ① より低侵襲な選択肢を考慮する前に最も侵襲的な検査や治療を提案してはならない
 ② 患者の臨床経過に変化をもたらさないであろう検査や治療,処置を提案してはならない
 ③ ある検査,治療または処置が必要性かどうか,患者と話す機会を逃さない
 ④ あなた(医学生)が不要と考える検査,治療あるいは処置の必要性を明確に説明してもらうことを躊躇しない
 ⑤ 個人が臨床経験を積むことのみを目的に検査や処置の実行を提案してはならない
 ⑥ 指導医が何をしたがっているかを予想するためだけに,先んじて検査や治療をオーダーしてはならない
(坂口 恵)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015120302000126.html
在宅医療の強化打ち出す 診療報酬改定で基本方針
2015年12月3日 朝刊 東京新聞

 厚生労働省の審議会は二日、二〇一六年度からの医療の公定価格(診療報酬)を改定するに当たっての基本方針をまとめた。自宅で暮らすお年寄りらを支援する医療や介護の提供体制強化の必要性を強調。お年寄りのケアは「施設から在宅へ」という政府方針に沿った内容だ。だが、安倍政権は目玉政策の「一億総活躍社会」の実現に向けては、介護施設の拡充を打ち出した。在宅を支える「車の両輪」である医療と介護の施策がちぐはぐにみえる。 (我那覇圭)
 基本方針は、慢性病を抱える高齢者を念頭に、在宅医療や訪問看護の充実を要請。日ごろの健康維持を担うかかりつけ医、服薬を管理するかかりつけ薬剤師の確保を促した。病気の重症化を防ぐ対策やリハビリを受けられる体制整備も求めている。厚労省は別の審議会の了承も得て最終的に方針を決める。
 診療報酬は手術などの治療や医薬品などの公定価格で、原則二年に一回改定される。政府は充実させたい医療の価格を上げ、取り組む医療機関を増やすなどして必要な医療を確保する。今改定では在宅医療を重視する姿勢を鮮明にした。
 背景には、人口が多い団塊世代の高齢化がある。すべての団塊世代が七十五歳以上となる二五年を見据え、政府は施設だけでは不足する受け皿づくりとして「在宅」に軸足を移した。一四年六月に成立した地域医療・介護総合確保推進法で動きを加速させ、在宅を支える医療と介護を連携させ、さまざまなサービスを提供できるよう体制整備を進めている。診療報酬改定も中核の一つだ。
 一方、安倍晋三首相が議長を務める一億総活躍国民会議は十一月二十六日に公表した緊急対策で、二〇年代初頭までの介護施設などの整備案を、四十万人分から五十万人分以上に上乗せする目標を明記。来年の通常国会に提出する一五年度補正予算案、一六年度予算案に関連費用を盛り込む。
 施設拡充は在宅重視の方針に逆行しかねず、施設が拡充されれば介護保険料の引き上げなど負担増も予想される。社会保障制度に詳しい日本総合研究所の西沢和彦上席主任研究員は「在宅医療を厚くしようとする診療報酬改定の方向は合っている」と指摘。「介護施設の拡充方針は、在宅重視の方針との整合性、自宅で生活したいと願う国民の希望との整合性、財政再建の実現との整合性がとれていない。首相は費用増など負の側面と合わせ説明すべきだ」と話す。



http://biz-journal.jp/2015/12/post_12711.html
連載  上昌広「絶望の医療 希望の医療」
福島医大、被災地への医師派遣で3億円見返り 静岡、法外利息奨学金で憲法違反の疑い

文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授
2015.12.04 Business Journal

 高齢化の進む日本で医師不足が深刻だ。官民挙げて対策に余念がないが、なかなか効果が上がらない。なぜだろう。
 それは医師不足対策が容易に利権と結びつき、既得権者が抵抗勢力になりやすいからだ。具合が悪いのは、多くの関係者が「抵抗勢力になっている」という認識がないことだ。医師不足は、医療事故のようなわかりやすい被害者がいない。メディアは「有識者の意見」として既得権者の主張を垂れ流す。こうして、いつの間にか医師不足が医療提供者の権限擁護の議論に終始してしまう。今回は、この問題を考えてみたい。
 医師不足でもっとも利益を受けるのは誰だろうか。私は医師養成機関、つまり大学医学部だと思う。
 これは医療業界では、よく知られた話だ。知人の医療業界誌記者の中には「医師不足に悩む市町村の足元をみて、金をふんだくっている」と言う人までいる。さまざまな手口があるが、代表的なのは地方自治体からの「寄付講座」だ。福島県立医大のケースでご説明しよう。
 福島県の医師が不足していることはいうまでもない。特に東日本大震災の被害にあった浜通りの医療環境は悲惨だ。状況はますます悪化しつつある。

 例えば、整形外科のケースだ。福島労災病院の整形外科が崩壊の瀬戸際にある。労災病院の売りは整形外科。東北大から4名の整形外科医が派遣されていた。ところが昨年、宮城県内に新設される医学部へ派遣する必要もあり、東北大学は医師を引き揚げると通告してきた。いわき市の人口は32万人。仙台市、郡山市に次ぐ東北第3の都市だが、ご多分に漏れず医師不足。人口10万人あたりの医師数は173人。全国平均(238人)よりは3割程度少なく、南米やトルコと同レベルだ。地元の医師は「十分な医療を提供できていない」と嘆く。
 年をとると誰もが膝や腰を傷め、整形外科にお世話になる。高齢化社会では整形外科のニーズは高い。この地域の整形外科の医療は福島労災病院といわき市立総合磐城共立病院(以下、市立病院)が担ってきた。福島労災病院の整形外科が閉鎖されれば、いわき市は「整形外科難民」で溢れることになる。
 福島労災病院は福島県立医大に整形外科医の派遣を求めたが、断られた。同病院関係者によると「20年近く前の労災病院での東北大学医局とのトラブルという、訳のわからない理由で断られた」という。
 事態を重くみたいわき市が福島県に相談したところ、「県立医大から寄付講座の活用を提案された」(市立病院関係者)。市立病院の「地域医療連携室だより」(2015年8月号)には、「福島医大付属病院紺野教授にいわき市の整形外科医不足についてご相談をしました。その際に紺野教授から共立病院に医師を派遣するために、寄付講座を作っては、とご指導を受けました」との記載がある。
 この後、今年4月から5年間、福島県立医大に「地域整形外科支援講座」が設置され、市民病院に3名の整形外科医が派遣されることとなった。

寄付講座のスキーム

 では、寄付講座とは、どんなスキームなのだろう。図は、そのカネの流れを示している。いわき市関係者からの情報提供だ。いわき市は、3名の整形外科医を派遣してもらうために年間6000万円を福島医大に支払う。5年間で総額3億円だ。
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 寄付講座から派遣される医師に支払われる人件費総額は2530万円。差し引き3470万円が福島医大の自由に使える金になる。残業代などは市立病院持ちだ。年間990万円を予定している。この結果、いわき市民は3名の整形外科医を派遣してもらうために、毎年6990万円を負担することになる。
 そもそも福島県立医大は「県民の保健・医療・福祉に貢献する医療人の教育および育成」を理念に掲げており、震災後は多額の税金が投入されている。13年度に受け取った運営費交付金と補助金の総額は117億円である。一流国立大学なみで、金には困っていないはずだ。
 寄付講座など設置せずとも、医師を派遣すればいい。東日本大震災で被害を受けたのは浜通りだ。福島市内に位置する福島医大ではない。ところが、いつの間にか被災地をネタに福島医大が焼け太る構造になっている。「寄付講座をつくらなければ医師を派遣しない」という福島医大の行動は、「ユスリ」といわれても仕方ない。

労働基準法に抵触する可能性

 では、福島だけが異常なのだろうか。そうではない。医師不足対策の寄付講座は全国で急速に普及している。いずれも税金をばらまくだけで実効性はない。
 例えば佐賀県は、佐賀大学に10年度から4年間で合計8億2200万円を寄付し、「地域医療支援学講座」を設置した。佐賀大学は「佐賀県内の4つの研修教育病院で内科各科を研修し、各専門科の検査・治療手技も習得しつつ臓器や疾患を限定せず全てに対応できる総合内科医を育成」する事を目的に掲げている。
 具体的には、当初の目標として、13年度までに30人程度の医師を養成することとしていた。ところが14年現在、育成した研修医は2学年で7名。目標には遠く及ばない。ところが、この「地域医療支援学講座」は現在も継続しており、今年佐賀県は佐賀大学に1億円を寄付した。県内の医学部は佐賀大学だけ。医師不足の状態が続く限り、佐賀大学は実績を問われることなく、寄付金を受け入れ続けることができる。
 この問題に詳しい小松秀樹医師は、「寄付講座は医師調達コストを上昇させ、地域医療に対する大学支配が強まる。また、労働基準法の中間搾取の排除に抵触する可能性がある」という。
 医師不足の地域では、医師を派遣するものが力を持つ。通常は大学の医局だ。誰も彼らの意向に逆らえない。このように考えると、都道府県は地元の大学から金を搾り取られる被害者のように見えるが、一方的に搾取されているわけではない。彼らも自分たちに都合の良い制度をつくり上げ、弱いものから搾取している。その対象は医学生で、やり方は奨学金の貸与だ。

在学中から利息

 多くの都道府県は、医学生に奨学金を貸与し、卒業後の一定期間を都道府県が指定する病院で働けば、返済を免除している。一見、学費に困る学生と、医師不足に困る都道府県の双方にメリットがあるシステムだ。ところが、実態は「人身売買」と変わらない。
 静岡県のケースをご紹介しよう。静岡県は「静岡県医学修学研修資金」という制度を設け、医学生や大学院在学中の医師に対し、月額20万円を貸与している。医学生が6年間貸与された場合、総額は1440万円にのぼる。静岡県が指定する県立病院、市町村立病院に貸与期間の1.5倍を勤務すれば、返済は免除される。ただ、初期研修期間は通常の半分にカウントされるため、6年間貸与を受けた医学生は10年間勤務しなければならない。
 問題は貸与時点、つまり在学中から利息がつくことだ。そして、その利率は年間10%である。さすがに複利にはなっていないが、在学中だけで約450万円の利息が発生する。利息制限法で定める利息の上限は15%であり、法律違反ではないが、日本学生支援機構の利息が法律で3%以下に制限され、在学中は無利息であることとは対照的だ。14年1月末現在、日本学生支援機構から奨学金を貸与される場合、固定利息で年利0.89%である。
 ちなみに、借金を返済する場合には、一括返済しか認めていない。一度借金したら、抜け出せなくなる仕組みだ。
 静岡県によれば、奨学金貸与の定員は年間120名。14年現在の総貸与者は646人で、本年度から県内病院で初期研修を受ける医師は過去最多の209人という。静岡県は、この実績を「成果」として強調している。
 ただ、都道府県が、何も知らない大学生に法外な利息で奨学金を貸し付け、医師不足の辻褄合わせをさせることは、「人身売買と変わらず、憲法違反の可能性すらある」(都内の弁護士)。
 さらに静岡県は都合の悪いことは隠している。例えば、医師として義務年限の勤務を終え、奨学金の支払いが免除された場合、税務上は静岡県から医師個人に約2000万円が贈与されたことになる。数百万円の税金の支払い義務が発生する。静岡県は、学生に対し「国税庁と話がついている」と説明しているそうだが、本当にそうなら文面で渡せばいい。
 また、静岡県が斡旋する勤務先の病院の評判は総じて芳しくない。静岡県内の勤務医は「病院のレベルが低く、自力で医師を集められない病院が県に泣きついているだけ」と言う。
 静岡県は「初期研修医の月給を30万円から40万円に引き上げたことも学生をひきつけたようだ」と自画自賛するが、医師不足の昨今、この程度の給料は別に珍しくない。例えば、前出のいわきの市立病院の1年目の研修医の給料は41万2300円だし、同じく福島県の南相馬市立総合病院は66万2500円だ。静岡県は何も知らない大学生に借金をさせて、レベルが低く、待遇が悪い病院で働かせていることになるという見方も可能だ。
 結局、得をするのは、予算10億円の奨学金事業を差配する県庁の役人と、労せずして、研修医を確保できる公立病院だけだ。こんなことをしていると、まともな医師は養成できず、最終的にツケは県民が払うことになる。
 もちろん、このような仕組みは静岡県だけではない。他県も同じような仕組みをつくっている。宮城県は月額20万を貸与し、在学中から10%の利息が発生する。千葉県は月額15万円を貸与。貸与が終わった段階から14.5%の利息がかかる。
 医師不足の日本で、医師を派遣する権限は絶大だ。そこに利権が発生する。次回は、そんな「利権の構図」がいかに日本の医療を危機的状況に追いやっているのか、実態をみていきたい。
(文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授)



http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20151204-OYTNT50000.html
名城病院贈収賄 患者紹介「11年前から」
2015年12月04日 読売新聞

 名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介を巡る贈収賄事件で、愛知県警に収賄容疑で逮捕された同病院腎・糖尿病内科医長の赤沢貴洋きよひろ容疑者(41)が「(贈賄側の医療法人実質的経営者と)11年前に知り合い、その頃から患者を紹介していた」と供述していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、当時から紹介料の授受があった可能性があるとみて調べている。

 赤沢容疑者は、贈賄容疑で逮捕された医療法人「光寿会」(名古屋市西区)の実質的経営者、多和田英夫容疑者(64)に、県内の透析患者計8人を紹介した見返りに、今年2~10月、計約60万円を受け取ったとして2日、逮捕された。

 捜査関係者によると、2人は2004年1月に知り合い、赤沢容疑者は、翌05年夏から、光寿会傘下の診療所で人工透析治療のアルバイトを始めたという。赤沢容疑者は「アルバイトを始める前から(多和田容疑者に)患者を紹介していた」と説明しているといい、県警は、赤沢容疑者が04年頃から紹介料を受け取っていた可能性もあるとみて銀行口座などを調べている。

 また赤沢容疑者は、多和田容疑者から患者1人に付き10万円の紹介料を受け取っていたことも判明。光寿会傘下の診療所でのアルバイトは月数回で、紹介料は、正規のアルバイト代に上乗せする形で口座に振り込まれていたという。

 一方、専門家によると、人工透析患者は週3日程度、1回あたり4~5時間の治療を受けなければならず、転院する場合は患者の住居近くなど、利便性の高い医療機関を紹介するのが一般的という。名城病院では、合併症を併発するなどした重症の人工透析患者の治療を赤沢容疑者を含め、4人の医師が担当。症状が比較的軽くなった場合、複数の医療機関を転院先として紹介していた。県警は、赤沢容疑者が紹介料欲しさに、光寿会傘下の病院や診療所を優先的に紹介していたとみて、診療記録などを調べている。

 県警は3日、赤沢、多和田両容疑者を名古屋地検に送検するとともに、名城病院を捜索。カルテや転院先への紹介状など、関係資料を押収した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53449/Default.aspx
日医・横倉会長 GEメーカーは「しっかりした情報提供」を 企業の集約必要
2015/12/04 03:51 ミクスOnline

日本医師会の横倉義武会長は12月3日、都内で開かれた「第15回医療フォーラム」で行った講演で、ジェネリック(GE、後発医薬品)の使用促進策に触れ、「しっかりした情報提供ができるGEメーカーでなければならない」と述べるなど、GEメーカーに必要な対応を指摘した。有効性と安全性、品質が担保できる製品の供給と、医師側の選択のしやすくする観点から、「GEメーカー数は少し集約していたたく必要がある」との認識を示した。

横倉会長は、GEの使用促進策に対し日医としての政策の判断基準である「国民の安全な医療に資する政策か」と照らし合わせて、GEメーカーには「しっかりした情報提供」が必要と指摘。情報の内容について「安全性、溶出性の問題などいろいろあるが、そこをしっかりと担保できるGEを出してほしい」と述べた。また、同成分のGEであっても色や形など見た目が大きく異なるケースがあることを紹介し「患者さんが(これは同じ薬ではないと)不安に思わない工夫の必要があるのではないか」と話した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H5O_T01C15A2EE8000/
湿布の処方を制限、16年度改定で政府検討
2015/12/4 2:00日本経済新聞 電子版

 政府が2016年度の診療報酬改定にあわせて検討している医療費の抑制策が明らかになった。医師が処方する湿布を制限するほか、胃瘻(いろう)の高齢者ら向けの栄養剤の安易な投与も抑える。政府が6月にまとめた社会保障費の抑制目標を達成するため、年末までに改革案を詰める。

 湿布の処方では、1回当たりの枚数に制限を設けるほか、必要性が低いとみられる患者への処方を公的保険の対象から外す案がある。市販の湿布を買うと全額が自己負担だが、医師が処方すれば負担は原則3割なので、もらいすぎて使い残す例も多いとされている。

 医師のなかには飲み込む力がある患者に、経腸栄養剤を投与する例もあるとされる。そこで栄養剤の必要性を厳しく判定するなどして、医療機関の報酬に一定の歯止めをかける方向だ。

 大病院の前に店舗を構える「門前薬局」の報酬も下げる。もうけが多く引き下げの余地が大きいとの判断からだ。特許が切れた薬の成分でつくる後発医薬品などの価格も一段と引き下げる。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0209136.html
睡眠導入剤1万3千錠紛失 NTT東日本札幌病院
12/03 21:30、12/04 02:12 更新 北海道新聞

 NTT東日本札幌病院(札幌市中央区)は3日、今年7月から11月にかけて睡眠導入剤「ゾルピデム錠」計約1万3千錠を紛失していたことが分かったと発表した。

 同病院の薬剤師が1日夜、調剤室の棚で保管している睡眠導入剤が朝と比べて大量に減っていることを不審に思い、上司に報告。院内調査で紛失が判明した。同病院によると、薬剤は毎朝、前日使用した数量が業者から補充されることになっているが、その5カ月間は医師が処方した薬剤数の3倍弱に上る約2万錠を購入していた。

 調剤室には15人の薬剤師が勤務しているという。同病院は札幌市保健所に紛失を届け出るとともに、札幌中央署にも連絡した。


  1. 2015/12/04(金) 05:53:50|
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