Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月28日 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151128-OYT1T50062.html
医師の偏在解消へ、医学部「地域枠」の拡大検討
2015年11月28日 17時53分 読売新聞

 医師が都市部に偏り、地方や診療科によっては不足していることについて、厚生労働省は、改善策を議論する検討会を年内に設置する。

 大学の医学部を卒業した後に地元で働くことを条件とする「地域枠」の拡大をするかどうか検討する。一方で、全国的には医師は増加傾向にあるため、2018年度以降の大学医学部の定員についても、16年度中に方向性を打ち出す。

 医師の数は増え続けており、12年には30万3268人となっている。しかし、04年度に研修医が病院を自由に選べるようになった影響で、地方や診療科によっては医師不足が深刻化した。

 政府は、医師が将来は過剰になるとの推計をもとに医学部の定員を抑制する方針だったが、08年度から方針を転換。全国の医学部の入学定員は、07年度に比べ15年度は1509人増加している。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94494560X21C15A1L41000/
北海道のせたな町、医師の奨学金未返済分 無利子で貸し付け
2015/11/28 10:59 日本経済新聞

 檜山管内のせたな町は医師が大学時代に借りた奨学金の未返済分について、同額を無利子で貸し付ける制度を設ける。町立の医療機関に一定期間勤務すれば、返済を一部免除する。同町は町立病院と、2カ所の診療所を経営しているが、医師が不足しており、新制度で医師を確保する。

 対象は現役医師。町立医療機関で一定期間勤めることを条件に、借りている奨学金の未返済分に対し、全額貸し付けを受けられる。返済期間は10年以内。契約期間を満了すれば貸付額の3分の1の返済を免除する。第1弾として町外で働く男性医師に貸し付けを行う予定。来年4月には町立病院の常勤医に採用する。

 道によると、現役医師が他の組織から借りた奨学金を貸与する制度は道内の自治体で初めてという。厚生労働省の担当者は「同様の制度の存在はこれまで聞いたことがない」と話している。



http://www.asahi.com/articles/ASHCW5HW5HCWULFA021.html
千葉・成田に医学部新設決まる 例外除き38年ぶり
大内奏
2015年11月28日18時39分 朝日新聞

 政府は27日、国家戦略特区に指定している千葉県成田市に、医学部を新設する計画を正式に認めた。成田空港との近さをいかした国際水準の医師の育成や、外国人患者を受け入れる「医療ツーリズム」の拡大を目指す。2017年4月に開設する予定。

 新設されるのは、国際医療福祉大学(栃木県)の医学部。医学部の新設は、東日本大震災からの復興目的で特例的に認められた東北薬科大(16年4月開設)をのぞくと、38年ぶりとなる。教員200人以上のうち10人以上を外国人とし、学生も定員140人のうち20人を留学生とする。大多数の科目で英語の授業を行うほか、全ての学生が海外での臨床実習を最低4週間受ける。

 20年には付属病院を成田市内につくり、10カ国以上の外国人患者を受け入れる計画。人間ドックや先端医療と、首都圏の観光をセットにして外国人を呼び込む考えだ。(大内奏)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127075
日本の医学教育レベル、国際基準で評価へ
(2015年11月28日 読売新聞)

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 大学の医学教育が国際基準を満たしているかどうかを評価する一般社団法人「日本医学教育評価機構(JACME)」が、12月に発足する。

 日本の医学教育は、大学ごとにカリキュラムが決められ、医学教育の質を担保する明確な基準と評価システムがなかった。初めて第三者の目で統一的に審査し、医学部を持つ全国80の国公私立大などの医学教育の底上げを図る。

 同機構は、文部科学省の支援を受け、全国医学部長病院長会議が主導して発足。高久史麿・日本医学会会長が理事長に就任する。

 審査は、世界保健機関(WHO)の下部組織「世界医学教育連盟」などが設ける国際基準に基づいて来年度以降に始める。具体的には、▽診療現場に出る臨床実習が、全カリキュラムのおおむね3分の1(約70週)を確保しているか▽学生や教員が議論するなど主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」を導入しているか――など計72項目にわたる。

 項目ごとに「適合」「部分適合」「不適合」の3段階で評価し、国際基準を満たしている場合には、同機構が大学に認定を与える。結果は公表され、認定は7年間有効となる。

 米国は2010年、海外の医学生が卒業後の臨床研修を23年以降に米国内で受ける場合、国際基準を満たした医学部の卒業生に限ることを、各国に通告した。米国での臨床研修を受ける日本人は卒業生全体の約1%(年間80人程度)だが、大学が国際基準に認定されないと、海外で医師として活動を希望する優秀な学生を集めにくくなる恐れもある。

 日本の医学教育は、臨床実習の時間が短く、講義も受動型といわれる。その結果、一般に日本と米国の医学部卒業生の間では、卒業後の臨床研修2年間ほどの経験の差があるとされる。

 同機構の理事に就任する奈良信雄・順天堂大特任教授は「米国の通告は、日本の医学教育にとっての『黒船』。これを外圧ととらえず、国際的に通用する医学教育を普及させる転機と考えたい」と話す。



http://mainichi.jp/area/mie/news/20151128ddlk24040094000c.html
志摩市民病院:医師3人退職へ 市長「存続へ努力」 /三重
毎日新聞 2015年11月28日 地方版

 志摩市民病院(同市大王町)の常勤医師4人のうち、大和俊信院長(58)ら3人が「一身上の都合」などを理由に辞表を提出し、来年3月末に退職することが分かった。大口秀和市長は「医師確保に努め、病院存続のために頑張りたい」と述べた。

 同病院は2012年4月には7人の常勤医師が在籍していたが、次第に減少。ここ数年は1億円を上回る赤字が続いており、指定管理者の募集を行ったが応募がないなど、運営を巡る混乱が続いていた。医師の補充ができない場合は、総合診療を担当する30代の男性医師だけとなる。

 現在の診療科目は外科、内科、整形外科、リハビリテーション科で、40床の療養病棟を運営する。非常勤医師は3人いる。【林一茂】

〔三重版〕



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127060
腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に医学的問題
(2015年11月28日 読売新聞)


 群馬大学病院で肝臓の腹腔鏡手術後に患者の死亡が相次いだ問題を受け、日本肝胆膵外科学会が、全国の主な病院で行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の成績を調べたところ、死亡率が4%以上と高率の病院が五つあることが27日、わかった。5病院の死亡例10例の診療経過にいずれも何らかの問題があったことから、同学会は各症例をさらに精査し必要があれば指導を行う方針で、年内に結論を出す。

 群馬大の問題発覚後、同学会は昨年11月~今年1月、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院として学会が認定している全国約210病院を対象にアンケートを実施した。2011年から4年間に行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の死亡率などを調査。死亡率が5%前後と群馬大の死亡率(8・7%)に近い高率と考えられる5病院に対し、死亡例の診療経過に関する詳細な報告を求めた。

 学会が設置する安全管理委員会が死亡例10例について、手術に適しているかどうかの判断や手術の技術、術後管理のあり方を検証したところ、何らかの医学的問題が見られたという。

 同学会は今後1か月かけ、死亡例をさらに精査。問題が大きいと判断されれば、高度な手術を担う病院としての学会の認定を取り消すことも含め、処分や指導を行う見通しだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127061
死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず
(2015年11月28日 読売新聞)

 日本肝胆膵外科学会が、開腹も含めた肝臓と膵臓の高難度手術で死亡率が8%を超える2病院に対し、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院としての認定更新を認めなかったことがわかった。

 この2病院ほどではないものの、死亡率が5%を超えた病院も6病院あり、今後、指導を検討する。うち2病院は、腹腔鏡手術の死亡率が4%以上と高率の5病院にも含まれていた。

 同学会の認定病院は毎年度、開腹か腹腔鏡かといった手術方法を問わず高難度手術の成績を学会に報告しているが、群馬大の問題を受け、同学会は、改めて12~14年度の各病院の報告を調査していた。その結果、2病院は死亡率が8%を超え、死亡例の診療内容にも問題があった。

 群馬大での開腹及び腹腔鏡による手術の死亡率は10%を超えていた。問題を受け、群馬大と、同様の問題が起きた千葉県がんセンターは認定が取り消されている。



https://www.m3.com/research/polls/result/27?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151128&dcf_doctor=true&mc.l=133075867
意識調査 結果
医療者自身の服薬コンプライアンスは?【薬剤師会員からの質問】

カテゴリ: 医療 回答期間: 2015年11月17日 (火)~24日 (火) 回答済み人数: 4520人

 今回は、m3.comの薬剤師会員からの質問です。医療従事者、ご自身の服薬コンプライアンスについて尋ねた質問で、「医療者は患者に対し、とかく服薬コンプライアンス維持を要求するが、医療者自身が患者の場合、自身で実行することはなかなか難しいことが多い。この部分について「医者の不養生」になっていないかを調査したい」とのことです。


風邪に罹患、医師で「必ず服薬」は2割以下

 今回は、医療者自身の服薬に対する意識についてお伺いしました。風邪をひいた時、インフルエンザに罹患した時、生活習慣病になった時の3つの状況で、「必ず服用する」「服用しない」「場合による」の中から選んでいただきました。全体で見ると「必ず服用する」と答えたのが多かったのは、「インフルエンザ」「生活習慣病」「風邪」の順番となりました。

 インフルエンザでは概ね7~8割が「抗インフルエンザ薬」を服用すると答えましたが、生活習慣病では、「必ず服用」は4割弱から5割強に。風邪では1割から3割とバラつきがありました。特に、生活習慣病にかかった時、薬物治療を行うかどうか、医療従事者でもその判断は迷うようです。

 風邪の時に「必ず服用する」と答えた割合が高かったのは、「その他の医療従事者」で28%、最も少なかったのは「勤務医」で13%でした。風邪は「服薬しない」を選ぶ割合も高く、特に勤務医の20%は「服用しない」を選び、「必ず服用する」が「服用しない」よりも少ないという結果になりました。

 インフルエンザの時、「抗インフルエンザ薬を服用する」と答えた割合が高かったのは「看護師」で88%、低かったのは「歯科医師」で69%でした。高血圧などの生活習慣病でも同じ傾向で、「必ず服用する」の割合が高かったのは「看護師」で55%、低かったのは「歯科医師」で37%でした。

 最後に、服薬コンプライアンス維持のための工夫を尋ねました。あると答えたのは16%~27%で、歯科医師の割合が高い結果となりました。

 具体的な工夫の中身は、コメント欄で回答を募りました。多かったのは、「食卓など目につく所に置く」「事前に準備」「容器を工夫」「回数を減らす」「携帯アプリを使う」などの工夫。「薬の効果により、重要なものはキチンと飲むが、やはり忘れることはあるのが人間である」(医師)といった、薬の重要度が高ければ忘れないという意見もありました。

 生活習慣病に関しては、「高血圧などの生活習慣病になったら夜勤の多い今の職場を辞めて、生活習慣を正すことから始めます。生活習慣病の薬は崩れた生体機能を化学物質により矯正するものなので、生活習慣を正してもなお、高血圧などが続いたら、薬を飲み始めます。降圧剤などは特に、飲んだり飲まなかったりが一番生体にとって悪いので、飲み始めたら絶対に服薬順守します」(薬剤師)、「自分が媒体となって患者にうつすようなことがあってはならないと考えているので、インフルエンザに関しては、内服は絶対します。ほかの生活習慣病等に関しては、薬より先に食事療法を試してみたりします。それでも検査データが悪化するようであれば、あきらめます」(看護師)といった声もありました。

回答者総数は、4520人。開業医715人、 勤務医2447人、歯科医師51人、看護師150人、 薬剤師878人、その他の医療従事者279人でした。

 本調査へのコメントは、引き続き募集中です。本ページ最下部の「コメントする」から、ご意見、ご感想をお寄せください。

Q1 風邪を引いたら薬を服用しますか
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必ず服用する (757人)服用しない (742人)場合による (3021人)
セグメント   必ず服用する 服用しない 場合による
開業医     139      78      498
勤務医     317      506      1624
歯科医師    14      7       30
看護師     37      19      94
薬剤師     173      96      609
その他の医療従事者 77    36      166
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q2 インフルエンザに罹患したら、薬を服用しますか
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抗インフルエンザ薬を…その他の医薬品を服用…基本的に何も服用しない(538人)
セグメント   抗インフル  その他の医    基本的に
        薬を服用する 薬品を服用する 何も服用しない
開業医     615      40       60
勤務医     1929     183        335
歯科医師    35      8         8
看護師     132      5        13
薬剤師     721      74       83
その他の医療従事者 223    17       39
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q3 高血圧などの生活習慣病に罹患したら、薬を服用しますか
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必ず服用する (2278人)服用しない (206人)場合による (2036人)
セグメント     必ず服用する 服用しない  場合による
開業医       415      15      285
勤務医       1231      114      1102
歯科医師      19        8        24
看護師       83        2        65
薬剤師       421      37      420
その他の医療従事者 109      30      140
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q4 ご自身の経験で、今まで服薬コンプライアンスを守っていますか?
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完全に守っている(482人)ほとんど守っている(2250人)どちらとも言えない(1344人)ほとんど守っていない(374人)全く守っていない(70人)
セグメント    完全に守っ  ほとんど  どちらとも  ほとんど   全く
         ている    守っている 言えない   守っていない 守っていない
開業医      104     400     167     38       6
勤務医      278     1230     725     171      43
歯科医師     1       28       15       5       2
看護師      13       78       45      14       0
薬剤師      66       369     301     126      16
その他の医療従事者 20      145     91      20       3
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q5 ご自身の服薬コンプライアンス維持のための工夫はありますか? ※工夫の中身や、これまでの回答の理由・ご意見について、「回答する」ボタンを押した後のページ下、コメント欄にご記入ください。
112806.jpg
ある (891人)ない (3629人)
セグメント    ある       ない  
開業医      156       559
勤務医      411       2036
歯科医師     14        37
看護師      38        112
薬剤師      228       650
その他の医療従事者 44       235
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果



http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151129-OYT1T50000.html
診療報酬、マイナス改定へ…1700億円を抑制
2015年11月29日 08時28分 読売新聞

 政府は、医薬品の値段(薬価)や、医師、薬剤師らの技術料の価格(本体)を見直す2016年度の診療報酬改定で、全体の改定率をマイナスとする方向で調整に入った。

 16年度予算編成の焦点である社会保障費の抑制は、目標とする約1700億円の抑制分をほぼ診療報酬のマイナス改定でまかなう考えだ。

 診療報酬改定はほぼ2年に1度実施される。全体の改定率がマイナスになれば8年ぶりだ。

 厚生労働省による16年度予算の概算要求では、医療、年金、介護などの社会保障費は15年度予算より約6700億円増える。要因は、高齢化や、医療が高度化していることなど様々だ。政府は財政再建を着実に進めるため、高齢化で避けられないとされる年約5000億円増にとどめる方針だ。



http://biz-journal.jp/2015/11/post_12646.html
連載  富家孝「危ない医療」
手術の下手な医師蔓延で、多くの患者が死亡という現実…医師だけ特別扱いは許されない

文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役
2015.11.29 Business Journal


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「医療事故調査制度について」(厚生労働省HPより)

 この10月から「医療事故調査制度」がスタートした。これは、たび重なる医療過誤事件の原因究明と再発防止を目的としたもの。この制度によって、第三者機関「医療事故調査・支援センター」が設立され、医療機関は患者の死亡事故が発生した場合はセンターに届け出て、自ら院内調査を行う。その調査結果は遺族に開示され、遺族が納得できないときはセンターに再調査を依頼できるようになった。

 こうした第三者機関の設立は、医療過誤事件の被害者となった患者側にとっても、医療機関側にとっても一見すると「大きな前進」のようにみえるが、実情はとても「前進」とはいえない。
 なぜなら、制度スタートから1カ月あまり経った11月13日、センターを運営する日本医療安全調査機構が発表した事故は全国でたった20件にすぎなかったからだ。センターでは年間1000~2000件を想定していたので、まさに想定外なのである。
 また、寄せられた相談は250件で、その相談内容の4分の1は医療事故として届け出る必要があるかどうかというもので、事故そのものではなかった。
 こんな状況だから、現場の医者の関心・反応は本当に鈍い。私が聞きおよんだところでは、医師会や日本医療法人協会などがシンポジウムや説明会などを活発化させているにもかかわらず、「新制度は機能しない」と言う医者が多い。医者の関心は、事故を起こしてしまったとき、どう責任を取らされるかだが、新制度になってもこの点はまったく曖昧なままだからだ。

新制度の致命的欠陥

 医療は人間が人間に対して行う以上、事故は必ず起こる。それが、過誤(ミス)によるものかどうかを判定するのは、本当に難しい。当事者である医者側が口を閉じてしまえば、ほとんどが隠蔽されてしまう。
 そのため、第三者機関が必要なのだが、新制度ではその調査はまず院内で行われる。また、調査の対象になるのは「予期せぬ死亡事故」に限定されている。治療中などに死亡する危険性を患者に事前に説明していたり、カルテに記載していたりすれば、対象から除外することも可能で、その判断は医療機関に委ねられている。さらに、院内調査の報告書を遺族に提供するかどうかについても、任意とされた。
 結局、第三者機関による調査が行われるのは、院内調査の結果に納得できない遺族からの求めがあったときだけ。しかも、医療事故1件の院内調査には数十万円から100万円かかり、その調査費用は医療機関側が負担することになっている。

 これで、医療事故が本当に解明されるだろうか。

医者だけが例外は許されるべきではない

 じつは、新制度発足に当たって、被害者団体は遺族などが相談できる窓口をセンターに設置することを求めていたが、退けられてしまったのである。
 私は息子が医療事故に遭ったため、医者を訴える裁判を経験している。この裁判は医者が医者を訴える、しかも私は母校の医者を訴えたので、マスコミで大きく取り上げられた。
 しかし、残念ながら民事でも刑事でも敗訴した。その根底には「医療は本来不確実なもの。いくら過誤があっても刑事免責されるべきだ」という考え方があった。しかし、これは交通事故などで業務上過失致死罪が成立するのに比べたら、医者だけが例外にされていることになる。
 医療事故の多くはミスから起こるが、外科手術では手術が下手、あるいは未熟な医師が行い、死ななくてもいい患者が死亡してしまうことがある。去年、群馬大学病院で腹腔鏡手術により8人が死亡していた事件は、この典型である。群馬大では過失を認め、院内調査が行われて謝罪した。しかし、これは現場医師のせいにした「とかげの尻尾切り」であって、事故の真相解明は不十分だった。
 私は、事故の真相究明と責任追及は切り離すべきで、院内調査より第三者機関の調査を優先すべきだと考える。そうしたうえで、あくまで医学的な見地による真相解明を行い、その調査に基づいて患者側がいつでも訴訟を起こせるようにすべきだと考えている。
 そうしないと、事故を起こした医療機関は確実に口をつぐむ。それを防ぐためには、事故調での発言は免責するなどの処置も必要だろう。
 さらに、外科手術が下手、未熟な医者が手術を行って患者を死亡させた、などの場合は、確実に刑事罰を科すことだ。つまり、「下手くそ罪」のようなものをつくらないと、遺族は泣き寝入りするだけになる。運転が下手なプロのドライバーのクルマに乗って事故に遭った場合のことを考えてみてほしい。医者もドライバーも同じなのだ。
 しかし、今回の事故調制度では、当事者である医者側が「事故は予測不可能」と言うだけで、「免罪符」を手に入れている。「前進」と言うより、「後退」である。この制度は来年6月に見直しが行われることになっているが、厚労省も医師会ももっと患者側に立って制度を見直してほしい。
(文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役)



http://www.sankei.com/region/news/151129/rgn1511290008-n1.html
手作り模型「巨大な胃」 倉敷・川崎医科大の「現代医学教育博物館」人気 岡山
2015.11.29 07:00 産経ニュース

 ■副館長「小学生も楽しく学べる」

 倉敷市にある川崎医科大の「現代医学教育博物館」が人気を集めている。見学者は年間約8千人。人気の理由は、人体模型など全てが職員の手作りによる展示で、楽しんで学べるように工夫が凝らされているためだ。

 高さ約2・5メートル、幅約5メートルある巨大な胃の模型には、がんや潰瘍などの病巣がリアルに作られている。胃がんは分類の仕方に合わせて4カ所あり、腫瘍の形も分類ごとの特徴を表している。胃の内部を見る疑似体験ができる人体の上半身の模型では、モニターを見ながら手元で胃カメラを操作できる。

 昭和56年の開館以来、来館者の声や世間の関心を反映して、展示内容を替えてきた。副館長の森谷卓也教授は「病気予防のコーナーを充実させ、小学生にも対応できるようにしています」と話す。

 腸に見立てたクッションを見学者が板に貼り付けて全長を実感する展示や、何秒でボタンを押せるかで反射神経を測定する機器もあり、楽しみながら医学に触れられる。

 職員が製作する展示は、最短でも約3カ月、手の込んだものでは約2年かかるものもある。特に病気や患部の説明や、模型作りには細心の注意を払う。

 館内には、主に医療関係者らに公開している専門性の高い別フロアもある。付属病院の患者から提供を受けて保存した臓器約1700点を展示。病状によって変わる心臓の鼓動を確認したり、採血の練習をしたりできる装置もあり、他大学の医学部の学生や看護師でも学べるようにしている。

 団体見学の場合は事前に連絡が必要。開館日など問い合わせは同医大を運営する川崎学園(電)086・462・1111。
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川崎医科大の「現代医学教育博物館」に展示されている、職員手作りの巨大な胃の模型。手前は副館長の森谷卓也教授=岡山県倉敷市


  1. 2015/11/29(日) 10:28:56|
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