Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月23日 

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-176413.html
<社説>産科が減少 安心して出産できる環境を
2015年11月23日 06:01 琉球新報

 産婦人科や産科を掲げている全国の病院が昨年10月時点で1361施設で前年比14施設減となり、現在の形で統計を取り始めた1972年以降、過去最少となった。24年連続で減少している。県内は産婦人科16施設、産科5施設の計21施設だった。本島北部では恒常的な医師不足が続いており、県内の医師確保も重要な課題だ。

 調査をした厚生労働省は減少理由について「少子化による出生数の減少や夜間・休日対応が多いなど厳しい勤務環境による産婦人科医の不足が背景にある」と分析している。
 県内では医師不足を理由に、県立北部病院の産婦人科ではことし9月まで医師2人体制での診療制限が続いていた。10月に新たに医師2人が赴任したことで約10年ぶりに定数4人体制に戻った。
 2005~07年は医師不足で休診に追い込まれ、08年以降は派遣医師などで一時的に4人だった時期もあるが、短期間で定数割れに戻っていた。北部では年間約千人の出産がある。12年度は県立中部病院への搬送が93件に上った。緊急を要する事態に陥った場合、北部地域から中部病院まで搬送されるのは妊婦にとって大きな負担だ。今後は医師4人の現行体制を何とか維持してほしい。
 県内の医師不足解消のため、県は本年度から保健医療政策課に医師確保対策班を設置した。14年度には北部・離島地区の医師不足解消のため20億円の基金を創設した。北部・離島で産婦人科医が開業する際には助成するなどの施策を展開している。今後も効果的な医師確保対策を進めてほしい。
 一方、日本産婦人科医会などの14年の試算では10年後の24年には26府県で産科医の人数が減少するという。一方で沖縄県は8・8%増加するとの予測になっている。いずれにしても地域にとって必要な医師の数を確保する必要がある。
 第3次安倍改造内閣は看板政策「1億総活躍社会」で、20年代半ばに出生率を1・8に回復させる目標を掲げた。若い世代の理想とする子ども数が実現した場合の「希望出生率」だ。14年は1・42だった。産み育てたいという意識が高まらなければ目標達成は到底実現できないだろう。
 少子化を食い止めるのには産婦人科の医師と施設を十分に確保することは不可欠だ。女性が安心して子どもを産める環境を整える施策を進める必要がある。



https://www.circl.jp/2015/11/23/6988/
やはり日本の公的医療制度は世界一!? 世界各国の医療保険の仕組み比較
WRITER: Hashimoto.M
CIRCL(サークル) 2015/11/23

 「アメリカで盲腸の手術をしたら300万円もかかってしまった……」
 こんな話を聞くと「日本でよかった」と思うけれど、これは本当の話だろうか? この背景には、各国で異なる医療保険の仕組みがある。では、日本の医療保険は、国際的に見るとどのような特徴があるのだろう。

「病院を選べない」「医療費が無料」――各国で異なる医療保険制度

 体調を崩して病院を受診するとき、かかりつけ医や評判の良さなど、その時の状況に応じて、私たちは自由に病院を選択できる。また、一定の自己負担率(2〜3割が一般的)の診察料金を支払うことで、適切な医療を受けられる。
 しかし、医療保険の仕組みは国によって異なり、受けたい医療機関を自由に選ぶという、私たちが当たり前のように行っていることができない国もある。医療費が無料の国や、逆に、場合によってはとても高額になることもあるのだ。
 アメリカへの旅行や出張で体調を崩して現地で医療を受けたときに、日本で同じ治療をした場合に比べて10倍も治療費がかかったなんて話もある。だが、日本とアメリカでは医療保険の仕組みが異なるので、このようなケースも起こり得るのである。

世界の医療保険制度は大きく3つのタイプがある

 世界各国の公的医療保険制度は大きく3つに分けることができるが、ポイントとしては2点。
・お金はどこから支払われるか(財源はどこか)
・医療サービスの提供者は誰か
という点だ。
 以下に3タイプを紹介するが、実際にはこれらがミックスされ、各国の医療保険制度が成り立っている。

1. 社会保険モデル:少ない自己負担、自由に選べる医療機関

 日本の健康保険はこのモデルだ。ほかにも、ドイツ、フランス、オランダなどヨーロッパ諸国で多く採用されている。
 国により制度が多少異なるが、基本的に国民は少ない自己負担で医療を受けられる。また、患者が受けたい医療機関を自由に選択することができる場合が多い。
 財源は社会保険で、医療サービスの提供者は公的機関と民間機関が混在する。

2. 国営医療モデル:無料の医療費、しかし受けたい医療機関は選べない

 イギリス、カナダ、スウェーデンなどが採用するモデルである。全ての国民は基本的に無料で医療を受けることができる。
 しかし、地域ごとに定められた診療所を受診する必要があり、患者が受けたい医療機関を自由に選択することはできない。
 財源は税金で、医療サービスの提供者は公的機関が中心である。

3. 市場モデル:未加入者は高額負担を強いられるケースも

 アメリカで採用されているモデルであり、ほかの先進国とは大きく異なる。高齢者や障害者など一部の人たちを除いて、公的医療保険制度はなく、一般的な現役世代では、自己負担で民間医療保険に加入する必要がある。
 しかし、アメリカでは無保険の人口が約14−15%にも上るとされている。これら保険に加入していない人が医療機関を受診した場合には、多額の費用負担がかかることになる。
 財源は民間保険で、医療サービスの提供者も民間機関が中心である。

日本の公的医療制度は世界一? 民間の医療保険は必要か

 日本の公的医療保険制度は国際的に高く評価されており、私たちは恵まれた環境にあるといえる。それでは、民間の医療保険は必要ないのだろうか?
 例えば、入院や治療が長引けば、費用が高額になることも考えられる。また、先進的な医療サービスは、公的医療保険の保障対象外となる場合もある。そんなとき、民間の医療保険に加入していれば、その分を賄えることもある。
 自分が将来病気になった際に、どんな医療を受けたいか、そんな視点から保険について今一度考えて見る機会を持つのも良いかもしれない。

参考:厚生労働省ホームページ/医療保障制度に関する国際関係資料について http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken11/
 Lify.jp(ライフィ) http://lify.jp/contents/health/index.php?p_no=0002



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0033214.html
【社説】 道立病院の経営 住民の健康守る視点で
11/23 08:55 北海道新聞

 道は赤字経営が続く道立6病院の立て直しに向けて、給与や人事の権限を持った病院事業管理者を2017年度に新設する方針を固めた。経営判断を早めて収支改善を図るのが目的だ。

 6病院は地域医療や専門医療の中核となっている。さらに経営が悪化すれば、道民への医療サービスが低下しかねない。再建に向けた動きは歓迎だ。

 しかし、収支ばかりに目が向き、過度に効率を追求すれば、不採算医療の切り捨てなどを招く。経営改善で忘れてならないのは、住民の健康を守る視点である。

 道立病院は江差(檜山管内江差町)、羽幌(留萌管内羽幌町)、緑ケ丘(十勝管内音更町)、向陽ケ丘(網走市)、北見(北見市)、子ども総合医療・療育センター(札幌市手稲区)の六つだ。

 過疎地の医療を支え、精神医療や高度な小児医療など民間の参入が少ない不採算医療を担っている。維持を求める声は根強い。

 道はこれまでに、道立病院全体の収支改善に向け、11年に紋別をオホーツク管内の一部事務組合に移管し、14年に苫小牧を廃止するなどの措置を講じてきた。

 ただ、赤字体質の改善にまでは至らず、累積赤字は522億円に上る。解消は急務だ。

 知事が持つ職員の採用や異動、給与の決定権を、新設する事業管理者に移せば、迅速で自由な判断ができるようになる。

 たとえば、人材確保に向けた職員の待遇改善や、診療報酬が多く配分される医療への重点的な人材配置などだ。

 道はこうした取り組みに期待をかける。先例があるからだ。

 事業管理者の新設には、病院事業を地方公営企業法の「財務など一部適用」から「全部適用」に変更する条例改正が必要だ。

 道によると、病院事業を「全部適用」としている都道府県は24県で、道内では札幌、旭川、函館の市立病院などが移行している。収支が改善した例は多い。

 心配なのは、道の関与が弱まり、効率を重視する企業的な運営が行き過ぎると、患者が置き去りにされかねないことだ。患者への負担増や職員削減となれば、本来の目的から大きく外れる。

 あくまでも公立病院であることを忘れてはならない。

 北海道は人口減少や高齢化が進んでいる。対策の一つのカギは地域に安心して暮らせることだ。道立病院を含めた地域医療体制の整備が欠かせない。



http://www.sankeibiz.jp/business/news/151124/bsk1511240032006-n1.htmv
【ファイザー合併】「バイアグラ」巨大化で日本の製薬会社、劣勢に
2015.11.24 00:32 産経ニュース

 米製薬大手ファイザーがアイルランドの同業大手アラガンを事実上買収する方向となり、米欧製薬大手の巨大化が一段と加速する見通し。規模で見劣りする日本の製薬会社が米欧勢との競争に立ち向かうのは一段と困難になり、経営戦略の練り直しを迫られそうだ。

 製薬業界は「規模の経済」が働きやすく、医師が処方する医療用医薬品を収益の柱とする米欧大手は同業他社との合併・買収(M&A)に積極的だ。

 新薬は特許切れになるとジェネリック医薬品(後発薬)に市場を奪われるため、競争力のある製品を投入し続けていけるかどうかが収益力を左右。ファイザーとアラガンの年間売上高を合算すると600億ドル(約7兆4千億円)を超え、スイスのノバルティスの売上高も約580億ドル(昨年12月期)に上る。

 これに対し、国内最大手である武田薬品工業の今年3月期の売上高は1兆7778億円にとどまり、日本勢の生き残りは難しさを増している。(共同)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H7Q_T21C15A1FFB000/
米ファイザー、成長M&A頼み アラガンを事実上買収
2015/11/23 23:20 (2015/11/24 0:15更新) 日本経済新聞

 【ニューヨーク=高橋里奈】米製薬大手のファイザーによるアイルランドの同業アラガンの事実上の買収は、自前での規模拡大が望みにくくなった環境の変化が背景にある。各社は主力品の特許切れが相次ぎ、後発医薬品メーカーとの競合も激化している。M&A(合併・買収)により新薬候補獲得を含めて製品ラインアップを拡充して局面の打開を図る。今回の買収のもう一つの目的とされる租税回避を巡っては米当局が規制強化に動く中で強行突破を図る格好だ。
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 両社の発表によると、アラガン株の評価額は363.63ドルと10月28日の株価に比べ約3割上乗せした水準。アラガン株主は1株につき新会社の株式11.3株を、ファイザー株主は同1株を受け取る。買収は2016年下半期に完了する予定。新会社の最高経営責任者(CEO)にはファイザーのイアン・リードCEOが就き、社長にはアラガンのブレント・サンダースCEOが就任するとしている。

 ファイザーはこれまでもM&Aで事業成長の壁を切り抜けてきた。2000年のワーナー・ランバート、03年のファルマシア、09年のワイスと大型M&Aを繰り返した。今年9月には後発医薬品7位の米ホスピーラの買収を完了した。収益を支えてきた高脂血症治療薬「リピトール」も元はワーナーの開発品だ。この手法は「ファイザーモデル」と呼ばれてきた。

 ファイザーの医療用医薬品の売上高はリピトールの特許切れが始まった11年と比べ100億ドル以上減り、14年にはノバルティス(スイス)に業界首位を奪われた。自社の有望な新事業が少ない中、世界各地に抱える営業部門を支えるためにも規模拡大を追わざるを得ない。今回もM&A頼みで首位に再浮上する。アラガンも米アクタビスが旧アラガンを買収し15年に社名を変更した。

 もう一つの狙いは租税回避だ。形式上は規模の小さいアラガンがファイザーを買収する格好をとる。本拠を法人税率が35%と先進国で最高水準の米国から12.5%のアイルランドに移すことで節税を図る。ファイザーのリードCEOもかねて税率が高い米国から国外に本社を移し、合法的に租税回避を実現する狙いを示唆してきた。

 製薬業界では、カナダのバリアントが米サリックス・ファーマシューティカルズを111億ドルで買収するなど大型のM&Aが相次いでいる。調査会社ディールロジックによると世界の製薬業界のM&A総額は15年に3千億ドル近くに達し、過去最高を更新する勢いだ。

 米調査会社IMSヘルスによると、世界の医薬品市場は20年に1兆4千億ドルと現状から約3割拡大する見通し。日米欧など先進国と新興国の格差が縮まり、中国、インド、ブラジル、インドネシアなどの需要の伸びが支える。同時に、ファイザーなど欧米製薬大手が収益源としてきた米国では後発薬が3割以上増える見込みで、各社は収益モデルの転換を迫られる。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52378/Default.aspx
中医協・費用対効果評価専門部会 1,2回改定経た製品が対象 業界側は原価計算方式には反対
2015/11/24 03:50 ミクスOnline

中医協費用対効果評価専門部会は11月20日開かれ、費用対効果評価の試行的導入に向けて対象品目など骨子が示された。この日厚労省が提示した案では、対象品目の要件として、保険収載後1、2回の改定を経た予想ピーク時売上高の高い医薬品で、有用性加算など一定の補正加算のある類似薬効比較方式、もしくは原価計算方式で算定することをあげた。指定難病、血友病、HIV感染症など治療法が十分に存在しない医薬品や、未承認薬等検討会議及びニーズ検討会からの開発要請品目、公募品目は除外する。これに対し、専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「(比較薬を置くことの難しい)原価計算方式で算定された新薬を対象にするのは困難ではないか」との考えを示した。対象品目は今年度内に決定する方針。


厚労省は、対象品目について、算定方式や加算の有無、売上高、対象年度を軸に案を提示した。加茂谷委員は、原価計算方式の医薬品は、適切な類似薬がないために原価計算方式で算定されていると説明し、「比較薬の存在しない新薬を対象に、何ならかの比較対象を置いて費用対効果評価を行い、仮に薬価が引き下がるような状態になれば、現行の原価計算方式そのものを否定する」と指摘した。これに対し、厚労省保険局医療課の眞鍋馨企画官は、中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドラインを引き合いに、「比較対象は無治療や経過観察を用いることもされており、直ちに対象にならないとの考え方はしていない」と説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/374589?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151123&dcf_doctor=true&mc.l=132263646
「慈恵医大は偏差値56から72へ上昇」、2016年度医学部入試動向◆Vol.2
プレジデントFamily編集長・中村亮氏インタビュー
2015年11月23日 (月)配信 聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――大学の難易度はどのように変化していますか?
 国公立前期では1位が東大(偏差値79)、2位:京大(77)、3位:大阪大(73)、4位:東京医科歯科大(71)、5位:名古屋大、九州大(70)となっており、以前からそれほど変化はありません(駿台予備学校のデータ、以下同)。一方で、私立大は軒並み偏差値が上昇しています。1位が慶応大(77)、2位:東京慈恵会医科大学(72)、3位:防衛医科大(71)、4位:自治医科大、順天堂大、大阪医科大(69)となっています。

 都市部の大学ほど高難易度の傾向がありますが、これも都市部の生徒の「地元志向」の表われという面もあります。

 偏差値の推移を見ると、東京慈恵会医科大学は1990年の偏差値56から72(※同じく、駿台予備学校の数値だが、対象とする模試が違うため数値に若干のずれが生じている)に、順天堂大も同55から68、杏林大、愛知医科医大が48から61へと大幅に上昇しています。私大最難関の慶応大も70から76にさらに難化しています。2000年代になって学費を下げた順天堂大、昭和大、帝京大などは受験者数も大幅に増えました。大学間の競争も激化しており、受験者は増えても各学校はいかに良い生徒を確保するかに力を入れています。

――「地域枠」も増えていますね。
 一般入試より倍率が低くなることもあり、条件に合う受験生にとっては狙い目です。筑波大の2015年度では一般入試の4.5倍に対して、地域枠は1.9倍でした。札幌医科大では定員110人に対して、地域枠は55人と半数を占めます。大学のある県以外の学生を受け入れる枠もあり、鳥取大では鳥取県枠のほか、兵庫県枠、島根県枠、山口県枠があります。

 地方だけでなく、首都圏でも私立大学を中心に杏林大、順天堂大、東京慈恵会医科大学などに東京都枠、北里大学には山梨県枠、茨城県枠、相模原市枠があります。

――2016年には37年ぶりの医学部新設となる東北医科薬科大医学部ができます。
 東北地方の私立大は岩手医科大のみということもあり、関心は高いようです。定員100人のうち、半数以上に奨学金が貸与されます。一般枠では自己負担が3400万円ですが、奨学金の枠によっては国立並みの400万円程度で済む場合もあり、人気が出そうです。

――m3.comの医師会員には子弟を医学部に入れたいとお考えの人も多いです。保護者としてどのように向き合うべきでしょうか。


 お医者さんの方にとっては、医学部受験はかつてご自分が挑んだ道ですが、当時の常識が通用しない面もあります。特に、私大も総じて難易度 が高騰しているため、国公立、私立を問わず、早めの準備をされることをお勧めします。実際、お医者さんに子育てについて尋ねたアンケートでは、「数遊びに親しんでいた」「身近に図鑑や科学の本を置いていた」など、理系の素養を自然を身に付ける家庭の工夫をしている方が多かったです。

 また、現実問題としては学校選びも重要になっています。小学生のお子さんをお持ちの場合は、医学部への進学実績の高い中高一貫校を目指すための中学受験を検討するのもいいかもしれません。受験生のお子さんをお持ちの場合は、各大学の入試制度がとにかく煩雑なことに注意してください。同じ大学でも、受験科目や方式が複数あるのが当たり前。子供の得意科目や学力に合わせて選択できないと、思わぬ不利な戦いとなることもあります。学校の進路指導担当の先生でも、国公立と私立合わせて80校の制度を把握するのは難しいのが現実です。その意味では、親の情報力が問われます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/377342
“医師有罪”でも続く、造影剤の誤投与事故
医療の質・安全学会、大磯浜松医大教授

2015年11月23日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 11月22日、千葉県で開催された第10回医療の質・安全学会学術集会のシンポジウム「最近の医療事故から薬剤に関する医療安全を考える」で、浜松医科大学医学部法学教授の大磯義一郎氏は、国立国際医療研究センター病院をはじめ、ウログラフインなどの脊髄腔への誤投与事故に関する分析結果を紹介。


 報道などで調べた結果、脊髄腔への誤投与事故で刑事事件化し、医療者が有罪になった事例はこれまでに7件あるが、繰り返し同様の事故が起きており、その当事者は経験が浅い若い医師が多いという。大磯氏は、医師の刑事責任を問うことが、事故の再発防止にはつながらないと指摘。

 10月から医療事故調査制度がスタートしたが、大磯氏は、事故調査報告書にも、警鐘を鳴らした。「人が間違えたから、事故は起きる。気合いを入れたら、事故は起きないというのが、裁判官の論理」。こう指摘する大磯氏は、事故原因を人的要因に帰着させた報告書を作成すれば、裁判官の「ストライクゾーン」に入り、結果的に、若い医師が刑事責任を問われることになりかねない上、再発防止にもつながらないとした。

 「刑事事件化すれば100%有罪」

 これまで国内で新聞報道されるなどして明らかになった脊髄腔への誤投与事故は19件、患者数では32例(同一事故で、複数の患者に誤投与した例あり)で、うち死亡したのは13例(死亡率は41%)。回復した事例もあることから、「造影剤の誤投与、イコール死亡ではない」(大磯氏)。

 13例のうち、10例(7件)において、最終行為者となった医療者が刑事訴追された。全員が、罰金20万~50万円、もしくは執行猶予付きの禁錮1~2年の有罪判決を受けている。医師の経験年数が判明した4件について見ると、経験年数は平均2.8年。若手研修医が多いのは、最終行為者になる機会が多いからだ。

 「患者が死亡すると、高い確率で刑事事件化する。刑事事件化すれば、100%有罪になる」。こう大磯氏は指摘した上で、刑事事件で有罪になっても、繰り返し同様の事故が起きていることを踏まえ、「刑事事件化により、故意犯であれば予防効果が期待できるが、医療事故は過失であるため、その効果は期待できない」と述べ、医療事故の刑事事件化に疑問を投げかけた。

 米国ISMPの緊急警鐘、徹底されず

 米国では、1994年にFDAが、「ヨード性造影製品の箱、バイアルおよび添付文書に警告をする必要がある」と警告した。しかし、再発防止につながらなかったことから、2003年、ISMP(米国医薬品安全使用協会)が、「箱やアンプルの警鐘は容易に見逃されている」ため、「脊髄造影剤とイオン性造影剤を厳密に分離して保管する」など、5項目の緊急警鐘を行った(下表)。

 一方、日本では、1991年に当時の厚生省が、ウログラフインの箱、容器、添付文書上で「警告」するよう行政指導があったが、その後、繰り返し同種の事故が発生しても、追加対応がない。「司法の理解は、我が国の医療安全水準に近い」(大磯氏)。

 このような日米の対応の違いを紹介した上で、大磯氏は2014年4月に事故が発生した国立国際医療研究センター病院の事例を分析。

 本事故については、2014年8月に病院が事故調査報告書をまとめたが、「分析結果や再発防止策として、ISMPの緊急警鐘が列挙されているにもかかわらず、主たる要因を人的要因に帰着させた」(大磯氏)。その後、担当医が今年7月、東京地裁で有罪判決を受けたが、同判決においても、「ISMPの緊急警鐘では、医療安全上の有効性が否定されている箱やバイアルの警告を過度に重視し、人的要因を主たる原因としている」と大磯氏は指摘した(『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』を参照)。

米国FDA/ISMPの警鐘内容            実施状況
 箱、バイアルおよび添付文書の警告         ○
 1.脊髄造影剤とイオン性造影剤を厳密に分離して保管 ×
 2.目立つ補助ラベルを使用             ×
 3.払い出しの際、ダブルチェックを行うこと     ×
 4.定期的に薬剤師が保管場所を訪れること      ×
 5.現場スタッフの教育等の具体的対策を取るよう提起 ×
米国FDA/ISMP警鐘の国立国際医療研究センター病院における事故当時の実施状況(大磯氏による)


  1. 2015/11/24(火) 06:12:00|
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