Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月21日 

http://www.townnews.co.jp/0610/2015/11/21/309436.html
小学生が外科医を体験 教育
秦野赤十字病院が初開催

 タウンニュース 秦野版 掲載号:2015年11月21日号

 秦野赤十字病院で11月14日、市内の小学生を対象に外科医の仕事を体験する「第1回ブラック・ジャックセミナー」が開催された。 同セミナーは、医師不足が懸念される現代、将来を担う子どもたちに、人の命を救う医療体験をしてもらい「医師になりたい」「医療に携わる仕事がしたい」と関心を持ってもらおうと行われた。

 参加した24人の子供たちは、少人数のグループに分かれて様々な医療機器を体験。手術室では、用意された鶏肉の中に入れられた腫瘍に見立てた異物を、超音波メスで取り出した。

 また、実際に研修医などがトレーニングとして使用するシミュレーターでは、モニターに映し出されたリアルなCG画面を見ながら、胆のう摘出手術にチャレンジ。体験した子供の1人は「腫瘍がなかなかつかめず難しかった。お医者さんってすごい」と感想を話した。また、実際の手術針と糸を用いて縫合・結紮を体験した子供は「最初はうまくできなかったけど、何度もやって少しずつきれいにできるようになった。楽しかった」などと感想を話した。同病院では「今回外科医や看護師など現場で働くスタッフと直接交流を持つ機会を設けました。こうしたことがきっかけで将来1人でも多くの人に医師を目指して欲しいと願っています」と話す。



http://www.gifu-np.co.jp/news/zenkoku/main/CO20151121010014621830061A.shtml
認知症薬、審査に地域差 9県で少量投与認めず 
2015年11月21日 18:30 岐阜新聞/共同通信

 認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を規定の有効量を下回って少量投与した場合、過去3年間で全国の国民健康保険団体連合会(国保連)のうち9県が医療機関からの診療報酬支払い請求を認めない査定をしたことが、共同通信の調査で21日、分かった。26都県では、認めない査定はなかったとし、12県が少量投与を認めるべきだとするなど、抗認知症薬の扱いに地域差があった。

 興奮などの副作用を避けるため少量投与した医師側が不利益を受けたとの指摘がある。個々の患者に適した認知症医療に向けた審査の在り方が課題となりそうだ。



http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151120-OYT1T50102.html
特区・成田の新設医学部、国際医療福祉大に
2015年11月21日 08時10分 読売新聞

 政府は20日、国家戦略特区会議の分科会で、千葉県成田市での医学部新設について、国際医療福祉大(栃木県大田原市)を候補に内定した。


 年内にも特別区域諮問会議を開き、正式決定する。同大は2017年4月に新設する予定だ。

 特区「東京圏」に含まれる成田市での医学部新設は、19日まで希望大学などを公募したが、応じたのは同大だけだった。

 同大の計画では、新設する医学部医学科は1学年の定員が140人。国際的な医療拠点を目指し、定員のうち20人を東南アジアの政府や大学からの留学生とし、200人以上を予定する教員のうち5%(10人)以上は外国人教員とする予定だ。

 同大は成田空港に近い立地を生かし、海外からの患者に高度医療を提供する「医療ツーリズム」の実施も想定している。併設の大学病院は20年の東京五輪・パラリンピックの開催前に開院する予定だ。



http://mainichi.jp/edu/news/20151121ddlk12100061000c.html
成田市:医学部新設 医療福祉大に内定 国の特区分科会 /千葉
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 国の東京圏国家戦略特区会議成田市分科会は20日、成田市内での新設を認めた医学部の設置について、事業者として国際医療福祉大を内定した。

 国は12〜19日に医学部の設置事業者を公募し、同大のみが応募。20日の分科会で課題点を精査した上で、「事業を実施すると見込まれる者」として特区計画に位置づけた。

 同大の計画では、2017年4月の開学を目指し、入学定員140人、教員数200人以上、国際医療拠点として学生全体の14%の留学生を受け入れることを目指している。

 分科会では「教員や医師、看護師の確保のため、引き抜きなど地域医療に影響を及ぼさないか」などの懸念が指摘されたが、同大は「医師は関連機関からの配置転換などで対応し、教員も(東日本大震災被災地の)東北以外で公募する」といった方針を示した。

 小泉一成市長は「大学側の熱意が結果に結びついた」とコメントした。【渡辺暢】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151121_13013.html
民間医療ヘリ長期運休へ 運航費賄えず
2015年11月21日土曜日 河北新報

 東日本大震災を機に医療用多目的ヘリコプターを運航してきた気仙沼市のNPO法人「オールラウンドヘリコプター」が今月末での運航休止を決め、法人関係者が20日、市に報告した。寄付金が減少し、年5000万円の運航費確保が難しくなった。再開を模索するという。
 ヘリは2013年10月に復興支援として運航を開始。これまでに石巻赤十字病院(石巻市)や仙台厚生病院(仙台市)など12カ所と協定を結んで無償で救急患者や医師らを運び、出動件数は39件に上った。
 運航費は公益社団法人シビックフォース(東京)などが集めた寄付金で賄ってきたが、寄付は年々減少。ことしは国の助成金もなくなったためヘリを隔週運航にしたり、ファンを増やすイベントを開催したりと工夫したが、運営基盤を見直す必要があると判断した。
 現時点で撤退は考えておらず、今後はヘリやスタッフ数人を広島市内のNPO法人に貸し出して資金確保の一助とする。
 市役所を訪れた法人の渡部圭介事務局長は「利用が年々増えていただけに休止は苦渋の決断だが、基盤強化を図り気仙沼で再び活動したい」と説明した。ヘリポート用地を無償貸与した菅原茂市長は「多くの人を救う活動をしてくれた」と復帰に期待した。



http://news.livedoor.com/article/detail/10859822/
医学部生の知られざる実態 自信喪失するケースも多々
2015年11月21日 16時0分 LiveDoor News / NEWSポストセブン

 大学入試で医学部人気が続いている。しかし難しい入試を突破しても、疲れ切ってバーンアウトする研修医も多いという。知られざる医者の世界をコラムニスト・オバタカズユキ氏が紹介する。

 * * *
 インフルエンザの季節も到来、塾や予備校の前を通ると、マスク姿の子供たちの姿をよく見る。受験生もいよいよ追い込みの時期だ。

 大学受験でいうと、医学部人気上昇が止まらない。特に私立大学医学部医学科の人気が高い。2015年度の一般入試志願者数は8.9万人と過去最多だった。合格倍率は18.4%と狭き門だ。

 入試偏差値も高騰しており、かつて「お金さえかければ子供を医者にできる」といったイメージのあった下位層の医学部はもはや存在しない。河合塾のデータによれば最低偏差値ラインは62.5だ。私立大医学部の大半は早慶の理系学部以上の難関校になっている。

 その要因は、やはり将来の不透明感が増す中で、「免許さえ取ればエリートになれる」確実性にあると思われる。私立大学医学部の6年間学費総額は、
もっとも安い順天堂大学や慶應義塾大学で2100万円台、高いところでは川崎医科大学や金沢医科大学が4000万円を突破している。医学生は開業医や社長だけでなく、一般サラリーマンの子供たちも少なくないという。

 それだけ難関の医学部に入るには、生半可な受験勉強では通用しない。医学部合格者数の多い学校の大半は私立の中高一貫校だ。実際に私立中学の説明会を覗いたり、学校案内のパンフレットやホームページの受験者向けサイトを見ると、東大京大の合格実績数と並んで、医学部合格者数の増加具合をアピールしているところが目立つ。

 田舎のふつうの公立高校から苦学して国立大学医学部に、といった層も残ってはいるが、医学部合格への王道は、遅くとも小学4年生からガッツリ進学塾に通い、難関中高一貫校に入学してからも医学部受験予備校でガリガリ勉強してゴールイン、というものになっているのだ。

 医学部入試が難しくなること自体は悪くない。医療研究、医療技術が高度化する中、受験勉強で試されるような情報処理能力に秀でた人材はどうしても必要だからだ。

 ただし、医師免許取得者の大半は、臨床医になる。臨床医は、生身の人を相手にする仕事だ。相手の命を預かる場合も少なくない。勤務医は労働時間が長く、持久走をなんなくこなせるような体力を要する現場が多い。適性のあるなしも大きい。

 そうした医学部に入るまでと、入ってからの求められる能力の違いに戸惑い、自信喪失をし、大学留年を重ねる医学生がずいぶんいる(その状況を公的に調査・公表してほしいものだ)。また、「勉強ができたから医学部を選んだ」という入学同期の医学生、研修医を中心に、自分が進むべき診療科を選べずに迷い悩むケースも増えている。

 基本的に医師になる人は真面目であり、研修医時代もハードな仕事を懸命にこなそうとする。が、医学部や医局の世界はかなり閉鎖的で、自身が抱えている辛さや悩みを相談する機会が少ない。結果、一人で疲れきってバーンアウト(燃え尽き)になる研修医が3割はいるという調査結果もある。

 とはいえ、無事に医師免許をとって、2年間の初期研修でいろいろな診療科の臨床経験を重ね、後期研修で専門医としての修業を積む流れにうまく乗れれば、やりがいはもちろん大きな仕事だし、将来の高収入も確率高く期待できる。順調に医学部を卒業、研修を終えて、市中病院に就職した場合、30歳前後で年収1000万円超えはごく一般的だ。

 その頃に給与がグンとアップし、金銭感覚が麻痺するドクターも少なくない。基本的にモテモテなドクターたちは年収がアップした頃に結婚することが多い。一番多い組み合わせは医師同士、次いで医師と看護師などコメディカル、一般女性と結婚するのはその次だというが、「ブランドとしての医者」を狙い撃ちした妻の金づかいの粗さに苦労している男性医師は想像以上によくいるそうだ。

 自身や配偶者のセレブな生活を維持するため、そうしたドクターたちは研究日や休日になるべく効率よく稼げるアルバイトを入れる。医師のバイト代の相場は、時給1万円だ。日勤+当直の「日当直」バイトは15万円~20万円出る。それを月1回入れるだけでも年収は200万円以上プラスされる。ただし、勤務医のたいていはふだんの仕事もハードだ。そこにバイトの負荷か加わって、疲弊していくドクターも方々にいる。

 医師はマスメディアでも何かと注目されることが多くなった。バラエティ番組でよくみかけるタレントのような医師も増えている。

『総合診療医ドクターG』(NHK総合)、『ためしてガッテン』(NHK総合)、『きょうの健康』(NHKEテレ)、『駆け込みドクター!運命を変える健康診断』(TBS)『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(テレビ朝日)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)など、医療情報番組はひっきりなしに放送されている。

 この秋は、『デザイナーベイビー』(NHK総合)、『破裂』(NHK総合)、『コウノドリ』(TBS)、『無痛』(フジテレビ)と医療ドラマもたくさんあった。

 受験界でも一般世間からも注目され、人気を集めているドクター。だが、その悩める等身大の姿は知られていない。

 そこで、医学部合格だけがゴールではない、そこから先が問題なのだというコンセプトで、医師専任キャリアコンサルトが著者の『医師・医学部のウラとオモテ「悩めるドクター」が急増する理由』という書籍を企画・編集協力して作った。医学部受験生やその保護者、教育関係者には実用書として役に立ち、医療問題に関心のある人には網羅された「業界の常識」が参考になるはず。一読してもらえたら幸いだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HCO_R21C15A1CR0000/
がん死亡率減少へ「検診受診率の向上を」 有識者会議
2015/11/21 12:17 日本経済新聞

 厚生労働省の有識者会議は21日までに、がんによる死亡率減少を目指した「がん対策加速化プラン」の基になる提言をまとめた。がん検診の受診率向上や、がん医療情報の提供体制の充実、喫煙率減少に向けたたばこ対策などが柱。提言を基に、政府は年内に同プランをまとめる。

 国内のがん検診の受診率は40%程度と欧米に比べて低く、国は受診率の50%への引き上げを掲げている。提言では早期発見や治療に結び付けるため、市町村ごとの検診受診率を比較可能な形で公表することや、職場での検診の実態調査を行って企業向けガイドラインを策定すべきだとした。

 患者へのがん医療情報の提供体制が不十分だとして、がん拠点病院の診療実績や、専門医の配置が簡単に調べられるようなシステムをつくることも盛り込んだ。

 喫煙率のさらなる減少に向け、たばこ税の税率引き上げや容器包装に書かれた注意文言の見直し、ニコチン依存症患者の禁煙治療の保険適用を拡大することも求めた。



http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20151121ddlk09070301000c.html
二言三言:窓口無料化は「麻薬」か /栃木
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 足利市の屋内子供の遊び場「キッズピアあしかが」の入場者が先月24日、15万人を超え、年間目標をクリアした。市の想定よりひと月半も早い。

 同市が先行モデルとしたのが、同じ遊具メーカーがプロデュースした福島県郡山市の「ペップキッズこおりやま」。東京電力福島第1原発事故から1年半後の2012年12月に開所した。同市は当時、飛散した放射性物質のため子供たちの外遊びが制限され、公園には除染土を詰めたフレコン袋が埋められていた。小児科医らは運動不足が子供の心身に及ぼす悪影響を調べ始め、親たちは心配を募らせていた。ペップキッズは被災地の親子の切羽詰まったニーズに的確に応えた施設であり、施策だったと思う。

 行政の施策にはきちんとした市民ニーズが必要だ。そう思うから足利市のキッズピアは評価できなかった。確かに市民アンケートでは欲しい施設の上位に入り、特に子育て世代の要望は強かったが、問われるべきはその切実さではないか。被曝(ひばく)の心配がない地域で、外遊びの代替施設のため、遊具代に1億円補助し、運営に毎年3000万円の公費を払い続ける必要性が本当にあるのか。

 個人的な思いは今も変わらない。だが、利用状況を見る限りキッズピアも子育て世代に歓迎されたのは確かなようだ。さすが、子育て世代にやさしいまち、と拍手したいが、そうもいかない。引っ掛かるのは、子ども医療費助成制度の上乗せサービスへの姿勢だ。

 近隣では佐野、栃木市、群馬県側の太田、桐生、館林市が中学3年生まで医療機関での負担がない窓口無料。足利市は未就学児は窓口無料だが、小中学生はいったん医療費を払い、後日市役所に請求する償還払いで、1カ月500円の自己負担もある。近隣並みを求める子育て世代の声は根強いが、助成費を抑えたい同市はかたくなだ。9月議会では格差是正を求めた若手市議に対し、和泉聡市長が「無料化は麻薬」と応じた。役所に出向く暇さえ見つけづらい共働き夫婦やひとり親、自己負担が受診の枷(かせ)になる世帯にとって、窓口無料のニーズは切実だ。麻薬にするもしないも行政の手腕次第ではないか。【太田穣】



http://mainichi.jp/area/gunma/news/20151121ddlk10040174000c.html
藤岡新病院:建設、109億円予算可決 17年秋開設へ /群馬
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 藤岡、高崎、神流、上野の4市町村でつくる多野藤岡医療事務市町村組合の定例議会が20日開かれ、公立藤岡総合病院の入院と外来を統合して新設する新病院の建設工事費約109億円の予算を可決した。来年2月着工、2017年秋オープンを目指す。

 昨年9月の指名競争入札では9社のうち8社が辞退し不成立となった。工事費は、この1年で建設費高騰などで約1割上昇した。【畑広志】



http://mainichi.jp/shimen/news/20151122ddm002010071000c.html
診療報酬:マイナス改定へ 本体の引き下げ焦点 政府調整
毎日新聞 2015年11月22日 東京朝刊

 政府・自民党は、医療の値段である診療報酬を2016年度の改定で引き下げる調整に入った。マイナス改定は8年ぶり、前回(14年度)は消費増税分が加算されており、実質では2回連続マイナスになる。診療報酬のうち、「薬価」部分は1%超の引き下げとした上で、医師や薬剤師の技術料など「本体」部分も横ばい程度で調整しており、10年ぶりの本体マイナスに踏み込むかが焦点になる。【宮島寛、阿部亮介】

 診療報酬改定は国家財政に与える影響が大きく、16年度予算編成の最大の焦点の一つ。厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの自然増を6700億円と見積もっているが、政府の財政健全化計画に基づき、1700億円程度の圧縮を求められている。同省は来年度に大きな制度改正などがなく、主に診療報酬改定で解消しなければならない。1%下げで約1100億円の国費抑制効果が見込まれ、全体の下げ幅は最大1・5%程度を軸に検討している。

 診療報酬のうち、薬価については毎回、実勢価格下落に合わせ1〜2%程度下げてきた。来年度も同水準の引き下げをする。一方、本体でも、大病院に隣接して多くの処方箋を受け付けるだけで、服薬指導などをしていない「門前薬局」の報酬引き下げなど薬剤師の技術料にも切り込む。

 ただ、日本医師会は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声がある。このため、本体のうち医師の技術料などへの切り込みは抑え、「政治的に許容できる範囲」(自民政調幹部)で調整する方針だ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=126790
薬の費用対効果分析…新薬の価格適正化狙う
(2015年11月22日 読売新聞)


限られた財源で有効治療

112101.jpg
画像の拡大

 医療費が年間約40兆円に膨らむなか、厚生労働省は来年度から薬や医療機器の価格が効果に見合っているのかを考える「費用対効果」の分析を踏まえた値段の見直し作業を始める。

 限られた財源で多くの人に有効な治療を医療保険で受けてもらうための方法だが、慎重な運用も求められる。

 「天国と地獄です」。会社員の佐久間泰博さん(50)は、今年保険適用になった新薬と、かつて使った治療薬の違いをこう表現する。

 30歳の時、C型慢性肝炎と診断された。標準的に使われるインターフェロンという薬の注射を始めると、副作用で連日、39度を超す高熱に悩まされた。別の副作用のうつ症状も表れ、半年間、仕事を休んだ。だが、C型肝炎ウイルスは消えなかった。

112102.jpg
画像の拡大

 転機が訪れたのは2年前。米国で飲み薬の新薬が開発され、日本で始まった治験に参加した。目立った副作用はなく、ウイルスも消えた。「会社にも家族にも迷惑をかけずに済む。普通の生活は何物にも代え難い」と笑顔で話す。

 佐久間さんが治験で使ったのは、今年9月に発売されたC型慢性肝炎の治療薬「ハーボニー」だ。患者の7割を占めるタイプのウイルスに効き、治験では全員が治癒している。世界的にも高い効果で話題になった薬だが、もう一点、耳目を集めたのが、薬の値段だ。薬1錠あたり8万円強。治療は12週間で、合計の薬剤費は約670万円に上る。日本の場合、患者の負担は国の肝炎への助成で月に最大2万円に抑えられるが、財政への影響は大きい。

 ハーボニーだけでなく、近年、世界では続々と高額な新薬が誕生している。そこで、各国政府が取り入れ出したのが、薬や医療機器の価格が効果に見合うかを分析する「費用対効果」という手法だ。

 効果は、生活の質と生存期間を組み合わせ算出する「QALYクオリー」という単位が使われる。1年を健康な人と同じに過ごせるなら1QALYだが、副作用から寝たきりが続くと0・3QALYになるイメージだ。

 具体的には、薬を使い「歩き回れるか」「痛みはあるか」「ふさぎ込んでいないか」を患者たちに聞き、生活の質を数値化。生存期間と合わせ効果を計算する。新薬と既存薬を比べ、効果の伸び1QALYにつき、価格の伸びが500万~600万円以下なら費用対効果は「良い」とされる。

 東京大の五十嵐中あたる特任准教授(薬剤経済学)がハーボニーを分析すると「良い」という結果になった。1錠の値段が高くても、効果が高く、ずっと飲み続けるわけではないことなどが効いたようだ。逆に「悪い」とされたケースは、ある抗がん剤が1QALY当たり1100万円強と海外の研究で算出されたことがある。

 厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は来年度から、この「費用対効果」を試行的に導入する。すでに販売されている薬から高額と判断したものを選び、企業に分析を求める。その後、厚労省など公的機関が改めて分析し、医師や経済学者らからなる有識者会議が、他に治療法はないか、価格が適正かを検討する。価格に反映されるのは2018年度の見通しだ。

 価格の適正化に使うための手段だが、下げすぎると採算が取れないため、製薬会社の販売控えも想定される。五十嵐特任准教授は「患者に必要な治療が届かなくなるようなことが起きないように、丁寧な議論が必要となる」と指摘している。

豪州は保険適用の可否に使用

 海外では費用対効果を価格の調整や保険適用をするかどうかに使っている。

 価格の調整に使うのはフランスやドイツ。既存薬より高い値付けを企業が求めるときに、費用対効果の分析を提出する。ドイツは企業と保険者の間で価格設定でもめたときに判断材料の一つとしている。

 オーストラリアは全ての新薬、英国は主に高額な薬剤を費用対効果の分析対象にし、保険適用の可否に反映させている。英国では費用対効果が悪いとして抗がん剤を保険の対象から外し、患者の不満が高まる事態も起きたことがある。

 日本で保険適用の可否に使うかは将来の本格導入に向けた検討課題だ。英国には分析結果によって薬の患者負担の割合が変わる制度もある。医療保険制度の維持のために、どんな負担の仕組みがいいかを国民全体で考えていく必要がある。(米山粛彦)



https://www.m3.com/news/iryoishin/374056?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151121&dcf_doctor=true&mc.l=132191814
シリーズ: 医師と看護師、業務の在り方調査
医師の看護師への評価が下落◆Vol.11
医師と看護師、お互いが61点の評価

2015年11月21日 (土)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.13 勤務先病院の看護師または医師に期待する総合的レベル(知識や技術、仕事に対する姿勢などを総合的に見て)を100点とすると、現状は何点くらいですか。

      医師が評価した 看護師が評価した
       看護師     医師
 平均点   61.36点     61.52点
 最高点   100点     100点
 平均点   1点      10点
 中央値   60点      60点

 Q.13では、病院勤務の医師(n=302)と看護師(n=238)に対し、お互いの評価を100点満点で尋ねた。平均点はともに約61点という結果だった。2年前の同様の調査では、医師が評価した看護師の点数は68.2点、看護師が評価した医師は59.4点で(『「医師は60点弱」、看護師が評価◆Vol.1』)、看護師による医師の評価は、約2点上がったのに対し、医師による看護師の評価が7点ほど下落していた。

 回答者数が異なるなど調査上の限界があり、断言はできないものの、看護師への評価は厳しくなったようだ。看護師の特定行為の研修制度が始まるなど、看護師に求められる業務の拡大が進み、看護師業務への期待が高まっていることへの裏返しと捉えられるかもしれない。

Q.14  勤務先病院の看護師の平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じていますか。対象:医師(n=302)
112103.jpg

Q.14  勤務先病院の医師の平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じていますか。対象:看護師(n=238)
112104.jpg

 Q.14では、病院勤務の医師と看護師に対し、それぞれ勤務先のお互いの職種について、平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じているか尋ねた。

 医師が看護師に対して不十分と感じているのは「基礎的な知識」(44.7%)が多かったのに対し、看護師が医師に対して不十分と感じているのは「新しい技術習得の意欲」「新しい知識習得の意欲」(37.4%)が比較的多かった。

 全体的に、医師の看護師に対する評価の方が、看護師の医師に対する評価よりも辛口な結果になった。



https://www.m3.com/news/general/376964
ベッドで暴れ転落、検査機器に挟まれ女性死亡
2015年11月21日 (土)配信 読売新聞

 愛知県一宮市の「総合大雄会病院」は20日、同県江南市の女性患者(74)が院内で検査中に機器に挟まれて死亡したとして、県警一宮署に届け出たことを明らかにした。

 同署で詳しい原因を調べている。

 同病院によると、女性は肺血栓の手術を前に、同日午前11時半頃から、放射線を使った画像化装置で肺の血流機能を調べていた。装置は、回転する円形の撮影機内にベッドが入る仕組みで、転落防止のため、女性の胸や太ももなどはベルトで固定されていた。

 検査開始から約1分後、女性がベッド上で暴れ出して転落したため、検査を中止。看護師らが助けようとしたが、女性は撮影機とベッドの隙間に胸部を挟まれ、3時間後に死亡が確認された。死因は窒息死。同病院は事故調査委員会を設置して詳しい原因を調べる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/376963
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPCのアップコーディング防止、一定の成果
中川日医副会長、DPC批判「複雑」「不適切事例も」

2015年11月21日 (土)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 11月20日の中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会(小委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の会議で、2016年度診療報酬改定に向けたDPC評価分科会の「中間とりまとめ」が報告された(資料は、厚生労働省のホームページ)。2014年度改定における、DIC(播種性血管内凝固症候群)へのアップコーディング防止、再入院ルールの見直し、持参薬の制限など、4つのDPC算定ルールの見直しが、一定の成果を挙げていることが示された。いずれも、今後も継続する方針。

 2016年度改定に向けた見直しは、「機能評価係数II」を中心に、多岐に、細部にわたる。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「後発医薬品係数」は、「数量シェアは2017年央に70%以上」という政府目標を基に、「70%以上を評価上限とする」などに変更した点を支持。最終的には80%が政府目標であることから、80%に早期に引き上げることを要望した。

 これに対し、「中間とりまとめ」に対し、「数え切れない見直しがなされており、ますますDPCの制度が複雑化している。中医協委員も、何人が理解しているのか」「もう少し分かりやすく整理してから、出し直してもらいたい」と苦言を呈したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。さらに、中川氏は(1)DPCでは、出来高制に比べて、アップコーディングなど不適切な請求が多い、(2)出来高制からDPCへの移行で、どの程度、点数が上がるのかを比較すべき――など、DPCそのものにも疑問を呈した。厚労省保険局医療課企画官の真鍋馨氏は、「DPC評価分科会に持ち帰り、検討し、また報告する」と引き取った。

 そのほか、基本問題小委員会では、「治癒」「軽快」の定義の見直しについて、DPC評価分科会が検討した3案が提示された。DPCについては、早期退院などに伴う医療の質の低下が生じていないかなどを評価するため、退院時転帰の経年変化を調査しているが、定義が徹底されていないことが問題になっていた。「再入院」の定義も見直し、対象は一般病棟グループへの再入院に限定し、その期間は退院から「6週間以内」を「4週間以内」に短縮する方針。

 これらの見直しは、DPC対象病院へのヒアリング結果を踏まえたもの。DPC評価分科会では、現状の「治癒」「軽快」「再入院」を用いた場合は、「正確にDPC制度導入による医療の質への影響が評価できない可能性が示唆される」としている。中川氏は、この点についても問題視。これまではDPC導入により、早期退院など医療の質低下は起きていないとされてきたが、「今までは良かった(問題がなかった)と、言いきれないのではないか」と指摘した。

 中川氏の問いかけに対し、DPC評価分科会・分科会長の小山信彌氏(東邦大学医学部特任教授)は、例えば、従来は抜糸するまで入院していた場合でも、外来で抜糸するようになるなど、治療形態が大きく変化したことが、定義の見直しの理由であると説明したが、DPC導入に関する過去の評価には、言及しなかった。

 中川氏は、過去の評価についてはそれ以上、追及しなかったものの、「治療形態の変化が、医療にとっていいかどうかは別問題。DPCでは、平均在院日数を短縮して、新規患者を入れるほど収入が上がる。(治療形態の変化は)これを追及してきた結果」と指摘し、「今回の定義見直しに伴い、以前との経年的な比較はできない。真摯にDPCの評価を行うべき」と求めた。

 20日の基本問題小委員会における議論のポイントは以下の通り。

 11月20日は、中医協総会も開催、医療経済実態調査について、診療側と支払側双方が意見(『「公立病院は高コスト体質」と問題視、保険者』を参照)。

◆2014年度改定におけるDPC算定ルールの見直しに伴う影響:DICの算定は減少

 アップコーディングとは、より高い診療報酬を得るために、意図的に傷病名コーディングの操作を行うこと。その代表例がDICで、2014年度改定で、レセプトに「DICの原因と考えられる基礎疾患」の記載を求めるなど、請求ルールを厳格化した。その結果、全入院件数に占めるDICの割合は、2012年度0.14%、2013年度0.17%と増加していたが、2014年度は0.14%に減少に転じるなど、適正化が見られた。

 同一傷病名による再入院についても、2014年度改定で、「前回入院と一連のものと見なす時期」を「3日以内」から「7日以内」に延長。その結果、改定前は「1日目から3日目」の再入院は少なく、「4日目」の再入院が不連続に増加する傾向にあったが、改定後は再入院までの日数による入院数のバラツキは減少した。

 持参薬に関しては、「入院の契機となる傷病の治療に係る薬剤を持参させることは、特別な理由がない限り、原則禁止」とされ、その検証調査で一定の理解が得られていることが確認された。今後も継続する方針で、「特別な理由」として、「病院の方針」「医師の方針」なども見られることから、次回改定では、これらを認めないことを明記するとともに、持参薬使用の場合には、使用量も含めたデータ入力を求めることを検討する。

 さらに2014年度改定では、癌患者に対する化学療法目的の入院など、入院初日の「医療資源投入量」が多い診断群分類については、入院初日の点数が高く、その翌日は低くなるよう、メリハリのある点数設定(点数設定方式D)に変更した。28のうち、21の診断群分類で、2014年度の在院日数は、2013年度に比べて減少。

 以上の結果について、日医常任理事の松本純一氏は、「分かりやすい方向に行くように、引き続き検討してもらいたい」と述べ、各論では、持参薬についてのみ言及した。「引き続き原則禁止でいいが、入院の契機となる疾患以外の治療薬については、持参薬を原則認めるべき」(松本氏)。

◆DPC評価分科会のDPC制度の対応についての検討結果(中間とりまとめ)の骨子

 DPCの包括評価部分の点数は、「診断群分類別点数」×「医療機関別係数」で決まる。「医療機関別係数」は、(1)I群からIII群の医療機関群別の「基礎係数」、(2)各医療機関の機能に応じて変わり得る「機能評価係数I」(人員など医療機関の構造を評価する係数)と「機能評価係数II」(医療機関の実績などを評価する係数)、(3)「暫定調整係数」(前年度の実績を保証するための係数)――で決まる。「暫定調整係数」は段階的に「基礎係数」に置き換わり、2018年度に廃止予定。

 DPCは、I群(大学病院本院)、II群(I群に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に区分される。これらの区分の見直しも、検討されたが、3区分は現状を維持し、II群の定義を、従来は「大学病院本院の最低値」以上の実績を有するという相対評価だったが、「地域における医療機能を要件」とした「絶対値による基準値」を定める方針になった(『DPC、新たな転換期に、II群は絶対評価へ』を参照)。また大学本院の中には、分院よりも機能が低い例が見られることから、この点についても調整する方針。

 これらの前提を踏まえ、複数の見直しが検討されているが、現時点での議論の主なものは、以下の通り。

・基礎係数:「地域における医療機能を要件」は、現時点では客観的なデータがないことから、2016年度改定以降、引き続き検討。現行の「実績要件」のうち、「高度な医療技術の評価」は、「外保連試案」だけでなく、内保連が2013年12月に作成した「特定内科診療」(2014年度版で25疾患)を追加。

・機能評価係数I:現行の評価方法を継続。

・機能評価係数II:(1)新たな項目を検討するに当たって、現行の考え方を基本的には継続、(2)機能評価係数IIを構成する7つの指数については一部調整、(3)「分院よりも機能の低い大学病院本院」については、保険診療指数を減算、(4)保険診療指数で「病院情報の公表」(「診療科別症例数の多いものから3つ」など7項目)を評価、(5)がんや小児などの専門病院を評価するために、カバー率指数の調整、(6)後発医薬品指数について、「数量シェアは2017年央に70%以上」という政府目標を基に、70%以上を評価上限とする――など。

・算定ルール等の見直し:入院期間IIIの日数を見直すなど請求方法を簡素化、差額調整の仕組みの変更――など。

・退院患者調査の見直し:様式1(簡易診療録情報)、EF統合ファイル、Dファイルの見直し。

◆退院時転帰、「治癒」「軽快」の定義見直し:3案を提示

 DPCに対しては、1日当たりの包括点数が、入院期間に応じて漸減するために、不十分な治癒・軽快の状態で退院させ、医療の質低下につながるとの懸念がある。この点を検証する指標が、退院時転帰に占める「治癒」「軽快」や、「予期せぬ再入院」の割合。ただし、その定義が徹底されていないとの指摘があった。

 現状では、「治癒」は「退院時に外来通院治療の必要が全くない、またはそれに準じるもの」、「軽快」は「疾患に対して治療行為を行い、改善が見られたもの。原則として退院時点では外来等において継続的な治療を必要とするが、必ずしもその後の外来通院の有無は問わない」と定義されている。

 DPC評価分科会では、3つの見直し案を提示。A案は「治癒」「軽快」を1つの区分にまとめる案、B案は「治癒」と「軽快」の間に、「経過観察のみ」(退院後に、入院時に医療資源を最も投入した傷病名に関連して数回の経過観察のみの外来通院を必要とするもの)を設ける案、C案は、「治癒」「軽快」のままだが、「治癒」の定義を見直し、B案の「経過観察のみ」も含める案。

 DPC評価分科会では、多数の委員が「データ入力に関与する他の職種でも、理解可能」という分かりやすさの理由から、A案を支持。これに対し、基本問題小委員会では、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏が、「的確に評価できる理由にはならない」とし、あくまで「治癒」と「軽快」は分けるべきとし、C案を支持した。

◆医療の質を評価するための「再入院」の定義の見直し:一般病棟グループに限定

 「再入院」も、DPC制度導入の影響を評価する指標の一つ。現状では、「前回退院年月日より6週間以内の再入院」と定義されるが、入院の病棟種別は問わない。

 この定義を今後、病棟種別を「一般病棟グループ」に限定するとともに、「4週間以内」に短縮。「一般病棟グループからの退院年月日より、4週間以内の一般病棟グループへの再入院である場合」とし、再入院した場合に、(1)計画的再入院(前回退院時に、入院日が決定していた場合)、(2)計画外の再入院(前回退院時に、入院日が決定していなかった場合)――に分けて、その内容の報告を求めるようにする。

 「一般病棟グループ」とは、一般病棟入院基本料や特定機能病院入院基本料などを届け出ている、いわゆるDPC対象病棟。


  1. 2015/11/22(日) 05:56:16|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<11月22日  | ホーム | 11月20日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する