Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月29日 

http://www.m3.com/news/general/370551
一審判決変更、市に賠償命令 米内沢病院整理解雇訴訟の控訴審
2015年10月29日 (木)配信 秋田魁新報

 旧公立米内沢総合病院を運営していた北秋田市上小阿仁村病院組合(管理者・津谷永光北秋田市長)の解散に伴い、分限免職(整理解雇)されたのは不当だとして、元職員5人が市に地方公務員の地位確認と2500万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁秋田支部(山田和則裁判長)は28日、請求を退けた一審秋田地裁判決を変更し、市に250万円の支払いを命じた。地位確認の請求は棄却した。

 判決で山田裁判長は、前管理者だった岸部陞(すすむ)前市長が雇用を継続する趣旨の発言をし、津谷市長も同じ方針を確認していたとして「原告が市職員として任用されることを期待するのはやむを得ない」と指摘。市は任用しない方針を原告に誠実に説明しなかったとし、「原告の期待権を侵害しており違法だ」と認めた。

 一方、組合解散後も市には職員を引き継いで採用する義務はなく、分限免職処分は裁量権の逸脱には当たらないとの一審判決の判断を支持。原告を市職員として任用するよう求めた請求は却下した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/369886
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」◆Vol.5
一般向けの遺伝子検査、医師の半数「ある程度有効」

2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 妊娠中に妊婦の羊水や血液から、ダウン症などの胎児の染色体異常を調べる出生前検査。検査の結果、染色体異常が確定した97%で人工妊娠中絶をしたという調査結果もあるなど、命の選別につながるという指摘も否定できない。高齢出産が増える中で、診断を受けるかどうか悩むカップルも増えている。

 「ご自身、もしくはパートナー」について尋ねたところ、「利用したい」と回答した医師側は3割にとどまった。また、「分からない」とする回答もNewsPicks(以下、NP)側の2割に対して、医師側は3割だった。日ごろ、生と死を見つめる医療現場にいるからこそ、悩みが深いのかもしれない。

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 利用したいと回答した医師からは、「生命の選択という問題はあるものの、個人レベルに落とし込んでしまえば、手段があるなら利用したいと思うのが普通なのでは?」「自分の妻も高齢出産であり、利用した。ただし、値段が高すぎると思った」などの声があった。

 翻って利用する気がないという医師側の反対意見としては、「「染色体異常と出生前に分かったから中絶するという発想にはとても反対。この風潮は不妊治療をしてまで子どもを授かった夫婦に多いことも気に入らない」「出生前診断は,事実上の障害児の出生前断種として機能している。その差別的考え方に反対している」などが挙った。

NewsPicks読者は半数強が「利用したい」

 一方、NP側の回答では、「利用したい(利用経験がある)」が過半数を超えた。もっとも、「検査にお金を使うより、障害者が生活にこまらず生きていける懐の深い社会を作ることにお金を使ってほしい」などの意見も寄せられた。

 利用する気がないという意見では「授かった命。生まれるまで詳細は分からなくて良い。正直、性別だって生まれるまで分からなくて良い。せっかく生まれてきてくれたなら、どんな子供であっても育てたい」「出生前診断をすること自体に罪悪感がある」などが挙がった。

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一般向けの遺伝子検査、医師の半数弱が「ある程度有効」

 唾液や口腔内の粘膜などを分析することで、がんや生活習慣病などの発症リスクや体質の遺伝的傾向を知るための遺伝子検査。米国の女優アンジェリーナ・ジョリー氏が遺伝子検査の結果を基に、がん予防の目的で、乳房、卵巣と卵管の摘出手術を受けたというニュースは記憶に新しい。

 医療現場では抗がん剤の有効性を事前に確認するためなどに利用されているが、近年は一般人を対象とした民間業者による参入が相次いでいる。一方で、科学的根拠に乏しいものがあるとされ、結果をどう解釈をするのかといったカウンセリング体制が不十分との指摘も多い。「現時点」での有効性を尋ねたところ、「有効」「ある程度有効」と回答した医師は約半数に達した。

「専門家のフォローアップが不可欠」

 もっとも、自由意見では「カウンセリング体制が不十分なまま、検査が独り歩きしている」「患者教育も行われないままで余計な情報を伝えることは、害悪以外の何物でもないと思います」など、現状では、検査で分かった情報の活用の仕方が不十分という意見が多かった。

 一方、一般向けの遺伝子検査を有効と考えるNP読者は7割に達した。もっとも、「検査結果を聞いても、それをどう理解し、自分の生活にどう生かせばよいのか分からない。人間ドックのように、検査結果に対する専門家のフォローアップがあればいい」など医師同様に検査後のカウンセリングやフォローアップを要望する意見も見られた。

 また、NP読者には既に「実際にやってみた」という人が複数名いた。「遺伝子検査はやってみたが、結果を見て具体的な対応が取れるような意味のあるデータは結局提供されなかった」「祖先の情報が得られた点は有意義だった」などの感想があった。

ビジュアル作成:櫻田潤(NewsPicks編集部)
※出生前診断に関するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒
※一般向け遺伝子検査に関するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒



http://www.m3.com/news/iryoishin/370110
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
出生前診断「生命の選択につながる」「義務にしてもいいくらい」
m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.5 自由回答1

2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

  『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第5回「「出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」」で紹介した、出生前診断についての医師、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。「生命の選択に用いるの反対」「義務にしてもいいくらい」など、双方とも賛否の意見が入り乱れた。

Q ご自身、もしくはパートナーが出産する場合に、出生前診断を利用したいと思いますか。

■■NewsPicks読者
・このようなことが倫理的に許されるのだろうか?このようなことにお金を使うより、障害者が生活に困らず生きていける懐の深い社会を作ることにお金を使ってほしい。
・二人の子どもがいて、出生前診断は行える状態でしたが、妻が年齢的に異常が出ることは低いことから実施はしませんでしたが、高齢出産になればやっていました。
・子どもを育てるのは本当に大変なことで不安がいっぱいです。事前に覚悟を持てるのであればやっていいと思います。ダウン症の子どもを持つ親のコミュニティに参加したりすることもできます。母親は産まれてくればどんな子どもでも育てていくかも知れないが、父親は厳しい現実になることがあるので事前の情報はあった方が良い。
・義務にしてもいいくらい。
・授かった命。生まれるまで詳細は分からなくて良い。正直、性別だって生まれるまで分からなくて良い。せっかく生まれてきてくれたなら、どんな子供であっても育てたい。
・友人が受けていてそういう検査があることは知っていたが、出産した病院では検査を受けるかどうか聞かれなかった。医師が選択肢を提示しなければ、中絶も減る?
・倫理的な問題はあるが、実際にダウン症の子が生まれたら、人生が変わってしまうから。奥さんのことを考えたら、やりたい。
・パートナーの精神的負担やコスパを考えるとやはり必要かなと。
・利用したいが費用が高額。
・出生前診断をすること自体に罪悪感がある。
・人の命という神聖な領域ではあるものの、自分やパートナー、生まれてくる子供の今後の人生を考えると実施したい。
・倫理的には問題かもしれないが、世話をする人の人生が大事。
・利用して何か異常が分かれば、苦悩は増すと思う。
・高齢出産に限りできるようにするなど配慮が必要。
・出生前診断に保険が適用されて利用者負担を下げるべき。
・過去出産した際に、診断があったとしても受けなかったと思う。あくまで自分は、ということで、受ける人の気持ちも分かります。
・家族、母親、産まれてくる子供、全てにおいて最善であることを出産の前にできるならば利用することも一つであると思う。ただし、命の選別につながるのも確かで、妊娠中にあらゆる情報が分かるようになったのも、医療が進むが故の結果である。安易に検査を行うべきでないし、命の重さを理解してカウンセリングを十分に行うべき。
・私には2人の子どもがいる。妻の妊娠の際に、実際には利用しなかったが、利用の検討はした。命の選別の問題は理解できるし、ダウン症の子を差別する気持ちも全くないが、いざ自分の子どもがそうなのは全く別次元の別問題である。今の日本の社会情勢では障害を抱えた子どもたちをケアし、温かく見守る余裕はないと考える(健常者でさえ自分の生活に必死なのが実情だろう)。そういった中で、障害を抱えた子を残して自分が先に逝くことは、その子が不憫でならない。私には中絶を選んだ方たちを非難することはできないし、誰にも非難する権利などないだろう。
・妻もやや高齢で、利用したかったが、費用が高かったので諦めた。
・高年齢出産40代後半になるとしたら、利用を考えるかもしれませんが、若い世代(20.30代)では不要と思います。
・妻が高齢だったので出生前診断を利用した。親の負担を考えると希望者は利用できるようにすべき。
・ハンディキャップを背負うと分かっていて生む必要があるのかは疑問。もちろん最終的には親の判断。現実問題、障害があると分かっていながら生む人はあまりいないと思う。

■■医師(m3.com会員)
・いいとも悪いとも言えない。
・生命の選択に用いるのは反対。
・障害児にも人権はあるが、出生後の子育てがとても大変であることを考慮すると、出生前診断は積極的に利用したいものである。「何のために生きているのか」ということをいつも考えさせられる。
・よくない。
・運命を受け入れる覚悟を持つべき。
・生命倫理の議論が不十分。
・生命の選択という問題はあるものの、個人レベルに落とし込んでしまえば、手段があるなら利用したいと思うのが普通なのでは?
・まずは、カウンセリング環境などを確立すべき。
・診断できるのは悪くはないが、中絶が増えるのは好ましいことではない。
・染色体異常と出生前に分かったから中絶するという発想にはとても反対。この風潮は不妊治療をしてまで子どもを授かった夫婦に多いことも気に入らない。
・現時点では命の選別と言われてもしょうがないレベルでしかない。
・自分の妻も高齢出産であり、利用した。ただし、値段が高すぎると思った。
・ダウンや不幸な症例を減らす意義はある。命の選別というが障害児を持った親の苦悩は計り知れない。 ・第3子を妻が妊娠した際に検討したが、妻が先天異常などあっても受け入れようという意見であった。この意見に賛成して出生前診断は行わなかった。
・これは生命の秩序に反しています。
・出生前診断は事実上の障害児の出生前断種として機能している。その差別的考え方に反対している。
・パートナーが高齢になりリスクが上がれば検査をする可能性はありますが、実際42歳で出産しましたが、検査はしませんでした。子供も今のところ異常はないようでした。
・ダウン症の人権を無視している。
・よくないかもしれないが、自分が先に死亡した時のことを考慮すると致し方ないかもしれない。行政がしっかりして自分の死後も面倒を見てくれるなら不要と思うが実現は不可能と思われる。
・予測できる疾患や先天異常だけでも除外したいと思います。
・出生前診断については、医療経済的に疾患関連遺伝子陽性なら堕胎が許容される様な法案が通らない限り、予後不良な疾患にのみ限られるべきであると思う。そうでないと優生思想の世の中となってしまう。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370111
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
遺伝子検査「予防に寄与する」「詳細なカウンセリング必要」

m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.5 自由回答2
2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

  『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第5回「「出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」」で紹介した、一般向け遺伝子検査についての医師、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。「予防に寄与する」「詳細なカウンセリング必要」など、期待と課題が寄せられた。 。

Q 現時点で、一般向けの遺伝子検査は有効だと考えますか。

■■NewsPicks読者
【肯定的】
・精度を高めていただいて、ウチのような遺伝する慢性疾患を持つような家系に有効な検査になればいいと思います。汎用的なものとか、疑われる疾患に特化したものとか、気軽に安価にできるようになれば、ホームドクター制の推進と合わせて医療費の削減につながる可能性はないでしょうか。
・自身のリスクを把握することは予防に寄与すると思う。
・オーダーメードの薬が遺伝子に基づいてできるのなら、それは素晴らしいことだと思います。
・受けてみたい、と常々思っていた!価格がちょっと高いかな…。

【否定的】
・遺伝的傾向を知ってどうするのか?例えば家族に癌患者が多くても癌にならない人はならない。このようなものに貴重な財源を割くべきではない。
・分析後の提案があいまいでメリットをほぼ感じない。

【その他】
・検査結果を聞いても、それをどう理解し、自分の生活にどう生かせばよいのか分からない。人間ドックのように、検査結果に対する専門家のフォローアップがあれば、いい。
・検査自体より、マイナンバーとも紐付けが怖い。
・癌や生活習慣病、その他疾患の発症に遺伝的素因が関係しているのは知られてきている事実。ただ、一つの遺伝子のみで説明が付くことはむしろ少ないだろう。複数種類の遺伝子と環境因子で発症するということが多くの疾患で説明されることだろう。一概に良い遺伝子とか悪い遺伝子とかは言えないはず。鎌状赤血球がマラリアには強いように、ある遺伝子はある癌の発症リスクは上げるが、ある生活習慣病の発症リスクは下げる、といった事実が出てくるだろう。遺伝子検査はかなりのリテラシーを持った人でないと正しい解釈は難しいだろうと思われる。一般人向けの遺伝子検査はある種の遺伝子を「悪者」扱いにして、その遺伝子を持っていればある種の癌のリスクが持ってない人に比べ、何倍である、といった説明をするものであって、現状は占いプラスαくらいに捉えてもらうのが妥当ではないかと思う。
・会社によって検査の水準が異なるように感じる。きちんとしたものを淘汰する仕組みが必要。また、それを使う消費者や、相談を受けるであろう医療従事者の教育を進めるべき。
・遺伝子検査はやってみたが、結果を見て具体的な対応が取れるような意味のあるデータは結局提供されなかった。祖先の情報が得られた点は有意義だった。
・例えば「遺伝的に発症のリスクが高い」と知ったところで、遺伝なんだから根本的な治療法なんてないんじゃない?
・生命保険会社が保険料率のリスク分類に用いそう。
・個人別リスク情報が把握可能になるにつれ、将来的に現在の形での民間保険(医療、生命)は存在できなくなるように思っています。

■■医師(m3.com会員)
【肯定的】
・過剰に反応しなければ、ある程度有効と考えます。
・これから需要が高まると思います。
・ガンなどの病気のリスクが高い家系は患者の希望があればすべきだと思います。
・価格がもっと安ければ、医療費抑制の可能性があると思います。
・病気になりやすさが分かれば予防も可能。

【否定的】
・フォロー体制が不十分な状態では検査を進めるべきではない。
・遺伝子検査自体が不確かであることと、結果が出た時の対応方法が決まっていない。
・質が悪い、論拠の薄いものも。玉石混交。
・生命倫理の議論が不十分。
・有効性が価格に見合っていないと思います。
・患者教育も行われないままで余計な情報を伝える必要は害悪以外の何物でもないと思います。
・有効性が不明。
・遺伝子差別が起こりかねないと危惧している。
・全く無意味だと思う。
・判定の基準が良く分からないのに、価格が高い。
・さまざまな新たな差別が生まれる温床になる可能性がある。
・コストパフォーマンスが極めて悪いと思います。健康不安に付け入っている感じがして、個人的には嫌いです。
・多因子遺伝が多いので必ずしも有効ではない。
・医療費高騰につながると思う。
・可能性の問題だけで、確実にその病気になると言える検査はない。患者を惑わせるだけなので、検査はすべきではないと思う。
・現時点では残念ながら、裏付け資料が乏しく、有効性を論じる段階にはない。

【その他】
・遺伝子異常を発見しても、医学の進歩にはつながるが、本人の病気の解決にはならないと考えます。
・病気はgenomeが起こすのではなく、epigenomeです。理解力不足。正確な情報が伝達されていない。医療者側にも無知がはびこっている。
・より正確な情報とセットにしないとかえって混乱招く。
・患者さんのプライバシーは、きっちり守ってほしい。
・カウンセリング体制が不十分なまま、検査が独り歩きしている。
・オーダーメード医療はこれからどんどん出てくるでしょう。ニーズに合っていると思いますが、体制がそこまで整備されていません。
・ベースとなるデータがまだ十分でない上、まともに結果を解釈できない人に行うのは危険である。
・結果の解釈につき詳細なカウンセリングがなされるべき。
・対策がなければ意味がないのでは?
・患者の理解、解釈する能力が必要。
・一般向けにやる意味は皆無。ただの金稼ぎの手段で、こういう考えが日本の医療をダメにする。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370242
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
後発薬の「価格帯」、一本化で簡素化へ
薬価は先発薬の「5割」に引き下げか

2015年10月28日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は10月28日の会議で、後発医薬品の薬価について議論、将来的には価格帯を一本化する方向でおおむね了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。現行制度では、後発医薬品の薬価は、先発医薬品とは異なり、銘柄別ではなく、3以内の価格帯として設定されている。2016年度改定で一気に一本化するのか、段階的に進めるのかについては、年末に公表予定の薬価調査で後発医薬品の実勢価格を踏まえて検討する予定だ。また、後発医薬品が新規に収載される場合には、現在は先発医薬品の0.6掛けから、0.5掛けとする案が出ている。

 後発医薬品は、今年6月に閣議決定した「骨太の方針2015」で、数量シェア目標について、(1)2017年央に、70%以上、(2)2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に、80%以上――という目標が掲げられた。2016年度薬価制度改革では、後発医薬品の使用促進が重要課題となる。

 厚労省が、後発医薬品の薬価について提示した論点は、(1)新規収載の後発医薬品の薬価(現在は、先発医薬品の0.6掛け)、(2)一定の銘柄数を超える後発医薬品に適用される特例(現在は、10を超す場合は、先発医薬品の0.5掛け)、(3)バイオ後続品の薬価(現在は、先行バイオ医薬品の0.7掛け)、(4)後発医薬品の価格帯の数と、その際の基準額(現在は、最高価格を基準に、3つの価格帯)――の4点。

 日本医師会常任理事の松本純一氏は、薬価と市場実勢価格(医療機関への納入価格)の差に当たる「乖離率」が24.1%(2013年9月の薬価調査)と大きいことから、(1)については「0.5掛けでも、利益が出ていると解釈できる」と指摘。(2)についても、最初に収載される後発医薬品が0.6掛けで、その後に10を超す銘柄の後発医薬品が収載される場合、最初の後発医薬品に関しても0.5掛けにすべきとした。(3)のバイオ後続品は、使用促進の観点から、価格の引き下げが必要とし、0.6掛けあるいは0.5掛けに下げるべきと指摘。(4)の価格帯も、3つの価格帯があると複雑であるとし、「一つにすべき」と求めた。

 日医副会長の中川俊男氏も、後発医薬品メーカー、それに伴う銘柄数の多さを問題視する視点から、「後発医薬品メーカーの再編統合がぜひとも必要。再編統合につながるような改定はできないのか」と求めた。例えば、10超、あるいは20超など、銘柄数の多さに応じて、薬価を段階的に抑える設定にすれば、おのずから銘柄数は減少することが期待できるとした。

 支払側の健康保険組合連合会副会長の白川修二氏も、基本的には松本氏と同意見だった。例えば、(1)については、「(後発医薬品の使用についての)政府目標が高い設定になっており、価格の面でも使用が進むような、政策的な意図が必要ではないか。新規収載の後発医薬品の薬価は下げる方向で議論し、その下げ幅は乖離率のデータを分析しながら、議論していく」と指摘。(4)についても、「我々は、一物一価でやるべきであり、1つの価格帯に集約すべき、との意見は、前回改定から変えていない」と述べ、いずれも薬価調査の結果を見つつ、2016年度改定で実施するか、あるいは段階的に進めるのかについて検討すべきとした。

実勢価格が極端な「外れ値」は別扱いか

 後発医薬品の価格帯については、2014年度改定で、「最高薬価品の50%以上」「最高薬価品の30%以上、50%未満」「最高薬価品の30%未満」の3つに分けて、それぞれ統一価格を設定する方式に簡素化された。

 9月30日の日本ジェネリック製薬協会のヒアリング時でも、将来的には価格帯を集約すべきとの提案があり、価格帯を一本化する方向性自体は、関係者の意見が一致している。ただし、薬価は市場実勢価格の加重平均で算出されるため、価格帯を一本化すると、大幅に薬価が上がる後発医薬品が出る可能性がある。専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬常務執行役員)は、極端に市場実勢価格が安い場合などの「外れ値」は別扱いにするなどの経過措置が必要だとした。

「乖離率」、後発医薬品は24.1%

 2013年9月の薬価調査によると、薬価と市場実勢価格との「乖離率」は、2012年4月から2013年6月に収載された新規後発医薬品は24.1%、これらの後発医薬品に対する先発医薬品は8.2%と、開きが大きい。後発医薬品が「安く売っても、利益が出る」と見られるのは、このためだ。しかし、「乖離率」の詳細をみると、内用薬は大きいものの、注射薬や外用薬では小さいなど、剤形によっても違いがあることから、丁寧にデータを見ていくべきと、加茂谷氏は求めた。

 そのほか、バイオ後続品については、専門委員の土屋裕氏(エーザイ代表取締役)からは、慎重な検討を求める意見が出た。他の後発医薬品とは異なり、新薬とほぼ同等の臨床試験で有効性等を評価することが必要なほか、大量生産もしにくいことから、低分子の化学合成品の後発医薬品より、開発・製造コストがかかるからだ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370233
「専門医、施設基準で女性に配慮を」
日医男女参画委、日医会長宛ての中間答申

2015年10月28日 (水)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会常任理事の笠井英夫氏は10月28日の定例記者会見で、日本医師会男女共同参画委員会がまとめた中間答申の内容を公表した。横倉義武・日医会長宛てで、女性医師が働きやすい環境を作るため、2017年度から始まる新専門医制度での配慮や診療報酬での施設基準の緩和を提言した内容。日医は一般社団法人日本専門医機構や中医協を通じて、実現を求めていく。

 答申を出したのは、日医が設置した、全国の女性医師らで主体となる男女共同参画委員会(委員長:小笠原真澄・秋田県医師会理事)。最終答申は2015年度末までに提出される予定だが、議論が進む新専門医制度や診療報酬改定について緊急性が高いとして、中間答申を出すことになったという。

 中間答申では、「医療界はとりわけ多様性が価値を生む領域であることを認識し、多様な働き方とその実績を評価する仕組みが求められている」と指摘した上で、新専門医制度について、専門医資格試験は出産や育児など女性のライフイベントと重なりやすく、「臨床実績を積み重ねることがハードルの高いものになる」と訴えた。

 要望事項としては、(1)出産・育児休業、介護休業等の事由によるプログラム休止・中断への配慮、および研修再開後の体制(短時間勤務に対する言及)への配慮、(2)基幹研修施設、関連研修施設等の施設基準の設定についての配慮、(3)更新時における期間延長等の配慮、(4)専門研修カリキュラムにおける日本医師会生涯教育講座の利用の推進――の4点を挙げている。

 施設基準の緩和では、短時間正規雇用の医師は、診療報酬の施設基準の「常勤医師」に該当しないことを問題視。「専従の常勤医師」要件を見直して、「複数の短時間正社員の合算による常勤換算を認める」よう要望した。笠井氏は「次期の診療報酬改定において実現を求めていく」と話した。

台湾に支援金1383万円

 この日の会見では、6月に台湾で起こった爆発事故への支援金として全国の医師会から1383万7010円が集まったと報告された。内訳は都道府県医師会33件(768万5000円)、郡市区等医師会43件(178万円)、個人などその他287件(437万2010円)。全額が台湾医師会に寄付される。



http://www.m3.com/news/general/370250
来てないのに「出勤」の印鑑 収賄容疑の厚労省室長補佐
2015年10月29日 (木)配信 朝日新聞

 マイナンバー制度の導入に向けた調査業務をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された厚生労働省の室長補佐が職場に来てない日に職場に出勤した扱いとなっていた可能性があることが分かった。厚労省は出退勤や勤務状況の管理を徹底するよう、15日付で官房長名の通知を省内に出した。

 28日の民主党の会合で厚労省が明らかにした。担当者によると、国家公務員は始業時間までに職場に来ると、自分の出勤簿に印鑑を押す決まりがある。室長補佐の中安一幸容疑者(46)は職場に来るのが週の半分以下だったとされるが、逮捕後に昨年度の出勤簿を調べると、印鑑が押されて記録上は出勤したとされる日に職場に姿がなかったと証言する同僚がいた。本人が後日押したり、別の人が押したりした可能性があるとみて、同省が調べている。

 会合で担当者は「出勤簿の記録と勤務実態に矛盾がある。労務管理ができていなかった可能性があり、調査している」と話した。記録と実態とのズレの日数は明らかにしなかった。(久永隆一)



http://medg.jp/mt/?p=6224
MRIC Vol215   医療システムの再設計と医学部の新設~新しい社会モデルの候補地としての埼玉県~
前衆議院議員(元財務省官僚)、東京大学大学院客員教授、松田政策研究所代表
松田まなぶ
2015年10月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 医師不足が言われて久しく、政府も近年、医学部の定員は増やしてきましたが、医学部(医学科)の新設ということになると、1979年の琉球大学以来、認められてきませんでした。最近になって、東日本大震災の復興支援として東北地方に所在する大学一校にのみ新設を認める方針が採られることになり、
 2016年4月に、日本では37年ぶりの医学部新設が宮城県内で実現することになりました。加えて、国家戦略特区として成田市にも医学部が新設を認める方針を政府は決定しましたが、それは国際的な医療人材の育成を目的とするもので、一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なるものとされています。
 このように、医学部新設は極めて例外的なケースに限られていますが、全国一の医師不足地域とされる埼玉県に所在する、主として看護師を養成している某私立A大学が医学部新設を強く要望しています。ただ、政府の方針では、少なくとも国家戦略特区なり地方創生特区として認定された地域でなければあり得ないということになっています。どれだけ必要性が高くても、どれだけ住民のニーズが強くても、専ら医師数の増加だけを正面に掲げた医学部新設はとても無理な状況のようです。

 そこで、医学部新設につながる特区を埼玉県が申請するとすれば、それはどのような内容のものなのか、その試案づくりに関して筆者がA大学の理事長のお手伝いすることになったのですが、そこから見えてきたのは、今後の日本の医療システムを考える上での重要な論点でした。
 以下、現段階での試案について述べたいと思います。その内容は、筆者が長年にわたり社会システムデザインの「不肖の弟子」としてご指導をいただいている横山禎徳氏からのご提案を踏まえたもので、東大医科研の上昌広教授からも貴重なアドバイスや情報提供をいただきながら、筆者の文責でまとめたものです。

 超高齢化社会に適合した医療システム改革の必要性など、真正面から医療問題に取り組もうとする立場からは、この構想に多くの関係者が賛同してくれます。しかし、実際に動かすとなると、各人が置かれた立場の制約が大きいようです。
 もし、これが医療問題のソリューションとして正しい方向なのであれば、世の中を動かすのは世論という時代です。今の安倍政権も改革に向けた求心力の強い政権です。共鳴の輪が広がることを期待したいと思います。

●医学部の定員削減方針は果たして正しいのか。

 日本が医師不足状態にあり、これに直接応える対策が医学部の新設であることは論を待たないはずです。なかでも埼玉県は、人口当たり医師数だけでなく、医学部当たりの人口も723万人(千葉県は619万人、全国平均は165万人)と、全国ワーストワンです。
 その結果として、埼玉県は千葉県とともに、県外の医学部から医師が大量に流入する地域となっています(参考1参照)。その主な流入元は東京、東北、甲信越です。国民的な関心は地方の医師不足であり、埼玉県はこれに拍車をかけることで、周辺の都県に迷惑をかけていることにもなります。
 対策は、埼玉県、千葉県での手当てです。宮城県や成田市の次は、埼玉県に医学部を新設することが喫緊の課題ではないでしょうか。同県での医学部新設は、県内への医師の定着のみならず、全国的な医師不足対策の上でも必要となっていると思われます。

 しかし、そもそも医師数を増やすことについては、次のような反対意見があります。
 第一に、「医療崩壊」が社会問題となったことから、政府は2008年度から医学部の増員へと方針を転じましたが、2012年時点での医師数は30.1万人と、10年前に比して4.1万人増えており、今後、政府は2019年度まで増員を続ける方針なので、医師養成には8年かかることを踏まえると、このままでも2027年度まで、医師数の増加が続くということです。

 第二に、他方で、65歳以上の高齢世代の人口は2042年をピークに減少していくということです。日本の超高齢化がピークアウトすれば、人口の減少とともに医療需要も減少するので、医師数を増大させても、いずれ医師過剰を招くという見方です。
 最近では、政府は医療費膨張を抑制するためにも、2020年度以降、医学部の定員を削減する方針である旨の報道もなされました。恐らく、筆者がかつて勤めた財務省の立場からみれば、このような理屈になるのでしょう。しかし、財政の論理だけでは重大な公益が見失われることが往々にしてあります。先日の豪雨による堤防決壊が「事業仕訳」の結果だったという話がありますが、本当だとすれば、人命とどちらが大事なのかということになるでしょう。少し慎重に考えてみたいと思います。

 まず、足元をみると、医師も「超高齢化」が進み、死亡等による抹消手続きがなされない限り現役医師としてカウントされ続けるので、統計的医師数よりも現場の病院等での医療能率は一層低下しつつあるという指摘があります。例えば、日本医療労働組合連合会が病院に勤務する医師を対象に行った調査によると、3割の医師が「過労死ライン」である月80時間以上の時間外労働を行っている実態が明らかになっています。
 出発点が稼働医師数の圧倒的な不足状態である中で、今後、現状を続けたところで、日本の医師不足状態が解消するとは見込みにくいようです。2035年においても、60歳以下の男性医師は2010年に比して4%しか増加せず、2050年までみても、特に医療に対するニーズの高い75歳以上人口当たりの実働年齢医師(75歳未満、あるいは60歳未満)の数は、首都圏(東京、茨城、千葉、神奈川、埼玉)では概ね減少が続き、中でも埼玉県では減少が顕著であることを示す推計もあります。

 さらに重要なのは、いまや、医師が専ら単なる医者を営んでいられる時代ではなくなっているということではないでしょうか。その点にこそ考えるべき論点があると思われます。

●多様な医療人材が必要な時代に

 ここからは横山禎徳氏の指摘ですが、そもそも日本の現在の医療システムは、1961年の国民皆医療保険制度の導入時に出来上がったものです。当時は、人口構成がピラミッド型だっただけでなく、国民の主要な疾患は感染症という、すぐに治る形態の病気でした。
 しかし、人口構成が逆ピラミッド型になり、主要な疾患が循環器系疾患やがんなどに代表される慢性病へと変化し、社会の高齢化がこれを促進しているこんにち、多くの国民が、「完治」が定義上あり得ない疾病と長く付き合っていかざるを得ないことにどう対応するかが医療の課題になっています。医療システムは、こうした時代の変化に応えられるよう、再設計が必要な局面にあります。

 慢性病は身体のみならず、心にも病をもたらします。急性症の場合は治れば心も元気になりますが、完治しない病は心の問題を伴います。医師は心身の両面に対応しなければならなくなっています。米国では両面を診る体制づくりが進んでいますが(米国の健康関連支出170兆円のうち30兆円が心のケアとされる)、医師の関心が人間よりも身体的な疾病に集中している日本は、この面での遅れが大きいようです。
 従来型の純粋医療以外に、様々なタイプの医師が必要になっています。米国のメイヨークリニックは、慢性病には様々なタイプの医師が必要であることを示しているとされますが、日本で同様な医療クラスターを形成しようにも、そのような医師を訓練する場がありません。
 医療そのものだけでなく、臨床もマネージメントも含め、様々な能力を訓練する医学教育と実践の場が日本には必要です。
 A大学の理事長は、医療以外にも他分野の学問や職業の経験を有する多様な人材に医学教育を行うために、医学部入学年齢を多様化する「再チャレンジ構想」を提案しています。特に、東京に隣接する埼玉県の場合、こうした再チャレンジを求める人材が集まりやすい立地上のメリットもあるようです。

●超高齢化社会の新しい社会システム設計

 活力ある超高齢化社会の運営モデルの構築は、21世紀前半における日本の国家目標に据えても良い大テーマです。いずれどの国もが高齢化を迎える21世紀の世界で、他国に先駆けて人類が経験したことのない社会に突入する日本にとって、これは課題先進国として最も大義名分のあるテーマといえます。同時に、経済社会全体に最も広範な影響を与える「全体システム」の再設計を伴う課題でもあります。
 ここにおいて日本が、世界が参考にできる魅力的なモデルの構築に成功すれば、それは21世紀を通じて日本に世界の中での優位性と活力をもたらすことになるでしょう。

 では、そのモデルを何処で構築するかですが、それは、一定規模以上の人口が存在し、しかも、その人口が今後、全国の中でも急激に高齢化していく地域ということになります。その条件を最も備えているのが神奈川県と埼玉県です。神奈川県では「未病対策」が進められています。埼玉県では、医療のあり方そのものを中心テーマに据え、医療システム全体の再設計というアプローチから、より根源的な課題解決モデルを構築することが考えられるのではないでしょうか。
 その際、問題の中心にある慢性病対策は、ひとり医療システムのみでは対応しきれない課題です。社会の全体システム設計の観点から、医療を超えた問題解決を図る必要があります。例えば、的確な情報提供、住民の健康管理、コミュニケーションの場の形成などが挙げられます。

 大事なのは「健康寿命」とされる中にあって、自らの健康は自らマネージする能動的な国民を増やしていく必要があります。孤独死が増大していますが、他者との会話を全く欠く生活を送る高齢者に人との接触や外出の機会を与えるコミュニティーの形成も、健康対策上の課題となっています。心の緊張感をもって生活する人々を増やすことは、超高齢化社会の重要なテーマです。
 感染症とは異なり、慢性病の場合、人々がまちを行き交い、相互に交流することは可能であるだけでなく、望ましいことです。その際に高まるニーズがICTです。正確には、SIDT、すなわち、センサー・インターネット・デジタルテクノロジーと呼ぶべきもので、動き回る患者を24時間モニターし、センターとつながる仕組みが求められます。

 情報技術は慢性病との親和性が高く、健康マネージメントには医療のみならず、情報科学など様々な分野の科学技術を駆使することが必要になります。
 さらに視野を広げれば、健康・医療システムは、超高齢化社会の「経営」システムを構成する社会システムの一つであり、その再設計は、他の社会システム、例えば、住宅システム、高齢者雇用システム、短期滞在システムなど、地域の様々な社会システムと有機的に結び付くことで、「地方創生」にも大きく寄与するでしょう。医療や健康を中心に関連する産業と有機的な連携が図られることになれば、地域経済の活性化にもつながるはずです。

●「健康マネージメント特区」構想(仮称)

 慢性病を中心とする医療システムは現在の日本には未だ存在しないというのが、横山禎徳氏の指摘です。これを地域の全体システムとして構築することを「特区」として試すこととし、必要な規制改革措置や資源投入を図ってみてはどうかというのが、筆者の提案です。そこには、その中核となる病院と、システムをマネージメントする仕組みと、そのニーズに応えられる医療人材を育成する基本的機能としての医学部を設置することが不可欠だということになります。

 こうした「特区」を設けて日本全体の課題解決モデルを構築する場は、何も埼玉県に限られるものではないかもしれません。しかし、解決すべき課題が集中する埼玉県であれば、その最初のチャレンジの場として十分な大義名分があるのではないでしょうか。
特に、埼玉県の場合、医療人材の確保を病院の誘致に求めるだけでは、同県が全国から医師を吸引している構造は是正されないことになります。やはり、新しい社会システムを構築する中で、新しいタイプの多様な医療人材を地元で育成し、このことを通じて県内での医師確保を図ることが有効だと思われます。医学部の新設には、それぐらい大きな構想と、日本全体の課題解決という大義名分の中での位置づけが不可欠でしょう。
 とはいえ、以上は荒っぽいスケッチに過ぎません。医療界始め、各界の有識者、専門家、実務家の皆さまから、お知恵を寄せていただく必要があります。もし、これを熟度ある構想へと仕立て上げることができれば、日本の医療問題に正面から向き合う形での課題解決の突破口になるのではと考え、本稿を一つの問題提起として発信することといたしました。

【参考1】医師養成:7県で半数以上流出 育てた医師定着せず
     ~毎日新聞(2015年04月12日)記事より抜粋~
 地元の大学で養成した医師のうち、全国7県で半数以上が他県へ流出していることが慶応大などの研究チームの調査で分かった。多くが千葉や埼玉、兵庫など大都市近郊の都市へと流れたとみられる。
 47都道府県別に、1994年から2012年までの18年間に医学部を出て国家試験に合格した医師の数を累計。実際にこの間に増えた医師数と比較し、増減を人材の移動とみなした。
  その結果、養成した医師のうち他県へ流出した割合が最も高かったのは石川で68%。島根、鳥取、高知、秋田、青森、山梨も含め計7県が50%を超えた。地方からの流入が多いと思われていた東京は、養成数の16%にあたる医師が他県へ流出していた。
 一方、地元で養成した医師と比べたときの流入した医師の割合が最も大きかったのは千葉で232.3%。続く埼玉も、養成した医師の倍以上の流入があった。両県とも人口は多いが、医学部を持つ大学は1校しかなく、地方で養成された人材を吸収している構図が浮かんだ。

<養成された医師のうち、県外に流出した割合>
 (1)石川 68%、(2)島根 58.9%、(3)鳥取 56.4%、(4)高知 54.4%、(5)秋田 53.9%、(6)青森 53%、(7)山梨 51%、(8)福井 49.2%、(9)徳島 46.9%、(10)佐賀 44.8%
<養成した医師に対する流入した医師の割合>
 (1)千葉 232.3%、(2)埼玉 225.6%、(3)兵庫 72.7%、(4)静岡 68.3%、(5)広島5 7.3%、(6)茨城 40.9%、(7)宮城 36.1%、(8)岐阜 33.5%、(9)神奈川 32.3%、(10)長野 23・8%
※上位10県 慶応大など調べ

【参考2】首都圏の高齢化の進展
 2035年における65歳以上人口の実数を指数化(2005年=100)すると、全国では144.6に対し、埼玉県は182.3、神奈川県は182.9と、いずれも1.8倍以上になるものと推計。ちなみに、千葉県は1.70以上、東京都は1.50以上。この要因としては、団塊世帯が高度成長期に非大都市圏から首都圏に流入したことが挙げられている。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1029037632/
<2>ED治療薬偽造品
偽造品が蔓延,深刻な健康被害の事例も
医療品などの自己“処方”から患者を守るには

2015.10.29 Medical Tribune

 勃起障害(ED)治療薬は,インターネット上で不正に売買される医薬品の最たるものである。他の医薬品同様,医師の処方に基づいて使用されるべきED治療薬だが,手軽に,密かに入手できるネット通販を利用する人は後を絶たない。ネット上に流通するED治療薬の実態はどのようなものか。また,ED治療薬の適正使用を推進するために,医療関係者にできることは何か。偽造ED治療薬の問題に詳しい,昭和大学藤が丘病院泌尿器科教授の佐々木春明氏に話を聞いた。

ネット上で売られているED治療薬の半数は偽造品

 ED治療薬を扱う通販サイトは膨大に存在する。「数は把握できていないが,今なお増加し続けている印象がある」と佐々木氏は言う。競争激化を背景に"激安""スピード配送"といったうたい文句で他との差別化を図るサイトも目立つようになった。"正規品保証"を明示するところも多いが,うのみにすべきではない。
 同氏らが行った調査によると,インターネットで流通しているPDE5阻害薬の55.4%が偽造品であった。調査国別に見ると,タイのサイトで入手したPDE5阻害薬の67.8%,日本のサイトで入手したものでも実に43.6%が偽造品であったという(日性機能会誌 2010; 25: 19-28)。
 偽造ED治療薬の中には,承認されていない用量や,実在しない剤形のものがある。また,正規品を横に並べて比較しないと判別が難しいほど,外見上極めて精巧につくられている偽造品も出回っている(図1)。

図1 (略)

殺鼠剤,抗炎症薬,血糖降下薬...何が混入しているか分からない

 偽造ED治療薬には有効成分が含まれていないどころか,健康被害を起こす物質が混入していることがある。偽造品の多くは不衛生な場所でつくられる。ネズミ駆除のために使われた薬が,製造過程で混入したとみられる偽造ED治療薬も見つかっている。
 また,偽造品業者はたいてい1つの機械で複数の製品をつくる。例えば,前日まで抗炎症薬メフェナム酸をつくっていたミキサーが,翌日にはED治療薬の偽造に使われる。メフェナム酸がED治療薬に混入してしまうことは想像に難くない。覚醒剤をつくっていた機械で偽造ED治療薬がつくられる可能性すら否定できない。
 さらに,血糖降下薬が意図的に混ぜられた偽造ED治療薬も少なくない,と佐々木氏は指摘する。「ED治療薬を飲む人には糖尿病が多いだろう。血糖値を下げてやればEDも良くなるんじゃないか」という,いいかげんな発想に基づく作為だという。

重篤な低血糖を来した事例あり。海外では死亡例の報告も

 実際,偽造ED治療薬を服用したことで深刻な健康被害を来した事例が報告されている。
 日本では,冷汗とふらつきを主訴に救急外来を受診した40歳代男性に重篤な低血糖が認められた。低血糖の原因は当初不明だったが,患者が入院前夜に服用したというED治療薬が,タイ人の友人から譲渡された偽造品であったことが後に判明。患者の血液中に高濃度のグリベンクラミドが認められたため,患者が服用した偽造薬に同成分が大量に混入していたと考えられた(出雲博子,他. 糖尿病 2011; 54: 906-909)。
 海外では死亡例も認められている。例えば,グリベンクラミドを含む偽造ED治療薬の服用が低血糖を引き起こし,それが原因で死亡に至ったと断定されたケースが2例,2008年にシンガポールから報告された。
 佐々木氏自身は偽造ED治療薬が原因で健康被害が生じた事例は経験していないが,「飲んだけど効かなかった」と,一目で偽造品と分かる錠剤を持参する人はたまにいるという。

「自分が買ったものは正規品」−根拠なき甘い認識

 では,ED治療薬を使用している人たちは,偽造品の存在をどの程度認知しているのか。国内でED治療薬を製造・販売している製薬会社が合同で行った調査によると,ネット購入者,医療機関受診者にかかわらず,ほぼ全員が「ネット上には偽造品が出回っている」,大半が「偽造品と本物は区別できない」と認識していた。一方で,「自分がネットで購入したものは本物だ」と考えているネット購入者が約9割に上ることも判明した。
 ネットでED治療薬を購入した理由は「手軽に入手できるから」が最も多く,その他「安く入手できる」 「人に知られず入手できる」 「医療機関を受診するのは面倒」などが上位に挙がった(図2)。

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 なお,ネットで購入したED治療薬を服用した人の4割以上が副作用を経験していることも分かった。これについて,佐々木氏は「医療機関で処方されたED治療薬で生じる副作用の頻度より高い印象がある。また,正規品の副作用とは考えにくい症状も見られる」との見解を示した。

EDを診る医療機関の増加が適正使用の推進につながる

 偽造ED治療薬から患者を守るための方策はあるのか。佐々木氏は,ED診療を行う医療機関の増加に期待する。「自由診療のEDを扱うと診療体制が煩雑になるため,敬遠する泌尿器科医もいると思う。しかし,安全なED治療薬を求めて医療機関を受診する人は少なくないことが前述の調査で示されている。EDを診る医療機関が増えれば,患者はネットで購入せずに済むようになるのではないか」と考えている。
 なお,ED治療薬は泌尿器科専門医でなくても処方できる。「併用禁忌薬さえ確認していただければ問題ない。プライマリケアの1つとしてEDを診て,積極的にED治療薬を処方してもらえれば」と言う。
 一方,厚生労働省に期待することとして,税関検査の強化の他,情報提供の充実を挙げる。「偽造医薬品の中でも,ED治療薬のように内服するものは特に注意が必要である。健康被害が出てからでは遅いということを肝に銘じながら,情報発信を繰り返してほしい」と同氏は強調した。
(編集室)



http://apital.asahi.com/article/story/2015102900008.html
(教えて!医療事故調査制度:2) 誰がどこまで調べるの?
教えて!医療事故調査制度

2015年10月29日 朝日新聞

 1日から始まった医療事故調査制度では、まず医療機関が自ら調査(院内調査)をし、結果を遺族らが納得できなければ、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」による調査が始まるという二段構えだ。

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どんな調査がされるか

 元済生会宇都宮病院長で医療制度を考えるNPO法人の中沢堅次理事長は「医療機関は責任を持って院内調査をし被害者に事実をありのままに説明することが重要。第三者機関の調査で事故の全てを解決できるわけではない」と指摘する。

 院内調査では、カルテなどの診療記録をチェックし、担当医や看護師らからヒアリングをするほか、必要に応じて、解剖を実施したり、血液や尿などの検査・分析をしたりする。各都道府県の医師会や関連学会などが支援する。

 一方、センターの調査は、院長らからの説明や必要な資料の提出を求めるが、「新たな事実の調査というよりは、院内調査の結果を医学的に検証するのが主な役割」と厚生労働省の担当者。

 制度の中心はあくまで「院内調査」に置かれることについて、遺族側は「病院側が内輪で都合が悪いことを隠すのでは」と懸念する。ここで重要なのが「客観性」だ。院内調査に、その病院とは関係ない「外部委員」が参加しているかが一つの判断材料になる。

 昨年、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が死亡する事故が千葉県がんセンターと群馬大病院で発覚した。千葉県がんセンターでは県の検証委員会の報告書作りに日本外科学会など外部もかかわりトラブルなく進んだが、群馬大病院では当初、病院内部だけで実質的に調査したため、遺族の信頼を失うなど混乱した。

 日本医師会は9月、医療事故調査制度に関する医療機関や都道府県医師会向けのマニュアルを発表。院内調査で委員長と専門的な医学判断をする委員を外部から招くことを推奨している。今村定臣常任理事は「患者、国民の信頼に応えるため、公平性、中立性、透明性を担保しなければならない」と話す。

 院内調査と第三者機関のセンターの調査では、報告書の扱いと患者の費用負担も異なる。

 院内調査の報告書はセンターへ必ず提出される。遺族に対しては遺族が希望する方法で説明するように厚労省は求めているが、文書の提出は義務化されていない。センターによる調査結果は、医療機関にも遺族にも報告書が渡される。ただ院内調査では遺族の費用負担はないが、遺族がセンターに調査を依頼した場合は2万円がかかる。

 (富田洸平、桜井林太郎)
(朝日新聞 2015年10月29日掲載



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47153.html?src=catelink
地域包括ケア、「不動産」と「福祉」連携を- 都検討会議が中間報告、認知症対策も
2015年10月29日 20時30分 キャリアブレイン

 東京都は28日、都の地域包括ケアシステムのあり方を議論している検討会議がまとめた中間報告書を公表した。中間報告書では、低所得高齢者が適切な住まいを確保しにくいことを挙げ、「不動産」と「福祉」の連携による住まいの確保と見守りの支援を一体的に提供する必要性を指摘。認知症についても初期段階からの対応策が必要とした。【新井哉】

■ 住まいの確保と見守り、一体的な生活支援検討へ

 検討会議は7月から、超高齢化社会に対応した地域包括ケアシステムを都内で構築しようと、「医療と介護」と「介護予防と生活支援」、「高齢期の住まい方」の3分野の対応策や、今後の議論の方向性を議論してきた。

 中間報告書では、東京五輪が開催される2020年をピークに、東京の総人口が減少に転じるといった都を取り巻く状況を説明。人口構造の転換期においては「現状を引き延ばした予測に基づく施策は通用しない」とし、各地の先駆的な取り組みを参考に検討することを求めている。

 各分野の具体的な対応策も挙げており、地域包括ケアへの貢献度が高いと見込まれるサービス付き高齢者向け住宅については、供給を促進するため、適切な立地への誘導に加え、医療・介護など多様なサービスを行う事業者を併設した「拠点型」と、空き家などを活用した「分散型」の供給が必要と指摘。サ高住などの住まいの確保と見守りなどの生活支援を一体的に行う取り組みを、今後の検討会議で議論する方向性を示した。

■ 25年に認知症高齢者は1.6倍、在宅生活支援モデル開発を

 また、中間報告書では、都内で13年に約38万人だった認知症の症状のある高齢者が、25年には約1.6倍の約60万人に増加することが見込まれることにも触れ、「認知症の診断を受けていない人や初期の認知症の人が多くいると推計される」と指摘。問題が顕在化してから初めて医療・介護サービスの利用を考える人が多いことを挙げた。

 こうした状況を改善するため、▽住民主体の健康づくりの推進▽適時・適切な支援の充実▽認知症に関する正しい知識の普及▽在宅生活支援モデルの開発―といった取り組みが必要とした。今後、中間報告書で示した方向性などを検討会議で議論し、来年3月に報告書を公表する見通し。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47147.html
類似名や後発品、取り違え防止の環境整備を- 評価機構、薬局事例まとめた報告書公表
2015年10月29日 13時00分 キャリアブレイン

 日本医療機能評価機構は、2014年に薬局から報告された「ヒヤリ・ハット」に関する報告書を公表した。名称が類似した医薬品や後発医薬品などの事例を掲載。先発医薬品を後発医薬品に変更する際に薬剤の取り違えが少なくないことから、医薬品の棚に後発医薬品の一覧表を提示するなど、「エラーを発見しやすい環境を整備することも重要」としている。【新井哉】


 医薬品の販売名の中には、名称が類似しているものがあり、薬剤の取り違えの事例が報告されているという。報告書では、「特に薬効が異なる医薬品を取り違えた場合や、ハイリスク薬を取り違えた場合は医療事故につながる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 報告書によると、2014年に薬剤を取り違えた事例は、前年よりも76件多い817件。このうち「名称類似」に関する事例は246件で、全体の3割を占めた。246件のうち、頭文字が2字のみ一致している事例は62件、3文字以上一致している事例は153件あった。発生場面ごとの分類では、内服薬調剤が182件で最も多かった。

 また報告書では、患者の希望などにより後発医薬品に変更した際の「ヒヤリ・ハット」についても分析。後発医薬品への変更に関しては、142件の報告があった。このうち、薬剤の取り違えが105件で最も多かった。

 105件の内訳については、後発医薬品に変更して調剤するところを同一成分の先発医薬品を調剤した事例が8割超を占めた。こうした状況を踏まえ、報告書では「調剤する前に患者の先発医薬品・後発医薬品の希望を薬歴などで適切に確認することの重要性が示唆された」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47142.html
新専門医制度で中小病院の切り捨て懸念- 四病協、専門医機構に要望へ
2015年10月29日 09時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は28日に開いた総合部会で、2017年度から始まる新専門医制度で中小病院に対する配慮を求める要望書を、近く日本専門医機構の池田康夫理事長に提出することを決めた。四病協は、研修の基幹施設の相当数を大学病院が担うことが想定されるとし、医局が専門医の派遣を決定する際には、「中小病院の切り捨てにならないような地域医療を守る配慮が望まれる」と主張している。【坂本朝子】

 機構に要望するのは、▽機構が研修の基幹施設に対して地域医療への配慮を求めること▽連携施設の要件で地域特性に対する柔軟な配慮をすること▽医局から独立して運営している病院にも配慮すること-の3つの項目。いずれも、指導医や専攻医が偏在しないよう対応を求める内容だ。

 総合部会後の記者会見で、日本精神科病院協会の山崎學会長は、「中核病院が研修の基幹施設からかなり外れる」と述べ、大学病院に力が集中することに懸念を示した。



http://www.sankei.com/west/news/151029/wst1510290102-n1.html
民間の病院長年収2900万円超  高水準を維持 勤務医年収は1500万円超 厚労省調査
2015.10.29 22:06 産経ニュース

 平成26年度の医師の平均年収は、医療法人が経営する民間病院の院長が2930万円で、25年度より0・1%増えたことが29日、厚生労働省の「医療経済実態調査」で判明した。一般診療所の院長(主に開業医)の年収も2914万円で同0・5%減とほぼ横ばいで、ともに高水準を維持した。厚労省は11月4日の中央社会保険医療協議会(中医協)で報告する。

 民間の病院や診療所の経営が安定していることを反映した。実態調査は2年に1度実施し、医療サービスの価格を決める28年度の診療報酬改定の基礎資料となる。

 診療報酬は医師、看護師など医療関係者の人件費にも使われる。診療報酬を引き上げると患者の窓口負担や保険料、公費の必要額が増える。民間医療機関の経営が安定していることが明らかになったことで、財務省を中心に報酬引き下げを求める圧力が強まりそうだ。

 民間病院の勤務医の年収は1544万円で同2・1%の減少。開業医の半額程度で格差も浮き彫りとなった。

 26年度の医療機関の経営では、入院ベッドがある有床診療所の利益率は10・7%、入院ベッドのない外来だけの診療所でも8・8%と高く、民間病院は2・0%だった。一方で国公立の病院は厳しい経営状態が続いている。



http://news.biglobe.ne.jp/trend/1029/sgk_151029_2200814189.html
男社会の「白い巨塔」 孤独な闘い強いられる女医の悩みとは
NEWSポストセブン10月29日(木)7時0分

 男社会である“白い巨塔”の中で女医の闘いは孤独だ。彼女たちの悩みを一つ一つ聞いていこう。35歳の外科医は「女性ならではの悩み」を口にする。

「オペ中に急に生理が始まってしまい、そのまま垂れ流し……ということがよくあります。長いオペだと途中でトイレに行く暇もないので、ナプキンをしていても漏れてきてしまうし。それに生理痛の時にオペで立ちっぱなしというのは本当に辛いんです。でも周りは男性ばかりだから言えません」

 病院内では同じ女性である看護師との関係が微妙なのだとか。

「医師はナースとの関係をスムーズに運ぶことが大切なんですが、若い女医にだけ意地悪してくるナースも多いんです。でも、ナースに嫌われると自分の患者さんの情報を教えてもらえなくなるなど、仕事に本当に差し支えるので、ペコペコするしかない。そういうナースに限って、男性医師の前では別人みたいに優しいんですよね(苦笑)」(循環器科医・28)

 女医同士のいがみ合いもある。上司から可愛がられている女医は他の女医たちに嫉妬されるし、仕事ができないとバカにされる。

「上司である男性医師の前ではブリッ子して可愛がられてるのに、女の前では本性丸出しの嫌な女医もいる。女医がロッカールームで数人集まれば、噂話や他の女医の悪口ばかり。基本的にOLの給湯室と一緒です」(内科医・33)

 男性の上司や同僚との関係も、OLと同じ。若くて可愛い女医はチヤホヤされるし、上司に飲みに誘われたら嫌でも断われない。逆に婦人科クリニックに勤務する女医(38)からはこんな嘆き節が。

「女性スタッフばかりなので、男性と知り合う機会がない」

 さらに医療現場では、男性患者との接し方にも気を遣う。

「男性患者の下半身に触れなくてはいけない時がけっこうあるんです。とくに救急の現場で男性器に尿を取る管を入れる時なんかは、こちらが若い女医だと男性患者は気まずそう」(外科医・30)

※週刊ポスト2015年11月6日号


  1. 2015/10/30(金) 05:46:38|
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