Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月21日 

http://www.m3.com/news/general/367532?portalId=mailmag&mmp=RA151020&mc.l=127747994
「米子市と鳥大 膝交えて」 医学部用地問題で鳥取県知事
2015年10月19日 (月)配信 日本海新聞

 鳥取県の平井伸治知事は16日の定例会見で、鳥取大医学部(米子市)などの用地問題について「米子市と鳥大で膝を交えて協議すべきだ」との考えを示した。県が配備を予定するドクターヘリの拠点には同付属病院が想定されており、県は両者の協議を冷静に見守る姿勢だ。

 鳥大医学部と同付属病院は学生数や患者の増加で施設が手狭になっており、市営湊山球場(米子市久米町)などを大学用地として使用できない場合、鳥大側は鳥取キャンパス(鳥取市)への移転も示唆している。

 平井知事は「実践的な臨床医療を高度に展開している拠点。施設の増設を繰り返してきたが限界がきている」と現状を指摘した上で、「緊急に病院が(鳥取市へ)移転することを想定できる状況でもない」との見方を示した。

 鳥大側の発言については「用地拡張について市と大学で協議しており、今回の発言もその一環と思う。県として口を挟む必要はなく、何らかの結論が出ることを期待している」と述べた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368124
シリーズ: 医師不足への処方せん
医学部定員、2016年度は9262人に、128人増
過去最高、新設1大学、国立2大学、私立7大学で増員

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 文部科学相は10月19日、大学設置・学校法人審議会に対し、2016年度の医学部入学定員を、2015年度の9134人よりも128人多い9262人とすることを諮問した。同審議会は今月下旬に答申、決定する見通し。

 内訳は、増員が計28人で、国立大学2大学(10人)、私立大学7大学(18人)。そのほか、2016年4月には東北薬科大学(4月から東北医科薬科大学)が定員100人の医学部を新設する(『「東北医科薬科大学」、来春誕生』を参照)。

 国立大学の2校は、筑波大学(2015年度132人→2016年度140人)、長崎大学(同121人→123人)。私立大学の7校は、埼玉医科大学(同126人→127人)、順天堂大学(同127人→130人)、帝京大学(同118人→120人)、日本医科大学(同114人→116人)、東海大学(同115人→118人)、愛知医科大学(同113人→115人)、藤田保健衛生大学(同115人→120人)。今回の定員増はいずれも2024年度まで。

 既存医学部の定員増は、(1)地域の医師確保のための入学定員増、(2)研究医養成のための入学定員増、(3)歯学部入学定員の削減を行う大学の特例――の場合に認められる。

 医学部定員は、2007年度は7625人だったが、2008年度から増加に転じた。今回の諮問通りに答申されれば、2007年度から2016年度までの間で、1637人増加することになる。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H0M_R21C15A0000000/
9大学の医学部、入学定員を計28人増 16年度
2015/10/21 12:44 日本経済新聞

 文部科学省は21日までに、国立大2校と私立大7校が2016年度に医学部入学定員を計28人増やす計画を公表した。これとは別に、東日本大震災からの復興支援策として、東北薬科大(仙台市、16年度から東北医科薬科大)で定員100人の医学部新設が認められており、来年度の総定員は9262人になる見込み。

 文科省は地域の医師不足解消のため、19年度まで医学部の一定の定員増を認める方針。私立大7校が申請した計18人分は、馳浩文科相が19日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。国立大2校の計10人分についても意見を求める。

 定員増は(1)都道府県が地域での勤務を義務付け、代わりに奨学金を出す「地域枠」の設置(2)複数の大学が連携して研究医の養成拠点形成を目指す――場合などに認められている。〔共同〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/367805
シリーズ: 始動する“医療事故調”
「誤薬」「急性心筋梗塞の見逃し」も報告対象
日医講習会、日本医療安全機構の木村氏が講演

2015年10月20日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 10月18日に開催された日本医師会医療安全推進者養成講座の講習会で、日本医療安全機構常務理事の木村壮介氏が講演、「誤薬等の単純事例であっても、調査項目を省略せずに丁寧な調査を行うことが重要」と説明したほか、急性心筋梗塞を見逃して適切な対応をしなかった場合も「医療に起因したと判断される例」となり、報告対象となり得るなど、事例を挙げて医療事故調査・支援センターへの報告の考え方を紹介した。

 誤薬について、木村氏は「なぜダブルチェックをしなかったのか。教育体制はどうなっていたのかなども含めて、根本的な原因を明らかにすることが必要」と指摘。ただし、日本医療法人協会の「医療事故調運用ガイドライン」では、「誤薬等」は頻発する類型のエラーであり、「予期できる」として報告対象外としており、解釈が異なる。

 急性心筋梗塞について、木村氏が紹介したのは、下記の見逃し事例。医療事故調査・支援センターへの報告は、医療法施行規則では、「提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって、当該管理者が死亡または死産を予期しなかったもの」と規定されている。「提供した医療」には、実施した医療行為だけでなく、適切な医療行為をしなかった場合も含まれるというのが、木村氏の説明だ。

 日本医療完全調査機構は、この10月からスタートした医療事故調査制度の第三者機関である、医療事故調査・支援センターに指定され、医療機関から医療事故の報告を受け付けるほか、事故事例の分析・再発防止策の検討、医療機関もしくは遺族から依頼があった場合の事故調査などの役割を担う。スタートから3週間弱で、「予期していたかどうかの判断や報告対象になり得るかなど、相談事例は徐々に増えているが、実際に報告された事例はまだない」(木村氏)という。センターへの報告は、制度の“入り口”だけに、どんな事例が実際に報告されるか、その妥当性の検証が当面の課題だ。

 事例:診察、徴候、症状に関連するもの
  左肩から左上肢にかけて放散する激痛の訴えあり、
 救急指定病院に搬送。X線検査を行ったが診断がつか
 ず、緊急入院し、鎮静剤投与で経過観察。
  深夜の巡回時に、心肺停止状態で発見。蘇生処置に
 反応なく死亡。病理解剖の結果、急性心筋梗塞が判明。

 解釈:左肩から左上肢にかけて放散する激痛は、急性
 心筋梗塞に比較的典型的な症状。診察時のこの症状は、
 心筋梗塞の症状であった可能性があり、提供した医療
 に起因すると考えられる。


 木村氏の講演は、「医療事故」の定義、判断から、事故調査の具体的対応まで多岐にわたった。過去にもさまざまなセミナー等で講演しているが、フロアから質疑応答があった点をはじめ、18日の講演の主なポイントは以下の通り。なお、医療事故調査・支援センターへの報告の方法等は、日本医療安全調査機構のホームページを参照。

◆「医療事故」の定義:「予期」の解釈は?
 「医療事故」の定義のうち、(1)説明していたと認めたもの、(2)文書等に記録していたと認めたもの、(3)事情聴取等の結果、予期していたと認めたもの――のいずれにも該当しないものが、「予期しなかったもの」に該当。

 木村氏は、(1)と(2)に該当しない例、および(3)の該当例として、下表を挙げた。「個人の状況を踏まえた説明が必要。また出血が予期されているなら、輸血の準備をしておくなど、それに対する対応策を考えておくべき」(木村氏)。

 医療事故の定義の「予期」について
(1)予期していたと認められない説明の例
  「高齢のために何が起こるか分かりません」
  「全ての手術に死亡の可能性がある」
 (2)予期していたと認められない記録の例
  患者個人の臨床経過を踏まえていない一般的な記録
 (3)「事情聴取等の結果、予期していた」の該当例
  ・ 1人で救急搬送され、緊急対応のため、記録や家族
   の到着を待って説明を行う時間の余裕がない状況で
   処置を行い、かつ比較的短時間で死亡した場合。
  ・ 過去に同一の患者に対して、同じ検査や処置などを
   繰り返し行っているため、実施する前の説明や記録
   を省略した場合。


◆「医療事故」についての相談:「推定死亡原因」は必要か?
 あらかじめ「医療機関名、病床数、連絡先、該当診療科名、患者年齢、性別、死亡日時、臨床診断と治療経過・既往症、事故発生(医療行為)前後の状況、死亡までの経過、死亡の予期に関する説明・記録等の状況、推定死亡原因、相談内容」についてまとめておくとよい。

 フロアから、「推定死亡原因は、院内調査の中で明らかにしていくのであり、この時点で推定で書かなければいけないのかが疑問」と質問が出た。

 木村氏は、「臨床家である以上、亡くなった時点での推定死亡原因は持っていると思う。最終的な調査の結果、違ってくる場合もあることは大前提であり、不明な場合もあるかもしれない。これらも含めて、その時点でどのように考えているかを、自身でまとめて相談した方がいいということ。強要しているわけではない」と回答。

◆事故報告:「非識別性」はどう行うか?
 フロアから、センターのホームページに「医療事故報告票(記載例)」が掲載されていることから、「正直驚いた。改正医療法では、該当する医療者の個人情報が分からないように、非識別化することが求められているが、記載例は、『誰が』など、個人情報が分かるような情報が羅列されている。このように報告すべきと考えているのか」と質問。

 木村氏は、個人情報の秘匿性の担保は重要とした上で、「医師A 、看護師Bとしたとしても、実際に誰が担当していたかは、遺族はよく承知している。それも分からないように、『医療従事者が』といった形になると、報告書の内容そのものが表現できなくなってしまう。遺族と病院の間で周知の事実であれば、『名前が出ないように』という対応でいいのでは、と聞いている」と回答。

 それでもなお、フロアから、「例えば、夜勤で勤務していた看護師などは、誰が勤務していたかが、分かってしまう。医療従事者の個人情報をさらけ出すのは問題なのではないか」と追加質問。

 木村氏は、「個人に責任が及ぶような書き方は、しない方がいいと思う。チームで何人かがいた場合に、当然、名前を出さないが、『看護師Aが、看護師Bが』といった形は恐らく出るだろう。それ以上のことを伝えるわけではなく、遺族側が(担当者等を)知っている場合には、『それは知られていること』と厚労省も言っている。事実を正確に分析して伝えなければいけないという事情も同時にあり、難しい点もあるが、十分に注意して書いてもらいたい」と答えた。

◆院内調査:「支援団体」による支援は「Mustに等しい」?
 医療法上は、院内調査に当たっては、「支援団体に対し、必要な支援を求めるものとする」と記載されているが、木村氏は、「Mustに等しい」と説明し、「絶対条件ではない」と断りつつ、大学病院など自院で調査できる場合であっても、中立・公正・専門性を保つ観点から外部参加型の院内事故調査委員会の設置を求めた。

 院内事故調査に対する支援は、(1)「事故の判断」の相談、(2)解剖・Aiの施行支援、(3)調査委員会の設置・運営、(4)事故の情報の収集・整理、(5)専門家の派遣、(6)報告書記載・まとめ――に分かれるが、特に(5)と(6)において、学会などの領域別の専門家による支援が、中立・公正・専門性を保つためには重要だとした。

◆センター調査:「3カ月以内に終了」なら院内調査待つ?
 センター調査の対象は、医療機関がセンターに報告する事例だが、依頼時期は、(1)院内調査終了後、(2)院内調査終了前(3カ月くらいの早期に、終了が見込まれる場合)、(3)院内調査終了前(3カ月くらいの早期に、終了が見込まれない場合)――の3パターンが想定されるとし、(2)の場合は、終了を待ってセンター調査を実施するが、(3)の場合は、院内調査とセンター調査が並行するとした。

 フロアからは、「3カ月くらいの早期に」の根拠について質問が出た。木村氏は、法的な根拠はないとし、「私が言ったのではなく、厚生労働省が公的な場で説明している」と回答。

◆報告書:「医学的評価」は必要なのか?
 木村氏は、報告書においては、「医学的な評価」を行うが、それは診療行為の時点でその行為が適切であったか否かであり、事故的評価として「こうすべきだった」などと評価するのではない、と説明した。

 フロアから、「医療機関は、評価をしなければいけないということか。医療事故調査・支援センターも、個別の医療行為について評価を行うのか」と質問。

 木村氏は、「評価という言葉は、法律の文章としては使われていない。責任とも関係してくるということで、評価という言葉が使われなかったのだと思う。ここで言う評価とは、分析をして、原因を究明する議論の際に、必要なのではないかという意味。白黒とか、良し悪し、という意味での評価ではない」と答えた。

 さらにフロアからの「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業でやっていた個別行為の評価や、産科医療補償制度で行っているような評価はやらないという理解でいいのか」との追加質問に、「原因がどこにあったのか、それはどのようなことなのかを究明することに、ポイントがあるということ。モデル事業も責任追及ではなく、原因究明と再発防止が主眼だった。『ここが悪かった』などと言うべき、ということでは全くない」と回答。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368116
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
たばこ対策、保険?自己責任?
「ニコチン依存症管理料」の要件緩和で意見対立

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、10月21日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授長)に対し、たばこ対策である「ニコチン依存症管理料」の対象を若年層に広げるために算定要件緩和を提案したが、診療側と支払側で大きく意見が対立した(資料は、厚労省はホームページ)。診療側は厚労省の提案を支持、一方、支払側は要件緩和で、診療報酬での評価を予防的な行為にも広げることにつながりかねないことから反対した。

 厚労省は、要件緩和に伴うたばこ対策の年間医療費の抑制効果が、現状の約7.6億円から約132.5億円に拡大するとの試算も提示。しかし、支払側は医療費抑制効果よりも、「ニコチン依存症管理料」の成功率そのものが問題であるとするなど、最後まで議論は平行線をたどった。データを基に、改めて議論することになる見通し。


10月21日の中医協総会は、がん、難病、感染症対策についても議論。

 20歳代、「BI200未満」が82%

 「ニコチン依存症管理料」は、1日の喫煙本数に、喫煙年数を乗じて得た「ブリンクマン(BI)」が200以上を算定要件としている。20歳代のニコチン依存症患者82%は、喫煙年数が短いことが影響して、「BI200未満」だ。「BI200以上」という算定要件を緩和するのが、厚労省案。

 診療側からは、「現実には、高校生が禁煙外来に来ることもある。20歳未満も対象にすべき」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)、「BIという要件自体をなくした方がいい、という意見もある。重症化予防という観点で対策を講じていかなければいけない」(日医常任理事の松本純一氏)など、要件緩和を支持する意見が相次いだ。

 これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、前回、前々回の診療報酬改定でも、「ニコチン依存症管理料」をめぐる議論があったとし、「この手の話を出すのであれば、その効果をきちんと出し、データを基に議論すべき。若年者の喫煙が増えているから、という話ではない。たばこ対策は基本的には自己責任。保険料を使って、(禁煙対策を)診療報酬で評価するのは、いかがなものか」と述べ、「今のところは、慎重にやるべき、というか、むしろ反対」と述べた。

 厚労省によると、2009年度に3417人を対象に実施した調査では、全5回の治療を終えた人は35.5%で、終了9カ月後にも禁煙していたのは49.1%だった。一方、5回の治療を終えることができなかった人は、禁煙が続かないという割合が多かった。

 「たばこ対策は自己責任」に反論したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。たばこの害は、本人だけでなく、受動喫煙の害もあるとし、結果としてたばこが原因の疾病により医療費高騰にもつながるため、禁煙対策の重要性を強調。「失敗しても何度でも、禁煙に取り組めばいい。未成年の喫煙に対しても、毅然として禁煙を主張していくべき」(中川氏)。

 これに対し、白川氏は、「禁煙対策を進めることに異論はないが、保険を使うかどうかが問題。疾病に対して診療報酬で評価するのが、我が国の保険。自己責任で禁煙する人もいる。特定の人だけドクターの治療を受けないと治らないという。しかも、保険財政が厳しい中で、なぜ保険を使うのか。『自分で治せるものは、自分で治す』のが、今の保険財政の流れ」と反論。

 しかし、中川氏も、「ニコチン依存症は疾病であることは間違いない。自己責任で止めた人もいるが、どうしても止められない人を、保険の対象とするのは、無理筋なのか。将来の医療費を考える上でも、むしろ推奨すべき」と譲らなかった。

 その後も診療側と支払側の応酬が続き、意見を求められた田辺会長は、「ニコチン依存症という疾病類型があるのだから、それには保険適用にすべき。予防対策まで保険で診る必要はない。今の基準は、喫煙年数が関係している。それが少ないにもかかわらず、ニコチン依存症になっているというなら、合意ができる範囲でその基準と、(疾病と予防の)線引きを考えていくべき」との考えを述べた。



http://www.m3.com/news/general/368169
みなと赤十字で死亡事故 昨年度の横浜市立3病院まとめ
2015年10月21日 (水)配信 神奈川新聞

 横浜市は20日までに市民病院(同市保土ケ谷区)、脳卒中・神経脊椎センター(同市磯子区)、みなと赤十字病院(同市中区)の市立3病院で2014年度に発生した医療事故などをまとめた。みなと赤十字では死亡事故が1件発生。その他2病院で過失事故はなかった。

 みなと赤十字では昨年12月、内視鏡手術を受けた男性患者が低酸素脳症となり、意識を回復しないまま死亡する事故が発生。同病院は輸血の判断ミスなど、不適切な対応があったとしている。

 一方、医療事故には至らなかったものの、医療従事者が「ヒヤリ」「ハット」した事例は市民病院で3295件(前年度比85件減)、同センターは1358件(同123件増)、みなと赤十字は3592件(同326件増)。いずれの病院も薬の処方、チューブなどの使用管理、患者の転倒・転落などが上位を占めた。

 市は、病院側の過失が明らかで患者が死亡するなどの重大な結果が発生した事故は即時公表、それ以外の事故は一括公表している。



http://www.m3.com/news/general/368115
[規制改革] 重点フォローアップに保険外併用の仕組みの新設 規制改革会議
2015年10月21日 (水)配信 厚生政策情報センター

規制改革会議(第50回 10/15)《内閣府》

 内閣府は10月15日、「規制改革会議」を開催し、「会議の進め方」などを議論した。

 今期の「規制改革会議」は、2016年6月までの1年間、月1回ないし2回を基本として、規制改革の審議を進める。ワーキンググループ(WG)、ホットライン対策チームは引き続き設置し、(1)内閣の重要施策の実現のための規制改革、(2)これまでの改革の総仕上げ―について重点的に検討するとしている(p2~p4参照)。

 (1)では、多様な働き方を実現、ローカル・アベノミクス(地域経済の活性化など)推進、シェアリングエコノミー(住宅、モノ、サービスの交換・共有)推進、インバウンド(訪日外国人旅行者)の急増―に対する規制改革を中心的に審議するとしている(p3~p4参照)。

 (2)では、過去3期の規制改革実施計画に盛り込まれた項目のフォローアップを実施するとし、健康・医療分野での重点的項目には、(i)新たな保険外併用の仕組みの創設、(ii)介護・保育事業などの経営管理強化とイコールフッティング確立、(iii)保険者が診療報酬明細書の点検を可能とする仕組みの整備、(iv)医薬分業推進の下での規制の見直し、(v)市販品と類似した医療用医薬品の保険給付のあり方などの見直し、(vi)遠隔診療推進のための仕組みの構築、(vii)特定保健用食品の審査手続き見直し―の7項目があがっている。これらの検討はWGを中心として行うが、特に必要な内容は会議で審議する(p4~p5参照)。

 なお、2016年6月をめどに答申を取りまとめ、必要に応じて中間とりまとめなどを検討。また、状況に応じて随時、「意見」を公表するとしている(p2参照)。

資料1 P1~P6(0.5M) https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201510_4/2625_6_1_1445397937.pdf



http://www.cyzowoman.com/2015/10/iii3020.html
東大理IIIは勝ち組なのか? 国立大学病院医師は30代でも月収20万円の現実
2015.10.21 サイゾーウーマン

 息子3人を灘高から東大理IIIに入れたママ、佐藤亮子氏が炎上した。講演会での彼女の「受験に恋愛は邪魔」という発言が発端になり、彼女の猛烈な教育ママぶりは、テレビや週刊誌を巻き込んで大きな話題となった。通常の炎上と違い、著名人が実名で意見を言い、それでさらに燃え盛った印象だ。作家でタレントの乙武洋匡氏はTwitterで「この3兄弟が幸せな人生を歩んでいけることを心から祈るばかりです」と投稿している。普通、この手の子育て方法の論議は、子育て中のママたちが中心になって炎上させるが、今回は、乙武氏をはじめとして、中年男性が熱心に参加している。

 彼らはどこにイラっとくるのか。「東大理III」という日本最高峰の偏差値の学類は、学歴至上主義世代の彼らのコンプレックスを刺激するのだろうか。佐藤ママの長男はモデルとして「週刊朝日」(朝日新聞出版)の表紙を飾ったが、すっとしたイケメンだ。東大に取材に行くと、男女問わず学生の容姿レベルは高まっている。優秀な男性は、美人と結婚し、そういう夫婦の子供が東大に入るので、東大生に美男美女は増えて当然だ。佐藤ママの夫は評判のいい弁護士で、3兄弟を灘高、一人娘も私立に通わせ、かなりの経済力を持っている。それゆえに「結局、金持ちの子供が受験に有利でいい職業に就く。不公平だ」という批判もネットでは見かけられる。

 だが、ちょっと待ってほしい。理IIIに進学することは、果たして「勝ち組」なのか?

■医師の世界は、収入とカーストが反比例

 平成21年度の中央社会保険医療協議会の調査によると、病院勤務医の平均年収は1,479万円、開業医は2,468万円。開業医はビジネスセンスを磨けば、いくらでも稼げる可能性がある。彼らは多くが親の代から医師で、自営業者の後継ぎだ。たいていは私大の医学部を出ている。つまり、学費の高い私大出身の開業医こそ「金持ちの子が金持ちになる」世界を繰り広げている。

 だが、全国紙の医療記者はこう話す。
「いくら稼いでも、医師は、医学界で認められないと、劣等感を持つ生き物なんです」

 つまり、東大を頂点とする学閥・医局カーストがあり、研究業績が認められた人間が上に行く。エリートほど満たされ、自己肯定感を強くしていく。

 「医師の世界は、収入とカーストが反比例します。東大出身で国立大学付属病院に勤務したら、プライドは満たされるかもしれませんが、経済的には大変だと思います」と話すのは東大関係者。

 2009年に当時山形大学医学部長だった嘉山孝正氏が前出の協議会に提出した資料「医療の最後の砦の現状-特定機能病院(NCと大学病院)-」によると、国立大学病院勤務医の半分は非常勤職員で、彼らの年収は、研修医で341万円、医員(平均年齢33歳)で303万円だ。正規雇用になっても助教で475万円(同37.7歳)、准教授624万円(同48.8歳)、そして、“白い巨塔”の頂点である教授は721万円(同52.6歳)である。もちろん、バイトなどで副収入もあるが、先に紹介した勤務医の平均年収に比べても、かなり低く設定されている。

■30歳を過ぎて年収300万円以下

 東大理Ⅲは入学後もカリキュラムが厳しく、かなり勉強をしないとならない。そのため、バンド活動などの趣味を諦める学生もいる。また、卒業後2年間の研修医を終えると、たいていは大学院に進み、無給となる。週末、当直のバイトをすれば、サラリーマン以上に稼げるが、東大の院は研究者育成のための機関なので研究も忙しく、そうそうバイトもしていられない。苦労して、博士号を取っても、国立大学の付属病院ではすぐに正規雇用されず、非常勤として年収300万円程度の生活を強いられる。

 東大出身の若手研究者は、「特任助教」という肩書を持っていることが多いが、要は非常勤の助手であり、月収約20万円スタートである。30歳を過ぎて年収300万円以下というのは、かなり厳しいのではないか。そして、正規雇用されて、さらに准教授、教授と昇進していくのは激戦だ。バイトをすれば収入は増えるが、そちらに時間を取られると、研究で後れを取っていく。そのため、30代後半以降でも、親から仕送りを受けたり、妻の収入に依存したりするケースが出てくる。

 「製薬会社から割のいい仕事をもらって、お小遣い稼ぎ……というのが難しくなっています。今の時代、なにか事件が起きたら、すぐにやり玉に挙がるし、ネットで情報が拡散するから」(東大出身研究職)

 「激務で大学病院に泊まり込んでいて、家に帰ってこない。それなのに年収300万円ですよ。家事も生活費も全部私の負担です。しかも夫が、東大出身の医師だとバレると、激しく嫉妬される」(東大卒医師を夫に持つ30代女性)

 また、医師には訴訟リスクもある。特に大学病院には重篤な患者が来るので、最善を尽くしても、患者は死亡することが多く、訴えられる可能性が高くなる。最初に診察した町医者のミスが原因で患者が亡くなったのに、訴えられるのは、最後に担当していた大学病院の医師というケースもある。大学病院の医師というのはまったく割に合わない。

■看護師は、20代で年収400万円以上

 なぜ、そんな条件の悪い仕事を彼らは続けるのか? それは日本の社会で尊敬されるのは、金持ちではなく、「社会貢献した人」だからである。億ションで芸能人をはべらせパーティーをやっているIT企業オーナーと、ユニクロに白衣羽織って患者のために徹夜で働く大学病院の薄給医師のどちらが尊敬されるかといえば、やはり、後者だ。

 「大学でのキャリアを諦めて、民間病院で勤務しだすと、年収が2倍3倍になったりします。しかし、挫折感からストレスを抱え、家庭で妻へのDVが始まることも。DVに年収や学歴は関係なく、劣等感から発生するので」(病院勤務のカウンセラー)

 医師免許があるから、食いっぱぐれはしないが、30代で年収300万円程度で、しかも、家に帰れないほど忙しい彼らは、果たして“勝ち組”なのだろうか? 妻は30代前半までに出産したいのに、経済的に子どもが作れないというケースも出てくるのだ。

 
 この「東大医学部出身の医師の現状」を話すと、妙齢の女性たちが「じゃあ、どんな仕事の男性と結婚すればいいの?」と訊いてくる。医療関係では、おすすめしたいのは、看護師である。4年制大学の看護科が増えたことで、男子の看護師はこの10年で2倍に増えている。

 男性看護師たちの悩みは「土日休みじゃないから、恋人が作りにくい」「女性看護師は気が強いから、プライベートではつきあいたくない」である。看護師不足は今後も続くので、看護師は職に困ることもないし、男性は体力があるので夜勤も多くこなせるし、管理職への昇進が早いケースも多く、収入も安定している。なにより、女性上位の職場にいるので、女性への恐れというか敬意がある。

 看護師ならば、20代で年収400万円以上を安定して稼ぐ。また医師は医局に縛られるので、どこに飛ばされるかわからないが、看護師は勤務先を選べる。世間が知らないところに掘り出しものはあるわけで、現在の婚活的な狙い目は、エリート医師よりも男性看護師なのかもしれない。
(木原友見)



http://www.sankei.com/life/news/151021/lif1510210036-n1.html
次期診療報酬改定で厚労省、地域包括ケア推進へ 基本方針骨子案
2015.10.21 21:27 産経ニュース

 厚生労働省は21日、平成28年度の次期診療報酬改定について、基本方針の骨子案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に提示した。22日の同審議会医療部会でも骨子案を示した上で、11月下旬ごろまでに両部会で基本方針をまとめる。

 厚労省は次期改定にあたり、「高齢化の進展に伴い『治す医療』から『治し、支える医療』への転換」「医療従事者の負担軽減」「無駄の排除や医療資源の効率的配分」といった基本認識に基づき、4つの方向性を骨子案に明記した。

 特に重点課題に掲げているのが「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」。患者の病状に応じた入院医療を提供し、自宅で24時間の巡回サービスや往診、訪問介護を受けられる「地域包括ケアシステム」につなげることを目指し、連携を進める病院やかかりつけ医への報酬を手厚くする方針だ。

 このほか、増大する医療費の抑制に向け、安価な後発医薬品の普及、医師・薬剤師による薬の飲み残しや重複調薬の是正、薬の過剰投与が指摘される大病院周辺の「門前薬局」の見直しなどについても診療報酬で評価していく。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H43_R21C15A0EE8000/
診療報酬の16年度改定へ議論開始 社会保障費1700億円抑制へ
2015/10/21 20:32 日本経済新聞

 診療報酬の2016年度改定に向けた議論が21日始まった。厚生労働省は同日、大病院前に並ぶ「門前薬局」の報酬や、割安な後発医薬品(ジェネリック)の単価を一段と下げる方針を示した。一方、医師の過剰な投薬を点検する「かかりつけ薬局」の報酬は積み増し、医療費の抑制につなげたい考えだ。財務省は社会保障費の伸びを1700億円分抑える方針で、診療報酬もマイナス改定が視野に入る。

 厚労省は21日の社会保障審議会医療保険部会に論点案を示した。12月初旬までに診療報酬改定の基本方針をまとめる。年末までに財務省と調整して診療報酬全体の改定率を決め、年明けに項目ごとの報酬を決める。

 厚労省が報酬の引き下げを明確に打ち出したのが、1つの病院の処方箋に頼ってもうける門前薬局だ。厚労省は薬局に対して医師の過剰・重複投薬をチェックする役割を期待している。しかし門前薬局は「病院からの処方箋を口を開けて待っているだけ」(幹部)とみている。

 一方で、複数の病院の処方箋を持ち込む「かかりつけ薬局」の報酬は引き上げる。患者の身近な相談相手になり、薬の飲み残しや危険な飲み合わせを確認する。24時間の対応や患者宅への訪問などが条件になりそうだ。患者の幅広い病気に対応する「かかりつけ医」の報酬も優遇を検討する。

 診療報酬は薬の単価も決めている。来年度改定では、特許が切れた新薬の成分でつくる後発薬の単価を下げる見通しだ。厚労省はすでに20年度までに後発薬の普及率を80%に上げることを決めている。普及の促進と並行して価格も下げて医療費を抑える。

 財務省は湿布などの市販品類似薬を保険の対象から外すなどさらなる効率化を求めており、診療報酬全体でマイナス改定を要求する方針だ。医療費の総額は年に約40兆円で、うち約10兆円が国の負担。診療報酬を1%下げれば国の負担を約1000億円抑えることができる。

 ただ横倉義武日本医師会会長は同日、「負担能力のある人の保険料を増やせばある程度の財源を確保できる」と述べ、診療報酬の大幅な引き下げをけん制した。年末にかけて首相官邸や与党、業界団体を含めたかけひきが激しくなりそうだ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368185
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
地域がん・小児がん拠点、診療報酬でも評価
がん診療の均てん化、充実を後押し

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授長)は10月21日、2016年度診療報酬改定に向けて、がん対策について議論、地域がん診療病院や、小児がん拠点病院を診療報酬上で評価していく方針について合意した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 がん対策について厚労省は、緩和ケアの充実に向け、(1)がん性疼痛緩和指導管理料について、緩和ケアに係る研修を受けた医師による実施を要件とする、(2)終末期に近いがん患者について、外来から在宅への連携を評価、(3)緩和ケア病棟における地域連携の取り組みと、短期間の入院を評価――などを提案。診療側と支払側ともに、おおむね了解したものの、(1)については、2016年4月実施ではなく、一定の経過措置を求める声が挙がった。さらに保険外併用療養で実施する医師主導治験について、医療機関や患者の費用負担軽減のため、同種同効薬の投薬・注射の費用も保険から支給する方針について合意が得られた。

 そのほか、21日の中医協総会では、たばこ対策(『たばこ対策、保険?自己責任?』を参照)のほか、難病対策と感染症対策に関しても議論。難病対策については、今年1月から難病法が制定され、指定難病は従来の56疾患から、今年7月までに306疾患に拡大された。難病の場合、長期療養が必要なことから、難病患者外来診療料が設けられ、療養病棟入院基本料の医療区分でも基準が設けられている。これらを306疾患に拡大する方針。

 感染症対策については、一類感染症対策を充実するため、「一類感染症患者入院医療管理料」について、(1)包括している検査や注射等の在り方、(2)14日を限度とする算定期間――を見直す。精神疾患等を有する結核患者を、精神病床で受け入れる場合の評価も検討する。


「がん性疼痛緩和指導管理料」の算定、「研修を受けた医師」

 がん対策推進基本計画では、2017年度までに、「がん診療に携わる全ての医療従事者が、緩和ケアに関する知識および技術を習得する」ことを求めている。「がん性疼痛緩和指導管理料」の算定要件の見直しは、この計画を踏まえたもの。

 「がん性疼痛緩和指導管理料」は現在、緩和ケアに係る研修を受けた保険医による場合は「1」の200点、それ以外の場合は「2」の100点という設定。これを見直し、「2」を廃止し、「緩和ケアに係る研修を受けた医師の実施」を要件とする。

 この方向性自体には了解が得られたものの、日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、いまだ 「2」の算定が多いことから、すぐに要件を見直すのは「早い」と指摘し、経過措置を設けるとともに、土日曜日の開催を増やすなど、希望する全ての医師が研修を受けられる体制の確保が必要だとした。

「全てに整備する必要性なし」

 2007年4月のがん対策基本法の施行以降、がん医療の均てん化を進めるために、がん診療連携拠点病院の一層の充実が図られてきた。しかし、人口規模が小さい2次医療圏などでは、拠点病院が整備されないことから、2014年度から新たに拠点病院と連携して運営する、地域がん診療病院が整備されるようになった。現在、これらの病院がない医療圏は、344の医療圏のうち84カ所。また小児がん拠点病院は、患者数が少ない小児がん医療の集約化が狙い。これらの整備を診療報酬上で後押しするのが、2016年度改定の課題となる。

 21日の中医協総会で意見が出たのが、地域がん診療病院の整備の在り方。日医の鈴木氏は、診療報酬上で評価することには異議を唱えなかったものの、人口が少ない2次医療圏にまで全て整備するのかを質し、他の2次医療圏と連携するやり方もあり得るとした。同様に、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏からも、「一律に全ての2次医療圏で整備する必要はない。柔軟な対応をしてもらいたい」との意見が出た。

 厚労省健康局がん・疾病対策課長の佐々木健氏は、人口が少ない2次医療圏がある現状を認めつつ、「地域で話し合いがなされており、医療圏の見直し、隣接する医療圏と連携とも含めて、注意深く検討していく」と答え、全ての2次医療圏に、地域がん診療病院等を整備していくわけではないとした。



http://blogos.com/article/140369/
あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか 日本発「薬害騒動」の真相(前篇)
- 村中璃子
WEDGE Infinity 2015年10月21日 16:27


「いずれもこの年齢の少女たちによく見られる症例ですね」

 ある冊子に記載された患者たちの症状や経過だけを見た場合、どういう考えを持つかという質問に対し、複数の小児科医・神経内科医・精神科医から寄せられた回答である。ひとつひとつの症例についてコメントや解説をつけてくれた医師もいた。

 この冊子は全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会・薬害対策弁護士連絡会・薬害オンブズパースン会議の3団体が昨年5月末に出版した「子宮頸がんワクチン副反応被害報告集」。弁護士が“被害者”本人およびその保護者に聴取した内容を記したものだ。

 今年に入ってから“被害者”に関するいくつかの書籍も出版されている。“被害者”の少女たちの症状は実に多彩だが、特に神経疾患を思わせる症状についての記述はどれも強烈だ。繰り返し起きる手足や全身のけいれん、「自分の意志とは無関係に起きる」という不随意運動、歩けない、階段が登れない、時計が読めない、計算ができない、そして、ついには母親の名前すら分からなくなった……。

 いずれも「ワクチンのせいだ」と思って読めば、読者は絶句し、ワクチンへの恐怖心を募らせるに違いない。

 しかも、“被害者”はなぜか「元気でやりたいことのたくさんあった、学校でもリーダー的役割を担っていた少女」ばかり。部活の部長、副部長、キャプテン、副キャプテン、生徒会長、コンクールで優勝した……。小さいころからスポーツや楽器などの習い事を続けてきた子も多い。その子供たちが「やりたかったことを実現するための未来をワクチンに奪われた」。

 去る9月17日、専門家らによる厚生労働省のワクチン副反応検討部会が行われた。子宮頸がんワクチンについて議論したのは1年2カ月ぶり。

 部会は今回も「ワクチンによる重篤な副反応の多くは心的なものが引き起こす身体の症状」との見解は覆さなかったが、「積極的な接種勧奨の差し控え」という奇妙な日本語の判断も継続するとした。差し控えにより接種率はかつての7割から数%にまで落ち込んでいる。

口に出せなくなった
大多数のまっとうな医師たちの考え


 回答を寄せてくれた医師の中には、子宮頸がんワクチン接種後の少女たちを診察した経験のある医師もいた。

 児童精神の専門医は「“精神科”と聞くだけで強い拒絶や怒りの反応を示す子もいるので、神経内科の先生の方でずっと診てもらうこともあります」と言った。神経内科医は「辛いのは症状を抱えた子供たち。ワクチンのせいであってもなくても良くなればいいでしょう?」と応じた。いずれも報告書や書籍に登場する、ふんぞり返って「気のせい」「演技では」「詐病だ」と断じる傲慢な医師たちの印象とは程遠い。

 多くの小児科医や精神科医によれば、子宮頸がんワクチンが導入される前からこの年齢のこういう症状の子供たちはいくらでも診ていた。しかし、今ではもう何でもワクチンのせいということになっていて、大多数のまっとうな医者の普通の判断を言うことがまるで「弱者への暴力」であるかのような雰囲気になっている。

 テレビでも繰り返し放送されたあの激しいけいれん症状。手足をばたつかせて立ち上がることもできなくなった苦悶状の表情をした少女たち。ワクチンのせいでないとすれば、いったい少女たちは何に苦しめられ、何に苦しんでいるのだろうか。

 ある病院を訪れたのは子宮頸がんワクチン接種後、「毎日午後3時になると必ずけいれんを起こすようになった」という少女とその母親だった。脳波、CT、MRI、採血と一通りの検査を実施したが異常は見つからない。「異常はないようですが発作の状態を確認しましょう」。3時になると言っていたとおり発作は起きたが、やはり脳波には異常がない。「では、入院して検査しながらもう少し様子を見ましょうか」。入院させたのは、時計がなくビデオカメラのついた病室だった。午後3時のけいれんは「ピタッと止まった」。

 「症状が少しおさまったようでよかったですね」

 医師はこれが脳や神経の病気ではなく、心因性のものであることを伝えた。ところが、母親は喜ぶどころか顔色を変えて言った。「これだけのけいれんがあるのに、また心の問題に過ぎないって言うんですか? この子に何の問題があるって言うんです。うちは家族も仲がいいし、この子は友達も多く学校でも元気にやっていたのに……」。

 少女の症状を説明するのも母親なら医師の説明に応じるのも母親だ。中学生や高校生と言えば自分の症状を説明するには十分な年齢だが、体調不良の原因をワクチンだと疑って受診する母娘では母親が前面に出てくるケースが多い。

 「偽発作(Pseudo seizure)というんですが、心の葛藤やストレスが引き金となって手足をばたつかせたり全身をくねらせたりと、けいれんのような動きを見せる患者さんがいます。私が勤めていた頃も“けいれんは伝染する”と言いましたよ。決して詐病というわけではないのですが、一人がけいれんすると同じ部屋の子供は真似して皆似たような動きをする。隣の部屋でも同じことが起きて、部屋ごとに別々のけいれんが流行するんです」。ワクチン導入以前に、神経疾患や重症の心身障害の患者が全国から集まる専門病院に勤務していた小児科医は言った。

元々たくさんいた
「アルプスの少女ハイジ」のクララ


 こうした症状が、大人にとってトラブルの少ないいわゆる「いい子」に多く見られるのは、決して不思議なことではない。背景には「過剰適応」と呼ばれる精神状態がある。期待に応えたいという思いや認められたいという思いが強く、自分の欲求や不満を適切に言葉で表現することが出来ない少女たちは自覚のあるなしにかかわらず、身体でそれを表現することもあるのだ。

 「メディアで騒いでいる症例の多くは、いわゆる、クララ病。『アルプスの少女ハイジ』にクララという車椅子に乗った綺麗な女の子が出てきますよね。病気だから学校には行かれないが、お金持ちだから家庭教師が勉強をみている。親は仕事が忙しく不在で、学校に行っていないから友達もいない。恵まれているように見えるのに孤独です。それがハイジに出会って立てるようになる。『うちの子は何の問題もない』と言ってくる親もいますが、思春期に問題も悩みもない子供なんていたらそっちの方がおかしいでしょ」。ある医大の小児科教授は溜息をつく。

 「これだけマスコミが騒げば、ワクチンはいいきっかけになります。親への不満を直接ぶつけられなくとも、他者に矛先が向かうのであれば本人も安全です。でも、本人にもご家族にも表だってそうとは言えませんよね……」

 前出の児童精神科医はこう語り、「1歳くらいの言葉のうまく喋れない小さな子供もやりますよ。たとえば、足をつっぱらせて変な姿勢を取るとママが来てくれると分かったら、子供はそれを何度も繰り返す。病気の後にそうなることも多い。下に兄弟が生まれたときになる赤ちゃん返りなんかもそれですね。幼児期であれ思春期であれ、その〝困った感〟に辛抱強く付き合うのも医者の仕事です」と続けた。

 「ワクチンを打った後、階段が登れなくなった子というのもよく出てきますが、そういう子と立ち話している時に、ポンッと肩を押してみるんです。そうするとその子が倒れて転落するということはありません。10代の女の子の反射神経は私よりずっといいから当たり前ですよね。心因性かどうかの判断は、脳波などに異常がないのを確認した後、訴えや症状に矛盾があるかないかで行います」

 ワクチンが薬害のように騒がれ、ある病気の患者が世間の認識以上に存在することが知られるきっかけとなった事例が過去にもある。ワクチン史上最大のスキャンダル、MMR(はしか・おたふくかぜ・風疹)ワクチンと自閉症だ。1998年、英国の医師が一流科学誌「ランセット」にMMRワクチンと自閉症との因果関係を示す論文を発表した。

 接種差し控えや国やメーカーを相手取った訴訟も起こされ、巨額の費用を投じて追跡調査を行ったが因果関係は認められなかった。結局、論文のデータを医師が捏造していたことがわかり、2010年になって論文は撤回。捏造データを世間が信じたのは、自閉症の子供が数多くいることが世間に認識されていなかったからである。

 子宮頸がんワクチンは、我が国において「思春期の少女だけ」に接種されることになった初めてのワクチンだ。「ワクチンによって患者が生まれた」のではなく「ワクチンによって、思春期の少女にもともと多い病気の存在が顕在化した」、そう考えるのが自然ではないだろうか。

 少女たちが苦しんでいることは事実で、少女たちは決して悪くない。騒ぎの責任は大人たちにある。しかし、少女たちの苦しみの原因がワクチンにあると断定する科学的裏付けは一体どこにあるのだろうか。

 次回はありがちな印象論ではなく、ワクチンの危険性を説く専門家たちの主張の中身を正面から検討する。

⇒中篇につづく



http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5525
子宮頸がんワクチン薬害説に
サイエンスはあるか
日本発「薬害騒動」の真相(中篇)

村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
2015年10月21日(Wed) WEDGE Infinity

2014年9月に長野で行われた一般社団法人・日本線維筋痛症学会の“子宮頸がんワクチン”セッションの会場に、医師の姿はまばらだった。大半を占めるのはメディアと被害者連絡会の関係者たち。西岡久寿樹理事長(東京医科大学医学総合研究所)による“HANS(ハンス)”についての説明に頷く記者や涙ぐむ被害者連合会の関係者らしき人たちもいる。しかし、ここから医学的なディスカッションが生じる気配はない。

仮説に仮説を重ねて
「病気」をつくる医師たち


 HANSとは、14年に入ってから西岡氏らが提唱している「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群」の略称で、子宮頸がんワクチンを接種した人に起きたと“考えられる”免疫異常を指す。痛みや疲労感、神経・精神症状、月経異常や自律神経障害、髄液異常などありとあらゆる症状を引き起こしており、今の検査技術では証明できないが脳内で起きている異常と“しか考えられない”病態だという。

 すなわち、HANSという「免疫異常」の存在も仮説なら、その機序も仮説。実体のあるものが何もないのだ。世界の医学界が科学的エビデンスに基づく医療を原則とする中、この議論を鵜呑みにする専門家は少ない。

 しかも、HANSの定義は「接種から経過した時間は問わない」とされ、接種後3年以上も経って症状が出てきた患者なども含めるのでさらに戸惑う。極端なことを言えば10代でワクチンを打った少女が60代で自律神経障害を来した場合、それもHANSということになってしまうからだ。

 筆者は西岡氏のオフィスに取材に行き、HANSの発症機序を直接尋ねた。

 「責任病巣は脳の中枢神経。原因は基本的にはアジュバントしか考えられない。これが強ければ、脳血管関門を津波のようにブワッと越えていくわけですよ。脳内に存在するミクログリアが活性化して、免疫のシステムが全部狂っちゃうわけです」

 今年の線維筋痛症学会でも「HANSは脳の異常」とし、検査では分からないが「ワクチンのせいだ」とする西岡氏らのアジテートは相変わらずだった。

 「HANSは脳症であり、その4大症状は中枢神経由来である」「思春期に特有の症状? ちがうよ、と僕はいった」(西岡氏)。

 「心身反応だという人がいたら、その人はそこで思考停止していると思う」(横田俊平・元日本小児科学会長)。

 「視床下部の異常でしか説明できない」「画像検査などにはあくまでも補助的な意味しかないという立場にいます」「人類が経験してきた視床下部の症候とはちょっと違う」(黒岩義之・日本自律神経学会理事長)。

 そして、これらの仮説を主張する根拠は、科学的エビデンスではなく、豊富だという臨床経験だ。

 「長年難病に携わってきて、こんな子供たちに出会ったことがない」(西岡氏)、「私は一人の臨床医として話をします」「長年小児科医をしているが、朝から頭痛が続くという子供を診たことがない」(横田氏)。

悪魔の証明に乗り
「被害者」と共依存する「専門家」


 学会なのに有意なデータは提出されず、脳機能の説明とそれに基づく仮説だけが語られることに、医師である筆者も驚く。これでは専門家が議論するための会合ではなく、一般向けシンポジウムだ。去年も今年も開かれたが、学会でわざわざメディア向けセッションが設けられるのも珍しい。

 「患者さんたちは本当に気の毒だと思います。けれど、HANSはワクチンを打った後に起きたというだけで、接種からどんなに時間が経っていても、脈絡のないすべての症状をひっくるめて一つの病気だというんでしょ? それなら便秘でも発熱でも、ワクチンを打った後で起きたら何でもHANSだということになってしまう。しかも、エビデンスはないけどワクチンのせいだと言われたら、ただ黙っているしかないですよ。ないことを証明する『悪魔の証明』はできませんからね。横田先生は悪い人ではないのでしょうが、かなり迷惑しています」小児科学会理事のある医師は言った。

 「そんなに危ないというのなら、小児科学会や理事会に来てお話ししてくださいと何度も言ってるんですが、絶対に来ません。一般人やマスコミは納得させられても、同僚の小児科専門医たちを納得させる自信がないからでしょう。横田先生の医局の人たちも恥ずかしいとか言っていますよ。マスコミはそれなりの肩書の人が自信をもって言えば、言われたとおりに書いてしまいますよね」

 かつての横田氏は、小児科学会の会長としてヒブワクチン承認を推進するなどワクチン推進の立場にいた。しかし、西岡氏と子宮頸がんワクチンに出会ってからは反対派に転向した。筆者が「先生はなぜ小児科学会などもっと多くの専門家が集まる学会でお話しされないのですか」と尋ねると「小児科学会、アレは日本最大のワクチン利益団体だからね」と笑顔で答えた。

 現在、厚労省は子宮頸がんワクチン接種にまつわる診療相談体制として全国70の協力医療機関を指定しているが、その一つである横浜市立大学附属病院を訪れている患者は現在61人。横田氏は大学を離れた身だが一人で全員を診ているという。「小児科は子供ではなく母親の相手」と言われることもあるように、小児科医である横田氏の物腰は柔らかく、わかりやすい話をするのも上手い。「優しいお医者さん」といった印象で、患者家族や記者にも大変な人気だ。

 しかし、科学的であることと分かりやすく優しいことは別だ。

 「僕は横田先生とは専門が違うので考え方が違うのかもしれませんが、ワクチン外来に来たからといってその患者さんが全員ワクチンのせいで病気になったと考えるのはさすがにどうかと……」と言葉を濁らせる横浜市立大学の医局員もいる。

 一般の人は学会の理事長や会長、有名医大の教授などと聞けば、彼らの意見が学会や医局を代表する意見であるという印象を持つかもしれない。しかし、理事長選や教授選は政治の世界でもある。また、学会発表は会費を払い、資格さえあれば誰でも行えるので、学会発表しただけでは科学的信頼性があるとも言えない。

 研究内容が科学的に意味のあるものとして初めて認められるのは、データを積み上げ、仮説を立証し、査読者のいる医学雑誌にそれが受理された時である。「STAP細胞はあります」と涙ながらに主張しても、立証できなければ科学的意味がないことについては読者もよくご存じだろう。

 HANSの特徴は「数多くの症状があり、それが出たり入ったりすること」。1人で100を超える症状が現れる症例もあるという。

 しかし、例えば、世界の精神医療のスタンダードDSM-Ⅳ(米国精神医学会発行の「精神障害の診断・統計マニュアル」第4版)に掲載されている身体表現性障害の症状も実に多彩だ。

 異なる部位の体の痛み、下痢・嘔吐・便秘などの消化器症状、月経不順を含む性的症状、運動麻痺・平衡障害・麻痺・脱力・けいれんなどの転換性障害、記憶障害などの解離性症状、意識喪失・幻覚などの偽神経学的症状などがあり、HANSで中枢神経(脳や脊髄のこと)に由来する症状として挙げられているものとよく重なる。

 DSM-Ⅳが出されたのは94年。06年に子宮頸がんワクチンが登場する10年以上前から、このような症状の患者はいたことがわかる。

「漢字を書く脳領域」だけに起きる障害?

 「ワクチンのせいで漢字が書けなくなってしまったという子がよく紹介されますが、あの子はきれいなひらがなで言いたいことを全部書けていますよね。言語や文字をつかさどる脳領域の障害はあっても、漢字をつかさどる領域だけの障害が起きるというのは極めて稀です」と小児神経を専門とする医師は言う。

 確かに、子宮頸がんワクチンが漢字をつかさどる脳領域だけを選択的に障害 することは考えがたい。

 また、高次脳機能障害だとして論じられることの多い他の症状についてもこうコメントした。「簡単な計算もできないという症例がたくさん出てきますが、この子たちはみんな時間がかかっても全問正解しています。ワクチンを打った後に親の名前が分からなくなり『お母さんはどこ?』と親に向かって言ったなどという少女も複数出てきますが、それを『ワクチンで認知症になった』などという単純な議論で片づけてよいものか……」。

 しかし、ワクチン後の少女には「心因性」と言われて傷つき、怒り、症状が悪化するケースも多い。そんな少女たちにはどんな精神科医よりも「ワクチンによる脳神経障害」だと断じ、一緒に戦ってくれる医師たちが「いい先生」なのだろう。そして、彼らにすがる少女たちもまた「新しい病気を見つけた」と主張したい医師たちにとって、欠かせない存在なのかもしれない。

高齢者に使う認知症薬を
少女に使う危険性


 「16歳という処方箋を書くと61歳の間違いじゃないかって薬局から電話がかかってくることがあります」

 処方箋に記載された薬の名前はメマリー。昨年の線維筋痛症学会で衝撃を受けたのは、「十分な治験が行われておらず危険なワクチン」との主張を繰り返している西岡氏らが、10代の少女たちにメマリーやアリセプトなど高齢者の認知症治療に用いられる薬を多用していると知った時だ。

 メディアや被害者連絡会関係者を交えたセッションでは、これらの薬を少女へ保険適応するよう強く訴える意見も上がった。自費診療では負担が大きすぎるという。

 治験に合格したワクチンで薬害が起きたと訴えておきながら、思春期の患者での治験をしていない薬を用いる矛盾。なぜ、子宮頸がんワクチンは危ないが、少女たちに認知症の薬を飲ませることは安全だと思うのか。

 今年の学会で「メマリーの保険収載はうまくいきそうですか?」と西岡氏に質問すると、「もうちょっとエビデンスが欲しい。効くのは間違いないから、私は収載していいと思うがね。でも、まず厚労省がHANSを病気として認めないと。心身反応と言っているようじゃ話にならない」と返ってきた。

 認知症の薬だけではない。「免疫異常」と決まったわけではないのに、静脈に大量の点滴をする、極めて作用の強いステロイド・パルス療法や免疫グロブリン療法などを選択するのもいかがなものか。報告書や書籍によれば、これらの治療の後、症状が悪化する少女もかなりいるようだ。もし、これらの治療法が不適切で体調が悪化したのだとすれば、それこそが薬害ではないのか。

 中にはワクチン接種後、たまたまこれらの治療法が効く別の病気を発症した少女たちもいるだろう。もちろん、ワクチンのせいで病気になった特殊なケースもあるだろう。しかし、HANSの概念はあまりにも広く、〝被害者〟の数え方には疑問が残る。

 そして、こうした少女たちを苦しめるものの「正体不明さ」に乗りたがる大人たちは他にもいる。

ワクチンがあれば必ず現れる
宗教・サプリ・民間療法

 例えば、昨年の線維筋痛症学会では、「世界日報」の腕章をつけた記者が最前列で写真を撮るなど目立つ行動をとっていた。「世界日報」は統一教会の広報紙である。同教団は今年8月30日、ワクチン接種後の患者向けに「ホメオパシー講演会」を主催した。

 2012年には、婚前の性交渉を否定する同教団との関係が噂される女性国会議員が、「性の乱れを助長する」としてワクチン導入に猛反対。この議員は以前より、避妊を含めた性教育にも反対していた。

 ステロイド・パルスならぬビタミン・パルス療法なるものを提供するクリニックも登場した。ビタミン剤を大量投与すると脳の血流が改善するのだそうで、黒川祥子著「子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち」(集英社)に登場する「ワクチンのせいで化学物質過敏症と電磁波過敏症になった」という少女の母親によれば「ビタミンの点滴が1回1万5千円、パルスで入院すると10万円」。少女の場合、月4回のビタミンの他に様々なサプリも飲んでいるので月10万円はかかる。

 その他、人気があるのは、酵素ジュースや酵素風呂、整体、カイロプラクティックなど。副腎を鍛える整体(1回1万円)もあり、核酸・水素サプリ(月3万円)、ミドリムシ・ビタミン(月1万円)、マコモ茶・麦茶(月1万円)やデトックス水(1本5000円)にたどりついたケースもある。

 そして、最近口コミで患者が殺到しているのが、喉の奥(上咽頭)を綿棒で刺激するだけで、なぜか少女たちの症状が改善したという「Bスポット療法」だ。簡易な治療法だが、遠方からの患者は入院させて様子を見るらしい。先日行われた学会発表の演題は「内科疾患における上咽頭処置の重要性:今、またブレイクスルーの予感」。Bスポットという名称も学会演題も週刊誌を彷彿させる。

 ワクチンをめぐり、こうした人々が登場するのは日本に限ったことではない。医学専門誌「Vaccine」に掲載された分析によれば、反ワクチンを謳うウェブサイトには、ホメオパシーなど代替医療の紹介や広告、宗教的・倫理的に許されないといった言説、データや統計のない主張などが溢れている。

 注射で人工的に免疫を付与するワクチンは毒だといった自然志向、ワクチンを受けない権利や受けさせない権利といった市民権絡みの話もよくある。ワクチンを勧める国や専門家、接種する医師が金や権力と結びついて儲けているといった陰謀論は必ずと言っていいほど出てくる。

 また、言うまでもなく医療訴訟は弁護士にとっては大きなビジネスチャンスだ。中でも薬害訴訟は国やメーカーを相手に巨額のリターンが見込まれるため、アメリカでは薬害訴訟に特化した弁護士事務所もあるほどである。

 しかし、海外には日本のように、いったん導入された子宮頸がんワクチンの接種が、事実上滞ってしまっている国はどこにもない。国際学会も世界保健機関(WHO)もこのワクチンが安全で有用であるとの結論を覆していない。

 では、日本だけがなぜ接種を停止し、専門家が再度検討を行い結論を出した後でも再開できていないという事態がおきているのだろうか。

 後篇ではワクチンをめぐる日本の特殊性について考え、苦しむ少女たちに本当の意味で向き合うとはどういうことなのかについても改めて考えてみたい。

⇒後篇につづく



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151021_12056.html
みやぎ県南中核病院、2年連続赤字
2015年10月21日水曜日 河北新報

 みやぎ県南中核病院(大河原町)を運営する病院企業団の議会定例会が20日、同病院であり、2014年度決算を認定した。実質的な収支は2年連続の赤字となったが、赤字幅は前年度より縮小した。
 収入に当たる病院事業収益は前年度比3.7%増の79億7101万円、支出の事業費用は5.2%増の89億8770万円。減価償却費などを除いた現金収支は2444万円の赤字で、前年度より約1億2700万円改善した。
 年間の入院患者は延べ8万8789人で、病床稼働率は81.6%。外来患者は村田診療所を含めて延べ16万3722人。14年度末の医師数は57人で、前年度末より4人減った。
 14年度の収支に関し同病院は「年度前半は入院患者数が少なかったが、後半は入院、外来共に患者数が増えた。救命救急センターの指定を受け、9月以降は入院料加算の算定もでき赤字幅を減らすことができた」と総括した。

  1. 2015/10/22(木) 06:08:14|
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