Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月20日 

http://medg.jp/mt/?p=6206
MRIC by 医療ガバナンス学会
Vol.208 医師の公的言論に対する検閲・自主検閲の禁止

井上法律事務所 弁護士
井上清成
2015年10月19日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
医療ガバナンス学会 (2015年10月19日 15:00)

1 あらかじめのお断り

 最初にお断りしておく。本稿の想定例は、筆者が弁護士として代理人活動をしている事例に着想を得ているので、読者の中には何の事例かを想起される方もあるかと思う。しかし、個別具体的事例の事実関係と法的評価は当該個別具体的事例の代理人活動の中で明らかにされるべきことであると思料するので、そのような趣旨ではないし、本稿は当該個別具体的事例に即して述べたものでもない。あくまでも一般化抽象化した想定例として、極く一般的・抽象的な法律論の基礎知識を述べるものである。そのような一般的抽象的法律論としてお読みいただきたい。あらかじめ、お断りする次第である。

2 検閲・自主検閲の禁止

 日本国憲法第21条は、第1項において「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と規定し、この表現の自由を受けて、第2項において「検閲は、これをしてはならない。」とも規定した。検閲の禁止の定めである。
 公権力が行う検閲の概念については、過去、各種分野にわたって諸々の定義・合憲違憲の争いがあった。実は、必ずしも一義的に明瞭な概念ではない。しかし、最低限いいうることは、公権力(国、地方自治体が典型)には裁量権の範囲の逸脱は許されていない、ということである。
 さらに、いわゆる自主検閲といわれるものも、特に現代においては問題であろう。公権力そのものが行うわけではないが、公権力に示唆され、または公権力の思惑を慮って、民間の私人が自主的に民間の他の私人をいわば検閲するというものである。いわゆる検閲の仕方には諸々の手立てが存在し、実質的に考察しなければならない。

3 学校医への検閲の禁止

 公立小学校の学校医が、校内での健康診査の結果、児童に動物性脂肪の摂取過多が見られ、その摂取源を追究したところ、学校給食における牛乳・乳製品に主な原因があると認識したため、その旨の栄養指導を小学校や父兄に対して行った。ところが、文部科学省の通達では牛乳・乳製品の給食を勧めていたので、通達を慮った教育委員会が栄養指導での当該重要部分を削除した上で、学校保健委員会での栄養指導の報告書を父兄に配布したとする。
 そうだとすれば、学校給食の見直し議論のための大前提たる情報提供の重要部分の削除は、憲法第21条第2項に定める「検閲の禁止」に違反するので、憲法違反の行為とも認定する余地があるであろう。もちろん、医学的には諸々の見解の対立があるであろうし、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉妥結による畜産農家等の打撃にさらに重ねたダメージに対する保護の必要もある。しかし、学校医、もっと一般的に医師が、その医学的知見を患者や児童・父兄や住民・国民や地方自治体・国に対して情報提供するのは、議論の大前提として必要不可欠であろう。これこそが表現の自由の価値であり、検閲禁止の立法趣旨である。
 公権力は,「民はよらしむべし、知らしむべからず」ではいけない。

4 勤務医への自主検閲の禁止

 民間病院の勤務医が、公権力を司る公務員の非違行為や行政のあり方を歯に衣着せぬ物言いで、積極的にメールマガジンなどに投稿していた。すると、公務員に示唆されるか、公権力を慮るかした民間病院が、「なお、既に繰り返し指示してきたところですが、爾後、メール、メールマガジン、記者会見等、手段の如何を問わず、厚生労働省及び県に対する一切の非難行為を厳に慎むことを命じます。」との指示命令を当該勤務医に発し、挙げ句の果てに当該勤務医を指示命令違反として懲戒解雇処分にしたとする。
 もちろん、そのような理由で解雇予告の除外認定が労働基準監督署で認められるわけもないし、それだけの理由で懲戒解雇処分が有効なわけもない。しかし、ここで重要なことは、病院対勤務医の労働関係自体ではなく、労働関係を借用して公的言論を封殺しようとして自主検閲が行われたと捉えうることである。形式的には公権力による検閲ではないけれども、実質的に考察すれば、公権力の意向を汲んだ民間病院による私人たる勤務医に対するいわゆる自主検閲かも知れない。
 もしもいわゆる自主検閲に当たるとしたならば、日本国憲法第21条は直ちにそのまま直接適用はされないけれども、第21条の趣旨を濃厚に充塡した上で、当該指示命令や懲戒解雇処分の違法性が検討されねばならないのである。公権力による検閲はもとより、現代においては特に、私人による私人に対するいわゆる自主検閲こそが、その憲法上における問題性を増しているように思う。

5 医師の公的表現の自由

 以上、二つの想定例をもとに、検閲の禁止と自主検閲の禁止の一般的抽象的な法律論の筋道を述べた。医師は職業の性質自体が公共的で公益的なだけに、どうしても公共的・公益的な事項に関わらざるをえない。というより、少子高齢化社会の到来などが医師の公共的・公益的使命を一層拡大させている。必ずしも有効適切な処方箋を提示できていない厚生行政の現状を踏まえると、なおさら一層、医師の公的言論の役割拡大に拍車がかからざるをえない。
 当然、批判・非難されたり、対案を突きつけられる公権力の公務員とすれば、不興に思うであろうし、事実、大変でもあろう。しかしながら、「よらしむべし、知らしむべからず」の如くに短絡的に走ってはならない。厚生行政に関わる公権力の公務員は、諸々の立場の医師の公的言論を尊重して上手くこなすことが大切である。
 本稿では医師の立場として、たまたま学校医と勤務医の想定例を挙げたが、もちろんこれらに限られず、多種多様の諸々の立場があろう。諸々の立場から一人の私人たる医師達が積極的に公共的・公益的な言論活動をすることこそが大切であり、それが直ちに国民すべての利益となる。公権力はそれらを阻害する検閲をしてはならないし、公共的・公益的存在である病院や医師達の一部が公権力を慮って逆に公共的・公益的な言論活動をする医師達を自主検閲してはならない。

この原稿は、月刊集中11月号掲載予定です。



https://www.m3.com/news/iryoishin/367039
国立国際医療研究センター、誤投与事故「10の疑問に回答」◆Vol.2
事故調査報告書の内容は?厚労省の立入検査の結果は?

2015年10月20日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

Q5:事故後、どのような調査を実施したのか。事故調査報告書の取り扱いは。
 事故翌日の4月17日の午前11時に、第1回の緊急事故調査委員会を開催した。その後、外部委員3人を含む第2回事故調査委員会(4月30日)、第3回事故調査委員会(6月18日)を開催した。外部委員は、薬学の専門家、整形外科医、診療放射線技師の3人であった。

 事故の背景と、再発防止策を検討し、6月に報告書をまとめ、外部委員を含む全員が確認したほか、レジデントとその弁護士にも内容を確認してもらった。追加で判明した事実や記憶違いなどについて一部修正した上で、最終的に8月にまとめた。

 8月9日に遺族全員に対する説明会を開催し、レジデント側にも予め伝え、遺族に報告書を渡した。説明会には、当院の幹部職員、整形外科診療科長と指導医、病院の弁護士のほか、レジデントとレジデントの弁護士が出席した。遺族からは、報告書の内容についての言及はあまりなく、主としてレジデントに対する厳しい意見が多かった。

 説明会の後、8月26日に、当院のホームページ上で概要を掲載した。

 緊急事故調査委員会の報告書は、「本件事故の概要」「審議経過と審議結果」「問題点とその検証」「再発防止策と実施状況」などから成る。「問題点とその検証」では、本件事故発生の一番の大きな原因は、「当該レジデントの基本的な医学的知識の欠如のみならず、造影剤の注意書きを確認し、それに準拠することを怠ったこと」とした。そのほか、改善すべき点として主に挙がったのは、以下の通り。

【「緊急事故調査委員会の報告書」で問題とされた医療安全管理体制(概要)】
◆ 指導医によるレジデントの指導体制について
 指導医は、レジデントが脊髄造影検査を他院で約10例程度経験しており、当然イソビスト注240を使用することを知っていると思い、また、他の知識・技術などを総合的に判断し、レジデント単独での検査を容認した。当院における脊髄造影検査の少なくとも第1回目は、当該主治医である指導医のもとに検査を実施するか、当該主治医が検査の手技や使用する薬剤等に関する確認と指導をするのが望ましかった。
◆ 検査体制について
 CTや血管造影などの検査には、診療放射線技師、看護師が常時立ち会っていたが、X線透視室では、比較的手技および操作が簡単な検査がなされ、診療放射線技師、看護師が常時立ち会うことはしていなかった。脊髄造影検査についても、多職種の相互チェックを行うことによるセーフティーネット強化が重要と考えられた。
◆ 造影剤の管理体制について
 造影剤は、注射剤・経口剤ともに、X線透視室に隣接する操作室の棚にまとめて置かれていた。ウログラフインの箱には、2カ所に赤字で「脊髄造影禁止」と、用途として「直接膵管胆道・逆行性尿路・関節造影剤」とそれぞれ記載、イソビスト注240の箱には2カ所に赤字で「脳槽・脊髄・関節造影剤」と記載されていた。
 いずれも検査時に、医師がアンプルを取り出して使用する体制だった。ウログラフインについては、その都度処方し、造影剤管理のセーフティーネットの強化が重要であると考えられる。

Q6:厚労省をはじめ、監督官庁からどんな検査を受けたのか。その結果は。

 以下の通り、厚労省および東京都から立入検査を受けた。2015年8月の集中検査は、他病院の問題を受け、実施されたもの。2014年9月の立入検査で、造影剤の取り扱いを含め、医療安全管理体制の改善を進めており、「短時間で、相当努力のあとが見られる」という評価を受けた。今年の立入検査でも、現場確認をしてもらい、改善策が着実に実行されているとの評価だった。

【厚労省および東京都による立入検査の時期とその結果】
2014年
  4月18日 東京都福祉保健局医療政策部医療安全課による緊急の立入検査。
  9月17日 厚労省関東信越厚生局と東京都福祉保健局医療政策部医療安全課による立入検査。実施してきた再発防止策など医療安全管理体制を確認され、特に指摘事項はなく、継続を指示された。
2015年
  8月5日 厚労省関東信越厚生局による特定機能病院の集中検査。
  9月16日 東京都福祉保健局医療政策部医療安全課による立入検査。8月と9月のいずれの検査でも、医療安全に関して適切な取り組みを着実に実施していることを確認したと評価された。


Q7:レジデントの刑事裁判の公判は、傍聴していたのか。有罪判決をどう受け止めているのか。院長らの処分を2015年9月25日付で行った理由は。

 公判は当院の職員が証人として出廷し、また、傍聴した。判決文の全文は入手できていないが、概要を見ると、当院の医療安全管理体制が不十分だったことが指摘されている。事故後、我々も医療安全体制の向上に取り組んでいるが、より一層努力していかなければならないと考えている。

 職員の処分は、当該レジデントの判決、厚労省及び東京都による立入検査の結果を経た後に実施した。当センターの職員懲戒規程に基づき、第三者を含む懲戒審査委員会が開催され、処分が検討された。結果は理事会にて承認され、9月25日付で処分を行い、監督官庁に報告し、9月28日に公表した。処分内容は、病院長に戒告、医療安全管理部門の責任者に訓告、整形外科の責任者に厳重注意となった。

※取材は、副院長の大西真氏、医療安全管理室長、医療安全管理者が対応。各者の発言をまとめた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/367801
シリーズ: 臨床研修制度の見直し
「専攻医の募集数、制限」「全医師かかりつけ医に」
臨床研修制度、新専門医制度についてヒアリング

2015年10月20日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)


 厚生労働省の医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ(座長:福井次矢・聖路加病院長)が10月14日に開かれ、日本専門医機構理事長の池田康夫氏、日本医師会常任理事の小森貴氏、卒後臨床研修評価機構専務理事の岩崎栄氏へのヒアリングを実施した。

 池田氏は2017年度にスタートする新専門医制度で、専攻医の募集数を指導医数に合わせて制限することや、地域医療に配慮し都道府県ごとに調整する方針を説明。小森氏は日本の医師の35%に当たる専門医資格を持たない医師に対し、日医の生涯教育プログラムでフォローすることや、日本の全ての医師が「かかりつけ機能」を高めることが重要だと主張した。岩崎氏は、卒後臨床研修における指導体制の強化や研修医数の制限の必要性を指摘した。

 2020年度の臨床研修制度の見直しに向けて、同ワーキンググループでは、到達目標・評価の在り方について、関係する諸団体のヒアリングを実施している(『「外科を必修に」「項目を絞って」、臨床研修』など参照)。

 議論の中で、何度も言及されたのが「卒前実習、初期臨床研修、専門医研修から生涯研修まで、シームレスな検討」。以前から指摘されてきたが、それぞれの実施機関や制度改定時期が異なることなどから、包括的な議論は進んでいない。新専門医制度の開始を控え、専門医を取らない医師の存在や出産・介護などのライフイベント、地域の状況などニーズも多様化しており、「若い医師にとって将来像が見えにくい」との懸念の声が委員から出た。

新専門医、専攻医数を制限し地域医療に配慮

 日本専門医機構の池田氏は、新専門医制度で導入される「専門医研修プログラム」制度と同機構の役割について概要を説明。専門医制度の目的は「医師の質の確保」を第一義としつつ、地域医療に与える影響にも配慮していることを強調した。

 専門医研修プログラムは、同機構が認可した整備指針に基づき、19の診療領域で学会などがモデルカリキュラムを策定。そのカリキュラムに則って、基幹となる研修施設と複数の連携施設がグループで研修プログラムを作成し、専門医取得を目指す「専攻医」を募る。基幹研修施設は、その県の指導医数や症例数を有効に使って、「研修を実りあるものにする責任を負う」という。

 スケジュールでは、2017年度の開始に向けて、基幹研修施設が2015年度中に研修プログラム案を作り、同機構に提出。機構は2016年6月までに研修プログラムを審査、認定し、同年夏ごろから、2年目の初期臨床研修医が2017年度に専門医研修を行う領域と研修施設を決める。

 地域医療への配慮に関連して、機構では今月末までに、都道府県ごとの各診療領域の基幹研修施設数について事前調査を実施。都道府県で1つしか基幹研修施設がない場合など、地域格差が大きい場合には、改善を促す考えだ。

 さらに、大学病院などの単一の大きな病院だけでプログラムを完結させず、必ずグループで実施することや、地域医療の経験をプログラムに一定期間組み込むことも求める方針。都道府県単位の病院のグループによるプログラムが基本だが、ケースによっては遠方でも連携に加えることも可能としている。

 専攻医の募集上限は、都市部の大病院に指導医数に見合わない数の専攻医の採用が起きないように、指導医1人に対して全学年で同時に3人と定めた。19の基本領域の研修期間は3年から5年程度で、3年間のプログラムでは、1年間に1人ずつとなる。指導医の資格は専門医を1回以上更新したことがあれば、認められるという。

「大学が人事権をまた握るのか」

 新専門医制度については、大学との関係についてワーキンググループの委員から質問が相次いだ。「診療科によっては、大学病院でないとプログラムができない状況がどうしても起きてしまうだろう。これは、結果的に大学が人事権を握ることになるのではないか」と強い懸念を示したのは、岡山県精神科医療センター理事長の中島豊爾氏。池田氏は、「確かにそのようなケースが起きることは否定できない」としつつも、「これからは大学にも卒前研修だけでなく、質の高い臨床医を育てる責任を担ってもらわないといけない。また、必ず地域の医療機関と連携する仕組みを作った」と応じた。

 学会への加入と専門医取得との関係についても質問が出た。池田氏は「研修プログラムに参加すれば、学会に入っていなくても専門医が取れる」とした上で、「更新するまでに共通の講習を受けて、キャッチアップするには学会に入っている方が明らかに有利なので、多くの人は学会に入るだろう」と説明した。

初期臨床研修の症例を組み込むか

 新専門医制度研修と初期臨床研修との連携に関しては、原則、別々のカリキュラムだが、一部、内科、外科、麻酔科であらかじめ定めた症例については、専門医研修の症例として申請することを認めるとの説明が池田氏からあった。

 これに対して、「初期臨床研修中に、『外科に行きたい人は外科の症例をいっぱいやりなさい』といった、行き過ぎた指導が起きないか懸念がある」と委員から指摘があった。池田氏は「必須となっていてもなかなか専門医研修中に経験できない症例がある。振り返ってみて、初期臨床研修中にやっていれば組み込んでもいいという意味」として、初期臨床研修中に専門医研修を睨んで症例を経験させる意図ではないと説明した。

 このほか、委員からは専門医制度のグローバル化対応やコンピテンシーの位置づけについて質問があり、池田氏は今後の課題として検討するとした。

35%が専門医取得せず

 小森氏は、日医が実施する生涯教育制度を解説。日本では65%もの医師が認定内科医を含む専門医資格を取得しているが、35%の取得していない医師に対して「生涯教育のチャンスを与えるのが日医の役割」と説明した。

 また、日本では専門を持ちながらプライマリケアに関わっている医師が多いことを指摘し、総合診療専門医は基本領域の専門医の一つになったものの、社会の需要に応えるためには全ての医師がかかりつけ医となりプライマリケアを担えるようにすべきだと主張した。

 卒後臨床研修評価機構の岩崎栄氏は、これまでに129の研修病院の認定を行った同機構の評価結果について紹介。現場訪問や書面の調査で、安全管理の研修に問題があったり、死亡診断書を臨床研修医に書かせたことがなかったりするケースがあったと報告した。岩崎氏は特に「一般外来での研修が少ない傾向」について懸念を指摘したほか、「指導医数と採用研修医数とのアンバランスで、指導医が研修医に関わる時間が全般に少ない。採用研修医の適正数について、見直しが必要だ」と意見を述べた。

 ワーキングループでは今後、英国など海外の医師のキャリアや臨床研修制度の事情を踏まえて、議論を進める方針。



https://www.m3.com/news/general/367664
(進学特集 地域:3)変わる大学入試
朝日新聞デジタルselect
2015年10月20日 (火)配信朝日新聞

 ■大学・短大・専門学校をめざすあなたへ

 大学入試が大きく変わろうとしている。文部科学省はセンター試験に代わる新しいテストの開発を進め、大学も推薦入試を新たに導入するなど独自の入試改革に動いている。国立大が取り組む改革を3種類から一つ選ぶなど、大学の教育や研究も変わりつつある。

 ■センター試験、2020年度にも一新

 文部科学相の諮問機関、「中央教育審議会」は2014年12月、大学入試を変えるよう国や大学に求める答申を出した。安倍政権がつくった「教育再生実行会議」が13年、入試改革を求めたのがきっかけだった。

 改革の柱は三つ。(1)国立大学の1次試験や私立大の合否判定などに使われる「センター試験」の衣替え(2)各大学が独自につくる試験の一新(3)高校生向けの学力テストの新設、だ。

 ■記述導入・複数回?

 まず、センター試験改革。現在の中学1年生が受ける20年度実施の試験から、「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)に移行する予定で準備が進んでいる。

 答申では、複数回受験にして良い成績を大学に出せるようにすることや、自分の言葉で書く記述式回答の問題を入れること、教科の壁を無くした「合教科・総合型」の問題にするなど大幅な変更を打ち出した。

 ただ、複数回の場合、日程が現在の1月から前倒しされる可能性がある。高校は「3年の学習内容が終わらない」と反発している。合教科型問題も実現が見通せない。試験まであと5年ほどだが、めどが立ってきているのは短い記述問題で全容は見えない。

 次に、各大学がつくる試験の改革。いわゆる「受験勉強」をして挑むような筆記による試験だけでなく、高校時代の成績や部活動、面接やプレゼンテーションといった多様な尺度を加味して評価される。こうした試験を考えるのは国ではない。どれだけ入試が変わるかは、個々の大学がどれだけ熱心に取り組むかにかかっている。

 ■高校で学力テスト

 新設される「高校基礎学力テスト」(仮称)は、高校生が自分の学力を確認して日々の勉強に生かしたり、教員が生徒のレベルを把握して授業をよくしたりするために導入が決まった。19年度からスタートする予定だ。面接や小論文による合否判定が中心のAOや推薦入試では、英語や数学といった教科別の学力はあまり問われてこなかった。そのため、準備期間を経て23年度からは入試の判定にも成績が使えるようにすることを検討する。

 ■各大独自の選抜に課題

 文科省が入試改革にこだわるのは、各大学が独自につくる試験に課題があるからだ。

 例えば、都心の私立有名大学。受験者数が10万人近い大学もあり、入試方式も多様だ。たくさん問題をつくる必要があり、質の高い試験になりにくいとの指摘がある。具体的には、歴史で教科書の本文に載っていないような事柄を選択肢から答えさせるなど、単なる知識の有無だけを問う問題もあったという。面接など丁寧な選抜も十分できず、こうしたペーパーテストだけで合否が決まるケースも多い。

 東京大や京都大も、これまで推薦入試が一切なく、選択式のセンター試験と2次試験の結果だけで合否を決めてきた。集まる学生が、与えられた問題に素早く正確に答えられる「受験エリート」だけに偏るとの懸念もあった。両大学は今年から、面接や高校の成績を見る推薦入試を始めた。

 一方、知名度が高くなく、志願者数も少ない私立大は、学生を集めるためAO、推薦入試の間口を広くし、事実上学力を不問にして入学させてきた実態もある。大学教員からは「高校の内容をやり直さないと大学の授業ができない」などの声も上がる。

 センター試験については、「1点刻みの試験1回だけで将来が決まってしまう」との指摘があった。入試改革を提言した答申は、「知識、技能を問う問題が中心になっている」と問題の内容自体を批判した。

 改革が必要、との危機感を持つ大学関係者は少なくない。ただ一方、面接だと選ぶ側の主観が入り込まないか、50万人が受けるセンター試験改革は費用対効果が十分かなどの課題がある。受験者ががんばった分だけ報われる、公正で公平な、納得できる試験が求められている。

 ■国立大、求められる「オンリーワン」 目指す方向性を3分類

 全国に86大学ある国立大が変革を迫られている。文科省は今年度、今後重点的に取り組む教育や研究の方向性を三つにわけ、その中から一つ選んでもらった。

 3分類の主な内容は、「地域に貢献」(55大学)、「世界、全国的な教育研究」(15大学)、「海外大と並ぶ卓越した教育研究」(16大学)。国立大の収入の4割を占める国からの「運営費交付金」(計約1.1兆円)の一部の配り方に反映させる。

 交付金の配り方はどうするのか。まず、規模に応じてある程度機械的に決まる額を一定の割合でいったん減らす。その後、それぞれの方向性に沿って改革の計画を評価し、メリハリをつけて増額する。これまでは大学の目指す方向はある程度自由に決められたが、分類メニューを三つに絞ったことでより明確に差別化が進むことになる。

 国の狙いは、各国立大の役割をはっきりさせることだ。それぞれが金太郎アメのように同じことに取り組むよりも、例えば山梨大ならワイン科学、岩手大なら宮沢賢治研究など、特色のある教育や研究に人や金を集める。そうすることにより、それぞれの「オンリーワン」としての存在意義が生まれると考えている。多額の交付金を無駄にしないよう、役割を重複させないようにする意図もある。

 また、危機感もある。少子化や財政難の中、1大学ごとの学生や自由になるお金が増える見込みはない。魅力を打ち出していかないと、人々の支持が得られなくなり、最悪の場合、閉学が相次ぐこともありうる。そんな声も文科省内からは漏れる。

 大学がどんな研究に力を入れ、どんな点を重視した教育をしているのか。これからの大学選びには、知名度だけでなく、そんな視点がより重要になる。

 (高浜行人)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151020_11022.html
<東北大病院>摂食障害の治療拠点に指定
2015年10月20日火曜日 河北新報

 過食症や拒食症など摂食障害患者の総合支援窓口として、宮城県は東北大病院(仙台市青葉区)を「摂食障害治療支援センター」に指定した。東日本大震災の被災者が発症するケースに備え、国の補助事業に手を挙げた。実態が十分に明らかになっていない摂食障害の治療体制の確立を目指す。
 摂食障害は体重や体形に過度にこだわるといった心理的、身体的要因などから過食や拒食を繰り返し、患者の多くは女性。県によると、患者数は県内で200人程度との推計があるが、潜在的な患者も多いとされ実数は把握できていない。
 センターは治療と相談支援に加え、関係機関との連携や助言指導、摂食障害への理解を深める啓発活動も行う。専従の治療支援コーディネーターを配置し、医療関係者や県、患者や家族らによる対策推進協議会も設立する。経費約600万円は国と県が折半する。
 センター指定は厚生労働省による補助事業。国は国立精神・神経医療研究センター(東京)を基幹組織に指定し、全国5カ所の支援センター整備を目指している。実施団体として精神科か心療内科の外来があり、救急医療体制が整備された総合病院を都道府県を通じて募ってきた。
 県は、震災で身近な人や自宅を失うなどした被災者がトラウマ(心的外傷)やストレスから発症する事態を想定し、本年度に入り事業に応募。9月に指定の内示を受け、東北大病院と調整を図ってきた。
 県障害福祉課は「摂食障害は病気と認識されにくかったり、どこで診察を受ければいいか分からなかったりと課題が多い。センターが総合的な窓口となり、患者の早期発見、早期治療につなげたい」と話す。



https://www.m3.com/news/general/367808
東海大がハワイ大医学部と教育連携
2015年10月20日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 東海大学は10月19日、ハワイ大学医学部と医学教育連携に関する覚書を締結し、2016年度から「ハワイ医学教育プログラム」を導入すると発表した。締結に伴い、東海大学は「日本初の本格的な米国式医学教育を実践し、米国ECFMGの認定要件を満たすロールモデルとなる」としている。締結は8月。

 米国ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)は、海外の医師等がアメリカで臨床研修する際の認定許可を出す機関。2023年からは、週72時間以上の臨床実習などを義務付けるWFME(世界医学教育連盟)の基準を満たした医学部の卒業生のみが許可を受けられるようになるため、日本の医学教育機関でも対応が迫られている。

 東海大学医学部が計画する「ハワイ医学教育プログラム(HMEP)」は、(1)ハワイ大学医学部が、米国で臨床研修経験がある医師を東海大学医学部に講師として派遣し、1~3年生を対象にしたカンファレンスと講義を実施、(2)受講した学生の中で10~20人を選抜し、1~2カ月間、ハワイ大学医学部の臨床実習準備教育プログラムに参加、(3)同プログラムの修了者は、ハワイ大学医学部提携の日本国内の臨床実習病院で、米国式臨床実習を履修し、東海大学医学部5年生の臨床実習として認定する――のが骨子。

 米国式臨床実習では、医学生がStudent Doctorとして、外来診療を初診から担当し、上級医に相談しながら診療に加わるなど、診療参加型教育・ジェネラル(総合的医療)を中心とした教育になる。このプログラムを受けることで、米国の医師国家試験の対応もしやすくなり、米国日米両国の医師免許同時取得も可能になるという。

 ハワイ大医学部国際医学医療オフィス部長補佐で教授の町淳二氏らが協力、計画の導入に尽力した。東海大学は「アメリカと日本の医学教育の良い点を合わせ、人々により良い医療を提供できる医師の育成に寄与したい」と話している。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20151020-OYTNT50360.html
県立医大に医療支援施設…来春開設
2015年10月21日 読売新聞 福島

◆産婦人・小児科医養成へ

 県立医大は20日、東京電力福島第一原発事故などで不足が深刻化している産婦人科医と小児科医を養成する「ふくしま子ども・女性医療支援センター」を来春に開設すると発表した。来月1日に準備室を設ける。

 全国から招いた産婦人科医や小児科医5人程度を配置し、研修医の指導や医師不足の県内病院へのスタッフ派遣を実施する。妊娠、出産期に加え産後の健康についても相談に乗り、必要があれば診療にあたる。

 同大付属病院は、2016年度中に新生児集中治療室(NICU)を現在の9床から15床に増やし、小児専用の集中治療室(PICU)8床を新設するなどの目標も掲げている。



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1020037633/
便秘薬使用に伴う高Mg血症で3年に死亡4例
PMDA「使用上の注意」改訂

安全性情報 | 2015.10.20 Medical Tribune

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は本日(10月20日),「使用上の注意」改訂を発表。便秘症などに適応を有する酸化マグネシウム製剤の高マグネシウム(Mg)血症に関する情報の追加が発表された。直近3年度で,同薬使用に伴う高Mg血症の報告が29例,うち死亡4例が報告されたため。

高齢者,腎機能正常の便秘症で症例が集積

 添付文書改訂の対象となる酸化マグネシウム製剤は医療用医薬品の「酸化マグネシウム原末・錠・細粒」「重質酸化マグネシウム」「マグラックス細粒・錠」「重カマ」「マグミット細粒・錠」など。国内で多数の企業が同成分を医療用医薬品,および一般用医薬品として販売している。

 PMDAによると,直近3年度で同薬使用例での高Mg血症が29例(うち,因果関係が否定できない症例が19例),死亡4例(同1例)が集積。症例検討の結果,①高齢者での集積が多く,重篤な転帰をたどる例が多かった,②便秘症の患者での集積が多く,腎機能が正常な場合や通常用量以下の使用でも重篤な転帰をたどる例が報告されていた,③定期的な血清Mg濃度の測定が行われておらず,意識消失などの重篤な症状が現れるまで発症に気付かれない症例が多く見られた。そのため,添付文書の改訂を行い,同薬の高Mg血症に関する注意喚起を行うこととした。一般用医薬品でも同様の改訂が行われる見通し。

 同製剤を製造・販売する企業は連名で適正使用情報を発表。処方は必要最小限にとどめること,特に長期投与例あるいは高齢者では,定期的な血清Mg値を測定すること,症状が現れた場合には使用を中止し直ちに医療機関を受診するといった指導を行うよう求めている。高Mg血症の初期症状は,吐き気や嘔吐,立ちくらみ,めまい,徐脈,皮膚の発赤,力が入りにくくなる,傾眠など。 今回,使用上の注意の改訂が指示された医薬品と概要は次の通り。

◆ アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン: 横紋筋融解症を追加
  ガランタミン(商品名レミニール)の重大な副作用に「横紋筋融解症」を追加
◆ 制酸・緩下薬酸化マグネシウム:高Mg血症に関する注意喚起などを追加
  酸化マグネシウム(マグミット他)の慎重投与に「高齢者」を追加,重要な基本的注意に高Mg血症に関する注意喚起などを追加
◆ 5α還元酵素阻害薬・前立腺肥大症治療薬,男性型脱毛症治療薬デュタステリド:肝機能障害,黄疸を追加
  デュタステリド(アボルブ,ザガーロ)の重大な副作用に「肝機能障害,黄疸」を追加
◆ セフェム系抗生物質製剤セフトリアキソン:急性汎発性発疹性膿疱症を追加
  セフトリアキソン(ロセフィン他)の重大な副作用に「急性汎発性発疹性嚢胞症」を追加
酸安定性・持続型マクロライド系抗生剤ロキシスロマイシン:偽膜性大腸炎,QT延長・心室頻拍(torsades de pointesを含む)を追加
  ロキシスロマイシン(ルリッド他)の慎重投与に「QT延長を起こすおそれのある患者」,重大な副作用に「偽膜性大腸炎」「QT延長,・心室頻拍(torsades de pointesを含む)」を追加
◆ 抗ウイルス薬ダクラタスビル,アスナプレビル:間質性肺炎を追加
  ダクラタスビル(ダクルインザ),アスナプレビル(スンベプラ)の重大な副作用に「間質性肺炎」を追加
◆ 酸化マグネシウム(一般用):高齢者を追加
◆ 酸化マグネシウム(スラーリア便秘薬,他)の「相談すること」に「高齢者」を追加
(坂口 恵)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52227/Default.aspx
厚労省 新たな副作用等で添付文書改訂指示 酸化マグネシウムによる高カルシウム血症 高齢者は慎重投与
2015/10/21 03:51 ミクスOnline

厚労省医薬・生活衛生局は10日20日、新たな副作用などが確認された医療用薬について、医療従事者に注意を促すため添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。この中で便秘や胃炎などに用いられる酸化マグネシウム製剤の副作用である高カルシウム血症について、高齢者に多く、重篤になるケースも多いとして、「慎重投与」に高齢者を追記し、「高齢者への投与」には「投与量を減量するとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど観察を十分に行い、慎重に投与すること」と記載するよう求めた。

また、便秘症の患者について、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているとして「重篤な基本的注意」に追記。▽必要最小限の使用にとどめる▽長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意する▽嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導する--ことを記載するよう指示した。

PMDAの資料によると、直近3年で因果関係が否定できない高マグネシウム血症が19例報告され、1例は死亡した。同成分は、一般薬にも使用されているため、副作用報告は確認されていないが、一般薬の使用上の注意に「高齢者は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること」と記載することにした。


  1. 2015/10/21(水) 06:06:35|
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