Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月9日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/361760?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151009&dcf_doctor=true&mc.l=126128521&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「善きサマリア人法」、日本では進まず◆Vol.2
搭載の医薬品・医療機器は法律で最小限のみ規定

2015年10月9日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 飛行機や新幹線などで、急病人が発生した時、乗り合わせた医師に協力を求めるドクターコール。Vol.1では、航空会社によってドクターコール関する取り組みはバラツキが大きいことをお届けした(『ドクターコール、医師の責任は?』)。ドクターコールに手を挙げるのに二の足を踏む医師が多いのは、日本に「善きサマリア人の法」がないからだとの指摘がある。

 「善きサマリア人の法」とは一般的に、公共の場で緊急事態があった場合に、善意から救助した人を免責するというもの。カナダやオーストラリア、米国などで導入されている。日本では、2010年度の厚生労働科学研究費補助金の事業で、「緊急医療要請における医師の対応に関する検討」(畑中哲生・救急救命九州研修所教授)と題した研究が行われ、日本でも善きサマリア人の法を導入すべきだと提言した。

 同研究によると、米国では詳細が州によって異なっているものの、共通しているのは「重大な不注意がなく、対価を求めない限り法的に保護(免責)される」という点だ。1950年代にカリフォルニア州で最初に制定された後、80年代までに全州に広がったという。

 一方、ヨーロッパでは「善きサマリア人の法」がない国が多く、ドイツやフランスは傷病者に遭った場合の救護が法的に義務付けられているが、免責の規定はない。イギリスにも「善きサマリア人の法」はないが、必要だとの議論が度々起こっている。

 同研究の報告書は、「医師に免責が与えられると同時に、救護は義務化され、救命に必要な医療レベルが望まれる」と日本でも、「善きサマリア人の法」を導入するよう求めている。また、医師が緊急医療要請に積極的に応えられるような環境整備の必要性も指摘している。

 報告書は2010年度に策定されたが、その後「善きサマリア人の法」の導入に向けた具体的な動きはない。

 米国では上記の州法以外に、1998年のAviation Medical Assistance Act で全ての国内便および米国の航空会社、米国市民が関わるほとんどの国際便において、機内の緊急医療要請に応じた医療提供者を免責すると定めている。免責によって医療者に対し緊急事態での積極的な援助を促すのが狙いだ。

 m3.com編集部が2015年7月に実施した医師会員を対象にした意識調査で、今夏にドクターコールに遭遇した場合の対応を尋ねると、回答した1790人のうち「申し出る」と答えたのは28.2%で「申し出ない」が18.2%。それ以外は「その時にならないと分からない」と答えた。応じる際に不安に思うことについては、40.3%が「専門外の患者である」に続き、28.5%が「結果が悪かった時、訴えられる」を挙げている。日本でも免責の仕組みを作ることで、前向きにドクターコールに応じる医師が増えることが期待できるだろう。

 なお、国際線で問題が起きた場合、適用されるのは、航空機が登録されている国の法律との見解が一般的だが、緊急事態が発生した時の国や乗客の国の法律が適用できる可能性もあるという。

搭載の医薬品や医療機器

 機内で医師が使える医療機器や医薬品が分からないことも、ドクターコールを引き受けるのを躊躇う要因の一つだ。

 航空法施行規則第150条2には客席数60以上の航空機について、「救急の用に供する医薬品及び医療用具を装備しなければならない」と定められており、最低限の医療機器や医薬品はほとんどの航空機が搭載することが求められている。

 2000年に出された運輸省航空局長名の通知で、上記の医薬品と医療用具について細かく規定されており、救急用医薬品として12項目(国内線は8項目)、医療用具16項目(国内線は9項目)がある。そのほかに、機内に追加することができる標準的な救急用医薬品などが詳細に定められている(下表参照)。追加する内容については各社で分かれている。例えば、JALではイノバン、ブスコパン、ネオフィリン、リドカイン、タリビットなどがある。

  国際的には、機内に搭載する医薬品や医療機器について、ICAO(国際民間航空機関)もガイドラインで詳細を規定しているが、義務ではない。そのほか、IATA(国際航空運送協会)やAsMA(Aerospace Medical Association)も推奨する項目を定めている(AsMAのホームページを参照)が、航空会社によってその内容が大きく異なることが報告されている(Sand M et al. Emergency medical kits on board commercial aircraft: a comparative study.Travel Med Infect Dis.2010 Nov;8(6):388-94.を参照)。

 一方、アメリカでは米連邦航空局(FAA)が機内必須機器を定めており、AEDや静脈注射用装置などが含まれており、m3.com編集部で取材したデルタ航空もFAAの基準に則って機内設備を設置しているという。

 日本ではAEDが国交省の定める最低限の医療機器に含まれていないが、ほとんどの航空会社で導入済みだ。

最小限装備しなければならない救急医薬品等
※運輸省航空局の通知を基に作成
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航空会社が任意で追加できる医薬品等
※運輸省航空局の通知を基に作成
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http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015100901001343.html
「主治医がセクハラ」 患者が提訴、慈恵医大病院
2015/10/09 12:2220 共同通信社

 東京慈恵会医大病院で治療を受けた女性(42)が9日、主治医にセクハラされたとして、男性医師と大学側に880万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

 訴状によると、女性は慢性的な全身の痛みを訴えて同病院のペインクリニックで治療を受け、2011年秋からこの医師が主治医となった。

 医師は、プライベートで女性を食事に誘い、帰りに無理やり抱きついたり、治療中に体の関係ない場所を触ったりしたといい、女性はセクハラが原因で心療内科に通うようになったと主張している。

 提訴後に記者会見した女性は「女性の尊厳が踏みにじられたのに、医師の気分を損ねてはいけないと思って逆らえず、本当に悔しかった」と訴えた。大学は「訴状を見ておらず、コメントは控える。速やかに事実関係を確認する」とした。



http://www.m3.com/news/iryoishin/364954
シリーズ: 医師不足への処方せん
麻酔科医の過労裁判、東京高裁で和解
「医療現場の常識とかけ離れた判決は確定せず」

2015年10月9日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 約200床の民間病院に勤務する麻酔科医が、脳出血を来して遷延性意識障害となり、勤務先の病院を安全配慮義務違反で訴えていた東京高裁の裁判で、10月1日、和解が成立した。

 今回の和解は、「和解の経過や内容について公表しない」ことが条件であるため、その内容は明らかではないが、同医師とその家族を支援していた、全国医師ユニオン代表の植山直人氏らが呼びかけ人として発足した「麻酔科医師労災支援の会」では、「高裁で過重労働を原因とする労災であることを認めさせるという完全勝利ではないが、和解が成立したために、医療現場の常識とかけ離れた地裁の判決は確定判決ではなくなった」とのコメントを公表している(同会のホームページを参照)。

 麻酔科医の家族は、「麻酔科の先生方をはじめ、他の診療科の医師の皆様、医療関係の皆様、過労死家族の会の皆様、大勢の方々の支援の賜物と、心から感謝している」とのコメントを公表している。

 麻酔科医は、約200床の民間病院で常勤医1人体制で勤務しており、2007年8月に脳出血を発症し、遷延性意識障害となった。当時は53歳で、現在も寝たきりの状況が続いている(『全80大学の麻酔科教授に訴訟支援を要望』を参照)。

 労働基準監督署は2008年12月に労災認定を行った。本人と家族は、勤務先の病院を安全配慮義務違反で訴え、損害賠償を求めて2010年5月に提訴。

 2015年4月の東京地裁判決では、原告の請求を棄却。原告側は、発症前1カ月の時間外労働時間は121.12時間で、過労死ラインを超えているなどと主張していたが、判決で認定された発症前1カ月の時間外労働時間は56.5時間。麻酔科医の業務についても、判決では「手術中も容態が安定している患者であれば、麻酔科医は椅子に座って本を読んだり、休憩のために中座することが可能であり、また、麻酔の方法もほとんど定められた方法を実施すれば足り、手術中、高度の精神的緊張を終始強いられるわけではない」などとし、実態を把握しない内容だった。

 「麻酔科医師労災支援の会」は、東京地裁判決を問題視する現場の医師らで発足。関係者への支援を呼び掛けていた。原告も判決を不服として控訴。8月3日に控訴審の第1回弁論が開かれ、1回で結審、東京高裁は和解を勧告していた(『麻酔科医の労災訴訟の控訴審、1回の弁論で結審』を参照)。



http://www.m3.com/news/general/364959
「増量規定で副作用」 認知症薬の適量処方訴え
2015年10月9日 (金)配信 共同通信社

 高齢者医療に携わる医師らがつくった「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(兵庫県尼崎市)の代表理事、長尾和宏(ながお・かずひろ)・長尾クリニック院長が8日、厚生労働省で記者会見し「個人差を考慮しない増量規定で副作用が起きている」と処方規定の改定を求めた。

 代表的な抗認知症薬「アリセプト」(一般名ドネペジル)の添付文書では、1日3ミリグラムから開始し、5~10ミリグラムに増量することとされている。一定の減量は認められるが、規定通りの投与では、興奮、歩行障害、怒りっぽくなるなどの副作用が多くの患者で出ているという。

 患者の様子を見ながら1~1・5ミリグラムの少量を使用する医師もいるが、レセプト(診療報酬明細書)の審査で認められないケースが報告された。

 長尾さんは「増量規定は介護現場の負担にもなっている。日本の認知症医療を考え直すきっかけにしたい」と訴えた。

 同会は9月11日に設立。副作用症例などの実態調査をして提言をまとめる方針で、11月23日には、東京都内で設立総会を開く。



http://www.m3.com/news/iryoishin/365066
The Voice(医療)
救急医の本音 医師の責任感

中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)
2015年10月9日 (金)配信 m3.com

 産経新聞記事です。救急現場に「末期」「看取り」増加 本来の患者搬送破綻の恐れ(http://www.sankei.com/life/news/151001/lif1510010013-n2.html)

 まさに東京ERの要、都立墨東病院の先生が本音を話してくれています。

 「理想は、要請を100%受けること。だが今は、救うべき命を救うために依頼を選別しようという心持ちになっている」

 似たようなことがありました。かかりつけ医がおなかが痛いと言う100歳オーバーの患者からの問い合わせに対し、救急車で病院に行けと指示。来院し生命等の危険性はあまりありませんがそのまま入院。在宅診療の道すじを入院しながらおこないました。

 急性期病院に来てしまうと、いわゆる“安全"のため返せません。大丈夫と思っても超高齢者は何がおきるかわかりません。急性期病院に入院させることは精神的症状悪化のリスクなのですが、それこそ前回書きました医療事故調の問題になってしまいます。(医療事故調 医師法21条との関連)だからいわゆる急性期病院の適応でない患者さんはかかりつけの先生が本来家での生活を基本にマネージして欲しいのです。

 在宅医療業界を改善させようとしている方の投稿です。一部編集します。

 「医療サービスの偏在解消と患者側のリテラシーに切り込まなければ、いくら急性期病院を増やしたって問題は解決しない。
(中略)
一人の医師が365日×24時間、オンコールを持ち続けるのはとても大変なこと。私も5年半一人で体験してみたが、心身ともに疲弊し、過労死を覚悟した瞬間もあった。
医師個人の犠牲が前提の地域医療に持続可能性はない。
(中略)
各クリニックが縄張り意識を捨てて、地域ごとに機能的な役割分担を進めていかなければならないと思う。」

 在宅のクリニックを越えたチームをつくろう。そうすることで医師の負担を分担し、その結果患者さんのためだけではなく、救急などの急性期病院も改善させることを提案し、新たなビジネスモデルを提唱されています。

 医師が金儲けしようとすれば、楽に儲けようとするのは当たり前です。自分が診て手間をかけるより、救急適応の患者でなくても救急に送った方が自分にとって得です。はっきりいうと、この患者さんを進んで診させていただこうというインセンティブがなければ、開業の先生は過労死を覚悟する“しんどい”医療はやりません。

 それでも大部分の医師は無理をしてでも患者を助けようと思っています。川越救急クリニックもまさにそうです。このような真面目な先生達を助けていけるように、そして結果患者さんを助けるために政治は何をできるのか。私のテーマです。

 最近FBで医療に真面目な先生と友達になりました。その先生今のがんや在宅医療業界に対し、御自身が経験したお金を儲けるために患者をだます悪徳医師を例示し、今の医療に正論を放つ40台のバリバリの先生です。方向性は似ているのですが方法論は私と少し異なります。ともに医療の問題点を広報していければと思っています。

※本記事は、2015年10月4日の『中村ゆきつぐのブログ』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したもので



http://blogos.com/article/138270/
“リスクを言うならまずここから見直せ  あまりにお粗末自衛隊の医療体制” 民間の厳しい意見に拍手!
中村ゆきつぐ
「WiLL」11月号の記事。都立広尾病院院長 佐々木勝氏の寄稿です。
2015年10月09日 07:00  BLOGOS

いや読んでいて本当爽快でした。記事に対するブログも反響を呼び、また清谷さんもそのブログを引用しながらしっかり分析された記事を書かれています。(防衛省の検討会の座長も怒る、お粗末な自衛隊の医療体制)

私は「腰抜け」と記事内で表された元医官として記事を書いてみたいと思います。

「戦傷医療の発展」

記事にもあるように戦傷医療は戦後から70年日本では止まっています。それこそ救急の多発外傷部門がこの戦傷部門に一番近い現代日本医療でしょうか。この分野の最先端の国はイラク戦争を始めしっかりと実戦を繰り返し、研究、進化と言うフィードバックを繰り返している米国です。

戦士の命を大事にする米国。それこそ 海外の任地で負傷した場合、記事にも書かれているように、前線から応急処置後救護所後送、1時間以内に外科処置をおこない、考え得る最善の措置を施しつつ自国内の病院へ4日後以内に搬送可能となります。

思い出してください。米国人がエボラ出血熱に感染した時のことを。彼の国は感染した自国民の命を守るために安全に自国に運び、治すためにありとあらゆる治療をおこないました。働いた国民の命に対しちゃんと責任を果たそうとする国です。

「有事が想定できない」

日本は今まで「有事」を想定することはできてもオープンにすることはタブーとされていました。特に制服を着た自衛官が口に出すことは絶対のタブーでした。それは朝日新聞をはじめとしてすぐにその言質の一部をとりあげ、あることないことで批判されてきた歴史からです。田母神さんの論文なんて佐々木さんのこれと大差ないでしょうに。

それこそイラク派遣の時も被害者がでた時の訓練などはあまりオープンにはできませんでした。非戦闘地域でなぜそんな訓練がひつよう必要なんだと難癖をつけられる恐れがあったからです。今回の安保法案国会審議思い出しましょう。あれだけ自衛隊が危険にさらされていたでしょうと志井さんに突っ込まれていましたよね。(イラク派遣自衛隊員の自殺 ストレスは当然ありますが、それを改善するための建設的議論を)

つまり、「文民統制」が厳しかった当時、想定はしても発することはできないように指導されていた名残りが今も続いているのです。発言しなかった腰抜け「医官」はその命令をしっかり守っていただけです。

とはいえ、最近テレビでも隊員が戦闘行為で生じた怪我に対する救急処置訓練が報道されていました。実際防衛省のHPには想定のPDFが出ています。(コンバットメディカルコントロール)つまり被害者が出るとやっとオープンに表明できるようになったのです。

今回の過激な佐々木先生の座長なんかも、防衛省がやっと本気になった、つまり有事を想定するようになったということだと思っています。もしかすると自民党が呼んだ憲法学者と同じ状況かもしれませんが。

「切迫感なき政府 」

>「確実に負傷者が出ると分っているのにその手当を十分にできない」ことを、知っていながら黙って見過ごすわけにはいきません。

この感覚、医官は医師としてみんな持っています。ただ感覚が強すぎた人間はもうやめてしまっていることも事実ですがw

>「誰かが命を落とすまでは戦傷医療の対策は行なわれない」 という事態になりかねません。

海外派遣を経験した医官達は実はみんなこのことを思っていました。衛生をいかに良くしようと発言しても、法的根拠がありませんと文民統制の官僚から取り上げてもらえませんでした。

今回の法律ができるまで、周りが熟するまでじっと耐えていたというのが実状です。今回の会議に出ていた医官もいままで発することを許されなかった歴史がすこし続いているだけです。

「最悪の事態を想定せよ」

以下の引用すばらしい!
① 使用される兵器も含めた戦闘やテロにかかわる情報を、医学的な側面からアドバイスできるシンクタンクを創設
② 戦闘やテロに特化した医療の体系を作り、安全・安心を提供
③ 日本版NSCに医療担当部署を設置
④ 救命だけではなく、可能な限り身体機能を温存するためのシステムを構築
⑤ 医師個人の力量ではなく、組織を整え、情報も国家安全保障にかかわるものとして管理
⑥ 米国や英国、イスラエルなど実戦経験のある軍と交流し、有事の際は医学的観点を政府要人にアドバイスできる組織を構築
⑦ 本来自衛隊の役割が大であるが、臨床経験が乏しいため、民間の経験者も活用

特に⑦!他国は民間医を活用されています。でもね佐々木先生みたいな医師は少ないですよ。だから防衛医大ができたんですよ!安い給料で来てくれないんですよ。まして救急医!全国足りないでしょう。

>「法律だからできないと断って仲間を見殺しにするか、やって違法だと罰を受けるか」

会議で医官が自分から発しなかったのは、何度も書きますが文民統制の残りです。 戦争は自分達が仕掛けなくてもおきてしまうことはあります。まして災害派遣の時もそうですが、戦傷と似たような外傷、精神障害はおきてしまいます。ただ救急処置は以前書いたように兵士が平時におこなうことは法的に許されていませんでした。仲間を助けて罪が問われることは避けなければいけません。だから法律ができるのを待っていました。やっとです。(訓練は前からしていますが、救命行動は法律で許されていなかった)昔の清谷さんへの反論記事はこの法律制定の流れを止めたくなかったというのも実はありました。(自衛官「国内では銃創や火傷は負わない」との前提 清谷さんのいうことも極端 )

「本来任務を忘れるな」

私を教えてくれた自衛隊の上司は、「災害派遣はLAST IN!FIRST OUT!災害派遣はあくまで添え物。我々は武装集団だ」と。ただし自衛隊医官の平時の生活において、本来任務であるはずのこのような戦傷医療の実戦はあまり現実味を帯びていませんでした。あのチュニジアの医官のように。

>自衛隊は「反対派」を意識するあまり、常に過度なまでに受け身に徹している。

はい。その通りです。そしてやっとそこから脱却できるチャンスです。佐々木先生の指摘する自衛隊病院や防衛医大も今変らなければ意味がありません。

「流れた血を誰が拭くのか」

>「人の命はきちんと面倒をみるべき」

今回の佐々木先生の記事ありがとうございました。さあ防衛省、自衛隊、医官。民間がやっと変ってきました。法律もなんとかできました。これから本当に国民の命を守ると同時に、兵隊の命を守る真の衛生となりましょう!

それでも佐々木先生みたいな国民ばかりではありません。しっかり説明しながら防衛衛生を構築していただけることを今残っている医官達に期待します。



http://blogos.com/article/138262/
医療費40兆円突破の元凶、医療機関へのフリーアクセスを抑制する方法。
- 山浦卓/薬剤師・医学博士
シェアーズカフェ・オンライン2015年10月09日 05:00

■65歳以上の高齢者の一人あたりの国民医療費は、65歳未満と比べて約4倍。

厚生労働省は2015年10月7日、2013年度の国民医療費が前年度比2.2%増の40兆610億円であったことを発表した。
国民医療費、初の40兆円超え=13年度、最高を更新―厚労省

厚生労働省は7日、2013年度に病気やけがの治療で医療機関に支払われた国民医療費(確定値)が、前年度比2.2%増の40兆610億円だったと発表した。

年間の医療費が40兆円を突破するのは初めて。1人当たりでは2.3%増の31万4700円となり、医療費全体、1人当たりとも7年連続で過去最高を更新した。

高齢化の進展や医療技術の高度化などが増加の主な要因。労災や全額自己負担の分を除く14年度の概算医療費(速報値)は39兆9556億円だったが、実際には13年度の段階で40兆円を超えていたことになる。

65歳以上の高齢者の国民医療費は23兆1112億円となり、全体に占める割合は57.7%(前年度56.3%)に拡大した。1人当たりでは72万4500円。これに対し65歳未満は17万7700円にとどまっており、約4倍の開きがある。
2015/10/07 時事通信社
この記事の文末から、高齢者の医療費が突出していることが分かる。その理由は後述する「医療機関へのフリーアクセス」であると自分は考えている。

■国家予算と社会保障費、そして国民医療費。

朝日新聞デジタルが公表しているデータによると2013年度の国家予算は92兆6115億円、このうち社会保障費に充てた額は29兆1224億円だった。

「税金」、「保険料」、「自己負担金」で賄われる医療費は、診療報酬として医療機関へ、調剤報酬として薬局へ支払われる。ということは、2013年度は保険料と自己負担金を合わせて約11兆円を持ち出した計算になり、非常に大きな金額であることが分かる。

「保険料」については、各保険組合が実質的な財政破綻にかぎりなく近い印象をうける。

かと言って仮に税収を増やすか自己負担額を増やすか、またはその両方を同時に行えたとしても、まるで湯を張った湯船に大きな穴が開いたままで水を注ぎ足すことにしかならず、これだけでは解決できる問題ではない。

■2013年度の調剤報酬は7.2兆円。医療費全体の中で占める割合は約18%。

ところで、同じ10月7日に、薬局の調剤報酬が2016年度予算の焦点になる可能性を示唆する報道もあった。(NHK NEWS WEB 薬局が焦点?! 来年度予算)

医師による薬の過剰投与や、複数の薬を服用する際の副作用や相互作用による事故などを減らす目的で、医師と薬剤師の業務を分ける「医薬分業」という制度を1990年代から国が本格的に推し進めるためにぶら下げた人参が、当初高額で設定した調剤報酬だった。

それが右肩上がりで膨らみ続ける医療費と並行して、2013年度には医療費全体の約18%を占める、年間7.2兆円にまで増加したのだ。

また最近では、全国展開している調剤薬局の一部で調剤報酬の不正請求が発覚し、世間の厳しい耳目が薬局に集まったことと、さらに来年度はちょうど診療報酬・調剤報酬・薬価の改定の年でもあるので、世論を追い風に財務省が調剤報酬の削減を図る動きがあるとの由。

一気に成長を続けてきた調剤薬局だけを狙い撃ちしているかのようにも見えるが、調剤報酬(薬局)だけで医療費全体の18%を占めたという数字は大きいと言わざるを得ない。

しかし予想される調剤報酬削減は、これまで収益の原資をほぼ100%調剤報酬に頼ってきたタイプの薬局にとっては、OTC販売やその他、気軽に立ち寄ってちょっとした健康不安などを相談出来る、薬局が元来持ち合わせていた「街の健康ステーション」としての職能を活かした、調剤報酬以外の原資を確保するための布石となるものと期待している。

■私が考える、3つの医療費抑制策。

話を戻して、とりわけ医療費を含む社会保障費は、今や100兆円に迫ろうとしている国家予算において最も大きなウェイトを占めており、これをいかに圧縮するかはまさに火急の要事だ。

税収の問題もある。各世代における一部負担金の割合の問題もある。しかしやはり医療費を押し上げている一番の原因は「医療機関へのフリーアクセス」、つまり軽度のけがや病気でも安易に受診してしまう患者や、それに応じた無用の診察・投薬をする医療機関や薬局ではないかと自分は考えているのだ。

そこで今回はこの医療機関へのフリーアクセスを抑制するための提案を3つ記してみる。

1. 医療費のプリペイド制。… 高度先進医療など、一部常識の範囲から外れるほどの高額な場合を除いては、病医院や調剤薬局での会計時、かかる医療費の例えば8割程度を一時前払(プリペイド)にする。そして後日、自己負担額との差額を請求させるようにしたらどうか。後から戻ってくるとはいえ、一旦は自分の懐からそこそこの現金を支払うということと、差額を請求する手間の面倒さが安易な受診を控えるよう、精神的な抑止力になるのではないかと思うのだ。

2. 診療報酬・調剤報酬の包括払い方式の推進と、出来高払い方式の縮小。… 医療機関等がどんなにいろいろな検査や薬や注射などの治療を行っても、一日の医療費が定額となるという診療報酬の計算方法のひとつ。現在は特定機能病院など一部でしか採用されていないが欧米では広く普及している。出来高払いは読んで字のごとく。

3. 国民ひとりひとりのセルフメディケーション意識の啓蒙。…これは以前、【蟻の一穴】セルフメディケーションによる医療費抑制は眼前の急務だ。( https://045310.com/blog/self-medication/ )に記した。

少子高齢化が異常なスピードで進む現在、国家財政に対する危機意識が薄い層(患者だけでなく、医師・薬剤師、その他医療従事者も)のフリーアクセスを適度に制御することが出来れば、必ず医療費を抑制するための一里塚になる。

ただしお気付きの通り、今回挙げた3つの提案は上述の大きな穴の空いた湯船の例に当てはめると、どれも「穴を塞いで湯水の垂れ流しを防ぐ作業」だ。

これに対して、より困難(国民の賛同を得難い)と思われるのが「湯水を注ぎ足す方の作業=財源の追加・確保」なのだが、この大事業の一つに相当するのが2017年4月より予定されている消費税の10%への増税である。

公約上、消費税増税の目的が社会保障の財源確保であるという以上は、くれぐれも貴重な財源を他の目的に浪費するような愚行なしに、未来へつながる社会福祉充実の実現を担当各位に強く希望する。

<<参考記事>>

■【蟻の一穴】セルフメディケーションによる医療費抑制は眼前の急務だ。(山浦卓)
https://045310.com/blog/self-medication/
■厚労省「健康な食事マーク」の4月導入を目前に急遽見送り。(山浦卓)
https://045310.com/blog/kenkounasyokuji-mark-enki-kettei/
■コンビニ弁当で健康に?厚労省が来年4月に認証マーク導入という愚。(山浦卓)
http://sharescafe.net/40235965-20140807.html
■厚労省「健康な食事」のあり方に関する検討会の最終報告への3つの懸念。(山浦卓)
http://sharescafe.net/41272120-20141010.html
■医薬品ネット販売の賛否は一旦さておき、現場ではたらく薬剤師が考える他愛もないけど重要な事。(山浦卓)
http://sharescafe.net/34951271-20131119.html

そういえば、医師から処方されたのに正しく服用されず廃棄される医薬品だけでも年間475億円分にもなるという報道もあった。(飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か2015/04/08 朝日デジタル)いかに無駄な受診が多いかを物語っている。

山浦卓 漢方サント薬局 薬剤師 医学博士



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151009_13036.html
<女川原発>近隣施設 避難計画の策定進まず
2015年10月09日金曜日 河北新報

 東北電力女川原発(女川町、石巻市)から30キロ圏の7市町にある医療機関や介護施設のほとんどが、原発事故に備えた患者や入所者の避難計画を策定できていないことが8日、県保険医協会の調査で分かった。
 調査は7月、原発がある女川町、石巻市と周辺の登米、東松島、南三陸、美里、涌谷5市町の医療機関や介護福祉施設113施設(30キロ圏外の施設も含む)に調査票を送付。58.4%に当たる66施設が回答した。
 策定済みは1施設で、予定があるのは13施設(19.7%)、未作成は52施設(78.8%)。未作成の理由は「作成方法が分からない」27施設(51.9%)、「現実的に無理」17施設(32.7%)だった。
 計画作成上の難点(複数回答)は「避難先の確保」が最多の59施設(89.3%)。「避難車両の手配」40施設(60.6%)、「人員配置」38施設(57.6%)などと続いた。
 避難先を既に確保したのは1施設にとどまり、58施設はできていない。避難先をどう確保するかは「県が調整・決定すべき」38施設(57.6%)、「所在の市町が確保」20施設(30.3%)、「自分の施設」6施設(9.1%)だった。
 女川原発の再稼働をめぐっては「反対」30施設(45.5%)、「どちらともいえない」32施設(48.5%)、「賛成」3施設(4.5%)だった。
 協会の杉目博厚副理事長は「東京電力福島第1原発事故を見ても要援護者の避難が困難なのは明らか。県は30キロ圏内自治体に避難計画策定を義務付けるが、責任の所在が曖昧な点が多い」と指摘する。
 井上博之理事長は「仮に廃炉しても、使用済み核燃料がある限り大きな危険が残る。住民の安全を守るため実効性ある計画策定を急ぐべきだ」と述べた。



http://biz-journal.jp/2015/10/post_11892.html
連載  上昌広「絶望の医療 希望の医療」
東京の医療が崩壊の瀬戸際 看護師不足、病院赤字で報酬カット…医療事故増加の懸念

文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授
2015.10.10 Business Journal

 首都圏の医療が崩壊の瀬戸際にある――。

 東京には13もの大学医学部がある。人口あたりの医師数も、徳島や京都と並び全国トップレベルだ。東京の医療が崩壊の瀬戸際にあると言われても、多くの方は実感できないだろう。
 ところが、事態は深刻だ。誰も問題を認識しない間に首都圏の医療崩壊は加速しつつある。最近になって、ようやく一部のメディアが問題を報じるようになった。月刊誌「選択」(9月号/選択出版)は首都圏の私立医科大学の経営危機を報じた。
 同誌によれば、日本医大の場合、2014年度の赤字は158億円。約600億円の有利子負債があるという。総資本を自己資本で割った財務レバレッジは349%と大幅な借金超過で、流動比率(流動資産と流動負債の比)は70%と手元資金も少ない。普通の企業なら「倒産寸前」の状態といっていい。経営が悪化しているのは、日本医大だけではない。神奈川県の聖マリアンナ医大、北里大学も赤字だ。
 また、不祥事が続く東京女子医大は患者が激減しており、補助金も減額される。「選択」では、関係者が分院の身売りを進めていることが紹介されている。
 朝日新聞も、8月24日の朝刊で『病院経営「8%」ショック』という記事を掲載した。この記事の中で、千葉県の亀田総合病院が取り上げられ、最近の経営悪化で職員のボーナスを5-6%カットしたことが紹介されている。

病院経営難の原因

 なぜ最近になって、東京圏の一流病院が経営難に陥ったのだろう。
 直接の原因は昨年の消費税増税だ。病院は医薬品などを仕入れる際に消費税を負担するが、患者に請求できない。つまり、損税が生じる。これは、自動車など輸出企業の置かれた状況とは対照的だ。輸出品は海外での販売時に課税されるため、消費税が免除されている。多くの企業は仕入れなどで消費税を負担しているため、その差額を政府から還付される。前出の朝日新聞記事によれば、湖東京至・元静岡大学教授(税理士)は、大手自動車メーカー5社が14年度に受け取った還付金の総額を約6000億円と推計している。
 もちろん、厚労省も損税問題を認識している。そして、損税を補填するため診療報酬を1.36%引き上げている。しかしながら、これでは足りない。前出の亀田綜合病院でボーナスがカットされたのは、14年度の消費税支払い額が前年度より約4億円増えたためだ。17年春には消費税が10%に上がる。一方、財務省は診療報酬の減額を目指している。今後、診療報酬が増額されるとも考えにくい。このままでは、首都圏の医療はジリ貧だ。
 では、なぜ全国で首都圏の医療機関が真っ先に経営危機を迎えるのだろうか。

 それは、日本の診療報酬が全国一律の公定価格だからだ。診療報酬を抑制し、利幅が薄くなれば、コストが高いところから経営難となる。それは首都圏、特に東京だ。
 病院経営の最大のコストは人件費である。全体の50-60%を占める。特に問題となるのは、看護師の人件費だ。看護師は、病院スタッフでもっとも多い職種だからだ。日本看護協会によると、東京都の看護師の平均年収は523万円。全国平均の473万円より一割ほど高い。病院経営の合理化は人件費の抑制といっても過言ではない。ところが、看護師の給与には大きな国内格差がある(図1)。関東から近畿地方にかけて高く、東北地方や九州・四国・中国地方が安い。

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(図1)看護師の国内の給与格差。「日本看護協会調査研究報告No.80 2008」を元に、近藤優実氏(東京医療保健大)が作成。

 このような格差ができるのは、看護師の数が違うからだ。図2に人口当たりの看護師数と看護師の人件費の関係を示す。

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(図2)都道府県別物価補正後の看護師給与と人口当たりの看護師数。07年度全国物価統計調査、08年日本看護協会調査研究報告、12年衛生行政報告例を用いて、近藤優実氏(東京医療保健大)が作成。


 両者は高度に逆相関し、九州と関東地方の看護師給与には実に20%の差がある。多くの医療機関の利益率は数%程度だ。人件費にこれだけ差があると、競争にならない。東京の看護師の給与は、今後も上昇し続ける。看護師が足りないからだ。14年末現在、東京の人口10万人あたりの就業看護師数は727人で、埼玉・千葉・神奈川・茨城・愛知に次いで少ない。
 首都圏で看護師が不足しているのは、そもそも養成数が少ないからだ。例えば、東京の看護師養成数を西日本並にするには、看護学生の定員を一学年で5000人増員しなければならない。看護師育成のため、さまざまな試みがなされているが、看護師確保のハードルは高い。
 首都圏の大学病院はコスト削減に懸命だ。医師にもしわ寄せがくる。私大医学部の五十代の教授は、「給料は手取りで40万円台」という。
 このようなコスト削減には限界がある。人材に投資しなければ、病院はレベルアップしない。女性医師が増えた昨今、福利厚生が貧弱で、アルバイトに依存する生活を強いれば優秀な人材は集められないし、肝心の診療が疎かになる。アルバイト三昧の無責任体制は医療事故につながる。東京女子医大がたどった道のりだ。

対策

 では、どうすればいいのだろう。
 政府は、早急に診療報酬のあり方を見直すべきだ。全国一律の公定価格を止めなければならない。日本の財政状況を考えれば、首都圏の診療報酬を増額することは難しく、現実的には混合診療規制を緩和するしかない。

 ただ、これは多くの既得権者の反発を買うだろう。医療分野には、いまだに政府による価格統制や量的規制が強く残り、多くの利権が生まれている。先日も日本歯科医師連盟の迂回献金が問題となったが、この献金は診療報酬の優遇を求めたものだ。公定価格の弾力化などの規制緩和を、こうした既得権益層が素直に受け入れるとは考えにくい。成長戦略の第三の矢として、規制緩和を掲げている安倍政権は、果たしてどこまでやるだろうか。
 では、医療現場、特に病院経営者はどうすべきだろうか。
 私は「選択と集中」だと思う。その成功モデルが公益財団法人がん研究会である。05年の有明移転での借金、その後の赤字経営、さらに07年の粉飾決算問題で、存続が危ぶまれた。
 窮地を救ったのは、10年に顧問に就任した神奈川県土屋了介氏(現理事、神奈川県病院機構理事長)、11年から常任理事に就任した石田忠正氏(現JR貨物会長)だ。両者がタッグを組み、改革を断行した。競争優位な外科部門を強化した。手術数が増え、09年の1.4億円の赤字が、12年には32億円の黒字へと転換した。
 都内の急性期病院の多くが「総合病院」だ。競争力のない診療科が不採算部門となっている。その典型が小児科だ。少子化が進んだ都内では小児科は過剰投資になっており、縮小、統合していくしかない。生き残るには、このような診療科をリストラし、競争力がある診療科に集中するしかない。
 もう一つは、成長が期待できる地域との「交流」だ。具体的には東北地方だ。なぜ、東北地方なのか。それはコストが安いからだ。特に看護師の人件費が安い。宮城県ですら、平均年収は479万円だ。青森県にいたっては428万円である。優秀な人材が低コストで雇用できる。

医師の逆流

すでに地盤変動は起こりつつある。内部留保を貯め込んだ東北地医療機関が存在感を示しつつある。郡山市に本拠を置く南東北病院グループは、12年4月に川崎市内に新百合ヶ丘総合病院をオープンした。東北から関東への「逆上陸」だ。
 仙台厚生病院も要注目だ。実現しなかったが、医学部新設に名乗りを挙げた。この病院の利益率は16.5%(12年度)。全国トップだ。数百億円の内部留保があり、関東の大学病院が経営難に陥れば、買収もあり得る。
 一方、東京から東北へという「医師の逆流」も起こりつつある。それは、東北の病院経営者が人材投資に熱心だからだ。
 例えば、南相馬市立総合病院の一年目の研修医の給与は、月額66万2500円だ。都内の私大医学部教授より高い。この病院は多くの優秀な若手医師が集まり、急成長している。

 いわき市のときわ会は、加藤茂明・元東大分生研教授を招き、基礎研究のラボを立ち上げる予定だ。勤務する若手医師が論文を書き、実績を上げることができる。人件費も含め、その費用は数千万円に及ぶだろう。経営難に喘ぐ東京の大学病院ではあり得ない。さらにときわ会は上海の復旦大学やエジンバラ大学との草の根の交流も進んでいる。ときわ会が泌尿器・腎臓疾患に特化し、高収益だからこそできる「攻めの経営」だ。
 マスコミは「福島は風評被害で悲惨。医師不足に喘いでいる」というステレオタイプの報道をすることが多い。ところが実態は必ずしもそうではない。あまり報じられないが、福島でも、一部の病院には全国から医師が集まってきている。
 では、いつから東北の病院が元気になったのだろうか。きっかけは東日本大震災だ。この不幸な出来事を経験し、東京と東北がつながった。この結果、東北の医療は活気づいた。
 問題は東京だ。現在の政策が続く限り、崩壊は時間の問題だ。どうやって生き残るか。地に足の着いた議論が必要である。
(文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授)



http://mainichi.jp/shimen/news/20151010ddm008010142000c.html
社会保障改革案:外来時定額負担を提示 医療費抑制 財務省
毎日新聞 2015年10月10日 東京朝刊

 財務省は9日、2020年度までの財政健全化計画の期間中に実施すべき社会保障制度改革案を固めた。症状が軽い患者の過剰受診を減らすため、かかりつけ医以外の診察を受ける場合、定額の上乗せ負担を求める「外来時定額負担」の導入などを提示した。【宮島寛】

 経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が年末までにまとめる改革工程表に反映させ、必要な法改正を進めたい考え。だが、外来時定額負担は過去にも検討されたが、日本医師会などが「本来必要な受診まで妨げてしまう」と反対し、断念した経緯がある。今回も難航が予想される。

 財務省は9日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会に改革案を提示し、大筋で了承を得た。

 外来時定額負担は、財政難の中、限られた財源を症状が重い患者に振り向けるため、市販薬で対応できるような初期の風邪で受診したり、日常的に複数の医師を受診したりする行為を抑制するもの。医療保険に基づく定率の負担に加え、少額の定額負担を求める。

 負担額は「日常生活で負担できる少額」とし、16年末までに詳細を決定。17年通常国会までに関連法改正案を提出すべきだとした。

 また、毎月の医療費負担に上限を設ける高額療養費制度について、同じ所得でも70歳以上の高齢者は上限が低くなっていることを問題視。16年末までに改革案の詳細を固めるべきだとした。

 介護保険を巡っては原則1割となっている利用者負担の2割への引き上げや、軽度者に対する掃除などの生活援助の原則自己負担化も求める。現役世代並みの所得がある高齢者には、基礎年金のうち国庫負担分(税金で賄われている部分)の給付を停止することも求めた。

 社会保障制度改革案を策定する背景には、高齢化に伴う社会保障費の急増がある。社会保障関係費は1990年度に11・6兆円で歳出全体の17・5%だったが、15年度は31・5兆円に達し、歳出の32・7%を占める。

 このため政府は6月に閣議決定した財政健全化計画に「年金・医療等」の伸びを今後3年で1・5兆円に抑える「目安」を盛り込んだ。改革案はその達成に向けた具体策作りのたたき台となる見通しだ。

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 ◇財務省の社会保障制度改革案

・外来時定額負担の実現に向けた検討開始

・高額療養費制度での高齢者の外来特例措置を廃止

・介護保険の利用者負担を原則1割から2割に引き上げ

・介護保険軽度者の生活援助や福祉用具貸与を原則自己負担化

・市販品類似薬の保険給付見直し

・年金支給開始年齢の更なる引き上げ

・理由なく就労などを拒む生活保護受給者に対し保護停止などを可能に

・マイナンバー活用による金融資産保有状況も踏まえた医療保険、介護保険の負担のあり方を検討

  1. 2015/10/10(土) 07:02:06|
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