Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月20日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150920_13018.html
<検証命の現場>「72時間の自立」へ備え
2015年09月20日日曜日 河北新報

 東日本大震災の経験から数日間の孤立を想定し、災害に備える東北の医療機関が増えている。食料や医薬品といった備蓄を手厚くしたほか、重要な機材などが津波による浸水を避けられるように工夫。入院患者が他の医療機関に容易には移れない事態も考慮し、3日程度は自助で過ごせる「72時間の自立対策」を講じる。

 南浜中央病院(岩沼市)は機械棟を新設し、その屋根に自家発電機を上げた。食料や暖房器具、寝具などは最上階の倉庫に保管。外部との通信手段として、災害時にもつながりやすいアマチュア無線を導入した。
 津波で病棟1階が浸水した仙塩総合病院(多賀城市)も自家発電機を上階に移した。震災後に開院した仙塩利府病院(宮城県利府町)は敷地内に井戸を掘り、非常時の断水に備える。
 被災を免れ、震災翌日から診療を再開したやもと内科クリニック(東松島市)は食料備蓄を当時の3倍に増やし、職員の家族分も確保している。1トンの飲料水タンクも設置した。
 院長の佐藤和生さん(54)は「無線などの機材も、いざというときに使えるよう日ごろから訓練をしておきたい。メンテナンスにはコストが掛かるが、負担する覚悟が必要だ」と強調する。
 大規模災害では、患者を安全に搬送できるまで院内にとどめることが必要になる。その準備の重要性が震災では浮き彫りになった。
 減災・復興支援機構(東京)の木村拓郎理事長は、院内に3日分の食料や医薬品を用意する自立対策を呼び掛ける。
 震災ではカルテが流失。慢性疾患などを抱える患者の診療に支障を来したことから、患者情報の電子化、共有化が叫ばれた。
 宮城県内では県と県医師会、自治体病院の団体などが2011年11月、「みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会」を設立した。患者の処方や投薬歴などの情報を電子化して保存。避難所での診療再開といった場面での活用を目指す。
 協議会には現在、34の医療機関が参加。集まったデータは250万件に上り、最終的には600万件に増やす予定だ。災害に対応した医療情報システムは初めてで、県外の医療関係者が視察に訪れているという。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150920_13020.html
<検証命の現場>孤立の民間病院、支援届かず
2015年09月20日日曜日 河北新

◎震災4年半(5完)医療

<唯一診療続ける>
 東日本大震災で被災した石巻市山下町の斎藤病院。津波の直撃は免れたが、周囲が冠水して孤立した。
 院内は入院・外来患者や職員ら約400人、さらには避難してきた住民であふれた。「陸の孤島に取り残された」(菊池里子看護部長)状態だった。
 食料は患者の3日分しかない。公的な支援は1週間以上なく、職員が水に漬かって買い出しに出向いた。
 薬も足りない。医薬品卸売業者が被災し、不足は2カ月近く続いた。
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)で24時間介護の必要な入院患者もいる。痰(たん)の吸引など電気を使った医療措置は、自家発電機の燃料の残量をにらみながら必要最低限を行った。
 厳しい状況下で、市内の民間病院としては唯一、診療を続けた。かかりつけ病院が被災したり、薬を流されたりした高血圧や糖尿病の患者が次々に訪れた。
 だが、近くの災害拠点病院のような支援は受けられなかった。物資は分配されず災害派遣医療チーム(DMAT)も来ない。行政に物資供給を求めても取り合ってもらえない。職員は孤立感を深めていった。
 「拠点病院以外はなおざりにされた」と理事長の斎藤仁一さん(68)。「大災害で生き残った(民間病院の)医療資源を無駄にしない支援体制を整えてほしい」と訴える。
 震災では岩沼市寺島の南浜中央病院も孤立状態にさらされた。1階が水没し、備蓄食料や医薬品、自家発電機が浸水した。外部との連絡も絶たれた。
 理事長の高階憲之さん(59)は「情報の収集、伝達もできなかった。せめて状況や必要な支援を直接伝える手段があれば…」と振り返る。

<事前の把握大切>
 宮城県は2007年、県内の病院の被災状況を集約する「災害時救急医療情報システム」を稼働させた。医療機関の連携や情報共有が目的だった。
 県によると、震災発生時、加入していた115施設のうち約50施設が被災状況を入力。6割が診療などに「支障あり」と報告した。南浜中央病院のようにパソコンなどが流され、対応できなかったケースも少なくない。
 当時は県職員が応答のなかった施設も含めて巡回したものの、状況の確認や支援には時間がかかった。
 県はシステムを改善。支援が必要な施設を把握できるよう取り組んでいる。
 都道府県が連携して被災地での迅速かつ適切な救護を目指す「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」と結び、医療機関の稼働状況などを共有できるようにした。入力項目には食料や医薬品の備蓄、医療支援のニーズも加えた。
 命を守る現場を、孤立からどう守るか。
 東北大災害科学国際研究所の富田博秋教授(災害精神医学)は「被災の見落としを防ぐため、事前に病院の情報を把握しておくことが大切だ。県や市町村、医師会、各医療機関による複層的な備えが望ましい」と指摘する。(震災取材班)


- - - - - - - - - -


https://www.m3.com/research/polls/result/4?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150920&dcf_doctor=true&mc.l=123275864
結果患者への説明、十分できてる?
カテゴリ: 医療 回答期間: 2015年9月11日 (金)~17日 (木) 回答済み人数: 1276人


 厚生労働省の「2014年受療行動調査」によると、医師からの説明については、外来、入院とも「十分」とした人が9割を超え、病院への満足度も年々増加傾向にありました(『医師の説明「十分」が9割、厚労省調査』を参照)。患者への説明や理解度について、現場の皆様のご意見をお聞きします。
医療従事者の8割が説明「十分」
 患者への説明は医療従事者にとって悩みの一つ。厚生労働省の2014年の「患者調査」では患者の9割が「十分」と感じているとの結果が出ていますが、医療従事者は8割とやや控えめな結果になりました。7割が「理解度」を意識した工夫を行っているとのことで、具体的な方法についてもお聞きしました。
 回答者数は1276人。内訳は開業医204人、勤務医637人、歯科医師5人、看護師10人、薬剤師390人、その他の医療従事者30人。

Q1 患者への説明は十分できているでしょうか?
09201_2015092106203390f.jpg

セグメント  十分できている  ある程度十分  あまり十分でない  十分ではない
       (237人)    (794人)   (217人)     (28人)
開業医      42       125      34         3
勤務医      152      405      72         8
歯科医師     2        3      0         0
看護師      1        7      2         0
薬剤師      35       235      106         14
その他の医療従事者  5     19       3         3
開業医 : 204人 / 勤務医 : 637人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 10人 / 薬剤師 : 390人 / その他の医療従事者 : 30人
※2015年9月17日 (木)時点の結果

 厚労省の「患者調査」では、医師からの説明に対して9割が「十分」と回答。医療従事者に自身の説明の現状を尋ねたところ、全体では「十分できている」「ある程度十分」は計81%だった。薬剤師が計69%で、他の職種より若干低かった。

Q2 患者への説明に十分な時間を取ることはできていますか?
09202_20150921062031e85.jpg

セグメント できている   ある程度できている あまり取ること    取ることができない
      (191人)   (706人)      ができない(338人) (41人)
開業医    33       122         40           9
勤務医   110       373         139          15
歯科医師   2       3          0           0
看護師    1       4          5           0
薬剤師    40       188         147          15
その他の医療従事者 5    16          7           2
開業医 : 204人 / 勤務医 : 637人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 10人 / 薬剤師 : 390人 / その他の医療従事者 : 30人
※2015年9月17日 (木)時点の結果

患者への説明時間、看護師、薬剤師が低め
 医療従事者全体では70%が「できている」「ある程度できている」と回答。医師は約75%だった一方、看護師は50%、薬剤師は58%にとどまった。

Q3 最近、「困る」と思うのはどちらの患者ですか?
09203_20150921062030089.jpg

セグメント ネットなどで理論    「お任せ」の態度で、説明を
      武装する患者 (621人)  聞きたがらない患者 (655人)
開業医   116            88
勤務医   367            270
歯科医師   2             3
看護師    4             6
薬剤師   116            274
その他の医療従事者 16         14
開業医 : 204人 / 勤務医 : 637人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 10人 / 薬剤師 : 390人 / その他の医療従事者 : 30人
※2015年9月17日 (木)時点の結果

医師の6割「理論武装する患者」困る
 困った患者像を尋ねたところ、医療従事者全体では「ネットなどで理論武装する患者」「『お任せ』の態度で、説明を聞きたがらない患者」が半々に分かれた。医師では「ネットなどで理論武装する患者」が57%となり、他の職種より高い傾向にあった。

Q4 患者の「理解度」を意識した工夫を行っていますか?
09204_2015092106202896e.jpg

セグメント 行っている (916人)   行っていない (360人)
開業医   144            60
勤務医   470            167
歯科医師   4            1
看護師    8            2
薬剤師   268            122
その他の医療従事者   22   8
開業医 : 204人 / 勤務医 : 637人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 10人 / 薬剤師 : 390人 / その他の医療従事者 : 30人
※2015年9月17日 (木)時点の結果

7割が理解度を意識した工夫
 医療従事者全体では7割が「理解度」を意識した工夫を行っていると回答した。

Q5 最近始めた工夫の事例があれば、お書きください。

【医師】
・知人の素人さんに説明した時の反応を参考に、たとえ話や言葉遣いを工夫している。
・文書にして渡す。検査結果・経時変化をグラフ化して示す。
・時間がないので、患者さんによってはネット環境があれば病気についてネット検索してもらっています。
・相談士を使う。
・ガイドラインを渡す。
・説明しても、理解されなかったことがあるたびに同意書に追加し、同意書が読み切れないぐらい膨大になった。理解してもらうという考えがそもそも無理。
・3択ぐらいの選択肢を提示し、選択していただく工夫を加えています(^o^)。
・相手の目をよく見るように説明している。こちらの説明が的確であったとしても、冷静さを伴った熱意や愛情(博愛心)が伝わらないと患者は納得しない。つまり情報はいくらでも手に入る時代が到来したことによって、患者と医師の情報格差は縮まった。しかし、医師がこれまで経験や知識を基にどのようなフィロソフィーを培ってきたかが問われる時代になったと痛感する。正しい情報はネットを見ながら、患者と勉強すればいいんです。
・NHKの番組や芸能人の疾患などを例に挙げることがあります。
・Ns.に後で患者がどのくらい理解できているか確認してもらう。
・肥満の方なら毎日体重を計測することからというように、できることからコツコツと説明する工夫をするようにしています。決して「食うな」というような言い方をしないなどがとても大切と思います。
・患者教育のためのNPOを立ち上げた。最近ではなく12年前に立ち上げた。英国のAsthma UKや米国のAsthma Educatorの仕組みを参考にして設立。諸外国は看護師が教育を行っているが、日本の看護協会は患者教育を一切、拒否している 。日本では、看護師は患者のためにと言うよりも自分の生活を守ることが優先で、このNPOに対して支援する気持ちを持つ者はほとんどいない。薬剤師が頑張って支援してくれている。医師は、OECDの統計でも、日本では12万人不足しており、患者教育や説明まで実行している時間は皆無である。説明しても分からない患者が多い。まず、基礎的な知識を学習していただかないと医師の言うことを正しく理解できない人も多いと言う事実を考慮していかないと医師が説明しても無駄になる。

【薬剤師】
・メーカーから提供してもらった指導せんを取り揃えて、過去の服薬指導の状況によって使い分けている。
・介護病棟では、説明より傾聴に時間を割く。
・リリカなど薬の飲み方が増える可能性があり、副作用が先に出やすいものはメーカーのパンフを必ず渡すことと見せながら説明する。
・入院前の申し送りや看護師のバイタルチェックなどに同伴し、同じ情報を同時に聞けるようなタイミングで訪問する機会を作っています。
・「いつもと同じ。変わりない」という患者さんには「先生(医師)は『いいですね』など仰っていましたか?」と質問すると、話を始めてくれる傾向がある気がするので話を聞き出す手段の一つにしている。
・「自分自身も服用経験があり、患者様と同じような副作用に悩まされた」のように共鳴感を抱かせること。
・対面から横に立ってお話をする。構えられることがなく話の展開がスムーズに行くことが多い。
・引いては押す、一点突破全面展開。方言の活用。視点や切り口を変えて相手に入り込む。 ・製薬会社からもらえる資材を充実させ、「見える化」して説明。



http://www.m3.com/news/general/359279?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150920&dcf_doctor=true&mc.l=123275865
X線撮影台から落ち死亡 技師を業過致死容疑で立件へ
2015年9月20日 (日)配信 朝日新聞

 群馬県沼田市で5月、胃のバリウム検査を受けていたパート女性(当時58)が、傾いたX線撮影台から滑り落ちて死亡した。十分な安全措置を取らなかったとして、県警は担当の放射線技師らを業務上過失致死の疑いで立件する方針を固めた。

 女性はブラジル国籍のマスコ・ロザリナ・ケイコさん=沼田市恩田町。5月8日、勤務先の工場に来ていた検診車内の撮影台に乗ってX線撮影中、頭が下向きに傾いた際に滑落。動いた台と内壁の間に頭を挟まれ、動脈損傷による出血性ショックで死亡した。

 県警は、車内の別室で撮影台を操作していた技師が監視モニターでマスコさんの体の動きを十分に確認していなかったため、滑落に気づかず撮影台を水平に戻した、と判断。滑落を防ぐための「肩当て」も設置されていなかったという。

 肩当ては、撮影台の取り扱い説明書で設置を義務づけており、日本消化器がん検診学会のガイドラインでも、設置されているか点検するよう求めている。この技師も所属していた全日本労働福祉協会の事故調査報告書などによると、2008~12年度、撮影台からの滑落事故は全国でほぼ毎年起きている。(伊藤繭莉)



http://mainichi.jp/opinion/news/20150921k0000m070115000c.html
社説:救急車 適正な利用促す工夫を
2015年09月21日 02時32分 毎日新聞 社説

 救急車の出動件数が年々増加を続け、昨年は過去最多の約598万件に上った。10年前と比べると約2割の増加だ。今夏も熱中症で搬送された人が相次いだ。

 だれもが利用できる救急車は、急病人やけが人への迅速な医療を支える大切な社会資源だ。適切な活用を社会全体で推し進めたい。

 救急搬送された人のうち65歳以上の高齢者の割合は、1989年に約23%だったが、2013年には約54%に上昇した。社会の高齢化が救急車の利用を押し上げている。

 救急搬送された人の約半数が入院を必要としない軽症者だった。

 財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は6月、こうした軽症者のデータを示し、「軽症の場合の救急サービスの有料化について検討すべきだ」と財務相に提言した。欧米の一部で有料化している例も挙げた。

 だが、軽症でも救急搬送が不要とは必ずしもいえない。餅をのどに詰まらせた高齢者の手当てが遅れれば命にかかわるが、すぐ病院に運び餅が取れればそのまま帰宅できる。指を切断した場合も、応急処置で縫合すれば入院しないで済む。そうした事例は軽症に数えられるからだ。

 有料化の議論の前に、現状で改善を図るべきことが少なくない。

 たとえば、病院が他の病院に患者を転院させる際に救急車を利用するケースが全国で年間50万件近くに上る。その中には緊急性に欠ける場合が少なくないという。

 地域医療の中核を担う主な病院には、病院用の救急車が備えられている。そうした車両の活用など病院側の意識改革が必要だろう。

 救急車を呼ぶか迷う症状の場合、緊急性を判断する救急相談センターを医師会などと連携して運営している自治体がある。現状では東京都や大阪市、札幌市など一部に限られている。もっと広めたい。

 慢性の病気があったり、要介護だったりする高齢者について、かかりつけ医に相談する体制を整え、地域で把握しておくことも有効だ。救急車に頼るべきか判断がつきやすい。

 「地域包括ケアシステム」と呼ばれるこうした仕組みには、近隣住民が日常的に高齢者を見守るなど協力が必要だ。一部地域で実践されているが、各地で機能すれば救急医療への負担はだいぶ軽減されるだろう。

 タクシー代わりなどの利用も指摘される。東京消防庁管内で1年間に30回以上救急要請した人は100人以上に上る。非常識な利用がやまないようならば対策が必要だ。


  1. 2015/09/21(月) 06:24:30|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<9月21日  | ホーム | 9月19日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する