Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月17日 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201509/543847.html?n_cid=nbpnmo_mled
シリーズ 東北地方の医学部新設
医学部新設で医療崩壊、責任の所在はどこに?
岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏に聞く

2015/9/16 加納亜子=日経メディカル

 東北医科薬科大学(宮城県仙台市)が2016年4月に開学することが8月27日、正式に決定した。同大学はようやく、琉球大学以来の37年ぶりとなる医学部新設の出発点に立ったことになる(参考記事:東北の新医学部、2016年春の開設が正式決定)。

 文部科学省による設置許可は下りたものの、その決定までの流れを批判する声もある。「新設構想の議論が始まった頃から指摘されていた7条件を満たしていないまま、設置認可が下りてしまった。同じ東北地方の医療を支える身として、決定までのプロセスに憤りを感じる」と語気を強めるのは岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏だ。小川氏に、東北医科薬科大の開学決定に対する想いを聞いた。


 3省庁が医学部新設に対する公募を受け付けたときからの懸念が解消されないまま、開学が決まってしまった。未だに地域医療への影響や、医師の地域定着策の確立などについての議論は不十分なままだ。結論ありきで形ばかりの会議が行われ、認可が下りたことは誠に遺憾としか言いようがない。

 そもそも、東北地方における医学部設置に係る構想審査会(構想審査会)では、構想選定時に課された7条件を満たすために東北薬科大が努力したことをある程度認めつつも、様々な懸念が残っていることも指摘しており、それらを払拭するために新たに6つの留意点を示していた。

 だが、その後この6つの留意点に関しては、ほとんど議論されないまま「設置認可申請を行っても差し支えない」と結論が出された。そして、大学設置・学校法人審議会(大学設置審)は教員数や資金運用の見通しなど、外形基準が満たされているかだけを評価し、認可が下りた。

 東北薬科大から参加者として指名を受けた教育運営協議会のメンバー(東北6県の医学部、自治体、医師会)のうち、過半数である12人が「議論が不十分だ」と指摘したにもかかわらずにだ。憤りを感じざるを得ない。

 文科省の構想審査会は「大学設置認可をするのはあくまで大学設置審」と説明し、大学設置審は「地域医療については関知しない。外形基準が満たされていれば認可するしかない」と言う。互いに大学設置認可の責任と、開学後に起こりうる地域医療への影響に対する責任をなすりつけ合っている。

 東北医科薬科大の附属病院は、医学部にしてはあまりに規模が小さい。そのため、大学設置審からは教育に関わる人員に加え、診療のための人員をさらに集めるよう、条件付けがされた。有能な臨床人材を集めなければより良い教育ができないという意図だ。しかし、そうなるとさらに臨床医を追加採用しなければならず、地域医療への影響の懸念が強まってしまう。大学設置審と構想審査会は相容れない考えを示しているのだ。

 構想審査会は、地域医療への影響を考慮し、地域定着に結びつくような修学資金制度を創る立場ではなかったのか。開学した後に地域医療への影響が明らかになったら、誰がどのように責任を取るつもりなのか。

 設置を認可するのであれば、設置に伴い何らかの問題が起きた場合に向け、責任の所在と対処法を開学前に明確にすべきだろう。

 9月中には全国医学部長病院長会議として、文部科学相と厚生労働相、復興相に、文書(質問状もしくは要望書)を提出するつもりだ。そこには、議論が不十分なままに設置認可が下りたことに対し、誠に遺憾であると見解を示した上で、東北医科薬科大の開学後に地域医療に影響を来したり、循環型の修学資金制度が立ちゆかなくなった場合に、誰が責任を取り、どのような対処をするのかのかを問う内容を記したいと考えている。

卒後の医師派遣システムを明示すべき

 行政だけでなく、東北大学や東北薬科大の議論の進め方にも疑問を感じている。東北地方の医療資源は限られている。限られた医療資源の中から新設する医学部の医師や看護師を含む医療スタッフが採用されるのだ。

 教育運営協議会は、東北薬科大学が教員を集める際に地域医療に影響を来さないよう、ルールを設定した。議論の結果、1施設から多くのスタッフを採用しないようにし、東北地方だけではなく全国津々浦々からスタッフを集めようといった内容を定めていた。

 にもかかわらず、採用決定後に候補者リストを見てみると、東北大から183人中64人と約3分の1もの教員が採用されていたことが分かった。加えて、126人と全体の3分の2が宮城県から採用されていた。宮城県から採用されたスタッフのほとんどは、元を正せば東北大の出身者だろう。

 こうした点を指摘しても、「海外で留学していたスタッフだから」、「大学院生だから」という理由で、地域医療への影響はないと判断され、採用されていた。

 通常であれば、医局に留学や大学院からスタッフが1人戻ってくれば、マンパワーが1人増える分、地域医療を担うために医師を1人派遣する仕組みを取っている。このように医師の勤務先が決まることを考えると、近未来、東北大学の地域医療支援機能は低下し、地域医療に影響を来すのは必至だ。

 いくら採用時に「後任を確保できる」「地域医療への影響がない」などと説明しても、開学から数年後に地域医療への影響が顕在化する可能性はゼロではない。顕在化してから対処をしてもその頃には地域医療は崩壊してしまっている。

 地域医療の崩壊を防ぐためにも、例えば東北薬科大と東北大に医師を地域に派遣し続ける仕組みを導入し、厚労省、文科省、復興庁が公の文書としてそれを指示するといった取り組みが必要だろう。

 その上で、万が一にでも、東北大からの医師派遣ができなくなったといった事態が起きないよう、頻繁に運営協議会も開催し、地域医療への影響をしっかりと検証することも欠かせない。

宮城県への一極集中をいかに避けるか

 今回、東北医科薬科大の入学定員の内訳は、修学資金枠が55人、一般枠が45人となっている。修学資金枠の人数が適切かどうかも疑問に感じている。

 そもそも修学金枠55人のうち、宮城県だけで30人の枠がある。それだけでも宮城県への医師の一極集中が加速し、新たな地域偏在が生じる懸念が生じる。

 現在示されている循環型の修学資金制度の仕組みでは、開学から10年経つと義務年限を履行する学生・医師は30人×10年間で計300人となる。

 だが、仙台市以外となると、10診療科以上かつ100床以上の病床数を持つ医療機関は宮城県内には16施設しかない。これらの病院で300人の学生・医師の受け入れは困難だ。仮に受け入れられる医療機関が30施設あったとしても、1病院当たり10人ずつとなる。仙台市以外で全てを引き受けるのは現実的ではない。

 地域医療を担う診療所が受け入れるといっても、そもそも医学生や研修医を受入られる診療所がどのくらいあるかは未知数だし、こうした診療所で受け入れられるのはせいぜい1~2人だろう。

 このように卒後の受け入れ先を考慮すると、今のままではどうやっても仙台市への集中は避けられない。しっかりシミュレーションをして、一極集中を避ける方法を考案した上で修学資金制度をつくらなければならないはずだ。

 加えて、修学資金枠を設ける上で、一定の学力レベルを保つには、ある程度の倍率を維持しなければならない。しかし、現時点でも市町村や県が実施している修学資金制度の利用枠には全国から応募を受け付けているにもかかわらず、空きがある状態だ(参考記事:東北薬科大、地域定着策の説得ならず)。

 そう考えると、将来的にこの定員枠に空きが生じる可能性がある。定員数が充足しなかった場合でも、その枠数を一般枠に振り分けられないことをルールとして明文化すべきと考える。地域定着策を目的とした医学部設置の趣旨に反するからだ。こうした旨も全国医学部長病院長会議として3省庁に要望していきたいと考えている。

東北の地域医療を守るために
 多くの懸念はあるものの、結果的に地域医療に影響を及ぼさず、医師や看護師が十分に確保できるのであれば問題はない。しかし、これが担保できない可能性が高いことが問題である。

 岩手医大は地域医療の貧困を憂いて設立された大学だ。地域医療を支える大学として120年の歴史を築いてきた。そういう意味では、東北医科薬科大の設置の目的と似ている。

 東北地方にある大学として、また、長年地域医療を守ってきた大学として東北地方の地域医療が良くなることが最大の目的であり、アドバイスを求められれば協力する用意はある。

 ただし、8月19日に示した日本医師会と全国医学部長病院長会議の提言にあるように、今や新たな医学部が必要な時代ではない。将来的に言えば、国民が求める医師数を育成するには4000人程度の養成数で足りてしまう。全国80大学が存続すると考えると、1大学当たりの定員数は50人程度でよいのだ。今後、人口動態にあわせて、医学部の定員数は減らす方向に舵が切られるだろう。(参考記事:医学部新設「反対」で日医が繰り出した奥の手)

 こうした状況下での開学であることを認識して、東北医科薬科大には新たな社会問題を顕在化させることなく、より良い医師の養成に務めていただきたいと考えている。



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http://apital.asahi.com/article/news/2015091700021.html
1歳死亡、名古屋大に賠償命令 名古屋地裁
2015年9月17日 朝日新聞

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市)で長男(当時1)が死亡したのは医師らの過失だとして、中国籍の両親が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、名古屋地裁であった。朝日貴浩裁判長は原告の訴えを一部認め、大学に500万円の支払いを命じた。

 判決などによると、長男は2008年1月に同病院で生まれた際、のどの軟骨が未発達で呼吸困難を起こす「喉頭(こうとう)軟化症」と診断された。その後、症状が悪化し、09年7月に合併症の手術を受けた後、死亡した。

 判決は、手術による死亡の危険性を病院が事前に説明していなかった点は認めたものの、治療や術後管理で病院の過失は認められないと結論づけた。

(朝日新聞 2015年9月17日掲載)



http://jp.ibtimes.com/articles/1578476
米国の研修医、アプリを使用して高給を得るために病院と戦う
加藤仁美
2015年9月17日 09時59分 更新 IBTimes

プライマリ・ケア医、つまり、すべての疾病の1次医療・予防医療を行う一般的な個人開業医になる夢を実現するために歩んでいるネイサン・キング(Nathan King)さんは、駐車場にあまりにも多額の料金を支払ったことに気づいた。29歳のキングさんは米カリフォルニア大学で内科を学び、研修医として専門医学実習期間(医学生がインターンを終えた後に病院で実習する)3年目を終えたところだ。カリフォルニア大学アーバイン・メディカルセンターで多くの時間を過ごしている。

病院は研修医に毎月101ドル(約1万2,000円)の駐車パスを提供しているが、キングさんは患者の診察が忙しくて駐車場を見つける時間もないため、患者を診察する日には1日12ドル(約1,450円)というかなり高額な来訪者用料金を支払っている。厳密に言うと彼は年間5万5,807ドル(約670万円)を稼いでいる。

「これでは、やっていけない」とキングさんは述べた。

昨年、高額の駐車料金を避けるために自転車通勤を始めた。増加する生活費と医療研修費とのバランスをとるためにキングさんは苦労しているが、これはほんの一例でしかない。キングさんには、仕事を持たない妻と、育ち盛りの2歳の娘と3か月の息子がいる。

「医療研修医の訓練のために作られた場所は、実際の生活の場所ではない」とキングさんは語った。「家族を持っているため、多くのノルマに追われている」と加えた。

医療研修を終了するとキングさんは手厚い報酬を得る。米国での平均的な家族医の年収は約17万6,000ドル(約2,100万円)である。しかしそこに至る前に、学生ローンが家族のための支出と合わさってロサンゼルスでの高コストの生活費が財政難と戦う羽目になる。キングさんは医療研修プログラム(レジデンシー・プログラム)にはもっと補助が必要だと思っている。

キングさんだけではない。最近、医学生や研修医が増加したため、医療研修を実習するプロセスに透明性を導入する方法が模索されている。研修医の多くが、研修する病院で、より良い待遇を得られるように力を合わせている。一方、受け入れ側の病院は、年間数百人の研修医を訓練するために政府から数百万ドルを得ている。批評家らは不明瞭で誤った指導であると指摘している。キングさんのような研修医はこれらの補助金をもっと研修医に回して欲しいと求めている。

大学の友人は、ハイテク企業に入社したり、従業員に無料送迎、無料ビール、敷地内のドライクリーニングを提供するスタートアップ企業に入社しているなかで、キングさんのような研修医は病院で様々な専門用語を使って指示しながらあくせく働いている。他の場所で働く同僚とは異なり、多くの研修医は、16時間のシフトで働くプログラムを求められたとしても、病院から30分以内に居住するように求められたとしても、給与の交渉はできない。特別なプログラムに訓練をゆだねた後は、雇用の全容を知ることすらできないことも多い。

「研修医のトレーニングのあらゆる側面に関して管理やコントロールは殆どできない」と米ワシントン州シアトル、ワシントン大学で救急医療の研修医になって1年目のアレックス・パルスト・コレンバーグ(Alex Pulst-Korenberg)さんは述べた。「どの町に行くのかわからない、給料がいくらになるのかわからない、手当てはいくらになるのかもわからない。誰か他の人が契約にサインして自分では交渉できないというのは、世の中の他の業界では考えられない」と加えた。

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米国の医師と外科医の州ごとの給与 GRAPHIQ

■かみ合わない

15日、医学生は、来年開始されるナショナル・レジデント・マッチング・プログラム(National Resident Matching Program)の最初の願書を提出した。マッチングプログラムの選択プロセスは次のように行われる。

National Residency Matching Program(NRMP)は1952年に設立された非営利組織で、米国の医学部卒業生を対象に研修プログラムとのマッチングを行っている。研修希望者はNRMPに登録する。登録の条件として、マッチングの結果で研修先が決まった場合は必ずその相手と研修契約を結ぶなどの規約がある。学生の研修希望者は期限日までに、希望する研修プログラムについて希望順位表を作成しNRMPへ送る。研修施設側も同様に採用希望の研修者について希望順位表を作成しNRMPへ送る。

プログラムディレクターが学生をランク付けして、学生とプログラムの「割り振り」が調整される。すべての学生は同じ日に、どこで研修をするのかを知らされる(次の「マッチング・デー」は2016年3月18日金曜日である)。学生の多くが、自分の将来が、このような高圧的て混沌としたプロセスを経た特定の操作によって決められると感じている。

「マッチング・デーに封筒を開けて、今後5年間、キャリアを積むためにどこの研修現場へ行くのか告げられる」と米フィラデルフィアのトーマス・ジェファーソン大学病院の頭頸部外科で3年目の研修医であるアクシャイ・サナン(Akshay Sanan)さんは語った。「これは、非常にストレスが高いプロセスである」と説明した。

高額でもある。平均的な医学生は出願に約6,000ドル(約72万円)を支払う。第一プログラムでの面接で約18万ドル(約2,200万円)を苦労して支払う。サナンさんは、特に競争率の高い専攻であるため、決定するまでに約50近くのプログラムに出願して20以上のキャンパスを訪問した。

しかし、大学を選ぶのと同じように、訪問している間は、どのプログラムが実際すぐれているのか知るのは難しい。より良く理解するために、多くの医学生は叫び声をあげる。Doximityは2010年11月に設立された医師(医学生含む)専用のソーシャルネットワークで、創業わずか1年で50万人の登録会員を集めるという急成長を遂げ、全米の注目を集めた。Doximityは医師が彼らの研修医を容易にランク付けしやすくし、どのプログラムが研修医の専門性に一番適しているのか決めやすくする。4万人近くのレビュアーがレビューを投稿し、プログラムのスケジュールの柔軟性や労働時間に関して5つ星のシステムを介してランク付けした。

「研修医にとって人生を憂鬱にするのは些細なことである。どれぐらい電話に出なければならないのか、必要なときに休暇が取れるのかといったことだ」とDoximity共同創設者のネイト・グロス(Nate Gross)博士は言う。

また、出願者は、各機関で研修医の誰が審査試験を合格したのかなどの情報を知ることができる。グロス博士はこれらの情報を得ることは驚くほど難しく、麻酔学などのいくつかの専門分野については依然として情報は得られないと言う。Doximityが作られる以前は、研修医のプログラムについて質的、量的情報センターはなかった。昨年、米国の医学生の75%が検索のためにDoximityを使用したとDoximity関係者は述べている。

アブヒ・アガルワル(Abhi Aggarwal)さんはワシントンD.Cのジョージワシントン大学医学部で4年間を過ごした。最近アガルワルさんは放射線診断プログラムを見つけるためにDoximityにログオンした。いくつかの「安全な学校」だけでなく、より多くの競争力のあるプログラムを含んだ詳細レポートによるランキングを作成するためにである。アガルワルさんのクラスの140人の学生のうち、少なくとも90人が選択肢の検索のためにDoximityを利用していると推定される。

アガルワルさんは25歳で60のプログラムに出願する計画で、出願料として約1,500ドル(約18万円)を、プログラムに参加するための旅費として最高1万ドル(約120万円)を予定していた。アガルワルさんは、4年間の大学の学生と、4年間の医学の研修期間で学生負債を抱えた後、最終的に、いくらかお金を稼げるようになれば安心できると述べた。

「問題は、8年間の投資をした後に、私に実際には何も選択肢がないかもしれないということだ」とアガルワルさんは述べた。「実際にはドロップアウトすることが選択肢だ。私の思うところでは、他に何かをしないと絶対に私の投資に良い結果が出ることはないかもしれない」と話した。

Doximityは医師、研修医、医学生のためのオンラインソーシャルネットワーキングツールである。その人気の特長の1つは、元研修医たちによるプログラムのレビューを見ることができるというものだ。

■権利のための交渉

夢を実現して給料を得られるようになった後も、多くの研修医は、まだ希望額より少ない状況であることに気付く。ある病院の研修医は、給与、手当て、労働条件に関する問題に対処するために団体交渉を行って、いくつかの進展があった。

「研修医の最優先項目は教育や訓練なのだから、決定を下す際に全体の利益を優先しないというのは健全なことであるが、決定は研修医の人生に大きな影響を与える」とパルスト・コレンバーグさんは述べた。

年初に、ニューヨーク市の研修医に1,000ドル(約12万円)のボーナスが支給された。米ニュージャージー州ラトガース大学の研修医は、一回の夜勤またはシフト拡張に対して病院のカフェの20ドル(約2,400円)の食事券が支給され、本やテクノロジーの購入に使える年間奨学金が50ドル(約6,000円)増加された。ワシントン大学の研修医は、現在の給料の約40%増と育児費用として年間5,000ドル(約60万円)の支給を交渉している。

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ワシントン大学研修医の現在の給与と要求給与額 ワシントン大学

カリフォルニア大学アーバイン校(UC-Irvine)でキングさんは、医療研修医と同校初の労働契約を結ぶように求めている仲間のグループをリードしている。キングさんは、米国最大の研修医のための労働組合であるコミィティ・オブ・インターネット・アンド・レジデント(CIR)とともに活動している。このグループには、カリフォルニア、フロリダ、ニューヨーク、マサチューセッツ州を含む6州の約1万2,000人のメンバーが参加している。

「毎年、インターンや研修医やその仲間がCIRに殺到するが、彼らは病院で働く最も若い仲間である。でも親権者もCIRには多い」とCIR代表のヘマント・シンドゥー(Hemant Sindhu)博士は語る。「トーテムポールの一番下の人が、患者の安全性や自身の擁護に関する問題について意見を述べるのは非常に難しい」と加えた。

アーバイン校の交渉は14か月間に及んで長引いている。労使関係のディレクターであるサミュエル・ストラファシー(Samuel Strafaci)さんは、これは、学校の多くの研修医プログラムによって「てんでんバラバラ」に様々な利益のリストが作りあげられていることによるものであると言う。しかしストラファシーさんは、おそらく、早ければ次の会合が開かれる9月29日には議論がまとまるのではないかと期待する。

多くの問題はすでに解決されているが、5,000ドル(約60万円)年の住宅給付金はまだ合意に達していない。キングさんのプログラムは呼び出しを受けたときに迅速に対応できるように、カリフォルニア大学アーバイン校医療センターから30分以内の地域に住むことを要求している。しかしカリフォルニア州オレンジ・カウンティ一帯の1月あたりの平均家賃は1,807ドル(約22万円)である。

ストラファシーさんは、アーバイン校の700人の研修医に奨学金を提供すると、年間約350万ドル(約4億2,000万円)のコストがかかると述べた。代わりに、当局は、契約更新で新しい奨学金を再交渉するよりも補助金支給の住宅の提供を推進すべきだ。

キングさんは切り詰めや無料駐車場についてより、自転車にこだわる必要がある。

「従業員のための費用負担や無料の駐車場はない」とストラファシーさんは述べている。「私たちの立場があり、障害の一つである」と加えた。

キングさんは新しい医療研修生に応募するのは難しいとも言う。研修医は他の職場に比べて基本的に不利な立場であるとキングさんは言う。その理由は、労働移動率が高く、研修生はプログラム指揮者や病院当局に管理をゆだねる強い動機があるためとしている。

「キャリアは研修医となることから始まる」とキングさんは述べた。「5,000ドル(約60万円)の住宅奨学金のためだけに自分のキャリアを危険にさらせるだろうか? 多くの人々にとってそれほどの価値はない」と加えた。

■患者のために前例を作る

研修医の労働条件を改善することは、患者を支援することでもあると、研修医らは主張している。

多くの研修医が病院の設備購入や、重要だと思われる備品を購入するための資金の確保を病院に依頼し始めている。多くの病院では、これらの資金によって患者の安全への取り組みが発案されて請求され、入院患者が減り、感染を削減することができるとされる。

ニューヨークのブルックリンにあるブルックデール病院では、膀胱を空にする必要はあるが恒久的なカテーテルは必要ない患者に、医師が頻繁にカテーテルを入れる方法を実施していたことに研修医が気付いた。しかし、医師には、処置を行う前に、患者が実際に膀胱を空にする必要があるかどうかを伝える方法がなく、感染のリスクのある患者にもすべてカテーテルを使用していた。そこで研修医は患者のケアファンドを利用して膀胱用スキャナーを購入した。このスキャナーは患者に十分な尿が溜まったかを知らせるもので処置にメリットを与えた。

カリフォルニア州ロサンゼルスは研修医に2百万ドル(約2億4,000万円)のファンドを確保しているが、これは南カリフォルニア大学医療センターとハーバーUCLA医療センターと共に米国で最も古くて最も大きいファンドの1つである。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研修医は、5万ドル(約600万円)のファンドにカリフォルニア大学サンフランシスコ校メディカルセンターを通してアクセスし、10万ドル(約1,200万円)のファンドにサンフランシスコ総合病院を通してアクセスする。これによって、小児患者にプレイステーションを購入し、妊婦に無料タクシー券が配られた。

これらのプログラムを拡大することで、病院に戻ってくる患者を減らす可能性があり、手術から回復するように子供たちの気持ちを後押しすることになり、米国中の病院の研修医の状況を改善することは患者にとっても最善の利益になる。

Doximityは医学生、研修医、医師以外は使用禁止だが、選択プロセスに透明性が加わることで、より多くの肯定的な結果がもたらされる可能性がある。学生がより多くの情報にアクセスすることで、正しいプログラムを選択しやすくなり、結局は医師にとっても好都合となる。また、ありのままで統計が行われるとき、競争心を高める病院の教育や研修医プログラムは、プログラムの向上に大きく働くかもしれない。

今年、得るところがあったとしても、病院管理と並行して決定を下すために、さらに多くの研修医への補助や支援が依然として必要であるとCIRのシンドゥー博士は述べて、これは貴重な労働力への訓練であると指摘した。

アーバイン校に話を戻すが、キングさんには2人の弟がいて一旦は医者になろうかと考えていたと言う。しかし、弟たちはキングさんの状況を見て2人とも医者ではなくて看護師になることに決めた。

「看護師が素晴らしい点は、すべて労働組合に参加していて、ニーズが非常にうまく擁護されていることである」とキングさんは語った。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文:Amy Nordrum 記者「Medical Residents Use Apps And Activism To Fight Hospitals For Bigger Salaries, Better Benefits」)



http://www.townnews.co.jp/0116/2015/09/17/299789.html
中学生が医師体験 社会
東部病院 看護師向け企画も

鶴見区版 掲載号:2015年9月17日号 タウンニュース

 済生会横浜市東部病院=下末吉=で先ごろ、中学生向けの手術体験企画「ブラックジャックセミナー」(BJ)と、看護学生対象の「オペナースセミナー」が行われた。

 BJは、中学生に医療職を志してほしいと、同院らが企画し今回で7回目。オペは、手術室看護の魅力を知ってもらうことを目的に、5回目の実施となった。

 当日はBJに37人、オペに11人が参加。実際に使用されている器具を手に、模擬手術などを体験した。

 また、BJには今春から医学部に入ったという過去のセミナー参加者がゲストで登場。「参加時の手術器具の感触を思い出して医療の道に決めた」と後輩たちにエールを送っていた。



https://www.m3.com/news/general/358574
医療機関を指導せず 厚労省、北海道や広島で
2015年9月17日 (木)配信 共同通信社

 診療報酬の請求などが適切に実施されるよう、厚生労働省が医療機関を対象に実施する指導状況を会計検査院が調べたところ、北海道や広島など一部地域で病院や診療所など医科の医療機関への指導が適切に行われていなかったことが16日、分かった。

 検査院によると、厚労省の出先機関の厚生局や事務所は、レセプト(診療報酬明細書)1件当たりの平均点数が高い医科や歯科の医療機関、薬局などについて、管内の約8%を選び簡単な面接方式の「集団的個別指導」を実施。問題がある場合などは、より厳しい個別指導や監査もしている。

 しかし、2009~13年度の状況を見たところ、北海道厚生局は道内の医科に対し、中国四国厚生局は広島県内の医科に対し、それぞれ集団的個別指導を全くしていなかった。中国四国厚生局岡山事務所も医科や歯科への指導をほとんどしておらず、同山口事務所も09、10年度の医科に対する実施率が0%だった。

 医師会など医療関係団体などとの調整が十分にできなかったことが原因で、厚労省も事実を把握しながら明確な指示をしていなかったという。



http://www.m3.com/news/general/358573
高齢者の誤飲事故165件 薬の包装シートが最多
2015年9月17日 (木)配信 共同通信社

 消費者庁は16日、65歳以上の高齢者が薬の包装や台所用の漂白剤などを誤って飲んだり、食べたりした事故の情報が2009年9月~今年7月の約6年間で計165件寄せられたとして、注意を呼び掛けた。認知症や判断力が下がった人が、食べ物と思い込んで口に入れるケースも目立ち、うち25人が入院して治療を受けた。

 同庁によると、製品別の内訳では、薬の包装が69件と最も多かった。次いで漂白剤を含む洗剤・洗浄剤26件、部分入れ歯17件、乾燥剤11件、化粧品類7件、塗り薬など内服薬以外の薬6件、ボタン電池やガソリン、防虫剤など「その他」29件。

 薬の包装の誤飲は、1錠ずつ小分けにしたアルミ製などのシートで目立ち、のみ込むと食道や胃腸を傷つけ、重大な傷害を招く恐れがある。

 漂白剤や乾燥剤はペットボトルなど食品用容器に移したものを誤飲した事例が多い。乾燥剤を香辛料と間違えてラーメンにかけて食べて入院した人もいた。

 消費者庁は、家族ら周囲の人が日ごろから注意すべき点として(1)薬の包装シートを1錠ずつに切り離さない(2)食品以外の物を食品用容器に移し替えない(3)高齢者の手が届く所に危険な物を置かない―ことを挙げた。

 誤飲、誤食した高齢者は年代別で「80~84歳」40人、「75~79歳」39人、「65~69歳」26人の順に多かった。



http://www.m3.com/news/iryoishin/342580?portalId=mailmag&mmp=RL150916&mc.l=122753254
県別医師給与、長崎1位、厚労省賃金調査
東京が最下位、全国平均1150万円、推計値

2015年7月24日 (金)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省が毎年実施している2014年の「賃金構造基本統計調査」の都道府県別データを集計した結果、都道府県の医師年収の推計値にはばらつきがあることが明らかになった(調査結果は、厚労省のホームページ)。調査対象者の平均年齢は地域によって差が大きいものの、最も高かったのは、長崎県で約1794万円、最も低かったのは東京都で747万円。全国平均は、40.8歳で1150万円となった。三大都市圏で、トップ10に入ったのは、京都府のみとなった。トップ10の中で、2006年末に10万人当たりの医師数が全国平均を下回っているのは山形県のみとなっている。

 調査は、2014年7月に、無作為抽出された民間事業所を対象に実施。集計対象は、「(医師を含む)10人以上の常用労働者を雇用する」、5万98事業所。医療機関の場合は、国立病院機構と都道府県、市町村立の病院など地方公営企業の運営する病院以外は、国立大学法人や学校法人なども含め、全て対象となっている。都道府県別の医師の調査結果を見ると、平均年齢は24.5歳から52.6歳、集計対象者は2人から1462人とばらついている。

 調査では、2014年6月の賃金と、2013年1年間の賞与を含む特別給与額を聞いている。年収の推計値として、「2014年6月の給与×12カ月分+2013年の特別給与額」を用いた。

 その結果、最も高かったのは、長崎県で1794万円。他に1700万円を超えたのは、熊本県1754万円、高知県1749万円、北海道1730万円。

 一方、最も低かったのは、東京都の747万円。700万円台は他に、石川県751万円、岩手県755万円、広島県759万円となっている。700万円台の都県は、いずれも平均年齢が40歳未満だった。

 超過勤務時間が最も長かったのは、岩手県(76時間)、大阪府(42時間)、鳥取県(40時間)。短かったのは、青森県(0時間)、奈良県と千葉県(ともに1時間)。厚労省賃金福祉統計室の担当者は、「調査で回答する個人の選択は、事業所に委ねられている」としている。

 平均年齢で区分して給与を見ると、結果は以下の通りとなった。

【45歳以上】(10自治体)
1位 熊本県(1754万円)
2位 高知県(1749万円)
3位 鹿児島県(1549万円)

【40歳以上、45歳未満】(18自治体)
1位 長崎県(1794万円)
2位 北海道(1730万円)
3位 和歌山県(1522万円)

【40歳未満】(19自治体)
1位 愛知県(1378万円)
2位 山梨県(1335万円)
3位 滋賀県(1297万円)

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https://www.m3.com/news/iryoishin/358553?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150917&dcf_doctor=true&mc.l=122785470&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 社会保障審議会
次回改定の「基本方針」、11月下旬にも取りまとめ
社保審医療部会、診療報酬改定の限界も露呈

2015年9月17日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)が9月16日に開催され、2016年度診療報酬改定に向けた議論をスタートした(資料は、厚労省のホームページ)。今回も含め、計3回の議論を重ね、11月下旬から12月上旬に、改定の「基本方針」をまとめる予定。

 厚労省は、医療提供体制改革の観点から、「基本方針」の「4つの論点」をたたき台として提示。論点には異論は出なかったが、「基本方針」についての議論自体の進め方、地域医療介護総合確保基金と診療報酬との関係、さらには「4つの論点」は過去の改定とも重なるため、改定が提供体制改革に有効だったのか否かの検証の必要性など、多岐にわたる意見が続出し、診療報酬で医療提供体制の改革を進める限界が露呈した。また「4つの論点」については、高齢化だけではなく、少子化への対策の必要性のほか、救急医療、医療従事者の確保などに重点を置くべきとの意見が出た。

「基本方針」の「4つの論点」のたたき台
* 医療需要の変化への対応(病床機能の分化・連携、在宅医療・地域包括ケアシステムの推進、医療分野におけるICT化の推進)
* 医療従事者の確保(チーム医療の推進、勤務環境の改善)
* 質の高い効率的な医療の提供(救急医療、小児医療および周産期医療の充実、医療安全管理体制の向上、医科歯科連携の推進、後発医薬品の使用促進)
* 医薬品・医療機器の産業振興(質の高い臨床研究・治験の成果の活用、医薬品、医療機器、検査等のイノベーションの推進等)

医療部会と医療保険部会、どちらが優位か

 同改定に向けた議論は、既に9月11日から社保審医療保険部会で始まっている(『次期改定、外来機能分化もテーマに』を参照)。

 議論の進め方について疑問を呈したのは、全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏だ。「医療部会と医療保険部会は同格か。両部会の結論が分かれた場合、両論併記になるのか」と問いかけ、両論併記となった2010年度改定では、医療保険部会の意見の方がより反映されたとし、「医療提供体制の在り方よりも、経済的なことが優先されるのか」と問題視。さらに今回も医療保険部会の議論が先行したことにも疑問を呈した。

 厚労省医政局総務課長の土生栄二氏は、「両部会は同等。医療部会は医療提供体制の制度改革、医療保険部会は医療保険制度改革の視点から議論を進める」と回答し、医療保険部会が先行したのは、委員の日程調整の都合にすぎないとした。

 日本医師会副会長の中川俊男氏も、「基本方針」には各論を入れると収拾がつかなくなるので、「総論にとどめるべき」との考えを示した上で、邊見氏と同様に、今後の議論の進め方を確認。土生課長は、医療保険部会とやり取りしながら議論を進めるとし、両論併記に終わることはあり得るとしつつ、可能な限り、一つの「基本方針」にまとめたいとの意向を示した。

 医療介護総合確保基金と診療報酬との関係を確認したのは、健康保険組合連合会理事の本多伸行氏。基金でも、病床の機能分化・連携や医療従事者の確保など、「4つの論点」と重なる事業が対象となっているからだ。土生課長は、急性期から回復期などへの病床機能転換の施設・設備については基金が手当されるとし、「各機能の必要な看護師等の人員が異なることを踏まえ、転換に当たって妨げとならないような適切な診療報酬設定が必要」との方針を説明したものの、具体的な関係までは踏み込まなかった。

 全国知事会の立場で出席した奈良県知事の荒井正吾氏は、「診療報酬だけでは医療提供体制の改革には不十分であり、他の政策ツールが必要」と述べ、基金なども交えた政策のベストミックスを検討する必要性も指摘した。この点は、厚労省も認め、厚労省大臣官房審議官 (医療介護連携担当)の吉田学氏は、地域包括ケアや医療機能の分化・連携・強化の推進に向け、診療報酬や基金を活用していくものの、「あえて言えば、診療報酬は全国一律であり、プロバイダーへの評価。患者の受療行動の変化を促すには限界があり、診療報酬だけで進めるのは難しく、ポリシーミックスで取り組む必要がある。その中で、診療報酬として何が可能かを議論してもらいたい」と求めた。

 東京大学法学部教授の樋口範雄氏は、2008年度以降の「基本方針」でも、今回の「4つの論点」が盛り込まれていることから、その結果を踏まえ、重点項目に掲げられた改定の結果、医療提供体制にどのような影響があったのか否かの検証を行えば、今後の重点項目が見えてくると指摘した。

 全国町村会の遠藤直幸氏(山形県山辺町長)からは、診療報酬の議論を超えて、医療提供体制の改革を進めるには、マイナンバーとの関係を議論すべきとの意見も出た。複数の医療機関を受診した場合、マイナンバーで統一的にデータを管理すれば、重複投薬などを防止できるとの考えからだ。

2014年医療法改正を踏まえた改定に

 土生課長は、「4つの論点」について、「病床機能の分化・連携が2025年までの最重要課題」と説明。またこれらの論点は、従来の改定とは大差はないが、今年4月からの地域医療構想の策定、医療安全管理体制の向上の関連では、10月からの医慮事故調査制度、さらには臨床研究中核病院の指定など、2014年の医療法改正を受け、諸制度がスタートしており、それに対してどう手当てするかが課題であるとした。

 病床機能の分化・連携について、「地域医療構想の4つの医療機能に合わせた診療報酬にすべき」と求めたのが、本多氏。これに対し、中川氏は「かねてから、リンクすべきではないと言っている」と反論した。「構想区域ごとに医療提供体制は異なるため、全国一律の診療報酬で対応するのは限界がある。あえて言えば、4つのどの医療機能を選択しても、安定した医療提供が担保される報酬が必要」(中川氏)。

「4つの論点」に追加すべき点は「少子化」

 「4つの論点」に追加すべき視点として出たのが、「少子化対策」だ。「診療報酬には結び付けにくいかもしれないが、一番重要なのは少子化対策ではないか。地方創生が政府の課題であり、(少子化が進む)地方の消滅防止が基本方針になる」(邊見氏)、「人口減少の問題が非常に大きい。超高齢社会への対応のみでいいのか。その変化も地域によって大きく異なるので、この視点も踏まえることが必要」(日本病院会副会長の相澤孝夫氏)といった意見だ。

 「調剤医療費についての言及が全くない。医科・歯科・調剤別に見ると、調剤の改定率以上に、調剤医療費が伸びている。特に調剤技術料については、改定の主たる論点にしてもらいたい」と求めたのは、中川氏。これに対し、日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、中医協で改定の結果検証を行っていると指摘した上で、調剤医療費、特にその技術料だけに特化した議論に疑義を呈した。中川氏は、「総合的に全体を見ていく中で、調剤技術料も議論するということ」と返した。調剤の関連では、日本医療法人協会会長の加納繁照氏も、患者の高齢化を踏まえ、医薬分業の在り方を再検討する必要性を指摘した。

 そのほか、連合総合政策局長の花井圭子氏は、「超高齢社会は、疾病構造が変化するだけでなく、“多死社会。また2025年に向けて、診療報酬と介護報酬が同時改定になり、かつ医療計画と介護保険事業計画が6年計画としてそろう2018年が重要」と述べ、これらの視点も盛り込むべきとした。

「4つの論点」の中でも重要なのは救急

 「4つの論点」の中で、特に重視すべき点として意見が出たのは、救急医療の充実と医療従事者の確保だ。加納氏は、地域包括ケアの推進や在宅高齢者の救急対応などには、救急医療の充実が必要であるものの、本来は2次救急で受け入れるべきところが、3次救急で対応している現実があるとし、2次救急を評価する必要性を指摘した。全日本病院協会会長の西澤寛俊氏と相澤氏からは、医療従事者の確保として、チーム医療の推進と勤務環境改善だけでなく、医療従事者そのものの確保対策という視点も加えるべきとの意見が出た。

 そのほか、看護の立場からは、日本看護協会から、(1)機能分化と連携を進めるための退院支援と訪問看護強化の重要性、(2)認知症患者への対応、(3)看護師をはじめ、女性が多い医療職場の勤務環境の改善――などを求める意見が出た。


  1. 2015/09/18(金) 05:30:53|
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