Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月26日 

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=123025
「医療用」薬の誇大広告、監視制度を創設へ
(2015年8月26日 読売新聞)

 高血圧治療薬「ディオバン」を巡る臨床研究データ改ざん事件を受け、厚生労働省は、医療用医薬品の誇大広告を監視する制度を創設する。

 医師の処方箋が必要な医療用医薬品の広告は、一般用医薬品と違い、製薬企業と医療従事者の間で完結していて、行政の監視の目が届きにくい。このため現場の医師らに販売促進活動の実態を報告してもらい、違法行為があれば行政指導などを行う。

 医療機関の医師ら計約20人にモニターを依頼。パンフレットなどの効能や効果などの記述に虚偽や誇大な内容があったり、関連した論文が誤解を招くような形で引用されていたりした場合、同省に報告してもらう。新薬と、各社の競合が激しい生活習慣病薬などが主な対象になる。

 同省は来年度からの実施を目指しており、2016年度予算の概算要求に2200万円を計上した。

 「ディオバン」事件では、薬の効果を大きく見せるため、論文のデータを改ざんするなどし、販売元のノバルティスファーマ社と元社員が、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)で起訴された。



http://pressrelease-zero.jp/archives/80961
日本臨床内科医会のCURASAW®(キュラソウ)チャネルを開設
株式会社ミュートスのプレスリリース
2015年 08月 26日

製薬企業を中心とした企業向けCRM/SFAに特化したシステムの開発及びインターネット関連システムの開発、企画運営、プロモーションサービスを手がける株式会社ミュートス(本社:大阪府大阪市 代表取締役社長:富山慎二 以下、ミュートス)は本日、医療関係者のための医学・医療ニュースキュレーションアプリ「CURASAW®(キュラソウ)」に「日臨内」チャネル(提供元:日本臨床内科医会(東京都千代田区 会長:猿田享男 以下、日臨内))を開設しましたのでお知らせいたします。

■「日臨内」チャネル
CURASAW®では『医学・医療ニュースはこれ一つ』というコンセプトの下、様々な医学・医療の情報を発信する団体・メディアと連携を進めております。
 今後「日臨内」チャネルでは日臨内の調査研究や啓発活動、インフルエンザ研究関連情報、各県での地区催行講演会の予定など、幅広い情報を掲載する予定です。
なお、「日臨内」チャネルは「日本臨床内科医会に加入されている医師が閲覧できる専用チャネル」と「CURASAW®の会員であれば閲覧できるチャネル」の計2チャネルを配信いたします。

■CURASAW®について
CURASAW®は『医学・医療ニュースはこれ一つ』をコンセプトとした医療関係者のためのキュレーションジャーナルです。
CURASAW®は使われるほど、ユーザーの興味・関心を学習して、そのユーザーに最適な情報を個別に配信いたします。移動中や診療の待ち時間などのスキマ時間で医学・医療ニュースのナナメ読みが可能です。

■アプリのダウンロード
iOS版 :App Store
Android版 :Google Play

■日本臨床内科医会について
1985年に第一線の臨床内科医師が集結し結成された会員数約16,000人の全国組織です。内科診療を通じて医療の向上に貢献することを目指して活動しています。

■お問い合わせ先
営業に関するお問い合わせ
Mail) salesg@mythos-jp.com  企画営業部 取締役部長 関 国康
プレスリリースに関する問い合わせ
Mail) info@mythos-jp.com   代表取締役 佐藤 正晴(CEO兼CFO)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150826_23003.html
68歳医師、青森で再出発「地域医療に貢献」
2015年08月26日水曜日 河北新報

 青森県東通村の村立診療所に8月、68歳の医師が着任した。ことし3月まで熊本市の保健所長を務めていた大塚博史さんだ。国の再研修制度に手を上げ、約30年ぶりに臨床医に復帰した。「早く地域の役に立てるようになりたい」と力を込める。
 大塚さんは熊本県出身。1974年に熊本大医学部を卒業後、小児科医として同大付属病院などに勤務した。83年、友人に請われて保健所入り。以来、一貫して保健行政に携わってきた。定年延長を経て、3月に退職した。
 行政に身を置きながらも、臨床への思いは消えなかった。定年退職後、再出発の道を模索する中で国が地域医療振興協会に委託する再研修制度を知り、「臨床に戻れるチャンスがあるなら、やらない手はない」と一念発起した。迷いはなかった。
 全国4カ所の候補の中から東通村を選んだ。包括ケアを導入し、在宅、通院、入院の幅広い患者と接することができる環境が大きかった。「患者と直接触れ合い、訴えに処方する。目の前で結果が出る」。医師の原点に立ち戻り、日々やりがいを感じている。
 診察の現場では所長の川原田恒さん(60)の指導を受けながら、多くの医療関係の電子書籍を詰め込んだタブレット型端末も活用する。「薬の処方や病気への考え方が変わり、戸惑いもある。昔は分厚い本を繰らなければならなかったが、便利になった」
 全国からへき地医療の研修に来ている20~30代の研修医と、同僚として机を並べる。「気兼ねなく一緒に議論してくれる」と話すのは仙台市出身の村中二三枝さん(31)。大塚さんも「若い先生から教えてもらうことも多い。いい刺激になる」と語る。
 大塚さんの任期は1年間。「年齢のこともある。先のことは考えていない。今できることを、少しずつでも広げていきたい」。目の前の地域医療の現場に全力を注ぎ込む考えだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H15_W5A820C1CR0000/
被曝医療に中核拠点 規制委、広島大など5施設
2015/8/26 12:55 日本経済新聞

 原子力規制委員会は26日の定例会合で、原子力発電所で事故が発生した際に、被曝(ひばく)医療の中核となる機関に広島大や長崎大など5つの施設を指定した。従来は放射性物質が広範囲に拡散する事態を想定しておらず、東京電力福島第1原発事故では治療を受けられない患者が多く出た。こうした反省から、被曝医療の体制を強化する。

 新たに指定したのは、地域の医療機関では対応できない高い線量を被曝した症状の重い患者を受け入れる「高度被ばく医療支援センター」と、各地で被曝医療の連携を進める「原子力災害医療・総合支援センター」の対象となる5つの医療機関。

 広島大や長崎大のほか、弘前大(青森県)や福島県立医科大、放射線医学総合研究所(千葉県)を選んだ。放医研は高度被ばく医療支援センターとしての役目だけを果たす。

 原発事故の場合、患者の受け入れは原則として、原発の半径30キロメートル圏内にある21道府県がそれぞれ1~3カ所指定する「原子力災害拠点病院」が対応する。被害が拡大した場合などには今回指定した5つの医療機関が支援して適切な治療が行き届くようにする。

 新たな医療体制は規制委が同日改定した「原子力災害対策指針」に盛り込んだ。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150826-OYT1T50083.html?from=ycont_latest
1錠8万円の肝炎新薬保険適用…治験で全員治癒
2015年08月26日 20時22分 読売新聞

 C型慢性肝炎の治療薬「ハーボニー」(一般名・ソホスブビルとレジパスビルの合剤)について、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は26日、保険適用を承認した。

 9月上旬に発売予定。

 遺伝子型1型の患者を対象とした臨床試験(治験)で、157人全員が治癒する高い効果を示したことから、薬価は1錠(1日分)8万171円とされたが、患者の自己負担は国の助成により、月額で最大2万円に抑えられる見通し。

 ギリアド・サイエンシズ社のハーボニーは、C型肝炎感染者の約7割を占める遺伝子型1型を対象とした飲み薬。治療に必要な12週間の服用で約670万円かかるが、類似薬の半分の治療期間で安全性も高いことなどが評価された。同社は治療対象となる患者を約26万人と推計している。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52014/Default.aspx
中医協総会 C肝薬ハーボニーの高薬価で算定方式に各側から疑義
2015/08/27 03:51 ミクスOnline

中医協総会は8月26日開かれ、新薬10品目の薬価収載について了承したが、C型肝炎治療薬・ハーボニー配合錠(一般名:レジパスビル/ソホスブビル)が高薬価であることをめぐり、診療側・支払側双方から疑義が示された。診療側の中川俊男氏(日本医師会副会長)は、算定根拠となった類似薬効比較方式の「ルールを早急に見直すということを決めてほしい」と求めた。これに対し、厚生労働省保険局医療課の中井清人薬剤管理官は、「次期薬価制度改革の中で検討したい」と述べた。また、市場拡大再算定の見直しも改めて検討する方針も示された。

ハーボニー配合錠の1日薬価は、8万171.30円。同剤は、ダクルインザ錠60mg(1日薬価:9186.00円)とソバルディ錠400mg(6万1799.30円)を比較薬に、類似薬効比較方式Ⅰで算定されている。抗がん剤などと同様、「一定期間の使用が設定されている医薬品」とみなされ、1日薬価ではなく、1クールをベースにすることに算定される。つまり、1クールあたりのハーボニー配合錠の薬価と、ダクルインザ錠とソバルディ錠を足し合わせた薬価を合わせ、これをもとに1日薬価を算定することになる。今回のケースでは、投与期間がダクルインザ錠で24週、ソバルディ錠で12週であることから、投与期間が12週のハーボニー配合錠の1日薬価は結果として、ソバルディの1日薬価に、ダクルインザ錠の1日薬価を2倍にして足し合わせたように見える。

中川委員は、「比較薬としてダクルインザがあるが、投与期間が12週ですむのに倍の薬価がついている。非常に不明瞭な形で薬価がついていることについては、明確な説明責任がある」と厚労省側に説明を要求した。これに対し、厚労省は1982年の「新医薬品の薬価算定に関する懇談会報告書」に根拠があると説明。薬価算定組織の清野精彦委員長は、「決して新しいルールではないが、こうした算定をしているということはご理解いただかないといけない。患者さんが非常に多いと思うので、検討していただきたい」と述べた。

これに対し、中川委員は、「透明性は、非常に高くない。患者さんが待ち望んでいるから早く承認しないといけないという空気を感じる。長い目で見ると、きちんと決めないと禍根を残すと思う」と指摘。1日薬価をベースとした薬価算定ルールへの変更を検討するよう求めた。診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)も、「30年前と同じルールを適合するのは時代遅れ。事務局として早急に案をまとめていただいて、性急に提案いただきたい」と述べた。

収載の見送りも提案されたが、支払側の花井十伍委員は、「次の機会というのを賛同しがたいくらい、患者が待っている。遅らせたという十字架がきつい」と述べ、薬価収載を求めた。厚労省の保険局医療課の宮嵜雅則課長は、「現在適用されているルールで算定している。これを否定することは、薬価に基づくルール算定そのものを否定することになる。いまのルールで算定しているものを変えるということは制度そのものを否定することになる」と再度理解を求め、議論は収束。最終的に薬価収載が承認されることとなった。

高額薬剤であることから、市場の拡大、薬剤費増加の懸念も示されたが、厚労省側は、薬価改定時に市場拡大再算定のルールがあると説明。市場拡大再算定をめぐっては、現行ルールでは、原価計算方式で算定された医薬品で市場が原則2倍以上となった場合に限定されており、ハーボニー配合錠は対象外となる。ただ、薬価算定組織からは類似薬効比較方式まで拡大する見直しも提案されているところ。同日開かれた薬価専門部会では、製薬業界側から市場拡大再算定の見直しに反対する声が圧倒的だったが、薬価算定組織の清野精彦委員長は、「市場拡大再算定については検討していかないといけない。中医協の先生方にもご検討いただきたい」と改めて意見を表明した。

そのほか、同剤のピーク時の予想投与患者数が約1万8000人とされたことについて、規模が小さいのではないかとの指摘もあったが、すでにダクルインザが市場にあること、他剤の上市も予想されることなどから、この推計となったと説明された。


◎日米欧製薬団体 新薬創出加算の継続求める PhRMA、EFPIAは市場拡大再算定の撤廃求める

薬価専門部会は26日開催され、新薬創出加算や先駆導入加算、基礎的な医薬品の安定供給など、次期薬価制度改革に向けた論点について、日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、日本製薬工業協会(製薬協)からヒアリングを行った。


新薬創出加算をめぐっては、日薬連、PhRMA、EFPIAの日米欧3団体が、それぞれの立場から現行ルールでの維持・継続を求めた。日薬連の野木森雅郁氏(アステラス製薬会長)は、後発医薬品(GE)80%を見据え、長期収載品のシェアの大幅な減少すると見通し、「特許期間中の新薬から研究開発原資が確実に確保できる仕組みと新薬評価の拡充が重要」と述べた。PhRMAのトニー・アルバレズ在日執行委員会委員長は、新薬創出加算の導入後にドラッグ・ラグが短縮されたことや、アンメット・メディカルニーズの高い医薬品をはじめとした国内申請品目の増加を示し、「新薬創出加算は真に医療に貢献する新薬の研究開発投資を促進する効果を上げている」と主張した。EFPIAのカーステン ブルン会長は、「日本が魅力的な市場であるためには、イノベーションの評価が大事」と述べた。その上で、現在の試行的導入という状況が不安感を招く可能性を指摘し、新薬創出加算の継続を早期にシグナルとして発信することで、「ますます日本にイノベーション、外国の投資を引きつけることにつながる」と述べた。

これまで新薬創出加算の制度化を求めてきた経緯があり、“継続・維持”へと主張が変化したことについて、日薬連の野木森会長は「わたくしどもの気持ちは制度化していただきたいということには変わりはない。制度化が試行との違いは、将来をちゃんと予測できる。安心材料というのは言い過ぎかもしれないが、そういう要素もある。ただ、そのほかの要望もあり、優先順位から控えめ。今回は少なくとも継続で臨みたい」と述べた。

先駆導入加算については、日薬連が加算要件の見直しと加算率の拡大を要望したほか、EFPIAからは先駆け審査指定制度の品目が確実に加算対象となることへの要望が出された。

市場拡大再算定をめぐっては、PhRMAが「革新的で成功した新薬に対するペナルティにほかならず、強く反対する」と意見表明。「このルールはそもそも撤廃されるべき。少なくとも類似薬効比較方式で算定された医薬品について適用されるべきではないと考える」と主張した。同様に、EFPIAも市場拡大再算定の廃止を求めた。

基礎的医薬品については、日薬連が薬価を維持するルールの導入を要望。基礎的医薬品のイメージを質され、「日常診療で、確実に頻回に使われている薬。処方件数が多いということが非常に大事」との見方を示した。

そのほか、2017年度の消費税増税に伴う薬価改定については、3団体すべてから反対の姿勢が示された。「増税分を一定の調整を加えた上で現行薬価に上乗せした1989年と同様の対応を求める。消費税増税対応という趣旨の範囲内での限定的な薬価対応とする必要がある」(PhRMA)などの意見が出された。



http://apital.asahi.com/article/kiku/2015082500016.html
 これって効きますか?《143》「利益相反」に対する誤解
機能性表示食品制度を知る

大野智 (おおの・さとし)
2015年8月26日 朝日新聞

「利益相反(りえきそうはん)」という言葉を聞いたことがありますか?

初めて聞いたという人が多いかもしれません。医学研究における利益相反については、日本医学会のガイドラインは次のように説明しています。

アカデミアに営利企業の参入が多くなればなるほど、教育・研究という学術機関としての社会的責務と、産学連携活動に伴い生じる個人の利益が衝突・相反する状態が必然的・不可避的に発生する(図参照)。こうした状態が Conflicts of Interest (COI;利益相反と和訳されている)である。

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この説明だけ読むと、もしかすると「利益相反とは、何か悪事を働いていることではないか?」と思ってしまう人がいるかもしれません。

今回は、この「利益相反」について考えてみます。

シリーズでお伝えしている機能性表示食品のガイドラインにも、「利益相反」という言葉が幾度となく登場してきています。代表的な箇所を下記に転載します。

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●「臨床試験に関する査読付き論文」に関する説明 (ガイドライン:27頁目)
 掲載雑誌については、著者等との間に利益相反による問題が生じていないことが重要となる。このため、利益相反による問題が否定できない雑誌への掲載論文を、機能性表示食品の機能性に係る科学的根拠としてはならない。

●「臨床試験に関する一般消費者向けの抄録」に関する説明 (ガイドライン:28頁目)
 対象者の特性(参加者数、性、年齢、健康状態等)、研究デザイン、介入(食品や機能性関与成分の種類、摂取量、介入(摂取)期間等)、対照(プラセボ、何もしない等)、利益相反情報等を記載する。

●「研究レビューに係る基本的な考え方」に関する説明  (ガイドライン:29頁目)
 研究レビューについては、その結果の客観性・透明性を担保するために検索条件や採択・不採択の文献情報等、結果に至るプロセス、スポンサー・共同スポンサー(研究の発案、運営、資金の全て又はいずれかに責任を負う個人、企業、研究機関又はその他の団体)及び利益相反に関する情報、出版バイアスの検討結果について、届出資料中に詳細に記載しなければならない。

●「研究レビューに関する一般消費者向けの抄録」に関する説明 (ガイドライン:34頁目)
 検索日、検索対象期間(いつからいつまでに公表された論文を検索対象としたか)、対象集団の特性(性、年齢、健康状態等)、最終的に評価した論文数、研究デザイン、利益相反情報等を記載する。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - -

改めて、「利益相反」の分類について説明します。
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機能性表示食品ガイドラインでとりあげられている「利益相反」は、狭義の利益相反(「個人としての利益相反」「組織としての利益相反」)になります。特に「個人としての利益相反」については、昨今、良い意味でも悪い意味でも注目されています。

「個人としての利益相反」とは、『自分以外の誰かの利益を優先する義務のある者が、自分の利益を得ること(または、そのように見えること)』を言います。

具体的には、「患者の利益をはかる義務と責任を有する医師が、第三者(製薬企業等)から自分の利益(経済的な利益等)を得ること」などがあります。なお、経済的な利益とは「謝金」「研究費」「株式」「知的所有権」などが該当します。

そもそも、人には、親子関係、夫婦関係などの家族関係から、出身校、勤務先などの組織関係など、無数の利害関係があります。そして、その関係性を善いものにするために、ひとりひとりが全力を尽くして調整をしています。しかし「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」といった利害関係の葛藤が生じる場面に、誰しも遭遇することがあるかと思います。

そのようなことを踏まえ、法的倫理的観点から社会的に重要な関係性を選び出し、必要な範囲で調整のルールを設定することが、利益相反の基本的な考え方になります。

ともすると、利益相反とは「相手に対して組織や個人における責任が果たされていない」という事実を指していると誤解されていることが多いのですが、これは間違った解釈です。

利益相反とは、社会から「相手に対して組織や個人における責任が果たされていないのではないか」という疑念を抱かれる状況を指しています。したがって、適切にマネジメント(開示のルール、制限のルール)をおこなうことで社会への説明責任を十分に果たすことができればよいという考え方です。

医学・医療において利益相反は必ず存在します。ただ、利益相反があること自体が問題なのではなく、利益相反があることで臨床研究や診療における科学性や倫理性が歪められないように、一定のルールを設けて管理する事が大切になってきます。

利益相反の考え方で覚えておいてほしい重要なポイントは次の二つです。

● 不正を取り締まるルールではない
● 利益を得ること自体が不正ではない

しかし、今年の4月には、このような報道もありました。

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「講演会で薬名繰り返す 講師の医師、製薬会社から謝礼」 (朝日新聞2015年4月1日)
http://apital.asahi.com/article/news/2015040100002.html
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まるで、時代劇でよくある「豪商と悪代官の悪巧みを暴いた!」かのような論調です。

しかし、繰り返しになりますが、利益相反の考え方では、利益を得ること自体が不正ではありません。

次回は、機能性表示食品制度で重要な位置づけとなっている「臨床研究(ランダム化比較試験等)」における利益相反と規制のあり方について詳しく解説したいと思います。


大野智 (おおの・さとし)
帝京大学医学部臨床研究医学講座 特任講師/早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構 客員准教授 1971年、静岡県浜松市生まれ。1998年島根医科大学(現島根大学医学部)卒業。腫瘍免疫学、がん免疫療法を主な研究テーマにしているが、補完代替医療や健康食品にも詳しく、厚生労働省『「統合医療」情報発信サイト』の作成に取り組んでいる。帝京大学緩和ケア内科、東京女子医科大学消化器外科などで癌患者の診療に当たっている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348178?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118874850
シリーズ: 私の医歴書◆高久史麿・日本医学会会長
専門医、「標榜」と将来は連動◆Vol.26

2015年8月26日(水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――高久氏は厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の座長を務め、2013年4月に報告書をまとめ、2017年度からの新専門医制度の基礎を作った(『最大の成果は「総合診療医」の創設 - 高久史麿・日本医学会会長に聞く◆Vol.1』などを参照)。
 検討会ではいろいろな議論がありました。専門医とは何かという点では、「スーパードクター」ではなく、「安全で標準的な医療ができる」「患者さんに信頼される」という形で定義しました。医師にとっては、患者さんの信頼を得るために専門医が必要になるでしょうし、専門医を取得するというプライドもあるでしょう。それにやはり、学会に出席して判子だけを押してもらって帰るというのは、やめるべきだと思っています。そうではなく、きちんとトレーニングを受け、勉強した上で資格を取得する制度が必要です。

 今、日本では医師全員が専門医を取得しているわけではありません。アメリカでは、レジデンシーを修了しないと、その科を標榜できない。「標榜の自由」は、専門医制度と関係してくる問題で、いずれ日本も、専門医の資格を持たないと、標榜を出せない時代になってくるかもしれません。その方が、患者さんにとっても、どこを受診すればいいかが分かりやすい。

 ただ、専門医制度については検討課題も多い。まず移行措置。私は内科の認定医制度を作る時に、日本内科学会の理事長をやっていました。その際も、「既に開業されている人はどうするのか」といった議論があり、長年開業されている人は、短期間の講習で認定するという措置で、乗り切りました。今回の専門医制度についても、例えば、今、開業されている先生に対しては、総合診療専門医の講習か何かを受けてもらい、総合診療専門医の看板を出せるようにしたりする。内科では、認定内科医を取得している人が多いと思う。そうした医師を専門医にするとか……。移行措置をあまり厳しくすると、大変じゃないかと思います。

 2年の初期研修、プラス3年の専門医研修。合計で5年間。ただ、専攻医の研修を行う施設が大病院に限られてくるようになれば、中小病院からは、「若い医者が来なくなる」との懸念も出てくるでしょう。大きな病院を中心に、ネットワークを組むなど工夫が必要ですね。

 さらに組織体制の問題もあります。今回の専門医制度改革に当たって、従来の日本専門医制評価・認定機構が改組され、日本専門医機構が発足しました。その社員として基本領域の学会を認めるかどうかで、もめました。しかし、学会の協力がないと、機構だけでは専門医制度は運営できず、結局、学会を社員として認めることになりました。

 新しい専門医制度は、2017年度からスタートします。極めて重要だけれど、難しい問題がたくさんあります。初めからあまり厳しい形で制度で運営すると大変。皆がある程度満足するような形でスタートして、だんだん整えていけばいいと思います。一通り完成するには、やはり10年ぐらいはかかるでしょう。しかし、10年って、あっと言う間に経ってしまうでしょうね。



http://www.m3.com/news/general/351713?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118874851
新薬開発へ患者情報集約、政府が製薬会社に提供
2015年8月26日(水)配信 読売新聞

 政府は来年度、新薬開発に必要な臨床試験(治験)の迅速化を目指し、国内患者の情報集約に乗り出す。

 日本では新薬の承認が海外より遅れる「ドラッグ・ラグ」が問題となっており、一因として、製薬会社が治験患者を探す難しさが指摘されている。政府は、医療拠点を通じ製薬会社に患者情報を速やかに提供することで、新薬実用化までの時間をできるだけ短くしたい考えだ。製薬部門の研究投資を呼び込み、国際競争力を高める狙いもある。

 厚生労働省の構想では、国立がん研究センター(東京都)など国内6か所の国立高度専門医療研究センター(NC)にそれぞれ治験連携事務局を新設し、各NCが全国約440の病院を通じ、患者情報を集める。情報は年齢、性別、病名、治療歴などで、患者本人の同意を得られた場合に限り、提供される。各NCは、希少がんやパーキンソン病など専門領域に応じて蓄積された情報を、製薬会社に伝える。



http://www.m3.com/news/general/351792?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118875062
地域医療の実情学ぶ 静岡県医学修学資金利用の大学生
2015年8月26日(水)配信 静岡新聞

 静岡県は25日、県内で働く医師養成を目的に設立された「ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ」の夏季セミナーを浜松市中区のホテルで開いた。県医学修学研修資金を利用する県内外の医大生49人が県内の医療関係者らと交流し、地域医療の実情を学んだ。

 セミナーには、理事長の川勝平太知事や学長の本庶佑ふじのくに地域医療支援センター理事長らも出席。県立総合病院の小阪謙三産婦人科部長が手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使用した子宮頸(けい)がんの腹腔(ふくくう)鏡手術など最新医療を紹介した。

 昨年度に設立されたバーチャルカレッジは普段、一定期間の県内勤務を条件に返還が免除される研修資金利用者にメールマガジンや動画などで情報を発信している。同日の初の夏季セミナーでは、若手医師のリクルーターや医療関係者が医学生と対面で交流し、本県と縁のない学生に魅力を伝えた。県内の臨床研修病院27病院のブースでは、病院の情報を発信した。

 金沢大医学部1年の男子学生は「最先端治療に携われる可能性が分かり、勤務する意欲が増した」と話した。


  1. 2015/08/27(木) 07:30:42|
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