Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月3日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/345504
公立・大学病院に機能転換期待、社会保障制度改革推進会議
認知症対策で介護レセプト分析の意向も

2015年8月3日(月)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 政府の社会保障制度改革推進会議(議長:清家篤・慶応大学義塾長)が8月3日に開かれ、地域医療構想の推進に向けた取り組みや、6月末に閣議決定された「骨太の方針」などを巡り、議論した(資料は、内閣府のホームページ)。レセプトの分析を通じて2025年に必要な病床数の推計が出たことを踏まえ、認知症の高齢者を念頭に介護や精神病院のレセプトを分析して、必要な体制整備に向けて役立てる意向が示された。また、病床の機能分化については、「隗より始めよ」として、公立病院や大学病院が率先して取り組むように求める声や、医師の平均年齢が70歳以上になっている地域がある点を指摘し、医療者の高齢化に注意を促す声もあった。

「医療関係者は不安」

 始めに、2025年に向けた病床数の推計について、「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」会長代理の松田晋哉氏(産業医科大学医学部教授)が説明(『41道府県で病床削減の試算、患者動態現状通りで』を参照)。病床推計を巡っては、現在の病床数に対して、推計された2025年の病床数が少なくなっており、医療界から「病床削減」との受け止め方が強い。これに対して、慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、地域における必要な病床数の目安が示されたことで「(ネガティブなだけでなく)経営に予見可能性を与えることにもなる」と指摘し、ポジティブな受け止め方もできるとの認識を示した。

 土居氏は病床機能転換の進め方にも言及し、「公的な部門の病院、公立病院と大学病院が政府の方針に従って再編、『隗より始めよ』で進めて、民間病院にも浸透を図ることになるのでは」と指摘した。東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也氏も同様の見解を示した上で、特別交付税の活用などで、機能転換を促進するように求めた。

 経済財政諮問会議の民間議員を務める東京大学大学院経済学研究科教授の伊藤元重氏が、地域医療構想の策定に向けて、「最終的に動く自治体や医療関係者は不安感を持ちながらやっているので、具体的な情報発信を早くやるようにすべき」と述べる場面もあった。

医療者の高齢化に注意喚起

 データ分析については、期待を示す声も出た。三菱総合研究政策・経済研究センター主席研究員の武田洋子氏は、今回、DPC病院のレセプトを中心とした分析によって、地方自治体に医療機能を考えるツールが提供まで至った点を評価した上で、慢性期の医療機能提供整備に向けて、介護レセプトの分析を求めた。松田氏は、介護や精神疾患のレセプトを分析する意向を示し、会議終了後の会見で「精神科は、(今回の分析と)同様の手法でできる。(制度開始時から電子化がある程度進んできた)介護もデータがあれば、ほぼできる状態」と発言。認知症の高齢者などを念頭に、精神科医療の提供体制に向けて、分析が一助になるとの認識を示した。

 松田氏はまた、会議の席上で、現在、医師や看護師の年齢分析にも取り組んでいる点に言及し、「中山間地域で医師の平均年齢が70歳近く、看護師が50歳を超えているようなところがある。(医療提供が今後)無理な状況が出てくる」と指摘し、医療者の高齢化への対応も重要との認識を示した。

介護改革に懸念も

 「骨太の方針」を巡る議論では、社会保障制度改革と合わせて子育て支援や女性の活躍を推進する施策が進んでいる点を踏まえて、議論があった。恵泉女学園大学大学院平和学研究科教授の大日向雅美氏は、地域に全体による介護提供で、女性への負担が増える点を懸念して、「(社会保障改革と女性、子育て支援は)タイムラグがないように勧めないといけない」とした。土居氏は、「(介護の人材不足だけでなく)介護の生産性を向上すれば、家庭で介護の負担を負わないで済むということではないか」と述べた。
 
 終了後の会見で清家氏は、「社会全体での介護」のイメージについて、介護福祉士らの援助や施設の活用を挙げた上で、「家庭を現役で支える人を阻害しないでやるのが、介護の社会化」と指摘。さらに、介護における労働力不足については、生産性向上に加え、「技術開発で日本企業にチャンスも生まれてくる」と述べたほか、担い手として、若い世代だけでなく、比較的元気な高齢者にも期待を示した。



http://news.livedoor.com/article/detail/10422949/
看板にやたらと診療科目を掲げる個人病院は信用できない
2015年8月3日 6時0分 週プレNEWS

7月7日、千葉県内の病院で心臓手術を受けた患者7人が死亡していたという報道があった。

昨年11月に群馬大学医学部附属病院での医療ミスが発覚して以降、あらためて医療への信頼が問われている。

今、私たちは病院や医者を選ぶ上でどんな「ものさし」を持つべきなのか、大崎病院東京ハートセンター副院長の細川丈志(ほそかわ・じょうじ)先生に聞いた。


細川 まず初めに、あえて厳しい言い方をさせてください。医療ミスが明るみに出て問題になるような病院や医師は、得てしてよくない評判が少なからず立っているものです。ですから、「近所にあるから」「大学病院は医者の数も多くて安心」といった理由で受診するのではなく、事前に病院や医師について調べた上で受診するのは自己責任といえるのではないかと思います。自分の身を守るためにまず情報収集をするのは、基本中の基本ではないでしょうか。

―でも、病院や医者の良し悪(あ)しなんて素人でも見分けられるものなんですか?

細川 最近はどの病院もホームページを充実させていますし、どんな医師が所属しているか、どんな治療を行なっているのか、一般の人でも確認できます。また、病院の症例数や医師の紹介を記載した雑誌もたくさん出版されていますから。それらをもとに、悪い病院やヘタな医師に当たらないための情報を得るのはある程度可能だと思います。

■看板にやたらと診療科目を掲げている

細川 まず、初診で近所の個人病院や個人クリニックを選ぶ時、看板に「内科・外科・皮膚科・泌尿器科」といったふうに、医師はひとりなのに複数の診療科目が掲げられている医院は注意したほうがいいかもしれません。実は、標榜(ひょうぼう)科目(病院や診療所などの医療機関が看板や広告に表示してもいい診療科)というのは、医師免許さえあれば個人の裁量で自由にうたっていいんです。

例えば、内科医が「眼科」「皮膚科」などを併せて掲げても問題ありません。しかし、その医師が標榜科目すべてに通じているかといったらそれは怪しい。

―すべての医療技術を身につけているわけではないと?

細川 専門以外の科目は臨床経験に乏しいことも多く、的確な診断ができないケースもあるんです。ほとんどの場合、看板の冒頭(または2番目)に挙げている科目が実際の専門ですが、「とりあえず冒頭に内科を掲げておく」という医院は多いように感じますね。

―それはなぜ?

細川 内科は「頭痛がする」「熱っぽい」といった軽微な症状の患者がまず最初に行くところですし、インフルエンザが流行する時期には予防接種でかかる人も増えますから集客の面ではとても有効です。

逆に、標榜が「神経内科」「循環器内科」といった特定分野の看板のみを掲げているクリニックは、その領域の疾患だけで患者を集める自信があるわけですから、いい腕を持っている可能性が高いと思います。いずれにせよ、事前に「専門科目は?」と聞いてみるのがいいでしょうね。

■「優しい」「親切」などの評判だけで患者が通っている

細川 開業医の評判というのは、どういった要素で決まると思いますか?

―患者の話を熱心に聞いてくれるとか…?

細川 そうですね、特に開業医の場合、「親切だ」とか「優しい」とか、そういった人間性の部分が重視されがちですよね。また、それが評判にもつながっていると思います。

しかし、それだけを名医の判断基準にするのは危険です。患者さんの話を長時間聞くことも場合によっては重要でしょうが、長年携わった領域であれば、わずかな問診と身体所見、簡単な検査だけで的確な判断を下せることのほうが多いはず。それは、何が重要であるかが頭の中で整理されているからにほかなりません。

いたずらに患者の話を長く聞く医師のなかには、それらが整理されていない者もいるのではないでしょうか。

●細川丈志(ほそかわ・じょうじ)

大崎病院東京ハートセンター副院長。心臓カテーテル治療の分野における世界的な権威。Best Doctors in Japan (2008~2009)



http://www.kahoku.co.jp/editorial/20150803_01.html
病床の削減/受け皿整備と併せた計画を
2015年08月03日月曜日 河北新報 社説

 人口に対する病院のベッド(病床)数の割合は、地域でばらつきがある。病床が過剰だと不必要な入院や長期療養の増加につながり、医療費がかさむ要因になっている。
 医療費の適正化を議論している政府の専門調査会が、2025年時点の全国の病床数について、1割以上の削減を求める報告書を公表した。
 25年は団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になる年で、医療や介護需要が今以上に高まると予想される。医療費の担い手である現役世代の減少に歯止めはかかっておらず、このままでは社会保障財政が行き詰まるのは確実。早めの準備が必要だ。
 全国には13年現在、約135万床ある。報告書はこれを15万床減らし、119万程度にするとした。41道府県で病床が過剰になるとし、そのうち27県に2割以上の削減を求めた。東北では宮城こそ1割台の削減だが、他の5県は2割超。山形以外はほぼ3割減という高い目標が示された。
 日本の病院の4割は、看護体制が最も手厚い救急医療対応の病床だ。看護師を多く配置する必要があり、その分、人件費は掛かるが、高い診療報酬が魅力となり、政府の予想を上回るペースで一気に増えた。病状が回復し手厚い看護が不要になった患者でも、そのまま留め置くことで収入増に結び付けられる。
 報告書の削減目標を機能別でみると、救命救急や集中治療、緊急性を要する処置を施す「高度急性期」「一般急性期」の両病床を3割、長期治療が必要な「慢性期」病床を2割それぞれ削減する一方、リハビリや在宅復帰に向けた「回復期」病床は3倍に増やす。
 超高齢社会では、病気を完全に治す医療に加え、日常生活に困らないよう、かかりつけ医が支援する「地域完結型」医療が求められている。報告書には、患者ニーズに応じた医療提供体制へと転換を図る狙いもあり、方向性としては理解できよう。
 ただ、地域ごとの病床数は、都道府県が高齢化率や地理的条件、公共交通網など地域事情を考慮し作成する。各都道府県は現在、昨年成立した地域医療・介護総合確保推進法に基づいて25年の病床数を含めた地域医療構想の策定を進めている。国の目標値に縛られ都道府県の主体性が失われてはならない。
 報告書に沿えば、症状が軽い患者30万人は入院する代わりに自宅や介護施設で暮らすことになる。家庭の介護力が弱いために退院できない「社会的入院」が減らない現実もあり、介護施設の整備や在宅医療の充実など、十分な受け皿がなければ、患者だけでなく家族にも大きなしわ寄せがいくことになる。
 そもそも国内の病院は8割が民間経営であり、都道府県が削減を強制することはできない。国は診療報酬や補助金を利用し、病院に対し病床削減や介護施設への転換を促す方針だが、退院後の安心度は地域によって異なり、関係者の合意形成が何より大事だ。
 医療体制の見直しが、住民の暮らしを無視した「医療費削減ありき」の改革にならないよう求めたい。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46375.html?src=topnewslink
薬局にも機能分化が必要、専門薬局にも言及- 保険薬局協会・中村会長
2015年08月03日 19時00分 キャリアブレイン

 日本保険薬局協会の中村勝会長は、このほど横浜市で開かれた「第1回全国ファーマシーフェア2015」で、「これからの保険薬局の役割」をテーマに講演した。中村会長は今後保険薬局もそれぞれの専門性などを生かしながら、機能分化を目指していくべきではないかと訴えた。【大戸豊】


 中村会長は、医療は一次、二次、三次医療圏とエリアを分けて提供されているが、5万7000軒あるといわれる保険薬局はまったく機能分化ができていないと指摘。さらに、「かかりつけ薬局の機能を、一つの薬局だけで実現できるのか疑問がある」と述べた。
 特に地域包括ケアなどがうたわれており、薬局が医療圏ごとにそれぞれ果たすべき役割を持ち、機能や専門性を生かす必要があるとした。
 中村会長は、まだ何も決まってはいないと断りつつ、がん専門薬局などが今後必要になるといい、その中で薬剤師の育成や資格制度の創設も必要になると述べた。
 また、がん専門薬局ができるとすれば、専門的な薬剤師を配置し、医薬品メーカーとコンタクトを取って情報提供を受け、専門医とやり取りができるコミュニケーション力が求められるのではないかと述べた。
 中村会長は、機能分化などについて今後議論を進め、秋くらいまでに提案をしていかなければならないとした。



http://mm.m3.com/r/7m4Rk-16Lf-1aRI.html?dcf_doctor=true
「医学教育を英語化」、カンファレンス、教授回診も◆大阪市立大学Vol.1
メリットは無限大、留学生にも人気

2015年8月3日(月)配信 成相通子(m3.com編集部)

 m3.com編集部が今夏、先に実施した「医学部長アンケート」の回答大学・医科大学を中心に、さまざまな改革に取り組む現場の動きをリポートするスペシャル企画「改革進む医学教育」。第3回目は大阪市立大学の取り組みを紹介する(計3回の連載)。

「According to this MRI image, the tumor looks nebulous but larger. The gamma knife radiosurgery was not effective.」
「I think it’s too early to judge.」
「We have to make a difficult decision. If I were you, I would wait.」

 脳腫瘍の摘出手術について熱く議論が交わされる大阪市立大学医学部附属病院、脳神経外科の大畑建治教授のカンファレンス。外科医としての高い技量が求められる手術で、摘出すべきか否かの意見がぶつかり合う。一見どこにでもありそうな光景だが、普通と異なるのは、英語で行われている点。報告も質問も、教授の司会も全て英語だ。

 実習中の医学部6年生3人を含む30人ほどが集まった7月14日のカンファレンスには、ネパール、ベルギー、インドネシア、ベナンら来た計6人の留学生も参加した。冒頭では、ネパールから留学中の大学院生 、Samantha Tamrakar氏が母国での震災応援の様子をリポートし、医療の国際協力の重要性を印象付けた。

 現在、大阪市立大学医学部に留学している学生は約40人。提携している海外の大学は21校で、数年前から3倍以上に増えた。脳神経外科の大畑教授の講座は留学生に人気の講座の一つで、口コミを通じて世界各国の留学生が集まる。

 英語カンファレンスに続けて行われる教授回診も、英語だ。患者とのやり取りは日本語、担当医から教授への説明は英語で行っている。回診の間も、留学生が質問すると、学生や研修医が英語で気軽に答える。

メリットは数え切れない

 大畑氏は、アメリカやドイツへの留学経験があり、英語教育の重要性や普段から英語を使うことの必要性を痛感。教授に就任した8年前から、回診やカンファレンスの一部を英語化し始め、6年前に全て英語化した。最初は教室内の医師からの反発も大きかったが、徐々に慣れてきて、今ではコメディカルと英語で話すことも。

 英語化のメリットは「数え切れない」と大畑氏。大学にとっては、国外の優秀な学生が来ることで、英語論文の執筆や研究に寄与し、将来母国で医学の指導者になる優秀な人材とのつながりや、長期的で国際的な大学間のネットワークの構築も期待できる。実際に留学中に短期間で論文を書き、有名ジャーナルに掲載される優秀な留学生もおり、大学のステータス向上にも貢献した。

 学生にとっては、英語を身に付ければ将来的に国際会議や論文執筆に役立つ上、手に入る情報量が圧倒的に増える。また、優秀でさまざまな背景の留学生とともに学び、刺激も受けられる。世界中に友人ができることもメリットで、「教室がにぎやかで楽しくなったのが一番」と大畑氏は喜ぶ。

将来の選択肢が広がる

 14日のカンファレンスに出席した医学部6年生3人と留学生に感想を聞いてみた。医学部6年生、西山毅氏は5年生の時に2週間の実習で大畑氏の教室に参加し、「最初は何を言っているのか分からなかったが、だんだん聞き取れるようになり楽しくなってきた」と説明、絹川真梨氏も「勉強になり、しゃべることに抵抗がなくなった」として、5年生の実習をきっかけに6 年生の実習先として脳神経外科を選択したと話す 。もともと英語は得意だったという久門田詳氏も「将来アメリカで脳外科をやりたい」と同教室を選んだ。
 ベルギーから来た短期留学生のMathieu Laeng氏とRaphael Larsen氏は、英語でカンファレンス等を実施していることや、他の留学生の口コミで評価が高かったことから、同教室を留学先に選んだと回答。国に6人しか脳外科医がいないという西アフリカのベナンから来た大学院生のChristian Aisse Bohoun氏は、「いつも新しいことを学ぶことができ、来れて本当に良かった」。短期留学中のインドネシアから来たAnom Ananta Yudha氏も「今まで見たこともない手技や技術をたくさん学ぶことができた」と目を輝かせる。

教える内容がますます重要になる

 英語化や留学生の積極的な受け入れについて、大畑氏は「日本の将来に絶対必要」と断言する。「日本全体では海外に行く留学生が減っているが、日本の優秀な医療を海外に知らせ、国際展開するのは、日本の務め」(大畑氏)。日本の先進的な医療を、アジアや医療が発展途上の海外に伝えることのニーズは高いと訴える。

 その上で、「世界一流の学生を集めるには、世界一流のコンテンツが必要」と大畑氏。英語化はもちろん、教える内容や医療そのものの高いレベルの維持が不可欠なのは変わらない。

日本語よりもハキハキ

 大阪市大医学部では、脳外科のほかに消化器内科や皮膚科でも英語でのカンファレンスや症例報告を実施している。

 消化器内科の藤原靖弘准教授は、「文法無視でもいいから積極的にコミュニケーションを」と名づけられた「ブロークン・イングリッシュ・カンファレンス」を医学部長の荒川哲男教授から引き継いで2014年度から担当。5年生が英語でケースカンファレンスの発表をするほか、回診前の入院患者カンファレンスも、主治医の研修医が英語でプレゼンする。学生は「必ず一つ質問すること」が義務付けられ、積極的な参加を促す。

 「学生の準備は大変そうだが、発表後の達成感のある学生の表情を見るのが好きな瞬間」と藤原氏。「結構英語が上手な学生も多く、中には日本語よりもハキハキ答える学生もいる」と、学生のこれまでと違う一面を見ることができ、研修医の英語の上達も実感している。

 皮膚科の鶴田大輔教授も昨年から英語での1分プレゼンテーションを実施。英語力以外にも、「学生のプレゼンテーション力が鍛えられている」と鶴田氏。限られた時間に凝縮したまとめ、相手に伝えることは「重要な医学教育」。鶴田氏は、「英語そのものの学習のみに注力するのはナンセンス」と考えるが、国際語としての英語は「マストツール」。「必要に応じて使いこなせるだけの英語力を、養う一助になれば」と話す。

課題は多くても一歩踏み出す

 医学教育の英語化は、2023年の医学教育の国際認証問題に向けて、全国の各大学でも取り組みが進むが、課題は多い。大阪市大でも、さらなる充実のためには「専属の外国人教員の十分な確保」(藤原氏)、「(他の実習との兼ね合いの中での)時間の確保」(鶴田氏)、「ジャパニーズ・イングリッシュから、どこでも通じる英語にすること。ジョイント・ディグリーの実施や留学生受け入れの大学の体制の拡充」(大畑氏)などの課題が挙がった。

 反発もある中で、教授回診やカンファレンスの英語化を行った大畑氏は、「(日本語が話せない)外国人がいないから、英語で話すモチベーションが高まらない。無理矢理でも外国人を置くことで、英語を話さざるを得ない環境にすることが必要」と話し、思い切った行動で一歩踏み出すことが重要だと述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/345504?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150803&dcf_doctor=true&mc.l=114891195
公立・大学病院に機能転換期待、社会保障制度改革推進会議
認知症対策で介護レセプト分析の意向も

2015年8月3日(月)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 政府の社会保障制度改革推進会議(議長:清家篤・慶応大学義塾長)が8月3日に開かれ、地域医療構想の推進に向けた取り組みや、6月末に閣議決定された「骨太の方針」などを巡り、議論した(資料は、内閣府のホームページ)。レセプトの分析を通じて2025年に必要な病床数の推計が出たことを踏まえ、認知症の高齢者を念頭に介護や精神病院のレセプトを分析して、必要な体制整備に向けて役立てる意向が示された。また、病床の機能分化については、「隗より始めよ」として、公立病院や大学病院が率先して取り組むように求める声や、医師の平均年齢が70歳以上になっている地域がある点を指摘し、医療者の高齢化に注意を促す声もあった。

「医療関係者は不安」

 始めに、2025年に向けた病床数の推計について、「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」会長代理の松田晋哉氏(産業医科大学医学部教授)が説明(『41道府県で病床削減の試算、患者動態現状通りで』を参照)。病床推計を巡っては、現在の病床数に対して、推計された2025年の病床数が少なくなっており、医療界から「病床削減」との受け止め方が強い。これに対して、慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、地域における必要な病床数の目安が示されたことで「(ネガティブなだけでなく)経営に予見可能性を与えることにもなる」と指摘し、ポジティブな受け止め方もできるとの認識を示した。

 土居氏は病床機能転換の進め方にも言及し、「公的な部門の病院、公立病院と大学病院が政府の方針に従って再編、『隗より始めよ』で進めて、民間病院にも浸透を図ることになるのでは」と指摘した。東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也氏も同様の見解を示した上で、特別交付税の活用などで、機能転換を促進するように求めた。

 経済財政諮問会議の民間議員を務める東京大学大学院経済学研究科教授の伊藤元重氏が、地域医療構想の策定に向けて、「最終的に動く自治体や医療関係者は不安感を持ちながらやっているので、具体的な情報発信を早くやるようにすべき」と述べる場面もあった。

医療者の高齢化に注意喚起

 データ分析については、期待を示す声も出た。三菱総合研究政策・経済研究センター主席研究員の武田洋子氏は、今回、DPC病院のレセプトを中心とした分析によって、地方自治体に医療機能を考えるツールが提供まで至った点を評価した上で、慢性期の医療機能提供整備に向けて、介護レセプトの分析を求めた。松田氏は、介護や精神疾患のレセプトを分析する意向を示し、会議終了後の会見で「精神科は、(今回の分析と)同様の手法でできる。(制度開始時から電子化がある程度進んできた)介護もデータがあれば、ほぼできる状態」と発言。認知症の高齢者などを念頭に、精神科医療の提供体制に向けて、分析が一助になるとの認識を示した。

 松田氏はまた、会議の席上で、現在、医師や看護師の年齢分析にも取り組んでいる点に言及し、「中山間地域で医師の平均年齢が70歳近く、看護師が50歳を超えているようなところがある。(医療提供が今後)無理な状況が出てくる」と指摘し、医療者の高齢化への対応も重要との認識を示した。


介護改革に懸念も

 「骨太の方針」を巡る議論では、社会保障制度改革と合わせて子育て支援や女性の活躍を推進する施策が進んでいる点を踏まえて、議論があった。恵泉女学園大学大学院平和学研究科教授の大日向雅美氏は、地域に全体による介護提供で、女性への負担が増える点を懸念して、「(社会保障改革と女性、子育て支援は)タイムラグがないように勧めないといけない」とした。土居氏は、「(介護の人材不足だけでなく)介護の生産性を向上すれば、家庭で介護の負担を負わないで済むということではないか」と述べた。

 
 終了後の会見で清家氏は、「社会全体での介護」のイメージについて、介護福祉士らの援助や施設の活用を挙げた上で、「家庭を現役で支える人を阻害しないでやるのが、介護の社会化」と指摘。さらに、介護における労働力不足については、生産性向上に加え、「技術開発で日本企業にチャンスも生まれてくる」と述べたほか、担い手として、若い世代だけでなく、比較的元気な高齢者にも期待を示した。



https://www.m3.com/news/general/345530
高知大学が医学部付属病院の看護師と教員を処分
2015年8月3日(月)配信 高知新聞

 高知大学は7月31日、飲酒運転をした医学部付属病院の20代の女性看護師と、部下に対して威圧的な言動を繰り返した40代の男性特任教員を懲戒処分にしたと発表した。処分の内容は看護師が停職3カ月、特任教員が減給(給与平均支給額1日分の半額=約1万円)で、いずれも31日付。

 高知大学によると、看護師は6月21日午後8時ごろから同僚ら5人と高知市内の居酒屋やカラオケ店で飲酒。22日午前0時すぎに同僚と別れた後、午前1時すぎまで別の友人とバーで飲酒し、午前4時すぎまで店内で眠った。

 その後、帰宅するために自家用車を運転。パトカーに停車を求められ飲酒検知をした結果、呼気1リットル中0・25ミリグラム以上のアルコール分が検出されたという。

 特任教員は2014年4~6月に部下の男性職員に専門外の実験をさせ、十分な指導も行わなかった。2014年5~6月ごろには、実験の成果が思わしくないなどの理由で度々叱りつけ、職員の任期が2015年3月末まであるのに辞職を求めるなどパワーハラスメント行為を繰り返した。この職員は精神的な疾患を発症したという。

 高知大学は看護師と特任教員の年齢や、特任教員が所属する学部を「個人が特定される」として発表していない。


  1. 2015/08/04(火) 05:39:20|
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