Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月29日 

http://forbesjapan.com/translation/post_7201.html
米国で最も稼ぐ医師たち 上位15分野の年収
文=キャサリン・ディル(Forbes)/ 編集=上田裕資 翻訳記事
posted on 2015.07.29, at 04:40 pm Forbes Japan

 医師といえば最も高収入の職業の一つにあげられる。しかし、専門性によって支払われる報酬も求められる能力も大きく異なり、最先端の分野では特に高額な報酬を受け取る例もある。
 以下に現在最も需要のある高収入の専門医をリストアップした。データは医療関係の人材派遣機関AMN Healthcareに所属する、コンサルティングの会社Merritt Hawkins & Associatesの情報に基づいている。この2社が2014年4月から1年間の間に募集を行った3,100以上のポストにおける年収の実態を示している。

 20分野の専門医のうち年収が最も高額だったのは心臓外科を担当する循環器科医だ。採用過程で年収52万5,000ドル(約6,510万円)のオファーを受けており、基本給だけで65万ドル(約8,050万円)稼ぐ心臓外科医もいる。整形外科医も平均49万7,000ドル(約6,160万円)という高額な年収を提示され、トップクラスの整形外科医は年間80万ドル(約9,910万円)もの報酬を得ている。

 「これが医療業界で人材を確保するために提示しなければならない金額だ。この数字は需要と供給の関係を正確に反映している」と、Merritt Hawkinsのシニア・バイス・プレジデントTravis Singletonは述べる。

 また、Merritt Hawkinsの報告書は、精神科医の需要がこの1年で「過去最高」レベルに及んでいる点に注目している。「これは我々が人材確保に最も悩む分野だ。近年、精神科医の職離れが進み、それを補充するための人材が不足している」

 Singletonによると、精神科医が最も必要とされるのは入院患者の治療施設や農村地域であり、そういったところでは得てしてメンタルヘルスケアを受けることがかなり難しい。しかし、若い精神科医は質の高い生活を望める都市部や外来を好む傾向がある。人材不足に関わらず、精神科医が見込める年収は平均22万6,000ドル(約2,800万円)で、上位の専門医と比べるとはるかに少ない。

 Singletonは循環器科医のうち手術担当の心臓外科医と診断担当の循環器内科医の報酬の違いにも言及している。
 「診断を担当する内科医の報酬は前年比で34%減少したのに対し、手術を担当する心臓外科医の報酬は16%増加した。結局のところ、高く評価されるのは診断行為よりも、外科治療行為なのだ」とSingletonは述べている。下記に上位15分野の専門医たちの年収を記載した。

1位:循環器科医(心臓外科)
    平均年収:52万5,000ドル(約6,510万円)
2位:整形外科医
    平均年収:49万7,000ドル(約6,160万円)
3位:消化器科医
    平均年収:45万5,000ドル(約5,640万円)
4位:泌尿器科医
    平均年収:41万2,000ドル(約5,110万円)
5位:皮膚科医
    平均年収:39万8,000ドル(約4,940万円)
6位:救急医療医
    平均年収:34万5,000ドル(約4,280万円)
7位:一般外科医
    平均年収:33万9,000ドル(約4,200万円)
8位:耳鼻咽喉科医
    平均年収:33万4,000ドル(約4,140万円)
9位:呼吸器科医
    平均年収:33万1000ドル(約4,110万円)
10位:循環器科医(内科)
    平均年収:29万1,000ドル(約3,610万円)
11位:神経科医
    平均年収:27万7,000ドル(約3,440万円)
12位:産婦人科医
    平均年収:27万6,000ドル(約3,420万円)
13位:フィジアトリスト(リハビリテーション専門医)
    平均年収:24万4,000ドル(約3,030万円)
14位:ホスピタリスト(病棟総合医)
    平均年収:23万2,000ドル(約2,880万円)
15位:精神科医
    平均年収:22万6,000ドル(約2,800万円)

文=キャサリン・ディル(Forbes)/ 編集=上田裕資



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20150729-OYTNT50086.html
県立医大に死因究明センター
2015年07月30日 読売新聞 福島

◆犯罪捜査・専門医育成に期待

 県立医大は29日、犯罪に巻き込まれた可能性がある人らの死因を特定する「死因究明センター」を学内に開設した。同大医学部の付属組織で、コンピューター断層撮影法(CT)などで解剖せずに遺体内部の異変を調べられる「死亡時画像診断(Ai)」専用の装置が県内で初めて導入された。殺人事件の見逃し防止や専門的な医師の育成への活用が期待されている。

 センターは、CT撮影室や法医解剖室など5部屋計158平方メートル。法医学専門医や薬剤師ら6人が常勤で所属し、主に県警の依頼で遺体の死因特定に当たる。Aiや解剖、遺体の外見から死因を判断する検案など全てセンター内で実施できる。同大によると、国内には他に例がないという。

 昨年の同大での解剖件数は約200体。医師の負担が大きく受け入れに限界があるが、Aiでは1体20分足らずで終わる。センター長の黒田直人・法医学講座教授は「遺体を傷つけず、より多くの死因究明につながる。Ai画像から死因を判読できる医師の育成にも役立てたい」と話す。

 死因特定は殺人や虐待死など犯罪の見逃しを防ぐために重要だ。県警が本格的にAiを取り入れたのは2011年。扱った約半数の遺体に使った。昨年取り扱った遺体2949体のうち、Aiは69・6%にあたる2053体で実施され、解剖は6・9%の203体だった。増えたのは有効性が実証され、解剖よりかかる時間や経費が少ないためだという。

 これまではCTの装置がある一般病院に頼んでいたため、患者の利用中は対応してもらえないなどの課題があったという。県警の鈴木利雄・検視官室長は「事件性の有無の判断に死因の特定は不可欠だ。県立医大に専門組織ができたことで、正確な死因の速やかな究明につながる」と期待した。

<Ai> 検視と画像診断を組み合わせた英語「オートプシー・イメージング」の略。CTや磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影、外見からは判別不明の遺体内部の損傷を見つける。医師で作家の海堂尊さんの小説「チーム・バチスタの栄光」で広く知られるようになった。



http://www.iga-younet.co.jp/news1/2015/07/post-18.html
医師や看護師の仕事を体験 オープンホスピタル 上野総合市民病院
編集部 (2015年7月29日 12:09) 伊賀タウン情報YOU

 子どもたちに医療現場を体験してもらう「オープンホスピタル 病院で働こう!」が8月1日午後12時15分から、伊賀市四十九町の市立上野総合市民病院で開かれる。【デモ機で採血体験をする参加者(提供写真)】

 中学生や高校生、大学生に、医療の仕事に関心を持ってもらおうと、同病院の市民公開講座の一環で実施している。

 当日は医師や看護師、薬剤師、放射線技師など9つの部門の代表者が、病院内での仕事についてのプレゼンテーションをする他、業務体験や院内見学もある。

 業務体験はデモ機材を使った内視鏡の手術体験や採血体験、調剤体験、エコーの検査体験など、医師や看護師らから直接指導を受けながら体験できる。

 参加無料で、申し込みも不要。問い合わせは同病院経営企画室(0595・24・1111)へ。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/213102?area=ranking
ドクターヘリ飛行中ドア開く 佐大病院、部品落下か
2015年07月29日 12時01分 佐賀新聞

 佐賀大学は28日、医学部附属病院が運航するドクターヘリ内部の部品が飛行中、ドアが開いた際に落下した恐れがあると発表した。乗員や搬送中の患者らにけがはなく、落下物による事故などの被害報告は入っていないという。

 落下したのはポリエステル製の日よけ部品で、縦38センチ、横51センチ、重さ55グラム。大学によると、27日午後0時37分ごろ、患者を搬送するため多久市から小城市にかけて上空約300メートルを飛行していたところ、心肺蘇生中の男性医師の腰にドアノブが引っかかり、ドアが開いた。運航後の点検で日よけの部品がなくなっていることが分かった。

 佐賀大学は「県民や関係機関にご迷惑と心配をおかけして深くおわび申し上げます」とコメントした。



http://www.m3.com/news/iryoishin/343774
造影剤誤投与、「禁錮1年、執行猶予3年」確定
今後の焦点は行政処分と遺族への損害賠償

2015年7月29日(水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 国立国際医療研究センター病院の整形外科医が、医療事故で業務上過失致死罪に問われた事件で、控訴期限の7月28日までに、検察側と本人側ともに控訴せず、禁錮1年、執行猶予3年の判決が確定した。

 本事件は、2014年4月に脊髄造影検査には禁忌の造影剤ウログラフインを誤投与し、78歳の女性が死亡、整形外科医が業務上過失致死罪に問われ、東京地裁(大野勝則裁判長)は7月14日に判決を言い渡した(『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』を参照)。

 今後の焦点は、行政処分と遺族への損害賠償に移る。医師への行政処分は原則、年2回行われる。過去の例を見ると、医療事故で業務上過失致死(傷害)罪に問われ、有罪になった医師は、医業停止処分になる。医師の行政処分については、2007年4月の医師法改正で、医業停止が最高5年から3年に短縮され、新たに「戒告」という処分類型と再教育の制度が設けられた。直近3年間の処分例は以下の通りで、禁錮刑の今回の場合、医業停止期間がどの程度になるかが注目される。

◆医療事故で業務上過失致死(傷害)罪で有罪が確定した医師の医業停止期間 (2010年度以降。日付は、処分決定日)
・2015年2月27日: 該当者なし
・2014年10月3日: 1人(戒告=業務上過失傷害罪で罰金30万円)
・2014年2月27日: 3人(医業停止3カ月=業務上過失致死罪で罰金50万円、医業停止1年=業務上過失傷害罪で罰金100万円、戒告=業務上過失傷害罪で罰金30万円)
・2013年9月18日: 1人(免許取消=業務上過失傷害罪で禁錮2年の実刑、職務執行妨害と迷惑行為防止条例違反の罪で、それぞれ罰金30万円)
・2013年6月12日: 1人(医業停止1年6カ月=業務上過失致死罪で罰金100万円)
・2012年11月14日: 該当者なし
・2012年3月4日: 該当者なし
・2011年9月29日: 2人(戒告=業務上過失致死罪で罰金50万円、医業停止6カ月=業務上過失傷害罪で罰金100万円)、そのほか1人(医業停止2年=川崎協同病院事件=殺人罪で懲役1年6カ月、執行猶予3年)
・2011年2月23日: 2人(戒告=業務上過失傷害罪で罰金40万円、戒告=業務上過失傷害罪で罰金20万円)
・2010年9月22日: 該当者なし

 遺族への損害賠償については、6月8日の最終弁論で、弁護側は「遺族と示談交渉を行っており、適正な損害賠償がなされる」との見通しを説明していた(『造影剤誤投与「過失は重大」、禁錮1年求刑』を参照)。ただし、14日の判決後の記者会見で、遺族側は「賠償額には、数千万円の隔たりがある」と述べており、賠償額が焦点になる。



http://www.m3.com/news/iryoishin/343972
「日本の外科技術は優秀」、外保連
NDCから明らかに、米国との比較で死亡率低く

2015年7月29日(水)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 外科系学会社会保険員会連合は7月28日の会見で、「日本の医療技術がいかに優れているか」と題して、結腸癌や食道癌などの国内手術成績のNCD( National Clinical Database)のデータを示しながら、海外に比べて積極的な手術を実施しながらも、死亡率が低い現状を紹介した。また術前のリスク評価でNCDを活用したり、手術成績を臨床医にフィードバックしている例も挙げた。外保連は、外科技術の評価につなげることを模索したい考え。


専門医の多さが一因の可能性

 NCDは、国内の一般外科医の行う95%以上の手術をカバーするデータベース。2011年から登録開始し、専門医の認定・更新において診療実績が求められることから普及、最近では年間120万症例以上が登録されている。

 消化器外科領域について、NCDと米国のデータベース、「ACS-NSQIP」との比較を示したのはNCD幹事も務める後藤満一氏。「NSQIP」には、米国の大学病院など653施設が参加する。消化器外科領域の癌の代表的な術式について、2011年と2012年のデータを比較した結果を見ると、術後30日以内の死亡率が、結腸右半切除術の場合、米国の1.88%に対して日本では0.76%、直腸における低位前方切除術では、米国の1.08%に対して日本では0.43%、膵頭十二指腸切除術では、米国2.57%、日本1.35%で、いずれも日本の方が低かった。結腸右半切除術では年齢やBMIの影響を除いても日本の死亡率が下回った。また、退院患者の術後の入院期間も、3術式のいずれも、日本の方が9日間から22日間長い結果となった。

 後藤氏は、「日本の消化器外科手術は米国と比較して良好に実施されているのでは」とした上で、手術成績が良い原因として、病床規模の要因を排除しても、専門医の多さが一因としてある可能性に言及した。今後、その要因を詳細に分析するため、「ACS-NSQIP」との共同研究をさらに進める予定。

食道癌で開胸手術の胸腔鏡手術のRCT

 上部消化器外科領域については、日本外科学会理事の北川雄光氏が解説。2011年の食道癌5354例について、米国(2005年から2008年)や英国(2005年から2010年)と比較すると、術後30日以内の死亡で日本は1.2%だったのに対して、米国は3.0%、英国は4.3%となっているデータを紹介。さらに、日本においてはリンパ節郭清範囲が広いD2の手術が米国より多く、「消極的手術を実施しているために、術後死亡率が低い」との指摘は当たらず、「手術の精度においても日本が勝っている」とした。

 またNCDによって収集されたデータに基づいて、喫煙歴や年齢などに基づいてリスクモデルを構築し、臨床医に「Risk Calculator」として提供している点や、食道切除に当たって、術後90日以内の手術関連死亡率が、開胸手術2.8%、胸腔鏡手術2.5%で、胸腔鏡でも手術関連死亡が増えない上、出血量は胸腔鏡手術の方が有意に少ない点などを紹介し、「NCDの解析により、日本の外科医療がいかに優れているのかが示された」と述べた。

 胸腔鏡の手術の安全性について、北川氏は、胸腔鏡を実施しやすい症例が選択されている点を認めた上で、「NCDのデータだけでは証拠にならない」と発言。安全性や有効性について、開胸手術と胸腔鏡手術をより精緻に検討するため、ステージII/III食道癌扁平上皮癌を対象に、長期生存率の検証を含めたランダム化比較試験を今年から始めたことを紹介した。主要な評価項目は全生存期間で、300症例の登録を目指す。2022年頃まで症例集積して、解析を終えるには2027年ごろまでかかる予定だが、中間解析を実施する方針も示した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/343971
「手術時間短縮で減点」回避へ、今秋に要望
外保連、生存期間や医療紛争リスクなどの評価も求める

2015年7月29日(水)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 外科系学会社会保険員会連合は7月28日の会見で、2016年度診療報酬改定に向けて、手術後の生存期間や手術時間短縮、医療紛争リスクなど、新たな5つの評価軸を、今秋まとめる予定の外保連手術試案8.3版に盛り込む方針を明らかにした。2014年度改定では、帝王切開手術の点数が、手術時間が短縮した結果、「人件費などが減った」などと受け止められ減点も起きていて、適正な評価につなげたい考え。

 また既に2016年度改定に向けて、厚生労働省に対し、452項目の改定要望を出していて、瀬戸康之実務委員長は、要望の採用を増やしたい考えも示した。

帝王切開手術の引き下げが契機に

 外保連手術試案は、2010年度改定から診療報酬改定の参考資料として用いられるようになり、8.2版までは、手術について、「人件費」「技術度」「手術時間」「医療材料」の4項目を評価軸として活用されてきた。結果として、2014年度改定では、帝王切開手術をはじめとして、手術時間の短縮が救命や予後改善につながる手術において、人件費などの観点から引き下げられる事態が起き、問題になっていた。外保連の岩中督会長は、「(手術時間の短縮などの)背景を発信しないといけない。頑張った結果が、マイナス改定はおかしい」と、今回の検討経緯を説明。

 外保連では、2014年から、川瀬弘一氏を座長とする新たな評価軸を検討するワーキンググループを立ち上げて、検討を続けてきた。このほどまとまった評価軸は、(1)手術を行うベネフィットのスコア化の策定(生命維持・延命効果、QOLの維持・改善効果、医療資源の有効活用)、(2)医療紛争リスク、(3)手術中の緊急度(レベル別、エビデンスの有無により3段階に分類、(4)2つの命を扱う手術、(5)費用対効果――の5項目。これらは、これまで用いていた4項目とは異なり、全ての術式に対して適用するのではなく、該当する術式のみに評価軸として使う。今後、外保連の加盟学会に対し、該当する術式を募集し、手術試案8.3版に入れ、改定の際に評価を求める。ただし、評価点数までは示さない見込み。

 また、2012年度改定では、437項目を要望し170項目が改定に反映されたが、2014年度改定では、376項目のうち82項目で、改定に反映される率が下がる傾向にある。今年度の452項目については、関係学会と厚労省との今後のヒアリングの中で、実現に至るよう要望していく考え。



http://www.m3.com/news/iryoishin/344107
シリーズ: 地域医療構想
医師数の報告追加に異議、病床機能報告制度
厚労省、2015年度報告に向け、3項目の改善案

2015年7月29日(水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は、7月29日の第10回会議で、2015年度の病床機能報告制度について議論した。同省は医療機関が適切な報告をできるよう、3項目の改善を提案したが、医師数の報告の追加については異論が出て、8月末の次回会議で、医療機能情報提供制度との関係を整理した上で、再度議論することになった。他の二つ、つまり未報告の医療機関に報告を督促したり、医療機能の選択間違いや報告内容の不整合等への対応については、ほぼ了承が得られた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 2015年度の場合、各医療機関が10月に、今年7月時点の病床の機能区分と、6年後の予定機能区分を報告する。厚労省は8月末までに改善案を確定して、9月1カ月間に各医療機関に通知などを通じて周知徹底を図る方針。

 会議では、2014年度の病床機能報告制度についての年度末までのまとめが報告された(今年5月28日時点で、データクリーニングが完了した医療機関のデータ)。過去3回の中間取りまとめと傾向は変わらず、4つの医療機能の内訳は、高度急性期15.5%(19万207床)、急性期47.1%(58万4993床)、回復期8.9%(6万155床)、慢性期28.6%(8万7981床)。「6年後」でも、高度急性期16.1%(20万1990床)、急性期44.7%(55万9181床)、回復期11.4%(14万2131床)、慢性期27.8%(34万8112床)であり、高度急性期と急性期の減少は軽微にとどまる。

 本検討会は10月から来年4月にかけて、地域医療構想策定の進捗状況を確認するほか、病床機能報告制度をより適切に運営できるよう検討を進める。現状では、同程度の医療内容と思われる医療機関でも、異なる医療機能を選択して報告している例もあるとされるからだ。

 医師数データ、他制度にも活用?
 「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」の開催は、3月末のガイドライン策定以降、4カ月ぶりの開催(『地域医療構想策定ガイドライン、了承』を参照)。会議の冒頭、厚労省医政局長の二川一男氏は、「地域医療構想の策定が進んでいるが、重要なのは、その前提となる病床機能報告制度。(2014年度に)1回目の報告が実施されたが、さまざまな改善点や精緻化を求める意見などが出ている」とあいさつ。

 改善点として厚労省が提案したのは、3項目。そのうち議論になったのは、医師数の報告の追加だ。医師数については、医療機能情報提供制度でも報告を求めているため、医療機関の事務負担軽減などの観点から、2014年度は、報告対象から除外された。しかし、病床機能報告制度は7月時点での報告を求めるのに対し、医療機能情報提供制度は更新時期が都道府県によって異なるため、同一時点での医師数を把握するのが厚労省の考え。

 慎重な検討を求めたのが、日本医師会副会長の中川俊男氏で、「なかなか簡単にはいかない、という印象を強く持っている」とコメント。医師は異動が多く、医師数には変動がある上、常勤換算でどう把握するかなどの問題があり、医師数把握の事務負担も大きいとした。さらに、医師数のデータは、医師不足の問題や臨床研修制度をはじめ、さまざまな他制度の議論に発展する懸念も、中川氏は示唆した。日本病院会副会長の相澤孝夫氏も、「医療機関にとっては、事務的な負担になることはやめてもらいたい」と求め、報告の簡素化を求めた。

 厚労省も事務負担の簡素化は進めたい考えで、同省医政局総務課長の土生栄二氏は、「二重の負担は避けなければいけない」とし、病床機能報告制度で医師数の報告を追加する場合、医療機能情報提供制度の医師数報告は整理する方針であると説明。医療機能情報提供制度は、更新時期や報告内容は必ずしも全国統一でないことから、「全国的に統一的な仕組みで、負担にならず、どんなデータを報告してもらうかについて議論深めてもらう」(土生課長)。


7月29日に再開した「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」は、来年4月まで検討予定。
 未報告には督促、医療機関名を公表
 そのほかの改善点は、(1)未報告の医療機関、(2)医療機能の選択間違いや報告内容の不整合等――の2項目。今年3月31日までの報告率は、病院98.6%、有床診療所91.0%。医療法上、未報告の医療機関に対しては、まず報告を督促し、それでもなお未報告の場合には、都道府県知事は当該医療機関を公表するなどの措置が可能になっている。これらの権限を、都道府県に対し、適切に実施していくことを求める。

 (2)の医療機能の選択間違いとしては、救命救急入院料やICU・HCU等の算定病棟で、回復期や慢性期の機能を選択している例、療養病棟入院基本料の算定病棟で高度急性期機能を選択する例などがある。明らかに間違いと分かる報告については、医療機関に修正を求める。そのほか、回復期機能は、「回復期リハビリテーション病棟だけが該当すると考えていた」医療機関もあり、医療機能についての周知徹底を図る。

 特定機能病院の役割、検討求める声も
 (2)の関連では、特定機能病院の報告の在り方も問題になる。昨年の7月時点では、特定機能病院は全国で86病院。2014年度の病床機能報告制度では、報告内容に不備があった北海道大学病院を除く85病院中、75病院が全ての病棟を「高度急性期機能」と報告した。厚労省は、「個々の病棟については、必ずしも全て高度急性期とは限らないと考えられる」とし、個々の病棟の役割や入院患者の状態に照らして、医療機能を適切に選択するよう求める方針。

 関連して相澤氏は、「特定機能病院の問題に限らない。県で中核的病院の役割を持っている病院の中には、全ての病床を高度急性期として報告しているケースもある。混乱のもとは、診療報酬で7対1入院基本料を算定しているから、高度急性期を申請するという逆の発想」と指摘。日本医療法人協会会長の加納繁照氏も、「特定機能病院や、自治体立病院が、どんな形で存在すべきかを議論する必要があるのではないか。それを議論しないと、機能分化の方向性を間違う恐れがある」と求めた。

 これらの発言を受け、遠藤座長は、「特定機能病院の役割についての議論は、本検討会で議論するかどうかは分からない」としたもの、医療機能の定義の明確化は今後の議論になるとした。

 そのほか、2014年度の病床機能報告制度の集計については、厚労省資料では、許可病床数ベースであることから、中川氏は、「許可病床数だけで議論するのは、違うのではないか。いたずらに、急性期が多すぎる、あるいは回復期が少ないなど、今のデータに基づく判断は早計だ」と述べ、稼働病数ベースの集計が必要と指摘した。

 10月以降、「精緻化を議論」と遠藤座長
 10月以降、議論を深めるテーマについて、遠藤座長は、「一番重要なのが、精緻化だ。判断基準が明確になっていないことなどから、報告の内容に不整合があったり、的確に選択できない例がある」として、エビデンスを基に、十分に議論する必要性を指摘。

 遠藤氏が「精緻化」と言及したように、厚労省の資料には、今後の検討予定について「病床機能報告制度の精緻化について」と記載されていた。

 「精緻化」という言葉を問題視したのは、中川氏。「各医療機関が、医療機能を自主的に選択していくことは、今後も変わらない。『精緻化』という言葉からは、間違った報告をすると、ペナルティーを課せられるといった不安が想起される」と述べ、「外れ値を防止する」といった考えで議論を進めるべきとした。

 10月以降、議論になると思われる一つが、医療機能と診療報酬との関係。本検討会のこれまでの議論でも、「連動させるべきではない」との意見が出ていたものの、例えば、地域包括ケア病棟などをめぐっては、混乱もある。

 2014年度診療報酬改定で新設された、地域包括ケア病棟は、(1)急性期からの受け入れ、(2)在宅・生活復帰支援、(3)在宅等での緊急時の受け入れ――の3つの役割を担う。2014年度の報告では、より届出数が多い「地域包括ケア病棟1」(114病院)では、急性期27.1%、回復期70.2%、慢性期2.7%だった。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏からは、「できるだけ整合性があった方がいい」との意見も出た。



http://www.m3.com/news/general/344068
産科医不足が深刻化 福井県内、開業医の平均年齢は60歳超
2015年7月29日(水)配信 福井新聞

 お産を扱う産科医が福井県内で減っている。2004年には82人だったが、14年には68人に、出産取扱機関も27施設から19施設に減った。奥越では07年以降、ゼロの状態が続いている。産科開業医の平均年齢は60歳を超え、後継者不足も深刻だ。加えて女性の初婚年齢は上がり、医師にとっては出産と訴訟両方のリスクが高く、人材不足に拍車をかけている。

■お金で示談に

 「開業医になってから、外泊は一度もない」。県内の産科医、小林春樹さん=仮名=は言う。妊婦の体調が急変したときに即対応しなければならないからだ。連休を取るには、医師を雇う必要があるが「どこの病院より給料を高くしても、リスクが高く、なり手はいない」。家族旅行は夢のまた夢だという。

 あるとき、近くの助産所から、体調が急変した妊婦が運ばれてきた。この時点で死産は確定的だったが、すぐに総合病院に搬送した。結局、妊婦は子宮破裂で子宮を摘出。妊婦側は現在、訴訟の動きをみせているという。小林さんは「自分は適切な対処をしたと確信している。でも裁判になるぐらいなら、数百万円払ってでも示談にしたい。忙しい中での裁判は耐えられない。評判だって気になる」と打ち明けた。

 小さな命を失ったときの家族の失望は計り知れない。だから、医師としての仕事をまっとうしても納得してもらえないことがある。小林さんは「もう分娩(ぶんべん)はやめようかなと思うときもある」と話す。

 13年に改訂された県医療計画では、県内の産科開業医の平均年齢は63歳で「分娩取扱医療機関は今後さらに減少することが懸念される」と指摘している。

■高齢出産増加

 女性の初婚年齢は上昇傾向にある。13年の県内女性の平均は28・7歳で、95年比で2・8歳アップ。これに伴い第1子の平均出産年齢は27歳から30歳に上がった。

 13年版厚生労働白書によると、女性の自然妊娠力は30歳ごろから低下し、35歳前後からは流産率も上昇。妊娠高血圧症候群など、妊娠・出産のリスクも高くなる。

 県は04年、リスクの高い妊婦や新生児に、高度で専門的な医療を提供する総合周産期母子医療センターとして、県立病院を指定した。数百グラムの低体重児などを受け入れる新生児集中治療管理室(NICU)は11床備える。小さな体の新生児の心拍数などは24時間チェックされ、1人の新生児を、複数の看護師が担当する。

 現在、産科医は8人だが、同病院母子医療センターの野坂和彦センター長(60)はそれでも「医師の数は足りない」。精神的にも肉体的にもつらい仕事だけに、人材確保はままならない状態が続く。

 県内には産科医療の中核となる周産期母子医療センターが7病院ある。これらの病院で出産する割合は06年度は36・5%だったが、13年度には44・2%と、大幅に上昇した。

 野坂センター長は「産科医不足の中、出産は中核の病院に集約されていくだろう」と見通す。



http://www.m3.com/news/general/344017
無資格調剤窺わせる回答に「愕然」 都薬・会員薬局対象の自主点検集計結果を公表
2015年7月29日(水)配信 薬局新聞

無資格調剤窺わせる回答に「愕然」 都薬・会員薬局対象の自主点検集計結果を公表

 率直に申し上げて愕然とした。東京都薬剤師会(石垣栄一会長)は、無資格調剤と薬歴未記載問題等の不適切事例が相次いだことを受け、会員薬局を対象にした緊急自主点検を実施、このほど集計結果を公表した。しかしながら、薬剤師以外に調剤させていることを窺わせる回答が寄せられたことについて、同会は驚きをもって受け止めたようだ。調査結果は定例記者会見の中で明らかにした。

 緊急自主点検は、「調剤にあたっては、薬歴を用いて、必要な薬学的知見に基づく服薬指導を行っている」など、8項目について実施したもの。都薬が問題視したのは項目3「薬剤師以外の者に調剤させていない」について対応4103、未対応4とあったもので、石垣会長は「あくまで自主点検というかたちであり、回答した薬局と薬剤師の詳細はわからないが、未対応とはどういうことなのか。驚きを隠せない」と述べ、法令の捉え方の問題なのか、ある意味“実態”として答えられた内容なのか、精査する必要があるとの認識を示した。

 このほかにも項目4「円滑な業務遂行に必要な薬剤師数を確保し、処方せん応需状況を配慮した勤務体制にしている」においても対応4099、未対応8という回答が寄せられており、「パートなどで対応しているという意味なのか、判断が難しい」としている。

 なお、緊急自主点検は本年5月から6月にかけて会員店舗を対象に実施を呼び掛けたもので、4107件の回答が寄せられた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201507/20150729_13062.html
<包括ケア>県挙げ推進 協議会きょう設立
2015年07月29日水曜日 河北新報

 介護が必要な高齢者が可能な限り住み慣れた地域で暮らせる体制づくりを目指し、宮城県は29日、市町村や医療、介護、福祉の関係団体などによる「県地域包括ケア推進協議会」(会長・村井嘉浩知事)を設立する。団塊世代が75歳以上となる2025年をめどに、各地域の実情に即したシステム構築に取り組む。

 地域包括ケアシステムは行政と保健・医療機関、介護サービス事業者、NPO、住民らが連携し、地域で暮らす高齢者を切れ目なく見守り、生活を支える仕組み。30分以内で必要なサービスが提供できる日常生活圏を想定する。

 協議会は県や県医師会、県社会福祉協議会、市長会、町村会など46団体で構成。14年度に準備委員会がまとめたアクションプラン(3カ年)を正式決定し、実現を目指す。

 事業主体は市町村で、具体的には(1)在宅医療・訪問看護の推進(2)医療・介護など他職種連携(3)介護予防やリハビリテーション推進(4)地域の支え合い体制づくり-などに取り組む。

 県の推計によると、県内の75歳以上人口は25年に38万5000となり、全世代の17.4%を占める。要介護認定者数が14万7000人に上る試算がある一方、介護保険料を負担する40歳以上人口は減る見通し。

 県長寿社会政策課は「地域包括ケアシステムの構築には、介護や医療など異なる分野の連携が不可欠。関係機関が顔の見える関係をつくり、高齢者を見守る体制を整えたい」と説明する。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2015072902000162.html
【暮らし】
<な~るほど介護>「地域包括ケアシステム」 先進地・埼玉県和光市の取り組み

2015年7月29日 東京新聞

 超高齢社会を支える言葉として、役所の文書などに頻繁に登場する「地域包括ケアシステム」。高齢者ができるだけ、住み慣れた地域で自立した暮らしを続けられるよう、医療や介護など福祉・生活支援サービスが一体的に提供される体制を指す。医療・介護費用抑制の狙いもあり、国が躍起となって市区町村に整備を働き掛けているが、掛け声先行の感も。全国から視察が相次ぐ先進地・埼玉県和光市の取り組みは-。
 「おれたちは、高齢者の尊厳を追求しているんだぞ!」。市役所五階の会議室に、東内京一(とうないきょういち)・保健福祉部長(51)の大きな声が響いた。机を囲む市や地域包括支援センター職員四十人の間に緊張が走る。センターの女性職員が報告した末期がんの八十代女性のケアプラン。担当医との調整がなく、容体急変への対応も不足と指摘された。同部長から「別途再調整を」と言われ、職員は「すみません」と謝るしかなかった。
 要支援者の自立支援や、課題が多い要介護者の対応策を個別に検討する「コミュニティケア会議」。隔週開催で、作業療法士や薬剤師ら外部講師も意見を述べるほか、バリアフリーの住宅改修を行う業者が、計画をセンチ単位で報告する場面も。ケアプラン作成側は、対象者と心底向き合わなければ会議をパスできない。高齢者にすれば、これほど多くの専門家が、自分のために徹底論議をしているとは知らないだろう。
 二〇〇〇年の介護保険制度発足と同時に市の介護保険室に異動し、地域包括ケア構築をけん引してきた東内部長によると、同市のシステムは、中学校区を基本とした地域ごとに、訪問介護・看護の介護サービスを展開し、地元診療所などとの連携で「介護状態になっても、自宅で安心して暮らせる街」を目指している。
 リハビリは、介護保険の通所サービスで。給食が必要なら、刻み食などもある市独自の配食サービス(一食の自己負担四百円)を依頼。外出が困難な場合は、これも市独自の地域送迎サービス(一時間まで同六百円)が利用できる。
 市民にとって「オーダーメード」ともいえるきめ細かな支援は、市をはじめ、地域包括支援センターの委託運営も担う介護事業者、医療機関などの連携があって成り立つ。冒頭の会議はその象徴だ。
 連携のカギは、地域包括ケアの成果。体が不調になっても施設入所を選ばず、在宅で暮らせる街づくりを進めた結果、市では、市民の間にも「なるべく自立した生活を続けよう」との意識が広がった。要支援になっても、毎年、約四割が同状態から「卒業」。要介護・要支援の認定率は現在、全国平均の半分近い9%台にとどまっている。「目に見える数字が、事業者や職員のやりがいにつながっている」と東内部長は言う。
 市の地域包括ケアは、介護保険制度と並行して整えられてきた。当初の目的は、給付が増加する一方の国民健康保険の轍(てつ)を踏まないこと。そのために、要介護状態の予防や、状態を改善するリハビリが重要といち早くとらえ、サービス体制の模索が始まった。〇一年には、六十五歳以上の市民全員を対象とした「ニーズ調査」を開始。市の「長寿あんしんプラン(地域包括ケア計画)」に反映させるとともに、市民、介護事業者らの意識啓発に地道に取り組んできた。
 東内部長は「介護保険の運営は地方分権の試金石。市町村のやる気次第で、思い切ったカラーが出せる」と強調する。 (白鳥龍也)
 <和光市> 人口約8万500人。埼玉県南端にあって東京都と隣接。若年層の転入が多く、高齢化率は17%と高くないが、高齢者の数は増え続けると予想されている。



http://www.qlifepro.com/ishin/2015/07/29/prescription-refills-japan/
リフィル処方箋は、日本の薬剤処方のかたちを変えます
2015年7月29日 Q Life Pro

 先日の中医協で、リフィル処方箋制度創設、分割調剤制度見直しに向け詳細な議論を始めることが了承されました。薬剤師にとって大きな話題ですが、日本の医療全体にとってもかなりインパクトのある制度変更です。

患者さん 「○○薬局ですかね。今飲んでいる薬欲しいのだけど出してもらえるのかな?」
薬剤師  「申し訳ありません。この薬は処方箋が必要でして、処方箋は必ず医療機関を受診しなければ発行することはできないのです。申し訳ありませんが早急に受診をお願いします。」
患者さん 「いつも同じ薬なのになんか面倒だね わかりました。」

 皆さんもよく体験されているかと思いますが、ご存知の通りこういった対応は、先進国のなかでは日本のみです。ドイツを除く諸外国においては、症状が安定し、受診時に医師による処方変更の可能性が低いような容態の患者さんには、リフィル処方箋というものが発行されています。「リフィル」というのは英語で「詰め替え」というような意味合いの単語で、つまりリフィル処方箋とは複数回使える処方箋です。

 患者が医師の再診を受けることなく、処方箋1枚で繰り返し薬局で薬を受け取ることができる処方箋である。多くの場合、病状が安定した患者において医師が期限を決めて処方箋を書き、その期限内であれば薬剤師のモニタリングの元に、その都度繰り返し調剤が行われる。薬剤師はモニタリンク結果を薬歴や調剤録に記録をとる。薬剤師が再受診を必要とすると判断した場合は調剤は行われず主治医に受診勧奨を行う。薬剤師によるモニタリングを前提とした仕組みである。

—–「リフィル処方箋」(2015年7月23日 (木) 16:35 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

メリットや問題点をまとめますとこんな感じでしょうか。

患者さんのメリット
1. 医療機関受診にかかる手間やコストがかからない
2. 残薬確認や副作用モニタリングなど薬剤師による薬学管理が定期的に行われる

問題点
1. 処方箋発行医療機関の診療報酬の減少
  (もちろん国民の皆様の医療費の削減には貢献します)
2. 麻薬・向精神薬処方に対する厳格なリスクマネジメントの必要
3. 薬剤師の技量により受診を勧めるタイミングが変化する可能性がある
4. リフィル処方交付時に本人ではなく代理の方が来られた時のアセスメントが出来ない


 規制改革会議や中医協では、残薬解消、多剤処方防止の手段として捉えられており、薬学部6年制により薬理的な管理を任せられる新たな存在として薬剤師を定義し直した上で、いよいよその役割を担わせようとしています。これが国としての姿勢です。私としても、この重責をしっかりと認識し頑張りたいと思っています。

 また薬局薬剤師としては、予見されている深刻な医師不足の医療環境を危惧しています。日常診療で忙しい医師の負担を、一部でも私たちが担うことで地域医療がうまくまわっていけばと思っています。私見ですが、以下の3点を原則としてリフィル処方箋を我が国でも実施することができれば薬剤師の資質の向上が図られ、医療の連携がスムーズになると信じております。

1. リフィル処方箋に関する情報の処方元への情報提供等は電子化された薬歴へのアクセスを可能とする
2. リフィル処方箋発行の際はお薬手帳の確認または新規発行を原則とする(電子版手帳でも可)
3. リフィル処方箋での薬剤交付は原則服用する本人のみとする
未来の医療のデザインは医療現場の声が重要です。より良き医療環境を目指して情報発信をしていかねばと考えております。


水八寿裕 : ふくろうメディカル代表、薬剤師、東京理科大学薬学部 臨床准教授



http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/14/091100014/072300010/?bpnet
コラム 医療問題なぜなにゼミナール  第10回 
「医療訴訟を提起したい」という相談が激減した理由
電話相談から見たこの25年間の患者意識の変化

山口育子=NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長
2015/7/29 日経Goody

誰もがいつかはお世話になる「医療」。ですが、自分や家族が病気になるまで、医療については特に関心がないという人も多いのではないでしょうか。医師との付き合い方や医療制度の動向まで、いざという時にあわてず、安心して治療を受けるために必要な知識をNPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長の山口育子さんが伝授します。

 私たちCOMLが活動をスタートした1990年は、日本医師会の生命倫理懇談会がインフォームド・コンセントを「説明と同意」と訳し、「これからの医療現場に広めていく必要がある」と発表した年です。以来、25年間、COMLはまさしく、インフォームド・コンセントの発展と共に歩みを進めてきたように思います。

 1990年当時、患者はほとんど情報を得られず、「医療のような高度な専門領域は、医師にお任せするしかない」「説明を受けてもどうせ分からない」と、半ば諦めていました。しかし、その後の情報化やインターネットの普及といった時代の変化と共に、患者を取り巻く環境は大きく様変わりしました。

まず「聴く」ことから始まる電話相談

 COMLの日常の活動の柱は、全国の患者・家族から届く電話相談への対応です。これまでに約5万5000件に上る相談が寄せられました。

 相談を受ける上での私たちのこだわりは、専門家ではなく、同じ患者の立場のスタッフが対応すること。これは「相談とは答えることではなく聴くこと」という信念によるものです。忙しさが増すばかりの医療現場で、医療者が「時間をかけてじっくり患者と向き合う」ことは難しいのが現実です(そのことにジレンマを感じる医療者も少なくありません)し、入院治療から外来治療へとシフトする中で、患者が疑問を抱いたり不安になったりするのは自宅や仕事先で、周りに医療者がいません。つまり、患者がその想いを医療者に話す機会が限られているのです。

 そのようなときに、まずは想いをすべて吐き出してもらい、問題整理のお手伝いをした後で、その人が「どうしたいか」という本音を引き出し、それに沿ったアドバイスや情報提供をします。しかし、必ずしもアドバイスや情報提供ができるとは限りません。解決方法が簡単に見つからない場合でも、相談者の想いを受け止め、寄り添いながら“聴く”ことはできるはず、そう考えて対応してきました。そのため1件の相談に要する時間は長く、平均で約40分かかっています。

25年間の相談で変わったこと

 振り返れば、この25年間で、電話相談の内容も患者の意識も、さらには医療現場も大きく変化しました。特に1990年代の10年間は、患者の権利意識やコスト意識の芽生えと共に、情報化が進みました。それまで表沙汰にならなかった“暗闇の部分”も表面化するようになったあたりから、医療に不信感を抱く患者・家族も増え始めました。

 そこに1999年に起きた横浜市立大学医学部附属病院の患者取り違え事故や都立広尾病院での消毒液誤注入による患者死亡事故などの大きな医療事故が重なったことにより、医療事故・ミスの報道は過熱を極め、深刻な医療不信の深まりをもたらしました。

 そうした動きに伴い、COMLでも、「医療訴訟を提起したい」という内容の電話相談が増えました。ピーク時は、寄せられた電話の約2割強が、法的解決や示談交渉を含む医療不信関係の相談だったほどです。

“医療崩壊”報道へのシフト

 しかし、医師不足や救急医療の危機といった“医療崩壊”へと報道がシフトした2007年ごろから、「医療訴訟を提起したい」という電話相談が激減しました。

 2004年に起こった福島県立大野病院事件(産婦が胎盤剥離の際に失血死)では、担当医が2006年に逮捕されるというショッキングな事態に至り、関連する報道も過熱しました。しかしその後、産婦人科医から「あの状況は妊産婦を救えるものではない」と悲鳴が上がりました。

 さらに、2006年、奈良県の町立大淀病院で出産間近の妊産婦がくも膜下出血を起こし、受け入れ先の病院がなかなか見つからず、結果的に転送先の病院で死亡するという事件が起こりました。この際、「たらい回し」という言葉を使った報道も多く見られましたが、その際も同様に、「たらい回しではない。受け入れたくても受け入れられないんだ」という悲鳴が医療側から噴出しました。

 そういった動きによって、マスコミもそれ以前に比べると、“医療たたき”を前面に出した報道をしなくなりました。それに見事に呼応するかのように、「医療訴訟に訴えたい」という相談が激減したのです。こうした背景もあり、現在は、「法的解決や示談交渉」に関連した相談は、全体の1割ほどです。

以前とは異なる「自己決定できない」理由

 そのような変遷の中で、変わることなく届く相談が、相談というより判断を求める、つまり、治療法の選択や医療機関選びなどに関して「自己決定できない」という内容です。

 ただし、その理由は以前とは変わってきました。かつては「情報や知識がないから医師が話すことを理解したり自己決定するのが難しい」と訴える方が多くいました。しかし今は、専門家と同じぐらいの情報がたやすく手に入る時代です。また、COMLに寄せられる相談においても、「十分な説明を受けていない」という方は少なく、相応の時間、医師が説明の時間を取っている例が大半です。

 では、現実には何が起こっているのでしょうか? 患者が詳しい医療情報を手にしても、その内容はやはり専門的で難解。結果として、情報の渦に翻弄されてしまっている患者・家族が少なくないのです。

 次回は、インフォームド・コンセントという言葉が一般化した時代において「自己決定できない」患者がなぜ減らないのかを分析するとともに、情報に振り回されないために、患者として何ができるかについて、考えてみたいと思います。


【COMLからのお知らせ】
 COMLでは、「医療で活躍するボランティア養成講座」の参加者を募集しています。患者と医療者が協働してよりよい医療をつくりあげていく時代。患者の視点や意見がいまほど必要とされているときはありません。ボランティアといっても、活躍する場はさまざま。まずは医療の周辺事情を理解し、賢い患者になったうえで、あなたが参加できるボランティア活動を探してみませんか?
 大阪開催は8/10~14の5日間、東京開催は10月から来年2月にかけて5日間のスケジュールで行います。5回の講座は、連続参加はもちろん、関心のある講座だけを選択することもできます。
 詳しくは、こちら をご覧ください。

山口育子(やまぐち いくこ) NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長


  1. 2015/07/30(木) 06:11:28|
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