Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月8日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/332212
初期も後期も研修医は「不足」◆医学部長アンケートVol.5
「若手の感性で宣伝」「熱意持って指導」で確保

2015年7月8日(水)配信 成相通子(m3.com編集部)

 臨床研修が2004年度に必修化され、10年以上が経った。厚生労働省が毎年発表している臨床研修医の採用実績によると、大学病院の採用割合は年々減少し、今年は41.7%だった(『臨床研修医の採用8千人超え、過去最多更新』を参照)。各大学の臨床研修はどんな実態にあり、研修医を確保するためにどんな工夫をしているのだろうか。

 研究者と臨床医、どちらの育成にどの程度重みをつけて力を入れているのかについても、合わせて質問した(調査の概要は、『「大学の役割、高まる」 ◆医学部長アンケートVol.1』を参照)。

第7問 貴医学部・医科大学は、臨床医と研究者、どちらの育成に力を入れていますか。「合計で100」になるよう数値で、教えてください。

第8問 大学病院において、適正な人数の初期、後期研修医が在籍されていますか。
    ア.いる イ.不足している ウ.どちらとも言えない
第9問 研修医確保のためにどのような方策を行っているか、工夫されている点があれば教えてください。

 第7問では、ほとんどの大学が「研究」よりも「臨床」に力を入れて育成していると回答。最も高かったのは95:5で、平均は73.9:26.1だった。「研究」の割合が最も高かったのは2校で、50:50と回答した。そのうちの一校の山形大医学部長の山下英俊氏は、「研究には臨床研究も含む」とした上で、「臨床のレベルを上げるためには、研究マインドを持つ臨床医、臨床のマインドを持つ基礎医学研究者の育成が、バランス良く行われる必要があると考えている」と述べ、研究者の育成が結果的に臨床医の育成にもつながるとの見解を示した。

 第8問では、初期・後期研修医ともに「不足している」を選んだ回答者が5人で、「(適正な人数が)いる」「どちらとも言えない」との回答を上回った。山形大 、埼玉医科大、広島大、鹿児島大は初期・後期ともに「不足している」と回答。

 第9問の研修の確保策として 、「熱意を持って研修医を指導、研修医の希望に沿ったプログラムを整備、ハ-ド面、ソフト面での研修環境の充実」(埼玉医科大)、「Super Global Universityにおける医学部にふさわしく、国際的に開かれた質の高い医療人の育成に取り組んでいく」(広島大学)、「施設の充実、プログラムの充実、広報活動」(鹿児島大学)などが挙がった。

 ともに「(適正な人数が)いる」と回答した東京慈恵会医科大学は、「よい研修プログラムを提供し、説明会やWebで若手医師の感性で宣伝をする」を確保策として挙げた。

 そのほかの確保策は下記の通り。

・ 医学部生(5、6年)に説明会・意見交換会
・ 県(行政)-医学部-関連病院の一体となった卒後研修システムの提供
・ 宿舎、給与面や複数病院研修の充実などを推進
・ 企業主催の病院説明会への出展、院内での病院説明会の開催
・ 病院見学を随時受付
・ 研修情報誌への広告掲載
・ ホームページ上での募集情報の告知(自院ホームページ・業者ホームページ)
・ 研修プログラム内容見直し



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46153.html
都立病院、アクシデントなどの報告数が減少- 薬剤が最多、時間帯は日勤が半数超
2015年07月08日 18時00分 キャリアブレイン

 都立病院から報告のあった昨年度のインシデントとアクシデントのレポート報告件数が前年度より減っていたことが、東京都病院経営本部が都立病院医療安全推進委員会に報告した集計結果で分かった。ただ、対策マニュアルがある「薬剤」と「転倒・転落」、点滴などの「抜去」が全体の6割超を占めていることから、都病院経営本部は「マニュアルの活用などにより、今後もこれら事象の予防対策の徹底を行っていく必要がある」としている。【新井哉】


 都病院経営本部によると、昨年4月から今年3月までの1年間、都立の8病院から報告のあったインシデントの件数は、前年度比662件減の2万2633件、アクシデントの件数は、同182件減の758件だった。

 インシデント・アクシデントの種類は、「薬剤」が最多で全体の34%、次いで「転倒・転落」と「抜去」がそれぞれ15%。診療科別では外科系が最も多かった。レポートの提出状況は、看護師が86%、医師が4%、薬剤師が3%となった。

 時間帯別では、午前9時から午後5時の日勤帯が全体の半数超を占めた。今後の取り組みについて、都病院経営本部は「全都立病院に共通する事故予防対策の企画・立案を行い、速やかにこれを実施する」としている。



http://www.sankei-kansai.com/press/post.php?basename=000000001.000014499.html
倉敷中央病院が研修医採用に実技試験を導入。「15ミリの折り鶴」・「昆虫の組み立て」・「ミクロ寿司」に挑戦。
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院

2015.07.08 14:45  PRESS RELEASE 提供:PR TIMES

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倉敷中央病院が研修医採用に実技試験を導入。「15ミリの折り鶴」・「昆虫の組み立て」・「ミクロ寿司」に挑戦。

ユニークな試験で受験者の精神力・集中力・判断力を総合的に審査。

倉敷中央病院は、2016年度の新卒研修医採用試験に実技試験を導入します。それに先立ち、7月19日、東京ビッグサイトで開催される医学生向け医療系就職活動イベント「レジナビ」で、医学部の4・5・6年生を対象とした実技試験のトライアウトを実施します。

◆トライアウト告知用WEBサイト
URL: http://www.kchnet.or.jp/recruiting/
◆開催日、会場
7月19日、東京ビッグサイト102会議室にて (レジナビと同日開催)
◆開催時間
13時~、17時~
 公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院(岡山県倉敷市美和1丁目1番1号 創立1923年)は、2016年度の新卒研修医採用試験に実技試験を導入します。それに先立ち、7月19日、東京ビッグサイトで開催される医学生向け医療系就職活動イベント「レジナビ」で、この実技試験のトライアウトを実施します。対象は全国の医学部の4・5・6年生です。
倉敷中央病院が実施する実技試験の内容は、以下の三つです。

■15mm平方の折り紙を用いて極小の折り鶴を何羽つくれるかに挑戦
■13の部分に分けた約35mm前後のタマムシを、もとの形に組み立て直せるかに挑戦
■約5mm程度のひと粒の米の上に極小の刺身を載せた寿司を何貫つくれるかに挑戦

以上をそれぞれ15分以内に行ってもらいます。

 この実技試験を採用するにあたって、倉敷中央病院 救命救急センター長兼教育研修部部長 福岡医師は次のように語っています。
「手先の器用さをテストすることが最大の目的ではありません。医療の現場は、無理難題の連続です。その際、冷静に状況を判断し的確な処置ができるか、決して諦めずに手を尽くせるかが問われます。
今までの筆記と面接の試験では測れなかった素質や性格を判断したいと考えています。私たちは、筆記や面接で目立たなくても、やりぬく力を持って活躍する人材にたくさん出会ってきました。
そんな人に出会える実技試験を目指しています。前向きな医学生の受験をぜひ心待ちにしております」

 この実技試験を体感できるホームページを開設しました。ぜひご覧ください。(URL: http://www.kchnet.or.jp/recruiting/ )
企画はカンヌ国際広告祭(クリエイティブフェスティバル)で金賞を複数回受賞しているTBWA\HAKUHODOのクリエイティブディレクター佐藤カズー氏と、そのチームが担当しています。

[画像: http://prtimes.jp/i/14499/1/resize/d14499-1-776315-0.jpg ]
企業プレスリリース詳細へ
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000014499.html



http://mainichi.jp/area/mie/news/20150708ddlk24040333000c.html
上野総合市民病院:麻酔科、退職で医師1人 病院側「影響ない」 伊賀 /三重
毎日新聞 2015年07月08日 地方版

 伊賀市は7日、市立上野総合市民病院に2人いた麻酔科の医師のうち1人が6月30日付けで退職したと明らかにした。7日の岡本栄市長の定例記者会見で、病院側が質問に答えた。

 辞めたのは2011年3月から勤務している医師。これで麻酔科は11年5月から勤務の医師1人になった。手術対応など診療に「影響は出ていない」と病院は説明した。

 市民病院では6月30日に1人だった小児科医も退職している。いずれも常勤医で、小児科医は嘱託だった。退職理由は、どちらも自己都合という。

 常勤医の数は2人が退職し、21人(うち4人が嘱託)になった。【大西康裕】

〔伊賀版〕



http://www.qlifepro.com/news/20150708/otc-advice-consultation-locations-ensuring-requirements-name-to-the-health-support-community-pharmacy.html
厚生労働省・健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会、OTC助言、相談場所確保が要件-名称は「健康づくり支援薬局」に
2015年07月08日 AM10:30 Q Life Pro

 厚生労働省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」は2日、利用者からの健康や介護等に関する相談などに対応できる薬局の具体的な要件について議論した。これまで用いていた健康情報拠点薬局(仮称)の名称について、委員から「イメージと合わない」などの意見が出たことを踏まえ、暫定的に「健康づくり支援薬局」に変更することになった。支援薬局の要件として厚労省は、「かかりつけ薬局」の機能に加え、一般薬に関する助言や健康相談応需、個人情報に配慮した相談スペースの確保、土日祝日の開局などを例示し、議論を深めた。
 前回の検討会では、名称に用いられている「拠点」について、委員から「イメージと合わない」「拠点ではなく、窓口ぐらいがいい」などの意見が出た。羽鳥裕委員(日本医師会常任理事)は、「高齢者はかかりつけ医を持っている」とし、患者のファーストアクセスは薬局ではなく、かかりつけ医になると主張するなど、ファーストアクセスの場といったイメージを持たせる「拠点」を名称に用いることに難色を示していた。

 そのため、厚労省は暫定的に「健康づくり支援薬局」に変更し、別途、検討することを提案し、委員の合意を得た。羽鳥委員は「だいぶイメージしやすくなった」と評価した。

 この日の会合で厚労省は、かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師が備えるべき機能について、「引き続き検討が必要」としながらも、▽患者の服用歴や服用中の全ての薬剤情報等の一元的な管理▽24時間対応、在宅対応▽かかりつけ医をはじめとした医療機関との連携――の三つを提示。

 その上で、健康づくり支援薬局(仮称)の定義として、▽一般用医薬品や健康食品等の適正使用に関する助言▽地域住民から健康に関する幅広い相談を受け付け、必要に応じてかかりつけ医など適切な専門職種・関係機関への紹介▽地域住民の健康づくりへの積極的かつ具体的な支援――に取り組むことなどを挙げた。

 この定義を踏まえ、支援薬局の要件を設定する際に検討する項目として、▽かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能▽一般薬に関する助言や健康相談の応需、専門職種や関係機関への紹介を適切に実施できる▽個人情報に配慮した相談スペースの確保▽健康づくり支援薬局(仮称)であることの表示▽一般薬を一定数以上取り扱っている▽平日だけでなく、土日祝日も開局している▽薬剤師以外の多職種や関係機関(医療機関、行政機関など)との連携▽健康相談内容の記録作成――の八つを提示した。

 一般薬の取り扱いについては、品目数が多い薬局ほど健康に関する相談件数が増える傾向があり、厚労省が提示した調査結果によると、取扱品目数が600~699の薬局で相談件数が最も多かった。

 日本薬剤師会の森昌平副会長は、一般薬について、大分類で18の薬効、中分類で80の薬効に分類できると説明した上で、「それらの分類からまんべんなく揃えることが重要」と指摘した。

 安藤高朗委員(全日本病院協会副会長)は、数多くの一般薬を揃えなければならなくなった場合、「小規模薬局の負担が大きくなる」との懸念を示し、「大手独占のような形にならないようにすべき」と配慮を求めた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC08H08_Y5A700C1EA2000/
改正特区法成立、医師・家事代行で外国人の活用緩和
2015/7/9 0:00 日本経済新聞

 地域限定で規制を緩和する特区を拡充する改正国家戦略特区法が8日、成立した。外国人の就労範囲を拡大し、診療所の医師として勤務したり、家事代行の仕事に就いたりすることを認める。都市公園に保育所の設置を認めるなど保育サービス向上のための施策も盛り込んだ。ただ日本経済の成長力を高める起爆剤としては小粒な内容にとどまっている。

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 国家戦略特区は新たな産業や雇用を創ることを目的に、地域限定で規制を緩和する仕組み。安倍政権の成長戦略の柱の一つとして、2013年12月に成立した国家戦略特区法で導入した。特区は東京圏、関西圏、福岡市など6地域だったが、今回の改正で仙台市、愛知県、秋田県仙北市の3地域が新たに加わった。

 新たな規制緩和の目玉の一つは外国人の活用拡大だ。大病院に限っていた外国人医師の受け入れを、住民に身近な「クリニック」などの診療所にも広げる。秋田県仙北市が温泉を使った医療ツーリズムを念頭に要望したものだが、すべての特区で規制が緩和される。医師不足問題の解決に寄与する可能性がある。

 家事代行でも外国人の就労を認める。大阪市や神奈川県などが求めていた。良質で安いサービスが増えれば家庭の家事負担が軽くなり、働く女性が増えるとの考えからだ。育児と仕事の両立支援につなげる狙いだ。

 保育分野では都市公園内に保育所を開設できるようにする。用地不足に悩む東京都荒川区が要望していた。また地域限定で認める保育士の試験を都道府県に加え、政令市でも実施できるようにする。保育所や保育士を増やし、待機児童問題の解消につなげたい考えだ。

 新たに加わる3地域は技術開発での規制緩和も求めた。仙北市では無人飛行機(ドローン)を遭難者の捜索などに役立てる方法を実験予定。愛知県や仙台市は自動運転車の実験を計画している。

 政府は年内に特区地域をさらに増やしたい考え。ただ現状は規制改革の起爆剤にするという当初目指した姿からは遠い。

 安倍政権がつくった国家戦略特区は雇用、医療、税制など岩盤とされる規制を地域限定で緩め、規制改革を全国に広げる突破口にするのが本来の狙い。地域振興を目的とするそれまでの特区とは一線を画すはずだった。

 ところが、15年4月の統一地方選などが意識され、地方創生に力点が置かれるようになってきた。緩和のスピードは遅く、特区で認めた規制緩和を全国に広げる道筋も見えない。

 雇用の流動性を高めてビジネス環境を整える規制緩和は不十分だ。農業分野で企業の参入を進める改革も進んでいない。

 第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「すぐに全国展開が難しい規制緩和でも、指定地域で実験してみるという当初の理念に戻るべきだ。経団連の規制改革要望は200近くあり、民間のアイデアを生かす努力が要る」と指摘する。



http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20150708-OYTNT50332.html?from=ycont_top_photo
民間医療ヘリ 資金難で存続危機
2015年07月09日 読売新聞

◆気仙沼のNPO 経費集めに奔走◆

 震災で医師不足が進んだ過疎地の医療を支援するため、気仙沼市で2013年10月から運航されている県内唯一の民間医療用ヘリコプター(※)が、存続の危機に直面している。運営するNPO法人が資金難に陥っているためで、収入の大半を占めていた団体からの支援も6月末に停止。今秋にも運航できなくなる可能性があり、「このままでは救える命も救えなくなる」と資金集めに奔走している。

 運営するのは、13年1月に設立された気仙沼市の「オールラウンドヘリコプター」。ヘリ1機を所有し、救急救命士や整備士、パイロットが常駐する。協定を結ぶ宮城、岩手両県の12の病院や社会福祉法人などからの要請で出動し、患者を無償で近隣の高度医療機関に搬送する。

 これまでに26回出動し、多くの命を救ってきた。栗原市のトラック運転手の男性(62)もその一人。今年1月、気仙沼市で土砂の運搬中に背中の痛みに襲われ、近くの市立本吉病院に救急搬送された。大動脈の内壁がはがれる「胸部大動脈解離」と診断した医師はヘリの出動を要請。治療のできる仙台市の病院に約30分で搬送された。「陸路だと3時間かかるが、ヘリなら揺れも小さく、患者の負担も少ない。地方の医療は時間との戦いなので助かった」と本吉病院の斉藤稔哲としあき院長は振り返る。男性も「ヘリが命をつなげてくれた」と感謝しきりだ。

 ただ、資金繰りは厳しい。昨期(2013年10月~14年9月)の経費は、整備費や人件費など6800万円。収入の8割は、災害活動への支援を行う公益社団法人「シビックフォース」(東京都)からの支援金に頼っていたが、支援期間が6月末で満了となった。継続するかどうかは未定という。

 今期は支援の終了を見越し、寄付金で経費を賄う予定だったが、寄付は目標の2割程度の1200万円にとどまり、4月20日から約1か月間、運航を休止した。元消防士で同NPO事務局長の渡部圭介さん(34)は「要請に応えられなかったのが苦しい。このままでは秋にも運航できなくなってしまうかもしれない」と危惧する。

 同NPOは大手飲料メーカーと協力し、1本買うごとに5円の寄付金が入る自動販売機の設置場所を増やしたり、気仙沼市内のヘリポートで雑貨を販売するイベントを開いて認知度アップに努めたりしている。渡部さんは「地域医療を支えるためにも協力してほしい」と話している。

※民間医療用ヘリコプター…緊急性の高い患者の搬送に限られる公的なドクターヘリとは異なり、救急患者のほか、軽症の患者を搬送するなど弾力的に運用できる。沖縄県や滋賀県、福岡県など、各地のNPO法人や医療機関が所有している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/enkawa/201507/542880.html
援川聡の「クレーム対応の勘所」
クレーマー対応で押さえておきたい5原則

援川聡(エンゴシステム代表取締役)
2015/7/9 Nikkei BP net

 第3回までで、クレーム対応ではできることとできないことを明確にし、犯罪性のクレームやトラブルには組織として対応することが重要なことを紹介してきました。それでは、きちんと組織として対応するには、どうすればいいでしょうか。

 医療機関の場合、例えばトラブルに対する院内の通報・連絡網を整備しておくことが非常に重要です。外来患者として不特定多数の人が来院するため、トラブルが持ち込まれるリスクが高く、しかも職員は忙しく働いているために、クレーマーやトラブルメーカーに対して無防備になりがちだからです。忙しさを理由に、初期対応がおろそかになる可能性もあります。

 もちろん、ガードマンを配置したり、監視カメラや非常ボタンを設置するなどして、警備を強化することも大切です。ただ、何よりも職員のチームワークをおろそかにしてはなりません。

 さらに、しつこいクレーム、犯罪性のあるクレームやトラブルに対しては、組織対応を前提として、以下で紹介する「クレーム・トラブル対応の5つの原則」を押さえておくといいでしょう。

(1)経緯をしっかり記録・録音する
 クレームの内容を記録しておくことは、それが正当な主張や要求である場合も含めて重要です。クレームが発生した(持ち込まれた)ときの様子からクレーマーとのやり取り、その処理方法まで、できるだけ綿密に記録しておきます。そうすれば、「言った、言わない」の水掛け論にならずに済み、院内でクレーム情報を共有することもできます。

 相手の発言を録音することについて、裁判で証拠として採用されないかもしれないとの見方もありますが、犯罪と認定されたときは証拠としての価値があります。個人情報保護法では、個人情報の取り扱い上の制限が適用されない場合として「人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」とあります。つまり、身体や財産に危害を加えそうな相手で、本人が氏名などを明かさない場合、相手に断らずに会話を録音しても問題ないのです。

(2)安易な約束・曖昧な言葉は口にしない
 約束とは、とても重いものです。自分たちで対応できる範囲を超えた約束を結んでしまった場合、その約束を反故にすれば、さらに責任を追及されることになります。安易な約束はしてはいけません。

 また、曖昧な表現は相手に都合よく解釈され、要求がさらにエスカレートする可能性があります。このため、曖昧な言葉遣いも避けるべきです。自分たちが対応できる範囲はどこまでかを明確にした上で、はっきりとした言葉で伝える必要があります。

(3)相手との交渉は複数で行う
 個人レベルでクレームに長時間対応していると、やがて心が折れてしまいます。そうならないためにも、相手との交渉は複数で行った方がいいでしょう。1人が交渉を進め、1人がメモを取るといった役割分担も可能になります。

(4)自宅の電話や携帯電話の番号は教えない
 自宅の電話や携帯電話の番号を教えれば、対応は自分1人で行うほかなくなってしまいます。また、こちらの予定に関係なく、相手の都合の良い時間帯に連絡が来るようになり、その時間に電話に出られなかったことで新たな追求の火種を生むことになります。クレーム対応の大原則として、緊急事態以外で、時間外に自宅に連絡を入れたり個人の連絡先を相手に教えてはいけません。

(5)交渉には対等・平等のスタンスで臨む
 自分たちに非がある場合は、しっかりお詫びをすることが重要です。患者は何らかの不満を訴えているのですから、先入観を持たずにまずは不快な思いをさせたことをお詫びしましょう。

 ただ、その先に不当な要求がある場合には、毅然とした対応が必要になります。「不快な思いをさせてしまったことに対してお詫びをしています」と説明し、責任を認めて補償や弁償をするという謝罪ではないことを説明しましょう。自分たちに非があったとしても、必要以上にへりくだったり、負い目を感じながら対応する必要はありません。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H2E_Y5A700C1EE8000/
協会けんぽ、黒字額2倍に 加入者・賃金伸び収入増
2015/7/8 19:02 日本経済新聞

 中小企業の社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は8日、2014年度の決算を発表した。保険料や国の補助金といった収入から、医療費などの支出を差し引いた収支は3726億円の黒字となった。黒字額は前の年度の2倍で、国が運営していた時代を含め記録が残る1992年度以降で最高だ。加入者の数や賃金が伸び、保険料収入が増えた。

 黒字は5期連続。かつては赤字基調だったが、保険料の引き上げや国の補助金の上積みで財政が好転している。

 収入は9兆1035億円と4%増えた。保険料収入の伸びに加えて、関連組織の清算による一時的な収入もあった。支出は8兆7309億円と2%増にとどまった。医療費の支払いは増えたものの、高齢者医療制度などへの仕送り金がわずかに減ったため。

 協会けんぽが積み立てた準備金は1兆647億円と54%増え、20年ぶりの高い水準になった。支出の1.6カ月分にあたり、法律が求める1カ月分を大きく上回っている。今後も黒字基調が続けば保険料や国の補助金の見直しが議論される可能性もある。



http://www.m3.com/news/iryoishin/338076
「浜松医大学長の独裁」とパワハラを提訴
男性教授ら会見、550万円賠償請求

2015年7月8日(水)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 事前の相談のないままポストや教育範囲を減らす決定を伝え、恫喝するなどのパワーハラスメントがあったとして、浜松医科大学の50代男性教授が7月7日、同大と中村達学長を相手取り、550万円の損害賠償請求を、静岡地裁浜松支部に申し立てた。同日、浜松市内で教授と塩沢忠和弁護士らが会見した(『教授が医大学長をパワハラで提訴へ、浜松医大』を参照)。男性教授は、恫喝などによるポストや教育権限の移譲について、「正規の議論の形跡もなく独裁」と指摘している、同大と中村氏はともに7日夜の時点で、「訴状が届いておらずコメントできない」としている。


 当初は中村氏個人に対する訴訟となる予定だったが、非公務員の国立大学法人職員は、国家賠償法上の「公務員」として扱われる判例がある。公務員扱いの場合、警察官の職務執行などと同様に免責となり、「請求そのものが棄却される可能性があるため、大学も対象とした」(塩沢氏)という。ただ、訴状では、中村氏への損害賠償請求については、民法の適用を求めていて、男性教授も中村氏個人に対する責任を追及したい考え。

 訴状などによると、中村氏から、男性教授へのパワハラは2005年ごろに開始。准教授ポストや教育内容を減らされてきたほか、恫喝と受け止められる言動があったという。2014年4月 には、事前の相談がないまま、准教授のポストや教育範囲の減少、教室のスペースの明け渡しなどを求め、「准教授が辞めた際、別の准教授の任用を許可しない」などの恫喝があったという。

 パワハラの動機については「(男性教授と関係の深い)別の教授と、中村氏の関係の悪化」(男性教授)があり、「中村氏の個人的な恨み・怒りの矛先が、男性教授に向かった」(訴状)としている。男性教授は、「(継続的なパワハラで)無気力感や絶望感を感じる」(訴状)ようになり、PTSDと不眠症を発症し、今年1月に浜松労基署に労災を申請し、「上司とのトラブル」が認定され、支給が決まっている。男性教授らは、大学にパワハラの調査も求めていて、大学には調査委員会が設置されている。現在は、教育は実施しているが、「最近1年間、研究は手がついていない」と影響を訴えている。

 塩沢氏は、大学におけるポストや授業範囲などについて、「不文律があり、関係する教授の意見を聞かないで決めるのはあり得ない。学長の持っている権限の濫用」と指摘。男性教授も「中村氏の要求は正規の委員会等で議論された形跡もなく、まさに独裁」と批判している。実際の意思決定の権限については、学長に一定の裁量がある点を認めながらも、塩沢氏は「過度の精神的な負担を負わせる対応に問題がある。また、目的についても、不当な目的があれば、原則不法行為として認められる」としている。

 教授による学長に対する訴訟提起は、全国的にも珍しいケースとみられ、塩沢氏は「聞いたことがない」としている。司法の場に持ち込んだ理由について、「大学における人生でこれだけ(いじめを)やる人はおらず、心理的に追い詰められてPTSDを発症した。また、部下や教育内容を講座の長として守らないといけない」と述べた。

 会見においては、国立大学法人の在り方への疑問も出た。現在、浜松医科大学の学長選挙では、教授選挙が廃止され、意向調査を実施。意向調査を経て、経営協議会と教育研究評議会から選ばれた学長選考委員会が、最終決定する。塩沢氏は、経営協議会と教育研究評会のメンバーを学長が選定できることを疑問視した上で、「中村氏は(権限の強さから)何をやってもよいと思い込んだのではないか」と指摘した。



http://www.m3.com/news/general/338159
患者死亡で准看護師逮捕 千葉、傷害致死容疑
2015年7月8日(水)配信 共同通信社

 千葉市の精神科病院「石郷岡病院」で2012年、男性患者=当時(33)=を介助中に頭を蹴るなどの暴行を加え、2年4カ月後に死亡させたとして、千葉県警は8日、傷害致死の疑いで、いずれも准看護師の菅原巧(すがわら・たくみ)容疑者(62)=千葉市若葉区=と、田中清(たなか・きよし)容疑者(66)=市川市=を逮捕した。

 県警によると、菅原容疑者は黙秘、田中容疑者は「正当な業務上の行為だった」と容疑を否認している。

 2人の逮捕容疑は12年1月1日、入院患者の弘中陽(ひろなか・よう)さん=市原市=を介助した際に頭を蹴るなどして首の骨を折るけがを負わせ、14年4月28日に衰弱による肺炎で死亡させた疑い。

 県警は弘中さんがいた保護室に設置されていたカメラの映像の解析結果などから、2人の暴行が死亡につながったと判断した。菅原容疑者が頭を蹴り、田中容疑者が顔の付近を膝で押さえたとみている。

 弘中さんは治療の影響であごを引いたような状態に首が曲がって柔軟性がなくなり、衝撃を受けると骨が折れやすくなっていたという。遺族が被害届を出し、県警が捜査していた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/335586
「トラブル防ぐ手立てない」「『患者様』をやめる」◆Vol.13-2
医師501人に聞いた「トラブル減に向けた提言」

2015年7月8日(水)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q14: 今後、医師と患者もしくはその家族とのトラブルを減らすための提案として、お考えがあれば御記入ください(自由回答)。

 患者とその家族とのトラブルを減らすには――。アンケートの最後の質問で、医師会員501人にトラブルを減らすための提言を聞いた。前回(『「真摯な態度なら問題おきない」「医療の限界を啓蒙」◆Vol.13-1』)は、丁寧で誠実な態度を心がけるとの声や、問題がある患者には警察を呼ぶなど毅然とした対応を取ること、医療や道徳に関する教育の徹底、マスコミ報道の改善を訴える声などがあった。引き続き、紹介する。

<トラブル減らす手立てない>

・ 防ぐ手立てはないと思います。如何にしてもトラブルは続発すると考えます。
・ 特になし。クレーマーが増えているので、うまく避けるしかない。
・ 患者による。いくら丁寧に対応してもトラブルになるときはある。
・ トラブルは減りません。だって、患者が変わらないんですから。
・ いろんな患者がいることを意識している。
・ 書面で説明して納得しているか確認する。しかし、明らかに非常識な患者もいてそのような患者は確信犯なので防ぎようがない。
・ 誠実に接するが、一定のクレーマーも存在するので、トラブルをゼロにはできない。
・ 患者にしっかり説明することが大切だと思いますが、いくら説明しても、ごくごく僅かですが、言いがかりをつけ、暴力を振るう方は、存在します。
・ 権利意識が不必要なほどまでに高まり続ける今の社会では難しいと思います。

<「患者様」をやめる>

・ 「患者様」という考え方は、やめた方が良い。「お金(診療費・医療費)を支払う」という点では、顧客と同様だが、こちらが営利目的でない以上、「顧客」ではない。「患者様」と呼ぶことで、患者さんが勘違いしていると思う。
・ 「様」と客扱いしない。
・ 「患者さま」の呼称は止めるべき。

<患者を選ぶ>

・ ありません。相性が悪い患者は離れていきます。
・ ある程度患者層のスクリーニングが必要と思われる。
・ 患者さんを選ぶ。
・ 救急患者等は最初から診察しないようにしています。
・ 医師が診療拒否できるようにする。
・ 不当な要求に対しては自由に診療拒否をできることを患者に周知させたい。

<記録・書面に残す>

・ 一つひとつの説明や医療行為について同意書を作成するか、カルテに記録を残す。
・ 極力文書で記録を残すようにする。
・ 可能な限りカルテに気が付いた点をこまめに記載する。
・ 説明を充分に行い、その証拠を残すこと。
・ 書類にサインしてもらう。
・ 全て電子カルテに詳細に記載する。
・ 患者の同意を得た上で、その診察・治療の撮影と録音をしておく。

<複数や組織での対応>

・ 1対1を避ける。
・ まずは、患者の背景、性格をできるだけ冷静に正確に判断する。その上で、1対1での対応はできるだけ避ける。
・ 両者、複数で話をすること。また、患者側には、ショックを受けようとも、真実を全て話すべき。
・ 最初から悪意のある態度があれば早くに上司や仲間に報告しておく。
・ クレーマーなどの問題患者はマークして、病院として診療拒否の姿勢を取ってほしい。
・ 患者と診療側の人間の直接の交渉ではなく、病院として対応専門者による対応。
・ 看護師同席のもと、説明する。繰り返し説明する。
・ 病院組織ぐるみで対応することです。場合によっては法律家や警察も交えてできればさらに良いです。
・ 複数の職種で対応する。
・ 誠意を持っての話し合い、意思の疎通が大切だと思う。常識の通じない患者は1対1での対応でなく、病院全体での対処が必要。カルテを含めてきちんと記録を残すことも不可欠であろう。
・ 病院として渉外担当を設ける。
・ 病院として、医師・コメディカルの教育(丁寧ではなくても説明を行う・書面に残す等)を徹底すること。トラブル発生時には病院が全面的に対応・サポートすること。
・ 行政やケースワーカーなど第三者を介して対応する。なるべく複数の人間で対応する。
・ 患者に複数の家族と同席してもらい、医療者側も看護師長、看護師、医事専門官、ソーシャルワーカー、ほかの医師など複数の他職種が同席して説明をする。
・ お互い複数で説明すること。説明の場にいなかった人に後日発言権を与えないこと。
・ 医療者側、患者側、どちらにも偏らない、医療対話推進者研修の充実。
・ トラブルになりそうな気配を感じたら、周囲のスタッフにも話しておくこと。
・ 一人で抱え込まず、早めに事務など複数職種を巻き込んでチームとして対応する。
・ トラブルのための医療従事者以外の役職がいる。
・ 医療サイドの接遇教育は必要。説明には複数人で対応することを基本とし、問題が起こりそうな状況では組織的な対応を躊躇なくとる。
・ 説明は複数参加の場で、事務系スタッフの積極的な参加・関わり。

<時間の余裕>

・ 時間的な余裕が必要。
・ 過剰労働を避ける。
・ 待ち時間の長さが多くのトラブルの原因になっており、これの改善が重要と思う。
・ 患者一人単位の診察時間をたっぷり取る。家族への説明時間を定期的に取る。
・ こちらが時間の余裕を持って丁寧に診療する。そのために、たくさんの患者を見ようとはしない。逆紹介をどんどんして、自分が診る必要のない患者の診察をしない。

<医療制度を変える提案>

・ 雑用を他職種に任せて医師は説明に時間を割く。
・ 医師法21条がある以上、どうしても対策は不十分になると思います。
・ 忙しいと、自然と態度に出てしまうので、1日の患者数を制限した方がよいと思います。
・ 弁護士の料金体系のように、時間がかかる患者にはそれに見合う点数体系の確立。

<その他・提言>

・ なんといっても、病院の経営者が儲かる患者を優先し、トラブルの多い、難しい患者を使い捨ての若い医師や、拾ってくれる病院のない弱い立場の医師(医局に所属しない「流れ医者」に回して、何も支援しないのが悪いと思う。そのくせ、そういう患者を検査漬けにし、薬をたくさん出して儲けろと指示を出す。この手の経営者がいる限り、医療不信は増すばかりだろう。
・ 治療内容についての説明のスキルを上げる研修会を行い、多くの若い医師やコメディカルに参加してもらう。
・ 基本的には看護師や医療スタッフだけでなくケアマネや介護者と情報を共有することが必要。悪い情報も含め、予め情報が分かっていればトラブルが減ってくると感じる。
・ 社会全体としての対応が必要。
・ 最終決定を患者にさせる。
・ 法律知識を整備する。
・ 国民皆保険制自体も限界と思われ、自由診療・自費負担にてドクターショッピング自体を無くし、その上で医療側もレベルアップに励んでいくことが必要と考えます。
・ 家庭内の問題を医療の場に持ち込ませないこと。
・ 双方が大人としての常識を身に付けることが最も大事。
・ 医師もけっこう大変だと理解してほしい。患者様も逆の立場で考えてほしい。
・ おかしな患者や家族も多いことを世間に訴えていく。
・ ケースバイケース。
・ 行政がしっかり対応していただかないと無理だと思います。権利意識を勘違いされている方が多いように感じます。
・ 医師個人の資質にもよるだろうから一概には言えない。
・ もうちょっと時間がとれるようになるといいです。後はコミュニケーションを取る専門の部署があるといいです。
・ 医療メディエーションの普及。
・ 厚生労働省が、日本の医療が医師のボランティアで成り立っていることを認識する。
・ 医師の労働者に労働基準法を厳格に適用する。
・ 医師と患者のトラブルという訳で無く、教育、その他サービス業、あらゆるところで同じ事が起こっている気がします。

<消極的な対応>

・ なるべく受診を受けない。
・ 医療サービス提供の中止。
・ 医師をやめる。
・ 患者の権利の剥奪。
・ 夜間休日の診療をやめる。診察終了時間を1時間程度早める。
・ 不必要に話さない。
・ クレーマーは放置。
・ 何をしても非常識な人はいるので、早目に察知して、避ける。
・ 深入りしない。
・ 自分の領分以上の診療をしない。
・ すぐに大きな病院に紹介状を書く。
・ 当方の治療方針に納得いかない場合は他院への紹介状を書くと伝える。
・ トラブルになりそうな患者は何となくわかるので、なるべく再診しない



https://www.m3.com/news/iryoishin/337568
化療学会の著書販売禁止措置、態度表明なく1カ月
岩田神戸大教授が問題視、事実関係にも不透明な点も

2015年7月7日(火)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 今年6月4日から6日に開かれた日本化学療法学会総会において、神戸大学病院感染症内科教授の岩田健太郎氏の著書などが、出展した出版社や書店で販売禁止となった。禁止については、学会が「大会長であった昭和大学医学部感染症内科教授の二木芳人氏による指示」との文書を出していて、二木氏も、m3.com編集部の取材に対して「今の件で騒がせ申し訳ない」と回答した。ただ、岩田氏は、参加者や書店への謝罪や、実際に書店への指示を出した学会運営支援会社との付き合い方に対する見解を学会に対し問い質しているが、1カ月が経過した今も回答はなく、事実関係も不透明な点が残っている。岩田氏は弁護士を通じて回答を待っているが、二木氏や学会から明確な回答はないままになっている。

「人を排除は、いじめでは」

 学会は、6月4日から6日まで東京都内で開かれた。岩田氏が入手した資料によると、1月末に学会の事務局を学会運営支援会社から、出展する書店に対して、「出展に当たって主催者から1点条件がある。岩田氏の名前が入った書籍を置かないようにしてほしい。表紙に名前が入ったものも厳禁」という旨のメールが送られたという。岩田氏の推薦コメントの入った帯についても外された上で販売されていた。さらに依頼には「対応してもらえない場合は、出展は受けられない」との旨の指示が出ており、岩田氏は「実質的な交換条件」と指摘している。さらに岩田氏が、複数の出版社や書店に確認したところ、販売禁止について口外しないように指示があったことを認めたという。

 岩田氏は、6月中に学会や学会運営支援会社に問い合わせを実施した。その結果、6月12日付で、学会から速達で返信があったという。返信では、実際の販売禁止措置を認めていて、以下のように説明している。

・販売禁止は、二木氏に確認したところ、指示をしたのは事実である。 ・今回の販売禁止は、二木氏の単独の判断に基づくもので、学会やその他の関係者は何ら関与していない。 ・今後書籍の展示は基本的に担当する書店に書籍の選択を委ねる。不当な介入がないように通達を行う。

 岩田氏は、二木氏との関係について「面識はほとんどなく、名前を挙げて批判した記憶はない」としている。販売禁止措置の理由を明らかにしていないが、岩田氏は、自身の著書などで薬の使い方などを批判的に見てきたのが根源にある可能性を認めた。特定の意見でなく、特定の著書を排除するやり方について、「学問の世界において、何が正しいかは簡単に分からない。本や物事でなく、人を対象とするのはいじめではないか」と話している。

「禁止措置OKの空気が問題」

 ただ、事実関係に不透明なところもある。二木氏から岩田氏に対する説明は、7月6日までにない。また、二木氏は学会が「二木氏の単独での実行」としていることを含め、学会の見解に対して、同意・不同意の旨を聞いたところ、「個別の取材には応じられない」として明らかにしていない。 岩田氏は、今回のような販売禁止措置について、「知っている限りでは初めて」とした上で、(1)さらなる事実関係の調査、(2)参加者や書店への謝罪、(3)実際に指示した学会運営会社との今後の付き合い方の見解表明――を求めている。さらに、再発防止に向けて、文書による注意でなく、実際に問題が起きた際の相談窓口の設置などを求めているが、6日までに回答はなく、ホームページ上の態度表明もない。

 岩田氏は、今回の販売禁止措置と、かん口令が敷かれた事態について、「二木氏個人の問題ではなく、禁止措置を取ってもよいと思わせるような空気を作るのがまずい」とも指摘している。また、学会は公益社団法人という立場にあることから、弁護士を通じて見解を問いただしている。また、今後も同学会員を続ける意向で「苦しい思いをしてでも、(学会などの改革に)尽くさないといけないと考えている」と述べた。



http://www.m3.com/news/general/338180
【埼玉】2年連続の赤字も医業収益過去最高 14年度県立4病院決算
2015年7月8日(水)配信 埼玉新聞

 県病院局は、県立がんセンター(伊奈町)など県が運営する4病院の2014年度事業会計決算を発表した。4病院合計の事業収益は前年度比46億3400万円増の436億6200万円。病院事業費用は同比76億7400万円増の485億5900万円で、純損失は48億9700万円となった。2年連続の赤字になったことについて、同局は「がんセンター旧病院の解体に17億円かかったことが主な要因」としている。

 4病院はがんセンターと、循環器・呼吸器病センター(熊谷市)、小児医療センター(さいたま市岩槻区)、精神医療センター(伊奈町)。

 医業収益(入院や外来診療に伴う収入)は、333億5600万円(前年度比23億8900万円増)で過去最高に増えた一方、本業の収支状況を示す医業収支比率は同比1・2ポイント減の77・6%だった。一般会計からの繰入金は93億900万円。

 13年12月30日に新病院が開業した、がんセンターの入院収益は74億6400万円(同比13・4%増)、外来収益は52億6400万円(同比14・4%増)となった。


  1. 2015/07/09(木) 05:46:55|
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