Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月4日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/332684
産業医が訴えられる可能性も- 野村忍・早稲田大学人間科学学術院教授に聞く◆Vol.2
「問題なし」の判断に法的責任

2015年7月3日(金)配信 聞き手・まとめ:成相通子(m3.com編集部)

――ストレスチェック制度では、クレーマーが面談の対象になって、産業医が被害を受ける可能性もあると聞きます。どういうことでしょうか。


心身医学を専門とし、自身も産業医の経験がある早稲田大学人間科学学術院教授、野村忍氏に伺った。
 チェックは自記式で出すので、自分で正直に付けないケースもあると考えられます。例えば、うつがひどくても「これを書くとまずいからそうでもない風に書いておこう」とするのも可能であり、その反対に「大したことないけど、オーバーに書いておこう」というのもあり得ます。両方の可能性があるので、社内教育や研修を行って正直に書いてもらうことを周知する必要があります。

 それから、面談してその面談結果を踏まえて就業上の配慮をする前提なので、もし、ある労働者が「職場で業務を減らしたい」とか「もうちょっとのんびりしたい」と考えて、「点数を高めに付けて面談した結果、業務を減らして楽な環境に移してもらった」といったケースがあり得ます。そこをどう判断するかが産業医にかかってきます。

 社員が「こうして欲しかったのにしてくれなかった」とか、極端な例で言えば「過重労働が積み重なって、産業医に話をしても全然配慮されなくてダウンしてしまった」という場合は産業医の責任が問われる可能性があります。

 今までは企業に対してそのような労災訴訟が起こされていましたが、今度は産業医に対して訴訟が起きる可能性があるわけです。産業医は「とてもやってられない」ということになるかもしれません。

――「面談で問題がない」と判断したことについて、産業医が法的責任を問われる可能性があるのですか。

 そういう可能性があります。また、産業医が業務上の配慮が必要と事業者に対して意見書を出した場合に、その意見書を見せてくれと言われる可能性もあります。「ちゃんと自分のことを理解して伝えてくれたか」というのを見せてほしいと。

 産業医が意見書を出して「こういう風にした方がいい」と言ったにもかかわらず、会社がしなかった場合は会社の責任ですが、意見書にきちんと書いてないと産業医の責任が問われることになるかもしれません。

――高ストレス者を選定方法は企業に裁量権がありますが、選定する過程に産業医が関わっていると、そこでも産業医の責任が問われる場合もあるのでしょうか。

 選定の基準は企業の衛生委員会で基準を決めますが、そこにももちろん産業医が関わって意見を述べることになっています。高ストレス者とされた人は、自身で事業者に面談を申し出る。その場合、高ストレス者だという資料を企業に提出しなければなりません。それで面談が必要か判断しますが、労働者が事業者に示したくない、知られたくない場合はどうするかが問題として残っています。

 資料は基本的に労働者が合意した場合以外は渡せないとなっていますが、何らかの対応が必要で同意していない場合が問題です。

 産業医の立場から面談を勧奨します、面談に来なさいというしかない。それをする、しないは個々人の社員の判断によります。

――産業医は勧奨する、という立場ですが、問題があれば責任を負うことになるのでしょうか。

 あり得ます。勧めたけど本人が来なかったら本人の責任になるとは思いますが、勧奨の仕方もどこまでやるか決まっていません。現在、普通のストレステストでは点数に応じてコメントが自動的に付くソフトを使っているが、その中で「相談に来なさい」と書いてあっても、その後に来なかった人に対し、産業医がどこまで勧奨するのかは分からない。

 再度やるべきか、2回やってもこなかったら3回目をやるべきかなど。難しいところです。

――現場の産業医から新制度に対する反応を聞いていますか。

 そういう反応はまだありません。12月になって各事業者の方針が決まってから、産業医の動きがあるのではないでしょうか。まだ企業がどうするのか決まっていないところがありますので。

 いずれ会社側から産業医に対して提案があるでしょう。こういう業務をやってくれとか、それに対して契約内容をどうするか、あるいは研修を受けてくれという指示が会社から産業医にあるかもしれないかもしれません。

 場合によっては、メンタルのことができる産業医を別に雇用して対応することもあると思います。

――12月の新制度施行に向け、産業医向けのメンタル面談に関する研修などは始まっているのでしょうか。

 準備はしているようですね。「研修を担当する講師の研修をやっている」という話を最近聞いています。一般の産業医を対象にした研修はその後、始まるでしょう。また、産業医だけでなく、看護師や精神保健福祉士など関連する職種に対しても研修を始めることになっています。

――最も野村先生が懸念されている点はどういったところでしょうか。

 一番は産業医の数が足りないことでしょう。負担が大きすぎて成り手がいなくなってしまうのではないでしょうか。今まではどちらかというと産業医は、気楽な職業というか負荷もなく楽な仕事という認識がありましたが、新制度で逆に大変な仕事という認識になると思います。

――産業医でも高齢の方などは、研修で新しいスキルを覚えるのも大変かもしれません。

 難しいかもしれません。また、大学に勤務していて非常勤でかけもちで産業医をしているケースも多いですが、両方やるのは大変になるでしょう。



http://www.m3.com/news/general/336742
ニプロ、注射針など250万本自主回収 異物が付着
2015年7月3日(金)配信 朝日新聞

 医療機器メーカー「ニプロ」(大阪市)は、注射針など計250万5千本の自主回収を始めた。異物が付着していたと医師から指摘があったため。健康被害は確認されていないという。

 回収対象は、2012年6~9月に出荷された注射針計201万本と、13年11月に出荷された注射筒49万5千本。

 同社によると、12年12月、愛知県一宮市内のクリニックから、「針に異物がついている」などと指摘が寄せられた。14年2月には注射器の筒の中に異物が入っていると指摘があったという。針の滑りを良くするシリコーンオイルだった。

 その後、医師から連絡を受けた独立行政法人の医薬品医療機器総合機構が同社側に「適切な対応を検討するように」と指示。同社は先月10日、自主回収に踏み切った。同社信頼性保証部の担当者は「原因は人的ミス。医療者の意見を正確にくみ取れず、回収が遅れたことは申し訳ない」と釈明している。



http://www.m3.com/news/general/336744
偽「母乳」ネット販売:細菌1000倍、乳児に危険
2015年7月3日(金)配信 毎日新聞社

偽「母乳」ネット販売:細菌1000倍、乳児に危険

 インターネットで販売されている「新鮮な母乳」をうたった商品を毎日新聞が入手した。複数の検査機関で分析したところ、少量の母乳に粉ミルクと水を加えた可能性が高い偽物と判明した。栄養分は通常の母乳の半分程度で、細菌量は最大1000倍。病原菌などが混入した食品販売を禁止する食品衛生法に抵触する恐れがあり、医療関係者は「乳児に飲ませるのは危険」と警鐘を鳴らしている。毎日新聞はネット上で他にも母乳販売をうたうサイトを確認している。

 入手したのは、今年長男を出産した東京都在住の30代女性が、母乳販売をうたう業者のサイトで2月に買った50ミリリットル冷凍パック4個のうちの2個。1パック5000円だった。国内唯一の「母乳バンク」がある昭和大江東豊洲病院(東京都江東区)と、一般財団法人「日本食品分析センター」(渋谷区)に検査と分析を依頼した。

 その結果、母乳にはないたんぱく質「βラクトグロブリン」が検出された。乳アレルギーの子供が飲めば強い反応が出るレベルで含まれていた。脂肪や乳糖(炭水化物)は一般的な母乳の半分程度。同病院の水野克己小児内科教授は「脂肪分が少ない状態の母乳を、水で希釈した粉ミルクに混ぜた可能性が高い」と指摘した。

 検出された細菌はレンサ球菌など3種類。母乳バンクで安全としている一般的な母乳の100~1000倍で、免疫力の低い小児らが摂取すれば、敗血症などを引き起こす恐れがある。山崎伸二大阪府立大教授(細菌学)は「極めて不衛生な環境で製造、保管されていたことが疑われる。病原性の弱い菌なので健康な人が摂取すれば大きな問題はないだろうが、腸管の発達が不十分な乳児は思わぬ健康被害が生じる恐れがある。絶対に飲ませるべきではない」と話した。

 販売業者は用途を「母乳風呂」用などとする。1日10件程度の購入の問い合わせがあり、会員は約300人としたうえで、「品質や安全性を保証できず、飲用を控えるようアピールしているが飲むかどうかは自由」と説明。しかし、女性が受け取った同封の手紙は飲用を推奨する内容だった。

 厚生労働省監視安全課によると、国内で母乳の販売は規制されていない。衛生上問題のある母乳の販売について「母乳は体液なので区別が難しいが、食品として扱うとしても不衛生なものは食品衛生法に抵触する可能性があるし、売買すべきものではない」としている。【鳴海崇】

偽「母乳」ネット販売:購入の母「まるで詐欺」 「息子に謝りたい」

 インターネットの通信販売で、わらをもつかむ思いで手に入れた「母乳」は、不衛生な偽物だった。「息子に謝りたい」。購入して長男に飲ませてしまった東京都在住の会社員の30代女性は、声を震わせた。【鳴海崇】

 今年2月、第1子の長男を産んだ。しかし、母乳がほとんど出ない。「1歳まで母乳以外を与えてはいけない」。ネット上の誤った情報に「母親なんだから我が子を母乳で育てるのは当然」と思い込んでいた。母乳が出やすくなるというハーブティーを買い込み、個人経営の助産師にマッサージしてもらったが、飲める量は出なかった。

 周囲から「粉ミルクでも立派に育つ」と諭されても納得できず、ママ仲間への相談も「出来損ないの母親と見られそうでできなかった」。夫に「母親失格で、養子に出したい」とまで泣いて訴えた。

 助産師は「赤ちゃんのために頑張って母乳をあげて」と励ましてくれた。それでも出ない時の絶望感。「まるで母乳ノイローゼのようだった」。追い詰められ、知人から母乳の売買を掲げる業者を紹介してもらった。

 2月下旬、ホームページ(HP)にあるメールアドレスに、住所や電話番号などと、知人から教えられた過去の購入者の名前を書いて送った。2日後に「担当のサイトウ」を名乗る男性から電話があった。「母乳は人気が高くて品薄だが、今なら少しストックがある」。50ミリリットル単位の冷凍パックに入れて凍らせ、代金引換の宅配便で送る。搾ってから4カ月後は1パック5000円、6カ月後は4500円、約1年は3000円――。

 HPでは用途を「母乳風呂やせっけんなど」と説明し、電話でも「飲料に使うなら自己責任。クレームは受け付けない」と念を押された。

 女性は、2万円で、「4カ月後」を4パック注文した。届いたパックに同封された「イクミ」名義の手紙は「食べものにも生活にも気をつかっているのできっとおいしいおっぱいです」と飲料を前提としていた。

 長男は1パック目を「ごくごく飲んだ」。粉ミルクよりよく飲んだようで安心した。

 異変は3月に2パック目を解凍した際に起きた。白い粉のようなものが浮いていた。なめると母乳より甘みが濃いような気がして、そのまま捨てた。子供の体調に異常がなかったのが幸いだった。

 毎日新聞が「母乳」の検査・分析結果を伝えると、女性は10秒ほど絶句してから「自業自得だが、まず息子に謝りたい」。そして「母乳にこだわる母親の悩みに付け込んだ取引で、まるで悪質な詐欺。子供への被害が広がる前に規制してほしい」と語った。

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 ■解説

 ◇売買規制、対策急げ

 今回の「母乳」ネット販売業者は、かつて慣習だった「もらい乳」をビジネス化していた。思うように母乳を与えられずに悩み、焦り、罪悪感を抱える母親が少なくないうえ、産院や自治体によって授乳の指導や助言がまちまちであることが背景にある。そうした状況を狙うかのように不衛生な「偽母乳」を売るのは極めて悪質で、関係機関は母乳売買の規制や対策を急ぐべきだ。

 母乳を与えると、細菌性髄膜炎や壊死(えし)性腸炎などの発生率と重症度が下がり、乳幼児突然死症候群(SIDS)や白血病、アレルギー性疾患のリスクが減る。厚生労働省の乳幼児栄養調査(2005年)では妊娠中の女性の96%が「母乳で育てたい」と回答。しかし実際に母乳だけで育てている割合は生後から1カ月が42・4%、3カ月は38・0%。授乳の悩みでは「母乳が不足ぎみ、出ない」が48・1%で最多だった。

 ネットではこの業者以外にも、母乳の売買を呼びかける業者や個人ブログがあり、利用者がいる可能性がある。

 昭和大江東豊洲病院の水野克己・小児内科教授は「完全母乳ではなく、粉ミルクとの混合授乳で良い。母乳を数滴飲んでくれたら、母乳育児を行ったことになる」と語る。母乳が出にくくても肌は触れ合える。母乳育児を「成功」や「失敗」で語らず、自信を持って子供に向き合ってほしい。【鳴海崇】



http://www.m3.com/news/iryoishin/336689
仮称を「健康づくり支援薬局」に変更
「他職種つなぐコミュニケーション能力が重要」との指摘も

2015年7月3日(金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 地域の健康情報拠点として薬局・薬剤師を活用するための方策を話し合う厚生労働省「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」(座長:西島正弘・昭和薬科大学学長)の第3回会合が7月2日に開催された(資料は、厚労省のホームページに掲載)。前回までの議論を踏まえて、仮称が「健康づくり支援薬局」に変更されたほか、定義や要件について意見交換が行われた。

 6月18日の第2回会合で日本医師会常任理事の羽鳥裕氏が「拠点ではなく窓口ぐらいが良いのでは」と指摘したことなどを受け(『かかりつけ薬局に優れた健康サポート機能を』を参照)、厚労省医薬食品局総務課は「積極的に健康サポート機能を発揮する薬局の暫定的な略称として、『健康づくり支援薬局』を用いたい」と提案。羽鳥氏は「事務局の努力を多とする。拠点から健康づくり支援に変わって、イメージしやすくなった」と賛同。日本保険薬局協会常務理事の二塚安子氏は名称にこだわらないとしつつ、「健康づくりに必要な『情報』がキーワードになってくるのではと思う。健康情報という言葉が印象に残るような名称にしてほしい」と求めたものの、反映されなかった。

 健康づくり支援薬局(仮称)の要件について、同課は8つの観点からこれまでの議論を整理。この日は各委員がそれぞれに意見を述べた。

1. かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能
2. 薬剤師の資質
3. 薬局の設備
4. 薬局における表示
5. 医薬品の供給体制
6. 開局時間
7. 地域における連携体制の構築
8. 健康相談・健康づくり支援

 薬剤師の資質に関する議論では、同課は「要指導医薬品や健康食品などの知識と情報提供や地域包括ケア、生活習慣病に関する基礎知識に関する研修を受けた薬剤師が常駐することが必要では」と提案している。日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、健康づくり支援に資するという心構えと、相談に来た人からニーズを引き出すコミュニケーション能力が重要と指摘した。今年10月から始まる看護師の特定行為の研修制度では300時間以上の研修が求められることを引き合いに出して、健康づくり支援薬局(仮称)で働く薬剤師に求められる水準について質問が出ると、厚労省医薬食品局長の神田裕二氏は「何百時間ということではなく、基本的なことを理解してもらい、他職種にきちんとつなぐ能力が必要と考える」と答えた。

 薬局の設備では、同課は「患者・薬局利用者とのやり取りが他の薬局利用者に聞こえないよう、パーテーションで区切るなどして、個人情報に配慮した相談スペースが必要ではないか」と問題提起。羽鳥氏は「音が漏れるのを嫌う患者がすごく増えている。診療所ではパーテーションでは納得できず、個室が求められる」と指摘すると、森氏は「個室だと逆に抵抗があるのでは」と異議を呈した。

 医薬品の供給体制に関する議論では、品数が多い方が利用者が立ち寄りやすいという意見がある一方、薬局の負担が大きくなるため大手独占につながりかねないという指摘もあった。森氏は「品数も重要だが、地域のニーズに対応できるよう種類を取りそろえることが重要ではないか」、産経新聞社論説委員の佐藤好美氏は「健康相談をするのは、サプリメントを飲んでみようかという時が多い。サプリメントや介護用品、衛生材料は取り扱ってほしい」と述べた。

 開局時間について羽鳥氏は「(夜間も電話で応対するなど)せめてかかりつけ医がやっている程度の対応はしてほしい」、相談記録の保存について森氏は「薬歴は最低3年なのでそれが目安になると思う」といった意見を寄せた。

 地域における連携体制の構築に関して、日本在宅ヘルスケアアライアンス議長の新田國夫氏は、現状では地域連携の集まりなどでも薬剤師からの発言が少ないと指摘。「今まで薬剤師を超えた役割にならないと地域連携の中の一員にはなれない。これからだと思う」と述べた。



http://www.asahi.com/articles/ASH74336BH74UTNB003.html
他人の薬を服用させられ、嘔吐後に死亡 埼玉の特養
2015年7月4日(土)配信 朝日新聞

 埼玉県熊谷市の特別養護老人ホーム「いずみ熊谷」で昨年12月、男性介護職員(48)が、入所していた熊谷市の女性(当時88)に誤って別の入所者用の薬を飲ませた後、女性が嘔吐(おうと)し、誤嚥性(ごえんせい)肺炎で亡くなったことが4日、県などへの取材で分かった。施設も取材に対し、事実関係を認めている。

 県福祉監査課などによると、昨年12月19日の朝食の際、前日入所した女性に血圧降下剤などを服用させるところ、男性介護職員が誤って別の入所者のパーキンソン病治療薬を飲ませたという。女性は1時間余り後に嘔吐し、病院に運ばれたが、同月22日に亡くなった。入所者が食事をする部屋で、この職員が別の入所者の名前を呼ぶと死亡した女性が返事をし、パーキンソン病治療薬を渡してしまったという。顔と名前の確認が不十分だったとみられる。医師の診断の結果、服用した薬は直接的な死因ではないが、副作用で嘔吐した可能性が高いという。

 女性の遺族から通報を受けた県は1月28日、施設の調査に入り、翌月26日に文書で再発防止を指導した。県警は業務上過失致死容疑で捜査している。男性職員はホームヘルパー2級の資格を持っていた。すでに退職したという。



http://mainichi.jp/select/news/20150704k0000e040240000c.html
千葉市立海浜病院:心臓血管外科で患者7人が手術後に死亡
毎日新聞 2015年07月04日 11時04分(最終更新 07月04日 12時30分)

 ◇調査検討委員会を設置

 千葉市美浜区の市立海浜病院(太枝良夫院長)の心臓血管外科で4〜6月、患者7人が手術を受けた後に死亡していたことが分かった。短期間に多くの死亡者が出ていることから、同病院は7日にも院内に調査検討委員会を設置し、医療過誤がなかったか調べる。

 病院によると、入院していた50〜70代の男女7人が手術から1〜20日後に死亡した。執刀医は2人だった。

 調査検討委は執刀医や外部の専門家らで構成し、原因を詳しく調べる。医療過誤が認められれば厚生労働省などに報告し、調査結果を公表する。調査が終了するまで大動脈瘤(りゅう)手術や人工心肺装置を用いた手術など、患者に負担のかかる心臓・血管系の手術は中止するという。

 病院の加藤勝夫事務長は「手術はこれまで何度も実施してきたもので、リスクの高い患者がたまたま集まった可能性がある。現時点で医療過誤があったとは考えていないが、死亡者の数が多い。問題があるといけないので、調査委で調べる」と説明している。

 病院ホームページによると、心臓血管外科では昨年、心臓・胸部大血管手術を101件、腹部大動脈・末梢(まっしょう)血管手術を88件実施した。同病院は1984年に開設された総合病院で一般病床は287。2013年、地域医療支援病院の承認を受けた。【金森崇之】



http://apital.asahi.com/article/news/2015070500001.html
宮崎)市立東郷病院で医師2人退職 診療縮小も 日向市
2015年7月 5日朝日深部ン

 日向市東郷町の市立東郷病院(崎濱正人院長、30床)が、常勤医の相次ぐ退職で診療科の縮小や入院患者の受け入れ中止に追い込まれる可能性が出ている。市が来年度の完成をめざしている建て替え計画への影響も懸念される。1日に開かれた地元説明会では、夜間や休日の診療について不安の声が出た。

 東郷病院は旧東郷町の国民健康保険病院が前身で、2006年の日向市との合併で市立東郷病院になった。診療科は内科、外科、整形外科、リハビリテーション科の4科で、旧東郷町で唯一の入院施設をもつ。救急病院として夜間や休日に急患も受け入れており、利用者によると、特に高齢者にとっては欠かせない医療機関だという。

 ところが、3人いた常勤医のうち、今年3月末で整形外科医が退職。宮崎大からの派遣医師が整形外科外来を週1回担当し、夜勤は民間病院の医師らで対応していたが、内科医も今月24日を最後に退職することになった。後任の医師が見つからなければ、内科の診療を中止する。入院についても13日から新たな患者の受け入れをやめ、救急業務もできなくなるという。



http://apital.asahi.com/article/story/2015070400002.html
病床削減、地方困惑 「25年に1割」政府目標 医療機関は反発
2015年7月 4日 朝日新聞

 2025年の医療提供体制を示す都道府県の「地域医療構想」づくりが本格化し始めた。政府は全国で入院ベッド数をいまの1割ほどにあたる16万~20万床削減できるという目標を公表した。だが、医療機関側の反発は強く、自治体も及び腰。患者がどこで暮らすことになるのか不透明だ。

 日本医師会は2日、都道府県医師会の担当理事を集め、地域医療構想の研修会を開いた。横倉義武会長は政府の入院ベッド削減の目標公表を批判した。

 「地域の医療関係者や住民の方々が不安を持ったと思う。誤ったメッセージが政府や関係者から発信されないよう対応する」

 地域医療構想は、膨らみ続ける社会保障費の抑制のために在宅医療・介護を推進するのが狙い。都道府県が17年度までにつくらなければならないが、早くも医療機関側がクギを刺した。

 政府は高齢者らが長期入院する「療養病床」を介護施設に転換するよう病院側に促してきたが、一向に進まない。ある医療関係者は「介護施設は医師や看護師の人員配置基準が緩く、職を失う人が出る。転換には費用もかかる」と明かす。医師のプライドが転換の壁になっているとの指摘もある。厚生労働省は今後の療養病床のあり方の議論を近く始めることにした。

 一方、25年の目標を示した内閣官房の担当者は「都道府県が推計しても数値が大きくずれることは考えられない」とする。ただ、病院の8割を占める民間病院には削減を強制できない。鹿児島県の担当者は「病床削減は念頭にない。県に強制権限は何もない」と言い切る。北海道は4月に地域医療構想づくりの方針案をまとめ、5月にも決定する意向だったが、まだ関係者の意見調整がつかない。

 政府も揺れる。厚労省は、25年の目標について「削減しなければならないといった誤った考えにならないように」という担当課長名の通知を先月18日付で都道府県に出した。地方の医療機関から不安の声が相次いだためと説明する。

 2日の日医の研修会では、中川俊男副会長が「大変勇気のある紙を出してもらった」と評価し、出席した厚労省の担当課長の前で通知の全文を読み上げた。

 ■「家で面倒みられぬ」

 高知県は、人口10万人当たりの入院ベッド数が2473(13年度)と全国で最も多い。全国平均の2倍、最少の神奈川県の3倍だ。患者1人の平均入院日数は最長の約50日。1人当たり医療費(12年度)も最多の62万5千円で、全国平均を14万円近く上回る。

 高知市中心部の上町病院は、坂本龍馬の生家跡地に立つ。7階建ての中規模病院で、179床の入院ベッドはすべて療養病床だ。

 5月下旬、田中誠院長(70)がベッドで寝ている患者に声をかけて回っていた。反応はあまりない。8割が寝たきりで、多くが気管切開や胃ろうをしている。

 25年目標では、高知県は現在の1万6200床から少なくとも5千床削られ、その半分が療養病床だ。

 田村裕仁さん(41)は8年ほど前、自転車で出勤途中にトラックにひかれた。1年2カ月の間に約10回の手術を受けた。一命は取り留めたが意識は戻らず、上町病院に来たのは4年前。いまの状態なら田村さんは入院を続けられそうだというが、父親の琢三郎さん(70)は「ここで見てもらえるから私たちは安心して暮らせる。家で面倒をみるとなれば生活が維持できない」。

 病床削減に伴う患者の受け皿に政府が想定する介護施設の整備は遅れている。75歳以上の人口千人当たりの特別養護老人ホームの定員数は全国37位、有料老人ホームは45位だ。療養病床が高齢者を受け入れてきたことが背景にある。田中院長は「療養病床は高知県の文化。おじいちゃん、おばあちゃんを預けることで周りの人が仕事ができる。生活の基盤になってしまっている」と話す。(小泉浩樹)

 ■各都道府県の入院ベッド数と25年目標に必要な増減数(床)

     入院ベッド数(2013年) 25年目標に必要な増減数

 北海道       8万3600       ▼1万0300

 青森        1万6500         ▼4700
 岩手        1万5000         ▼4400
 宮城        2万1100         ▼2400
 秋田        1万2600         ▼3500
 山形        1万2000         ▼2700
 福島        2万1500         ▼6100

 茨城        2万7000         ▼5200
 栃木        1万8300         ▼2900
 群馬        2万1000         ▼3400
 埼玉        5万0600          3600
 千葉        4万7000          3000
 東京       10万8300          5500
 神奈川       6万2900          9400

 新潟        2万3100         ▼4900
 富山        1万4400         ▼4800
 石川        1万5900         ▼4000
 福井        1万0300         ▼2700

 山梨          9200         ▼2300
 長野        2万0400         ▼3600
 岐阜        1万8500         ▼3500

 静岡        3万4400         ▼7500
 愛知        5万9200         ▼1400
 三重        1万7300         ▼3600

 滋賀        1万2800         ▼1500
 京都        3万0300          ▼300
 大阪        9万1400        1万0100
 兵庫        5万6200         ▼3800
 奈良        1万4200         ▼1200
 和歌山       1万3100         ▼3600

 鳥取          7400         ▼1600
 島根          9200         ▼2800
 岡山        2万6100         ▼5900
 広島        3万5200         ▼6200
 山口        2万3400         ▼7600

 徳島        1万3300         ▼4200
 香川        1万3900         ▼3700
 愛媛        2万1000         ▼6200
 高知        1万6200         ▼5000

 福岡        7万4000         ▼8500
 佐賀        1万3500         ▼4400
 長崎        2万3300         ▼6500
 熊本        3万1800       ▼1万0600
 大分        1万8900         ▼4200
 宮崎        1万6500         ▼5400
 鹿児島       3万0600       ▼1万0700
 沖縄        1万4600           700

 (25年の推計は3種類あり、国全体の削減数が最も少なくなる数値を使った。▼はマイナス)



http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/20150704000130
県立病院2年連続赤字/14年度決算見込み 香川
2015/07/04 09:54 四国新聞

 松本祐蔵病院事業管理者は3日、2014年度の県立病院事業会計が20億3千万円の赤字となる決算見込みを明らかにした。13年度に新設移転した中央病院の建物、医療機器の減価償却が始まったことなどが要因で、赤字は2年連続となった。

 同日の6月定例県議会文教厚生委員会(大山一郎委員長)で報告した。

 総収益は、前年度比11・0%増の230億4400万円。中央病院の新築移転に合わせ、最新の高度医療機器を導入して急性期医療に特化したことなどで医業収益が19億100万円増えた。総費用は、同病院の減価償却が始まったことや材料費、給与費が増加したことが響き、同3・9%増の250億7400万円となった。

 病院別では、中央が15億5千万円の赤字(前年度28億5300万円の赤字)。入院、外来収益が増加したことや前年度に計上していた特別損失(旧病院の建物・医療機器の除去費、引っ越し費用)がなくなったことで、赤字幅は縮小した。

 丸亀は、14年2月から第3病棟(41床)を休止したことなどにより患者数が減少し、2億4500万円の赤字(同1億4500万円の赤字)。白鳥は患者数減や給与費の増加が影響し、1億9100万円の赤字(同5500万円)だった。



http://www.m3.com/news/general/336702?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150703&dcf_doctor=true&mc.l=110385913
美容外科、名義貸し横行 業界に「違法」認識薄く
2015年7月3日(金)配信 共同通信社

 美容外科での医師の名義貸しや勤務実態をめぐる立件が全国で相次いでいる。医療関係者への取材からは「医師不在の施術は違法行為で危険」という認識が業界内で薄いことや、行政のチェックが十分働いていない実態が浮かび上がる。

 6月23日、愛知県警が常勤でない医師の名を使い、同県岡崎市に美容外科クリニックを不正開設した医療法違反容疑で、中京病院(名古屋市)の形成外科部長や元実質的経営者らを逮捕した。部長は複数の診療所に医師を仲介、5千万円以上を受け取った疑いも持たれている。

 1月には福岡市の診療所に名義を貸していた医師が、5月には医師不在で施術させた大阪市の美容外科医らがそれぞれ摘発された。都内の人材派遣会社担当者は「全て断ってはいるが、美容業界から名前を貸してくれる医師を紹介してほしいとの依頼は多い」と明かす。

 愛知県の事件では、約9年間で院長が少なくとも5回交代。勤務実態がほとんどない医師もいたという。名義を貸したとされる医師の1人は「常勤がいると思っていた。名義貸しの意図はなかった」と説明する。一方でこの医師は岡崎市保健所による立ち入り検査の日には出勤しており、保健所は不正を見抜けなかった。

 市の担当者は「日程は事前連絡する。診療中の抜き打ち検査は難しい」と限界を認め、「繰り返し訪問して指導し、違法な診療ができないようにする」と話す。

 国民生活センターによると、レーザー脱毛などの美容医療に関する相談は過去10年で急増。患者が健康被害を訴えるケースも後を絶たない。

 脱毛やしみ取りなどの美容施術の中で、どれが「医師しかできない行為」かは、厚生労働省の解釈で決まる。同省は「健康被害の実態や社会的影響を考えて決める」(医事課)とする。

 愛知県警幹部は「厚労省に施術状況を細かく説明し、違反に当たるかいちいち聞く。違法の見極めは難しい」と打ち明ける。

 医師不在で施術が行われる背景について、上昌広(かみ・まさひろ)東京大特任教授(医療ガバナンス論)は「増える美容外科の需要に医師の数が追いついていない。施術も機器とスタッフだけで比較的容易にできる」とみる。一方で「医師より機器の使い方に慣れている施術者もいる。実態に即した規制をするべきだ」としている。

 最近の美容外科をめぐる主な事件は次の通り。

 2010年11月 医師免許のない従業員にレーザー脱毛をさせたとして、徳島県警が岐阜県の男性医師らを逮捕

 11・1 医師の資格がないのにほくろ取りをしたとして、警視庁が東京都足立区の美容サロン経営者を逮捕

 13・3 東京都港区の美容形成外科クリニックに院長として名義を貸していたとして、警視庁が名古屋市と三重県の男性医師2人を書類送検

 15・1 福岡市中央区の美容会社による診療所開設に名義を貸したとして、福岡県警が男性医師2人を書類送検

 5月 医師免許のない従業員にレーザー脱毛させたとして、愛知県警が大阪市の美容クリニック院長らを逮捕



http://www.med.or.jp/nichinews/n270705c.html
日医定例記者会見 6月17日
「2025年の医療機能別必要病床数の推計結果」等に対する日医の見解

日医ニュース 第1292号(平成27年7月5日)

 横倉会長並びに中川俊男副会長は,六月十五日に発表された「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」の「第一次報告」の中に示されている「二〇二五年の医療機能別必要病床数の推計結果」等とその報道の在り方について,日医の見解を公表した.
 冒頭,横倉会長は,「地域医療構想は,構想区域内で,必要な病床を手当てする仕組みである.手当の仕方は地域の事情によってさまざまであり,構想区域の必要病床数を全国集計することに意味はない」と指摘.「そうしたことを踏まえず,単純集計を公表したことは,医療関係者として納得できない思いである」と述べた.
 更に,報告書の公表以前に情報が流出し,一部マスコミにより,「病床十年後一割削減」「全国の病院,必要ベッド二十万床減」などの見出しで報道されたことで,地域の医療現場が混乱するだけでなく,地域住民をも不安に陥れることとなり,各都道府県医師会が対応に追われている状況にあることを明らかにし,「極めて遺憾である」との意を表した.

推計結果の公表の仕方は恣意的で不安を助長させる

 続いて中川副会長が「二〇二五年の医療機能別必要病床数の推計結果」の「全国ベースの積上げ」で示された二〇二五年の必要病床数について,診療行為を診療報酬の出来高点数で換算した医療資源投入量を基に医療需要(患者数)を出し,それを病床稼働率で割り戻して必要病床数としたものであり,患者数に限りなく近く,急性期病床には一〇〇%急性期の患者のみが入っているとの仮定で出した病床数なので,現状の病床機能報告の病床数(病棟単位)等と比べることに意味はなく,すべきではないと指摘.
 更に,「都道府県別・医療機関所在地ベース」のデータで,在宅医療等で対応する患者数を慢性期病床と別に推計している点については,地域医療構想策定ガイドラインでは,慢性期と在宅医療の数は一体として考えることになっており,地域の実情に合わせて構想区域ごとに柔軟に策定できることになっていると説明.調査会がこのような資料を出すことで,間違った理解が進み,動揺が広がることに懸念を示し,「非常に恣意(しい)的な,不安を助長するような公表の仕方である」と批判した.
 また,同調査会が,医療・介護情報の活用方策等の調査及び検討を行うことを目的として設置されたものであるにもかかわらず,今回の報告では,医療・介護提供体制の改革そのものにまで踏み込んでいる点について,「明らかに行き過ぎである」として不快感を示した.
 更に同副会長は,具体的に問題,懸念がある部分として,(一)地域の実情を踏まえることに制限をかけていること,(二)都道府県知事の権限強化,(三)平均在院日数の更なる短縮化を求めていること,(四)診療報酬について具体的な記述があること,(五)早急に地域医療構想を策定すべきとしていること─の五点を挙げ,それぞれに対する日医の見解を説明し,正しい理解を求めた.
 (一)では,地域医療構想は,地域の実情を踏まえて策定されるべきものであると強調.また,地域差の要因を分析することは重要だが,地域差を全て否定することになってはならないとした.
 (二)では,六月十日の経済財政諮問会議で,有識者議員が県の権限強化で病床再編を後押しすると発言したことにも言及.医療法では,地域医療構想において都道府県知事が対応できるケースは,(1)病院・有床診療所の開設・増床等への対応(2)既存医療機関が過剰な病床の機能区分に転換しようとする場合の対応(3)地域医療構想調整会議における協議が調わない等,自主的な取組だけでは不足している機能の充足が進まない場合の対応(4)病棟単位で一年以上稼働していない病床への対応─の四つに限定されており,地域医療構想区域内で都道府県知事が強制力をもって圧力をかけることは全くないとした.
 (三)では,平均在院日数のこれ以上の短縮化は,患者の追い出しにつながる上,勤務医の疲弊を増すことになると説明.DPCでは平均在院日数の短縮化が進んでいるが,その結果,治癒率が低下し,予期せぬ再入院率が上昇するという事態になっていることも指摘した.
 その一方で,地域医療構想の医療ニーズの算定に当たって,平均在院日数を含む入院基本料が除かれ,医療資源投入量が用いられていることについては非常に評価をしているとした.
 (四)では,地域医療構想と診療報酬をリンクさせるべきではないが,地域医療ニーズの充足を阻害している不合理な診療報酬要件は是正すべきであるとした.
 (五)では,地域医療構想策定ガイドラインにも「拙速に陥ることなく確実に,将来のあるべき医療提供体制の実現に向け,各医療機関の自主的な取組等を促す」とあることから,地域の実情を見誤ることなく,関係者の理解と納得を得て慎重に進めていかなければならないとした.


  1. 2015/07/05(日) 06:25:13|
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