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6月29日

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201506/542804.html?bpnet
「死亡診断書記入マニュアル」がひっそり改訂
「医師法21条」の誤解、ようやく解消へ
いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹氏に聞く

2015/6/30 満武里奈=日経メディカル

 毎年改訂される「死亡診断書記入マニュアル」。実は今年3月の改訂で大きな変更が行われており、関係者の間で話題になった。医師法21条の解釈を巡り、これまで現場に混乱を招いていた表現がようやく見直されたという。今改訂に至るには、いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹氏による4年に渡る厚生労働省への働きかけがあった。これまでの経緯を佐藤氏に伺った。


さとう かずき氏〇1991年山梨医大卒、東京女子医大循環器小児外科入局。1999年同科助手、2002年千葉こども病院心臓血管外科医長、同年綾瀬循環器病院勤務。2009年綾瀬ハートクリニックを開設。2011年いつき会ハートクリニックに名称変更。肺動脈狭窄を合併した心房中隔欠損症の女児が術中の医療事故で死亡した2001年の東京女子医大事件では逮捕・勾留されたが、2009年4月に無罪が確定。2007年には冤罪の元になった報告書の撤回や謝罪などを求め、大学を提訴し、2011年に和解が成立。大学側が和解金を支払い、『衷心から謝罪』した。

――今年3月に「死亡診断書記入マニュアル」で大きな改訂があったと聞きました。

 はい。「死亡診断書記入マニュアル」は毎年改訂されていますが、今年3月の改訂は歴史上、非常に重要な改訂がなされました。
 
 簡単に言うと、昨年度版までは、診療関連死は全て、死亡から24時間以内に警察に届け出ないといけないかのような誤解を与える文章がありましたが、この文章について修正されたということになります。

 問題の箇所ですが、昨年度版までは「また、外因による死亡またはその疑いのある場合には、異状死体として 24 時間以内に所轄警察署に届出が必要となります」と記載され、注釈で「『異状』とは『病理学的異状』でなく、『法医学的異状』を指します。『法医学的異状』については、日本法医学会が定めている『異状死ガイドライン』等も参考にしてください」となっていました。

 これが今改訂では、「また、医師法第21条では、『医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない』とされています」と記載が変更されたほか、「『異状』とは『病理学的異状』でなく、『法医学的異状』を指します。『法医学的異状』については、日本法医学会が定めている『異状死ガイドライン』等も参考にしてください」という箇所が削除されました。

 そもそも医師法第21条は異状死体等の届け出に関する条文であり、「医師は、死体または妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければならない」と規定しています。殺人、死体遺棄・死体損壊などの犯罪捜査への協力のために作られたものであって、決して診療関連死に関する規定ではありません。死体の外表に異状が見られる場合、それが犯罪の痕跡である可能性があるため、届け出を義務付けたものなのです。

 一方の日本法医学会の「異状死ガイドライン」は、「確実に診断した内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体」を警察に届け出るよう求めているものです。これは異状死体の届け出について定めた医師法21条の解釈を大きく超えています。

 今回の改訂は、これまであった誤解を正すものになりますから、現場に与えるインパクトは大きいはずです。


――この改訂に至るまでには、佐藤先生の働き掛けがあったと聞いています。これまでの経緯をお聞かせください。
 
 最初のきっかけは2011年7月、「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ―」をテーマにした日医総研のシンポジウム で講演したことでした。私は、2001年に肺動脈狭窄を合併した心房中隔欠損症の女児が術中の医療事故で死亡した東京女子医大事件で冤罪となった経験を持ちますが、このシンポジウムでは東京女子医科大学事件の当事者となる私と私の弁護士、福島県立大野病院事件の加藤医師と弁護士、あとは杏林大学での割りばし事件の当事者医師の医局教授と弁護士がシンポジストとして招かれました。

 ちょうどこの時期、私は大学との和解が成立したばかりでした。それまで自分の裁判で手一杯だったのですが、このシンポジウムでの講演準備のために他の刑事事件についていろいろ調べたのです。医師法21条の関することをネット上で隅々まで調べたほか、国会図書館で医師法21条に関するありとあらゆる本や論文をコピーして読みあさりました。

 その結果、分かったことは、大半の本や論文では「異状死体」を「異状死」と表現しており、診療関連死や医療過誤は全て警察に届け出ないとならないという誤解が浸透しているという現実でした。日本法医学会の「異状死ガイドライン」や、それを参照するよう求めている「死亡診断書記入マニュアル」が存在することで、こうした誤解が現場に根付いてしまったのです。

 その後、私が所属している東京保険医協会で、医師法第21条の正確な解釈と適正な運用の重要性について講演や執筆活動を重ね、2012年10月には、東京保険医協会会長を差出人として、厚労大臣以下担当の厚労省官僚と「医療事故に係る調査の仕組み等あり方に関する検討部会」のメンバーに対し、医師法21条の正しい解釈を求めた書面を送るに至りました。

 この書面を提出した効果だと思っているのですが、同月に開催された検討部会では当時の田原克志医政局医事課課長から、(1)診療関連死イコール警察届け出という解釈は誤りであること、(2)検案での「異状」とは外表異状を指すこと、(3)検案で異状がなければ届け出の必要はないこと―――などの説明があったのです。

 2013年1月には、同じく東京保険医協会会長を差出人として、厚労大臣を筆頭に厚労省関係者宛に死亡診断書記入マニュアルを改訂する予定があるのかといったことを問う「公開質問状」を出しました。ただし、これに対しては書面での回答は一切ありませんでした。東京保険医協会事務局によると、その後、厚労省から電話があったようで、「現在、検討している医療事故調査制度の議論が一段落したら、この件について検討するつもりだ」という趣旨の説明をされたそうです。

 改正医療法が成立する1週間前となる2014年6月10日の厚生労働委員会では、小池晃議員が当時の厚労相である田村憲久氏から医師法21条の解釈について考えを引き出すことに成功しています。具体的には、医師法21条は医療事故などを想定したものではなく、これは法律制定時から変わっていないと、大臣が明言しました。

 これだけでは不十分で、死亡診断書記入マニュアルを改訂するという確固とした約束を取り付けたいと思っていたところ、民主党の足立信也議員から厚労大臣と総理大臣に2回ほど質問をしていただけました。ここで、死亡診断書記入マニュアルを改訂する必要があるという両大臣の意思を確認することができたのです。こうしたやりとりを経て、今年2015年3月の改訂に至りました。


医師法20条の通知のような周知を

――無事に改訂されましたが、例年どおり、厚労省のホームページに新しい2015年版がアップされただけで、特に通知は出されないと聞いています。

 これだけ、現場に誤解と混乱を招いておいて、本当に厚労省はいい加減だなと思います。

 実は、医師法20条についても医療現場で解釈の誤解が長らくありましたが、これについては2012年8月31日付けで医政局が通知を出しています。

 医師法20条は無診察治療等の禁止を定めた条文で、「医師は、自ら診察しないで治療をし、もしくは診断書もしくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書もしくは死産証書を交付し、または自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。ただし、診察中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書についてはこの限りでない」と定めています。

 これについて現場ではいつからか、「死亡から24時間が経過していると死亡診断書が交付できない」という誤解が長らく存在していました。通知ではこれを正し、「医師が死亡の際に立ち会っておらず、生前の診察後24時間を経過した場合であっても、死亡後改めて診察を行い、生前の診察していた傷病に関連する死亡であると判断できる場合には死亡診断書を交付することができる」と補足しています。

 医師法21条もこの20条の時と同様に対応してほしいと考えています。

――医師法21条の誤解は解けましたが、今後の課題は残っているのでしょうか。

 今年10月からは医療事故調査制度が開始するわけですが、施行から2年が経つ来年6月には医師法21条のあり方を含め、医療事故調査制度の見直しが行われることが決まっています。これを機会に医師法21条を改正したいと考える人たちもいるようで、動きがある可能性があります。

 先ほど説明したとおり、医師法21条はそもそも医療事故を想定したものではないのですが、実際には外表面の異状の有無にかかわらず警察に通報してしまうことが多く、その結果として医師が刑事責任を問われることにつながっています。そこで、警察に通報するというルートをなくし、その代わりに第三者による行政処分を行えばよいと考える人もいるようです。

 過去の事例を見ても、医療事故を刑事裁判で裁いたところで真の医療安全はつながっていませんので、私は刑事裁判で医療事故の責任追及を行うことに反対しています。だから、現行の法律に従って警察に通報するというルートを限定するという考え方には大いに賛成します。

 一方で、医師法21条を改正して行政処分するという手法には賛成し兼ねます。というのも、行政処分決定までの経緯は非公開でありブラックボックスの中で決められる上に、遺族側の訴えや嘆願書などで処分内容が個人的な思惑によってアドホックに変化する印象があり、非常に危険なやり方だと感じるからです。

 今後、医師法21条の改正に反対する立場から議論に注視していきたいと思っています。


◇関連サイト
平成27年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46068.html
構想区域、「二次医療圏単位」に反対相次ぐ- 都・構想策定部会
2015年06月29日 20時45分 キャリアブレイン

 東京都は29日、地域医療構想策定部会を開き、構想の策定単位となる「構想区域」の設定に向け、将来の在るべき医療提供体制について議論した。厚生労働省が定めるガイドラインでは、構想区域は原則、二次医療圏単位となっているが、この日の会合で医療側の委員からは、二次医療圏ごとの構想区域に対する反対意見が相次いだ。【敦賀陽平】


 都はこの日、国の支援ツールを基に作成した2025年の医療需要の推計結果を会合で公表した。それによると、患者の住所をベースにした推計値は11万2485床で、今年4月1日現在の既存病床数を6988床上回った。これを医療機能別で見ると、高度急性期が1万4696.9床、急性期が4万615.6床、回復期が3万4471床などとなった。

 一方、医療機関の所在地を基にした推計値は11万3882.7床に上った。今回の推計は、患者が住んでいる場所の医療需要(患者住所ベース)と、医療施設の医療供給(医療機関の所在地ベース)を基に行われており、2つの推計値を引いた1397.7床分は他県からの流入が想定されている。

 大学病院が集中する「区中央部」の高度急性期の推計値では、医療機関の所在地ベースの方が2164.3床多かった。都の推計では、少なくとも1日530.8人の患者が他県から流入し、707.7床分(病床稼働率75%と仮定)を他県からの患者が利用していることになるという。

 都はまた、現行の保健医療計画について説明。5疾病5事業に関しては、医療関係者が具体的な対策などを話し合う検討会が、二次医療圏ごとに設置されている事例がある一方、都全域で医療提供体制を確保している取り組みも紹介された。

 猪口正孝部会長(東京都医師会副会長)は「患者さんは病態によってダイナミックに動いている。都民の生活の視点で考えると、二次医療圏でない方が効率は上がるのではないか」と指摘。また、河原和夫副部会長(東京医科歯科大大学院教授)は「(5疾病のうち)精神疾患は三次医療圏の中でやっている。都全域で医療サービスを提供する必要がある」と述べた。

 このほか委員からは、「疾病別に考えなければならない」「地域包括ケアシステムとの結びつきを議論する必要がある」といった意見も出た。



http://www.m3.com/news/iryoishin/335316
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
費用対効果「再算定の反映が現実的」、中医協
費用対効果評価専門部会、来年4月への本格議論開始

2015年6月29日(月)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会が6月24日に開かれ、厚生労働省は来年4月の診療報酬改定時の試行的導入に向けた費用対効果評価の工程案を提示。委員からは、保険収載から一定期間が経過した品目の再算定時に評価結果を反映させるのが現実的という意見が多く出た(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 厚労省が出した「費用対効果評価の一連の工程(案)」では、(1)データ提出、(2)再分析、(3)アプレイザル(評価)、(4)評価結果を活用した意思決定――の4段階に分けて、検討課題を提示した。この日は各委員が工程案について意見を述べた。

 評価結果を活用した意思決定では、厚労省が具体的にどのように制度に反映させていくかについて、(1)保険収載時に、費用対効果評価に基づき、償還の可否の判断を行う、(2)保険収載時に、費用対効果評価に基づき、償還価格への反映を行う、(3)収載後一定期間後に、費用対効果評価に基づき、償還継続の可否の判断を行う、(4)収載後一定期間後に、費用対効果評価に基づき、再算定を行う――という4案を提示した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は「来年4月の試行的実施には、上市後の再算定が現実的だと思う。新規薬品の保険収載については、薬事申請の時に必要なデータをできる限り添付してもらうようにしてはどうか」と提案。現在の薬価算定基準とどう整理していくかが重要と指摘し、「薬価算定基準を廃止する考えは私を含め委員にはないと思うが、費用対効果評価を絡ませるか整理する必要がある」と指摘した。

 経団連社会保障委員会医療・介護改革部会部会長代理の石山惠司氏も「既存収載されているものを、(4)の案で進めていくのが現実的では」と述べた。日本病院会常任理事の万代恭嗣氏も「抗がん剤など、上市後の一定期間経たものを試行的に導入するのが良いと考える。現場の医師や患者にとっては、分かりやすいところ進めていくことが必要」と提案した。

 再分析の実施体制については、(1)厚労省内部で対応する、(2)既存の組織の中で、費用対効果評価を担当する機能を持ち得る部署を設ける、(3)公的な組織を新たに設置し、厚労省と連携することを検討する――という3案が提示された。日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は(2)が望ましいとしつつ、(3)の場合には日本医療機能評価機構などを具体例に挙げた。(1)は利益相反の観点から望ましくないとした。白川氏は「費用対効果評価の対象になるのは全製品か、一定の幅に入るものにするか。再分析する組織、体制に影響する。その基準作りをしないと進まない」と指摘した。

 製薬会社の委員からは「データを出す側として、人的、金銭的負担が発生すことは理解してほしい。ルールが決まっていない段階で、データの提出を義務付けるのは、業界として違和感がある」「医療用機器は製品の改良サイクルが短い。1年で新たな製品。データ分析でも、過去の製品が対象になるかもしれないので慎重な取り扱いをしてほしい」という声も上がった。



http://www.m3.com/news/iryoishin/335278
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
「出身大学で意見を言いづらい風土」も、群大病院改革委
病院改革委員会の第2回会合で意見交換

2015年6月29日(月)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部付属病院で肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受けて、群馬大学は6月26日、大学が主導して設置した「群馬大学医学部附属病院改革委員会」の第2回会合の概要を公開した。委員からは「医師の出身大学の関係から意見を言いづらい風土もある」などと指摘があった。委員会は6月24日に東京都内で非公開で行われた(資料は大学のホームページに掲載)。

 病院改革委員会は、一連の死亡事案を医学的見地から調査する調査委員会とは別に、病院組織としての問題点などを総合的に検証、再発防止案を策定することを目的に発足。今夏までに学長宛ての提言書をまとめる予定だ(『群大、「意識改革、組織改革が必要」外部委』を参照)。この日の委員会で、大学側は群大病院に関する最近の報道内容、事故調査委員会設置の検討状況、国立大学附属病院長会議の提言内容を説明(『ナンバー科弊害の解消提言、国立病院長会議』を参照)。委員からは病院視察の報告があった。次回は問題点を整理して議論を進めていくとしている。

委員会で出された主な意見は以下の通り。

・対策が過重にならないようにするべきである。
・診療科長は診療のプロであるが、マネジメント能力も重要である。
・大学院改革が行われた後も、それまであった第一外科、第二外科体制を引きずっている状況が問題だったため,講座と診療科の関係を整理する必要がある。
・改革案は広げすぎてはいけない。仕組みはあるが実行されなかったということが問題。シンプルな改革が必要である。
・肝胆膵外科などの高難度な手術を行う部署に人数は必要、それを率いるトップが重要である。
・医師の出身大学の関係から,意見を言いづらい風土もあると思われる。
・病院長の指示と構成員が同じベクトルに進むことが必要。教育・研究・診療の負担が大きすぎる状況もある。



http://www.m3.com/news/iryoishin/335172
平均在院日数の短縮、これ以上は容認できず
中川日医副会長、医療費抑制との関係も不明

2015年6月29日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月28日の日本医師会定例代議員会で、副会長の中川俊男氏は、「平均在院日数の短縮は限界を超えている。これ以上の短縮化は容認できないことを一貫して主張しており、今後もその方針は変わらない」と訴えた。中川副会長は中央社会保険医療協議会の場などでも同様の意見を表明しており、医療費抑制圧力が強い中、平均在院日数の短縮を求める動きを改めてけん制した。


 中川副会長は過去数年、平均在院日数が短縮されたものの、それが医療費抑制につながったかは不明とした。その短縮は、患者側だけでなく、勤務医の負担も増すために問題であるとし、「いまだに平均在院日数が短いことがステータス」という医療界の風潮も疑問視し、今後も医療の本質を歪める平均在院日数の短縮化をはじめとする指標の導入は受け入れないとの方針を示した。

 さらに東日本大震災の際、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を満たさなくなった場合にも、震災前の入院基本料等を算定できるなどの特例措置が取られたことを例に挙げ、今後の災害や天災においても、同様の対応が速やかに実施されるよう要請していくと説明した。

 「短いことがステータスなのか」
 平均在院日数について質問したのは、北海道の代議員、藤原秀俊氏。北海道などでは暴風雪、沖縄や九州などでは台風などの厳しい自然環境、さらには地震などの天災の場合に、患者の入退院や職員の出勤が難しくなることから、平均在院日数にも影響することを問題視。これらの日を診療実日数から差し引くなど、平均在院日数の計算上の配慮を求めた。さらにそもそも平均在院日数で診療報酬を決める発想は、患者目線ではないとした。

 これに対し、中川副会長は、まず平均在院日数をめぐるこれまでの経過を説明。2006年度の医療制度改革の下、2008年度からの第1期医療費適正化計画において、医療費抑制を目的として、全国平均32.2日と最短の長野県25日との差を3分の1に縮小して、2012年度には29.8日にするという国の政策目標が掲げられたとした。

 しかし、この結果、平均在院日数は29.7日になり、目標自体は達成されたものの、「医療費抑制につながったかは不明」と指摘。厚生労働省は、平均在院日数を短縮しなかった場合の2012年の医療費は39.5兆円、実際には38.4兆円に抑えたとしたものの、「全くの机上の計算で、そのエビデンスは不明確」(中川副会長)。平均在院日数は、一般病床に加え、医療療養病床や精神病床などを含めた数字で、介護療養病床以外の全ての病床の平均であり、病床構成の地域差は考慮されていないからだ。

 2013年度からの2期医療費適正化計画においては、平均在院日数の短縮は、強制ではなく、都道府県の任意的記載事項になったものの、いまだ財政当局、あるいは診療報酬改定上、平均在院日数の短縮圧力が強いと問題視。

 医療の現場でも、「いまだに平均在院日数が短いことがステータス」という風潮があるものの、平均在院日数の短縮化を入院医療の指標とすることには、患者の精神的、身体的な負担だけでなく、勤務医の負担が増すため、問題があるとした。患者の負担増の例として、中川副会長が挙げたのが、DPC病院において最近、平均在院日数の短縮化に伴い、「治癒率の低下」と「予期せぬ再入院の増加」が継続している点だ。「追い出された」と思う患者や家族もいるとした。勤務医の負担についても、入退院が多ければ、退院時サマリーの記載が大変であり、十分な退院調整、退院支援をする余裕もないとした。

 さらに中川副会長は、(1)2014年度診療報酬改定では、どの診療報酬項目においても平均在院日数のさらなる短縮を容認しなかった、(2)この4月からスタートした地域医療構想における医療需要の推計でも、平均在院日数が要件になっている入院基本料を除いた医療資源投入量を使う仕組みになっている――と説明し、今後も平均在院日数の短縮圧力には抗していく方針を掲げた。



http://apital.asahi.com/article/news/2015062900013.html
10年後の病床、3600床不足 団塊高齢化で埼玉県の整備急務 政府推計
2015年6月29日 朝日新聞

 2025年の医療機関の入院ベッド数について、県内では最大5万4200床必要になることが政府の推計で明らかになった。今よりも3600床の整備が必要になる計算だ。「団塊の世代」の高齢化をにらみ、県は新たに誘致する順天堂大医学部付属病院の整備などで病床を増やしていく考えだが、なおも整備が追いつかない実態が明らかになった。

 政府が15日に公表した。昨年6月に成立した地域医療・介護推進法で、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年に備え、都道府県は「地域医療構想」を策定することになっている。今回の推計は、策定の材料として示された。

 推計によると、県内には一般病床と療養病床が13年10月1日時点で約5万600床あるが、10年後には5万4200床~5万3100床必要になる。

 内訳では、ICU(集中治療室)を含む最も手厚い「高度急性期」が5500床、病気になったり手術をしたりした直後の「急性期」が1万8千床、リハビリテーションなどをする「回復期」が1万6700床、長期療養の「慢性期」が1万4千床~1万2900床となっている。

 全国的には人口が減少するなどの影響で、今後10年でベッドが余る傾向にあるが、団塊の世代の地元回帰により、埼玉を含む首都圏(1都3県)では逆にベッドが不足する。25年には、10年に比べて県内の75歳以上の人口が58・9万人から117・7万人へと倍になるという厚生労働省の推計もあり、こうした急速な高齢化がピークを迎える「2025年問題」を見据え、医療ニーズは今より高まることが予想される。

 県がさいたま市に誘致した病床数800を持つ順天堂大医学部付属病院が20年度に完成する。県保健医療政策課は「高齢化に伴って病床がより必要になるのはすでに明らかだった。県内のニーズに応じて計画づくりを進めていきたい」としている。

(有近隆史)
(朝日新聞 2015年6月29日掲載)



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/178656
病院ベッド削減 地域の実態に合う計画に
=2015/06/29付 西日本新聞朝刊=

 団塊の世代全員が75歳以上となる2025年は、医療や介護の需要が今以上に高まって社会保障財政の悪化が懸念されている。破綻を避けてサービスを維持するためにも、今から準備が欠かせない。
 政府の専門調査会が病院のベッド(病床)数に関する報告書をまとめた。都道府県ごとの人口に対する病床数に偏りがあり、数や役割を見直して地域に見合う体制に変える必要性を指摘している。
 具体的には、13年時点で全国に134万7千床ある病床を41道府県で計約15万床減らし、25年に119万床程度にすることが望ましい‐とした。九州7県は全て削減対象で、削減数が全国最多の鹿児島が1万700床、2位の熊本は1万600床など、計5万300床の削減が求められている。
 削減比率でも35%と全国1位の鹿児島をはじめ熊本、宮崎、佐賀が30%を超えた。とりわけ九州にとっては深刻な問題といえよう。
 病床数を適正化し、不必要な入院や長期療養を減らして年約40兆円に上る医療費の抑制を図る。その方向性自体は理解できる。
 政府は病床を介護施設などに転換し、入院医療から在宅医療へ移行することで医療介護弱者を出さずに病床削減を進める考えだ。
 ただ、かかりつけ診療所の利便性や、在宅ケア移行後に利用できる介護施設が整備されているかなど、地域によって事情は異なる。
 慢性期の高齢者らが長期入院する療養病床では、寝たきりになった患者や認知症の人もいる。在宅サービスが不十分な現状では家族にしわ寄せが及ぶ恐れがある。
 地方創生に関する政府の基本方針案に都市部に住む高齢者の地方移住推進が盛り込まれたが、その一方で地方に病床削減を迫ることにも矛盾を感じざるを得ない。
 昨年成立した地域医療・介護確保法に基づき、都道府県は25年の地域医療の将来像を策定する。
 病床の削減を最優先させ、患者が行き場を失っては元も子もない。在宅医療や介護施設の充実も含めて、地域の実態に合った計画づくりが欠かせない。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46071.html
削減などで空いた病床に「院内施設を」- 日慢協・武久会長ら
2015年06月29日 22時12分 キャリアブレイン

 日本慢性期医療協会(日慢協)の武久洋三会長と池端幸彦副会長は29日、同協会の定例記者会見で、地域医療構想策定ガイドライン(GL)の方向性などに関する見解を発表した。武久会長はGLで示された方向性に従い、病床削減が進む可能性がある点について、消極的ながらも受け入れる姿勢を示す一方、削減で空いたベッドなどについては「一時的にでも『院内施設』として利用できる、新たな類型を設けるべき」と述べた。また来月に開催される「療養病床の在り方等に関する検討会」について池端副会長は、看護配置が25対1の病床や介護療養型医療施設の在り方が、主な議題になるとした。【ただ正芳】

  GLでは、療養病床の入院受療率の地域格差を是正する方針が打ち出されており、その結果として、病床削減が進む可能性も指摘されている。この方向性について武久会長は、人口減少が続く中では「消極的に賛成せざるを得ない」とする姿勢を示した。

 ただ、療養病床以外では受け入れが難しい人々や、地域に“受け皿”となる施設や在宅サービスがない人々がいるのも事実とし、そういう人を受け入れるため、削減の結果、空いた病床や病棟を介護保険の施設として活用できるよう、新たな類型を一時的に設けるべきと述べた。また、療養病床の介護施設や在宅の医療施設への転換を進めるため、奨励金制度を設置する案も示した。

■療養病床の在り方検討会「25対1と介護療養が主な議題」

 池端副会長は、厚労省が来月から「療養病床の在り方等に関する検討会」を開催する方針を示している点について、同検討会で主な議題となるのは、看護師配置が25対1の病床や介護療養型医療施設であるとする見解を示した。

 このうち、25対1の病床については、どんな施設などに転換を進めるかといったことが議題になると予測。その上で、病院内の空床を介護保険の施設として認める工夫も検討すべきとした。介護療養型医療施設については「病院として残すか、施設として残すかが議論になると思われる」と述べた。さらに池端副会長は、検討会の議論は、確かなデータに基づいて行うべきと改めて主張。具体的には、データ提出加算を算定している療養病床や地域包括ケア病棟入院料を算定した療養病床などのデータを公表した上で、そうしたデータに基づき議論を進められるべきだと訴えた。

■リハ提供体制「出来高から包括への全面転換を」

 この日の記者会見では、リハビリ提供体制の抜本改革に向けた日慢協の考え方も示された。考え方では、基本報酬については、出来高から包括に全面転換すべきとしているほか、▽疾患別リハビリの廃止▽算定日数制限の撤廃▽9時―5時リハビリから24時間リハビリへ▽嚥下障害リハビリ、膀胱直腸障害リハビリの優先―といった内容が盛り込まれている。



http://www.zaikei.co.jp/releases/264800/
海外研修プログラムを開始~グローバル感覚を身に付けた医師の育成を目指す~近畿大学医学部
プレスリリース 発表元企業:学校法人近畿大学
2015-06-29 16:50:00 財経新聞

近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)は、平成27年(2015年)8月3日(月)からアメリカ・アイオワ大学にて、医学部の学生(2~4年生)を対象とした4週間の海外研修プログラムをスタートします。

【本件のポイント】
● 医学系に強みを持つアイオワ大学にて、現地の研究室に所属し医学を学ぶ
● 学生自身が渡米前に研究室・研究テーマを選択することが可能
● 旅費・宿泊費など研修費用(一人約50万円)は大学が負担し、医療の国際化に対応

【本件の概要】
本プログラムは、学生時から海外にて国際レベルの医学教育に触れることにより、医師として国際感覚豊かな人材を育成する事を目的とし、今夏から毎年の派遣を行うものです。

プログラムに参加する学生は渡米前に、研究室・研究テーマ(糖尿病、すい臓癌など)を選択し、アイオワ大学の研究室に4週間所属します。アイオワ大学はアメリカ屈指の総合大学の一つで、とりわけ医学系に強みを持っています。なお、プログラムに必要な旅費・宿泊費などの研修費用は大学が負担します。また帰国後には留学の経験を共有できる場として、海外研修報告会の実施も予定しています。

今後については4週間~最大1年間の研究期間を設けた「長期留学制度」の設置や、アメリカ以外の地域(EU諸国など)における大学でも同様の研修制度を検討しており、学生交流及び共同研究などの取り組みを推進していく予定です。

■研修先:The University of Iowa アイオワ大学(米国)
■実施日:平成27年(2015年)8月3日(月)~29日(土)
■対 象:3人(2~4年生)※成績優秀者で且つ人物的に優れた学生を選考

【本件の背景】
近畿大学医学部では、医師免許の修得に向けた医学教育のみならず、週2回のネイティブ講師による授業など、語学教育にも注力しています。医療活動の国際化がますます高まる中、今夏より医学部生を対象とした海外研修プログラムを通じて、グローバル社会で通用する医師の育成を目指します。

【アイオワ大学について】
アイオワ大学は、アメリカでも有数の総合大学で、教養、法学、医学、歯学、薬学、経営、工学、教育、看護など100以上の多様な専攻分野を提供しています。中でも医学分野に強く、医学研究および地域密着型の医療をバランスよく展開しています。学生あたりの教員数が多く(教員一人あたり学生数:1.6人)、優秀な質の高い教員・学生と落ち着いた環境が、地方としては異例のアカデミックな大学作りに貢献しています。

また、アイオワ州唯一の総合医療センター(University of Iowa Health Care)を有し、ここでは将来の医療及び専門家の育成と共に、生物・遺伝子医学などにおける最先端の研究が行われています。

なお、Times Higher Education 社の大学ランキング(2015年)にて世界175位、医学分野(Clinical, Pre-clinical & Health)では世界63位にランクインしています。

【付帯情報】
・アイオワ大学
http://itm.news2u.net/items/output/137020/1



http://www.m3.com/news/iryoishin/335277
The Voice
第1回 調剤過誤発生!責任はどうなる?
薬剤師の法律問題SOS~薬剤師が抱える法律問題を教えていただきます~

2015年6月29日(月)配信 赤羽根 秀宜氏(薬剤師・弁護士)

 薬剤師向けの講演内容として最も依頼が多いのは、やはり調剤過誤に関するものです。薬剤師であれば、調剤過誤は誰にでも起こり得るものとして関心が高いでしょう。そこで今回は、調剤過誤を起こしてしまった場合の薬剤師の責任について解説します。

社会的責任と法的責任
 調剤過誤とは一般的に、薬の取り違えなどのミスにより、患者に健康被害が起こってしまった調剤事故のことを指します。この場合の責任は、社会的責任と法的責任の2つに分けられます。
社会的責任は法的強制力はなく、信用の失墜、社会的な非難、患者の減少などが挙げられます。これに対して、法的責任とは、強制的に責任を問われることになります。

法的責任には「刑事責任」「行政責任」「民事責任」の3つがある
 責任についての理解が不十分なために漠然とした不安を抱き、適切な対応がとれなかったというケースをよく聞きます。しかし、責任の内容をきちんと理解しておけば、問題をうまく解決できることが多くみられます。この機会にぜひ皆さんも覚えておいてください。

(1)刑事責任
 まず、刑事責任ですが、この責任は犯罪を犯した者が懲役刑や罰金刑などの刑罰に処せられる責任です。患者さんが、被害届の提出や告訴などで関わるとはいえ、刑事責任はあくまで国に対する責任といってよいでしょう。
薬剤師が調剤過誤を起こした場合、業務上過失致死傷罪(刑法211条)に問われることになりますが、すべての場合において、この罪に問われるわけではありません。一般的には、被害が重大であり、過失の態様が悪質であれば刑事事件になる可能性が高くなります。したがって、健康被害が軽微な場合などは刑事責任を問われる可能性は低く、また健康被害がない場合には、そもそも罪は成立しないことになりますので、過度に心配することは適切ではないでしょう。近年では、ウブレチド事件(※)において薬剤師が禁錮1年執行猶予3年の刑を受けたほか、ワーファリンの過量投与で罰金50万円に処されたものがありますが、いずれも患者さんが死亡してしまった事件です。

(2)行政責任
 行政責任は、薬剤師が厚生労働大臣から薬剤師としての業務停止や免許取消などの処分を受ける責任です。これも患者さんではなく、厚生労働省という監督官庁に対する責任といえます。罰金刑以上の刑に処された場合や薬剤師としての品位を損するような行為があったときなどは薬剤師法8条、5条により処分される可能性がありますが、罰金以上の刑に処された場合などでも、すべてが処分の対象になるわけではありません。厚生労働省が事件として把握したものを医道審議会にかけ、そこで処分が必要と判断された場合にのみ処分されることになります。したがって、調剤ミスが起こったすべての場合において、直ちに業務停止などを心配することは適切ではありません。ちなみに、上記のウブレチド事件(※)では業務停止1年の処分が科されています。

(3)民事責任
 民事責任は、被害者である患者さんに対し、損害の填補のために金銭を支払わなければならない責任(損害賠償責任)です。近年では、病院薬剤師が5倍量の医薬品が処方されていたにもかかわらず疑義照会を怠たり、そのまま薬剤が投与され患者が死亡してしまった事件で、処方医や病院開設者だけではなく、調剤および監査した薬剤師に対しても損害賠償責任を認めた判決があります(東京地判2011年2月10日 判例タイムズ1344号90頁)
民事責任は裁判になるかは別として、過失により患者に損害を与えた場合に発生します。ただし、調剤ミスがあればすべて損害賠償責任が発生するというわけではなく、あくまで損害や因果関係が必要だということに注意が必要です。例えば、薬剤の取り違えをしてしまったが、患者さん自らが気づいてくれてすぐに交換したような場合には患者さんの損害はないため、原則損害賠償責任は発生しないことになります。もちろん、このような場合でも、道義的な責任はありますから、適切な対応が必要になります。

 (※)ウブレチド事件・・・2011年3月25日、埼玉県越谷市で自動錠剤分包機の設定を誤り、胃酸中和剤ではなく、毒薬のウブレチドを調剤。後日、管理薬剤師は調剤ミスに気づいたが、責任追及を恐れて患者に対し服用中止の指示や医師への情報提供などをせず、患者を中毒死させた。

まとめ
 以上、調剤過誤における薬剤師の法的責任を簡単に説明しました。もちろんミスを起こさないことが最も重要なのは言うまでもありませんが、万が一、ミスがあった場合には過度に不安になるのではなく、責任の有無および程度を理解したうえで対応していくことが適切です。
また今回は、ミスをした薬剤師の責任について説明しましたが、このような責任は開設者や管理者にもおよぶ可能性もあります。ミスが起こった場合には上司などに速やかに報告し、会社組織として対応するという意識が重要でしょう。

※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2014年9月11日に掲載したものです。



http://www.m3.com/news/iryoishin/335174
日医会長「次回改定、厳しい」と見通し
代議員会開催、経済財政諮問会議と隔たり

2015年6月29日(月)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会会長の横倉義武氏は、6月28日の定例代議員会の冒頭のあいさつで、社会保障費の抑制圧力が強い中で、2016年度の診療報酬改定について、「非常に厳しい対応を迫られることが予想される」と見通した上で、毅然とした態度で臨むことを誓った。横倉会長は、社会保障の経済成長の寄与も強調したが、経済財政諮問会議との考え方の隔たりは大きく、どこまで政府の理解を得られるかは不透明な状況だ。


日医の横倉義武会長は、社会保障制度維持に向けて、「(工夫や改善に)必要なエビデンスは、全て医療現場にある」とした。

かかりつけ医「地域の魅力と直結」

 横倉会長は、国民にとって最良のための医療施策を提供するために、政府与党、経済界などさまざまな立場と連携する必要性を説いた上で、横倉氏は、「立場が違えば、それに至る考え方や手段はさまざまで、和して同じることのない強い信念が必要」とした。

 その上で、地域における医療費格差の是正をはじめとして、2020年のプライマリーバランスの黒字化に向けて社会保障費の適正化を目指す経済財政諮問会議が、6月22日に示した骨太の方針の素案に言及した上で、2016年度診療報酬改定について「財政状況等を受けて、非常に厳しい対応を迫られることが予想される」とした。今後の社会保障の議論に当たっては、「日本医師会としての考え方を毅然と主張していく中で、国民のために最善を尽くす」とした。

 横倉会長があいさつの中で改めて強調したのは、「社会保障と経済の相互作用」。社会保障について「国民に安心を示すのは、結果的に経済成長を取り戻すために出発点になる」とした。さらに、医療や介護の需要が、当面の間、全国で増大することを見越して、「地方経済の効果の大きさ」を強調。かかりつけ医についても「地域の魅力に直結する」「子育て世代の都市部への流出や過疎化を押しとどめることにもつながる」とした。

 ただ、経済財政諮問会議の示した骨太の方針では、公的支出を減らして、減らした部分を企業に任せて、経済成長につなげたい考えで、公的医療が経済成長に資するとの見方はしておらず、「財政再建の名の下に、医療が国民の手を離れて市場にゆだねられるような事態につながる施策に対しては強い姿勢で臨む」(横倉会長)とした日医とは大きな隔たりがある。さらに、後発医薬品の価格を基準として、先発医薬品も含めた保険適用範囲を決める「参照価格制度」、受診時定額負担、国家戦略特区における医学部新設については、重ねて反対する考えを示した。

事故調「より早く再発防止に」

 横倉会長は地域医療提供についても言及。社会保障制度維持に向けては、「(工夫や改善に)必要なエビデンスやアイデアは、全て医療現場にある」と指摘。四病院団体協議会と協議して、2025年やそれ以降を目指して、医療の在り方に関する提言の取りまとめを目指していることに言及し、地域医療構想の策定に向けて、改めて都道府県医師会が議論をリードするように期待を示した。

 今年10月に始まる医療事故調査制度については、「より早い段階で原因究明と再発防止策が立てられる」と期待を示し、制度開始と合わせて院内事故調査のために支出した医療機関の開設者・管理者向けの保険制度を創設する考えを示した。「日本医療研究開発機構」(AMED)については、日医がこの6月から始めた医療機器の開発・事業化支援に向けた取り組みを紹介した上で、協力していく意向を示した。

 組織の強化にも言及。研修医会員の年会費の減免と、医師資格省の年会費を実施したことを紹介した上で、非会員の入会のきっかけ作りとして、「医師会サービスの一部を、一定期間、無償提供する新たな仕組みづくりにも取り組んでいる」とした。そのほかにも、医師資格証の普及や、都道府県医師会との相互利用を目指して会員情報システムの再構築も加速させる意向も示した。



http://www.m3.com/news/general/335312
地域枠初の定員割れ 島根大医学部15年度入試合格者
2015年6月29日(月)配信 山陰中央新報

 生まれ故郷の地域医療を担う医師育成を目指し、島根大医学部(出雲市塩冶町)が設けた「地域枠推薦」で、2015年度入試の合格者は3人にとどまり、制度を開設した06年度以降、初めて定員(10人)を割り込んだ。医師確保に黄信号がともった形で、事態を重くみた島根県は、あらためて制度周知に努め、定員確保を目指す。


  1. 2015/06/30(火) 06:09:27|
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