Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月19日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015061900027.html
夜間の小児診療、大幅短縮 尼崎市、医師不足で まずは電話相談
2015年6月19日 朝日新聞

 尼崎市の休日夜間急病診療所(水堂町3丁目)が7月15日から、小児科の診療時間を大幅に短縮する。深夜帯は専用電話による対応に切り替え、治療が必要と判断した場合は県立尼崎総合医療センター(東難波町2丁目、7月1日開業)を紹介する。

 市によると、夜間の診療は現在、翌朝午前5時半まで受け付けているが、変更後は午後11時半で終了する。その後は新設の「あまがさき小児救急相談ダイヤル」(06・6436・9900)で、看護師が相談に応じる。

 急病診療所は、主に尼崎市医師会の会員医師らでシフトを組んでいるが、近年は医師の専門化が進み、小児科の当番を担える医師が不足しているという。このため、県立尼崎総合医療センターが開業するのにあわせ、体制を見直した。

 市保健企画課は「救急医療に携わる医師らの疲弊を防ぐため、午前0時以降はまず専用ダイヤルに相談してもらうという受診ルールを守ってほしい」としている。

 内科、眼科、耳鼻咽喉(いんこう)科の診療時間は従来通り。問い合わせは保健企画課(06・4869・3010)。

     ◇

 夜間の小児科診療をめぐっては、西宮市の応急診療所も受け付けは午後11時15分まで。それ以降は市内の医療機関が当番制で受け持っているが、全ての曜日はカバーできていない。

 このため西宮市は今年4月から、伊丹、宝塚、川西、猪名川の4市町が開設している阪神北広域こども急病センター(伊丹市昆陽池2丁目)に負担金を支払い、午前0時以降の診療や電話相談を受け入れてもらっている。

 (宮武努)

 【尼崎市の小児科医療(夜間・休日)こう変わる】

 ■休日夜間急病診療所
 尼崎市水堂町3丁目15の20
 <電話>06・6436・8701
 ◇現在
 平日 21時~翌朝5時半
 土曜 16時~翌朝5時半
 日祝  9時~翌朝5時半
 ◇7月15日から
 平日 21時~23時半
 土曜 16時~23時半
 日祝  9時~23時半 
 ※いずれも診療は0時まで 

  ■あまがさき小児救急相談ダイヤル
 <電話>06・6436・9900
 ◇7月16日から
 全日 0時~6時
 ※相談の上、早急に治療が必要な場合は県立尼崎総合医療センター(尼崎市東難波町2丁目17の77)で受診できる
(朝日新聞 2015年6月19日掲載)



http://mainichi.jp/area/nara/news/20150619ddlk29040580000c.html
生駒市立病院:医師不足で予算案撤回 救急の輪番こなせず /奈良
毎日新聞 2015年06月19日 地方版

 生駒市の小紫雅史市長は18日の市議会予算委員会で、今年度の病院事業会計補正予算案の撤回を申し出た。今月1日に開院した市立病院の産婦人科と小児科が10月から、県北和地区の休日夜間の救急患者を診る輪番(産婦人科月10回、小児科月4回)に入るための予算を組んだが、医師不足でこの回数に対応できないのが理由。いったん議会提案した予算案の取り下げは極めて異例で、定例会最終日の26日の本会議で承認される見込み。

 市によると、病院事業計画(2012年9月改定)通りの輪番回数で予算化した。しかし、小児科の常勤医がいないなど、計画通りの回数がこなせる状況にないという。市は今後、現実的な輪番回数を精査した上で、今の定例会での予算案再提案の可能性を含めて対応を検討する。【熊谷仁志】



http://apital.asahi.com/article/news/2015061900025.html
小児科医去り、休診の見通し 玉野市民病院、来月から
2015年6月19日 朝日新聞

 公設民営化を巡り、あり方が揺れている玉野市立玉野市民病院で、7月から小児科が休診になる見通しであることが18日、明らかになった。6月市議会の一般質問で、黒田晋市長と同病院の梶田亮治・事業管理局長が答えた。

 答弁によると、1人しかいない小児科医が6月末で他病院に移り、後任が見つかっていない。黒田市長は「小児科医不在になる事態は何とか避けたい」と話し、さまざまな関係者に働きかけているとした。

 同市民病院では5月末で産婦人科医も常勤が退職し、10年前には全体で約20人いた常勤医が現在10人しかいない。小児科医が去る7月からは9人になる。

 梶田局長は、医師不足などのため入院患者も減っていて、病床稼働率が4割を下回ったことも明らかにした。

 (中村通子)
(朝日新聞 2015年6月19日掲載



http://www.m3.com/news/iryoishin/332070
医療維新
成田医学部「国民愚弄」といらだち
東北医学部、検討の場開催求める、全国医学部長会議

2015年6月19日(金)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は、6月18日、現在検討されている2つの医学部新設に対して、改めて意見を表明した。東北薬科大学については、東北に医学部を持つ6大学と6つの県医師会の有志メンバーが、医師定着策などの対応を確認するために、構想審査会の開催を求める文書を送っていて、現在、開催を模索する動きが出てきたという。国家戦略特区の枠組みの中で、千葉県成田市で検討されている計画については、非公開で利害関係者が検討し、内容が明らかにされないことに、「国民を愚弄している」といらだちを見せる場面もあった。

東北、3月以降開催されない審査会

 東北薬科大学については、今年3月に開かれた構想審査会において医学部の設置認可申請が了承された(『医学部新設、3月中の申請へ、東北薬科大学』を参照)。ただ、教員採用の地域医療への影響、卒業生の東北定着など6つの「対応が必要な事項」の条件が付され、「構想審査会において引き続き対応を確認」とされた。内容について、同大が運営する東北各県の関係者で構成する「教育運営協議会」、構想審査会に諮られることになっている。

 ただ、ともに3月以降開催されていない。教育運営協議会のメンバーのうち、東北6大学、県医師会、日本医師会のメンバーが6月11日に、教育運営協議会と構想審査会を開催するように、両会議体の責任者に送った。教育運営協議会の開催を求めた文書では5月20日に大学設置審議会が開催されたことを踏まえて、「東北薬科大学には、(大学設置審議会の)指摘事項が届いているはず」として、内容を開示するように求めている。同会議顧問の小川彰氏は、「構想審査会の出足が遅く、大学設置審議会の作業が進んでいる」と不満を示した。

「官邸筋にはたてつけない」

 成田市の医学部については、同会議は、日本医学会と日医の代表者とともに、6月に入って、自民党総務会長の二階俊博氏と公明党幹事長の井上義久氏と面会して、「医学部新設は医師不足対策にならない」「医師養成には多大な負担が必要」などと説明、3つの団体が反対していることを伝えた。井上氏は、「調べて対応を検討する」旨を回答したという。

 国家戦略特区における検討は、成田市や国際医療福祉大学などの関係者と、一部有識者のみの参加。検討の様子は非公開の上、マスコミの取材などにも内容がほとんど明らかにされていない状態(『成田・医学部、「方針と進め方に一定の前進」』を参照)。同会議顧問の森山寛氏は、「議論が公開されていないのは、ゆゆしき問題。(影響の大きさを考えると)国民を愚弄している」と指摘した。小川氏は、多くの議員に説明に回りながらも手ごたえがない点に言及して、「自民党の今の雰囲気は官邸筋にはたてつけず、独裁的な感じがする」と述べ、対応の難しさを吐露した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/332122
准教授処分「重い責任」、聖マリが謝罪
診療体制縮小で患者激減、退局者を再雇用

2015年6月19日(金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 精神保健指定医の不正資格取得問題で、准教授2人を含む3人の指導医が新たに指定医取り消し処分を受け、聖マリアンナ医科大学 が6月18日に会見した。調査委員長で同大副理事長の青木治人氏は「准教授と講師という責任ある医師が処分され、重く受け止めている。改めてお詫びしたい」と謝罪した。

 聖マリアンナ医科大学病院では精神保健指定医を申請する際に、同一症例の使いまわしなどの不正があったとして、厚生労働省が今年4月、指定医11人とその指導医9人の計20人の指定医資格を取り消した(『聖マリ、20人が指定医取消、精神保健指定医』を参照)。常勤の指定医は、4月の取り消しで5人に減り、今回2人だけになった。出向中の医局員や退局者を呼び戻して診療体制を縮小しながら維持したいとしている。

 一連の問題で、大学は今年2月に調査委員会を設置(『聖マリ、指定医の不正資格申請が常態化か』を参照)。厚労省に随時、調査結果を報告しており、今夏までに報告書をまとめたいとしている。内部処分については厚労省と大学の調査が終わってからとしているが、先に処分を受けた20人は7月には実施される見込み。

 23人の大量処分となり、「組織ぐるみで不正申請をしていたのではないか」という質問に関しては、青木副理事長は「大学としても厳しくヒアリングしたが、そのような感触は得られなかった」と否定したが、「今後、基本的な組織の在り方を検討すべきだと思っている」と話し、組織の抜本的な改革が必要だとの認識を示した。


患者が大幅減、医師も不足

 診療体制の維持のため、大学病院は既に大学医学部や大学院の教員で精神保健指定医資格を持つ医師2人を病院の顧問医として採用。さらに診療体制の縮小などで、神経精神科の患者は減少しているものの、内部処分後にはさらに精神科医、精神保健指定医が不足する恐れがある。

 病院長の尾崎承一氏の説明によると、神経精神科の問題が発覚してから大学病院の神経精神科では紹介状がない限り初診患者は受け付けず、処分を受けた元指定医は、患者が希望した場合だけ再診や入院中の患者を診療することにしていた。今回処分を受けた3人も同じ取り扱いになる。

 診療体制の縮小などの結果、神経精神科の延べ患者数は前年度比べて大幅に減少。4月と5月の2カ月間で、外来は前年同期と比べ790人減の5320人。入院も899人減で1479人になった。一方で地元の川崎市からは診療体制の維持を要請されており、これ以上の減少は地域全体に影響を与えかねない。そのため、関連病院に出向中の医局員の精神保健指定医2人の復帰が決定したほか、元医局員とその勤務先の病院と交渉して非常勤講師として採用し対応するという。

 尾崎病院長は今後の再発防止策として、倫理教育と法令順守の精神の徹底を再度強調。神経精神科と病院で勉強会を開催し、「地道に取り組みたい」と話した。また、システムとして患者情報や所属する医師の精神保健指定医の申請書類の管理を徹底し、同一時期の同一症例が使えないようにした上で、今後は指導医だけでなくさらに上級医のダブルチェックと病院長以下の事務担当者も管理を行うとした。



http://mainichi.jp/area/niigata/news/20150619ddlk15040101000c.html
医師等修学資金返還訴訟:353万円返還を命令 地裁長岡支部判決 /新潟
毎日新聞 2015年06月19日 地方版

 医師として魚沼市内で働くことを条件に修学資金を貸与されながら、退学して返還要請にも応じなかったとして、魚沼市が山形県出身の元地方公務員の男性(32)に貸与金の返還を求めた訴訟の判決が18日、新潟地裁長岡支部であった。吉田純一郎裁判官は市の主張を全面的に認め、353万円の返還を命じた。

 判決などによると、男性は2011年4月に東海大医学部に入学し、市から「医師等修学資金」として1年間計360万円の貸与を受けたが、13年3月に退学した。男性側は「長期就労を強制する契約は労働基準法に反し無効」と主張したが、判決では、男性は内容を承知し契約しており、職業選択の自由を制限していないとして退けた。欠席した男性の代理人弁護士は「判決文が届いてから対応を検討する」とした。

 男性は、自治体が医師不足対策で設けた同様の制度を利用し、全国の4市から3000万円以上の貸与を受けたが返還せず、提訴されて一部返済を命じる判決も確定している。男性は昨年4月に北海道蘭越町に採用されたが、魚沼市が提訴した直後の同12月に退職した。【金沢衛】



http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000010134.html
【医師アンケート調査】「医師を辞めようと思ったことはありますか?」について、半数以上の医師は「まったくない」と回答
メドピア株式会社 2015年6月19日 15時25分
PR TIMES |メドピア株式会社のプレスリリース(2015年6月19日

医師3.5人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師(7万人以上)を対象に「医師を辞めようと思ったことはあるか」についてのアンケートを実施したところ、4,232件の回答が寄せられました。以下、結果をご報告します。
06191.jpg

「まったくない」という回答が57.9%で、過半数を超えた。「病院を辞めようと思うことはあるが、医師を辞めようとは思ったことはない」という意見が多い。「天職だと思っている」というコメントがある一方、「やめても他に職がないので」といった回答もみられた。
「何度かある」は25.7%。辞めたいと思うのは、「肉体的・精神的に疲れた時」や「研修医の期間」が多いようだ。「患者が急変したり、治療成績が悪かった時」という声もあった。
「よくある」は10.2%で、「ハードな勤務から逃げ出したいと思う時」「自分は医師にむいてないと思う」といったコメントがみられた。

■回答コメント(一部を抜粋)

「まったくない」  2,452件

・患者さんの死亡などで落ち込むことはありましたが、遣り甲斐は持ち続けています。(60代、一般内科)
・つらいと思ったことは何度もありますが、やめようと思ったことは一度もありません。(30代、腎臓内科・透析)
・ない。医師は天職と思っている。体の続く限りやり続ける覚悟である。(50代、整形外科・スポーツ医学)
・いろいろ大変なことはありますが、やめようとまで思ったことは今のところないです。社会に役立てる仕事というところで満足感があります。(40代、一般内科)
・会社員など他の仕事を経験しています。医師の仕事は大変ですが、やりがいがあり、収入も安定していると思います。(50代、精神科)
・厳しい仕事ですが、やりがいに恵まれた良い仕事であり満足しています。幸い辞めたいと思った事はありませんが、高齢、体力等の問題で納得いく診療ができなくなったときは辞めると思います。(50代、小児科)
・一時的に育児に専念したいと思ったことはありますが、医師をやめようと思ったことはありません。やりがいを感じます。(30代、小児科)
・資格と技能があれば、医局や病院の‘言いなり’にならず、自由に職場を変えることができる。(50代、消化器内科)
・医師は辞めようと思ったことはありませんが 職場を辞めようと思ったことは何度もあります。(50代、一般内科)
・ほかの職業でこの収入は難しいと思っています。(40代、血液内科)
・他に何も出来ないので考えたことが無い。他に才能があればいつでも辞める。(50代、一般内科)

「何度かある」  1,088件

・医者になって5年間は辛くて何度かやめようと思いました。(50代、精神科)
・肉体的にきついのは大丈夫ですが精神的にきついときはやめたくなります。(40代、耳鼻咽喉科)
・時々、患者さんにうまく伝わらないことが増えると、診療の意味が解らなくなることがある。(40代、一般内科)
・自分の執刀した症例の経過が悪い時や外来でクレーマーに取りつかれた時にはそう思ってしまいます。(40代、眼科)
・何度かはありますが、患者さんの感謝のお言葉で踏みとどまっています。(70代、一般外科)
・研修医時代に専門科が合わないから辞めたいと感じたことが何度となくありました。(40代、精神科)
・何度かありますが、もうすぐ定年の年になり、やめなくて良かったと思います。やはり、患者様の笑顔はうれしいものです(60代、代謝・内分泌科)
・患者が急変したり、治療成績が悪かった時などやめたくなります。(50代、放射線腫瘍科)
・医師になりたての頃(研修医時)にはかなりつらかった時期があります。最近15年くらいはそのようなことは考えたことはありません。(40代、一般内科)

「よくある」  432件

・何日も泊まり込み睡眠も取れなかった時、辞めたくなりました。(50代、産業医)
・しばしばあります。毎日あります。しかし、それを思いとどまらせる何かがある職業であるとも思います。(50代、一般内科)
・若い頃はありませんでしたが、体力的にきつくなってきました。(40代、消化器内科)
・ハードな勤務から逃げ出したいと思う時がよくあります。(50代、循環器内科)
・何度もある、医療の内容や人間関係に悩んで、最悪は訴訟問題、現在も辞めたいと思っている、もう疲れた。(60代、精神科)
・自分は医師にむいてないと思うことがよくある。(60代、小児科)
・激務でつらくて何度もやめようと思いましたが、思いとどまりました。(30代、小児科)
・いつでも辞めてもいいように覚悟をきめて仕事をしている。(40代、整形外科・スポーツ医学)
・60才を過ぎて日々いつ辞めようかばかり考えている。(60代、一般内科)

「1度だけある」  260件

・クレーマーに遭遇した時。もう思い出したくない。(30代、形成外科)
・麻酔による術中心停止をおこしたとき。幸い後遺症なく無事に蘇生しました。(40代、麻酔科)
・患者を亡くした時にやめようかと思いましたが、やめることは逃げることだと思い、今に至ります。(40代、脳神経外科)
・やめようと考えたらこそ、今も多忙な環境で働く原動力になっています。(50代、脳神経外科)
・2年目の時、受け持ち患者が24時間で3人亡くなった時は「医者に向いていない」と思い辞めようかとも思いましたが、そんなことを真面目に考える暇もなく現在に至っています。(50代、在宅医療)
・上司にひどく叱られて明日から来ないでよいと言われたとき、辞めることになっても仕方ないと思いました。(50代、脳神経外科)

■調査概要
・調査期間:2015年4月15日(水) ~ 2015年4月21日(火)
・有効回答:4,232人(回答者はすべて、MedPeerに会員登録をする医師)
・設問:医師専用コミュニティサイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとにMedPeer事務局(運営:メドピア株式会社)より、以下の質問を投げかけました。

<調査フォーム(設問文 抜粋)>
===================================================
今までに医師を辞めてしまおうと思ったことはありますか? また、それはどんなときですか?
下記選択肢の中から当てはまるものをお選びいただき、コメント欄にはどんなときに辞めたいと思われたか、そのときの状況をお書きください。「4. まったくない」を選ばれた方は「医師になってよかった」と感じるのはどんなときか、お書きください。

1. よくある
2. 何度かある
3. 1度だけある
4. まったくない
===================================================

■記事引用時のお願い
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、https://medpeer.jpへのリンクをお願い致します。



http://apital.asahi.com/article/news/2015061900023.html
精神保健指定医取り消し、さらに3人 聖マリアンナ医大、資格不正取得問題
2015年6月19日 朝日新聞

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)の医師20人が不正に取得するなどした精神保健指定医の資格を取り消された問題で、厚生労働省は新たに同院の医師3人の資格を19日付で取り消す。病院は対象となった医師の診療を制限していて、さらに地域医療に影響が出ることが懸念される。

 大学は18日記者会見し、4~5月の延べ患者数が、前年同期より2割以上減ったことを明らかにした。市北部で唯一の精神科病床を持つ総合病院で、今後、院外で働く医師を呼び戻すなどして、診療態勢の維持に努めるという。4月に資格を取り消された20人のうち、7人が病院に残っていて、現在は計23人の常勤医がいる。大学は今後、医師を処分する方針で、働き手がさらに少なくなる恐れもある。

 厚労省などによると、3人はすでに処分された医師の指導医で、2人は准教授、1人は講師。指導下の医師2人が資格取得のために提出したリポートの内容が不十分であるにもかかわらず、確認を怠っていた。大学は不正が「組織ぐるみ」であることは否定している。

(朝日新聞 2015年6月19日掲載)



http://blogos.com/article/117737/
医療制度は患者視点を取り入れるべき!医者視点で消えてしまった「混合診療」の火
山田太郎
2015年06月19日 13:10 BLOGOS

 5月26日、厚生労働委員会で直接総理に質疑を行いました。安倍総理肝いりであったはずの混合診療解禁を成し遂げることはできませんでした。他、医者だらけの厚労委員会の問題点など。

論点となった「混合医療」とはいったい何?

 現在の医療制度では、保険対象の医療行為や薬を使った場合、例えば、自己負担3割、残りの7割は国が負担となっています。しかし、難病などの一般的な治療方法が確立していない病気になった場合に、保険で認められていない特殊な医療処置や薬を使います。その際、保険対象内の医療行為や薬と一緒に併用すると、本来は保険対象の医療行為や薬まで全てが自己負担となってしまうのが現在の「自由診療」と呼ばれるものです。

 そして、このような状況を変えるために「混合診療」(保険と保険外診療「自由診療」を併用することができる制度)を推進する案が昨年の規制改革会議で検討され、今回の審議に至りました。結果的に「医療保険制度改革関連法案」は可決されましたが、その法案が当初の目的とはかけ離れたものになってしまったこと、そして、総理や厚労大臣が「さらなる混合診療の検討はしない」と発言したことを非常に残念に思っています。

今回認められた「患者申出療養制度」の問題点

 今回、結果的に設けられた制度の名称は「患者申出療養制度」というものです。「患者申出療養制度」とは、患者から申し出された場合、まず原則6週間、新しい治療方法やその薬について、指定の特定機能病院が「安全性・有効性のエビデンス(証拠) ・保険収載(保険適用のこと)」に向けて調査を行います。そして、病院から承認がおりたら、その医療行為・薬を使用してもいいというものです。保険適用範囲内の医療行為・薬は保険適用になりますし、新しい医療行為・薬のコストは自分で持つ、いわゆる併用になります。これは困難な病気と闘う患者からの申し出を起点として、 迅速に保険外併用療養を可能とし、治療の選択肢を拡大することを目的としています。

 一見、治療の選択肢を広げるためのいい案に見えますが、実は落とし穴があります。このままですと、最終的に保険収載に必要とされる「安全性「有効性」「汎用性」のいずれかを満たさずに保険対象外となってしまうと、それ以降、その薬は一切使えなくなってしまうというのです。一度、汎用性などの理由で、保険収載されないと決まった薬を使おうとする患者は、それ以降一切の医療行為・薬が全額負担になってしまうということです。これでは、ただの早い者勝ちになってしまうし、お金のある人ばかりが優先的になってしまいます。

 本当に、今のままの「患者申出療養制度」で難病に苦しむ多くの方を救うことができるのでしょうか。

勤務医は使いたい最新医療。混合診療を反対する「医師会」とは?

 「医師会」は、混合診療を認めてしまうことによりに以下の弊害が出ると主張しています。

(1) お金のある人だけが先端の医療を受けられる。命の重みに差が出てしまう。
(2) 医師が自由診療行為ばかりを好み、国民皆保険制度が崩れてしまう。

 本当にそうでしょうか?自由診療をばかりを好むような医者が出てくるとすれば、それは信用できない医者だと考えます。そもそも、この医師会というのは基本的に「開業医」の団体です。病院に勤務する勤務医は「医師会」とは関係なく、先端の医療を使いたいと思っているといいます。保険認可がおりていない、高額な医療費を払うことができないという理由で、失われた命をたくさん見てきたという報告も受けています。せめて、保険適用内の行為だけでも保険適用にし、最新医療の自己負担と組み合わせることが認められれば、救われる命が多くあるというのです。

日本の医療制度の未来はどうなるのか

 最後に私が「日本における混合診療の火は消えてしまったのか。」という質問に対し、安倍内閣として「混合診療を解禁する考え方は持っていない」とのことでした。難病を患いながらも、総理復活を遂げた安倍総理にとっても肝入りだった制度改革ですが、安倍総理をもってしても「混合診療」という制度は諦めざるをえない結果なのでしょうか。

 今回の「医者目線」でしか語られない厚生労働委員会には失望させられました。いったい誰のための医療制度なのか、と考えさせられることばかりです。厚生労働委員会にはもっと「患者」の視点が必要です。今後の日本の医療がどうなっていくのか、我々国会議員は十分に考えるべきだと思います。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO88244240Y5A610C1LX0000/
電子カルテ、患者が閲覧 メディカル・データ・ビジョン
2015/6/19 12:30 日本経済新聞

 診療データの解析を手掛けるメディカル・データ・ビジョン(MDV)は、電子カルテの情報の一部を患者がインターネットを通じて閲覧できるサービス「カルテコ」を始める。まず浜田病院(北九州市八幡西区)が22日から導入する予定。浜田茂理事長は「病気に関する情報を患者と共有し、患者との強固な信頼関係を築きたい」と期待を示した。

 「カルテコ」で閲覧できるのは、医師の所見とレントゲン写真などの画像データを除く電子カルテの情報。会員登録したうえでカレンダーのページで医師の診察を受けた日を選ぶと、傷病名や検査結果、診療中に使われた薬、処置・手術内容、処方された薬などが表示される。

 MDVは年内に浜田病院のほか、東北・信越地域を含め全国6病院でカルテコの導入を目指す。導入初年度に4億円以上の売り上げを見込んでいる。



http://blogos.com/article/117684/
ジェネリック普及80%目標は真に解決策なのか
田中弥生
2015年06月19日 08:53 BロゴS

健保連会長の大塚氏(JR東日本相談役)とジェネリックについてお話しさせていただく機会があった。政府はジェネリック普及率アップを目標に掲げているが、さほど大きな削減効果にはならないのではという話になった。

1. 経済財政諮問会議、財務省が掲げたジェネリック普及80%目標

塩崎厚労大臣は5月26日経済財政諮問会議において、2020年を目途に我が国のジェネリック普及率を80%にすると発表した。今月末に発表される骨太方針にも何らかのかたちでジェネリック普及目標について言及されることだろう。

また、財務省財政制度等審議会における社会保障関連の議論で、この数年ジェネリック問題が議論されてきた。いわば、社会保障議論の定番である。平成27年度の建議書においてもジェネリック普及率80%目標達成に向けて加速化させること、また、先発薬品(長期収載品)とジェネリックの差額分の自己負担も推し進めるべきであると述べている。特に、財務省の議論の大前提には財政健全化目標があるので、ジェネリック普及が歳出削減に寄与することを前提とした提言である。

だが、健保連関係者の発言はそうした前提に疑問を呈することになる。実は、私の周辺の医療関係者もジェネリックの歳出削減効果については疑問を呈するものが少なくない。総合開発研究機構(NIRA)から出された算定によれば、ジェネリック普及率100%の歳出削減効果は3000億円。人によっては1000億円と述べる者もいる。その額事態小さいものではないが、医薬品総額は10兆円と比較すると小さいと言わざるを得ない。

2. 行政改革推進会議歳出改革部会の議論~あらゆるステイクホルダーからのヒアリング~

内閣官房行政改革推進会議は、今年4月より、歳出改革部会の一環として重要課題検証チームを発足し、ジェネリック問題の議論を開始したが、私も座長代理として参加している。議論は従来の審議会とは少し変わったものになった。厚労省、財務省、医師会、薬局関係者、ジェネリック製薬メーカー関係者、先発薬メーカー関係者、健保連など可能な限り多くのステクホルダーからヒアリングを行った。しかも1度に3者が同じ机につき発言してゆくのだ。

興味深いことに各者の発言は微妙に食い違っており、必ずしも一枚岩ではないことがわかってきた。また、ジェネリック普及率が低い理由として、生物学的な安全性への懸念が一般的に語られてきたが、医療の現場の懸念は違うところにあることもわかってきたのだ。

3. ジェネリック問題から見えてきた医薬品産業10兆円の構造的問題
(1)ジェネリック普及を阻害する不安要因
日本のジェネリック普及率は約57%で、以前設定した60%は予定より早く達成する勢いだ。しかし80%という目標をについて、当初、厚労省や医薬品業界も抵抗を示していた。

では何がジェネリック普及の阻害要因になっているのか。第1の原因はジェネリックの種類の多さと名称の不規則さだ。ひとつの先発薬に対して多いもので40種類ものジェネリックが販売されている。しかもその名称のつけかたはバラバラである。医師側からすれば一体どのジェネリックを処方すればよいのか迷うばかりだという。調剤薬局もあまりにも多種のジェネリックがあるため在庫管理が困難であると述べた。また、現在の医薬分業体制では、医師が一般名で処方した後は、患者がどの薬局にゆき、どのジェネリックを処方したのかを知ることはできない。調剤薬局は、医師が銘柄指定をするとジェネリックに切り替えることができなくなると述べている。また、地域ごとに医療関係者と調剤関係者からなる協議会を作り汎用品リストを作成しているが、費用対効果ではなく、在庫情報をベースに作られており、地元の大手病院の仕入れ状態に左右されることになるという。つまり、ジェネリック使用に不安を感じる原因は、安全性というよりも使い勝手の悪さなのではないか。

(2)小規模・多数のメーカーによるジェネリック供給体制
では、なぜ多種のジェネリックが名称もばらばらに供給されることになったのだろうか。ジェネリックメーカーの供給主体の多くは中小規模で約200社である。その数は欧州1国平均の10倍にも及んでおり、明らかに数が多いことわかる。他方、厚労省の説明によれば、工場を建設し、薬品を生産し、安全性試験に要する期間は5年を要するという。そこで素朴な疑問がおこってくる。なぜ、これだけ小規模な企業が5年もの準備期間に耐えうるのか?

その答えは学会関係者の資料の中にあった。日本の医薬品構成に着目すると、先発薬49%、後発7%、長期収載品すなわち特許切で後発薬のある先発薬が44%となっている。長期収載品の割合でいえば、米国13%、ドイツ16%、英国18%となっており、日本の長期収載品率の割合が圧倒的に高いことがわかる。

厚労省やメーカー関係者に長期収載品を誰が生産しているのか尋ねたが明確な回答はなかった。しかし、ヒアリングの過程で、ジェネリックメーカーが先発薬メーカーから受託していること、さらに、複数のメーカーによって共同開発されたジェネリックが、名前を変えて別個の製品として市場に出ているということもわかってきた。最近では、オーソライズドジェネリックという後発薬も生産されている。つまり、先発薬メーカーが特許切れ直前に、特定のメーカーに生産を許可し販売するというものだ。

長期収載品の先に先発薬メーカーの問題も見えてきた。本来、新薬を創出し特許期間で回収し、その後は後発薬品に転換するのが基本である。しかし、昨今、日本の新薬創出数は芳しくない。先の長期収載品の割合の高さ(44%)は、新薬を思うように創出できないことから、長期収載品を生産することで経営を維持しているこを示唆しているのではないか。そうであるならば、現在の薬価制度では、長期収載品は適度な利益を出せることが示唆されている。

問題の本質はジェネリックの普及率ではなく、後発薬メーカー、先発薬メーカーの双方が長期収載品に依存している医薬品供給体制にあるのではないだろうか。そして、それは市場競争がうまく機能せず、高止まりになる可能性さえ示唆されている。

(3)需要側のコスト感覚の薄さ
では、なぜこのような状況を許容できるのだろうか。私は、需要側、すなわち医師や私たち患者側にも問題があると考える。それはコスト感覚の薄さである。ヒアリングの際、医師会の代表は「勤務医時代には価格について意識していなかったが、開業して初めてこんな高い薬を処方していたことがわかった」と述べた。また、患者側である私たちの中にも「高ければよい薬」と考える者も少なくない。実際、英国などでは高額なため一定以上の症状でなければ処方しないと定められている降圧剤(ARB)が、日本では一般的に処方されている。こうしたコスト感覚の薄さが、上述のような供給体制を許しているのではないだろうか。

医薬品問題はまさに、供給側、需要側が抱える問題が複雑に絡み合った構造問題である。添付資料は6月18日に開催された行政改革推進会議に提出した資料で、この構造を可視化したものである。
<後発薬品促進にかかる構造問題_A3Tanaka20150618>

ジェネリック普及率の問題ばかりに目を奪われていては問題の本質を見逃すことになるだろう。真に歳出改革をめざすのなら、医薬品の構造問題に着手すべきである。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150620ddm008020049000c.html
ジェネリック:80%前倒し 骨太の方針、17年に中間目標も
毎日新聞 2015年06月20日 東京朝刊

 政府は19日、医療費の伸びを抑えるため、安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及率の目標を前倒しする方針を固めた。「2020年度末」としていた80%達成時期を「18〜20年度末までのなるべく早い時期」としたうえで、「17年半ばに70%以上」との中間目標を設定する。今月末にまとめる経済財政運営の指針となる「骨太の方針」に盛り込む。

 厚生労働省は、経済財政諮問会議の民間議員から目標値の引き上げを求められ、5月下旬に「20年度末に80%」の新目標を設定していた。それでも政府の行政改革推進会議からさらなる前倒しを求められ、今回の対応を決めた。【阿部亮介】



http://jp.wsj.com/articles/SB12208919310003153678304581056971707091428
韓国のMERS拡大、判断ミス悔やむサムスン病院
By JEYUP S. KWAAK
原文(英語)
2015 年 6 月 19 日 14:11 JST The Wall Street Journal Japan

 【ソウル】重い肺炎などを引き起こす「中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス」の感染拡大に、韓国の名高い総合病院「サムスンソウル病院」の判断ミスが一役買っていた。ここは同国で最も裕福なサムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が治療を受けている病院だ。

MERS感染拡大、注目集まるSARSの教訓

 韓国は国を挙げてMERSコロナウイルスの感染拡大を防ごうと躍起になっているが、その中心にサムスンソウル病院の存在がある。同院では、ウイルスに感染したものの診断が遅れていた男性が緊急治療室で2日間を過ごした。関係者によると、この男性が隔離されるまでに、院内で少なくとも80人が感染したという。

 世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補は17日、「この期間に、この患者が何度もせきをしながら緊急治療室内を移動したのは明らかだ」と述べた。

 ベッド数1900床を擁するサムスンソウル病院はMERS患者への治療は継続しているが、一般外来では大半の診療活動をストップした。関係者によると、李氏を別の場所に移動させる計画はないという。同氏は昨年に心臓発作を起こして以来、病院の最上階付近にあるVIP向け病室で治療を受けている。

 サムスンソウル病院の医師らは5月、男性患者が中東から帰ってきたと話したのを受け、この男性を韓国で初のMERS患者と診断した。この男性は隔離されたが、それ以前には地方の病院で別の男性と同じ病室に入っていた。そして、この同室した男性がサムスンソウル病院の緊急治療室でウイルスをまき散らしてしまったのだ。

 医師らによると、韓国では診断を受けるために病院を転々とし、最終的には信頼性の高いソウルの総合病院に行く患者が多い。WHOは、こうした「ドクター・ショッピング」と呼ばれる慣習がMERS感染拡大につながった要因の一つだと指摘した。

 サムスンソウル病院は、最初の患者がMERSに感染していると診断された時点でウイルスを封じ込めなかったことを後悔している。この患者も病院を転々とし、4人の医者から診察を受けていた。サムスンソウル病院は14日、緊急治療室に入った患者が感染リスクを持っていると見抜けなかったことについて謝罪した。同院はかつて、緊急時に米大統領を治療できる病院としてホワイトハウスから指定を受けていた。

 韓国の保険当局は新たなMERS患者の発生ペースが鈍化しているとみている。ただ、最近でも数人の患者が陽性反応を示しており、彼らの多くがサムスンソウル病院と関係があった。

 ソウルの病院ではベッド数が不足しており、緊急治療室は埋まっていることが多い。緊急治療室に入るために数日間待たされる患者もいる。医師らによると、韓国には地元の医者からの紹介状を必要とする法律があるが、この目的は総合病院の混雑を避けることだ。だが、今では患者の多くが緊急治療室に直接向かっているという。

06192.jpg

韓国におけるMERS感染経路

 MERSと診断された患者の多くは、サムスンソウル病院の緊急治療室で何らかの処置を受けた家族や友人を訪ねた際にウイルスに感染した。ここで感染した人々はMERSと診断されるまでに国内のさまざまな場所に移動していた。

 公表された最新データによると、サムスンソウル病院は2013年に1日当たり7500人近くの患者を受け入れた。また、同院は13年に100億ウォン(約11億円)を投じて緊急治療室を改築し、さまざまな病気の患者を個別に治療できる体制を整えた。同年には1日当たり188人の患者を緊急治療室に受け入れたという。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=120108
MERS拡大させた、韓国特有の3つの慣習
(2015年6月19日 読売新聞)

06193.jpg

06194.jpg

06195.jpg

 韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が確認されてから、20日で1か月となる。感染の拡大が続き、18日現在の死者は23人、感染者は165人となった。世界保健機関(WHO)は感染拡大の原因として、政府や医療機関の初期対応の遅れに加え、韓国特有の慣習を挙げている。

WHO指摘

 「政府レベルの迅速な対応が必要だ」

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は18日、世界看護師大会への出席で訪れたソウルで開いた記者会見で、こう述べた。韓国保健福祉省は、月末までに散発的な発生を止めることを目標に、感染者を隔離する病院の集中管理を徹底。70人以上の感染者が出たサムスンソウル病院(ソウル市)の全職員検査も実施する予定だ。ただ、現時点で有効なワクチンや治療薬はなく、感染者は増え続けている。

 こうした中、WHOが指摘した感染拡大要因が国民の関心を集めている。WHOは、〈1〉家族や見舞客が患者に付き添う習慣〈2〉混み合った救急病棟〈3〉複数の病院で治療を受ける「ドクターショッピング」――などを列挙。いずれも韓国で普通に見られる「医療慣行」だ。

■家族らが世話

 18日、感染者の妻を看病中に院内感染した男性(82)の死亡が確認された。妻はすでに死亡し、初の夫婦での死亡例となった。

 同省によると、感染者165人のうち35%を家族や見舞客が占めている。韓国では、看護師が患者の着替えなど身の回りの世話をしないのが一般的で、代わりに家族や私費で雇う看病人が面倒をみる。

 また、地縁・血縁が強く、知人が入院すれば多くの見舞客が訪れる。「本来は美しい文化なのだが……。今回を教訓に改善すべきだ」。官民合同対策チーム長の金宇柱・高麗大教授は、外国メディアとの記者会見でそう述べた。

■かぜでも救急に

 韓国の大型病院の救急病棟は、かぜなどの軽い症状でも受け入れるため、訪れる人が多く、常に混雑している。入院する患者は、一般病棟のベッドが空くまで救急病棟の大部屋などにいるケースが多く、2~3日に及ぶこともある。

 二次感染源となった男性(35)は5月27日にサムスンソウル病院を訪れ、肺炎のような症状で入院することになったが、多くの他の患者で混み合う救急病棟でそのまま29日まで滞在。この間、他の患者や医療関係者、訪問者らが感染したとされる。このため、救急病棟の入り口を患者の症状別に分けるなどの改革が必要との指摘が出ているという。

■3か所で二次感染者

 最初の感染者の男性(68)は、訪れた病院3か所で二次感染者を発生させた。サムスンソウル病院の感染源の男性患者も、2か所の病院で約80人に感染させた。

 韓国では医療費が安く、患者が自分に合う医師を探して医療機関を転々とする傾向がある。政府と合同調査を行ったWHOのケイジ・フクダ事務局長補は「感染者が病院を回れば、他人に感染させる確率も増す」と指摘した。

 医師免許を持つ保健当局者は本紙に「地域の中核病院を紹介しても、サムスンソウル病院など『ビッグ5』とされる有名な大型病院に行く一流志向の患者がいる。一方で、患者がたらい回しにされるケースもある。今回の感染拡大は韓国の医療システム全体の問題を浮き彫りにした」と語った。(ソウル 吉田敏行)

(2015年6月19日 読売新聞)



http://www.m3.com/news/iryoishin/331706
The Voice
韓国MERS院内感染の謎
院内感染、チュニジア、イランなし

2015年6月19日(金)配信 外岡立人(医学ジャーナリスト、医学博士)

 これまでは中東、特にサウジアラビアに限局した感染症と思われていた、その名も「中東呼吸器症候群」(Middle East respiratory syndrome:MERS、マーズ)が、韓国に転移したかのように流行している。

◆MERSという名前

 この名前は本当は国際ルール違反である。そもそも、病名に人の名前や地域名を加えるのは避けるように言われてきたはずである。

 名前のせいで、MERSが中東外で流行はじめると、何か違和感を覚える。同時に、流行地が中東ではないからそれほど心配はないだろうといった誤解も生じかねない。

 筆者は、呼び方として「中東型SARS(サーズ)」が妥当と考えている。MERSを起こすウイルスとSARSを起こすウイルスは、同じコロナウイルスに属し、ともに新型である。コロナウイルスは人も含めて感冒を起こすウイルスである。

 2003年中国で流行が始まったSARSは、Severe Acute Respiratory Syndrome(重症急性呼吸器症候群)と名付けられ、日本では当初「新型肺炎」と呼ばれた。

 ウイルスの近縁差がどの程度かはさておいて、両ウイルスとも新型コロナウイルスであって、重症肺炎を引き起こす。したがって、MERSは「中東型SARS」と呼んだ方が、理解しやすく警戒心も高まると思う。A型インフルエンザが「香港型」とか「ソ連型」などと分類されているようにである。

 ちなみに、SARSウイルスもMERSウイルスもコウモリが自然感染宿主である。

◆韓国での感染拡大とスーパースプレッダー

 MERSはサウジアラビアで最も多く発生していて、2012年春以来1,000名以上の感染者が確認されており、その致死率は44%である。中東で感染して母国へ帰ってから発症する事例は多く報告されている。発病者からの二次感染は英国の病院等で起きているが、非常に少ない。

 今回の韓国での流行は、5月上旬にバーレーンから帰国した男性が発病したことに端を発している。11日に発症して診断が得られたのは20日であり、その間受診したり、短期間ではあるが入院した病院で医療担当者や患者が感染した。その後、男性はソウルのサムスン病院に転院して、そこの救急病棟でさらに多くの患者や見舞い客にウイルスは感染した。

 このサムスン病院でのウイルス伝搬者は、最初の患者の他、その患者からの二次感染者も多くの人にウイルスを感染させている。両者はスーパースプレッダーと呼ばれるが、それは異常にウイルスを排出する、または飛沫させる感染者をいう。

 スーパースプレッダーの存在はかって流行した中国でのSARSの際に知られ、市場内を歩いただけで数人に感染させたり、院内感染でも立役者になった。

 スーパースプレッダーがなぜウイルスを大量に排出するのかは良く分かっていない。しかし気道から唾液中に混じってくるウイルスが会話の際に飛び散って、周辺にいる人々に感染した事実が新型インフルエンザの際に指摘されていた。そのため多弁な感染者ほど周辺にウイルス感染を起こす可能性がインフルエンザでは考えられている。そうした例がスーパースプレッダーとなるのかは定かではないが、SARSやMERSではどうなのだろうか。

 いずれにしても韓国のMERSの拡大には、このようなスーパースプレッダーが大きく関与していると筆者は考えている。

 サムスン病院における初期の感染防御体制に不備があったこと、病室の換気が悪かったこと等、いくつかの要因が今回の韓国のMERS流行で挙げられているが、それだけでは十分説明は出来ない。

 これまでもサウジアラビアのジッダ市等の病院で集団感染事例はいくつか起きており、そのたびに原因として医療担当者の感染防御体制に不備があったといわれてきた。

 チュニジアやイラン、さらにはバングラデシュでも、サウジアラビア帰りの人が発病した例はある。しかし、そこで院内感染は起きていない。またサウジアラビアを含む中東の病院で、院内での集団発生を起こした例は希ともいえる。

 3週間ほどの期間に多数のMERS感染者が、ソウルと近郊の大病院を中心に発生した事実は衝撃的でもある。

 6月11日現在感染者数122人、そして死者数9人であるが、致死率は10%未満と中東に比べると低い。これは韓国では軽症例が比較的多く検出されているせいと筆者は考える。サウジアラビアでは疫学調査が十分でないことから、多くの軽症例は見逃されている可能性がある。

 今回の韓国の疫学調査で把握される感染者の動態は、中東以上に正確なデータとなる可能性が高いかもしれない。

◆MERSの今後

 韓国や米国、さらには中国の研究チームがウイルス遺伝子を分析しているが、ウイルス変異は認められていないとされる。

 この韓国の大流行で中東と明らかに異なるのは、ラクダが感染に関与しておらず、完全に人から人への感染で成り立っていることである。

 この感染様式は飛沫感染であることは間違いはないが、どの程度の感染力があるのかは十分評価されてない。

 一握りのスーパースプレッダーが多くの人にウイルス感染を起こしているだけで、スーパースプレッダーがいなくなると、MERSなる奇妙な感染症が人の間から消えるのであれば幸いである。

 しかし、自然は人の思うような結果を必ずしも出さない。

 韓国での大流行の後、MERSウイルスが地域の人々の間で気がつかない程度の小規模な感染を繰り返し、そのうち日本国内にもウイルスが広がり、大流行を起こし出してから、ウイルスの存在に気がつくというシナリオもありうる。

 韓国のMERSは、中東のラクダと人の間の人獣共通感染症から、純然たる人の感染症に移行しつつあり、そして世界に拡大するパンデミックの機会を狙っている――。筆者は、そのような不安を覚えている。

※本記事は、2015年6月15日に先見創意の会のホームページで掲載した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.m3.com/news/iryoishin/332104
臨床研修「一から見直しを」、全国医学部長会議
人口50万未満地域、研修医少なく

2015年6月19日(金)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は6月18日の会見で、2014年度の大学附属病院の研修医の実態報告の内容を公表した。臨床研修医の充足率は横ばいで、修了者の受入率は微増傾向となった。ただ、人口50万人未満の小都市圏域では、それ以外の都市圏域の大学よりも、ともに低い状況が続いている。同会議地域医療検討委員会委員長の小林誠一郎氏は、大学の魅力を上げる1つの方策として、学部教育から専門教育まで一貫性を持たせるように、臨床研修を一から見直したい考えを示した。


 本院と分院を合わせた大学病院の研修医の充足率(臨床研修者数/臨床研修者定員)は、全国で68.5%となり、前年(66.3%)に比べ横ばい。ただ、東北は、37.1%となっていて、他のブロックに比べて、低い状況。

 臨床研修修了者受け入れ率(臨床研修修了者数/国家試験合格者数)は、全国で59.2%となり、2010年以降、微増する傾向にある。ただ、人口50万人を基準に分けると中大都市圏域大学は70.1%なのに対して、人口50万人以下の小都市圏域大学は35.6%となり、半分近くなり、人口の少ない地域に若い医師が集まらない傾向がある。

 今後の対策として、小林氏が示したのは、新専門医制度と関連した臨床研修の在り方の見直し。学部教育において、臨床実習の重視の傾向が広がる現状を踏まえ、小林氏は「実習と初期研修の達成目標が非常に似ている」と指摘した。

 さらに臨床研修の後半の10カ月から11カ月において、希望する専門領域を選択する研修医が多くなり、「専門医教育の一時期との位置付けになっている」(荒川哲男会長)ことも踏まえ、小林氏は「学部教育と専門教育の間で、臨床研修の位置付けを一から考え直さないといけないのでは」と疑問を提起。全体として、初期研修の内容を前倒ししながら、一貫したプログラムとして、大学への定着を図ることを1つの方策としたい考えを示した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/332203
シリーズ: その時どうする?患者トラブル調査
トラブル防ぐ医師の対処法は「丁寧さ」◆Vol.10
「電話は全て録音」「カルテをしっかり記載」

2015年6月20日(土)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q13:トラブルを防ぐためのご自身の対処法があれば教えてください。(複数回答)

 Vol.6『「トラブルで警察に連絡」は1割、転職も ◆Vol.6』では、実際にトラブルに遭った医師会員にその時の対応方法を聞いたが、トラブルに遭わないために普段からどんな対処法を心がけているのだろうか。501人に聞いた(複数回答)。
06196.jpg

(%は、501人の中でその選択肢を選んだ人の割合)
 その結果、多かったのは「言葉づかいを丁寧にする」(49.1%)、「態度を丁寧にする」(47.7%)。

 次に多かったのは「繰り返し確認する」で46.5%。患者とのコミュニケーションの齟齬を防ぎ、誤解を招かないようにするためには、一度ではなく何度も確認する必要がある。4割以上に選ばれた、これらの上位3つの対応は、患者対応を「丁寧かつ慎重に」行うことで、無用なトラブルを防ごうとする回答者の姿勢が見られた。

 その他にも、「専門用語を避ける」(28.5%)、「患者の話を遮らない」(27.1%)、「なるべく書面と合わせて説明する」(25.5%)など、患者がきちんと納得できるようなコミュニケーションを挙げる声が多かった。

 一方で、「患者に必要以上にへりくだらない」(36.1%)、「一対一を避ける」(19.6%)、「『治療拒否』の場合も同意を得る」(12.8%)など、相手にすきを与えず自己防衛できるような対応を選択する回答者も一定程度いた。

 その他の自由意見を紹介する。選択肢と同様、目立ったのは「丁寧な対応」を挙げる意見。「常に勉強を怠らない」などストイックに医療に向き合う姿勢を唱える回答者もいた。

・誠意を持って対応する
・丁寧に説明し、患者の訴えに耳を真摯に傾ける。
・丁寧に説明し、患者からの質問を受ける。
・理解していない人に理解できるようしっかりかみ砕いて説明する。
・お互いの理解を深める。
・控えめに自分の正しいと信ずるところを持って患者に接する。
・可能な限り、病態、原因理由、治療選択肢、合併症、見通しなど説明を丁寧に尽くす。
・真摯に患者の病気に向かい合う。
・常に勉強を怠らない。
・受診動機につながる不安感の原因に配慮する。
・明確に説明する。

 自己防衛をしやすいようにする対策や、法的手段にすぐ訴えるべきだとの声もあった。

・逐一カルテ記載する。
・かかってきた電話は全て録音する。
・毅然とした態度で臨むこと。
・相手を見抜く。
・患者を選ぶ。



http://www.m3.com/news/general/332082?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150619&dcf_doctor=true&mc.l=108279881
小松市の慰謝料支払い確定 多汗症手術で説明不足
2015年6月19日(金)配信 共同通信社

 石川県の小松市民病院で、十分な説明がないまま多汗症の手術を受けて後遺症を負ったとして、同県の女性が市に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大橋正春(おおはし・まさはる)裁判長)は18日までに、女性の上告を受理しない決定をした。16日付。医師の説明義務違反を認め、市に慰謝料など165万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 二審判決によると、女性は2000年、わきがの治療で小松市民病院を訪れ、多汗症と診断された。担当医師の勧めで手術を受けたが、背中から発汗するなどの後遺症を負った。

 女性は約3300万円の損害賠償を求めたが、一審金沢地裁は「医師の説明が不十分だったが、手術が不適切だったとはいえない」として女性の訴えを一部しか認めず、二審名古屋高裁金沢支部も支持していた。



  1. 2015/06/20(土) 09:12:18|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<6月20日  | ホーム | 6月18日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する