Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月16日 

http://www.m3.com/news/general/331001?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150616&dcf_doctor=true&mc.l=107773990
死亡男児の両親、勝訴確定 佐賀市と病院に賠償責任
2015年6月16日(火)配信 共同通信社

 佐賀県で2006年、男児=当時(12)=が腸管梗塞で死亡したのは佐賀市立診療所などの誤診が原因として、両親が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸(やまもと・つねゆき)裁判長)は15日までに、市と同県小城市の病院の上告を退ける決定をした。12日付。計約2千万円の支払いを命じた二審福岡高裁判決が確定した。

 二審判決によると、男児は06年3月、嘔吐(おうと)や腹痛のため、佐賀市休日夜間こども診療所や小城市の病院などで受診し、嘔吐下痢症や脱水症状と診断された。その後、別の医療機関に入院し、腸管梗塞で死亡した。

 一審佐賀地裁は「診察時に腹部に特段異常はなく、医師に過失は認められない」と請求を棄却したが、二審は「適切な措置があれば救命の可能性はあった」と誤診を認めて両親の逆転勝訴を言い渡した。



http://www.m3.com/news/general/330980?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150616&dcf_doctor=true&mc.l=107773993
医学部定員見直しも リハビリ職種は充実へ
2015年6月16日(火)配信 共同通信社

 10年後までに病院のベッド数を全国で約15万床減らすとの政府目標に伴い、厚生労働省と文部科学省は医師数が今後過剰になる可能性もあるとみて、大学医学部の入学定員数の見直しに向け検討を始める。一方、患者が自宅や介護施設で十分なリハビリ訓練が受けられるよう、作業療法士や理学療法士など専門職の確保に力を入れる方針だ。

 地方を中心に深刻化する医師不足対策として、政府は2010年度の医学部入学者から、卒業後の地元勤務を条件に都道府県が奨学金を出す「地域枠」制度を導入。19年度までの臨時的措置として医師養成数を増やしてきた。だが厚労省によると、日本の人口10万人当たりの医師数は、25年ごろには経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均を超える見込みだ。人口減少が進めば、医師は余りかねない。

 厚労省などは夏にも専門家による検討会を設置し、今後の人口変動や病床数の削減に伴い、全国でどれだけの医師数が必要か、19年度までの臨時措置を続けるかなどを議論する。ただ地域や診療科によって医師数に偏りがあり、依然として深刻な医師不足に悩む地域もあるため、新たな解消策についても考える。



http://www.m3.com/news/general/330992?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150616&mc.l=107774018
「病床難民」出さない 甘利担当相
2015年6月16日(火)配信 共同通信社

 甘利明社会保障と税の一体改革担当相は15日、2025年の適正な病床数の推計をまとめた専門調査会に出席し「在宅まで含めた受け皿をつくり、(病床減によって行き場を失う)『病床難民』が出ないよう対応していく」と述べた。

 甘利氏は、推計を盛り込んだ報告書を専門調査会から受け取った。「患者視点に立ち、どの患者も状態に即した適切な医療を適切な場所で受けられるようにすることが重要だ」と強調した。



http://www.nnn.co.jp/news/150616/20150616005.html
医療格差解消図る 大学病院などと連携強化へ
2015年6月16日 日本海新聞(兵庫)

 都市部と遠隔地の医療格差解消などを目的に、公立豊岡病院組合などが、兵庫県南部の大規模病院とのネットワーク構築を進めている。美方郡内の公立病院でも本年度にテレビ会議システムを導入。小規模病院でも専門医の指導が受けられるなど、医師にとってもメリットが大きいとして、期待が集まる。


 ネットワーク整備は2013年に始動。公立豊岡病院を起点に、神戸大医学部(神戸市)や県立尼崎総合医療センター(尼崎市)と専用回線で結び、多分野の医師が治療方針について協議する「コンサルテーション」や合同会議を行う。本年度は但馬の公立4病院と県立柏原病院(丹波市)で新規に整備。設置済みの大規模病院では追加整備に取り組む。

 但馬の病院の地理的不利を軽減するのが目的。多くの症例を取り扱う都市部の病院と連携し、より多角的な知見から治療を検討できる。小規模病院に勤務する医師の孤立を防ぐ狙いもある。同組合によると、県域でネットワークを構築する例は全国的にも珍しく「医師と患者の双方に利点がある」と強調する。

 ディスプレーやカメラユニットの設置など、システムの導入費用は県の基金を活用。ネットワークを使って研修を行う際の講演料などは、受益病院が分担して支払う。慢性的な医師不足から医療体制の維持に頭を悩ませる病院は、ネットワーク参加による状況改善に期待を寄せている。

 新温泉町の公立浜坂病院は年内には供用を始めたい考え。熟練の技術を持つ医師の指導を受けられ、特に若手医師や県の派遣医にとってメリットが大きいという。研修の負担も軽減され「医師確保の追い風にもなり得る」と話している。具体的な活用方法は、先行事例を参考に検討していく。



http://apital.asahi.com/article/news/2015061600007.html
病床「1割削減可能」 医療から介護、推進 25年政府目標
2015年6月16日 朝日新聞

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 政府は15日、2025年に全国の入院ベッド数を16万~20万床削減できるとする目標を発表した。今の1割程度に相当する。入院ではなく、自宅や介護施設で療養できる人がいるためとする。ただ、介護施設が足りない地域も多く、受け皿の整備が課題となる。

 ベッド数の削減は、医療から介護への転換で、政府の支出する費用の増大を抑えることを目的としている。目標は、内閣官房の専門調査会が13年度の診療報酬明細書のデータや25年時点の人口推計などをもとに算出した。

 都道府県ごとにベッド数の過不足の推計値を出した。昨年6月に成立した地域医療・介護推進法で、25年に備えた計画づくりを都道府県に義務づけており、政府はその参考になるように示した。

 推計によると、25年時点で全国で必要とされるベッド数は115万~119万床で、13年の134万7千床から減らせるとした。何の対策も取らないと、25年には高齢化によって152万床となるが、自宅や介護施設で29万7千~33万7千人を受け入れれば、削減可能としている。

 医療と介護が連携しながら、地域の中で治療やケアを受けられる仕組みが求められるとしている。

 都道府県別にみると、埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄の6都府県以外は、ベッドを減らせるという。人口当たりのベッド数がもともと多い四国や九州では、3割以上削減できるとされた県もある。東北では宮城を除いて2割以上3割未満の削減とされた。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150616-OYT1T50025.html
看護師も麻薬使用容疑、逮捕医師と同じ所属科
2015年06月16日 09時16分 読売新聞

 北海道の町立八雲総合病院の医師が麻薬取締法違反容疑で逮捕された事件で、道警函館方面本部捜査課と八雲署は15日、八雲町東雲町、同病院看護師後藤絵利香容疑者(29)を同容疑で逮捕した。

 発表によると、後藤容疑者は今月13日以前の数日の間に、道内で医療用麻薬「フェンタニル」を若干量、自分の体に使用した疑い。

 調べに対し、後藤容疑者は「自分で使用したことはない」と容疑を否認しているという。

 同課などによると、既に逮捕された同病院の医師阿部正幸容疑者(55)の捜査の過程で、後藤容疑者の尿を調べたところ、フェンタニルの成分が検出されたという。両容疑者は同じ心臓血管内科所属だった。

 一方、阿部容疑者は逮捕直後、「自分の体に使っていない」と容疑を否認していたが、使用したことを認める供述を始めたという。



http://www.mededge.jp/b/heal/14610
医者の一極集中が進むと、医療コストが増加する可能性がある、オバマケアの副作用か?
米国スタンフォード大学からの報告

2015年6月16日 9:00 PM MedEdge

 膝関節置換術に関して、医者の集中度が高くなると集中度の高くない地域に比べ整形外科医の料金が上昇していた。

 医者が集中すると、医療費は高くなる傾向があるようだ。

整形外科医の料金を調査

 米国スタンフォード大学の研究グループが、保健政策を扱う専門誌ヘルス・アフェアーズ2015年6月号で報告した。

 膝関節置換術は、膝が悪くなった時に、膝の関節に人工関節を入れる治療だ。

 2001年〜2010年の膝関節置換術について、整形外科医の請求料金を調査し、医者の集中度の関係を調査した。

医者が多いと治療費が上がる

 全体的には、調査期間中に、市場の集中度が「中程度」あるいは「高度」と見なされている市場の数は変化していなかった。この間、膝関節置換術の全国平均のコストは261ドル、日本円でおよそ3万円下がった。

 ところが、医師の料金は、最も集中度の低い市場の料金と比較すると、最も集中度の高い市場では168ドル、日本円で2万円ほど増えていた。これは、7%もの差があることになる。

 研究グループによると、オバマケアの一環である医療費負担適正化法では、病気になった人の健康を改善するために医者らの協力を奨励している。一方、医療保険を適用し易くなって、医者らにとっては交渉力を高められるところもあり、保険会社からより高額の料金を交渉によって獲得できるようになった可能性があるという。

 研究グループでは、今後、医者の集中度が高くなることで、治療効果が改善されるのかどうかを調査する計画という。

 集中して競争が活発になり、市場原理が働いていないとすれば、改善も必要なのだろう。
文献情報
Higher concentration of physicians groups could increase medical costs, researchers say
http://med.stanford.edu/news/all-news/2015/06/higher-concentration-of-physicians-groups-could-increase-medical.html
Sun E et al.Concentration In Orthopedic Markets Was Associated With A 7 Percent Increase In Physician Fees For Total Knee Replacements.Health Aff (Millwood). 2015;34:916-21.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26056195



http://resemom.jp/article/2015/06/16/25160.html
埼玉県出身の県外大学医学生対象「埼玉県医師育成奨学金」7/7募集開始
2015年6月16日(火) 18時15分 リセマム

埼玉県医師育成奨学金
http://resemom.jp/article/img/2015/06/16/25160/104813.html

奨学金制度の概要
http://resemom.jp/article/img/2015/06/16/25160/104812.html

選考のスケジュール
http://resemom.jp/article/img/2015/06/16/25160/104814.html

選考方法
http://resemom.jp/article/img/2015/06/16/25160/104815.html

 埼玉県は6月15日、県出身の県外大学医学生を対象とした埼玉県医師育成奨学金について、ホームページに掲載した。月額20万円以内と入学金100万以内を貸与し、生まれ育った埼玉県に戻って地域医療に取り組む意欲のある医学生を応援する。

 埼玉県によると、毎年、県内の高校から県外の大学医学部に200人あまりが進学しているという。この制度は、将来同県の医療を担う志のある医学生を支援するために、平成24年度から導入された。応募者は年々増加しており、募集枠拡大の要望もあることから、昨年度の15人から今年度は20人に拡大して募集する。

 この奨学金の対象は、埼玉県内在住(申請時)で、県内の高校などを卒業見込みまたは卒業した者。県外の大学の医学を履修する課程に入学する意思があり、医師免許を得た後、特定地域の公的医療機関・特定診療科等に医師として勤務する意思があることも条件となっている。所得制限は設けていないが、この奨学金と同種の奨学金の貸与を受けることはできない。

 募集人員は20人(補欠として若干名)、月額20万円以内と入学金100万円以内を貸与する。期間は大学卒業までの6年間。貸与期間の1.5倍の期間、特定地域の公的医療機関・特定診療科等に医師として勤務すれば奨学金の返還が免除される。

 募集期間は7月7日から8月7日(17時15分必着)まで。県ホームページからダウンロードできる応募申請書、応募チェックリストのほか、「将来埼玉県でどのような医師として働きたいか」をテーマとした小論文(1,200字以上1,600字以内)、成績証明書などを、簡易書留による郵送または持参で、埼玉県医療整備課に提出する。

 8月31日までに応募者全員に選考結果を発送し、書類選考合格者には面接選考の詳細をあわせて通知。最終選考に合格すると貸与候補者となり、大学の入学決定後に必要書類を申請する。
《黄金崎綾乃》



http://resemom.jp/article/img/2015/06/16/25160/104815.html
半数以上の医師が航空機内のドクターコールを無視 リスク高すぎる?
2015年6月16日 12時12分 弁護士ドットコム

お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかーー航空機内で急病人が発生した場合、医師などの医療関係者に協力を求める「ドクターコール」。この求めに応じるかどうか、医師にたずねたアンケート調査の結果がネットで話題になっている。

この調査結果は、もともと、旭中央病院神経精神科の大塚祐司医師が2004年にアンケート形式で実施した医師の意識調査の結果を、別の医師がウェブ上で公開していたものだ。今月になって、インターネットのバイラルメディア「netgeek」が取り上げた。

その調査結果によると、ドクターコールに遭遇した場合、「申し出る」と回答した医師は、回答者67名中の28名(41.8%)、「その時にならないとわからない」と回答した医師は33名(49.2%)、「申し出ない」と回答した医師は5名(7.5%)、その他1名(1.5%)だった。つまり、「申し出る」と回答した医師が半数以下だったのだ。

調査結果について、「国内法では『死んだら私が全責任を負わされる』。免許剥奪すらありうる。そこまで他人に人生捧げてられません」といった、患者が死亡した場合の医師側のリスクを指摘する声がツイッターで多くあがっていた。

ドクターコールに応じて、医療行為をした結果、患者が死亡してしまったような場合、医師が賠償責任を負うことになるのだろうか。医療問題にくわしい池田伸之弁護士に聞いた。

●「航空機内」と「病院」では、求められる義務が異なる

「たとえば、道で行き倒れている人を医師が診療する行為は、民法上、『緊急事務管理』にあたります。

『事務管理』というのは、簡単に言えば、法律上の義務がない者が、他人のために一定のことをしてあげることをいいます。

仮に、診療をミスして障害を負わせたり、死亡させたりしても、悪意(わざと)もしくは重大な過失がない限り、損害賠償責任を負いません(698条)。診療契約を結んで治療行為を行った場合に比べて、責任が軽減されます」

航空機で「ドクターコール」に応じて診療した場合も、同様に考えてよいのだろうか。

「航空機や列車内等で、ドクターコールに応じた場合、患者の意識があるときは、患者との間で診療契約が成立すると考える余地があるでしょう。意識のないときも、輸送機関との間で契約が成立すると考えることができます。輸送機関が、乗客という第三者のために診療契約を結んでいるということです。

こうした場合の診療契約は、民法上は『準委任契約』として、善管注意義務(善良な管理者の注意義務)を医師は負うことになります(644条)。この場合、医師は道端の急病人を助けるような『事務管理』の場合よりも重い注意義務を負うことになり、軽過失でも賠償責任を負うことになります」

●アメリカやカナダで立法化された「良きサマリア人の法」

だが、航空機内で完璧な治療を施すことは難しいのではないか。

「航空機内の限定された状況での注意義務は、施設の整った救急病院での診察における注意義務とは、全く様相が異なります。

医療機器や薬剤などが全くないか、もしくは不十分な状況で、しかも、患者は重篤な状態で、病歴や症状などの問診が十分にできないという状況です。そうした限定的な状況で最善を尽くすという義務が課せられているということです。

現実問題として、乗客が亡くなったとしても、民事上、刑事上の責任が問われる、あるいは、医師免許が取り消されるといった可能性はほとんどないのではないでしょうか」

では、今回の調査結果をどう考えればよいだろう。

「わずらわしいことに関わりたくないという医師の心理も十分にわかります。

アメリカやカナダでは、急病になった人を救うために、無償で善意の行動をとった場合、できる限りのことを誠実にしたのなら、たとえ失敗しても、その結果について責任を問わないという趣旨の『良きサマリア人(びと)の法』が立法化されています。聖書のエピソードがもとになっています。

『良きサマリア人の法』のように、医師によるボランティアの救命行為については、免責を正面から認める立法措置があれば、そのわずらわしさも少しは軽減され、救われる命も増えるのではないか、と思います」

池田弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
池田 伸之(いけだ・のぶゆき)弁護士
愛知県弁護士会所属。医療過誤事件、医療事故の調査委員等医療関係の案件を広く取り扱うほか、企業法務、事業再生・倒産事件、離婚、交通事故、相続遺言問題、知的財産権侵害事件、クレーム対応に関する案件を多数担当しています。
事務所名:池田総合特許法律事務所
事務所URL:http://www.ikeda-lawpatent.jp



http://apital.asahi.com/article/news/2015061600023.html
聖路加、慶応、順天の4医療機関で外国人医師による外国人診療 国家戦略特区
2015年6月16日 朝日新聞

 地域限定で規制を緩める国家戦略特区で、東京圏の区域会議が15日あった。都は有楽町駅など6地区の再開発事業について、手続きの簡素化など都市計画法の特例の適用を提案した。舛添要一知事は都内全62市区町村から特区の提案が出そろったとして、これまで9区だった特区の指定範囲を都内全域に広げるよう国に要請した。

 6地区の事業では、有楽町駅周辺の旧都庁舎跡地に、都と民間事業者が国際会議やイベントで大型集客できるビルを建て、国際ビジネスや観光の一大拠点を整備する。都庁のある西新宿では、都庁前の街路に道路法の特例を使って食やフリーマーケットのにぎわいを創出するのに合わせ、住友不動産が空き地に屋根付きの巨大な広場を造る。6事業とも2016~17年度の都市計画決定を目指す。

 この日の会議では、外国人医師が日本で、自分の国以外の外国人の患者を診察できる特例が都内4カ所の医療機関で認められた。聖路加国際病院(中央区)と聖路加メディローカス(千代田区)、慶応大病院(新宿区)、順天堂大順天堂医院(文京区)に米、英、仏の計5人の外国人医師が配置され、15年中に国籍にかかわらず外国人を診察できるようになる予定という。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150616-OYT1T50000.html?from=ycont_latest
元准教授、機器情報優先し教える…祇園で接待も
2015年06月16日 08時35分 読売新聞

 京都大の医療機器導入を巡る汚職事件で、京大病院臨床研究総合センター元准教授で医師の丸井晃容疑者(47)(逮捕)が、導入する機器などの情報を他社よりも先に医療機器販売会社「西村器械」社員の西村幸造容疑者(39)(同)に教えていたことが、捜査関係者への取材でわかった。

 丸井容疑者が出張先や京都・祇園で、西村容疑者から飲食接待を受けていたことも判明した。

 丸井容疑者は、同センターで行っていた血管再生医療の研究で使う医療機器を随意契約で購入する際、同社が受注できるよう便宜を図った見返りに、2012年と13年、海外高級ブランドのキャリーバッグなどを西村容疑者から受け取ったとして京都府警に逮捕された。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150616-OYT1T50098.html?from=ycont_latest
業者から物品、総額100万円か…京大病院汚職
2015年06月16日 15時38分 読売新聞

 京都大の医療機器導入を巡る汚職事件で、京大病院臨床研究総合センター元准教授の丸井晃容疑者(47)が、受注業者側からもらった物品の総額は約100万円に上ることが、捜査関係者への取材でわかった。

 機器の購入時に必要な他社の見積書も受注業者が取りまとめて提出していたといい、京都府警は、両者の癒着の実態を調べている。

 府警によると、丸井容疑者は研究用医療機器を随意契約で購入する際、医療機器販売会社「西村器械」社員・西村幸造容疑者(39)に機器の種類などを他社よりも先に教え、見返りに計約30万円相当の海外高級ブランドのキャリーバッグなどを受け取ったとされる。

 捜査関係者によると、丸井容疑者はメーカーや色などを指定し、欲しい品物を西村容疑者にメールで連絡。逮捕容疑の賄賂以外にも電化製品など約70万円相当の物品を受け取っていたといい、府警は、これらの物品も賄賂に当たらないかどうかを捜査する。

 京大の内規は、100万円以上の契約時には複数社の見積書を取るよう定めている。西村器械は10機種以上、総額5000万円を超える機器を受注していたが、捜査関係者によると、この中に、西村容疑者が他社の見積書を用意したケースがあったという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45936.html
地域包括診療料届け出、121施設に減少- 11都道府県で増加の一方でゼロ拡大
2015年06月16日 16時00分

 2014年度に新設された「地域包括診療料」(地包診)の今年4月1日時点の届け出医療機関数は121施設で、昨年7月1日時点と比べ1施設減ったことがキャリアブレインの調査で分かった。東京などで届け出医療機関数が増えた一方で、茨城などで減っていた。また、今年4月時点で届け出ていた医療機関の中に、算定の実績がない医療機関が複数あることも明らかになった。【坂本朝子、佐藤貴彦】

 地包診は、診療所や許可病床200床未満の病院の医師が外来患者に発揮する主治医機能の包括評価(月一回1503点)。高血圧症など4つの慢性疾患のうち2つ以上を有する患者が対象で、その療養上の指導と服薬管理、健康管理、介護保険に関する対応、在宅医療の提供などに関する要件がある。今年4月から、患者の担当医が慢性疾患の指導に関する研修を修了していることが要件に加わった。

 当社が地方厚生局の資料を基に、今年4月時点の施設基準の届け出受理状況を調べたところ、全国で病院17施設と診療所104施設が届け出ていた=グラフ、クリックで拡大=。厚生労働省が公表した昨年7月時点の届け出状況と比べると、病院は4施設増え、診療所は5施設減った。
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 また昨年7月時点では、地包診を届け出た施設数が18府県でゼロだったが、今年4月時点では19府県に拡大。ゼロだった奈良と和歌山がどちらも1施設になったものの、岐阜と石川、島根は、それぞれ3施設と2施設、1施設で届け出ていたのがゼロになった。

 昨年7月時点と今年4月時点とを比べて届け出医療機関数が増えたのは、22施設から25施設になった東京など11都道府県。一方、5施設から1施設になった茨城など7県では減った。29府県は届け出施設数が変わらなかった。

■届け出ても算定ゼロ、処方状況の把握や点数説明などネックに

 さらに、4月時点で地包診を届け出ていた医療機関に対して、その算定状況を尋ねると、算定の実績がないと回答する施設が複数あった。理由を聞くと、一人当たりの診察時間が限られる中で、患者がほかの医療機関で処方された医薬品などを把握する要件を満たすのが難しいといった声や、再診料(72点)などと比べて点数が高く、患者に説明しづらいといった声が聞かれた。

 一方で、在宅患者が外来受診に切り替わったケースで地包診を算定しており、それまで算定してきた在宅での主治医機能の評価「在宅時医学総合管理料」(月一回最大5300点)と比べて点数が低いことなどから、患者の理解を容易に得ることができたという医療機関もあった。

 また調査では、慢性疾患の指導に関する研修が医療機関の近くで開催されないことから、算定をあきらめたといったケースも見られた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/331031
41道府県で病床削減の試算、患者動態現状通りで
急性期は24万床以上、2025年度まで、政府調査会

2015年6月16日(火)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 政府の社会保障制度改革推進本部医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会は6月15日、2025年度までに現状の137.7万床から15.7万床~19.7万床程度を削減すべきとの報告書をまとめた。推計値に幅を持たせているものの、現状と同じく都道府県境を越えて、患者が流出入するパターンの推計を見ると、首都圏の1都3県、大阪府、沖縄県を除いて、41の道府県で病床を削減する方針となっている。特に高度急性期、急性期の病床については、合わせて24万床以上の削減を求めていて、病床で提供されている医療の評価や、適切な診療報酬体系の構築などを課題として挙げている(資料は、首相官邸のホームページに掲載)。今後、地域医療構想に反映される。

在宅などで追加対応は30万人前後

 推計は、都道府県ごとの必要予測数の積み上げをみる方式。高度急性期、急性期、回復期の3機能については、2013年度の1年分のNDBレセプトデータとDPCデータを活用、慢性期については、地域完結型の医療を目指す中で、在宅医療が広がることなどから、二次医療圏の療養病床における入院需要率の地域差が縮小する前提を置いて試算した。

 報告書によると、必要病床数は全体では115万床から119万床程度となり、現状の134.7万床から1割以上は減少する方針で、急性期機能の削減の必要性が明確になっている。また、回復期機能の増強も求めたうえで、介護施設や高齢者住宅を含む在宅医療等で追加的に対応する人数は29.7万~33.7万人となっている。具体的には、以下の通り(括弧内は、2014年7月時点での病床機能報告、未報告、未集計分を含まない123.4万床との差)。

・高度急性期 13.0万床(6.1万床減)
・急性期 40.1万床(18.0万床減)
・回復期 11.0万床(26.5万床増)
・慢性期 24.2万~28.5万床(11.0万~6.7万床減)

鹿児島、北海道1万床以上減求める

 地域ごとに必要な病床数については、二次医療圏を越えて患者の移動の有無と、慢性期における入院受療率の低下程度によって3パターンの組み合わせで、6通り示している。そのうち、「二次医療圏を越える患者の移動あり」と「入院受療率が高い地域が、全国の中央値程度まで低下」の前提を置いた推計を見ると、全体の病床削減数は16.5万床。

 地域別で増加するのは、6都県で、高齢化の進展が進み、医療重要が増えると見込まれる首都圏の1都3県が含まれる。具体的な増加幅が多いのは、以下の通り。

・大阪府  9700床増
・神奈川県 9400床増
・東京都  5500床増
・埼玉県  3600床増
・千葉県  2900床増

 一方、削減となる自治体は、41府県で多い地域では1万1800万床、少ない地域でも300床の減少が必要となるとの見方。削減幅が大きい地域は、以下の通り。

・鹿児島県 1万1800床減
・北海道  1万1500床減
・熊本県  1万1400床減
・福岡県    9300床減
・山口県    9000床減

 報告書では、全体として、医療機能ごとに病床の大幅な調整が必要な地域が発生することを見通して、都道府県ごとの進捗評価の実施や、10年程度かけて、在宅医療の強化に向けて医療・介護のネットワークの構築を求めている。ただ、「直ちに療養病床の急激な削減を行ったり、入院中の患者を追い出したりすることを強制するものでない」としている。

 今後の課題としては、病床機能分化に向けて適切な診療報酬体系の構築や、診療プロセス等の分析評価や臨床指標の策定、患者の状態像に応じた人員の傾斜配分などを挙げている。専門会においては、医療費水準や医療費適正化対策の在り方も検討する方針。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO88162400X10C15A6EA1000/
規制改革の「検討」で終わるな
2015/6/17付 日本経済新聞 社説・春秋

 政府の規制改革会議が答申をまとめた。規制改革は成長戦略でもっとも重要な課題だ。個別の項目では「検討」としただけで実質的に結論を先送りしたものも少なくない。具体策を順次まとめ、速やかに実行に移してほしい。

 保険診療と保険外診療を併用する混合診療の拡大、農協改革など「岩盤規制」に取り組んだ昨年と比べると、今年の答申は全体として小粒な印象は否めない。

 医療分野では、患者が病院などの外にある調剤薬局で薬を受け取る「医薬分業」で、関連する規制の一部見直しを打ち出した。薬剤師は本来、医師の処方内容をきちんと点検することが期待され、高い調剤報酬を与えられている。

 だが、病院の周囲に乱立する「門前薬局」は、患者の服薬情報を一元管理する役割を必ずしも果たしていない。報酬は適正に見直すべきだ。病院と隣接する薬局との間にフェンスを置くといった不必要な規制を改めるのも妥当だ。

 雇用分野では、裁判所が解雇無効の判決を出したあと、労使が金銭で紛争を解決する方法を検討すべきだとしている。

 これを受け、労使の代表や学識経験者などによる議論の場で検討が始まる見通しだ。実効性のある方策を詰めてほしい。

 安倍晋三政権がすすめる地方創生にあわせ、地域活性化のための規制改革を追加したのも特徴だ。

 旅行者から料金をとって自宅に泊める場合、年1回程度のイベント開催時であれば旅館業法の許可をとらずにすむようにする。

 しかし、インターネットを使い、自宅の一部や別荘を有償で貸し出す米国発のサービスを認めるかどうかは「実態の把握を行った上で幅広い観点から検討し、結論を得る」とするにとどめた。理容と美容の規制改革も中途半端だ。

 規制の本質は細部に宿る。結論を先送りした項目について各省庁が「検討はしたが、やっぱりやらない」となっては困る。監視役としての規制改革会議の仕事はこれからが始まりだ。



http://www.sankei.com/life/news/150616/lif1506160035-n1.html
【規制改革会議】
医薬分業見直し、折れた厚労省、かかりつけ薬局は機能拡充

2015.6.16 23:45 産経ニュース

 政府の規制改革会議は16日にまとめた答申で、医師が患者に処方箋を出し、薬局が処方箋をチェックする「医薬分業」の見直しを打ち出した。焦点だった病院敷地内の薬局併設を認めない規制について緩和するよう求めた。厚生労働省は当初、薬局の独立性を維持するため規制緩和に難色を示していたが、利便性の観点から歩み寄った。

 答申では、薬局併設を認める規制緩和を、平成28年度にとるべき措置として明記する一方、薬局の独立性に配慮し「実効ある方策を講じる」ことを求めた。

 また「医薬分業」の現状については「医療機関の周りに門前薬局が乱立し、薬局に求められる機能が発揮できていない」と指摘。患者に身近な「かかりつけ薬局」の普及を含めた薬局改革の推進を促した。

 医薬分業は病院側による過剰投薬などを防ぐために厚労省が推進してきた。構造上も明確にするため、病院と隣接する薬局の間にフェンスの設置などの規制があり、患者は薬局に行くのにいったん道路に出る必要がある。会議側は「患者本位ではない。高齢者にとって不便」と指摘、規制緩和を求めていた。

 また、薬局改革の必要性は厚労省も認めている。会議側の動きに呼応するように、門前薬局の報酬を減らすと同時に、薬の飲み残し防止などサービス向上に取り組むかかりつけ薬局機能を評価する方針。

 28年度の診療報酬改定で反映、普及を後押しする。病院の外にある薬局の報酬を手厚くしてきたが、患者側はそれに見合うメリットを実感していないとの指摘があるためだ。



http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150616/284295/?rt=nocnt
「記者の眼」
「医師や看護師がカイゼン活動」の真意
患者の待ち時間を半減した飯塚病院・麻生会長に聞く

池松 由香
2015年6月17日(水) 日経ビジネス 記者の眼

 「うわ~っ、すごい!」

 部屋に入るや否や、思わず感嘆の声を上げてしまった。麻生セメントの本社は、福岡湾の海辺、ちょうど福岡ドームと福岡タワーの中間に位置するビルの11階にある。通された会議室の北側と西側には大きな窓があり、観覧車のある海岸の公園と福岡湾を見渡せた。ふかふかのソファの背後に広がる見事な光景を見ていたら、これから取材だということを忘れてしまうほどゆったりとした気持ちになれた。

「やっぱりすごいなあ。さすがは麻生セメント」

 麻生セメントはご存じ、政治家一家としても知られる麻生家の経営する企業群の一つだ。これから取材をするのは同社社長であり、福岡市から電車で1時間ほど離れた飯塚市にある飯塚病院(運営会社は麻生)の会長でもある麻生泰(ゆたか)氏。麻生太郎氏の実弟だ。

 テーマはセメントの話…ではなく「病院におけるカイゼン」。飯塚病院は、約20年前から医師や看護師が中心となってカイゼン活動を実施している異色の病院だ。最近の活動では、外来患者の待ち時間を平均約1時間から同30分に短縮することに成功している。

 取材の目的は、日経ビジネス2015年6月29日号の特集に掲載すること。しかし、筆者は密かに「裏の目的」も持っていた。自分自身の好奇心を満たすことだ。

医師や看護師がカイゼンできるの?

 というのも筆者は、製造現場のカイゼン活動を数多く取材するようになって十ウン年の自称「カイゼン記者(オタク)」。製造現場を対象としてきたため、病院のカイゼンを取材するのは初めてだった。「病院だと製造の現場とどんな点が違うのだろう」「ただでさえ忙しい医師や看護師にカイゼン活動をする『余裕』はあるのか?」「医師がカイゼン活動をする時に抵抗はなかったのか?」…。病院のカイゼンと聞いただけで、取材前から素朴な疑問がたくさん頭の中に浮かんできた。

 実際にどんなカイゼンをしたかは翌日、飯塚病院の医師や看護師から話を聞くことになっていたため、麻生氏からは活動の狙いや成功のコツなどを聞く予定だった。与えられた時間は40分。限られた時間の中でどれだけ(個人的興味も含めて)聞けるか。ワクワクした気持ちでソファに座って待っていると、突然、会議室のドアが開いた。が、秘書の男性が向こう側からドアを開けているだけで、他に誰もいない。

 しばし沈黙の後、廊下の向こうから男性が1人、スタスタと軽い足取りでやってきた。拍子抜けするほど明るい笑顔を浮かべている。

 「どうもどうも。今日はわざわざ江戸から?」
 麻生氏だった。

 「はい、江戸から来ました」
 笑いながらそう答えると、いきなりこんな質問をされた。
 「仕事は楽しいかい?」

 少々面食らったが、最前線の情報を広く世間に伝えられるばかりか、自身の好奇心をも満たせる記者の仕事は偽りなく楽しいと思えた。そう伝えると、麻生氏は満足そうに言った。
 「それは何よりだ。今日はあなたが聞きたいことに何でも答えるよ」

 楽しいかどうか。これがどうやらこの日のキーワードになりそうだった。

労働集約型の病院こそカイゼンすべき

 「そもそもなぜ病院でカイゼンを始めようと思ったのですか?」。これが最初の質問だ。麻生氏の回答は、軽快な語り口調とは裏腹に(失礼!)、極めて論理的だった。

 「セメントや自動車関連の事業でもカイゼンは実践しているけれど、実は病院ほどカイゼンに向いている現場はない。病院は、労働集約型のサービス産業。患者の命にかかわるリスクもはらんでいる。医師や看護師の仕事からムダを省けば、医師や看護師がより重要な仕事に多くの時間を割けるようになる。そうなれば、患者だってハッピーになれる」

 確かにその通りだ。その通りではあるが、どこかきれいごとに聞こえないこともない。経営者が現場に「カイゼンしろ」と言うことは簡単だが、現場がそれを実践するとなると少なくとも最初は大きな負荷が掛かる。カイゼンは、その仕事の内容を最もよく知る現場のスタッフ自身が知恵を出すもの。つまり、通常業務を抱えながらカイゼン活動を進めるとなれば、単なる負荷増につながる可能性が実は高いものなのだ。

 この点をぶつけると、麻生氏はあっけらかんとした表情で言った。

 「最初に『社長、カイゼンをやりましょう』と言ってくれたのは看護師だったからね。数人の看護師で活動を始めて、そのうち医師も参加してくれるようになって、今ではほとんどの医師が前向きにカイゼンに取り組んでくれているよ。うちのスタッフは、とにかく前向き。『患者の喜びが私たちの喜びだ』って言ってさ」

 本当なのかもしれない。が、やはり筆者にはきれいごとに聞こえた。

 現場が自らやろうと言ってくれた。最初は負荷が増えたに違いないが、「それが自分たちの喜びにもつながるから」と活動が広がっていった――。こんなうまい話があるのだろうか。製造現場での苦悩を数多く見てきただけに、どうも納得が行かなかった。残りの取材時間を気にしつつ多方面から話を聞いていく。そんな中、麻生氏のある発言が引っかかった。

タマゴが先か、ニワトリが先か

 「カイゼンっていうのはさ、『みんなで仕事を楽しく善くする』ってことだろう? 私も経営者だから、コスト削減は大好きだ。でも、まずはスタッフが明るくなきゃ。カイゼンでコストを削ることも大切だけど、スタッフが苦痛になっては意味がない。スタッフが明るければ、患者も明るくなる。『この病院は明るくていいな』って思ってもらえれば、飯塚市は田舎だけど、たくさんの人が来てくれる」

 やはりきれいごとに聞こえなくもないが、筆者はこの発言に興味を持った。注目したのは「順番」だ。

 一般的なカイゼン活動では、「コスト削減」を優先してしまいがちになる。コスト削減の目標を、管理者が「同じ人数で生産性を2割上げる」あるいは「同じ仕事を8割の人員で実施できるようにする」といった目標に落とし込み、現場にカイゼン活動を推進してもらう。

 もちろん飯塚病院でも、数字を含めた明確な目標は立てる。しかし、こうした目標の前提として「日本一の“まごころ病院”になる」というビジョンが打ち出されている。そのため、目標は例えば、「患者の待ち時間を限りなくゼロに近づける」となる。数字の入った目標ではあるが、コスト削減を目的とはしていない。

 なぜこうした違いが出るのだろうか。ビジョンの有無も大きな要因の一つだが、前述した「順番」も非常に重要だと筆者は思った。

「やらされる」カイゼンは苦痛になる

 通常の順番はこうだ。(1)コスト削減の目標を立てる→(2)現場でカイゼン活動をする→(3)目標を達成する(コスト削減効果を上げる)→(4)現場のスタッフが達成感を得る。

 ところが、麻生氏の場合はこう考える。(1)スタッフが明るく働ける職場を作る→(2)現場が自らの意思でカイゼン活動をする→(3)現場が善くなる→(4)結果的にコストが削減できる。

 両者の決定的な違いは、スタッフがカイゼンを「やらされている」と感じるかどうかにある。前者より後者の方が、明るく前向きにカイゼンに取り組めるので、たとえ負荷が上がったとしても苦にならないのは言うまでもない。

 飯塚病院では日頃から、スタッフが明るく働ける環境づくりに励んでいるという。女性スタッフが産休や育休を取る場合は、現場に効率アップを押し付けるのではなく、迷いなく臨時スタッフを雇う。医師だけではなく看護師に対しても、積極的に海外研修の機会を与えている。こうした仕組みにはもちろんコストが掛かるが、カイゼンで成果を出せば帳消しになる。仕事の効率が上がれば臨時スタッフを雇わなくて済むようになるし、患者の満足度が上がって売り上げが増えれば、その分を研修費用などに充てられるからだ。

 麻生氏はこうも説明した。

 「医師も看護師もコレ(お金)では動かないよ。彼らにとって大切なのは、成長できるかどうか。頭脳の興奮度だな。だから、成長のための機会をどんどん作って自己研さんしてもらっている。患者だって、優秀なスタッフが多い方がうれしいだろう?」

 「カチャッ」。そこで再びドアが開いた。秘書が取材の終了を知らせる合図だ。
 「今度、カイゼン成果の発表会をやるから見に来てよ」
 麻生氏はそう言い残して豪快に去っていった。

 翻って原稿執筆中の自分。記者も労働集約型の仕事なのでカイゼンを実施すべきなのだろうが、その余裕がない。(自称だけど)カイゼン記者など名ばかりだと、反省する毎日をおくっている。



http://apital.asahi.com/article/news/2015061700003.html
宮崎)延岡に医師が来た 東九州道開通が追い風に
2015年6月17日 朝日新聞

 医師不足に悩む延岡市に、大分大と宮崎大が神経内科医や小児科医を派遣し、診察が始まっている。追い風になっているのは、大分市や宮崎市から90分ほどで来られるようになった東九州道の開通だ。県民が待ち続けた高速道は、医療面でも貢献している。

 延岡市医師会病院に4月、神経内科の外来が新設された。大分大医学部神経内科学講座の藪内健一医師(46)が月2回、土曜日に患者を診察している。

 神経内科医はパーキンソン病などの難病や脳梗塞(こうそく)を専門に診る。医師会や市地域医療対策室によると、市内では2009年に県立延岡病院の神経内科医3人が退職して以来、民間病院で月1回の外来診療があるだけだった。このため難病患者の中には専門医のいる宮崎市や大分県佐伯市の病院へかかる人もいたという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/330066
「開腹手術希望が増」「派遣元の大学は?」◆Vol.9
医療事故報道、7割は「影響なし」
 
2015年6月14日(日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q11:群馬大学医学部附属病院や東京女子医科大病院の医療事故 問題が最近大きく報道されています。このような報道の影響で、患者の医療不信が高まったと感じますか。

 アンケート回答者全員に対して、一般的な患者トラブルの原因について3つまで選択してもらった。
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(%は、それぞれのカテゴリ内でその選択肢を選んだ人の割合)
 医療事故が疑われる事案の多数発生、さらに事後対応のまずさや大学ガバナンスの不備が指摘され、特定機能病院の取り消しなどの処分を受けた群馬大学医学部附属病院と東京女子医科大学病院。ここ数カ月で高度な医療を提供する大学病院での「医療事故問題」が相次いで話題になった。謝罪する病院幹部の映像がテレビで繰り返し放映されるなど、マスコミも大きく報道したが、医療現場には影響があったのだろうか。

 これらの報道の影響で「患者の医療不信が高まったか」について、501人のアンケート回答者全員に尋ねたところ、71.7 %は「いいえ」と回答。「はい」と答えたのは28.9%と少数派だった。勤務医・開業医別に見ると、勤務医の方が6.9ポイント「はい」と答えた割合が高く、大規模な病院に勤める医師がより影響を感じていることが分かった。

 高まったと感じている医師に、なぜそのように感じるのかについて具体的なエピソードを聞いた。

 エピソードの中で、特に多かったのは『腹腔鏡手術』に関するもの。ニュースで耳にする機会も圧倒的に増え、患者が敏感になるケースが多いようだ。

・明らかに腹腔鏡下手術適応の早期胃がん患者さんを大学病院に紹介したが、「開腹手術しました」という返事が戻ってきた。
・腹腔鏡手術のたびに説明が要る。
・腹腔鏡手術の説明の時に上記(群馬大の事故など)のエピソードを引き合いに出す患者、および患者家族が増えた。
・腹腔鏡下胆嚢摘出術の説明でも、腹腔鏡でして大丈夫なんですかと聞かれた。
・胆嚢摘出術を提案したところ、腹腔鏡手術を拒否。
・腹腔鏡手術というだけで、大丈夫ですか言われる。
・腹腔鏡手術の適応となる症例に手術を勧めても、患者家族が躊躇していることがある。
・胃癌治療の方針で、腹腔鏡希望が減少し開腹手術希望が増加した。
・腹腔鏡手術を提案したが開腹手術を希望された。

さらに、手術全体についても不安視する患者も多いようだ。

・手術説明の際に、術者の経験や術式の妥当性を詳しく聞いてくるようになった。
・手術に不信感を持っている。
・手術症例数などを必要以上に聞いてくる。
・その手術は大丈夫なのですか?としつこく聞かれる。
・手術に問題がなくても、疑問を持たれるようになった。
・執刀件数を細かく聞かれるようになった。
・手術の成功確率を気にする患者やセカンドオピニオン求める患者が増えた。
・偶発的に生じた事態でも、理由を説明しても、信じてもらえない。

大学病院や病院全体への不信感をあらわにする患者もいる。

・信頼できる病院はどこですか?紹介状を作成するときに、しつこく聞かれて、後日やはり違うところがいいといって、書き直しさせられることがある。
・地元基幹病院の外科を紹介しようとしたところ、派遣元の大学名を尋ねられた。紹介先の地元基幹病院(産婦人科)の・診療方針に疑念を抱き意見を求められた(その際に群馬大学第二外科のことを具体的に挙げて不安、不信があると言われた)。
・大学では医療の実験台になるのではという、根拠のない懸念を持たれる。
・どこで手術したら安全か聞かれることが少しだけ多くなった。返答に困っている。
・先生は『専門の先生に診てもらいましょう・・っていうけど、最近は大学病院でも信用できないからねぇ』と言われました。
・この病院は大学病院よりもレベルが低いから、誤診や誤治療はたくさんあるでしょうね、と言われた。
・うちの病院も、まずいことをしているんじゃないのと言いがかりをつけられたりしています。
・全ての医療機関が不振を招く不祥事を起こしているのではという誤解。

診療行為全般や医師に対する不信感を煽る結果にもなっているようだ。

・各種検査の副作用を心配される。
・必要以上に説明を求められ、100%の安全を保障しろなどといわれるようになった。
・診療行為にいちいち説明を求める。
・医師の説明は信用できない。
・セカンドオピニオンを希望する患者さんが増えている。
・他院での診断や処置に対し不信を抱いたという理由での受診が増えた。
・検査結果に納得しない患者が増えた。
・具合が悪いとすぐ投薬のせいにする患者さんが増えました。良くなって当たり前、経過が悪いとすぐ投薬、処置など医療側の責任にする傾向にあるようです。

患者や周りから報道された事案に関して話をされることも多いようだ。

・患者さんから話題にされる。
・患者から直接ではないが、地域の方々の話題にのぼることがある。
・親戚からいろいろ聞かれる。
・詳細が分からないのに、金儲け主義だと批判する。
・知識のない患者が面白おかしく言っている。

 患者の知識不足を指摘する声が多い中で、患者のリテラシーを尊重すべきとの意見もあった。

・患者さんは意外と冷静に病院の限界を見極めていて、「この治療法はこの病院では無理」と判断している場合も多い。患者さんにとって一番迷惑なのは、「あまり自信はないが、大学病院のメンツもあるからやってみよう」という理由で手術などに踏み切られる場合であり、自分が所謂“モルモットにされた”という感情を抱きやすいのではないか。その方法で実績を挙げている他施設があるのなら、ためらわずにそちらを紹介する方が良いと思う。

 個別のエピソードというよりも、全体的な印象として「医療不信」を感じている現場の声も多かった。さらに、自分が患者だったらやはり医療不信になる、と理解を示すコメントもあった。

・具体的なエピソードはありませんが、信じたいという気持ちを減弱させているのは確かだと思う。
・特にエピソードはないが、医師に対しての信頼感が薄くなったと感じる。
・白い巨塔のイメージが再燃されることを感じます。
・患者さんの言動から医療不信が認められる。
・通常の医療行為に対しても異常な不信感など猜疑心を強く持つような態度の患者が増えたこと。
・もともと信頼性の薄いこの分野、当然ながら患者サイドがうがった見方をしているのは肌で感じます。
・患者からの具体的なエピソードはないが、自分自身が患者であればやはり大きな医療不信を感じる。
・実体験としてはないが、あれだけ叩かれれば当然一般人は悪い面だけを鵜呑みにするだろうと思う。

 エピソードの他にも、報道された事案に関して「組織や医師の問題だ」とする声や、マスコミの責任を訴える声も複数あった。

・メディアが一方的に悪いと決め報道している。
・TVの影響力、恐るべし。
・マスコミが十分理解もせず、勝手な報道するのはどうかと思う。実際に神戸国際医療センターにおける肝移植の死亡についても報道があまりにも不十分で、医療不信につながっていると思う。
・病院側が一方的に悪いと決めつけて、単に出版数を伸ばしたいだけの悪意のある報道がほとんど。


  1. 2015/06/17(水) 06:10:48|
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