Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月10日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45912.html
県立・市立病院で連携や再編の可能性探る- 兵庫県と西宮市で課題共有
2015年06月10日 17時01分 キャリアブレイン

 兵庫県と西宮市は10日、県立西宮病院と西宮市立中央病院の現状と課題を共有するため、昨年11月から実施してきた意見交換会の内容を取りまとめて公表した。県立病院との統合を考える西宮市の求めに応じて開催された意見交換会だったが、当面は統合を前提とはせず、「兵庫県と西宮市との間で共有化した課題の解決に向け、両病院の役割分担・連携の推進、再編など、さまざまな取り組みの可能性を検討していく」としている。【坂本朝子】

 意見交換会は4回にわたり開催され、西宮市では75歳以上の後期高齢者の数が全国的に高止まりするといわれる2030年以降も増加し、35年の入院医療の需要が13年と比べ33.6%増加する見込みであることなど、市が抱える医療課題が確認された。

 また、両院の課題が洗い出され、県立病院では救命救急センターの指定を受けているが心臓血管外科が未設置であることや、呼吸器内科や神経内科などの体制を充実させる必要性が指摘された。

 一方、市立病院は、医師不足により、脳神経外科など一部の診療科での入院対応ができておらず、産科の休止などで64床が稼働できていないことなどが課題とされた。さらに、13年度実績で純損益が4億8600万円の赤字だったことから、病床利用率(13年度67.6%)の改善や給与費比率(同73.2%)の抑制などの黒字化に向けた取り組みが必要だとした。

 設備的な問題としては、県立病院がおおむね20年程度は使用可能であるのに対し、市立病院は築40年経過した施設で、老朽化への対応や耐震化が「喫緊かつ最大の課題」とした。

 県では、「今後、各病院で課題解決に向けて考えていく中で、必要に応じて連携を図っていく」としている。

 兵庫県内では、2月に県立柏原病院と柏原赤十字病院が統合へ向けた基本計画を策定し、3月に県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院が統合へ向けた協議に入ると発表。さらに、7月には県立尼崎病院と県立塚口病院の移転・統合に伴って新設される「県立尼崎総合医療センター」が開院予定であるなど、県立病院の再編へ向けた動きが活発化している。



http://www.m3.com/news/iryoishin/329006
規定違反判明で医師ら8人辞任、厚労省部会などの委員
厚労省「説明不足」、意図的なケース確認されず

2015年6月10日(水)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省は6月5日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会に関連する委員のうち、医師を含む8人について、薬事に関連する企業から定期的な報酬を得る立場にあり、参加規程に違反していることから、辞任する旨を発表した(厚労省のホームページを参照)。同省医薬食品局総務課は、「就任を依頼する際に、説明が不足していたのが原因。委員に落ち度はない」と説明している。また、製薬企業から医師への謝礼について報道した朝日新聞社の指摘などを受け、厚労省で委員が受け取る寄付金・契約金等を調査した結果、医師を含む24人の委員に、申告金額の誤りがあったことも判明した。いずれも、委員が意図的に役職就任や受領を隠していたケースはなかったという。

 同審議会分科会には、17の部会と18の調査会があり、合計約330人の委員がいる。規程では、薬事に関する企業の役員、職員を務めていたり、定期的に報酬を得る顧問等に就任している場合、関連する部会・調査会の委員には就任できない。今年1月の委員改選に当たって、ある委員から規程の抵触可能性について自己申告があり、調査した結果8人が該当することが判明した。

 医薬食品局総務課は、原因について、就任を依頼する際の説明が不足していたとの認識を示し、辞任する8人の委員について「規程の認識がなかった」と説明し、委員の側に落ち度はないとの認識を示している。

 同時に、24人について、寄付金・契約金等の申告の誤りも判明した。うち8人が「なし」あるいは「50万円以下」と申告していたが、実際は「50万円超から500万円以下」だった。残り16人は「なし」としていたが、「50万円以下」の受領があったという。

 寄付金・契約金等の問題は今年4月、医師への謝礼について調査していた朝日新聞社からの指摘などで判明。厚労省が、製薬会社などの関連会社に事実関係を確認して、判明した。金額の齟齬は、年度をまたいで寄付金・契約金等を受け取った場合の考え方の違いや、「過去3年分の最高額」を申告するという規程を理解していなかったことなどにより発生したという。

 厚労省は今後、今回のケースの具体例を示しながら説明するほか、委員選任の際の関連会社への問い合わせ、規程の周知徹底によって再発防止したい考え。



http://biz-journal.jp/2015/06/post_10299.html
連載  上昌広「絶望の医療 希望の医療」
神戸肝移植死亡事故、つくられた冤罪?他病院で断られた難しい患者受け入れか におう利権

文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授
Business Journal  2015.06.11

 神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)で生体肝移植の手術を受けた患者9人中、5人が死亡していたことが世間の注目を集めている。きっかけは、4月14日のメディア報道だ。KIFMECの依頼を受けた日本肝移植研究会が調査を行っていることが明らかとなった。「1カ月以内で5人死亡」などのセンセーショナルなタイトルが並び、最初からKIFMECに問題があるという主旨の報道が多かった。
 4月25日には、日本肝移植研究会の報告書の内容が明らかとなった。同研究会は、院内体制が不十分で、病院としての総合力が標準からするとかなり不足しているため、移植を中止し、組織を抜本的に改革する必要があると結論付けた。さらに5月22日には、日本移植学会と共同で「生体肝移植実施施設体制に関する緊急注意喚起」を発表し、「生体肝移植の実施体制及び施設体制に関する基準」を提言した。
 筆者は、この話を聞いて暗澹たる気持ちとなった。それは、この報告書の内容が死亡の真相とは程遠いように感じたからだ。メディアと学会が結託して、「冤罪の医療事故」をつくり出してしまった可能性すらある。このような感想は、筆者だけが抱いたわけではない。知人の全国紙医療専門記者は「最初から結論ありきの、内輪揉めに見える」という。
 果たして、この件は何が問題だったのだろうか。日本肝移植研究会が指摘するように、常勤のICU専門医、感染症専門医、病理医がいないなどの体制の不備が問題だったのだろうか。
 おそらく、そうではない。このような分野の専門医がいたら、ハイレベルの医療は提供できただろうが、患者を救命できたとは限らない。問題があるとすれば、むしろ主治医の技量と患者選択だろう。ここを掘り下げない報告書は意味がない。
 だが、医師の技量と患者選択の是非を評価するのは難しい。それは、客観的な基準がなく、評価者の主観に依存するところが大きいからだ。果たして、主治医はどの程度の技量があったのかという点こそ、専門家が責任を持って判断しなければならないが、肝移植研究会は責任を回避した。前出の記者は「研究会の幹部は陰では悪口を言うが、報告書や会見では技量について触れない」という。
 KIFMECのホームページには、スタッフの経歴が紹介されている。田中紘一理事長をはじめ、京都大学で肝移植に従事した医師が名を連ねている。生体肝移植の経験は豊富であり、彼らの技量が劣っていたとは考えにくい(http://www.kifmec.com/03_kifmec_ishi_1.html)。

 これでは、大学教授が仲間うちで群れて、安全なところから石を投げているようなものだ。卑怯であり、社会から信頼されない。「肝移植ムラの足の引っ張り合い」(前出の記者)といわれても仕方ない。

患者・家族から感謝されていた可能性も

 医師の技量の評価以上に、患者選択の是非を第三者が判断するのはもっと難しい。日本肝移植研究会は、健常人から肝臓を切除することの倫理的問題を重視している。筆者も同感だが、家族は自らの肝臓を提供し、患者はリスクの高い手術を受ける権利がある。患者に十分な情報が提供され、医師と患者でよく話し合って合意したのであれば、第三者が倫理を振りかざして、口を挟む問題ではないという見方も可能だ。
 さらに、6月5日に5例目の死亡例が出たとき、日本移植学会の高原史郎理事長は記者会見を開き、「目の前の患者が放っておけば亡くなるという場合、医療行為をすることはある。しかしガイドラインがあり、絶対やってはいけない部分がある」「このままでは日本の移植医療の信頼が失われる」と述べた。
 果たして、本当にそうなのだろうか。実際に患者を診察していない高原理事長が、何を根拠に「絶対やってはいけない」と言うのだろうか。彼は「ガイドライン」を持ち出しているが、そんなものは根拠にならない。医療現場では、ガイドラインはあくまで参考の一つにすぎない。また、いまや学会のガイドラインの信頼は地に落ちている。ノバルティスファーマや武田薬品工業の臨床研究不正を通じて、医学会のガイドラインがどのような経緯でできたか、国民は知ってしまった。
 医師にとって大切なのは患者だ。日本移植医療の評判ではない。私は、KIFMECの対応は至極真っ当だと考える。
 今回の件は、メディアが大々的に問題点を報じているにもかかわらず、遺族が不満を持っているという話は伝わってこない。患者・家族はしっかりと説明を受け、納得していたと考えるのが自然だろう。
 事実、5件目の死亡例の遺族は、代理人弁護士を通じ、「今回の結果は残念です。でも本人もKIFMECで移植を受けられたことで生きる希望を持てました。一切の悔いはありません」とコメントを述べている。KIFMECは厳しい症例や他の医療機関で移植を断られた症例を受け入れているため、患者・家族からは感謝されていた可能性が高い。

競争が阻害される懸念

 手術を受けるなら、誰もが経験豊富な評価の高い病院で受診したい。一流病院には大勢の患者が押し寄せるため、合併症のない状態の良い患者を選んで手術をすることが可能になる。
 筆者がかつて勤務した国立がんセンター(現国立がん研究センター)では、臨床研究や治験に登録できる状態の良い患者を優先的に受け入れる傾向があった。進行したがん患者は断るため、「国立がんセンターこそ、がん難民の原因」と非難されたくらいだ。このような患者を受け入れてくれたのは、周辺の病院、特に新しくがん治療を始めた病院だった。
 がん治療も肝移植も状況は変わらないだろう。新規に移植医療に参入する病院は、他院で断られたハイリスクの患者を対象にせざるを得ない。この現実を、肝移植研究会や日本移植学会はどう考えているのだろうか。
 そもそも、医療は人体実験だ。特に移植医療は、患者の死亡の上に発展してきたといっても過言ではない。我々は、自らの身を挺して医療を進歩させた患者、彼らを懸命に治療した先輩医師たちへの感謝の念を忘れてはならない。
 ところが、肝移植研究会の報告書や日本移植学会の記者会見からは、このような先人への敬意を感じない。さしたるエビデンスもなく、遺族に対して「ご家族は犬死にだった」と言っているようなものだ。むしろ、大学教授たちの利権のにおいすらする。生体肝移植の施設基準を厳しくすれば、国立大学を中心とした既存の施設が有利になる。新規参入は難しくなり、競争が阻害される。そして、停滞する。最終的には患者のためにならない。
 今回の死亡事例は、果たして看過できないほどの問題を含んでいたのだろうか。もし、問題ならば、その本当の原因はなんだったのだろうか。今こそ、虚心坦懐に議論しなければならない。
(文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授)



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201506/0008111091.shtml
生体肝移植で死亡「手術批判に傷ついた」男性家族が会見
2015/6/10 21:02 神戸新聞

 神戸市中央区の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)」で、生体肝移植を受けた患者が相次いで死亡した問題で、3~4日に手術を受け、5日亡くなった男性(63)=西宮市=の家族が10日、神戸市内で会見し「今後も患者や家族の立場に立った生体肝移植を継続してもらいたい」と訴えた。

 問題を受け、KIFMECは男性の手術を延期していたが、本人や家族の強い希望で、神戸市の立ち入り検査前に手術を実施。男性は術後約20時間後に亡くなった。

 会見には、男性の弟(59)、長男(38)らが出席。男性に肝臓の一部を提供した妻(64)の文章を代読し、「検査がいつ行われるのか分からない中でそれを待つことは考えられなかった」と手術前の状況を説明した。

 地元医師会や日本移植学会が検査前の手術を批判した発言に「私たち家族を傷つける言葉。配慮してもらいたかった」とも話した。

 亡くなった男性が手術で生きる希望を見いだしていたことも紹介。移植に関わる医師に向け「患者を選別することなく、多くの命の危機にある方々に移植医療の恩恵を施してほしい」と求めた。(藤森恵一郎)



http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015061000774
患者遺族「病院に感謝」=生体肝移植の続行要望-神戸
(2015/06/10-18:38)時事通信

 神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市)で生体肝移植を受け、死亡した兵庫県西宮市の男性(63)の弟(59)らが10日、神戸市内で記者会見した。弟は「兄は希望を持てた。亡くなった後も病院に感謝している」と話した。
 肝臓の一部を提供し、現在も入院している男性の妻(64)もコメントを寄せ、日本移植学会などが懸念を表明したことについて「発言に傷ついている。患者を選別することが、ドナー(臓器提供者)が見つかったのに移植を受けられない悔しさの中で亡くなっていく多くの患者を生み出している」と批判。生体肝移植の継続を求めた。
 肝臓がんなどを患っていた男性は4月に手術を受ける予定だったが、同センターで生体肝移植を受けた8人中4人が術後1カ月以内に死亡した問題を受け延期。今月3~4日に手術を受け、5日に死亡した。 



http://mainichi.jp/select/news/20150611k0000m040047000c.html
生体肝移植:学会など2団体「神戸国際」に手術自粛要望
毎日新聞 2015年06月10日 20時04分

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、日本移植学会と日本肝移植研究会が合同で、センターに移植手術の自粛を求める要望書をまとめたことが10日、分かった。

 移植学会の高原史郎理事長によると、要望書では、移植をする医療体制が整うまで手術を自粛し、体制が整ったかどうかは第三者の検証を受けるよう求めた。さらに、センターが実施した生体肝移植9例についても第三者が検証するよう要望した。

 センターでは、昨年12月〜今年4月に生体肝移植を受けた患者8人中4人が死亡し、移植を一時中止したが、今月3日に再開し、同5日に男性患者(63)が死亡した。移植学会と肝移植研究会は6日に記者会見を開き、「このままでは移植医療の信頼が失われる」と懸念を表明していた。【根本毅】



http://www.m3.com/news/iryoishin/329392
7対1入院基本料の削減、「到底及ばず」と支払側
次期改定に向け早くも攻防、診療側は要件見直しに慎重

2015年6月10日(水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)で6月10日、2016年度診療報酬改定に向けて入院医療の在り方について議論、特に議論になったのは7対1入院基本料の取り扱いだ(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。入院医療の議論は、3月4日に続き、2回目(『7対1入院基本料、改定で4%弱の削減』を参照)。

 支払側からは、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏が「我々が考えていた数字(減少数)には到底及ばないと言わざるを得ない。次回の改定に当たっては、7対1入院基本料の算定要件、施設基準などについて全般的な見直しを行うべき。方向としては厳しい目で改定すべきと思っている」と指摘した。これに対し、診療側からは、日本医師会副会長の中川俊男氏が「前回(2014年度)改定で、重症度などの見直しを行った。結果として、減少数が予想より少ないというが、病床数の減少が少ないという理由で、あるべき姿として決めた要件を厳しくするのは、議論の筋からして違うのではないか」と反論。次回改定に向けて、7対1入院基本料の扱いをめぐり、厳しい攻防が予想される展開となった。

 2014年度改定では、7対1入院基本料の算定要件が厳格化され、「重症度、医療・看護必要度」基準の見直し、在宅復帰率の導入、特定除外制度の廃止などが行われた。7対1入院基本料の算定病床を減らし、「ワイングラス型」の病床体系を是正するのが狙い。

 7対1入院基本料は、2014年3月の約38万床だったが、約1.4万床減り、2014年10月には約36.6万床。その後、約2000床減少し、2015年4月には36.4万床となっている。

 白川氏は、前回改定について「社会状況の変化や人口構成の変化を考えた場合に、今の病床配分ではよくないが、医療機関の経営に多大な影響が及ばないよう、ソフトランディングを目指すべきとした」と述べた上で、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率のほか、平均在院日数なども含めて、全般的な算定要件の見直す必要性を強調。医療機関への影響は考慮する必要があるものの、病床機能変更の際に活用できる地域医療介護総合確保基金が創設されたことから、「2年前と若干、状況が変わってきた」と指摘し、2016年度改定では厳しい姿勢で臨む意向を示した。

 これに対し、中川氏は、「7対1入院基本料の病床が多いため、亜急性期、慢性期にシフトすべきと言うが、その根拠は何か」「単純に減少しないため、要件を厳しくするという議論はしたくない」と、削減ありきの議論にくぎを刺した。白川氏はこの発言に対し、「単純に減らないから、要件を厳しくすると言う発言をしたつもりはない。社会状況、人口構成などから、回復期、慢性期にシフトしていく必要がある。その際に診療報酬上でできるのは、要件の見直し以外にない」「当然、保険者や患者の負担も考える必要がある。慢性期の患者に対しては、それに応じた値付けを行わないと困る」などと反論した。

 7対1入院基本料については、日医常任理事の鈴木邦彦氏も発言。大病院の中には、7対1入院基本料と、地域包括ケア病棟入院料や回復期リハビリテーション病棟入院料などとのケアミックスにしているケースもあることから、「医療機関間の連携を進める動きと逆行する。急性期の大病院は、高度急性期と急性期に特化すべき」と述べ、大病院の「院内の機能分化」を制限するよう求めた。

 厚労省の調べでは、2015年4月時点で、7対1入院基本料を算定する500床以上の約120の病院の中には、「地域包括ケア病棟入院料」(3%)、「回復期リハビリテーション病棟入院料」(7%)などを届け出ているケースがある。

 重症者、特定機能病院では少ない?

 同日の中医協総会に先立ち開催された、中医協基本問題小委員会では、入院医療等調査・評価分科会が実施した、「2014年度入院医療等の調査」の速報が説明された(資料は、厚労省のホームページに掲載)。7対1と10対1の入院基本料の調査は、1800施設を対象に実施、596施設(回収率33.1%)から回答を得た。

 議論になった一つが、「重症度、医療・看護必要度」の「重症」の該当患者割合。2014年度改定では、それ以前の「重症度、看護必要度」から指標を見直し、「該当患者15%以上」を7対1入院基本料の要件とした。調査では該当患者は、7対1一般病棟入院基本料では約17~18%、7対1特定機能病院入院基本料では約16%で、「改定の前後で、大きな変化はなかった」としている。

 白川氏は、該当患者以外の患者が多数を占めることから、その患者像を把握できるデータを要求。中川氏はその意図を質したところ、「今は15%が基準になっている。それ以外にどんな患者が入っているのかが、全くイメージがないからだ。病院がいろいろな機能を持つことは理解できるが、実態として分からないため、データを求めた」と白川氏は回答。これに対し、中川氏は、多様な患者を受け入れている実態を踏まえ、「7対1入院基本料の病棟では、全ての入院患者が7対1に見合った患者である」という認識にならないよう、けん制した。

 鈴木氏は、特定機能病院の方が、一般病棟の医療機関よりも、該当患者の割合が低い点を指摘し、「一般的に考えると逆ではないか」と質問。厚労省は「さらなる検討が必要」との回答にとどまったが、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は、「重症度、医療・看護必要度」の指標自体も見直しの余地があるとした。重症に該当しなくても、手のかかる患者はいるとし、「重症度を測る指標として何が妥当か、急性期の状態像をあぶり出せる指標を考えてもらいたい」と述べた。

 7対1の在宅復帰率、平均92%

 7対1入院基本料に関する調査では、2014年度改定で新設された要件である在宅復帰率や、特定除外制度の廃止の影響なども議論になった。

 在宅復帰率は、平均92%と高く、ほとんどの医療機関が要件の75%を超えている。最も多いのは「自宅」への退院で、76%を占めた。在宅復帰率には、居宅系介護施設への退院のほか、療養病棟などへの転棟も含まれる。鈴木氏は、「有床診療所への転院も、在宅復帰に含めてほしい」との要望があると紹介し、在宅復帰率の計算方法は今後の検討課題であるとした。

 特定除外制度は廃止され、90日を超えて入院する患者については、(1)出来高制で算定、かつ平均在院日数の計算に入れる、(2)療養病棟と同様の報酬体系に変更、かつ平均在院日数の計算に入れない――のいずれかを選択することになった。調査では、7対1入院基本料の場合は、全て(1)を選択していた。白川氏はこの点について、「平均在院日数に組み込んでも、影響は少ないため、出来高制で算定しているように見える」と指摘。(1)を選択した場合の平均在院日数への影響などについてのデータを求めた。7対1入院基本料の要件は18日以内だが、「2014年度入院医療等の調査」では、届出医療機関の平均在院日数は12.8日、最頻値は14日だった。

 中川氏は、白川氏の発言について、「平均在院日数に余裕があるような発言に聞こえた。もちろん余裕がある医療機関も見られるが、多くの医療機関は特定除外制度の廃止で大変、苦労している」と述べ、さらなる要件の見直しをけん制した。

 「総合入院体制加算1」、全国で4施設のみ

 2014年度改定では、入院医療の機能分化の一環として、新設されたのが「総合入院体制加算」。総合的かつ専門的な急性期医療を24時間提供できる体制を評価した点数だ。「1」と「2」があるが、厚労省の調べでは、2015年5月時点で、基準が高い「1」は全国で4施設にとどまる。「2」は、311施設。

 「2014年度入院医療等の調査」では、「1」の届出意向があっても、できない理由を聞いている。最も多かったのは、「精神病棟入院基本料等の届出および精神疾患患者の受入」で、次が「化学療法の件数が年4000件以上」だった。鈴木氏は、「化学療法4000件という要件が実態とかけ離れていることが分かった」と述べ、要件緩和を求めた。一方、「2」では、要件のうち、化学療法など6項目については、努力目標となっているため、「この点は、少し厳しくしてもらいたい」とした。

 万代氏も、鈴木氏の意見を支持。「身体合併症を有する精神疾患患者をどこで診るかは重要な課題。精神病棟を設置しなければ、加算1が取れないのは厳しいという意見がある。病棟の有無ではなく、その機能を発揮できるという点を評価すべきではないか」と提案した。

 地域包括ケア病棟、「急性期からの受入」が大半

 2014年度改定で、入院医療の機能分化の観点から新設された「地域包括ケア病棟」の算定動向も注目点だ。2014年10月時点で、地域包括ケア病棟入院料等の届出をしたのは、約1170施設、合計で約3万1700床。

 「2014年度入院医療等の調査」によると、7対1、10対1入院基本料、亜急性期入院医療管理料からの転換が、9割以上を占める。200床未満での中小病院での届出が過半数を占めるが、200床以上での届出も一定数ある。入棟前の状況は、「自院の急性期病床」「他院の急性期病床」が計77%と高率。「自宅」は12%。

 鈴木氏は、「地域包括ケア病棟は、在宅を支援する中小病院ための点数。200床未満での届出が多く、それを裏付けている。しかし、大病院での届出もあり、病床稼働率を維持するために転換したことが考えられるので、精査してもらいたい」と述べ、あくまで「院内の機能分化」ではなく、医療機関間の機能分化を進めるべきとした。

 また地域包括ケア病棟は、(1)急性期からの受入、(2)在宅・生活復帰支援、(3)在宅療養等での緊急時の受入――の3つを主な役割として想定している。このうち現状では、(1)が大半を占める。万代氏は、これら3つの機能を果たすために、要件が妥当だったのかを検討する必要があるとし、特に高齢患者の急性期医療を担うのであれば、手術や高額な薬剤料などは、包括点数から除外することなどが必要だとした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45917.html
【中医協】地域包括ケア病棟が1千施設突破- 厚労省が報告
2015年06月10日 20時28分 キャリアブレイン

 厚生労働省は10日、2014年度の診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟」について、今年4月時点の届け出施設数が約1170施設に上り、届け出病床数は3万1700床に達したことを明らかにした。昨年10月時点に比べ、施設数は約250施設増え、初めて1000施設を突破した。同日の中央社会保険医療協議会の総会で報告した(【中医協】ケア病棟の受け入れ患者を多様に)。【敦賀陽平】

 地域包括ケア病棟は、▽急性期後の患者の受け入れ▽在宅患者の緊急時の対応▽自宅などへの退院支援―の主に3つの機能を担うもの。14年度改定以前は、「亜急性期病棟」が急性期後の患者を受け入れていたが、同病棟の診療報酬は昨年9月末で廃止となった。

 同省によると、地域包括ケア病棟の届け出病床数は昨年10月に比べ、全体で7100床増加。届け出病床を診療報酬の項目別で見ると、「地域包括ケア病棟入院料1」が2万300床で最も多く、以下は「地域包括ケア入院医療管理料1」(9300床)、「地域包括ケア病棟入院料2」(1400床)、「地域包括ケア入院医療管理料2」(800床)の順だった。

 14年度改定では、一般病棟7対1入院基本料の算定要件が厳格化されたことから、地域包括ケア病棟は、7対1病床を届け出ることができなくなった医療機関や亜急性期病棟の“受け皿”としても注目された。実際、地域包括ケア病棟の届け出病床では、7対1病床と亜急性期病床から転換した病床が大半を占めた。

 このほか同省の調査では、一般病棟7対1入院基本料の届け出病床数が今年4月時点で36万3900床(約1530施設)に達し、14年度改定前の昨年3月に比べ、約1万6000床減少したことも分かった。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=119711
抗不安薬や睡眠薬で急性薬物中毒、4割が過剰処方
(2015年6月10日 読売新聞)

 抗不安薬や睡眠薬を過剰服用して意識障害などが表れる急性薬物中毒を起こした患者の約4割が、添付文書で定められた規定量を超える処方をされていたとする調査結果を、医療経済研究機構(東京)がまとめた。

 同機構の研究グループは「処方のあり方を見直す必要がある」としている。

 研究グループは、健康保険組合の加入者172万人分の診療報酬明細書のデータを分析。2012年10月~13年11月の間に、自殺などを目的に多量の抗不安薬や睡眠薬を服用し、急性薬物中毒を起こした210人について、その3か月前までさかのぼって薬の処方状況を調べた。対象者は、うつ病や統合失調症など、精神疾患の患者が多数を占めた。

 添付文書で定められた規定量を超えて処方されていたのは82人で、39%に上った。処方した医師は、精神科医が89%を占めた。

 研究グループのメンバーで国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦部長は「患者の求めに応じて医師が安易に処方してしまう傾向がみられる。治療薬が多く患者の手元にあると、乱用につながる恐れがあり命にかかわる。こうしたリスクを考慮し、処方日数や量、種類は慎重に決めるべきだ」と指摘している。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/174588
高齢者地方移住 数合わせでは無理がある
2015年06月10日 10時34分 西日本新聞 社説

 東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県)は急速な高齢化で医療や介護施設が不足するため、余力のある地方へ高齢者の移住を促す-。有識者でつくる日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が、こんな提言を出した。
 東京圏の介護問題や地方の人口減少の深刻さは分かる。だが、提言は高齢者対策を単なる地域間の数合わせでしのぐような印象を拭えない。
 提言によると、東京圏は今後10年間で75歳以上の高齢者が推計175万人増える。不足する医療・介護の施設や人材を高齢者が奪い合う事態になるという。対応策として地方移住を打ち出し、候補地に北九州市や長崎市、大分県別府市など全国41地域を示した。
 東京圏の「介護危機」への警鐘としては意義があろう。元気なうちに移住を望むのであれば、後押しする政策はあっていい。経済効果などで期待する地方もある。
 だが、高齢者が長年の生活環境から離れるのは簡単ではない。地方暮らしになじめるか個人差もある。受け入れる地方では医療費など財政負担が増加しかねない。医療や介護の担い手は地方でも不足が指摘され、41地域に本当に余力があるのか疑問も禁じ得ない。
 政府は高齢者が住み慣れた地域で暮らし続ける「地域包括ケア」を基本に、在宅医療や在宅介護を提唱してきた。提言はこうした理念とどう整合性を図るのか。
 戦後、東京圏は地方から大量の若者を吸収して発展した。その若者層の高齢化問題はまず東京圏の努力と責任で対応すべきだろう。
 地方の優先課題は若者層の呼び込みだ。高齢者に偏る移住を地域活性化につなげるには、より工夫が要る。高齢者向けの雇用確保、地域医療機関の維持など周到な環境整備が欠かせない。過去の移住の成功事例や失敗事例を検証して生かすことも重要である。
 高齢化や人口減少は暮らしの基盤に関わる。大切なのは東京圏だけの都合ではない。地方の実情や国全体としての方向性なども踏まえて、丁寧な議論をすべきだ。

=2015/06/10付 西日本新聞朝刊=



http://www.news-kushiro.jp/news/20150610/201506104.html
医療教育で連携/札幌医大と釧路市
2015年06月10日 釧路新聞

  釧路市は9日、札幌医科大学(島本和明学長)と地域医療教育など3項目で連携協定を結んだ。同大学は道内の自治体と同様の協定を結んでおり、釧路市は9カ所目。市立釧路総合病院を釧路・根室地域の教育病院と位置付け、同大学からの学生の受け入れ体制を充実させる。また、同大学から専門医を招き、最新の医療の話題を紹介するメディカル・カフェなどを実践する。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201506/0008108372.shtml
転院患者情報 病院間で共有 阪神・三田地域
2015/6/10 07:00 神戸新聞

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兵庫県内で進む地域医療連携システムの取り組み状況

 入退院や検査などで患者が転院する際、切れ目のない治療を提供しようと、阪神・三田地域8市町の病院や診療所が、患者情報を共有するシステムの本格運用を始めた。患者の同意を得て診療内容を共有し、病状に合った医療機関の紹介や無駄な二重投薬・重複検査の解消などにつなげる。将来的には介護現場との連携も模索する。兵庫県などによると、北播磨地域と淡路島で同様のネットワーク化が進むが、阪神・三田地域は参加医療機関数で最大規模となる。

 システムは阪神医療福祉情報ネットワーク「h-Anshinむこねっと」。各地の医師会や病院、自治体関係者らでつくる協議会が運営している。

 高度先進医療を担う基幹病院7カ所と中核病院6カ所は診察や検査などの情報を提供。患者が同意すれば、初期治療を行う診療所など(現在171カ所)が、転院前の病院が持つ情報をネットを通じて閲覧できる仕組み。

 かかりつけ医が過去の受診歴を確認したり、基幹・中核病院を紹介した後も治療経過を把握したりできる。患者からは「かかりつけ医が経過を知ってくれているから安心」との声が出ているという。

 退院などで基幹・中核病院が地域の診療所を逆照会する際も、検査や投薬情報などの記録が閲覧できるため、切れ目のない治療が可能になる。2014年度の実績では、患者延べ約1200人が活用したという。

 病院・診療所の診療科目や機能情報も共有する。現在は、阪神・三田地域に約1500カ所あるとされる医療機関のうち約4割が登録。患者のマッチングや救急病院の満床状態解消に役立てる。

 一方、病院で治療を受けた高齢者が自宅で暮らすため、医療と福祉の一体的なサービスへ、協議会は介護現場と情報を共有する仕組みも検討する。

 協議会は「セキュリティー対策を万全にして、さらに参加病院を増やし、患者にも浸透を図りたい」とする。(井関 徹)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45916.html
【中医協】次回にも患者申出療養の議論開始
2015年06月10日 20時31分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)は次回以降の総会で、患者申出療養の具体的な運用に関する議論をスタートさせる。10日に開催された総会で厚生労働省保険局の宮嵜雅則医療課長が、患者申出療養の創設を含んだ医療保険制度改革関連法が先月公布されたと報告。「(来年4月の施行に向け)詳細について設計していかないといけない」と述べ、委員に議論を促した。【佐藤貴彦】

 患者申出療養は、国内未承認の医薬品などを保険外併用療養として使用したいという患者の申し出を起点に、国などが迅速に審査する仕組み。通常、未承認の医薬品などの使用を伴う医療技術を「先進医療」として実施するのに、医療機関の申請からおおむね6-7か月を要するが、患者申出療養の実施の可否は申請から原則6週間で判断される。先進医療として実施されている技術について、合併症を有するといった理由で先進医療として受けることができない患者が、この仕組みで申し出ることもできる。

 こうした制度の枠組みは、医療保険制度改革関連法が成立する前に中医協で議論され、社会保障審議会医療保険部会の了承を得ている。ただ、インフォームド・コンセントの方法や、有害事象が起きた際の対応など、具体的な運用は決まっておらず、施行までに中医協で議論することになっていた。

 同日の総会では、中医協での議論の開始時期を委員が質問した。これに対し同省保険局医療課の佐々木健企画官は、来年4月に施行されるため、できる限り早く検討を始める必要があると指摘。「次回は間に合うかどうか(分からない状況)だが、順次相談したい」と述べた。

  1. 2015/06/11(木) 06:13:40|
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