Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月8日 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150608-OYT1T50109.html
臨床研修医の採用、過去最多に
2015年06月08日 22時26分 読売新聞

 厚生労働省は8日、2015年度に採用された臨床研修医は8244人で、医師の臨床研修が義務化された04年度以降、最も多くなったと発表した。

 これまで最多の前年度から452人増えており、08年度から始まった医学部入学定員増の効果が表れた。

 大都市圏の東京都や大阪府、神奈川県など6都府県の採用割合は、04年度以降で最も低い43・6%となった。研修医が大都市圏に集中するのを防ぐため、都道府県別の募集定員に上限を設けるなどしており、05年度の48・9%を最高に改善傾向にある。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45895.html
研修医数は過去最多も「大学離れ」止まらず- 大都市以外の割合は過去最高、厚労省
2015年06月08日 17時19分 キャリアブレイン

 厚生労働省は8日、今年度の臨床研修医の採用実績を公表した。それによると、2008年度から始まった医学部の入学定員増の影響もあり、採用数は8244人(前年度比452人増)で、新医師臨床研修制度の開始以降、過去最多を更新。採用数は臨床研修病院と大学病院で共に増えたが、大学病院の採用割合は41.7%(同0.1ポイント減)で過去最低を記録し、5年連続の減少となった。【敦賀陽平】

 医師不足を解消するため、文部科学省は08年度から医学部の入学定員を増やしており、今回採用された研修医の多くが医学部に入学した09年春は、前年度に比べて全都道府県で計693人の増員となった。

 今回、調査の対象となったのは1018施設。施設別の採用数は、臨床研修病院が4808人(同350人増)、大学病院が3436人(同102人増)で、医学生らが研修先を決める昨年秋のマッチング結果に比べ、臨床研修病院は81人増えたのに対し、大学病院は236人減少した。

 また、都道府県別では、大都市のある6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除く41道県の採用割合が56.4%(同0.8ポイント増)に上り、5年連続で過去最高を記録。対前年度比の増加率では、青森が34.8%増で最も高く、以下は群馬(32.1%増)、鹿児島(26.0%増)、長崎(25.3%増)、静岡(24.0%増)などの順だった。

 臨床研修制度は今年春に見直され、各都道府県の募集定員の上限が前年度受け入れ実績の9割を下回らないとする「激変緩和措置」は廃止となっている(大幅減の見通しとなった京都を除く)。



http://www.m3.com/news/iryoishin/328667
造影剤誤投与「過失は重大」、禁錮1年求刑
国立国際医療研究センター「ウログラフイン」事故、第3回公判

2015年6月8日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の造影剤の誤投与事故で、業務上過失致死罪に問われた整形外科医の第3回公判が6月8日、東京地裁裁(大野勝則裁判長)で開かれ、検察は禁錮1年を求刑した。本裁判は第3回公判で結審し、7月14日に判決が言い渡される予定。

 本事故は、2014年4月16日に、腰部脊柱管狭窄症の再発疑いの78 歳女性に対し、脊髄造影検査には禁忌のウログラフイン60%注射液を誤投与し、患者が同日に急性呼吸不全で死亡した事故(『造影剤の誤投与、病院の安全管理にも問題』などを参照)。

 検察は論告で、添付文書を確認して薬の誤投与を防止することは、「医師としての責務。基本的かつ重大な注意義務」と指摘。その上で、整形外科医が造影剤について不勉強であり、国立国際医療研究センター病院の医薬品情報管理室に問い合わせなかったことなどを問題視し、造影剤の誤投与がなければ患者の生命の安全が脅かされる可能性はほぼ皆無であったとし、「被告の過失は重い」とした。同病院の医薬品の安全管理体制が十分であったか否かなどについては、今回の事故では、医師としての基本的な注意義務を怠った事案であるため、重視すべきでないとした。さらに量刑判断に当たっては、遺族が厳罰を求めている点を重要視するよう求めた。

 これに対し、弁護側は、誤投与の事実は認めたものの、斟酌すべき点があり、寛大な判決を求めた。医師が使用する薬は多数に上るなど、添付文書を確認する難しさがあるほか、整形外科医は真摯に反省、謝罪し、事故後は医療を一切行っておらず、事故直後の国立国際医療研究センター病院による発表やマスコミ報道以降、インターネット上で非難を受けるなど、社会的制裁を受けたことなどを斟酌すべき点として挙げた。さらに医療安全の観点からも弁明し、個人の責任追及よりも、原因究明と再発防止のシステム構築が重要であるとされる現状を踏まえて、量刑を決定するよう求めた。

 公判の最後に、整形外科医が意見を述べる機会があり、患者本人と遺族への謝罪の言葉を何度も繰り返し、添付文書を確認しなかったことなどについての後悔の念を述べた。遺族が医師を続けないよう求めることも当然と思うとした一方、周囲の医師らの支えに感謝しているとし、事故のことを一生忘れることなく、また謝罪の気持ちを持ち続け、「少しでも社会に貢献できるように生きていきたいと思う」と、心境を涙ながらに語った。

 過去にも、ウログラフインの誤投与事故は、複数回起き、刑事事件になった例がある。1990年代に略式命令で終わっている事案では、罰金50万円だった。公判に至った場合には、例えば、1992年4月に山梨県立中央病院で起きた事故では、1994年6月の甲府地裁判決で、禁錮10カ月執行猶予2年の有罪判決だった。本件の場合も、過去の裁判例から見れば、有罪が予想されるため、焦点は量刑になる。検察は、あくまで整形外科医個人の責任を追及しているのに対し、弁護側は医療安全は個人ではなく組織上の問題と捉える流れがあると主張しており、量刑にどう影響するかが注目される。

 添付文書確認、「基本的かつ重大な注意義務」

 6月8日の第3回公判は、約30分で、検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論に続いて、整形外科医本人の意見陳述という流れで行われた。

 検察は、論告の最初に、「被告人の過失は重い」と言及したほか、「被害者の遺族が厳罰を求めていることは、量刑判断の際に重視すべき」と強調した。

 「過失が重い」としたのは、第一に、薬の使用に当たって、添付文書等で薬理作用を確認するのは、医師の責務であり、「基本的かつ重大な注意義務」であるという理由からだ。また整形外科医は5年目の医師であり、脊髄造影検査を過去に経験していたことから、使用すべき薬剤について正確な知識を持っているべきだが、その知識を欠いていたと主張。ただし、知識を欠いていた場合でも、国立国際医療研究センター病院の医薬品情報管理室に問い合わせることは容易だったが、それをしなかったとした。

 第2回公判で、弁護側は、病院の薬の安全管理体制にも問題があったとした。しかし、検察側は、「背景事情」にはなり得るが、前述の通り、「基本的かつ重大な注意義務」を怠っていたという理由から、病院の体制については、整形外科医の刑事責任を判断するに当たり、重視すべきでないと主張。

 さらに検察は、「医師の勉強不足、基本的な心構えの欠如により、高度な危険があるとは言えない検査において、生命を奪う恐れがあれば、医療者と患者の信頼関係は構築できない」と指摘。薬の正確な知識を持つことなどの重要性を医療者に再認識させ、今後、同様の事故を起こさないようにするためにも、厳罰が必要だとした。

 「量刑判断、斟酌を」と弁護側

 これに対し、弁護側は、検察の公訴事実は争わないとしたものの、斟酌すべき点があると主張した。その第一に挙げたのが、添付文書確認の問題。(1)添付文書には、製薬企業にとって防衛的な内容もあり、記載内容を基に、医師の責任を判断するのは問題がある場合もあり得る、(2)医師がよく使う薬は100を超え、それぞれの薬について多数の情報が記載されており、全てを把握するのは難しい――などの点を挙げ、確認を怠ったことについて、著しい注意義務違反があったと安易に判断すべきではないとした。

 そのほか、(1)脊髄造影検査に立ち会った2人の研修医も、警察の取り調べ時に、脊髄造影検査にウログラフインが禁忌であることを知らなかったと答えており、医学教育においてウログラフインの危険性に関する教育されていない、(2)現在の医療では情報量が膨大で、個人の努力で把握するのは限界、(3)事故後、整形外科医は反省、謝罪をしており、医療は一切行っていない、(4)国立国際医療研究センター病院による発表やマスコミ報道以降、インターネット上で非難を受け、社会的制裁を受けたほか、刑事処分後、行政処分を受け、それが公表されることで不利益を受ける、(5)同センター病院と整形外科医は、遺族と示談交渉を行っており、適正な損害賠償がなされる見通しである――などの点にも言及。

 さらに、弁護側は、横浜市立大学の「患者取り違え事件」や、東京都立広尾病院事件が起きた1999年頃以降における、医療界の医療安全への取り組みを説明。医療安全のためには、個人の責任追及ではなく、事故の原因究明と再発防止のシステム構築こそが重要であり、今年10月から始まる医療事故調査制度も、この考えに基づいているとした。第2回公判で、証言した国立国際医療研究センター病院の整形外科診療科長は、同院のマニュアルにウログラフインに関する注意事項が記載されていなかったなど、病院の医療安全体制は十分ではなかったと述べていることなどにも触れ、量刑判断において斟酌するよう求めた。

 公判の最後の整形外科医の意見陳述の骨子は、以下の通り。

 自分が犯した過ち、患者さんの命を奪い、ご遺族を苦しめていることを、考えない日は1日もありません。本当に申し訳ありません。検査の前に、指導医に造影剤を確認したり、造影剤の箱やアンプルを確認したり、使う薬について添付文書で確認する癖を付けていれば、などを後悔しています。

 (今回死亡した患者の後に、もう一人の患者の脊髄造影検査を予定していたため)何も気づかないまま、もう一人の患者の命も奪ってしまっていたかもしれません。今は、自分の判断で薬や点滴の処方、手術のほか、造影剤は使わなくても、患者に針を刺すこと自体怖いです。大切な家族を奪った私に、ご遺族が「医師を続けるな」と言うのは当然だと思います。

 ただ、多大な迷惑をかけている私を支えている家族、医局の教授、お世話になっている先生方、医師の仲間や先輩方がたくさんいます。今回のことを償い、支えてくれている方々の気持ちに応えるためにも、今取り組んでいる研究も含めて、少しでも社会に貢献できるよう生きていきたいと思います。

 今回のことを一生忘れることなく、患者遺族への謝罪、支えてくれた方々の感謝の気持ちを持ち続け、これらの方々を二度と裏切ることがないように、生きていきたいと思います。

 本当に、本当に申し訳ありませんでした。



http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-243965-storytopic-11.html
<社説>高齢者移住 抜本的対策こそ必要だ
2015年6月8日 6:01  琉球新報

 東京圏の75歳以上の高齢者が今後10年間で急増するとして、医療・介護の施設や人材に余裕のある宮古島市など地方へ移住を促す提言がまとまった。
 提言を発表したのは民間の日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)。菅義偉官房長官は東京一極集中の是正に向けた地方創生の柱として高齢者移住を推進する方針を示した。
 急速に高齢化が進む東京圏で、2040年には同圏内の多くで介護が崩壊しかねないという。確かに深刻な報告だ。
 しかし、「地方創生」と聞き心地のいい言葉を使いながら、東京圏の介護崩壊を地方に押し付けるような安易な施策では納得できない。求められるのは国全体の抜本的な高齢者対策だ。
 提言は、国立社会保障・人口問題研究所の推計で、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県)の75歳以上の人口は、25年時点で15年に比べ175万人多い572万人となり、増加数は全国の3分の1を占めると予想した。その上で医療・介護の施設や人材に余裕のある26道府県の41地域に移住を促すよう政府や自治体に求めている。
 政策研究大学院大名誉教授の松谷明彦氏(マクロ経済学)は、今回の提言を「数合わせで解消できる状況ではなく、現実を見据えた対策とは言えない」と批判している。なぜなら「高齢になるほど家族や友人のそばで暮らしたいと考える人も多く、地方へ動かせばよいというものではない」からだ。
 今回宮古島市が移住先として提案されたが、同じ指標によると那覇市と宜野湾市は介護ベッド準備レベルが少ない。本島北部地域の医師不足も指摘されて久しい。県全体でみると、決して医療・介護が充実しているわけではない。
 県全体で人口増が続いているが、離島や本島北部で人口が減少傾向にある。25年をピークに全県も減少に転じることが見込まれている。県も10年後を見据えて医療・介護を整備しなければならない。
 少子高齢化対策は避けて通れない重要政策だ。東京圏で施設が足りなくなるから、縁もゆかりもない地域に移住させるという発想は理解できない。制度設計の過程で高齢者や地方の意見は反映されているのか、高齢者増に伴う自治体負担はどうするのか。きめ細かな議論を積み重ねる必要がある。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0026736.html
「社説」高齢者移住提言 地方の負担増では困る
06/07 08:50 北海道新聞

 東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)で高齢者が急増し、医療介護施設が不足するため余力のある地方への移住を促す―。
 こんな提言を、民間有識者らでつくる日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が発表した。
 問題の深刻さはわかる。提言の視点が重要なのも理解できる。
 だが、高齢化の負担を地方に押しつけるような粗っぽい内容で、にわかには賛成しがたい。
 高齢者も地方も先行きに安心できるような対策が求められる。これを機に、政府は抜本的対策の議論を急ぐべきだ。
 提言によると、東京圏は今後10年間で、いわゆる団塊の世代が仲間入りすることで、75歳以上の高齢者が175万人増える。
 そのために医療サービスが追いつかなくなり、介護施設も不足し「高齢者が奪い合う事態になる」と指摘している。
 だからといって、地方を高齢者の受け皿にするというのは、あまりに短絡的だろう。
 すでに北海道をはじめ地方は急速な高齢化と人口減少に直面し、克服への道を探しあぐねている。
 医療や介護分野では、地方は東京圏以上に人材が不足している。施設も縮小傾向だ。地方に余力があるとの見方は納得しがたい。
 提言は高齢者の移住先としてふさわしい地域に、函館や室蘭など道内6地域を含む全国41地域を挙げた。だが、その選定基準には医療の質や在宅サービスの充実度などが考慮されていない。
 対象地域の中には移住者増への期待もあるが、医師や介護の担い手不足がさらに加速するといった不安の声も強い。当然だろう。
 必要なのは、東京目線ではなく、地方の実態をしっかりと把握した議論である。地方が態勢整備に苦心しているなら、政府は支援を惜しんではならない。
 地方の自立を後押しする施策を踏まえることも大事だ。
 同会議は以前、人口減少をめぐって「消滅可能性」という言葉を使った試算を発表し、議論を巻き起こした。政府が「地方創生」を重要課題とするきっかけとなった。
 衝撃を与えて、政策対応を促す手法は今回も同様と言える。
 ただ、その内容からは地域で頑張っている人たちへの配慮がなかなか感じられない。残念だ。
 人口減少や高齢化への対応策は暮らしの安心に直結する。それゆえに、高齢者や地方が抱えている思いをすくい取る丁寧な議論を欠いてはならない。



http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201506075912.html
高齢者の地方移住提言 安直な数合わせでない解決を
2015年06月07日(日) 愛媛新聞

 「東京の都合」を優先した、なかなかに刺激的な一つの「提案」が示された。
 今から10年後、団塊の世代が全員75歳以上となり、超高齢・多死社会が到来する。公的医療介護サービス不足は明らかで、「介護難民」は全国で43万人に及ぶ。この「2025年問題」の解決策として、民間団体「日本創成会議」が、余力があるとした松山、新居浜圏域など26道府県、41地域に東京圏の高齢者の移住を促すよう、政府や自治体に求める提言を発表した。
 大胆な提言は、関心を集めて対策の加速を促すためのショック療法、警鐘と受け止めるべきであろう。人口減や「2025年問題」自体は、東京だけの課題でも、今に始まった話でもない。しかし、政治の危機意識は鈍く、社会保障制度の再構築は遅れに遅れている。国民の側もそれぞれに、老後をどこで、どう支え合って過ごすか、真剣に考える契機としたい。
 よもや提言を真に受け、無責任に行政が移住を強いるようなことはあるまい。とはいえ、安直な発想の独り歩きや、対策の方向性の「ずれ」を危惧する。
 「解決」とは、やみくもに施設を増やすことや、東京一極集中是正の名の下、人を「数合わせの移住」に追い立てることでは決してない。急ぎ取り組むべきは、誰もが「住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせる」よう、施設に頼らない在宅医療・介護の拡充を図り、地域力を高めることであろう。
 厚生労働省は実際、医療介護費削減を主眼に「施設から在宅へ」の流れを打ち出し、「地域包括ケア」を目指して地域全体の医療体制を再編する構想を進めてもいる。東京圏だけが構想を放棄し、施設を求めて地方へ―とは身勝手な話で、国が描く将来像とも矛盾しよう。
 政府は提言を「地方創生」政策の追い風に、高齢者移住を加速する考えという。だが地方の側は、ただ人口を増やすことだけが地方創生ではないことを、あらためて肝に銘じたい。
 医療・介護の人材は、東京で足りないなら地方はもっと足りない。その育成と待遇改善は、長く叫ばれながら一向に進まない。昨年の合計特殊出生率は9年ぶりに低下したが、全国一低いのは東京。若い子育て世代への手厚い支援なくして、高齢者だけが住みやすい街などあり得ない。何より多くの人が老後の不安を抱え、「ついのすみか」を求めて漂流せざるを得ない社会は、到底幸せとは言えまい。
 地方からヒトやカネを吸い上げ、成長してきた東京は、巨大な地方。日本創成会議は、全国の自治体の約半数が消滅する可能性があるとの試算を昨年公表した。しかし、地方創生が奏功すれば皮肉にも東京全体が「消滅可能性都市」になる。移住を焦り、地縁血縁の薄い転入者同士の「ミニ東京」を目指すことが発展ではない。老いゆく国、日本の課題が凝縮する「東京の教訓」を忘れてはならない。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO87851370Z00C15A6EA1000/
高齢者の地方移住は実現性が高い政策か
2015/6/9付 日本経済新聞

 東京圏で今後急速に膨らむ高齢者の介護・医療の需要にどう応えるのか。民間有識者でつくる日本創成会議がこの問題に関する提言をまとめた。
 同会議の試算では、東京圏で暮らす75歳以上の高齢者は2025年までの10年間で175万人も増える。介護サービスへの需要も埼玉、千葉、神奈川で5割程度、東京でも4割近く増える。
 東京では現在でも、特別養護老人ホームへの入居を待っている高齢者が4万人を超すとみられる。今後、ますます介護施設などの不足が深刻になるだろう。
 同会議は対策として、地方への高齢者の移住を打ち出した。東京圏とは対照的に医療や介護の受け入れ体制が整っている41地域を候補地として挙げた。
 様々な調査をみると、地方への移住を検討したいという人は中高年齢層でもかなりいる。しかし、実際に移住できるかといえば、家族の理解や仕事の確保など問題を抱えているのが実情だ。
 政府や自治体がまずすべきことは高齢者が地域で暮らし続けられるようにすることだ。生活習慣の見直しを助言したりして健康寿命を延ばす。在宅のまま介護を受けられるように人材の確保に努める。地方への移住を促す前に取り組むべき課題はたくさんある。
 政府は地方創生策として、元気な時から地方に引っ越し、将来、介護や医療サービスも受ける「日本版CCRC」構想を進めている。同会議の提言はこの構想を後押しする狙いもあるのだろう。
 まち・ひと・しごと創生本部によると、この構想を地方版の総合戦略に盛り込む予定の自治体が75あるという。政府は自由度の高い交付金を使って支援する方針だ。
 人材誘致は地域を活性化するうえで必要だが、政府からお金をもらえるからというなら、やめた方がいい。本当に需要があるのかどうか、冷静に判断すべきだ。
 政府の支援を受けて土地を造成したり、施設を建設したりしたが、結局失敗した事例は数多くある。横並びはもっとも危うい。
 地方移住を希望する人を後押しすることは悪い話ではない。空き家を使って高齢者に試しに地方で暮らしてもらうなど、地道な取り組みこそが大事だ。
 政府も地方に施設整備を促す前に、移住の障害になっている背景には何があるのか、まずはそこから慎重に検討すべきだろう。



http://www.bang.co.jp/cont/news-ed-20150608/
「ダイレクト型(通販型)」自動車保険初の新サービス「予約制専門医相談サービス」開始 – イーデザイン損保
保険スクエアbang! 自動車保険 2015年6月8日

ガイド:山崎 信潔
 イーデザイン損害保険が2015年7月1日から、新サービス「予約制専門医相談サービス」を開始することを発表。更新契約者を対象として、一般内科・外科、小児科、産婦人科など、30以上の診療科で専門医による完全予約制の電話医療相談を展開する予定です。「ダイレクト型(通販型)」自動車保険としては初の付帯サービスとなります。
 自動車保険業界での契約者獲得競争が熾烈になる中、付帯サービスの充実度によって、他社との差別化を図る保険会社も増えてきています。今後の自動車保険選びでは、保険料や補償内容だけでなく、サービス内容・充実度もポイントになってきそうです。

 2015年7月1日から、イーデザイン損保が更新契約者に対して「予約制専門医相談サービス」を開始します。新サービスの概要を紹介するとともに、その背景にある業界トレンドに迫ってみましょう。

更新契約者を対象に完全予約制医療相談、30以上の診療科専門医が対応

 イーデザイン損保は2015年7月1日から、「ダイレクト型(通販型)」自動車保険としては初の新サービス「予約制専門医相談サービス」を開始することを発表しました。このサービスは一般内科・外科、小児科、産婦人科など、30以上の診療科の専門医に対して、完全予約制で医療相談ができるというもの。更新契約の加入者が対象となります。

 医療相談に対応するのは大学病院の教授、准教授や、臨床医師といった、各診療科のエキスパート。同社では以前から、全契約者に対して「メディカルコールサービス」という、医師・看護師による医療相談、医療機関案内サービスを提供してきましたが、「予約制専門医相談サービス」では、さらに専門性の高い、的確なアドバイスを期待できそうです。

 従来の「メディカルコールサービス」も、今回発表された「予約制専門医相談サービス」も、東京海上日動メディカルサービスを通じて提供されるものです。イーデザイン損保の特長のひとつである東京海上グループのネットワークを存分に活用したサービスと言えそうです。

■「予約制専門医相談サービス」が対応する診療科目
一般内科   一般外科    小児科    産婦人科   眼科
耳鼻咽喉科  皮膚科     歯科     心療内科   精神科
泌尿器科   消化器科    消化器外科  循環器内科  心臓外科
整形外科   脳神経外科   内分泌内科  呼吸器内科  呼吸器外科
乳腺外科   甲状腺科    血液内科   小児神経科  口腔外科
腫瘍内科   腫瘍放射線科  緩和ケア   漢方医療   医療ソーシャルワーカー
付帯サービスの拡充は、「ダイレクト型(通販型)」間の競争激化の証か

 「予約制専門医相談サービス」新設の背景には、「ダイレクト型(通販型)」自動車保険業界の競争が熾烈になってきていることが考えられそうです。

 近年、ダイレクト型自動車保険では、新規契約者の獲得に向け、各社とも特色を活かしたサービスの展開・拡充が目立っています。今回、イーデザイン損保が開始する「予約制専門医相談サービス」も、その一環として捉えることができるかもしれません。同社の大きな強みである、東京海上日動グループのノウハウやネットワークをさらに活用し、商品に対する魅力づけを図っているのです。

 また、新サービスの対象を更新契約者に絞っているのもポイント。契約者獲得競争が激化する中、既存契約の維持も経営課題のひとつとなってきています。既存契約者に対してプレミアムなサービスを提供することで他社への乗換えを防ぐという、囲い込み戦略の一端がうかがえます。

 とかく保険料に目が向きがちな自動車保険選び。しかし、付帯サービスの充実度や利用方法によっては、たとえ保険料が数千円高かったとしても、かえってコストパフォーマンスが良くなるケースもあるでしょう。今後は、保険料や補償内容はもちろん、サービス充実度も加えた3つの軸で、自動車保険を比較する必要があるかもしれません。

※ 保険・特約・ロードサービス、その他の名称や補償・サービス内容は、保険会社、契約内容によって異なる場合があります。詳細は各保険会社の重要事項説明書、約款等をご確認ください。
※ 本記事は2015年6月8日時点での情報です。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150608dde041040040000c.html
神戸・生体肝移植問題:市が病院立ち入り 医療体制などを確認
毎日新聞 2015年06月08日 東京夕刊

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植を受けた患者が相次いで死亡した問題で、神戸市保健所は8日朝、同センターへの立ち入り検査を始めた。医療法に基づく検査で、病院の医療体制や手術の安全管理が適正だったかを確認し、不備があれば行政指導を行う。

 センターでの生体肝移植手術は9件実施された。手術は4月18日以降中断されていたが、今月3日に再開された手術を受けた男性(63)を含め、5人が術後1カ月以内に死亡している。

 検査では、診療科ごとの医師やスタッフの配置状況や病院内の倫理委員会での検討状況など、手術に至る手順を確認する。カルテや出勤簿などの書類を確認するほか、担当者からの聞き取りもする。検査は、外部委員として生体肝移植の専門家も加わった。厚生労働省の検査手順に沿って行うもので、個別の手術の技術的な評価はしないという。

 検査は当初5月に行われる見通しだったが、市保健所は「専門家の人選や日程調整に時間がかかった」としている。【久野洋】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H67_Y5A600C1EE8000/
後発薬の促進へ新薬に追加負担 厚労省
2015/6/8 21:15 日本経済新聞

 厚生労働省は、特許が切れた新薬を使う患者に一定の追加負担を求めることを検討する。新薬と同じ成分でつくった割安な後発薬をなるべく使ってもらい、医療費を抑える。後発薬の使用を2020年度に80%に上げる目標につなげる。健康を害する危険性のある酒やタバコ、砂糖、トランス脂肪酸への課税強化を求める案もまとめた。税制改正は財務省との調整が必要になる。

 中長期の医療政策を検討する厚労省の「『保健医療2035』策定懇談会」が提言をまとめた。このほか入院患者の自己負担を引き上げる一方、在宅で治療を受ける患者の自己負担は引き下げ、入院の長期化を抑えることも検討する。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45893.html
薬局の構造規制緩和、「看過できない」- 大阪府薬、かかりつけ薬局推進の観点で反対
2015年06月08日 16時51分 キャリアブレイン

 大阪府薬剤師会(府薬)の藤垣哲彦会長は8日の定例記者会見で、日本薬剤師会(日薬)の求めに応じ、薬局の構造規制緩和に対する反対決議を採択したことを明らかにした。決議文では、「地域住民の服薬状況を一元管理し適正な薬物療法を確保するための『かかりつけ薬局』を推進する観点から、看過することはできない」としている。決議は先月28日付。【坂本朝子】


 いわゆる「門内薬局」を禁止する規制の見直しをめぐっては、政府の規制改革会議が月内に予定する答申へ向け、関係省庁との調整が現在も続いている。

 そのような中、日薬は、疑義照会が義務付けられているのは、「医師と薬剤師が適切に業務を分担し、安全で安心な薬物治療の提供を実現するための原則」で、それを確かなものにするために、「薬局は医療機関から『経済的』『機能的』『構造的』に独立していることが不可欠」と主張。その上で、「利便性のみを理由に、これら三原則を揺るがしかねない薬局の構造規制の緩和は、患者の医薬品使用の安全確保の観点から、薬剤師として看過することはできない」などとし、薬局の構造規制緩和に対する反対決議を先月26日に採択した。また、都道府県薬剤師会でも同様の決議をし、今月19日までに日薬に報告するよう求めており、日薬ではそれらを取りまとめた上で、関係議員などへの陳情活動を展開する方針だという。

 既に日薬に決議文を送付した府薬の藤垣会長は、「何かすべきだと考えていた」と述べ、近く大阪府市の医師会や関係議員、関連団体などに同決議文を送付し、理解を求めていきたいとの考えを示した。



http://www.sankei.com/west/news/150608/wst1506080071-n1.html
看護師6人一斉辞職 鳥取の養護学校 生徒10人通学できず 
2015.6.8 17:11 産経ニュース

 鳥取県立鳥取養護学校(鳥取市)の看護師6人全員が、校内で行う医学的ケアに対し保護者から批判を受けたことを理由に5月末に一斉辞職し、一部児童・生徒が通学できなくなっていることが8日、県への取材で分かった。

 県によると、6人はいずれも非常勤。10人程度の子供が通学できておらず、県は近隣の病院に看護師派遣を依頼し、今週中にケアを再開する予定だ。8人程度が必要だとして確保を進める。同校では、全児童・生徒約70人のうち約30人に、たんの吸引や経管栄養法などのケアが必要。保護者からは、吸引時間の遅れや点滴の位置などに関し批判の声が寄せられていたという。

 通学できない子供には在宅学習や、福祉施設に預かってもらい対応。求めがあれば、教員を自宅に派遣している。



http://www.asahi.com/articles/ASH6866Y7H68PUUB01L.html
養護学校で看護師全員が辞職願 一部生徒通学できず
柳川迅
2015年6月9日03時21分 朝日新聞

 鳥取市の鳥取県立鳥取養護学校(児童生徒76人)で看護師が不在になり、医療ケアが必要な児童生徒の一部が通学できなくなっている。8日の県議会総務教育常任委員会で報告された。

 県教委特別支援教育課によると、非常勤の看護師6人全員が5月22日に辞職願を提出した。この影響で、医療ケアが必要な児童生徒33人のうち、保護者が付き添える児童生徒だけが登校し、8日時点で12人が登校できなくなっている。

 看護師側は「ケアの必要な子が増えて負担が増していたが、学校側の配慮がなかった」ことなどを辞職理由に挙げているという。たんの吸引などが決められた時間より遅くなった時などに、一部の保護者から厳しい叱責(しっせき)を繰り返し受けることもあったという。

 県教委は保護者や看護師からの要望を受け止める学校側の体制が不十分だったと説明。近く県立病院などから看護師3人の派遣を受けるとともに、不足分の看護師の募集を続ける。(柳川迅)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t243/201506/542518.html?bpnet
特集◎腹腔鏡下手術事故 放任の大罪(1)腹腔鏡の選択に疑義
群馬大、千葉がんの連続死亡はなぜ起こった?

2015/6/8 土田絢子=日経メディカル

群馬大病院と千葉県がんセンターの腹腔鏡下手術事故では、死亡患者の多くが肝胆膵領域の高難度手術を受けていた。腹腔鏡下では適応の評価が定まらない新術式の実施が倫理的手続きを経ず、実質的に少人数の医師で決められていた。

 この3月に群馬大病院、千葉県がんセンターが相次いで腹腔鏡下手術の事故調査報告書を発表した。

 群馬大病院は2014年7月に事故調査委員会を設置。その報告書によると、2010年12月から2014年6月までに実施した腹腔鏡下肝切除術93例のうち、8例が術後4カ月以内の手術関連死亡だった。いずれも術者は、第二外科の肝胆膵外科グループに所属するA医師。問題点として挙がったのは、(1)保険適用外の新しい手術にもかかわらず臨床試験審査委員会に諮っていない、(2)日々の診療録記載が乏しい、(3)インフォームドコンセントが不十分、(4)2人のみの肝胆膵外科グループが閉鎖的な診療体制を続けていた、(5)医療安全管理部に報告がなく病院も把握が遅れた──などだ。

 千葉県がんセンターでは、2008~14年に発生した11例の腹腔鏡下手術後死亡が事故調査の対象となった。うち8例はB医師が術者で、3例はそれぞれ別の医師が術者だった。

 B医師は、肝胆膵領域の難度が高い腹腔鏡下手術を数多く手掛け、その実績を積極的に学会発表していた、技量の優れた「スーパードクター」だったとされる。「他施設では開腹する手術を、千葉県がんセンターは腹腔鏡下でできることを売りにしていた」とある医師は打ち明ける。

 同センターの報告書では群馬大病院と同様、(1)倫理委員会に諮っていない、(2)診療録記載やインフォームドコンセントが不十分、(3)実質的に肝胆膵外科グループと消化管外科グループに分かれて方針を検討していた、(4)術後死亡の報告を改善につなげるシステムが働かなかった──などの問題点が指摘された。

 両施設の事故調査は、まだ終わっていない。群馬大病院の場合、事故調査委員会の了承を得ずに病院が個々の事例で「過失あり」という文章を報告書に追加していたことが判明。事故が多発した背景の調査が不十分であることも含めて多数の批判を受け、調査を仕切り直している。

 千葉県がんセンターの場合は、3月下旬にB医師が行った肝動脈化学塞栓療法で1例の死亡が新たに分かったため、この事例も含めた最終報告書を今後まとめる予定だ。

 今回の事故を受け、群馬大病院は5月に特定機能病院の承認取り消しが決定し、先進医療の新規患者受け入れを停止した。A医師は3月末に群馬大病院を退職した。

 千葉県がんセンターは4月に都道府県がん診療連携拠点病院の指定が取り消され、B医師は3月末から一切の診療行為を停止している。

腹腔鏡下手術は適応だったのか

 群馬大病院、千葉県がんセンターの死亡例の術式一覧が表1だ。ほとんどが肝胆膵領域の高難度手術で、腹腔鏡下では保険適用外。マスメディアの報道は術者の技量や資質を問うものが多かったが、術者について云々する以前に、腹腔鏡下手術の選択自体に問題があった可能性が高い。

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表1  群馬大病院(A医師)と千葉県がんセンター(B医師)で報告された死亡例
(両施設の事故調査報告書を基に編集部作成)

 群馬大病院では、肝臓の右側を切り取る右葉切除術や、肝門部胆管癌に対して肝左葉と尾状葉(肝臓の背側に位置する部分)を切除し、胆管も切除して胆管と空腸を吻合する──など切除範囲(図1)の大きい手術が多かった。肝門部胆管癌の患者は、術後に吻合部の縫合不全から胆汁が漏れ出し、重症胆管炎や肺炎、肺血症を併発して術後97日目に死亡した。「肝門部胆管癌への腹腔鏡下手術の実施は慎重に検討するべきだった」と報告書にはある。なお、腹腔鏡下肝切除術の保険適用範囲は、S2とS3の外側区域の切除か、部分的に病変部を核出する手術だ(表2)。

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図1 肝臓の区域と亜区域
肝臓癌の手術では、門脈の分枝が支配する領域(8区域)ごとに切除する系統的肝亜区域切除が広く行われている。亜区域はS1(尾状葉)~S8と呼ぶ。(『原発性肝癌取扱い規約』(金原出版)より一部改変引用)

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表2 腹腔鏡下肝/膵切除術の保険適用内手術と適用外手術

 千葉県がんセンターで行われていた膵頭十二指腸切除術も、膵頭部を中心に複数の臓器を切除する非常に難しい手術だ。もちろん腹腔鏡下では保険適用外。具体的には、膵頭部、十二指腸、胆のう、胆管、小腸の一部、胃の一部、所属リンパ節を切除し、その後、空腸を使って、胆管と空腸、膵臓と空腸、胃と空腸を縫合し再建する(図2)。このような高難度手術を受けた死亡例では、再建拳上空腸のうっ血、肝門部門脈切除再建後の血流障害、総肝動脈と推定される重要脈管の誤認による切離などがあった。

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図2 膵頭十二指腸切除術(亜全胃温存)
膵頭部、十二指腸、胃の一部、胆囊、総胆管を切除し、膵臓と空腸、胆管と空腸、胃と空腸を吻合して再建する。(『アニメーションでもっとよくわかる消化器外科手術』(メディカ出版)より一部改変引用)
(*クリックすると拡大表示します)

 なお膵臓の場合、頭側と尾部側で手術の難度が異なる。他臓器との吻合が必要ない膵体尾部切除術は、腹腔鏡下手術も保険適用となる(表2)。

 千葉県がんセンターにおける膵頭十二指腸切除術の術後30日以内死亡率を開腹と腹腔鏡下で比較すると、開腹では0.41%(1/245例)、腹腔鏡下では6.2%(4/65例)だった。同センターの報告書は、「腹腔鏡下での手技のリスクが改めて浮き彫りになった」と指摘。さらに、「腹腔鏡下手術の高い技術を有する経験を積んだ術者においても、腹腔鏡下の視野での血管確認や手術操作は時に難しく、開腹手術ではまず起こり得ないと考えられる危険な誤認や手術結果となる可能性を秘めている」と、リスクが高い腹腔鏡下手術を選択したことが症例によっては死亡転帰につながった可能性を指摘している。

膵癌切除に「低侵襲」必要か

 A医師、B医師が行った保険適用外の高難度の腹腔鏡下手術に対しては、肝胆膵外科の専門家からも疑義を呈する声が出ている。


 肝胆膵領域の手術経験が豊富な東海大学消化器外科教授の中郡聡夫氏は、「そもそもベースとして肝臓手術や膵臓手術のリスクは高い」と説明する。全国の手術成績を集積したNCD(National Clinical Database、詳細は6月12日公開記事参照)が発表したデータによると、胃切除術の死亡率が1.07%であるのに対し、肝切除術(外側区域を除く1区域以上)の死亡率は3.69%、膵頭十二指腸切除術の死亡率は2.86%と高い。

 肝臓や膵臓は実質臓器であり、門脈、静脈、動脈、胆管、膵管などの重要な脈管が走行・接している、解剖学的にも手術が難しい臓器だ。対して腹腔鏡下手術は、カメラで一部分を捉えた2次元の術野映像を基に、術者が必要に応じて頭の中で3次元に読み替え、部分ごとに処置を積み上げる形で手術しなくてはならない。

 「肝臓や膵臓でも2次元的に対応できる手術はあるが、特に肝臓の入り口の辺り(肝門部)、膵臓の頭部の門脈に接する辺りは、非常に複雑かつ立体的な構造をしている。腹腔鏡では視野が一方向に制限され、構造の立体的かつ正確な把握が難しい。鉗子の動作制限もあり、手術は極めて困難になる」と中郡氏は話す。

 肝臓手術における腹腔鏡下手術の適応について、東邦大学一般・消化器外科教授の金子弘真氏は、「腹腔鏡下での胆管切除を伴う肝葉切除術は、現状ではまだ適応とすべき手術ではない」と見解を述べる(6月10日公開の別掲記事参照)。日本肝胆膵外科学会の緊急実態調査によると、腹腔鏡下の胆管切除を伴う肝葉切除術は死亡率が9.76%と突出して高い(図3)。

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図3 腹腔鏡下肝切除術による死亡率

 この術式について、「症例数は非常に少ないと思われるが、死亡率が開腹手術に比べてあまりに高く、腹腔鏡下肝切除術の死亡率全体を押し上げてしまっている」と金子氏は解説する。保険適用外も含めその他の肝切除術式に関しては、死亡率に開腹手術と腹腔鏡下手術で差がないという。なお、保険適用外の腹腔鏡下肝切除術を手掛けるには、保険適用内の術式を50~100例、期間にして5年以上経験を積んだ術者が望ましいと金子氏は指摘する。

 適応の範囲をより厳密に考える専門家もいる。東京大学肝胆膵外科・人工臓器移植外科教授の國土典宏氏は、腹腔鏡下肝切除術の適応を「現時点では腹腔鏡下でもアプローチしやすい肝臓の外側区域や手前の辺縁部位の手術のみ、つまり保険適用の範囲内まで」と述べる。

 膵臓手術に関しては、「保険適用内の膵体尾部切除術は当科でも行っているが、頭側の、膵頭十二指腸切除術を腹腔鏡下で行うのは、視野や操作の制限から合併症が多いという報告もあり現時点では反対だ」と國土氏は語る。また、膵癌は切除しても再発率が高く5年生存率は20%台しかない。「治るかどうかギリギリのところでのハイリスク手術であり、傷が小さいなどの『低侵襲性』がどの程度メリットになるのか非常に疑問だ」と続ける。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45900.html
群馬大病院の先進医療再開で意見書採択へ- 12日の本会議で、群馬県議会
2015年06月08日 19時40分 キャリアブレイン

 群馬大医学部附属病院(前橋市)が先進医療の新規患者の受け入れを停止している問題(特定機能病院の承認取り消しの影響は?-年数億円の減収も)で、県議会の厚生文化常任委員会は、がん患者の治療を行う重粒子線治療などの早期再開を求める意見書案をまとめた。12日の本会議で採択される見通し。【敦賀陽平】


 この問題をめぐっては、肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者が死亡する事例が相次いだことなどを受け、厚生労働省が先月上旬、同病院などに対して、先進医療の新規患者の受け入れ停止と院内の自主点検の実施を求める通知を出した。

 その後、同病院では重粒子線治療のほか、神経変性疾患の遺伝子診断や硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療など11技術の先進医療について、新規患者の受け入れをストップしている。

 意見書案では、同病院の重粒子線治療施設を「地域医療発展の象徴的施設として県民の希望のよりどころ」であると主張。患者が死亡したことに関しては、「病院の安全体制やガバナンス等の再構築及び再生に向けた取り組みを、より注視していく」とした。

 その上で、同施設では年間約500人の患者が治療を受けていることから、「患者や地域医療に与える影響が極めて大きい」と指摘し、病院側の自主点検の結果などを踏まえ、同施設での新規患者の受け入れや他の先進医療の早期再開を認めるよう要望している。

 群馬大病院は、来月初旬に開かれる厚労省の先進医療会議で、自主点検の結果などを報告することになっており、そこで受け入れ再開の是非が議論される見通しだ。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/06/09/02.html
「止血の糸外れ死亡」春日部・男性の遺族、独協医大病院を提訴
2015年6月8日(月) 埼玉新聞

 2013年に独協医科大学越谷病院で肺がん手術を受けた春日部市の男性=当時(68)=が死亡したのは病院側の医療ミスが原因だったとして、男性の妻らが8日、同病院を運営する学校法人独協学園と担当医を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めてさいたま地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は13年6月5日、同病院で肺の腫瘍を摘出する手術を受けた。肺の血管を切断する際、止血のために縛った糸が緩んで外れ、肺動脈から大量に出血。翌6日午前に出血性ショックで死亡した。担当医が止血の際に血管を二重に縛らなかったのは、不完全な処理で注意義務を怠ったとしている。

 原告側弁護団の猪股正弁護士によると、病院側は出血性ショックの原因は糸が外れたためとしているものの、血管処理について「判断に落ち度はなく、手技的なミスはなかった」と説明しているという。

 猪股弁護士は「止血するための糸が外れたら患者の命に関わる。肺血管を処理する際に二重、三重に縛らなかったたのは単純なミスで病院側の責任は重い」と主張。その上で、これまで肺動脈の血管処理で同様の方法を施してきたという病院側の説明に対し「標準的な知見から逸脱している。同様の事故が今後、発生する危険があり看過できない」と訴えた。

 同病院の牧尚伸庶務課長は取材に対し「まだ訴状を見ていないのでコメントはできない」としている。病院によると、担当医は14年6月30日付で依願退職しているという。


  1. 2015/06/09(火) 05:45:52|
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