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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月5日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/327902
専門医の更新料、日本専門医機構に「1万円」
社員総会で了承、研修プログラム認定料は14万円

2015年6月5日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は、6月1日の臨時社員総会で、2015年度の予算案と事業計画案を了承、専門医の更新料として、同機構が医師から徴収する額は1万円とするほか、5年間有効の研修プログラム審査・認定料は、領域ごとに1施設当たり初年度10万円、以降4年間は1万円で、計14万円とすることが決まった。

 新専門医制度は、2017年度から研修を開始する医師が対象。それに先立ち、既に専門医を取得した医師を対象に、日本専門医機構が承認した「専門医更新基準」に基づく更新を、準備が整った基本領域から始める。新更新基準で2015年度から更新を行うのは、産婦人科領域と病理診療領域の2領域(『専門医更新、2学会は2015年度から新基準』を参照)。泌尿器科領域は2016年度からの更新を予定。整形外科領域の更新基準も承認済みだ。これら4領域以外の基本領域も、更新基準を承認した領域から、順次、新基準に基づく更新を行う。

 1万円は日本専門医機構に支払う更新料で、別途、審査実務を担当する各学会にも更新料を支払う。同機構理事長の池田康夫氏によると、現在の更新料に、1万円を上乗せする形にするか、減額するかの判断は、各学会に委ねられる。なお、1万円は更新料で、新規に専門医を取得する場合の手数料は今後の検討事項だ。

 新専門医制度においては、基幹施設と連携施設が「専門研修施設群」を構成して、研修を行うことが基本。「専門研修施設群」で運営する研修プログラムを、日本専門医機構が認定することで、研修の質を担保する。認定は5年間有効で、その研修プログラム審査・認定料は、認定初年度は10万円、以降4年間は年1万円で、計14万円。基本領域別に認定を受けるので、例えば大学病院など、19の基本領域全ての認定を受ける場合、初年度190万円、5年間で266万円かかる。

 1日の社員総会では、日本専門医機構の財務委員会の組織を改編し、委員の過半数を、社員の代表とすることも決定した。ガバナンス強化のほか、予算案等の作成に社員の大半を占める基本領域学会の意見を反映させることが目的。現在は、同機構の理事らが委員であり、社員は委員には入っていない。基本領域の専門医は、内科、外科をはじめ、現在は18。新制度では、総合診療専門医を加え、19になる。これまで専門医制度を運営してきた各学会は、新専門医制度でも関与を求めてきた経緯がある(『専門医機構、18学会を社員として認定へ』などを参照)。

 5領域以外、「専門研修プログラム整備基準」承認済み

 日本専門医機構の定款上、予算案と事業計画案は、理事会の承認事項で、社員総会に対しては、「報告」という位置づけ。しかし、今年3月の臨時社員総会で報告した際に、更新料や研修プログラム審査・認定料の算定根拠が明確でないなどの理由から、異論が出た。池田理事長によると、予算案と事業計画案を社員総会の承認事項にするよう、定款を変更すべきとの意見も出たという。

 仕切り直しとして、改めて開かれたのが、6月1日の臨時社員総会だった。更新料や研修プログラム審査・認定料の算定根拠を説明し、財務委員会の組織再編を行うことで、社員の了承を得、定款は変更しないことで決着した。

 「1万円」の更新料は、(1)「専門医更新基準」の承認までに至る事務経費(会議費、委員の旅費など)、(2)専門医の更新認定に係る事務経費(認定事務、専門医認定証の発行・郵送費、専門医のデータベース作成費用、(5)各学会の事務に対する支援経費――などを根拠に設定。

 研修プログラム審査・認定は、2017年度から新たに開始する専門医研修に向けた準備だ。合計で14万円の審査・認定料の算定根拠は、(1)各領域別の「専門研修プログラム整備基準」の承認に至るまでの事務経費(会議費、委員の旅費など)、(2)書類審査に要する事務経費(会議費、委員の旅費など)、(3)訪問審査に当たる「サイトビジット」のサーベイヤー養成料、(4)「専門研修施設群」に関するデータベース作成費用、(5)各学会の事務に対する支援経費――などだ。

 19の基本領域のうち、新たに基本領域に加わる総合診療専門医については、今年の4月に「専門研修プログラム整備基準」を作成した(『総合診療専門医の「医師像」、明らかに』を参照)。既存の18の基本領域のうち、内科領域、皮膚科領域、眼科領域、放射線科領域、麻酔科領域の5領域を除く13領域についても「専門研修プログラム整備基準」を承認済み。5領域の整備基準もほぼ固まっているという。

 各領域は今後、モデル研修プログラムを作成。それを基に、各研修施設群が、研修プログラムを作成、日本専門医機構の審査・認定を受けるというスケジュールになる。「研修プログラム認定は、来年の春頃、遅くとも来年の夏頃までには、終える予定」(池田理事長)。認定は書類審査で行い、「サイトビジット」は別途行う。

 収入不足約1億円、借入予定

 日本専門医機構は、2015年度予算案が了承されたものの、財務的な課題は残る。2014年度は赤字決算だった。池田理事長によると、2015年度の事業規模は約2億円を見込むものの、収入の目途が立っているのは、約1億円にとどまる。内訳は、厚生労働省予算約5000万円(専攻医・専門医に関するデータベース作成費用)、23の社員の年会費各30万円、産婦人科領域と病理診療領域の更新料など。残る1億円は借入で賄う予定。

 29のサブスペシャリティ領域、それ以外の未承認診療領域の専門医制度等について、日本専門医機構の新専門医制度にどのように位置付けていくかという点も重要な検討事項であり、今後議論を本格化させる。

 そのほか、日本専門医機構のガバナンス強化も課題だ。池田理事長によると、社員からは、(1)事務機能の強化、(2)専務理事の選任(現在の理事は兼務)、(3)理事の選任規定作成(理事は1期2年で、次期改選は2016年5月)、(4)財務、総務、広報などの委員会の体制整備、(5)総合診療専門医の審査・認定体制の整備(18の基本領域の学会が担う専門医制度運営に関する機能は当面、日本専門医機構で担う予定)――などの要望が挙がっているという。



http://mainichi.jp/select/news/20150605k0000e040170000c.html
生体肝移植:「神戸国際」手術再開最初の男性も死亡
毎日新聞 2015年06月05日 10時57分(最終更新 06月05日 13時06分)

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」は、3〜4日に約18時間半に及ぶ生体肝移植手術を受け、入院中の男性(63)=兵庫県西宮市=が死亡したと5日、発表した。同センターは、生体肝移植を行った患者4人が相次いで亡くなったため手術を一時中止し、男性が再開1例目だった。

 同センターは死因や死亡時刻などは明らかにしていないが、執刀した田中紘一理事長が5日午後、記者会見して説明する予定。

 5月に記者会見した男性や家族によると、男性は肝硬変と肝臓がんを患い、妻(64)の肝臓の一部を移植する生体肝移植を昨年1月に大学病院で受ける予定だった。しかし、肝臓につながる血管が詰まっていたため手術を断られ、同様の症例の経験がある同センターに転院した。当初、手術は4月22日に予定されたが、患者4人が術後1カ月以内に死亡した問題が発覚し、延期された。

 同センターの生体肝移植を巡っては、肝移植医でつくる日本肝移植研究会が4月、センターの依頼で調査し、常勤医不足や手術用顕微鏡の不備など管理体制や手術での問題点を指摘。組織の抜本的な改編を求め、移植の中断を提言した。また、同研究会と日本移植学会は5月22日、生体肝移植の実施に、脳死肝移植が認められている施設と同水準の体制を求める「緊急注意喚起」を公表した。

 同センターは、同研究会の調査結果に反論する一方、6月1日に「経験豊富な移植外科医が他施設から手術に参加する」などと体制の改善を公表し、2日に生体肝移植の再開予定を発表した。ただ、「万全の体制で臨む」とするのみで、手術スタッフの人数や報告書で指摘された機器の整備などの詳細については明らかにしていなかった。【吉田卓矢、根本毅】

          ◇

 死亡した男性の家族は弁護士を通じ「残念だが、一切の悔いはない。最善の体制でできる限りの努力を尽くしてくれた医師とスタッフに心から感謝している。今回の結果が同センターでの生体肝移植の実施を阻む要因にならないことを願う」とのコメントを出した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150605/CK2015060502000154.html
【千葉】
75歳以上、10年で51%増 介護施設不足が深刻に

2015年6月5日 東京新聞 千葉

 「日本創成会議」が四日発表した一都三県の医療・介護問題に関する提言で、二〇二五年までの十年間、県の七十五歳以上人口の増加率は51%と埼玉県に次ぎ全国で二番目に高くなる試算が明らかになった。介護需要の増加も著しく、全国平均32%増に対し、県内は50%増加。介護施設のベッド数は約三万四千床足りなくなるという深刻な将来像が浮かび上がった。 (村上一樹)
 二五年の時点で、七十五歳以上の占める割合が最も高い地域は安房(館山、鴨川、南房総三市と鋸南町)で26・7%。続いて山武・長生・夷隅地域(茂原、東金、勝浦など六市と九十九里町など十町、長生村)、香取・海匝地域(銚子、旭、匝瑳、香取の四市と神崎町など三町)など、太平洋側や県南部などで増加率が著しい。
 高齢化とともに介護需要も増加する。一五年現在、不足ベッド数はすでに約四千五百床あるが、十年後には約三万四千床に膨れ上がる。
 最も不足するのが、東葛南部(市川、船橋、浦安など六市)で一万一千三十四床。二番目が東葛北部(松戸、柏、流山などの五市)の七千八百床と、現在総じて人口が増加している地域が上位を占める。
 医療をめぐっては、二五年までの十年間、入院需要は全国平均で14%増加するのに対し、県内では22%の増加が見込まれている。
 高齢者の肺炎・骨折など緊急性があり、重症の患者に対する高度で専門的な医療体制の不備が深刻化し、「患者のたらい回し」といった事態が、さらに悪化する恐れがある。
 県が昨年四月に公表した高齢化問題に関する調査によると、二五年には県内で医師が最大で千百七十人、看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)は一万五千百五十人と大幅に不足する見通し。
 県は医師や看護職員の確保に向け、医学・看護学生に対する奨学金の拡充や、県内医療機関への就職勧誘、離職防止などの支援に取り組んでいる。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201506/0008095804.shtml
患者宅へ出張レントゲン 県立柏原病院、開業医と連携
2015/6/5 20:30 神戸新聞

 寝たきりの患者宅などに医療スタッフが出張し、エックス線撮影(レントゲン)検査を行う取り組みを兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町柏原)が中心となって始めた。県立病院では初めての試み。利用する開業医からは「高齢化で在宅患者が増えており、医療機関と距離がある地域事情に合った連携だ」と評価する声が上がる。

 同病院は昨年秋、災害医療などで力を発揮している携帯型のエックス線撮影装置を購入。病院での診療や検査で活用するほか、放射線部が在宅医療で利用することを提案した。

 撮影の手順は、市内の開業医から要請を受け診療放射線技師らが患者宅や福祉施設などへの往診に同行。装置を組み立て、患者が椅子やベッドにいる状態で検査できる。画像はパソコンで確認し医師が診断に生かす。

 昨年11月以降、延べ二十数人の往診で利用し、肺炎の有無や膠原病の状態などを調べた。往診で依頼した同市春日町黒井の開業医、船坂眞里医師(58)は「これまでは画像検査で調べたくても寝たきりの患者では難しいケースがあった。在宅医療で非常に便利」と話す。市内の男性(90)を自宅で介護している家族は「通院は移動や待ち時間を考えるだけで負担になるが、自宅だと楽な姿勢で検査ができる」と歓迎した。

 患者は検査費用で公的医療保険を利用できるが、同病院にとっては撮影料と交通費の相当分を開業医から受け取るものの、人件費などを加えると採算を合わせるのが困難という。放射線部の山崎敏弘放射線技師長(55)は「地域の医療サービス向上が狙い。課題を検証しつつ取り組みを続けたい」と強調している。(岩崎昂志)



http://www.qlifepro.com/news/20150605/add-drug-creation-vaccination-routine-part-of-the-pricing-system-additional-process-visualization-chairman-of-phrma-frazier.html
新薬創出等加算「薬価制度の一部に」、ワクチン定期接種「追加プロセス可視化を」―PhRMA・フレージャー会長
2015年06月05日 AM10:45 QLifePro >

米国研究製薬工業協会(PhRMA)のケネス・フレージャー会長(米メルク会長兼CEO)が来日し、3日に開いた記者会見で新薬創出等加算制度について言及。「予測可能で一貫した長期政策が必要であり、現行の薬価制度による2年ごとの改定を評価している」と述べ、「新薬創出等加算を薬価制度の一部として組み込み、2年ごとの更新による不安定要因を排除し、その後はこの制度に変更を加えないことが肝要」として制度化を求めた。

フレージャー氏は、「医薬品費用は社会と国への投資であり、単なるコストとして扱われるべきではない」と強調。海外承認薬剤が日本で使えないドラッグラグが解消した理由の一つとして、新薬創出等加算制度を挙げ、「イノベーションの促進による投資が増加し、患者が世界で最も新しく、安全で優れた医薬品を迅速に入手できるようになった」との考えを示した。

その上で、「目覚ましい進歩を逆行させないことが重要」と述べ、新薬処方を14日間に限定する現行規制について、「大幅な改正がなされるよう、引き続き要請していく」との立場を表明した。

一方、ワクチンに関しては、「国の定期接種プログラムに対して、ワクチン追加プロセスが可視化され、タイムリーに行われることを期待する」と述べ、「新たなワクチンの承認プロセスや副作用モニタリング・管理における政府の評価や意思決定が、非科学的な圧力ではなく、科学的根拠に基づいて行われることが重要」と科学的な見地からの意思決定プロセスの確立を要望した。

また、医師や一般者に対するワクチンの啓発を目的に、日本国内でシンポジウムを開催していることについては、「私たちの最優先事項の一つ」と語った。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150605/CK2015060502000171.html
【群馬】
「生方会」経営不振問題 負債総額は10億円

2015年6月5日 東京新聞 群馬

 前橋市表町で生方(うぶかた)医院などを運営する医療法人社団「生方会」の経営不振問題で、県は四日、法人の負債総額は約十億円に上ることを県議会の産経土木常任委員会で明らかにした。施設の過大な増改築や人件費の増加などが要因。法人の役員は三人が退き、経営者一族も法人への出資金や貸付金を放棄し、経営責任を明確にする見通し。 (菅原洋)
 法人は医院の近くで介護老人保健施設「平成苑(えん)」とグループホーム「陽(ひ)だまり」も運営。政府系の「地域経済活性化支援機構」(東京)による再生支援が先月上旬に決定したが、医院などは従来と同様に業務を続け、患者らに当面の影響はない。
 県は医療機関という社会性を重くみて、開会中の県議会定例会に最大約百二十四万円となる事実上の公費負担をする議案を提案している。
 常任委で県は、法人に五人いる役員のうち、理事や監事の計三人が近く退任し、主要取引先の金融機関と支援機構から一人ずつが役員に派遣されると説明した。役員報酬は大幅にカットする。経営者一族で、理事長の医師が事務長を兼任していたことも、経営不振の一因とみられるため、理事長は医療に専念してもらう。
 経営者一族は、法人への出資金約二億四千万円の大半と、法人への貸付金約五千万円をそれぞれ放棄。一族は所有する施設の不動産も法人に無償譲渡し、弁済のために私財も売却するという。支援機構が債権の一部を買い取り、金融機関も一部の債権を放棄するとみられる。五年間の事業再生計画では、リハビリテーション機能の強化などに取り組み、残る負債を十五年間で返済する予定。
 席上、県議からは「一般企業ならば存続が厳しい状態だが、それでは多くの患者たちが困るので、やむを得ない議案だ。ただ、法人へ融資した際のチェックや、経営責任の明確化などをきちんとしてほしい」との注文が出た。
 県によると、法人は二〇〇九、一二両年に県の経営サポート資金事業を利用し、金融機関から県信用保証協会の保証がついた融資を受けた。しかし、融資額の一部が返済できず、県と同協会の損失補償契約に基づき、債権のうち最大約百二十四万円の回収金を受け取る権利を放棄する方針。



http://irorio.jp/nagasawamaki/20150605/234912/
「姥捨山か!」高齢者の地方移住を促す提言に異議が殺到
長澤まき
2015年06月05日 14時27分 IRORIO

東京圏の高齢者の「地方移住」を促す日本創生会議の提言に、批判が続出している。

地方への移住を提言

日本創生会議は4日、東京圏の高齢化危機回避戦略として高齢者の地方移住を促すことなどを提言した。

東京では高齢化が急速に進み、このままでは東京圏の高齢者が介護施設を奪い合う事態になるとして、高齢者の地方移住を促すべきだと提案。医療介護体制が整っている41の自治体を紹介した。

ネット上には批判が続々

この提言について、ネット上には多くの反響が投稿されている。

「東京のいいとこ取り」「地方に負担を押し付けるのか」などの異議が続々と寄せられていた。

地方自治体も困惑

高齢者の地方移住という提言に、地方からは「雇用の場が新たに生まれる」など評価の声がある一方で、困惑も広がっている。

「医療介護体制が整っている41圏域」に指定された大分県別府市の高齢者福祉担当者は次のように語った。

施設や人材に余裕があると言われても『本当に対応できるのかな』と正直、戸惑っている

別府市内には14の特別養護老人ホームがあるが、空きはなく待機者も91人いるという。

また、同じく医療介護体制が整っていると指定された福岡県北九州市の地方推進室長も、「市の負担が増える可能性がある」と指摘した。

・出典元:高齢者移住、期待と困惑 国が構想、長崎など関心 - 西日本新聞(6/5)



http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150605-OYT1T50027.html?from=ycont_latest
介護不足で移住促進「違和感覚える」と知事
2015年06月05日 13時28分 読売新聞

 民間有識者らでつくる「日本創成会議」が4日、神奈川県内を含む東京圏で医療・介護の施設や人材不足が深刻化するとして、高齢者の地方への移住促進などを提言した。


 神奈川県の黒岩知事は「首都圏で連携すべき問題だということは共感する」と話す一方で、「医療や介護が充実しているからと、縁もゆかりもない地方に誘導する提言には違和感を覚える」と反発した。

 提言は神奈川、千葉、埼玉の3県について、高度成長期に造成された団地の入居者や東京23区からの転入者の影響で都内以上に高齢化が進展すると指摘。神奈川県内は2025年に介護需要が今より48%(全国平均32%)増え、介護施設が約2万3000床不足するとした。

 神奈川県も今春、県内の要介護・要支援認定者が15年度の35万人から25年度は53万人に増え、介護人材が2・5万人不足するとの見通しをまとめている。ただ、県高齢施設課は「住み慣れた地域で在宅のまま医療や介護が受けられる社会を目指す」としており、施設利用を前提とした推計には疑問を呈している。

 知事は記者団に対し、「介護を必要としない健康な高齢者を増やす取り組みこそが大事。(病気になる前の段階である)未病から治すという県の政策が一番正しい方法だ」と主張。「県内には自然豊かなところもあり、どんどん住んでほしいと政策を進めているところだ」と反論した。



http://mainichi.jp/select/news/20150605k0000m010123000c.html
東京圏高齢者:在宅ケアも供給不足 厚労省戦略、視界不良
毎日新聞 2015年06月04日 23時18分(最終更新 06月04日 23時47分)

 日本創成会議が4日発表した東京圏の介護、医療需要の急増は、病院や介護施設に絞った評価だ。これに対し、厚生労働省は施設だけでなく在宅の医療・介護を重視している。医療・介護の需要増に対しては、各種支援を一体的に提供し、住み慣れた地域で暮らし続けられる「地域包括ケアシステム」の推進で対応する方針だ。ただ、これには多くの人材や豊富なサービス量などが必要で、需要増の特に激しい東京圏で「切り札」となるかは不透明だ。

 厚労省の推計では、2025年度の要介護認定者は約597万人に上る。東京圏だけでも約154万人、14年度の約1.5倍に増える。

 全国的な需要増に対応するために厚労省が進める地域包括ケアは「医療、介護、介護予防、生活支援、住まい」の五つを一体的に提供し、要介護者を地域全体で支える仕組みだ。厚労省老健局は「人や資源が狭い範囲に集中している東京圏こそ地域包括ケアを進めやすい」と反論する。

 しかし、サービス量の伸びに追いつくのは容易ではない。地域包括ケアの中心となるのは、ホームヘルプサービスやデイサービスの機能をまとめて提供する「小規模多機能型居宅介護」だ。25年度時点の利用見込みは14年度比112%増の17万人に上る。ヘルパーらが高齢者宅を訪問してケアする定期巡回・随時対応型サービスは同584%増の6・2万人と7倍近くもの増加を見込み、各市町村に供給能力の強化を促している。それでも25年度に必要な在宅介護サービス量491万人からすれば十分とはいえない。

 医療では、各都道府県が今年度から25年度の医療需要と必要な病床数を推計する「地域医療構想」の策定を始めた段階。医療費のかさむ重症者向けベッドに軽症者が入院するケースの解消や、在宅医療の推進を目指している。だが、これを担うための24時間対応の「在宅療養支援診療所」の届け出数は1万4186件(13年7月)と全診療所の十数%にとどまる。地域包括ケアは、創成会議の問題提起に対する回答にはなり得ていないのが実情だ。【細川貴代】

 ◇「医療・介護のあり方議論を」…高齢者の地域ケアに詳しい高橋紘士・高齢者住宅財団理事長の話

 提言は、在宅医療、在宅介護を考慮せずに「不足だ。危機だ」としている点に疑問を感じる。かつては病院や施設重視の考え方が多かったが、最近では施設より在宅を希望する人が増えるなど高齢者の意識も大きく変化していく。国民の意識や社会環境の変化も含めた医療や介護のあり方の議論が必要だ。

 また、医療や介護の施設不足への対策と、地方移住の推進は別の話ではないか。

 介護施設整備や高齢者の住まいとして「空き家活用」を取り上げた点は評価できるが、実際に活用するには法規制が厳しい。「制度的構造改革に着手すべきだ」とまで踏み込んでほしかった。



http://getnews.jp/archives/989563
審議会委員8人、企業から報酬=寄付金の過少申告も24人―厚労省[時事]
DATE:2015.06.05 21:54 時事通信社

 厚生労働省は5日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会の規定に反し、部会などの委員8人が製薬企業などの顧問を兼業し、報酬を受け取っていたと発表した。既に8人は辞任届を出したという。

 同省によると、8人は医薬品や医療機器の承認を審議する部会と調査会の委員。企業の顧問などを務め、年間100万円を超える報酬を得ていたケースもあった。

 また、企業の寄付金や契約金を過少に申告していた委員も24人いた。うち8人の受領額は、議決への参加が認められない50万円を超えていた。実際に7人が参加した議決は、全て有効という。 

[時事通信社]



http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088142.html
.                平成27年6月5日 厚生労働省
.                【照会先】
.                医薬食品局総務課
.                課長補佐 浦 (内線2710)
.                課長補佐 茂木 (内線2714)
.                (電話代表)03-5253-1111
.                直通電話)03-3595-2384

報道関係者各位
薬事・食品衛生審議会 薬事分科会における審議参加の取扱い等について


薬事・食品衛生審議会 薬事分科会において、委員の審議参加について、薬事分科会規程及び薬事分科会審議参加規程に沿った対応が行われていなかったことが判明しました。

このため、以下のとおり対応しましたので、お詫びするとともにお知らせします。


1.事案の概要とこれまでの対応
(1)薬事に関する企業の顧問等への就任の事実の判明
○ 薬事分科会委員8名について、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任していた事実が判明しました(資料1)。

○ これらの 8名の 委員については 、辞任いただくこととしています。

(2) 寄付金・契約金等の申告誤りにより本来参加できない議決に参加した事実の判明
○  昨年度 開催した審議会について、委員による寄付金・契約金等の申告内容を確認したところ、8名の委員について、受領なし又は50万円以下の受領と申告されていたものが、正しくは50万円を超えて500万円以下の受領であったことが判明しました(資料2)。
※500万円を超える受領はありませんでした。


(3) 寄付金・契約金等の50万円以下の受領について過少申告であった事実の判明
○  同じく、寄付金・契約金等の申告内容に関し、16名の委員について、受領なしと申告されていたものが、正しくは50万以下の受領であったことが判明しました。


2 今後の対応
○  薬事分科会については、今年度より各会議開催前に委員の寄付金・契約金等の申告内容を製造販売業者に確認する取組みを試行的に導入し、運用を開始しています。

○  また、申告様式について、申告対象の3年度を明らかにし、そのうち最も受領額が多い年度を申告いただくよう申告誤りの発生防止を徹底する観点からの改訂を行いました。

○  今後、同様の事案の再発を防止するため、薬事分科会規程及び薬事分科会審議参加規程における顧問等に就任した際の辞任、申告対象年度、家族の受領分も申告することなどの重要事項を、会議開催の度に注意喚起することにより、適切な取扱いを徹底します。

(参考)
<薬事分科会規程概要>
○ 委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。

<薬事分科会 審議参加規程概要>
○ 寄付金・契約金等の申告
・対象企業:審議品目の製造販売業者、審議品目と市場で競合する品目を取り扱う製造販売業者(最大3企業まで)
・対象年度:開催年度を含む過去3年度のうち受取額が最も多い年度
○ 寄付金・契約金等の受領がある場合の会議への参加
・500万円を超える場合、当該委員は審議に加わらない(退室)
・50万円を超えて500万円以下である場合、当該委員は議決には加わらない。出席・意見陳述は可能
・50万円以下の場合、審議にも議決にも参加できる

PDF 資料1(PDF:42.9KB)http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000088157.pdf
PDF 資料2(PDF:76.4KB)http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000088190.pdf
小川  聡 ( 国際医療福祉大学三田病院 病院長 )
.  谷 憲三朗 ( 九州大学 教授 )
.  中村 利孝 ( 国際医療研究センター病院 病院長 )
.  水口 裕之 ( 大阪大学 教授 )
.  西田 幸二 ( 大阪大学 教授 )
.  田中 明人 ( 兵庫医療大学 教授 )
.  三宅 淳巳 ( 横浜国立大学 教授 )
.  佐々木一昭 ( 東京農工大学 准教授 )

50万円超の受領について過少申告
.  武田 正之 ( 山梨大学 教授 )
.  村田 美穂 ( 国立精神・神経医療研究センター 診療部長 )
.  山田 清文 ( 名古屋大学 教授 )
.  清田  浩 ( 東京慈恵会医科大学 教授 )
.  山本 一彦 ( 東京大学 教授 )
.  中村 利孝 ( 国際医療研究センター病院 病院長 )
.  柿崎  暁 ( 群馬大学 講師 )
.  一色 高明 ( 上尾中央総合病院 特任副院長 )



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45887.html
要支援・要介護、保険制度開始時の2.3倍- 13年度、給付は8.5兆円台
2015年06月05日 19時41分 キャリアブレイン

 2013年度の要支援・要介護認定者は、前年度と比べて約23万人多い584万人となったことが厚生労働省の「介護保険事業状況報告(年報)」で分かった。2000年度の介護保険制度スタート時(256万人)と比べて約2.3倍まで増えた。また、13年度の利用者負担分を除いた介護保険の保険給付費は、全国で8兆5121億円となった。第1号被保険者1人当たりの給付費は、26万6000円(前年度比1.2%増)だった。【ただ正芳】

 13年度の要支援・要介護認定者の内訳は、要支援1が約82万人、同2が約80万人、要介護1が約111万人、同2が約103万人、同3が約77万人、同4が約71万人、同5が約61万人。要支援1から要介護2までの軽度者が64.3%を占めた。

 1か月平均のサービス受給者数は約482万人で、前年度に比べ5.3%増加。サービス別では、居宅サービスが約358万人、地域密着型サービスが約35万人、施設サービスが約89万人だった。

 サービス別1人当たりの給付費(1か月平均)で、最も高かったのが「介護療養型医療施設」の34万9000円。次いで多かったのは「介護老人保健施設」(26万4000円)だった。また、「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」(24万9000円)、「介護老人福祉施設」「認知症対応型共同生活介護」(いずれも24万8000円)、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護、23万4000円)が20万円を超えた。それ以外の主なサービスでは「特定施設入居者生活介護」が17万8000円、「通所介護」が6万8000円、「訪問介護」が4万9000円、「訪問看護」が4万1000円となった。



http://www.asahi.com/articles/ASH645SDZH64UCLV00B.html
老年移住、できますか? 都会は介護施設争奪戦に
森本美紀、立松真文 本田直人、木原貴之2015年6月5日11時27分 朝日新聞デジタル

 介護が必要な高齢者が急増し、危機が迫る東京圏。日本創成会議はその回避策のひとつとして、医療・介護に余力がある地域への介護移住を打ち出した。大胆な提言を評価する声がある一方、戸惑いや懸念も広がっている。

特集:大介護時代

 「東京圏では高齢者が介護施設(の入所枠)を奪い合う事態になる」。会見の冒頭、日本創成会議の増田寛也座長は言い切った。

 東京都の特養の待機者は約4万3千人(2013年11月)。うち約9千人は要介護度が高く、在宅で暮らす緊急度の高い人だ。

 都心部は建設地が確保しにくいため、東京23区外に特養を整備しようという動きも進む。

 杉並区は、静岡県、同県南伊豆町と共同で計画を進めており、17年度の開設を目指す。区内に14カ所ある特養はすでにいっぱいで、待機者数は4月末現在で約1400人にのぼる。だが、「区内に土地を確保するのは困難」(区の担当者)な状況だ。

 豊島区も、将来の介護需要の伸びに備え、区外特養整備の調査研究費を15年度予算に盛り込んだ。千葉県富津市にある区有地などが候補にあがる。

 郊外の事情も厳しい。東京都八王子市の特別養護老人ホーム「小松原園」では、定員117人の施設に1740人が申し込み、入居を待つ。うち約300人は東京23区からだ。

 川津明弘・相談支援室長は「(待機者が)年に50~100人ぐらいの勢いで増えている。収容力も足りず、人材も確保できない。大変申し訳ないが待ってもらうしかない」と話す。

 東京都は昨年、特養の定員を25年度末に6万人分(13年度末4万1340人分)に、認知症高齢者グループホームは2万人分(13年度末8582人分)に増やす目標を公表した。

 増田座長は、介護の人材不足などの課題を指摘。介護の需要は25年度以降も増え続けるとして「(対策を)東京都で自己完結するのは難しい」と述べた。

 高齢化は都市部で急速に進む。国立社会保障・人口問題研究所の推計(13年)によると、25年の大阪府、愛知県の75歳以上人口は、15年に比べて40%以上増える見通しだ。介護サービスの拡充は東京圏と同じく切実な課題だ。(森本美紀、立松真文)

■地方は財源・人材不足「虫のいい話だ」

 「移住候補地」とされた地域では、困惑の声が広がった。

 古くからの温泉療養地で病院も多い大分県別府市。日本創成会議の試算では、市と周辺地域の医療介護体制の充実度が最高位にランクされた。都市部から地方に高齢者の移住を進める提言について、市福祉保健部の大野光章部長は「都会と地方が生き残るための一つの方策ではある」と理解を示した。

 ただ、移住や定住に力を入れる政策が市にあるわけではなく、心配が大きい。「本来、都会でケアするものを地方でやるには財政的にも難しい。人材確保を含め、国全体でどう分担するかという仕組みづくりが必要だ」

 同じく充実度が高く評価された高知市。村岡晃・市健康福祉部長は「高齢者に偏った移住や定住が、本当に地方創成につながるのか」と疑問視する。「地方にとっては、元気な若者をどう維持し、増やしていくかが大事な課題なのに」

 同市の病床や介護施設の充実は、一方で過剰とも指摘されている。団塊世代が75歳を迎える25年に向け、見直しの検討が始まるという。「社会保障費や地方のコスト削減を進める国の考え方からすれば、現状維持は難しい」と村岡部長は話す。

 昨年の提言で、将来、社会保障の維持が困難になる「消滅可能性都市」とされた秋田市は、今回の提言で医療介護体制に「余力がある」とされた。

 市内の高齢者施設で働く50代男性は「県外からの入所受け入れは制度的に可能だが、職員が慢性的に不足し、介護報酬も引き下げられて厳しいのが現状。『リタイアした首都圏の人たちを地方で引き受けて』とは虫のいい話だ」。市によると、市内の特別養護老人ホームに入所を希望する待機者は約1千人に上る。

 一方、移住者が高齢であっても、働き手として期待する声もある。

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市だ。提言では「余力がある」と認定された。人口はピークだった1963(昭和38)年の約4割の約3万6千人。医療介護現場での人手不足が続いている。建設業や水産加工業では復興需要もある。正木隆司・市総務企画部長は「元気なうちに移住して活躍してもらえば、人手不足の解消にもつながる」と期待する。(本田直人、木原貴之)

■主な提言内容

◆移住に関心のある人への「お試し移住」支援の推進
◆移住を視野に置いた老後生活設計の支援
◆定年前からの勤務地選択制度の支援
◆医療・介護サービスへの情報通信技術、ロボットの活用
◆外国人介護人材の受け入れ推進
◆医療・介護拠点への転用など空き家の有効活用
◆大規模団地の再生
◆1都3県の連携・広域対応



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45883.html
院内薬局の禁止見直しなどで調整続く- 規制改革会議、月内答申へ議論
2015年06月05日 13時21分 キャリアブレイン

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は5日に会合を開き、月内に予定する答申について議論したが、病院敷地内の薬局開設を禁止する規制の見直しなどをめぐって関係省庁との調整が続いていることから取りまとめには至らなかった。【佐藤貴彦】

 非公開の会合後に記者会見した岡議長は、薬局の開設場所を含む医療・健康の分野のほか、雇用や農業といった分野の規制についても関係省庁などと調整中だと説明。「今月中に答申取りまとめというスケジュールで動いている。どのような形で答申として取り込むのか、追い込み作業をしている」と述べた。

 規制改革会議の答申に盛り込まれた規制の改革案は2013年と14年、政府がそれぞれ「規制改革実施計画」として閣議決定し、各省庁の取り組みにつなげている。

 現在は、医薬分業の実現に必要だとして、患者が公道などを通らずに保険医療機関と保険薬局とを行き来できる状態などが禁止されている。この規制を担当する厚生労働省は5月21日、規制改革会議の作業部会に対し、この構造的な規制を「形式的な参入規制」から「薬局の機能の評価」に転換させる方向で検討を進めるといった案を提示。作業部会の委員は、より分かりやすい表現にするよう求めている。



http://www.yakuji.co.jp/entry43974.html
後発品促進、医療費削減効果額の検証を
2015年6月5日 (金) 社説 薬事日報

 これまでの診療報酬上のインセンティブを付与した後発品使用促進という悠長な状況ではない議論が、このところ活発化している。50%を超えて推移する後発品の数量ベースのシェア目標値の設定に関してである。
 先月26日に開かれた経済財政諮問会議で塩崎恭久厚労相は、後発品の数量シェアを2020年度末に80%以上とする新目標値を示した。2年前に策定された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」では17年度末に60%という目標が設定されている中で、後発メーカーからは既に「時間の猶予が必要」との声も聞かれる。
 一方で、財務省の諮問機関である財政制度等審議会では、20年度までの財政健全化に向けた報告書の中で、社会保障費の伸びを年0・5兆円に抑えるよう提言。その具体策の一つとして、後発品数量シェアを、現行のロードマップの17年度末60%を80%以上に引き上げる目標を設定し、措置をとるよう求めている。
 この猶予のない、数量ベース引き上げ議論は、医薬品業界にも影響をもたらした。
 経済諮問会議での発表の翌日には、日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、日本ジェネリック製薬協会の3団体は「薬剤費の抑制を念頭においた性急な議論が進行している」とする共同声明を発表。その中で、製薬企業の健全な発展への配慮を求めるなど、先発、後発の各医薬品団体が協調する形で異例の対応を示した。
 新薬メーカーは、使用促進策による後発品への切り替えの影響を受け長期収載品目などの国内売上高が低迷。一方、後発メーカーは安定供給へ向けた増産体制への設備投資をロードマップを指標に進めている段階だ。数量ベースの目標値の急な引き上げは、双方ともに企業体力を一気に消耗しかねない。『極めて大きな危惧の念を抱かざるを得ない』共通認識となったということだ。
 ところで、“20年80%以上”の新目標を達成した場合の医療費削減効果は1・3兆円と試算されている。実は07年10月に策定された「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」で後発品使用促進がスタートした当時の財政制度等審議会資料でも、後発品のある先発品を全て後発品に切り替えた場合の削減効果額も1・3兆円と同じ数値が示されている。
 試算数値が一人歩きしているとまで言わないが、07年から8年が経過しようとしている中で、後発品の使用促進による対医療費削減効果額は、国としての検証結果は未だ一度も報告されていない。実態がつかみにくい部分もあるのかもしれない。やはり、医療費抑制は喫緊の課題だが、数量ベース目標値の根拠も含めて、後発品使用に伴う医療費削減効果については国民が納得できる数値として示す時期に来ているのではないか。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150606ddm012040053000c.html
神戸・生体肝移植問題:「ミスなし」 理事長会見 再開1例目で死亡
毎日新聞 2015年06月06日 東京朝刊

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で、生体肝移植手術の再開1例目の男性患者(63)=兵庫県西宮市=が5日未明に死亡した問題で、同センターの田中紘一理事長と木内哲也院長は同日、市内で記者会見をした。田中理事長は「患者と家族に申し訳ない。大変重い責任を感じている」と陳謝する一方、「全力を尽くした。医療ミスではない」との見解を示した。今後についても、「ニーズがあれば移植に全力を尽くす」とした。

 田中理事長らによると、男性の死因は肝機能不全。手術は、田中理事長や木内院長ら計9人の医師で行った。男性の妻(64)から肝臓の一部を摘出して移植した。摘出は順調に進み、約5時間で完了。肝臓も移植に適した状態だったという。

 しかし、男性の肝動脈がもろくなっていたため、提供された肝臓との接合に3度挑戦したがうまくいかなかった。胃につながる動脈と患者の肝動脈とをつないで血流の確保を図るなどしたが、長時間かかったことで肝臓に負担がかかったという。更に、出血は術中だけでなく、術後も続き、計約30リットルに及んだ。肝臓は機能不全のまま推移し、男性は5日午前1時44分に亡くなった。

 田中理事長らは、成功する確率を50%と見込み、男性と家族にもそう説明していた。

 センターを巡っては、日本肝移植研究会が4月、常勤医不足や手術用顕微鏡の不備など管理体制や手術での問題点を指摘していた。田中理事長は「指摘を一つ一つ検討して、体制を整えた」とし、「手術用顕微鏡を整備し、放射線科や感染症内科などの医師も非常勤で参加する体制を整えた」と説明した。

 神戸市保健所は8日に、センターへの立ち入り検査を予定している。【吉田卓矢、久野洋】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150605_13037.html
東北大病院で感染性胃腸炎集団感染
2015年06月05日金曜日 河北新報

 東北大病院は4日、作業療法室で感染性胃腸炎の集団感染が発生したと発表した。職員6人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えた。同室を利用した外来・入院患者の発症は確認されていないという。病院は4日に続き、5日の作業療法を休止する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/327903
薬局の構造規制緩和に反対決議、日薬
調剤技術料の伸びは分業推進の結果と主張

2015年6月5日(金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本薬剤師会の山本信夫会長は6月4日の定例記者会見で、政府の規制改革会議で薬局の構造規制の緩和が議論されていることに対し、反対する決議を採択したことを説明した。財務省の財政制度等審議会で指摘された「医科、歯科に比べ調剤技術料の伸び率が高い」という点については、「あたかも調剤だけが伸びているように言われているが、医薬分業の伸びを調整すると医科、歯科とほとんど変わらない」と主張した。

 反対決議は5月26日付け。規制改革会議などで、医療機関と薬局の構造的独立を確保するための規制の緩和に向けた議論が進んでいることを踏まえた。各都道府県の薬剤師連盟では反対を訴える署名活動を行っている。

 6月1日の財政制度等審議会で出された「財政健全化計画等に関する建議」では、「調剤技術料を巡る課題」として、2009年度を100とした場合の医療費の診療種別の推移が示された。2013年度には調剤技術料は119、医科・入院(薬剤料含む)が112、医科・入院外(薬剤料含む)が107、歯科(薬剤料含む)が107となっており、「医科、歯科に比べて調剤技術料の伸び率が高い」と指摘している。

 一方で、医薬分業率も2009年度の100から2013年度の110に伸びており、日本薬剤師会が独自に分業伸び率を調整した調剤技術料を算出したところ、2013年度は108に低下した。山本氏は「あたかも調剤だけが伸びているように言われているが、医薬分業の伸びを調整すると医科歯科とほとんど変わらない。いかにも儲かっているような言いぶりは私どもとしては納得できない」と主張した。

 5月26日の経済財政諮問会議で「5万7000の薬局全てを患者本位のかかりつけ薬局とする」という方針が示されたことについては、「日薬が主張してきたことが理解された。地域密着型の仕事ができればいいと思う」と歓迎を示した(『塩崎大臣、薬局減少容認の考え、経済財政諮問会議』を参照)。薬局数減少の議論については「どれだけの数が必要かという議論と、どのような薬局が必要かという議論は少し違う。日薬としては5万7000の薬局が全てかかりつけ薬局になれるように叱咤激励する」と述べた。

薬局の構造規制の緩和に反対する決議

 現在、規制改革会議では、医薬分業における規制の見直しとして、医療機関と薬局の構造的独立を確保するための規制が緩和されようとしている。
 患者の安全を守る観点から、薬剤師には薬剤師法第二十四条で処方医への「疑義照会」が義務付けられており、「処方せん中に疑わしい点があるときは、その疑わしい点を確かめた後でなければ調剤してはならない」とされている。この規定は、医師と薬剤師が適切に業務を分担し、安全で安心な薬物治療の提供を実現するための原則であり、それを確かなものとするには、薬局は医療機関から「経済的」「機能的」「構造的」に独立していることが不可欠である。また、過去を振り返ってみても、構造的独立を確保できなかったために発生した薬局と医療機関間の不正行為が、社会的指弾を受けたことを踏まえて現在の規 制となっていることを忘れてはならない。
 言うまでもなく、患者に過剰な負担を強いることは医療に携わる者として望むところではない。しかし、利便性のみを理由に、これら三原則を揺るがしかねない薬局の構造規制の緩和は、患者の医薬品使用の安全確保の観点から、薬剤師として看過することはできない。
 日本薬剤師会は全国の薬剤師会と連携して、薬局の構造規制を緩和することに強く反対する。
 右、決議する。


  1. 2015/06/06(土) 08:45:12|
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