Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月4日 

http://www.m3.com/news/general/327439?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150604&dcf_doctor=true&mc.l=105777245
倫理指針違反で職員処分 金沢大病院の臨床試験
2015年6月4日(木)配信 共同通信社

 金沢大は4日までに、国の倫理指針に反して化学療法の臨床試験をしたとして、大学病院の治療グループの責任者を文書訓告とし、大学の幹部職員も監督責任を問い口頭注意処分とした。3月23日付。

 大学が昨年12月にまとめた報告書によると、治療グループは骨などに生じた悪性腫瘍に投与する抗がん剤の効果を高めるため、カフェインを注射する臨床試験を実施。

 試験対象にしていなかった少女=当時(16)=が投与後に死亡したほか、大学の倫理審査委員会が定めた2008年3月から12年3月までの実施期間後も試験を続けていた。

 大学総務課の山下雅彦(やました・まさひこ)課長は「懲戒処分に当たらないので公表しなかった。再発防止のため倫理指針の順守に努める」と話した。



http://www.m3.com/news/general/327389
[医学研究] 優れた医師養成支援事業の中間評価で3大学にS評価 文科省
2015年6月4日(木)配信 厚生政策情報センター

「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」の中間評価結果について(5/29)《文部科学省》

 文部科学省は5月29日、大学の優れた取り組みを選定・支援することで質の高い医師・歯科医師の養成を目指す事業「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」に関し、「中間評価」の結果を公表した(p1~p30参照)。
 この事業の計画期間は、2012年度~2016年度。全国の計22大学が2012年7月、次の3テーマごとに選定されている(p1~p2参照)。

 (1)医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成(医学部・医学系大学院において魅力ある基礎研究医養成プログラムを構築する取り組みを支援:10大学)(p6~p16参照)、(2)グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実習の充実(医学生の診療参加型臨床実習をさらに充実させる取り組みを支援:10大学)(p17~p27参照)、(3)医学・歯学教育認証制度等の実施(日本における国際標準の医学・歯学教育認証制度などの基盤を構築するための取り組みを支援:2大学)(p28~p30参照)。
 中間評価は、評価の高い順にS、A、B、C、Dの段階があり、「S」は、「順調に進捗しており、現行の努力を継続することによって当初目的を十分に達成し、当初目標を上回る効果・成果が期待できると判断される」を意味する(p6参照)(p17参照)(p28参照)。

 今回、S評価を受けたのは、(1)で2大学、(2)で1大学の取り組み。具体的な概要は順に次の通り。

●愛媛大学「医学科大学院からの基礎研究医養成コース」(医学科1年生からの必修科目「医科学研究(研究室配属)」を出発点に、すそ野の広い研究医養成コースを整備)(p13参照)。

●熊本大学「柴三郎プログラム:熊本発 基礎研究医養成」(入学前より基礎医学研究に関する動機付けを行い、学部と大学院教育におけるシームレスな基礎医学研究に取り組める環境の供与など」(p14参照)。

●筑波大学「高い実践力を育む大学―地域循環型臨床実習」(国際基準に対応できる78週の臨床実習時間を確保し、地域医療の現場で長時間実習する、大学-地域循環型臨床実習を導入)(p18参照)。

資料 http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201506_1/2529_3_1_1433387529.pdf



http://www.m3.com/news/iryoishin/327377
必要医師調査数等に予算要求、日医
2016年度の概算要求に向けた要望

2015年6月4日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会は2016年度の概算要求に向けた要望を6月1日に厚生労働省に提出し、6月3日の会見で今村定臣常任理事がその内容を公表した(資料は、日医のホームページに掲載)。新規の要望事項としては、地域医療構想の達成に向けた地域連携の推進の取り組み支援や、医師の偏在解消に向けた必要医師数の調査などの項目が並んでいる。

 地域医療介護総合確保基金については、地域医療構想の達成に向けて、地域連携の推進取り組み支援に14億1000万円を要求するなど、十分な財源を確保するように求めている。そのほか、新規要望としては、医療等分野におけるID制度の創設・導入に向けた検討に6億円、ロコモティブシンドローム対策等への取り組みに8億5000万円、医師の偏在解消や医師確保対策に向けた必要医師数調査の実施に1000万円などとなっている。

 今年10月から始まる医療事故調査制度については、第三者機関の運営費や院内調査の費用を確保に加え、再発防止の安全対策費用も確保するように求めている。医療安全関連では、医薬品等による健康被害に対する救済制度の周知に1億円を要求している。

 診療報酬改定や控除対象外消費税の問題については、従来と変わらない内容。診療報酬改定については、薬価改定財源を活用して、技術料を適正に評価する診療報酬体系への転換を求めているほか、医療の雇用誘発効果を強調している。控除対象外消費税は、現在検討している「見える化」の検証結果を踏まえた財源措置のほか、2017年4月に予定されている10%引き上げ時に合わせて、抜本的解決を求めている。

 専門医関連では、日本専門医機構の設立を受けて、地域における専門医養成プログラムの作成支援等に向けた予算配分に6億8600万円を要求。専門医や臨床研修環境の充実に向けて、シミュレータ等を用いた研修施設の創設支援として50億円を求めている。その他、医学部の定員増に伴う教員の定員増に15億2000万円、基礎系医学研究者の育成に8億9280万円などが入っている。 新型インフルエンザやエボラ出血熱、デング熱などの流行を念頭に、感染症予防や災害対策の予算確保も求めている。

 そのほかの主な新規事項は以下の通り。
・癌登録の推進 10億円
・水銀に関する水俣条約の追加的措置の施行に向けた水銀血圧計、水銀体温計廃棄方法の整備 4億円



http://www.m3.com/news/general/327357
歳出改革で予算重点配分 骨太方針に財政再生計画
2015年6月4日(木)配信 共同通信社

 政府が月内に決定する経済財政運営の指針「骨太方針」の骨子案が3日、分かった。2020年度の財政健全化目標を達成するため、5年間の道筋を示す「経済・財政再生計画」(仮称)を策定する。16~18年度を集中改革期間とし、初年度は公共サービスへの民間参入など、新たな歳出改革を具体化する事業に予算を重点配分するとした。

 歳出が膨らむのを抑えつつ質を高め、民間主導の経済成長を促すのが狙い。政府は10日の経済財政諮問会議で骨子を提示し、月末までの調整で詳細を詰める。骨太方針決定後、予算の概算要求基準に反映させる。

 骨子案には、基本方針として「経済再生なくして財政健全化なし」と明記。新たな借金をせずに政策経費を賄えるかを示す基礎的財政収支の赤字を、18年度に国内総生産(GDP)比で1%程度に抑える中間目標を設け、20年度に黒字化する。

 公共サービスの効率化や民間参入、自発的なコスト削減を進めた自治体の優遇など、16年度予算編成では「新しい歳出改革の考え方を踏まえた事項を最大限優先」する。割安なジェネリック医薬品(後発薬)の利用率を高めたり、過剰な病床を削減したりした場合に交付金や診療報酬を手厚くすることが想定される。

 経済成長による税収増を促すため、規制改革や税制全般の改革を実施。15年度から5年間を少子化対策の集中取組期間と位置付けて財源を確保し、東日本大震災の復興事業・予算は「自治体負担も含め、不断の見直しを行いつつ対応」するとの方針も示した。



http://www.m3.com/news/general/327344
「中身ある調査制度に」 医療事故で病院団体研修会
2015年6月4日(木)配信 共同通信社

 医療事故調査制度が10月から始まるのを前に四つの病院団体が3日、病院の医療安全担当者らを対象とした研修会を東京都内で開いた。日本病院会の堺常雄(さかい・つねお)会長は「医療者や医師会、病院団体が協力して、事故の原因究明と再発防止を目的とする制度を中身あるものにしなければいけない」と述べた。

 制度は全国約18万カ所の医療機関や助産所が対象。診察や検査、治療に関連した患者の予期せぬ死亡事例が起きた場合、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出や院内調査、遺族への説明が義務付けられる。

 約200人が参加した研修会では、厚生労働省医療安全推進室の大坪寛子(おおつぼ・ひろこ)室長がスライドを使って、制度の概要を説明。参加者から「どの程度(診療内容などを)患者に事前説明すべきなのか」との質問があり、「インフォームドコンセントから一歩踏み込み、『あなたの場合にはこういうリスクがある』ともう少し丁寧に説明をしていただけたら」と答えた。

 また大坪室長は、複数の医療機関で診療を受けた患者の死亡事例が起きた場合については、「死亡の要因となった医療を提供した医療機関が(第三者機関に)届け出ることになる」と説明した。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/173524
熊大病院長が医療事故を謝罪 公表方法も不適切認める [熊本県]
2015年06月05日(最終更新 2015年06月05日 00時31分)西日本新聞

 熊本大医学部付属病院(熊本市中央区)が、女性患者に挿入したカテーテル(医療用の管)内部に、本来は抜くべき金属製ワイヤを残したままにしていた医療事故で、水田博志院長=写真中央=は4日、同病院で記者会見し、「患者やご家族に、多大な心労とご迷惑を掛けた」と謝罪した。さらに5月29日の公表時に会見を開かず、事務職員に広報対応をさせたことなどが不適切だったとして「大変混乱を招き、深くおわび申し上げる」と陳謝した。
 公表時、報道陣に対し医学的な質問に答えられる医師は不在で、事故の詳細について事務職員は「分かりません」を繰り返した。水田院長は、公表時に会見をしなかった理由を「患者側が同意した内容をホームページで公表することしか、患者側から了承を得ていなかった」などと釈明した。
 その上で、今後は医療事故の公表時には、原則として会見を開くよう改める方針を示した。
 この日の会見で病院側は、担当した30代医師は、40代医師の指導の下でカテーテルを挿入したが、指導した医師も「ワイヤを抜かなかったことに気付かなかった」と話していることを明らかにした。また患者は、ワイヤの摘出手術後に出産。母子ともに、日常生活への支障はみられないという。
=2015/06/05付 西日本新聞朝刊=



http://www.m3.com/news/iryoishin/327500
新薬処方14日ルール変更を求める、PhRMA会長
来日し首相らと面会、ワクチン行政「非科学的」

2015年6月4日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 米国研究製薬工業協会(PhRMA)会長のケネス・フレージャー氏が来日し、安部晋三首相ら閣僚などと面会して要望を伝え、6月3日、都内で記者会見した。要望内容としては新薬創出加算の維持や、新薬の14日間処方ルールの大幅な改善などが含まれている。財政の観点から、使用拡大圧力の強い後発医薬品については、先発医薬品のビジネスとの両立できるとの認識を示した。日本におけるワクチン行政については、非科学的な側面を暗に批判し、HPVワクチンの有効性を説明する場面もあった。フレージャー氏は、ガーダシルを販売する米・メルク社の会長兼CEOも務めている。

後発品目標に言及せず

 フレージャー氏は、来日中、安部首相以外にも、財務大臣の麻生太郎氏、経済財政策担当の内閣府特命大臣を務める甘利明氏、厚生労働大臣の塩崎恭久氏らと面会した。会見では、閣僚や国会議員らと面会した際の内容について紹介した。

 日本では現在、経済財政諮問会議や財務省の審議会の主眼は、2020年度のプライマリーバランスの黒字化にあり、社会保障費の削減圧力が強い。後発医薬品の使用拡大や調剤費の見直しの検討が進んでいる。対して、フレージャー氏は、医療について「単なる予算項目の1つでなく、人々、経済、未来への投資」と強調。後発医薬品を使用拡大して薬剤費の伸びを抑えながら、政策的に開発促進を続けた場合でも、医薬品関連支出の増加は年間0.13%にとどまるという民間コンサル会社の試算を示して、先発医薬品と後発医薬品はともにビジネスとして両立するとの考え方を示した。財務省などから「2017年度に80%」という目標が示されていることについて質問されたものの、フレージャー氏は特定の数値や時期については言及しなかった。

 新薬創出加算については、ドラッグ・ラグ解消の一法との認識を示した上で、「医薬品を市場に提供するには、10年から15年の年月と20億ドルを超える費用がかかる」とした上で、新薬創出加算が研究開発費を支えているとの認識を示し、「制度に変更を加えないことが肝要」とした。  新薬の処方が14日間に限定されている点については「多大で不必要な負担を患者や医師に強いる」として、「大幅な改正」を求めている。

AMEDは歓迎の意向

 ワクチン行政については、近年の推奨リスト項目の増加を歓迎する姿勢を示した。ただ、日本においてはHPVワクチンの勧奨中止などが続いて、日本医師会などが要望している接種項目の追加が進んでいない状況がある。

 フレージャー氏は、ワクチンの追加プロセスについて「可視化され、タイムリーに行われることを期待する」とした。その上で、ワクチン承認プロセスや副作用のモニタリングにおける政府の意思決定について、「世論、メディア、政治家からの非科学的な圧力でなく、科学的根拠に基づいて行われることが重要」と指摘し、日本におけるワクチン行政の非科学的側面を、暗に批判した。

 HPVワクチンについては、近年の論文で接種開始後に子宮頚癌で死亡する女性が減少している論文が発表されていることや、WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病予防管理センター)も接種を勧めていることから「日本の市場にとどめるべき」とした。日本が橋渡し研究の円滑化に向けて、関連の省庁予算を一括して管理する日本医療研究開発機構(AMED)の設立については、歓迎する意向を示した。外国の製薬企業は、日本で4万人を雇用し、日本企業は12万5000人を雇用している点を挙げて、「他のどの業界よりも高い割合で研究開発に収益を投資している」とする場面もあった。

 

https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51665/Default.aspx
患者の服用薬剤わからず自身の処方に不安あった 医師の6割が経験 メドピア調査
公開日時 2015/06/05 03:51 ミクスオンライン

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」(https://medpeer.jp/)を運営するメドピアはこのほど、他科での処方内容がわからないため自身の処方に不安を感じたことがある医師が6割強にのぼるとの調査結果をまとめた。多くのケースで患者自身が服用している薬剤名をよくわかっていないことが原因だが、なかには認知機能の低下している患者でヒヤリとした経験があるとの内容もみられた。

調査はMedPeerに会員登録している医師を対象に実施した。調査日は5月18日。有効回答数は163人。

「複数診療科による個別処方や多剤投与などが指摘されるなか、薬を処方する上で不安を感じたことがあるか」と聞いたところ、医師の62%が「ある」と回答した。具体的なケースや理由を自由記載で求めたところ、「リスクの高い薬(抗凝固薬、抗不整脈薬等)を他院で処方されているが、本人が名前を覚えていない」(30代、一般内科)、「患者が薬手帳などを持っていなくて、他院で出ている内服などが不明だが、今日薬をどうしても出してほしいという場合」(40代、整形外科)――との内容が多くみられた。

「認知機能が低下している患者の場合、薬のことを正確に理解せずに処方だけを受けている場合」(40代、代謝・内分泌科)との内容もあった。今後増加が見込まれる認知症患者やその予備群での薬剤管理に関する問題提起といえそうだ。

また、厚労省など政府内で残薬問題が指摘されていることもあり、「大量の『残薬』が生まれる一番の要因は何か」として自由コメントを求めたところ、患者の飲み忘れや患者の理解不足・医師の説明不足を指摘する意見が散見されたものの、「他科、他院の処方が不明。院外薬局があまり機能していない」(40代、呼吸器外科)、「処方薬の管理が一元化されていないから」(40代、小児科)、「患者の服薬管理の限界」(50代、整形外科)など医療システムそのものに課題があるとの意見も複数見られた。



http://www.j-cast.com/2015/06/04236628.html
医薬分業の「規制緩和」 今月の答申、どう決着するか
2015/6/ 4 11:30 印刷 J-CASTニュース

医師が出した処方箋をもって同じ敷地・建物にない薬局で薬剤師が調剤するという「医薬分業」規制をめぐり論争が巻き起こっている。政府の規制改革会議で規制緩和論が噴出し、厚生労働省などは反対している。

同会議は患者の利便性を高めるとして、2015年6月にまとめる答申に規制緩和を盛り込む構えだが、果たしてどう決着するか。

医薬分業は今後どうなるのか
「患者の利便性」が論点に


医薬分業は「医の安全」を理由に1956年に導入された。医師の役目は薬の種類や量の決定(処方)まで、その先の処方薬の点検や調剤は薬剤師と、役割を分担。薬の専門家である薬剤師の目で、医師が処方した薬が患者にとって安全で有効かを点検するということだ。 その後、医師が公定価格でしか投与できない薬を安く仕入れ過剰な差益を得るという「薬価差益」が問題化したのを受け、政府は薬剤費削減の観点から分業に力を入れるようになった経緯がある。「薬局が病院内にあれば独立性は保てない」というのが厚労省の基本的な考え方だ。

といっても、分業は日本医師会の反対で「義務化」まではされているわけではない。政府は病院に薬局が併設された「院内処方」より、独立型の「院外処方」の方が薬剤師にとってもうかる価格設定にし、薬局を外へ誘導。病院も、薬を病院外の薬局で処方する「院外処方」の場合に受け取る処方箋料が引き上げられたほか、薬剤師の人件費や事務費を軽減できることもあって、分業が進んだ。2013年度の分業率は67%まで上昇しており、この間、薬価差益の高い薬を処方する医師は減り、1993年度に19.6%だった薬価差率(推計)は8.2%に下がっている。

ただ、院外処方の優遇は患者の経済的な負担に跳ね返る。規制改革会議によると、7日分の内服薬を処方された場合、薬剤費は院内処方なら720円(うち患者負担1~3割)なのに対し、院外処方だと1850円(同)に跳ね上がる。 規制改革会議が医薬分業の見直しに動く第1の理由もこの点で、同会議の岡素之議長(住友商事相談役)は「院外処方の患者が価格差ほどのサービスを受けているか議論が必要」と語る。

もう一つ、規制緩和の論拠とされるのが患者の利便性だ。3月12日に規制改革会議が開いた討論会では「車いすの患者が病院から道路を渡って薬局まで行けるのか」といった声が出た。内閣府規制改革推進室のインターネット調査によると、1036人の回答者の約6割が、規制をやめた場合の利点として「受診した医療機関で薬がもらえて便利」と答えたという。

これに対して日本薬剤師会などは「一体的な構造になると(薬局は)機能的に特定の医療機関のものになる」との懸念を示して反論する。

このほか、院外処方ではジェネリック医薬品(後発薬)が薦められることが多いため、医薬分業が医療費抑制に貢献しているとの声もある。

意見のすり合わせは簡単ではない

ただ、この医薬分業の意義が問われる事態も起きている。今年2月、ドラッグストア大手ツルハホールディングスの子会社、くすりの福太郎(千葉県鎌ケ谷市)とイオン子会社のCFSコーポレーションの調剤薬局が、恒常的に薬剤服用歴(薬歴)を記載しないまま患者に薬を出していたことが発覚した。

薬歴は、薬剤師が医師の処方箋に沿って調剤する際に、患者ごとに聞き取って記録することが義務付けられている。服薬後の状況や副作用などを把握することで、飲みすぎや飲み合わせによる事故を防ぐ狙いで、保管した薬歴に基づき患者に適正な指導をして薬を出せば、「薬剤服用歴管理指導料」として1回につき原則410円の診療報酬も得られる。ツルハやCFSの診療報酬請求のこの部分が不適切だった可能性がある。

高齢化などに伴い医療費が膨張する中、限られた財源の中でいかに医療の質を維持し、高めるかは、国民的な課題だ。政府の規制改革会議はワーキンググループ(WG)を設けて検討を始めているが、厚労省などとの溝を埋めるのは容易ではない。昨年は、安倍晋三首相の強力なプッシュもあって、混合診療の規制緩和が進んだが、医薬分業はどうなるか。規制改革会議の答申作成に向け、意見のすり合わせは簡単ではなさそうだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H2N_U5A600C1000000/
東京圏の高齢者、地方移住を 創成会議が41地域提言
2015/6/4 17:20 日本経済新聞

 民間有識者でつくる日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)は4日、東京など1都3県で高齢化が進行し、介護施設が2025年に13万人分不足するとの推計結果をまとめた。施設や人材面で医療や介護の受け入れ機能が整っている全国41地域を移住先の候補地として示した。

 創成会議は「東京圏高齢化危機回避戦略」と題する提言をまとめた。全国896の市区町村が人口減少によって出産年齢人口の女性が激減する「消滅可能性都市」であるとした昨年のリポートに次ぐ第2弾。

 東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では、今後10年間で75歳以上の後期高齢者が175万人増える。この結果、医療や介護に対応できなくなり、高齢者が病院や施設を奪い合う構図になると予測した。解決策として移住のほか、外国人介護士の受け入れ、大規模団地の再生、空き家の活用などを提案した。

 移住候補地は函館、青森、富山、福井、岡山、松山、北九州など一定以上の生活機能を満たした都市部が中心。過疎地域は生活の利便性を考え、移住先候補から除いたという。観光地としても有名な別府や宮古島なども入っている。

 高齢者移住の候補地域は以下の通り(地名は地域の中心都市。かっこ内は介護施設の追加整備で受け入れ可能になる準候補地域)。

 【北海道】室蘭市、函館市、旭川市、帯広市、釧路市、(北見市)
 【東北】青森市、弘前市、秋田市、山形市、(盛岡市)
 【中部】上越市、富山市、高岡市、福井市、(金沢市)
 【近畿】福知山市、和歌山市
 【中国】岡山市、鳥取市、米子市、松江市、宇部市、(山口市、下関市)
 【四国】高松市、坂出市、三豊市、徳島市、新居浜市、松山市、高知市
 【九州・沖縄】北九州市、大牟田市、鳥栖市、別府市、八代市、宮古島市、(熊本市、長崎市、鹿児島市)


  1. 2015/06/05(金) 11:24:00|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<6月5日  | ホーム | 6月3日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する