Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月31日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015053100008.html
診療業務再点検の実施声明 全国医学部長病院長会議
2015年5月31日 朝日新聞

 80大学や付属病院でつくる全国医学部長病院長会議(会長=荒川哲男・大阪市立大医学部長)は29日、会員大学に対し、医師の職業倫理にもとづく診療業務の再点検を行うことなどを求める緊急声明を発表した。

 群馬大病院と東京女子医大病院で患者の死亡事故が起き、高度な医療を提供できる「特定機能病院」を取り消されることなどを受けた。

(朝日新聞 2015年5月30日掲載)



http://apital.asahi.com/article/news/2015053100007.html
処方薬から市販薬へ 転用促進、国が新制度
2015年5月31日 朝日新聞

 医師の処方箋(せん)が必要な処方薬から、薬局などで自分で選んで買える市販薬への転用を進めようと、厚生労働省は29日、新たな制度の導入を決めた。企業に転用を促す薬の成分について、学会に提案してもらう現在の方法を改め、すべての人から要望を受け付ける仕組みにする。

 新制度は、同日開かれた厚労省の審議会で了承された。軽い不調は自己管理することを進めると同時に、医療機関への受診を減らして公的医療保険の支出を抑える狙いもある。

 転用を求める要望は、専門家だけでなく、消費者を含めてすべての人から受け付ける。今後立ち上げる有識者会議で、要望のあった成分について、医師の指導のない市販薬にも適しているか議論する。処方薬での使用実績や副作用の発生状況をふまえ、関係学会の意見を聞くなどして、転用の候補となる成分を公表する。

 厚労省によると、これまでに転用されたのは約90成分。学会の提案をもとに製品化されたのは5成分しかなく、大半は企業が独自に製品化している。公開の会議で専門家の意見や消費者の声を聞いたうえで、転用の候補となれば、企業にとって製品化しやすくなると厚労省はみている。

 ただ、転用が広がれば、乱用や副作用のリスクが高まる可能性がある。審議会では、委員から「利便性が優先され、安全性を評価するハードルが下がらないか」との懸念も出た。
(田内康介)
(朝日新聞 2015年5月30日掲載)




http://www.yomiuri.co.jp/local/oita/news/20150531-OYTNT50107.html
大分大医学部生の技術向上へ施設
2015年06月01日 読売新聞

 大分大は、医学部生の医療技術の向上と医療機器の開発の拠点となるセンター「SOLINE」(ソーリン)を新設すると発表した。25日に稼働する。

 センター名は英語で「イノベーション(技術革新)と教育を目的とした外科医療技術ラボセンター」の頭文字と、戦国時代に豊後を治めたキリシタン大名・大友宗麟にちなんだ。

 センターは、同大医学部(由布市挾間町)内に設置。実際の手術にも使える手術台や麻酔機器などを備える。人間と臓器の構造が似ているミニブタを使い、医学部生らが手術の訓練を行ったり、企業が新しい医療機器開発に取り組んだりする。

 大学によると、これまでは模型や映像で手術の訓練を行っていた。医療技術が進歩する中で、より安心安全な医療の提供を目指し、高い技術を要する内視鏡手術などの技術向上を見込む。

 また、大分、宮崎両県の産官学が連携し、医療産業の拠点化を目指す「東九州メディカルバレー構想」にも寄与。センターは、機器が正常に動くかを動物を使って実験する役割も担う。
2015年06月01日 Copyright © The Yomiuri Shimbun



http://www.m3.com/news/iryoishin/326085
シリーズ: The Voice
患者申出療養、実質は混合診療の自由化
皆保険制度の大転換、医療制度改革法の成立に断固抗議

2015年5月31日(日)配信 神奈川県保険医協会(理事会声明)

 医療制度改革関連法案が5月27日、参院本会議で可決され、成立した。39本もの法律を一括法案とする「異常」や、審議時間が実質、衆院19時間、参院18時間の「拙速」は、重要法案では過去に類例がなく、民主主義のルールを大きく踏み外し、憲政史上に重大な禍根を残した。それ以上に、法案は参院審議でも明らかになった混合診療の「自由化」、未確立な医療、実験医療の蔓延の危険や、社会保険の民間保険化に道を開くなど、時代転換的な内容を多岐に含んでおり、皆保険制度、社会保障制度に大きな風穴をあけるものとなっている。第一線医療を担う開業医団体として地域医療を壊す、今法案の成立に断固抗議する。

◆矛盾の集約点、患者申出療養 実質は混合診療の自由化 やはり同床異夢だった「実施計画」

 参院の委員会審議では、「患者申出療養」に大半の質疑が集中。制度の矛盾が次々と明らかになり、大臣、局長答弁が支離滅裂となっている。

 最たるものは、臨床研究の倫理指針に基づく実施としつつ、「実施計画(プロトコル)」の適格基準外への実施を予定している点にある。このプロトコル逸脱、倫理違反に関し、患者申出療養では「実施計画=プロトコル」ではなく、「実施計画にプロトコルが含まれる」との方便を駆使。適格基準外へは個別に実施計画を作成するもののプロトコルは「含まない」とした。つまり、症例データは科学的統計学的に意味がなく、単なる症例報告にすぎず、データ集積、保険収載につながらない。国会ではこの暴露と厚労省の規制改革会議への反論と矛盾すると追及されている。プロトコル作成に至らない先進医療、治験対象外への未承認薬使用なども、このプロトコルに値しない実施計画でOKとなる仕組みとなる。現在、プロトコルが前提の先進医療A及びBは109技術のうち、保険収載は8技術に過ぎない(2014年度)。患者申出療養のどこが保険収載につながるのだろうか。

 また、現在の先進医療Bと違い、多施設共同研究の形で2例目以降実施する医療機関の体制は国の審査がなく施設基準も定められず、厳格な安全基準が大幅に緩む。患者登録症例確保のため技量や人員体制のない医療機関での実施が容易となり、死亡、後遺障害など重篤な医療事故が懸念される。国は体制の「目安」以上のものは示さないため、安全性の担保がない。適格基準外は事故補償すらない。

 実施計画の審査は6週間と、現在の先進医療の6カ月の4分の1であり、安全性・有効性の確認が実質、形骸化する。そもそもが、先進医療、未承認薬は未確立な医療だけに危険である。

 しかも、かかりつけ医、開業医が、「相談」役を担わされ、先進医療への理解・説明や実施医療機関への紹介などが求められ、リスキーな役目を担わされることになっている。

 患者申し出が起点といいながら、「実際は医師の働きかけによる理解と同意(納得)」と局長が答弁しており、条文違反であり、ネーミングも怪しければ、現在の評価療養に屋上屋を重ねる合理的理由が何ら示されていない。

 しかも、この患者申出療養のスキームは、先進医療に限定されていない。保険未収載の医療技術も対象となる。

 総じて、倫理指針に則らない医療や、便法の実施計画を作成し行う保険未収載の医療技術など、単なる自由診療と保険診療の混合診療となる。国の審査、指針などのタガが外れることになり、混合診療の「自由化」に道を開くことになる。

 参議院審議では野党議員が独自調査や諸外国比較も交え、徹底してこれらに関し鋭い追及を展開した。われわれは敬意を表する。衆院と賛否を違える等、反対、退席と苦衷の選択と行動をとった野党議員の心中は察して余りある。一方、与党議員は参考人に「質問の意味がわからない」と返される等、重大な中身を理解しているのかも疑わしく、質問時間、質問内容も乏しくあまりにも無責任である。

◆保険料の傾斜設定へも苦しい答弁 民間保険化の蟻の一穴

 また個人の予防努力に応じた保険料の値引き、社会保険料の傾斜設定は、社会保障の応能原則を崩し、リスクに応じた保険料設定の民間保険の原理の導入となる。総括質疑で釘がさされ、首相、厚労大臣とも「適当ではない」としたが、火種の法文は何ら修正されていない。社会保険と民間保険の境界域が曖昧化し、相互補完、相互乗入れが想定され、楽観は禁物だ。現に、住友生命、チューリッヒ生命、オリックス生命など昨年6月以降、キャッシュレスを謳い文句に保険金を医療機関に支払う「直接支払いサービス」に乗り出しており、厚労省保険局は保険会社からの出向者を受け入れている。

 患者申出療養を商機とした新たな保険商品の開発・販売は想定内であり、保険外医療費のカバーや事故補償に備えた患者、医療機関の加入・対応の如何は今後に大きく影響する。

◆選定療養義務化は患者負担増の打ち出の小槌、入院時食事療養の次は部屋代の保険外し

 大病院の紹介状なし初診への5千円~1万円の定額負担に関し、実は再診患者が9割と圧倒的で、紹介状なしの初診患者は数%に過ぎず、外来機能分化、勤務医の負担軽減には資さず、無関係であることが国会でも追及された。実質は、医療機関の責務規定と選定療養(差額徴収)の義務化の合わせ技で強行した「受診時定額負担」の導入である。法案の附則2条には、「保険給付の範囲の見直しと必要な措置」が盛られており、責務規定に盛り込む規定内容により、主治医のいない患者、在宅医療を実施していない医療機関受診など、あらゆる受診時定額負担が可能となる。

 保険局長は、再診患者にも定額負担を求めるとしたが、逆紹介できない理由のトップが「医学的理由」、次いで「連携できる医療機関の不在」であり、経済的に無理を強行しては地域医療は壊れる。難病団体の代表が国会でも述べ、議員からもあったが、難病の確定診断まで「自力」で3~5カ所の大病院を訪れる例は3割あり、8カ所以上も数%ながらある。施策の妥当性を欠いている。

 入院給食も治療の一環でありながら、1食460円に引き上がり、1カ月入院で4万円強、高額療養費限度の8万円と併せ12万円の負担に上り、平均月収34万円の3分の1が吹き飛ぶ。部屋代の保険外しすら財務省が主張しだしており、入院医療は成り立たなくなる。難病患者からは年収200万円以下の世帯の1食の食事代への想像力を欠いているともっともな指摘がされている。在宅医療で対応できないから入院治療なのである。この点も、在宅との公平論も国会審議で完全に破綻している。

◆高等戦略を見破り、来る参院選挙で審判を

 これ以外にも、市町村国保の再編、国保の県による財政運営、医療費適正化計画の医療費「目標化」などなど、問題山積である。

 患者申出療養は臨床研究中核病院や実施計画を、選定療養の義務化(受診時定額負担)は大病院の勤務医の負担軽減を、各々、「煙幕」「おとり」とした「ひっかけ問題」となっていた。本丸は別であり、眩惑された医療界はこれを教訓とすべきだと思う。

 医療界は下駄の雪ではない。既に小泉内閣の毎年2,200億円を上回る、単純計算で毎年3,000億円を超える規模の社会保障費削減が見込まれる提案が財政審議会でなされ始めている。来る参議院選挙は大きな審判となる。与党の「良心」に訴えたい。われわれは、現在の政治潮流に批判が露顕した滋賀、沖縄、佐賀の知事選挙に続き、現役医師が医療再生を掲げ立候補した青森知事選挙の帰趨に熱い視線を注いでいる。

 改めて、今法案の成立に強く抗議する。

※本記事は、2015年5月28日付けの「理事会声明」として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://apital.asahi.com/article/news/2015053100021.html
大阪の病院汚職、技士7人を処分 飲食接待受ける
2015年5月31日 朝日新聞

 大阪市都島区の市立総合医療センターで起きた人工心肺装置納入をめぐる贈収賄事件に絡み、センターを運営する地方独立行政法人「大阪市民病院機構」は29日、贈賄側の業者から得た物品を隠したり、出入り業者から再三、飲食接待を受けたりしていたとして、技士7人を停職や減給の懲戒処分とし、発表した。

 発表によると、7人は医療機器メーカー側からパソコンなどを受け取ったとして収賄罪で有罪判決が確定した元主査(47)=懲戒免職=の部下だった。1994~2013年に少なくとも2~8回、元主査らとともに贈賄側を含む業者7社から焼き肉などの飲食接待を受けていた。

 さらに45歳の男性技士は元主査への賄賂だったパソコンやデジタルカメラを隠し、07年に業者に自宅の引っ越しを手伝わせたとして停職1年。37歳の男性技士は業者に有利に働く仕様書づくりに加担したとして停職3カ月、49歳の男性技士は接待のきっかけをつくったとして停職2カ月、ほか技士4人は減給とされた。

(朝日新聞 2015年5月29日掲載)



http://www.m3.com/news/iryoishin/326057
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”の初のガイドライン、医法協委が作成
医療法・施行規則に準拠、厚労省通知の“漏れ”も補完

2015年5月31日(日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医療法人協会の医療事故調運用ガイドライン作成委員会は5月30日、「医療事故調運用ガイドライン」の最終報告書をまとめ、公表した。6月6日の同協会医療安全部会で承認を得る予定。今年10月から始まる医療事故調査制度については、厚生労働省から5月8日に医療法施行規則と通知が出されている。その解説や運用の在り方についてのガイドラインが出されたのは初めて(最終報告書全文PDF:1.48MB)。
医法協常務理事を務める小田原良治氏。

 作成委員会委員長で、医法協常務理事を務める小田原良治氏は、医療事故調査制度を定めた医療法や施行規則に則ったガイドラインであることを強調。今後、医法協が「支援団体」として手を上げる場合にも、本ガイドラインを基に、現場の医療機関への支援を行っていくとした。医法協はこの4月に、ガイドラインの中間報告案をまとめていた(『医療法人協会、他に先駆け“事故調”GL案』を参照)。

 小田原氏が、ガイドラインのポイントの一つとして挙げるのは、調査結果報告書における「匿名化・非識別化」の重要性を強調している点だ。5月8日に官報告示された医療法施行規則(第1条の10の4第2項)では、病院等の管理者が、医療事故調査を終え、第三者機関である「医療事故調査・支援センター」に報告する際には、「当該医療事故に係る医療従事者等の識別(他の情報との照合による識別を含む)ができないように加工した報告書を提出しなければならない」と記載されているものの、5月8日付の厚労省医政局長通知では、この点の記載が漏れているからだ。「医療法や施行規則に則ったガイドライン」を小田原氏が強調するのは、こうした理由からだ。

 そのほか、小田原氏は、医政局長通知で触れておらず、ガイドラインで記載した点として、(1)医療事故調査・支援センターに報告する医療事故は、「過誤の有無を問わない」、(2)「支援団体」は、職能団体・病院団体、大学病院等、関係学会が、「医療事故の判断など制度全般に関する相談」「調査に関する具体的支援」を行う――を挙げた。

 (1)については、医療法や施行規則に規定はないものの、本制度を議論した厚労省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」の今年3月20日の取りまとめに含まれ、厚労省の5月25日更新の「医療事故調査制度に関するQ&A」の「Q2」に記載されている(厚労省のホームページを参照)。

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「医療事故調運用ガイドライン」が示す制度原則

原則1:遺族への対応が第一であること
原則2:法律にのっとった内容であること
原則3:本制度は医療安全の確保を目的とし,紛争解決・責任追及を目的としない
原則4:非懲罰性・秘匿性を守るべきこと(WHOドラフトガイドラインに準拠していること)
原則5:院内調査が中心で,かつ,地域ごと・病院ごとの特性に合わせて行うべきであること
原則6:本制度により医療崩壊を加速してはならないこと(範囲を限定すべきこと)
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 (2)も、厚労省検討会の合意事項であり、5月8日に厚労省医政局総務課が出した「支援団体の申出書」には、支援内容として盛り込まれている。

 作成委員会副委員長で、坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏も、「医師法21条と同様に、解釈の違いや誤解で現場が混乱することがあってはならない」とくぎを刺し、法令を的確に理解して対応する重要性を強調する。医師法21条については、東京都立広尾病院事件の2004年の最高裁判決で、「外表異状説」に基づく異状死体の届出であるとの解釈を示しているが、「診療行為に関連した予期しない死亡」などを届出対象と誤解している医療機関がある。
 施行規則でWHO準拠の「秘匿性」担保

 本ガイドラインは、A4判で69ページに上る。右図のような章立てで、医療法と医療法施行規則を引用しながら、解説している。「患者の死亡から報告までの流れ」「医療事故の定義についての基本的な考え方」「予期しなかった死亡と過誤」「管理者と現場の予期の違い」など、医療の現場で解釈に迷うと想定される点については、分かりやすく図説している。

 調査結果報告書の「匿名化・非識別化」の部分は、厚労省検討会の取りまとめでは、「匿名性の確保」となっていた。医法協の顧問を務める弁護士の井上清成氏は、施行規則を定める段階で、法律用語として通用する表現に変更されたと見る。

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「医療事故調運用ガイドライン」目次

1 .当ガイドラインが示す本制度原則
2.報告対象について
3.医療機関からセンターへの発生報告
4.医療機関から遺族への発生報告時説明
5.院内調査の方法
6.院内調査結果のセンター及び遺族への報告(非懲罰性・秘匿性)
7.院内事故調査の支援体制について(支援団体と支援内容)
8.センター指定について
9.センター業務について
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 「匿名化・非識別化」の場合、単に医療者の氏名を、「A氏」などと置き換えるだけでは不十分で、カルテなど他の情報と照合しても、医療者個人を特定できない形にすることが求められる。「容易に照合できる情報によって識別や特定できないように求める制度もあるが、今回の医療事故調査制度では、関連する全ての情報との照合による匿名化、非識別化を求めており、より厳格になっている。医療事故調査における秘匿性、非懲罰性を求めるWHOドラフトガイドラインを確実に遵守する、厚労省の姿勢の表れと言える」(井上氏)。

 従来のヒューマンエラーに着目した事故調査では、いくら調査結果報告書の書き方を工夫しても、「匿名化・非識別化」は容易ではない。「匿名化・非識別化」は、事故調査の手法を転換し、システムエラーの視点からの調査を求めるものと言える。井上氏は、「匿名化・非識別化しても、医療安全にとって実のある調査結果報告書にすることが努力目標」と語る。

 厚労省検討会では、遺族への説明の際、調査結果報告書を渡すか否かが議論になった(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。小田原氏は、施行規則で「匿名化・非識別化」を求めている以上、それが実現できない限り、遺族に渡すことはできない、と指摘する。「調査結果報告書を訴訟などの責任追及に使われる事例が出たら、医療安全を目的とする、本制度が瓦解する」(小田原氏)。



http://blogos.com/article/113847/
公立病院で裁判すると医学的に間違いなくても裁判してお金がもらえる?
中村ゆきつぐ
2015年05月31日 06:00 BLOGOS

 すこし困った裁判和解例がでました。(悪性なのに良性と誤診…がん性腹膜炎で死亡 患者側と国立病院機構が4千万円で和解)マスコミの取材が足りないだけかもしれませんがとても問題です。

 私の専門領域ではありませんが、解説します。

   >女性は17年7~8月、センターで検査を受け、
    膵臓(すいぞう)にできた嚢胞(のうほう)
    (液体がたまる袋)について、担当医から良性の
    「膵仮性(すいかせい)嚢胞」と診断された。


 おそらく人間ドック等でみつかったものだと思われますが、普通膵臓の嚢胞性病変をみた場合、仮性膵嚢胞を第1にあげることが多いです。

 ただ医学定にはそこから数ヶ月毎に画像検査をおこない大きくならないかを確認していきます。もし大きくなってきたら、手術を含めた侵襲のある生検検査をおこない診断を確定します。もし記事にあるように血液検査だけのフォローだけなら問題ですが、画像検査を年に1回程度行っていたとしたらそれは医療ミスではありませんし、誤診ではありません。

   >訴訟で遺族側は、17年当時の検査結果から、
    嚢胞を良性と判断したのは担当医の誤診だった
    と主張。漫然と経過観察するのでなく、悪性の
    可能性を考慮して嚢胞を切除するなどの適切な
    医療行為をしていれば、死亡は回避できたと訴
    えていた。


 その通りですが、もし17年の時に切除したとしたら、癌でないのに手術を受けた可能性も半分以上の確率であるでしょう。私も以前膵嚢胞の患者をフォローしていましたが、10年以上変化なく良性であったと推定しています。
 ここで推定しますと書いたのは、手術を含めて侵襲のある検査である生検をしていないからです。膵臓の組織をとる生検は結構合併症もおきます。だから丁寧にみていくのです

 17年当時は生検をしない限り診断はつきません。つまり誤診ではなく未診で、時間をかける事によって診断を確定するのです。

 手術前に破裂してしまった事は、本人にも医療者にも運が悪かったことと思います。患者さんやご家族にはお悔やみ申しますが、もし検査をちゃんとしていたのに誤診といわれ、病院側が医療的には考慮せず和解したとするのならとても残念です。

 それに比べるとこの事件は単純なミスですので医療者側の問題です。(腫瘍見逃し患者死亡 岐阜・大垣市民病院)

おそらく最初の事件も医療者側にミスがあったのかもしれませんが、もう少しマスコミの伝え方の進歩を望みます。


  1. 2015/06/01(月) 06:09:33|
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