Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月7日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45631.html
サブスペシャルティの専門医、議論これから- 先走らず慎重に対応を、循環器学会
2015年05月07日 17時00分 キャリアブレイン

 2017年度から始まる新たな専門医制度の創設に向け、基本領域の動きが本格化する中、先月、大阪市で開かれた日本循環器学会の第79回学術集会では、循環器の専門医制度に関する現状や見通しが示された。同学会専門医制度委員会の木原康樹委員長は、日本専門医機構から声掛けすらない状態であることを明かし、学会としていち早く情報発信していくので、先走らず慎重に対応するよう学会員らに求めた。【坂本朝子】


 新専門医制度は、19の基本領域とサブスペシャルティ領域の2段階構造となることが決まっており、循環器領域はサブスペシャルティ領域に入るとみられている。しかし、サブスペシャルティ領域の数や種類はまだ確定していないのが現状だ=関連記事=。

 「結論から言うと、あまりよく分かっていない」-。同学会専門医制度委員会の小委員会として発足した新専門医制度検討・構築委員会の吉川勉委員長はこう述べ、現状を説明した。

 新専門医制度では、▽研修施設群の組み方(基幹施設と連携施設で研修施設群を形成)▽認定期間(5年)▽研修期間の計算方法(研修施設群内で3年)▽研修プログラムの事前登録の必要性▽研修開始時のシステム登録の必要性▽臨床研修歴(研修施設群での3年以上の臨床研修歴および専門研修プログラムの修了)-などが、これまでの専門医制度とは異なる見通しだという。また、これまで必須だった日本循環器学会の会員歴は「必ずしも必要ではなくなる」とした。

 一方、循環器領域の専門医資格の受験のために必要な基本領域の資格に関しては、「現行制度を踏襲する方向で検討しているが、専門医機構からの意見もあると思うので現状は見えない」と説明。さらに、そこに総合診療専門医が加わるかどうかは現段階ではあくまで不明確だと強調した。

 スケジュールに関しては、循環器領域がどうなるかはまだ見えないとしながらも、基本領域の試験を受けた後からの開始となると23年度となり、「かなり時間のロスになる。少し前倒しにしてもよいのでは」という意見も出ているという。そのため、「恐らく厳しいと思うが、同時進行(17年度)での開始になっても対応できるよう学会として準備しておかなければならないと考えている」とし、開始時期はあくまで未定とした。

 現在、学会では、今年度中の整備を目指し、循環器専門医の医師像や研修カリキュラムの見直し、研修プログラムの整備基準の検討に着手しているという。吉川委員長は、「いち早く情報発信していきたい」との考えを示した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/317417
再転職希望は半々、「もっとチャレンジしたい」◆Vol.12
「ころころ変わりたくはない」という意見も

2015年5月7日(木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

Q28: 再度、転職したいと思いますか。
 医局を離れ、転職活動を経験している医局に所属していない医師163人に、再度、転職をしたいかを尋ねたところ、「したい」が82人、「したくない」が81人で、半々に分かれた。それぞれの理由は以下の通り。
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■したい

★スキルアップ

さまざまな施設での診療方法を学び、偏らない診療技術を身に付けたいため。
さらなるskill upのため。ただ、学年的には厳しくなってきていることは実感しています。
資格を全て取得できた段階で転職を考えています。
常に自分をより生かせる場に行きたいから。
もっとチャレンジしたい。
今の職場には満足しているが、いろいろな経験をしてみたいため。
より良いものがあれば転職したいです。ただ症例の蓄積が失われるのはよくないと思います。

★環境に不満
今の上司についていけない。通勤時間が長い。
今よりも優れた設備を有する施設で、職場環境もよいならば移りたい。
病院経営悪化。
病院の事務部門がしっかりしていなければ、いずれ病院がなくなってしまう危険性が高く、そうした場合には転職もあり得る。
経営陣の方針に違和感がある。
やりがいのあるところがいいですね。無駄に年をとって何にもしてないのに給料ばかりもらってる上を見ると腹が立ちます(笑)。
今の条件が気に食わない。
現在の職場に不満だから。

★働き方を変えたい
当直がつらくなってきている。
当直が厳しい。
非常勤だけでは困るので、常勤医になろうと探している。
条件次第で将来、開業も考えている。
あまり1カ所に長くいるのはよくないと思います。
自宅近郊の方が便利なので。
やはり何かを変えたい。

■したくない

ころころ変わりたくはない。
現状で満足しているから。
新しい施設で慣れるのに大変。
今、満足のいく業務内容、処遇であればよい。
今の職場環境が恵まれていると思うからです。
今のところは、今の勤務先に大きな不満が無いので。
現在の職場以上の環境がよいところはない、と思うのでよく分かりません。
現在の職場で今のところ満足している。
人間関係に苦労する。
現在の勤務に満足している。
現状に満足しているので。
今の勤務先は倫理的に離れづらい。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45635.html
群大など3病院、先進医療の新規患者停止を- 厚労省、8日にも要請
2015年05月07日 19時52分 キャリアブレイン

 患者の死亡など医療安全上の問題が発生している群馬大医学部附属病院と東京女子医大病院、千葉県がんセンターに対し、厚生労働省は7日、これら3医療機関が実施している先進医療について、新たな患者の組み入れ停止を求めることを決めた。先進医療の実施状況についての院内の自主点検実施とその結果報告も併せ、8日にも要請する方針だ。【丸山紀一朗】

 厚労省は7日の先進医療会議に、3医療機関に対して要請を行うことを提案、了承を得た。同省は先月の中央社会保険医療協議会の総会に、医療安全上の問題があるとされた医療機関による先進医療の実施についての対応方針を提案。今回の要請は、「先進医療会議等座長が個別に必要と認めた場合」に当たるとして行われるもの。

 3医療機関が先月1日時点で実施している先進医療は、群馬大医学部附属病院が13技術(Aは6技術、Bは7技術)、東京女子医大病院が2技術(A・B共に1技術)、千葉県がんセンターが4技術(Aは1技術、Bは3技術)となっている。

 群馬大医学部附属病院と千葉県がんセンターでは、腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が相次ぎ、東京女子医大病院では、ICU(集中治療室)で麻酔薬プロポフォールを投与された小児患者が死亡するなどしていた。



https://www.m3.com/news/general/318492
メーカー、医師会は警戒 欧州中心に先進国普及 「表層深層」薬価に費用対効果
2015年5月7日(木)配信 共同通信社

 治療上の効果が低ければ薬価を引き下げる―。医薬品の一部品目について2016年度以降、国がそんな判断を下すこともありそうだ。費用対効果を分析して医療政策に用いるのは欧州を中心に先進国の潮流だが、経営面で影響を受けるメーカーは戦々恐々。医師会も警戒感を隠さない。

 ▽次の改定

 4月11日、京都市で開かれた日本医学会総会。費用対効果を分析する「医療技術評価」(ヘルス・テクノロジー・アセスメント、HTA)の研究分科会で、厚生労働省保険局の幹部が発言した。

 「費用対効果の概念を次の診療報酬改定で導入しない、という方向の議論にはなっていない」

 回りくどい言い方だが、出席者は「厚労省はやる気だ」と受け止めた。

 新しい医薬品や医療機器は、公的医療保険への適用や公定の薬価を決める際、国が安全性と有効性を基準に審査してきた。HTAを使って経済効率性も評価しようという議論は国内でも1990年代からあったが、本格化したのは比較的最近だ。

 2011年4月、厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)の席上、遠藤久夫(えんどう・ひさお)・学習院大教授が会長退任のあいさつで「今後の課題として、費用対効果の議論をする必要がある」と言及。翌12年5月には中医協で費用対効果評価専門部会がスタートした。14年度の診療報酬改定でHTAに基づく分析指標の導入を目指したが、意見が集約できず16年度改定に持ち越された。

 ▽線引き

 後に遠藤教授は発言の意図を「医療費財源が伸びない中、高齢化と技術進歩が進んでいくと、どういうふうに(医療費の)伸びを抑えていくかが重要」と述べている。

 ある厚労省幹部が解説する。「がん治療、遺伝子治療など医療技術の高度化は著しい。患者を救える技術は保険適用を原則にしたいが、コストを考えた線引きは将来必要になる。再生医療の実用化が進めばなおさらだ」

 だが、こうした発想は「医療費抑制ありきの政策だ」と否定的に受け止められかねない。日本医師会(日医)が過敏になっているのを察した厚労省は早々に、対象を薬と機器に絞り、手術など医師の技術は対象外とした。日医の徹底抗戦で議論が滞るのを避けたのだ。

 一方、メーカーにとっては死活問題。日本製薬工業協会は「患者が必要とする医薬品を的確に医療の場に届けられなくなる」との声明を12年に出し、けん制した。

 患者団体「卵巣がん体験者の会スマイリー」代表の片木美穂(かたぎ・みほ)さんも「治療の選択肢を狭める仕組みになりはしないか」と懸念する。

 ▽QALY

 医療政策へのHTAの応用で、先駆けたのは1993年のオーストラリアだ。さらに99年、英国が本格導入したことで普及が加速。スウェーデンやフランス、ドイツなどが追随し、波は韓国や台湾、タイなどアジアにも及ぶ。

 評価の指標として注目を集めるのが英国のQALY(クオリー)。「質調整生存年」と訳され、医療技術を(1)患者の生存年数がどれだけ延びたか(2)健康状態や生活の質が向上したか―といった点を数値化して評価する。

 中医協でもQALYを採用するかどうかは論点の一つ。厚労省幹部は「延命効果の数値化などは日本人の死生観からは違和感があるだろう。国民の誤解を招かないような独自の指標づくりを目指したい」と話す。

 ※QALY(クオリー)

 医療技術を費用対効果の面から評価する代表的な指標。英国やノルウェー、ニュージーランドなど各国で広く使われている。ある医薬品や医療機器が既存の技術に比べ(1)寿命の延長(2)QOL(生活の質)の改善―の2点でどれだけ効果があるかを数値化し、経済効率性を評価。数値が低いと、公的医療の給付対象から外す国もある。



https://www.m3.com/news/general/318499
事故調制度に通じる課題 問われる安全管理体制 「表層深層」特定機能病院の承認取り消し
2015年5月7日(木)配信 共同通信社

 特定機能病院の承認取り消しが決まった群馬大病院と東京女子医大病院は、いずれも安全管理体制の不備が問題を深刻化させた。約3年半もの間、病院管理者に届かなかった患者の死亡情報。警察の捜査が進む中、医師らの態度硬化で第三者調査は難航した。10月に始まる医療事故調査制度に通じる課題も見えてくる。

 ▽情報集約

 2010年12月以降、同じ医師による肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた8人の患者が死亡していた群馬大病院。だが、こうした状況を病院長が把握したのは14年6月になってから。この間、医師の判断の妥当性や患者対応の在り方などが検証されずに手術が続けられていた。

 10月からの新制度は、手術などの医療行為に関し、事前に患者らに死亡リスクの説明がなかった死亡事案を「医療事故」として第三者機関に届け、院内調査を始めるよう定めている。「予期せぬ死亡の情報はすべて病院管理者に上がる。群馬大病院のような事案は起こらないはずだ」。ある厚生労働省幹部は、事故かどうかを管理者が一元的に判断する点を踏まえ、こう話す。

 だが省内には「現場の医師が意識を高めなければ、そもそも管理者に情報は集まらない」(医系技官)との声も。医療事故対応に詳しい医師も「当事者である医師が、あくまで手術に関連して発生した合併症であり、安全管理部門に報告するケースではないと判断してしまう事態は十分に起こりうる」と懸念を示す。

 新制度は、患者遺族の側からの申し立てで病院側が調査を始めることを認めていない。制度上は、群馬大病院のような問題が起きても、医療機関側が動かない限り、遺族側は身動きが取れない状況に陥る恐れもある。

 ▽防御姿勢

 一方、女子医大病院で昨年2月、鎮静剤プロポフォールを投与された男児(2)が死亡した事故では、院内調査への医師の対応が問題視された。第三者調査委員会は今年2月にまとめた報告書で「(ヒアリングの際に)過剰ともいえる防御的姿勢が認められ、調査を困難にした」と指摘。「記憶がない」「他の医師に聞いて」と説明を避ける発言が目立ったとした。

 病院関係者によると、警察は遺族から被害届を受け、昨年8月ごろ医師らへの聴取を開始。第三者調査委の報告書提出も求めており「警察に渡すことを前提に院内でのヒアリングを進めた結果、医師らが身構えてしまったのだろう」と悔やむ。

 事故調査をめぐる議論で、医療界がもっとも神経をとがらせてきたのは刑事責任追及の動きだ。この関係者は「制度開始後も警察の介入に対する一定のガードは必要。調査に協力が得られなければ、原因究明や再発防止が達成できない恐れもある」と不安を口にした。

 ▽実例活用

 医療事故で03年に長男=当時(5)=を亡くし、現在は新葛飾病院(東京)の医療安全対策スタッフとして働く豊田郁子(とよだ・いくこ)さん(47)は「新制度の内容は運用開始後も見直し続ける必要がある」と訴える。

 対象が「予期していなかった死亡事例」に絞られることへの不安。報告書を渡すことも含め、遺族側への説明が尽くされるかどうかの懸念...。豊田さんは「調査の前段として、患者へのインフォームドコンセントや、患者側の承諾のプロセスを記録する体制づくりも不可欠だ」とも指摘する。

 その上で、今回の問題のような実際に起きた事例から学ぶ姿勢が重要と強調。「患者側も参加しながら、再発防止に生かせる仕組みにしていくしかない」と話す。

 ※2病院の承認取り消し

 群馬大病院と東京女子医大病院に関し、厚生労働省は4月30日、高度医療を提供する体制が不十分として特定機能病院の承認取り消しを決定した。群馬大病院は2010年以降、腹腔(ふくくう)鏡手術で患者の死亡が相次いでいたことに組織として対応できず、問題発覚後の事故調査にも不備があったとされた。女子医大病院は、鎮静剤の禁忌情報が院内で周知徹底されていなかったほか、過去に1度承認を取り消されたのに組織改革が十分でないと指摘を受けた。



https://www.m3.com/news/general/318621
地域医療に関心を持って 香川県の三豊総合病院、10日に初の「まつり」
2015年5月7日(木)配信 四国新聞

 「皆でつくろう元気な地域~のぞいてみよう医療の世界~」をテーマに、香川県観音寺市豊浜町の三豊総合病院(安東正晴院長)で10日、「三豊総合病院まつり」が開かれる。さまざまなイベントや参加・体験型の展示を通じ、病院を身近に感じてもらう。

 施設を地域住民に開放することで、病院への理解を深め、地域医療や自らの健康に関心を持ってもらおうと、初めて企画した。

 当日は午前10時に、豊浜幼稚園児の出し物や豊浜中生徒の演奏で幕開け。午後1時から「にこにこ笑顔で健康生活」と題する落語家・桂こけ枝さんの特別講演があるほか、同病院医師が口腔(こうくう)ケア(同0時半~)や在宅医療・介護(同2時半~)について話す。

 子ども向けイベントとして、人気アニメキャラクターのバラエティーショーや手術室の見学、本物の機器を使った外科手術体験コーナー、白衣試着、薬剤師体験コーナーなどを用意。市内の福祉施設による鉢植えや菓子、弁当などのふれあいバザーもある。

 時間は午後3時まで。参加・駐車料金は無料。問い合わせは同病院〈0875(52)3366〉。



https://www.m3.com/news/general/318490
薬価決定に費用対効果 高額品で16年度試行 厚労省、医療費抑制図る 値下げの可能性も
2015年5月7日(木)配信 共同通信社

 厚生労働省は1日までに、医薬品の公定価格(薬価)を決める際、支払ったお金に見合う治療効果がどれだけあるかという「費用対効果」の指標を新たに導入する方針を固めた。2016年度の診療報酬改定で一部試行する。高度医療で使われる価格の高い薬が対象となる見通しで、一部は価格が下がる可能性もある。

 高齢化に加え、抗がん剤など医療技術の高度化に伴って医療費は増え続けている。新指標の導入は、薬剤費の伸びを抑制して国民負担を軽減する狙い。ただ、開発費の回収を危ぶんでメーカーが新薬開発に消極的になり、患者が必要な治療を受けられなくなる恐れも指摘される。

 薬価は現在、副作用がなく安全かどうか(安全性)と、有効な治療結果が得られるかどうか(有効性)を重視して決められている。費用対効果の指標導入で、経済的な効率性も考慮することになる。

 例えば、新たに開発された抗がん剤での治療に1千万円以上かかり、延命効果は数カ月といった場合に「その薬効に多大なお金を払う価値があるか」を数値化して評価。価値が低いと判断すれば薬価を下げる。対象は、代わりの治療法が既にある医薬品や医療機器で、具体的な品目や数は今後詰める。

 政府が昨年決定した成長戦略は、公的保険適用の可否判断に「費用対効果分析の導入」を明記。しかし治療に有効なのに経済効率の面から保険外とすると、薬の流通を妨げ患者の利益にならないとして製薬業界を中心に反対意見が強いため、16年度の試行導入では薬価への反映にとどめる。

 評価の指標としては、患者の延命期間や症状改善の度合いを評価する「QALY」(クオリー)を参考にする。英国の公的医療保険制度などで使われている指標だ。

 厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)が12年に専門部会を設置し、検討を続けてきた。昨年以降、メーカーからデータの提供を受けて分析を進めており、月内にも結果を中医協総会に報告する。

 ※薬価

 公的医療保険でカバーしている医薬品の公定価格。医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき品質面で問題ないと判断された医薬品は、製造販売の薬事承認を受ける。国は医師会などの意見を聞き、保険適用の可否を判断。適用可であれば、メーカーの希望価格を聴取した上で有識者会議に諮り、価格を決める(薬価収載)。新薬の収載は原則年4回。ほぼ2年ごとの診療報酬改定で薬価全体が見直される。約40兆円の国民医療費のうち、医薬品と医療機器の費用は10兆円規模。



https://www.m3.com/news/iryoishin/318137
シリーズ: The Voice
「紹介状なし初診」、大病院の外来の3%に過ぎず
5,000円徴収でも患者数に変化なし 選定療養の義務化に反対する

2015年5月5日(火)配信 桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

 紹介状なしの大病院受診に関し、実際に5,000円以上を徴収している大学病院で外来患者数の大きな変動に繋がっていない実例が過日、全国医学部長大学病院長会議の調査として報告された。この大病院受診の5,000~1万円の徴収「義務化」が国会審議中だが、目的とする外来機能の分化、勤務医の負担軽減のための外来患者数の削減は、この方策では成しえないことが実証された格好だ。われわれは、過度な患者負担により受療行動の変容を強要し、患者の受療権を奪う、選定療養(差額徴収)の義務化に反対する。

◆5,000円以上の差額徴収でも、外来患者数は顕著な減少は見せず

 全国医学部長病院長会議が実施した、紹介状なしでの大病院受診の選定療養の実態調査によると、選定療養での徴収額を一定期間内で5,000円以上に引き上げた実際例で外来患者数が「横ばい」と大きな変動がないことが報告された。具体的には東邦大医療センター大森病院は、紹介状なし患者の選定療養を14年4月に3,150円から3,240円に、14年7月には5,400円に段階的に引き上げた。3,240円とした3カ月間の平均外来患者数(1日)は2,330人、5,400円に変更後は15年1月迄の7カ月間の平均外来患者数(1日)は2,317人で「横ばい傾向」となっている。選定療養の徴収件数は42.6件から32.9件の減少を見せているが、当該病院の病床数の倍近い外来患者数は不変である。(メディファクス2015.4.13)。厚労省が適正とする病床数の1.5倍への収斂策としての実効は甚だ疑問である。

 また、調査では5,000円以上徴収している大学病院本院が全施設の33.7%(80施設のうち27施設:今年3月時点)を占めており、これら先行例に関し顕著な外来患者数の減少については何も聞こえてこない。

 外来患者数は大学病院、大病院で経年的にみると減少傾向にあるが、それは各病院の紹介率、逆紹介率の向上に向けた広報や具体的取組み、診療報酬での減算措置の影響が大きく、これに重ねて患者3割負担以降の受診抑制が家計所得の減少と相まって作用しているのが現場実態である。

◆事実上の「受診時定額負担」導入、一体改革の規定路線

 2011年7月の「社会保障・税一体改革成案」(閣議報告)では、消費税10%を前提にした社会保障改革の具体策が示されている。「充実」と「重点化・効率化」の両面で各項目をメニュー化し、所要額を組み込んだ工程表となっている。この枠組みは「一体」であり、綻びは一体改革の頓挫、財政的欠損となる。2015年の「重点化・効率化」には「受診時定額負担」の導入とされ、▲1,300億円が見込まれている。

 今回の紹介状なしの大病院受診の5,000円~1万円の「定額」負担の「義務化」は、その先鞭である。しかも、患者負担は3割を限度とした健保法附則への抵触から、差額料金の選定療養を活用しており、いずれ初診料・再診料を引き下げ、保険給付の縮小へと連動することは現行の診療報酬から容易に想像がつく。つまり、保険給付からの外出しの差額での補填、「保険外し」プラス「差額徴収(選定療養)」の形をとった事実上の「受診時定額負担」である。

◆医療機関の「責務規定」の応用はパンドラの箱

 選定療養の「義務化」の難題も、健保法で保険医療機関の「責務規定」(健保法第70条)をいじる荒業でクリアした。大病院による患者の他への「紹介」と、「機能分担」、「業務連携」の「措置」を義務づけ、その措置内容を「療養担当規則」に盛り込み、それを圧して紹介状をもたずに受診する患者から“定率負担の額を超える(選定療養に定める)金額の支払いを受けるものとする”旨も療養担当規則で規定。保険外併用療養の「掲示事項告示」で選定療養のメニューを追加することとしている。

 一体改革成案では、2015年は外来受診の適正化等で▲1,200億円が予定されている。2025年には外来患者数が現行ベースより▲5%(=36.3万人/日:年間7800万人~1.3億人)と、膨大な数が予定されている。人口減少約800万人を勘案しても膨大な数であり、予防・保健活動の健康維持・回復には限界があり、自ずと経済制裁による健康保険からの「排除」が透けている。

 このツールとして、今回の手法はあらゆるタイプの受診時定額負担を際限なく展開するパンドラの箱となる。主治医がいない患者の受診、医療事故補償の保険に未加入者の受診など、あらゆる可能性が考えうる。

 今改定の本丸は、この新たな患者負担増、給付削減の仕組みの導入にあると思える。

◆紹介状のない初診患者は外来患者の3% すり替えられている紹介の議論 ポイントは再診患者

 実は病院の外来患者の90.2%は再診患者である(2011.10.5中医協資料)。初診患者は9.8%に過ぎず、その紹介率の多寡に重きをおき論じられているが、外来機能の分化、役割分担を図るのなら、本来は再診患者の縮小がポイントとならないとおかしい。特定機能病院、500床以上の病院の紹介率は各々40.6%、31.8%(2013.9.30中医協資料)であり、紹介状のない初診患者は外来患者の3%程度にすぎないのである。

 再診患者を縮小するためには、大病院から診療所への「逆紹介率」を上げていく必要があるが、中医協の調査(2013年度)で、逆紹介率が上がらない理由のトップは「医学的に逆紹介できる患者が少ない」(19.3%)である。次いで「地域に連携できる医療機関が少ない」(17.7%)、「患者数を確保するなど、経営上の理由があること」(15.4%)の順であり、軽症者云々という話ではない。

 ちなみに初診患者の紹介率を上げるための課題として「選定療養をとっていても、紹介状を持たない患者が多数受診すること」(30.6%)がダントツで挙げられており、経済的な枷での受療行動の変容は限界があることが示されている。

 この調査では紹介率、逆紹介率を高めるための新たな取り組みとして、「地域で広報活動をした」(38.0%)がトップ、「ほかの医療機関と事前に連携を行うようになった(33.3%)」が第2位で、この二つが多数を占める。第3位は「紹介状が必要な旨をホームページ等で情報提供した」(18.1%)であり、「選定療養を増額した」(4.5%)は第7位で少数となっている。

 つまり、選定療養の金額をいまの任意徴収で平均2,130円(最高8,400円:2013.7.1現在)のものを、5,000円に増額し固定化し、義務化することは、機能分担や外来患者の縮小、紹介率向上とは殆ど関係のない施策なのである。

 体調の異変の度合いやその後を考え、患者は医療機関を選択している。待ち時間や職場を休務すること、重症化した場合など判断には様々な要素がある。病診の診療単価の比較を挙げ低いものは診療所へという議論もあるが、これは「結果」論であり、大病院での治療の経過の中での「断面」の数値である。患者の多くは待ち時間が長く、診療単価が高い大病院を理由があって選択している。

 われわれは、患者・医療機関を欺き、受診の際の定額の差額料金を義務化する、紹介状なしでの大病院受診への選定療養の義務化に、医療者として強く反対する。

※本記事は、2015年4月24日付けの談話として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20150507-OYTNT50194.html
医学部生向け修学資金増額 渥美病院勤務希望で
2015年05月08日 読売新聞 愛知

 田原市は、医師不足を解消するため、将来、市内の厚生連渥美病院に勤務する意思を持つ医学部生向けの修学資金を増額し、利用者を募集している。


 従来は医学部生や医学部大学院生に対して月額20万円を貸与していたが、4月から医学部生分を「月額30万円または同25万円」に増額して、渥美病院での勤務期間の希望などに応じた選択式にした。大学院生は同20万円。勤務期間によっては返済が免除されるという。

 15日までに、田原市のホームページからダウンロードできる申請書と必要書類を添えて同市健康課に提出する。書類選考と面接を経て若干名を選ぶ。

 医師不足が深刻な同市では3月から5月にかけて市内の3診療所が休診や閉院となるなど、拠点病院である渥美病院への負担が増しているという。担当者は「意欲のある人にぜひ応募してほしい」と話している。問い合わせは同市健康課(0531・23・3515)。



http://www.sankei.com/life/news/150507/lif1505070020-n1.html
手術実施時期を訂正 不正請求で千葉県がんセンター
2015.5.7 18:53 産經新聞

 千葉県がんセンターが保険適用外の腹腔鏡手術で診療報酬を不正請求していたとして、厚生労働省から戒告を受けるなどした問題で、センターは7日、不正請求があったとされた手術の実施期間を、平成21年10月から26年2月までに訂正すると発表した。

 センターによると、先月30日付で厚労省から指摘を受けた9症例の実施時期について、当初は21年11月から26年2月までとしていた。県の担当者は「資料を見誤っていた」としている。


  1. 2015/05/08(金) 06:03:22|
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