Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月23日 

http://news.biglobe.ne.jp/trend/0423/aab_150423_6829413974.html
免許の有効期限がない!医師たちが死ぬまで引退しない本当の理由
All About4月23日(木)20時45分

医師のライセンスには期限はありません。「何歳まで」とは決まってません。つまり「やろうと思えば死ぬまでOK」ってことなんです。

実際廃業というか、自ら返納する人はほとんどいないでしょう。途中で免許なくす人は、まー、大抵悪いことして取り消される人がほとんどでしょうね、っていう話をすると決まって、「いいなぁ、定年無くて、いつまでも稼げるんじゃん」といわれます。

正直医者やってる限りは常に知識を刷新しないといけないし、続けていくこと自体、そんなに楽ちんばかりじゃないんだけど、「免許の有効期限が無い」。これは事実。そういった意味では恵まれているのかもしれませんね。

正直「かなりぎりぎり」まで、現役として活躍している人も結構いるのも事実。70歳代の現役医師なんて、結構普通にいるし、80歳代の医師もちょくちょくいます。もちろん「勤務医」としてどこぞかに雇われて勤めていれば、いずれは「定年」はあります。ただ、そこを60歳とか65歳とかで定年退職しても、結構次の職もあるもんです。なので結局「ぎりぎり」まで働く人は多いですね。

でも最近少し風潮が変わってきた気がします。

以前、というか昔多かったのが、「初め15年くらいは大学にいて研究とか発表とかして、そこそこの病院に就職して、年とって退職したら残る余生はゆっくり開業医もしくは非常勤で産業医とかしてゆっくり勤務医」みたいなパターン。基本的には「自分の好きなだけ働いて、自分の意思で引退」みたいな感じ。

でも最近は世の中の長寿化高齢化と同じく、医師もやはり高齢化長寿化がすすんだことや、価値観の多様化からいろんな生き方を選ぶ医者が増えてきたので、上に書いたようなパターンを選ぶ医者も決して多くなくなりました。

初めに大学にしばらくいるのは、やはり当初は勉強が必要であることや、あわよくば「教授」とか、そこまでいかなくとも「講師」とか、それなりのステイタスを得るのを目指していた時代があります。少なくとも「医学博士」は大抵取るまで大学に所属していたことが多かったですね。

最近はそうでもなく、「いきなり開業する」のもいれば、「はじめっから海外にいく」のもいれば、「初めから病院に就職する」のもいます。

とか言ってる私も40代に開業していますしね。一昔前なんか40代で開業なんていったら「あー、お父さんの継ぐんですか? 若いのにたいへんですねえ」みたいな話でした。今では結構いますしね。

ということは、つまり「今はベテランになれば医者は仕事を選び放題……ではなくなった」ということなんです。

雇う医療機関側も一般企業と同じで、やっぱり「ある程度の経験があれば長く健康に働いてくれそうな若い医者の方が良い」と思うわけで、同時に応募があれば70代より40代、50代を選ぶわけです。

ということは「世代交代もある」わけで、いっくら自分が「まだまだわしゃ若い、まだまだ働けるぞう」と思っても、雇い側の医療機関が「いやもう最近休診も多くなったし、ちょっと……」と思われたら「勇退」となるわけです。

ただその「雇い側の感覚は、大体他もみんな同じ」ですから、どこぞかの医療機関とかで「先生、いやー長い間おつかれさまでした、ありがとうございました」となってしまうということは、他の医療機関でも厳しい、ということになります。

「医者として働くところがなくなる」ということは、「その瞬間に医者引退」となってしまいます。ライセンスがあろうがなかろうが、どんな本人が働きたくとも、ある日突然その日が来るわけです。100歳オーバーの某名誉院長先生なんかは特殊なケースです。

実際私の父が80歳代になって、そういうようになっています。

ぼけてもいないし、まだ働けそうなんですが、実際まわりが「いやいやいや、もう無理でしょ、あとはゆっくりしてください」みたいに決めてしまうのです。

正直「医者をしている人間にとって医者であることは生きてることに等しい」です。結構医者を引退したとたんにボケたり、大病したり、亡くなったり、そこで人生が終わってしまうケースも結構あります。

「医者を引退した後の第二の人生」というのはあまりききません。「不器用」というか「ばか」なんでしょうね、「医者ばか」というか。

私自身も「医者をやめる日」なんて想像したこともありません。たぶん「目が見えなくなる」とか、それこそ「死んでしまう」とか、物理的に医療が不可能になるまで、「ぎりぎり」まで医者を続けるんでしょうね。それはある意味「恵まれている」のではなく、「習性」「本能」みたいなものじゃないかと思います。

もちろん「体力」とかの問題はありますから、そういった意味では「現場や最前線は後進に譲る」ということはありますが、「年とったという理由だけで自分の意思で完全に医者自体をやめてしまう」ということはあまりないでしょうね。

そういった意味では医師というのは、「職業のような、人種のような」変な人の集まりなのかもしれません。

(たむこう38)



http://www.j-cast.com/tv/2015/04/23233795.html
名医に殺される!遺族に訴えられた「神の手」慈恵医大・大木隆生教授・・・手術のリスク説明手抜き?
2015/4/23 16:40  J-CAST ニュース

「医は仁術なり」といわれる。広辞苑には「医は人命を救う博愛の道である」ことを意味する格言とある。だが、このところテレビなどで取り上げられる「名医」たちは、難しい手術をこなせる「技術」にばかりスポットライトが当てられ、患者に対する「博愛」の精神が欠如している医者が多いのではないかと、『週刊文春』が特集を組んでいる。タイトルは「『名医』を疑え!」だ。
トップに挙げられたのは、人工血管「ステントグラフト」の第一人者とされ『神の手』を持つとNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」も特集を組んだ慈恵医大・大木隆生教授(52)である。慈恵を卒業した大木氏は、渡米して学んだ医科大学でステントグラフト治療(大動脈瘤などの手術で、折りたたんだ人工血管を脚の付け根から通して血管を補強することで瘤の拡大や破裂を回避する)により名を挙げて、2006年に帰国して慈恵医大の教授に就任した。
週刊文春によれば、その名医が手術した患者(死亡・当時74歳)の遺族から、8700万円の損害賠償請求訴訟を起こされているというのである。当該の患者の手術は10時間半にも及んだというから、相当な難手術であったようだ。手術の2日後に患者は亡くなっている。
訴訟に至ったのは、術前の説明「インフォームド・コンセント」が十分ではなかったためという。手術死亡率について、開胸手術では20%、ステントでは2~3%だと説明されていたと遺族側は主張している。しかも「未承認の機器」を使ったのでリスクが高いはずなのに、そのリスクに対する開示はなかったと言っているそうだ。
遺族側は、特注のステントグラフトを作製したメーカーが大木氏に「この特注品は試験をしておらず、予期せぬ危険が生じる可能性があることを、患者に対して必ず忠告しなければならない」と書いてある文書を入手しているという。
これだけでも大木氏の『博愛精神』に疑問があるが、これまでも手術室で大木氏はゴルフのクラブを振り回してレントゲン写真などを見るためのシャーカステンというディスプレイ機器を割り、全身麻酔の患者に破片が飛べば大惨事になっていた非常識な『事件』も起こしていたという。
大木氏は週刊文春の取材に、訴訟の事実は認めたが、こういっている。<「患者が亡くなった場合、全員が全員納得する医療を提供するのは至難の業です」>
このほかにも、群馬大学病院第二外科助教・須納瀬豊医師の腹腔鏡下肝切除術で8人が死亡したケースでは、群大病院側が「全ての事例において、過失があったと判断された」という最終報告書を出したが、週刊文春は第二外科の責任者である診療科長の責任も問われなければならないのではと追及している。
腹腔鏡手術を受けた患者11人が死亡した千葉県がんセンター、生体肝移植で4人が死亡した消化器疾患専門病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」なども取り上げている。
医療に詳しいジャーナリストの鳥集徹氏は「ダメな名医」の見抜き方をこう話す。<「名医と呼ばれながら事故を起こしてしまう医師に共通するのは、患者に『簡単な手術』などと説明して手術に誘導していることです。(中略)私がほんとうに名医だと思う医師は、必ず『他の医者にセカンドオピニオンを聞くべきだ』と口を揃えます」>
私の友人の外科医が「手術なんてさして難しくはない。大工仕事と同じだよ」と私にいったことがある。大工仕事を易しいといっているのではない。神の手などなくても一生懸命手術し、それでも助けられない命があるということである。
自分は名医などとふんぞり返っている医者にろくな者はいないのだが、そうした連中を、ラーメンランキングの如く、名医のいる病院などと特集を組んだり、それを売りにする単行本を出すからつけあがらせるのだ。
週刊文春は「失敗しない病院選びの最新5カ条」をあげている。(1)外科医は『エンジニア』(これは私の知人の外科医がいっていたことと同じ)(2)セカンドオピニオンに紹介状は不要(まったく違うクラスの病院やその地域と離れた病院へ行く)(4)質問・資料請求は遠慮せずに(これに応じない病院は?)(4)病院内の『空気』を読む(5)通える範囲に「かかりつけ医」を。人生持つべき友は医者と弁護士ですぞ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150423_11013.html
患者減 宮城県北の効果的な医療体制探る
2015年04月23日木曜日 河北新報

 宮城県は、県循環器・呼吸器病センター(栗原市)の在り方や他病院との機能分担などを検討するため、東北大病院や県北の基幹病院で構成する「県北地域基幹病院連携会議」の初会合を28日に県庁で開く。大崎市民病院開院など県北の医療環境の変化を受け、患者数が減少するセンターの効果的な体制整備を話し合う。

 センターを運営する独立行政法人県立病院機構や大崎市民病院、栗原中央病院、登米市民病院などが参加する。センターに医師を派遣する東北大病院や東北大医学部も加わる。
 会議を通し、結核や感染症への対策などを含めたセンターの役割や規模、県北全体の医療機関同士の機能分担と連携に関し、専門家の意見を聴く。開催数や設置期間は未定。
 センターは常勤医11人体制で一般病床と県内唯一の結核病床合わせ110床が稼働している。1952年に県立瀬峰療養所として開院後、県北の医療拠点の役割を担ってきた。
 患者数は年々減少し、2014年に大崎市民病院が移転新築されるとさらに流出。14年度は入院1万8717人、外来2万3836人と09年度の6~7割に落ち込み、経営環境が悪化していた。
 経営改善に向け県立病院機構は15年度から4年間の中期計画に、センターの在り方を見直す方針を盛り込んだ。中期計画は県議会2月定例会で可決された。
 県医療整備課は「他の医療機関との役割分担を踏まえたセンターの適正規模はどうあるべきか、連携会議のメンバーに意見を求めたい」と説明する。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/yakushiji/201504/541775.html?bpnet
連載: 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
夢の超特急に思う「医師支援用具」のお粗末さ

2015/4/23 薬師寺泰匡

 先日、JATECコースインストラクターのために金沢まで行ってきました。JATECってなんやねんちゅう話ですが、JATECはJapan Advanced Trauma Evaluation and Careの略で、日本版の外傷初期診療ガイドラインのことです。外傷患者さんをいかに救命するかというガイドラインになっています。

 このガイドラインの内容を実践して体で覚えるための教育コースが、JATECコースです。とにかくABC(気道、呼吸、循環)の評価と確保ができるように、2日間みっちり勉強できます。今回は当院研修医も受講生として参加したのですが、そのお話はまた別な機会に書きたいと思います。

めんどくささは吹き飛ばされる「ありがとう新幹線!」

 そんなわけで、金沢まで行きました。たまたま同じ日に大学の部活動の新歓コンパをやっていたので、そのまま富山にも向かってみようかと考えました。大学時代の部活に久しく顔を出せていなかったので、お世話になった顧問の先生に会ったり、かつての仲間や後輩の活躍を聞いたり、頑張っている現役部員の姿を見てこようかなと思ったわけです。普段はなかなか北陸まで出向けませんから…。さて、金沢・富山と言えば現在とてもホットな話題があります。

 そうです!北陸新幹線です。

 金沢~富山間はもともとJRの在来線とサンダーバード号をはじめとする特急列車が走っておりましたが、この度の北陸新幹線開業に当たりJRは金沢~富山間の在来線営業から手を引いてしまいました。今はIRいしかわ鉄道線という鉄道会社と、あいの風とやま鉄道という第三セクター鉄道会社が運営する路線のみとなっています。大阪から富山まで走っていたサンダーバードがなくなってしまい、本当に富山に行きにくくなったのです。JRを使って富山に行くためには、まず大阪から金沢までサンダーバードで行ってから、新幹線に乗り換えなくてはならなくなりました。

 めんどくささとさみしさも感じますが、新しい新幹線車両に対する興味も大変強い僕は、少しだけ前のめりな気持ちで新幹線に乗り込むのでした。


 さて、北陸新幹線(E7系、W7系)です。開業したばかりの新幹線車両ということもあり本当にきれいでした。サンダーバードと比較すると、乗り心地も最高です。何より、金沢と富山の間を20分程度で結んでくれます。あまりの早さに、「めんどくさい」という気持ちは全て消え、完全に「ありがとう新幹線、すばらしい新幹線、また来るよ新幹線」と感動していました。あとはこれが大阪まで通ってくれたら…。

 ともかく、富山の仲間の顔を見ることができ、新しい新幹線にも乗れて、気持ちよく金沢と富山を往復できました。

 新幹線といえば、実はちょうど1年ほど前に、JR東日本が全ての新幹線と特急電車に医師支援用具を搭載すると発表しました。飛行機なんかで「この中にお医者さんはいませんか?」でおなじみの急病人の発生は、新幹線でも年間数百例起こるようです。居合わせた医師が、より迅速な対応ができるよう配備されたようです。

「死亡診断セット」と揶揄された用具セットの中身

 幸い僕自身はいまだそういう状況に遭遇したことはないのですが、そういう状況でも適切な対応ができたらいいなぁと思い救急を志した一面もあります。オフでも働きなさいと言われているようで無言のプレッシャーを感じてしまわなくもないのですが…。急病人がなんとか安全に病院にたどり着ける手助けができれば救急医としてはたぶん嬉しいものです。

 で、その医療用具とは以下の通りです。
(1)聴診器
(2)血圧計
(3)パルスオキシメーター
(4)ペンライト
(5)舌圧子
(6)アルコールシート
(7)簡易手袋
以上。

 これは…。僕たちに何を求められているのか理解するのがなかなか難しいところです。相手に触れられなくては話にならないので、手袋はありがたいです。聴診器とパルスオキシメーターがあれば気道と呼吸の評価ができ、身体所見と血圧計を頼りに循環の評価もある程度できそうです。ペンライトもあるので瞳孔径も評価できます。というわけで、評価をするための道具が勢ぞろいしております。

 ただし、医師として何かこれで対応ができるかというと難しいかもしれません。前述のJATECコースの教育通り、大事なのはABCを適切に評価して確保することです。評価だけでは人は助けられません。まぁ舌圧子を使えば指が折れた人のシーネ固定ができたり、薬を塗ってあげたりできるかもしれませんが、1分1秒争ってやる必要があるほどのことでもなさそうです。評価のための道具しかないということで、ネットでは発表当時「死亡診断セット」などと揶揄されていました。

国際線の飛行機ほどの装備は不要?

 とはいえ、突っ込んだ道具を用意したところで、使う機会がなかったり使える人がいなかったりということがあるかもしれません。医師としても、助けに行ったものの助けられなかったために逆に訴えられて――とかいうリスクを考えて物怖じしてしまう部分もあるでしょうし…。用具を置くとしてもこれが精一杯の対応かもしれません。

 またどこかの機会で書こうかと思いますが、国際線の飛行機などには潤沢な医療用品が置かれています。ただ、新幹線にも同じものを置けばいいのにとは思いません。飛行機は何時間も着陸できないことを考え、ある程度そこで完結する必要があるかもしれませんが、新幹線であれば最寄り駅で停車して救急搬送することが可能です。

 ということで、新幹線の医療グッズが日の目を見る機会はなかなかなさそうです。もちろんそんな機会がないのが一番ですけど…。

 実際に新幹線の医療用具を使用した事例があったとしたら、どんな事例にどんな適用をしたか知りたいです。

まとめ
・外傷初期診療を学ぶJATECコースに行ってきた
・ついでに北陸新幹線に乗った
・新幹線には医療用具が装備されたけど、評価しかできないので過信は禁物



http://www.asahi.com/articles/ASH4R5QN0H4RUTFL00G.html
聖マリアンナ医大、過去10年調査へ 資格不正取得問題
2015年4月23日23時28分 朝日新聞

 川崎市の聖マリアンナ医科大学病院の医師が「精神保健指定医」の資格を不正取得した問題で、病院側が23日、今後の対策などについて厚生労働省に報告した。報告を受けた厚労省は実態把握が不十分だとして、改めて徹底した調査を指示した。

 報告後、会見した尾崎承一病院長は、指定医の取り消し処分を受けた医師らの聞き取りでは、不正取得の経緯をまだ十分解明できていないと認めた。今後、医師20人を処分した厚労省の調査(今年1月までの過去5年間分)よりさらにさかのぼり、カルテが保管されている約10年間の不正の有無を調べるとした。神経精神科のOBら約60人にも不正がなかったかアンケートを実施。調査がまとまり次第、厚労省に改めて報告するという。

 厚労省は今後、資格の不正取得で処分した20人の医師について、医師法に基づく業務停止などの処分も検討する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/314965
シリーズ: 始動する“医療事故調”
日本医療安全調査機構、“事故調”の準備着々
過去10年間のモデル事業239例も総括

2015年4月23日(木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医療安全調査機構は4月22日、2015年度の第1回運営委員会を開催、今年10月からスタートする医療事故調査制度における第三者機関である、「医療事故調査・支援センター」として手を挙げるべく、さまざまな準備を進めていることを報告した。

 運営委員会の座長を務める、東京大学法学部教授の樋口範雄氏は、委員会の冒頭で、「新たな制度の医療事故調査・支援センターを担うのは、他にはないという覚悟で、粛々とやっていきたい。これまで機構でやってきたモデル事業(診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業)を総括し、次につなげないといけない」と挨拶、意気込みを見せた。

 日本医療安全調査機構は現在は一般社団法人だが、公益法人の申請を昨秋に内閣府に対して行い、この5月には認可が下りる見込みだという。既に同機構理事会で了承された2015年度予算では、厚生労働省の医療事故調査・支援センターに対する補助金である5億3900万円を収入として見込んでいる。院内調査ガイドライン(1、2カ月以内に公表予定)、医療事故報告に関する相談体制をはじめ、医療事故調査・支援センターに必要な体制整備のほか、(1)院内調査マネージメントコース(7月以降、全国7カ所で実施予定)、(2)院内調査指導者養成コース(9月)、(3)医療事故調査制度の説明会、講演、広報資料等による周知活動――などの実施も予定している。

 さらに、モデル事業の在り方も見直し、9月までの半年間は、新制度に近い院内調査中心の「支援型」調査を、パイロット的に10事例程度実施する予定。「10月からの仕組みを先行してやっていきたい」(樋口氏)。モデル事業がこれまで実施してきた、第三者機関が調査する「従来型」と、第三者機関が院内調査への外部委員の派遣や報告書の検証などを行い、当該医療機関とともに調査する「協働型」についての新規受け付けは、ストップする。

 22日の運営委員会では、2005年度から日本内科学会で、2010年度からは日本医療安全調査機構で実施してきた、モデル事業の総括案も了承した。過去10年間に実施した計239例の実績のほか、医療事故調査制度についてさまざまな提言を盛り込んだ内容だ。調査結果の報告・遺族への説明については、「遺族と医療機関が事実を共有することが原則であり、そのためには口頭での説明だけではなく、報告書の交付が望ましい」とし、特に院内調査結果の報告書交付について、「報告書作成時における記載方法に留意し、事実と専門的評価を伝えるという原則を基本とした対応が重要である」とした。報告書交付は、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」で最後まで議論になった点だ(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。樋口氏は、「総括をできるだけ早く公表して、医療事故調査制度の中で生かしてもらいたい」と述べ、同機構理事長の高久史麿氏も、「早急にホームページで公表した方がいい」と述べ、モデル事業の経験を新制度に生かしたい意向を示した。

 機構には厚労省退職者が入る可能性も

 運営委員会では、本機構中央事務局長の木村壮介氏が、モデル事業の総括案、2015年度の予算や事業計画などについて説明した。

 医療事故調査・支援センターは、厚生労働省が公募し、厚労大臣が指定する。まだ公募は始まっていないが、センターとして指定された場合に想定される運営形態として、木村氏は「日本医療機能評価機構が、委託を受けて、病院機能評価事業、医療事故情報収集等事業、産科医療補償制度運営事業をやっているのと同様になる」との見通しを説明。日本医療安全調査機構という名称は変わらず、機構の業務の一部として、センター業務を受けることを想定している。「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之氏が、「厚労省がどのくらい関与するのか。あまりにも関わってきたら問題」と質問。木村氏は、「民間の組織として存在するので、厚労省は関係ない」としつつ、類似の公益性の高い組織と同様に、厚労省を退職した人などが入ってくる可能性はあるとした。「行政とのパイプ役として機能すればいいが、管理される形になるのは問題」(木村氏)。

 日本医療安全調査機構の予算は、厚労省の補助のほか、同機構の社員・団体の会費(基本領域の学会20万円、サブスペシャリティの学会10万円)や助成金、寄付金などで賄う。

 「支援型」調査、費用は各医療機関の負担

 この4月から9月まで、「支援型」の医療事故調査を行う理由について、木村氏は、「次の制度に滑らかに移行するためにも、(医療事故調査が)途絶えることはよくない」と説明、最近のモデル事業で「協働型」が増えてきたのも、新制度をにらんでのことだという。

 「支援型」の調査では、(1)解剖、(2)外部委員の参加、(3)院内調査の具体的な方法――について相談に応じるほか、院内調査結果報告書(案)について、中立・公正な立場で確認し、医学的妥当性等の観点からの見解を伝える。

 ただし、問題となるのは予算だ。従来は日本医療安全調査機構の予算で、調査費用を賄ってきた。しかし、この「支援型」についての予算は確保されていないため、各医療機関の負担で行う。調査にかかる費用は、実費で負担してもらうほか、機構への調査申請費用として、10万円を求める。

 「再発防止策、個別事案でも必要」

 運営委員会では、10月からの医療事故調査制度についても議論になった。その一つが、センターにおける調査分析と再発防止策の検討。木村氏は、厚労省の通知案を踏まえ、「一例一例について、医療機関に返すのではなく、事例を集積し、一般化・普遍化した形で再発防止策をまとめる」と説明。

 これに異論を唱えたのが、弁護士の鈴木利広氏。医療法上では、「収集した情報の整理および分析を行う」となっているとし、そのあり方は省令ではなく、通知で規定され、「まだ決まっていない」と指摘。その上で、鈴木氏は、「限定的に考える必要はないのではないか。仮に通知で、集積した事例の分析に軸足を置くとしても、個別事例について分析してはいけないとなると、医療安全につながっていかないのではないか」との考えを述べ、個別事例の再発防止策も検討すべきとした。

 永井氏も、鈴木氏の意見を支持したほか、(1)センターは、遺族あるいは現場の医療者からの相談を受ける、(2)解剖費用などを負担する仕組みを作る――などを求めた。

 これらの意見に対し、木村氏は、「内部告発もあるので、もう少し考える必要があるかもしれない。センターは、遺族から相談を受けた場合には、医療機関に伝えないといけないと個人的には思っている」との考えを示し、費用については当事者や遺族に負担がかからない配慮することが必要とした。

 モデル事業、「従来型」は平均11.1カ月

 モデル事業の総括は、事業の概要や実績、医療事故調査制度への提言をまとめた内容。2015年3月現在、9つの地域事務局を置き、計12の都道府県で実施している。

 過去10年間で357事例の相談があり、うち遺族の解剖への承諾が得られなかった事例などを除き、239事例の調査を実施した。評価を終えた事例のうち、遺族の了解が得られなかった10事例以外の187事例については、評価結果概要を機構のホームページに掲載している。

 依頼した医療機関は比較的大規模な施設が多い。診療科別では、消化器外科(16.4%)が最も多く、死亡に至る経緯としては、手術等が48.3%で全体の約半数を占めた。モデル事業は、解剖を前提としている。2010年度から2012年度までに評価を終了した73事例では、計60事例(88%)において「死因究明、原因究明において調査解剖が大きく貢献している」と総括。

 申請受付から、遺族と医療機関への説明会開催までの期間は、「従来型」は平均11.1カ月、「協働型」は、協働調査委員会に加え、中央審査委員会を開催するために平均15.8カ月かかった。費用は、「従来型」が約90万円、「協同型」は約51万円だった。

 そのほか総括では、事例受付から、調査の在り方、評価結果説明に至るまで、モデル事業で培った経験をまとめている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150423-OYT1T50134.html
女性体内に24年間チューブ置き忘れ…病院謝罪
2015年04月23日 21時05分 読売新聞

 長崎大学病院(長崎市)は23日、24年前に泌尿器科で長崎県内の女性(当時30歳代)を手術した際、体内にシリコン製のチューブ1本(長さ約10センチ、直径1センチ)を置き忘れていたと発表した。


 女性の体調にチューブが原因とみられる異常は確認されていないという。病院側は女性に謝罪した。

 発表によると、女性が昨年12月、同病院でコンピューター断層撮影法(CT)検査を受けた際、膀胱ぼうこう近くにチューブのような陰影が確認された。同病院で調べたところ、1991年に泌尿器科の手術を受けていたことが判明。手術の際に体液などを排出するためのチューブを2本使っていたが、1本について取り出した記録が残っていなかった。

 女性は2010年10月にも、同病院のCT検査でチューブのような陰影が確認され、放射線科の医師が電子カルテに所見を記入していたが、泌尿器科の医師がカルテの記載を見落とした。

 病院側は今年1月、女性に経緯を説明して謝罪。チューブの除去については、全身麻酔が必要で危険を伴うため、様子をみて対応を考えるという。

 宮崎泰司副病院長は記者会見で「患者の方、ご家族にご迷惑をかけ、深くおわびする。今後は医療安全態勢の強化を一層図っていく」と陳謝した。


  1. 2015/04/24(金) 05:47:00|
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