Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月20日 

http://mainichi.jp/select/news/m20150421k0000m040035000c.html
腹腔鏡:千葉県がんセンターと群馬大病院 認定取り消し
毎日新聞 2015年04月20日 19時05分(最終更新 04月20日 19時09分)

 ◇日本肝胆膵外科学会 手術で複数患者死亡で

 腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた複数の患者が死亡した問題で日本肝胆膵(かんたんすい)外科学会は20日、千葉県がんセンター(千葉市)と群馬大病院(前橋市)について、難易度が高い手術を行う施設としての学会の認定を取り消したと発表した。

 両病院で患者が死亡した手術を担当した医師と上司の医師それぞれ2人、計4人の指導医資格も取り消した。

 同日出した声明で学会は両施設について「現状で(認定に)ふさわしくないと判断した」とし、4人の指導医は「安心して指導しうる者としては不適切」とした。

 学会は2008年に技能専門医制度を設け、年間30件以上の難しい肝臓手術などを行う病院を「修練施設」と認定している。(共同)



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1504/1504061.html
胃がん検診GL,内視鏡検査を対策型・任意型検診に推奨
国立がん研究センター

[2015年4月20日] Medical Tribune / MT Pro

 国立がん研究センターがん予防・検診研究センターは公式サイトで「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン(GL)」2014年版を発表。胃内視鏡検査を「複数の観察研究で死亡率減少効果を示す相応な証拠がある」として,対策型・任意型検診に推奨した。推奨の裏付けとなる「証拠のレベル」「推奨グレード」ともに従来から対策型検診として推奨されている胃X線検査と肩を並べた。

50歳以上,検診間隔は2~3年

 前回GL(2005年版)では胃内視鏡検査については「死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分」と判定。対策型検診としては推奨せず,任意型検診として個人の判断で検診受診のための情報提供を行うべきと記載されていた。

 今回,新GLで示された胃内視鏡検査による胃がん検診の推奨内容は次の通り。検診開始年齢と推奨グレードは胃X線検査と同様だが,検診間隔や実施施設の要件に関する但し書きは異なる。

【胃内視鏡検査(証拠のレベル2+,推奨グレード2)】

 複数の観察研究において死亡率減少効果を示す相応な証拠がある。不利益については偽陽性,過剰診断の他,前処置の咽頭麻酔によるショックや穿孔・出血などの偶発症があり,重篤な場合は緊急性を要する。対策型検診・任意型検診としての実施を推奨する。検診対象は50歳以上が望ましく,検診間隔は2~3年とすることが可能である。ただし,重篤な偶発症に迅速かつ適切に対応できる体制が整備できないうちは実施すべきでない。さらに,精度管理体制の整備とともに,不利益について適切な説明を行うべきである

(出典「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」2014年版)

 その他のペプシノゲン法,ヘリコバクターピロリ抗体,両者の併用法については死亡率減少効果が不明で,対策型検診としては推奨されず「適切な説明に基づく個人の受診は妨げない」と記載された。

胃X線検査の受診率は低迷「今後検診システムの維持が困難に」

 新GLでは,従来行われている胃X線検査について「受診率が低迷している他,今後検診システムの維持が困難になる」と予想。さらに胃内視鏡検査の普及後に行われた症例対照研究では,胃X線検診による死亡率減少効果は胃内視鏡検査に比べ小さいとの評価が示されている。

 今後の研究課題として胃X線検査については「継続には死亡率減少効果の大きさを再検証すべき」,胃内視鏡検査については「死亡率減少効果について引き続き評価研究を行うべき」などとされた他,40歳代への推奨を検討するにはピロリ菌感染率などの基礎資料の蓄積が必要との見解が示された。また,従来の2次(再発)予防だけでなく,1次(初発)予防を含む新たな評価方法やシステム構築を考慮しなくてはならないと指摘している。

(坂口 恵)



http://resemom.jp/article/2015/04/20/24150.html
医学生の9割が「将来に希望」、3割は「授業内容に不満」
2015年4月20日(月) 14時00分


医学部の勉強・学習と自分の未来
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医学部の学習・授業について、将来の有用性
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医学部の授業・学習への満足度
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医師としての将来の希望
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 医学生の多くが、大学での学習と将来のキャリアについて肯定的だが、約3割の学生が授業内容が妥当でないと考えていることが、現役医学生を対象とした調査で明らかになった。

 調査は2014年6月10日から7月5日、日本医師会総合政策研究機構が医学部医学科の学生1,309名を対象にキャリア意識の実態把握を目的に実施した。

 「医学部の勉強・学習に取り組むことで自分の未来がひらける」と感じる医学生は、「強く感じる」19.9%、「まあ感じる」53.7%を合わせて73.6%。「医学部での学習や授業が医師になってから役立つ」と感じる医学生は、「強く思う」24.1%、「まあ思う」57.4%を合わせて81.5%という結果になった。

 また、 「医師としての将来に希望を持っているか」との質問では、「強く持っている」29.3%、「まあ持っている」57.5%と、86.8%の医学生が将来に希望を抱いていることがわかった。

 医学部での学習を、将来の医師としてのキャリアに肯定的に関連づける医学生が数多くいる一方、「医学部での授業・学習の内容について満足しているか」との質問に「妥当」と回答した医学生は10.8%、「まあ妥当」は56.2%で、おおむね満足と感じている医学生は約3分の2(67.0%)だった。

 授業内容を「まったく妥当でない」と答えた割合は4.0%、「あまり妥当でない」23.6%と合わせると27.6%となり、医学部の授業・学習への満足度が低い学生が3割近くいることがわかった。
《勝田綾》



https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/314087/
「必要執刀数の上積みを」、若手が提言
日本外科学会定期学術集会、「若手外科医から見た新しい専門医制度」

2015年4月20日 高橋直純(m3.com編集部)

 第115回日本外科学会定期学術集会で4月16日、特別シンポジウム「若手外科医から見た新しい専門医制度」が開催された。登壇した後期研修医から指導医までの4人は必要症例数の上積みや認定基準の精緻化を求めた一方、司会を務めた外科学会の重鎮らは「非常に頼もしいが、外科志望者が減る中で果たして一般的な意見なのか」と疑問を呈する場面もあった。
「地域医療に混乱ないよう準備進める」

 最初に日本専門医機構理事長の池田康夫氏が「新専門医制度の方向性と日本専門医機構の役割」と題して講演。2015年度から学会認定専門医の更新作業と初期研修医に対する19基本領域の研修プログラムの提示、2017年度から新制度による後期研修の開始、2020年度以降に新制度の専門医の認定が始まるとするスケジュールを提示した。更新に際しては診療実績や学会参加、学術業績に加え、医療安全や医療倫理、感染対策などの共通講習や領域別講習を取り入れる考えも示した上で、「地域医療に混乱を来すことがないよう準備を進めたい」と話した。

 東京ベイ浦安市川医療センター外科の奥村賢治氏は「当院におけるACGME方式外科研修プログラム」と題して、ACGME(米国卒後医学教育認定評議会)の規定に準拠した研修プロクラムを紹介した。研修期間は、初期研修を含まずに5年間で、目標執刀数は500例としており、将来的にはACGMEの規定の750例を目指すとしている。米国のレジデントが毎年受験する到達度テスト(ABSITE)の受験を義務付けたり、各年次で評価を通知し「レジデント・オブ・ザ・イヤー」を選出したりするなど、段階に応じたマイルストーンを設定している。

 奥村氏は「日本では共通した研修プログラムがなく、どの時点を持って一人前の外科医になったのが曖昧。修了時には「総合外科医」を育成できるプログラムが必要では」と述べた。

 「新しい外科専門医制度への期待―外科後期研修医の視点から―」と題してスピーチした三菱京都病院消化器外科の田中崇洋氏は、施設によって教育への温度差があると指摘。自身の経験を示しながら、研修施設の集約化やプログラムの標準化が不可欠とし、特に執刀症例・入院患者症例に関しては、より細分化した基準を設けるべきと述べた。
研修のために医局制度を改革

 金沢大学消化器・乳腺・移植生成外科の牧野勇氏は「若手外科医が外科専門医・サブスペシャリティ専門医研修を合理的に行うためのシステム構築:新専門医制度導入に向けた金沢大学の取組み」と題して、同大外科の改革を紹介した。これまでは初期研修後に2つある外科系講座 のどちらかに入局する仕組みだったが、現在は3年間はどちらにも所属せず、前半の1年半は大学病院、後半は関連病院を3施設回り、研修するようにしたという。両外科を調整する中立機関として外科専攻医支援機構を設立し、プログラムの作成や配属調整、指導医に対する助言や指導などを行う機能を持たせた。牧野氏は「新制度導入をよい機会として、制度改革に取り組んでいる」と報告した。

 沖縄県立中部病院外科の村上隆啓氏は「これからの外科専門医制度と外科医教育:地方一般病院からの見解」として、地域の人口、疾病構造、医療施設状況に応じた、外科専門医、修練施設の指定と調整が必要と指摘した。初期臨床研修では全国的に知られる同病院の研修プログラムを紹介。歴史的経緯もあり1968年から米国式の研修プログラムを実施しており、5年間のプログラムでは一般外科の中で、外科分野を一通り学んだ後、離島の中核病院で勤務することが求められる。「朝から晩まで365日行うことで外科医になれる」と話した。

 最後に、後期研修中の市立函館病院心臓血管外科の柴田豪氏は「僕が願う専門医制度―心臓血管外科専門医制度について―」を説明。現在のカリキュラムは患者から信頼される標準的な医療が行える心臓血管外科医になれるか不安があるとして、最低執刀数の底上げや、早くからサブスペシャリティである心臓血管外科のトレーニングを受けられるようにしてほしいと要望した。

外科医志望が減っている原因は?

 登壇者らによるディスカッションでは、司会を務めた外科学会専門医制度委員長の北川雄光氏(慶応義塾大学一般・消化器外科教授)が「専門医プログラムを決める中でハードルを上げすぎないようにしようと議論していた。果たしてみなさんはマジョリティか」と問題提起。外科志望者が減っている現状について、演者に意見を求めると「女性医師の増加」「リスクを回避したい、自分の時間を持ちたいという学生が増えてきた」という声が出る一方、「志望者の質は昔と変わらない」「専門医制度がしっかりすれば増える」という意見も出た。

 同じく司会を務めた東京女子医科大学消化器外科教授の山本雅一氏は「一人前の総合外科医になれという意見があったが、専門と総合のどちらに力を入れたいか」と質問。村上氏は「当院で一般外科をやった後で、他院でサブスぺシャリティに集中する期間を求めている。最近は合併症の患者が多いので、多くの領域を経験していることで、(専門)領域の先生に話をつなぎやすい」と指摘。他2人も総合的な経験を重視する中で、唯一、柴田氏が「心臓血管外科ではなかなか手術ができない医師が多い。少しでも早く一人前になりたい」と訴えた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45507.html?src=recom
7対1届け出病床の減少続く- 昨年11月調査、10対1病床は1万超減
2015年04月20日 18時07分

 昨年11月時点の一般病棟7対1入院基本料の届け出病床は36万6510床で、同年5月時点と比べ7558床減ったことが日本アルトマーク(東京都中央区)の調査で分かった。同社が半年ごとに実施する調査では、同入院基本料の届け出病床数の減少は2回連続。【佐藤貴彦】

 同社によると、昨年11月時点で一般病棟入院基本料を届け出ていた病院数は5123施設(前回調査比56施設減)。7対1は1551施設(同68施設減)だった。そのほか、10対1が2153施設(同34施設増)、13対1が412施設(同9施設増)、15対1が866施設(同22施設減)などだった。

 一方、病床数は7対1が最多の36万6510床で、前回調査から減ったものの一般病棟入院基本料の届け出病床の約6割を占めた。10対1は17万8486床で、前回調査と比べ1万601床減少。13対1は2万2404床(同120床減)、15対1は4万5629床(同1694床減)だった=グラフ、クリックで拡大=。

■地域包括ケア病棟は半年で2万床超える増加

 昨年11月時点で地域包括ケア病棟入院料か同入院医療管理料を届け出ていた病院は895施設だった。届け出病床は計2万3790床で、同年5月時点と比べ2万1070床増加。このうち、点数が高い同入院料1か同入院医療管理料1の届け出病床は2万2125床(同1万9714床増)だった。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015042002000169.html
【私説・論説室から】
医薬分業の弊害を見直せ

2015年4月20日 東京新聞

 街のクリニックや病院で処方箋をもらって院外薬局で薬を買うと、院内薬局に比べて二・五倍も値段が高い。おかしくないか。

 たとえば、院内薬局なら内服薬七日分で七百二十円である。ところが院外だと千八百五十円もかかる(規制改革推進室調べ)。

 どうして、こんな違いが生じるか。一言で言えば、政策で医者と薬局を優遇しているからだ。政府は一九七四年に院外処方箋に対する診療報酬を五倍に引き上げた。一方で薬局が受け取る調剤報酬も手厚くした。

 病院が院内に薬局を抱えていると、薬の在庫コストがかかる。半面、患者に薬を出せば出すほどもうかりコスト削減にもなるから、薬漬け医療になりやすい。そんな医薬一体の弊害を改めるのが狙いだった。

 「医薬分業」を政策的に進めた結果、爆発的に院外薬局が増えた。昔は院内処方が普通だったが、いまでは病院の前には薬局が乱立している。それくらいもうかるのである。

 薬局業界は「薬局は複数の処方箋をチェックして飲み合わせを考えたり、飲み残しがあれば医師と相談して処方を変えたりする独自のサービスをしている」という。

 だが、つい最近も大手薬局チェーンが薬剤服用歴を記録管理せずに、調剤報酬を不正に受け取っていた事件が発覚したばかりだ。高い薬代で患者に重すぎる負担を押し付ける仕組みは改めるべきだ。 (長谷川幸洋)



http://www.m3.com/news/general/314069?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150420&dcf_doctor=true&mc.l=98039674
リフィル、分割調剤を検討 内閣府
2015年4月20日(月)配信薬事日報

経営の独立性確保 罰則強化で

 内閣府は16日、規制改革会議の健康・医療作業部会に「医薬分業推進の下での規制の見直し」についての論点を提示した。かかりつけ薬局機能を高めることを目的に、リフィル処方箋の導入や分割調剤の見直しに関する検討を加速させることを提案。会議側と厚生労働省は、薬局のかかりつけ機能を診療報酬などで重点的に評価すべき、との認識で一致した。今後、6月の答申や規制改革実施計画にどう盛り込むかについて、厚労省と調整する。また、医療機関の敷地内に薬局を開設してはならないとする構造上の規制の見直しも求めたが、経営の独立性は罰則の強化などで確保できると主張した会議側に対し、厚労省は経営上の独立性を確保するには構造上の独立が必要と慎重な姿勢を示し、結論は出なかった。

規制改革会議WGが論点提示

 3月の公開ディスカッションでは、「医薬分業における規制の見直し」をテーマに掲げていたが、医薬分業を前提としつつ、その効果を検証し、分業のあり方を見直すとの趣旨から、「医薬分業推進の下での規制の見直し」に変更した。論点は、医薬分業をテーマに取り上げた「公開ディスカッション」を踏まえ、さらに議論が必要とされた事項。

 医薬分業のコストとメリットをめぐって、患者が薬局に支払う費用と受けるサービスが見合っていないと感じる国民が多い現状を踏まえ、薬局に対する診療報酬を見直すことを提案。

 その上で、調剤技術の進歩や高齢化の進展に伴い、薬剤師の業務内容が大きく変わっているため、在宅医療への関与など、専門性を生かした業務のあり方を改めて検証すべきとした。

 また、医薬分業の効果を検証するため、厚労省が定性・定量の両面から評価し、政策目標を明確化させることも求めた。

 会議終了後に会見した内閣府の大熊裕二規制改革推進室参事官によると、薬局のかかりつけ機能の部分に、診療報酬点数を重点化すべきという考え方については、会議側委員と厚労省で「同じ方向を向いていた」とした。

 医療機関と別の場所に薬局を設置しなければならないとする構造上の規制については、薬剤師が医師と独立した立場で薬学的管理を行う必要性を示しつつ、医療機関と薬局の独立性が確保されるのであれば、規制を見直すよう求めた。

 会議側委員が「厳罰の強化といった手法で経営上の独立性は担保できる」と主張したのに対し、厚労省は、薬局が同じ敷地内にあれば、特定の医療機関からの処方箋が集中して、経営の独立性が担保できなくなると反論し、意見が対立した。 

新薬の14日処方制限も見直し

 この日の会議では、新薬の処方日数制限についても議論した。現行では、新薬は一定期間、患者の観察を十分に行う必要があるとの観点から、抗HIV薬など一部の薬剤を除き、薬価収載の翌月から1年間は原則として1回14日分までしか処方できない。

 これに対して会議側は、「仕事などで2週間に1回の通院が困難な患者もいる」と指摘し、処方日数の制限見直しを進めるよう求めた。今後、この提案を答申や規制改革実施計画にどう盛り込むかについて、厚労省と調整する。



http://www.m3.com/news/general/314131
【神奈川】指定医不足も深刻 関係者らが指摘 聖マリアンナ医大病院の不正取得問題
2015年4月20日(月)配信 神奈川新聞

 聖マリアンナ医大病院(川崎市宮前区)の医師が精神保健指定医資格を不正取得し取り消し処分を受けた問題をめぐり、重度の精神障害がある患者に向き合う関係者らに波紋が広がっている。「社会の信頼を裏切る行為で、精神科医療全体への不信や不安を生みかねない」―。専門家は同病院のずさんな体制を非難するとともに、病棟勤務医の減少も背景にあるとの見方を示す。患者の保護を担う関係者も、深刻な指定医不足に目を向けるべきと強調している。

 同病院の精神科受診者数は1日平均約130人(2013年度)で、県全域で進めている精神科救急医療体制にも協力している。今年4月1日時点で常勤の指定医は12人おり、このうち7人の資格取り消しが決定。当面は残る5人で診療体制の維持を図るとしているが、「入院診療は縮小せざるを得ない」(尾崎承一病院長)のが現状という。

 厚生労働省関東信越厚生局によると、県内在住の指定医は882人(14年度)で、11年度に比べ58人増えた。ただ、自身も指定医で医療法制度に詳しい東洋大の白石弘巳教授は「病棟の指定医は、むしろ少なくなっている」とみる。「暴れてしまうような重症患者を担当したり、患者に怒鳴られたりする病院勤務を敬遠する医師は多い」とし、比較的症状が軽い通院患者を診察するクリニックでの勤務を希望するケースが増えているのが実情という。

 実際、重い精神障害がある患者に向き合う現場では、受け入れ先をめぐる困惑が続いている。

 「自傷他害の恐れ」があり精神保健指定医の診断が必要とされるケースの多くは、警察に保護される。県警幹部によると、ほぼ毎日数人を保護する警察署もある中、指定医や入院先は慢性的に不足しており、署内で長時間の保護を余儀なくされるケースも少なくないという。

 本人の同意なしで強制的に入院させる「措置入院」には2人以上の指定医の判定が必要だが、医師がなかなか見つからず「署内で一晩を明かすことも珍しくない。指定医はそれだけ足りていない」と元県警幹部は強調する。「入院先も見つからず、警察官が県東部から西部の病院に送り届けることもしばしばある」と打ち明けた。

 別の県警幹部は「保護室がない署は他署を頼ったりしている。(自傷他害行為を防ぐため)署員はつきっきりで対応し、警察の負担は大きい」とし、「指定医不足という運用上の課題こそ深刻だ」と指摘する



http://www.asahi.com/articles/ASH4G41BDH4GUUPI004.html
製薬会社からの受領金、不適切申告35件 医師ら8人
沢木香織
2015年4月21日03時01分朝日新聞

薬事文科会の参加規定
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 新薬の承認などを審議する厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会の委員を務める医師らが、製薬会社から受け取った講演料などを正しく申告しなかった事例が2014年度に8人で計35件あった。このうち2件では、受取額が規定の上限を超えた委員が議決に加わっていた。医師へ支払った講演料など製薬会社が公表したものを朝日新聞が集計して判明した。

 薬事分科会では、新薬の製造・販売や、すでに売られている薬の適応拡大を審議する。公平さを確保するため、委員は製薬会社から受け取った講演料や寄付金を申告するよう参加規定で定めている。

 委員は、審議される薬を出す社、または競合関係にある社から、過去3年度で受け取った金銭のうち最も多かった年度を申告する。「受領なし」「50万円以下」「50万円超~500万円以下」「500万円超」のいずれかを選ぶ。50万円超は議決に、500万円超は審議に加われない。

 朝日新聞は、薬事分科会の医薬品第一部会と第二部会が14年4月から11月までに非公開で開いた計13回の会議を検証した。各21委員で構成する両部会は計93議題を審議。議題ごとに委員が提出した申告書と、製薬会社が公表した13年度の支払額を照合した。

 このうち7委員は、審議に関係する製薬会社から13年度に講演料など2万~27万円を受け取ったのに、27議題で「受領なし」と申告していた。7委員が重なった議題もあり、不正確だった申告は計33件にのぼる。委員が申告する受領額は3年度分だが、朝日新聞が検証できたのは製薬会社が金額を公表した13年度のみ。12年度と14年度は公表されておらず、申告漏れがほかにもある可能性はある。

 このほか、第一部会の委員が、審議に関係する社から12年度に50万円超を受け取っていたのに、2議題で「50万円以下」と申告していた。2件とも参加規定に反して議決にも加わっていた。この委員は申告対象が前年度のみと誤認していたといい、「関係者にご迷惑をおかけしたことをおわびする」とコメントした。

 厚労省医薬食品局総務課は「議決権がない委員が議決に加わったことは極めて遺憾」としつつも、「承認に必要な過半数の賛成を得ており、議決に影響はなかった。2件の議決は有効だと考える」としている。

 参加規定は08年にできたが、罰則はなく、厚労省は委員の自己申告に委ねて真偽の確認まではしていなかった。製薬会社が昨年から医師への支払額の公表を始めたことから、参加規定の運用状況を評価する委員会で昨年10月、薬事分科会委員の申告を確認するのに活用できないかとの意見が上がった。これを受け厚労省は、委員の申告内容を製薬会社に問い合わせて点検することを今年度から試行的に始めるという。(沢木香織)



http://www.sankei.com/west/news/150420/wst1504200083-n1.html
生体肝移植問題 4人死亡の神戸の病院長「十分な体制で全力を尽くしてきた」
2015.4.20 23:35 産経ニュース

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植手術を受けた4人が術後1カ月以内に死亡した問題で、京都大名誉教授で同センターの田中紘一院長(73)は20日、「十分な体制のもとで手術を行っている。生と死のはざまで手術を求めた患者に対し、全力を尽くしてきた」と話し、改めて医療ミスではないとの見解を示した。

 問題を調査している日本肝移植研究会は、センターについて、移植治療を行うには医師が少なく、検査や検討が不十分だった可能性を指摘し、生体肝移植手術の中止を提言する方針を固めている。

 田中院長は、研究会から数日以内に提言をまとめた報告書が届くとの見方を示し、「心配をかけたので、事実誤認があり反論するところがあれば、きちんと説明したい」と述べた。

 また、近く実施する予定だった9例目の手術の中止を決めたことについては、「患者と臓器提供者の双方にがんが見つかったため、手術前にもっと精査が必要だと判断した」とし、一連の問題とは無関係だと強調した。



https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201504/0007940555.shtml
生体肝移植4人死亡問題 「最後の希望、納得して移植」手術受けた木山さん
2015/4/20 22:20 神戸新聞

生体肝移植手術を受けた体験を話す木山稔さん(左)と長男の智さん=20日午後、神戸市中央区港島南町1(撮影・小林良多)
 神戸市中央区の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で、生体肝移植手術を受けた患者4人が死亡した問題を受け、同センターで今月8日、8例目の生体肝移植手術を受けた木山稔さん(63)=神戸市須磨区=が20日、神戸新聞社の取材に応じ、危険性の説明を受けた上で、「納得して手術を受けた」と話した。

 木山さんは長く肝硬変を患い、昨年末には「余命は3カ月から半年」と宣告を受けた。移植しか道がない中でセンターを受診。「血液型不適合で難しい症例」(センター)だったが、術後の経過は良好という。

 同センターを移植を待つ患者にとっての「最後の希望」ととらえる木山さん。延期される9人目の手術についても「患者を第一に考えれば、答えは自然に出る」と述べ、早期の再開を期待した。

 臓器を提供した長男の智さん(36)=同市長田区=も「ドナー(提供者)である自分の命を第一にする、と説明され、大きな不安はなかった」と話した。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150421ddm010040018000c.html
東日本大震災4年:医薬品卸売業の取り組み 命つなぐ流通網 必要な時・場所へ、必要量を確実に
毎日新聞 2015年04月21日 東京朝刊

 国内に流通している医療用医薬品は約1万数千種類に及び、製薬会社から約23万カ所の病院や診療所、保険薬局などに供給されている。「毛細血管型」と呼ばれる日本独自のシステムで、この流通網を支えているのが医薬品卸売業界だ。平常時はもちろんのこと、自然災害、新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)などの緊急時への対応も迫られる。東日本大震災の発生から丸4年が経過する中、医薬品の安定供給維持に取り組む業界の動きを追った。【河嶋浩司】

 ◇JMATに初加入

 東日本大震災から4年目を迎えようとしていた昨年3月9日。宮城県医師会は県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会、県医薬品卸組合の医療関連5団体で構成する「JMAT宮城」の発足を発表した。医薬品卸団体がJMATの構成団体に加わったのは、全国でも初の試みで注目を集めている。

 JMATは、日本医師会災害医療チーム(Japan Medical Association Team)のこと。被災地の都道府県医師会の要請に基づき、日本医師会から依頼があった場合に被災地に派遣され、主に災害発生から48時間以上経過した亜急性期、慢性期の医療救護活動や被災医療機関の診療支援を担う。派遣期間は、3〜7日をめどとしている。

 大規模災害や多数の傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チーム(DMAT)とともに、東日本大震災でも多くの被災者の救命や治療にあたった。

 東日本大震災の経験を踏まえ、医師、看護師だけではなく、多業種が協力しあう態勢の確立が必要だと判断し、宮城県医薬品卸組合が加わった。その狙いについて同組合の一條武理事長は「日本の医薬品卸は、すべての病院、診療所、薬局との取引がある。医療機関が混乱する中、どの施設に何があり、何が必要かを把握していることが強み」と話す。

 宮城県内27カ所の物流拠点を通じ、災害時の医薬品供給を担うほか、輸液や緊急ショック用剤などに加え、降圧薬や糖尿病治療薬など慢性疾患用医薬品を加えた計82品目について0・6カ月間分を備蓄し、発災時の迅速な医薬品提供態勢も整えている。

 また、医療機関と自治体の災害対策本部との間の連絡機能を卸組合が担うことで円滑な情報収集にも寄与することが期待されている。

 ◇医療、介護と連携

 新型インフルエンザのパンデミック対策では、ワクチンや抗インフルエンザウイルス薬を、いかに迅速に運ぶかが、パンデミックに陥らないための重要な対策のひとつになっている。

 新型インフルエンザ対策特別措置法は、医薬品卸売業を指定公共機関に指定。製薬会社から医療機関へ医薬品を運ぶ役割を担っている。あらかじめ行動計画を定め、感染を防ぐための防護服なども常備し、緊急事態に備えている。

 一方、超高齢社会に対応するために国が進めている地域包括ケアシステムの中でも、医薬品卸売業の果たす役割に期待が集まっている。地域包括ケアシステムは高齢者が住みなれた地域で、医療、介護が連携し、できるだけ長く生活できるように地域で支援しようというシステム。機動力を持ち、地域で必要な医薬品情報を把握する医薬品卸売業が地域のシステムに参入することで、医療、介護との連携をスムーズにしている。

 ◇災害教訓に対策を強化

 阪神大震災(1995年)や中越地震(2004年)、東日本大震災(11年)など相次ぐ自然災害をへて、医薬品卸売業界もさまざまな対策を強化してきた。

 物流拠点となる地域の集配センターに、免震ゴムを採用するなど耐震対策の強化が進んでいる。津波被害に備えて、トラックヤードを地上3階に設けるなどの工夫をしているところもある。東日本大震災では、車両の燃料となるガソリンの供給が途絶えるなどのトラブルが発生したため、集配センター内に自前の燃料補給施設を設けているほか、停電に備えて自家用発電装置を付設するなどの対応が進んでいる。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150421ddm010040020000c.html
東日本大震災4年:医薬品卸売業の取り組み 安定供給に使命感 日本医薬品卸売業連合会会長、バイタルネット社長・鈴木氏に聞く
毎日新聞 2015年04月21日 東京朝刊

 ◇日本医薬品卸売業連合会会長、バイタルネット社長・鈴木賢氏

 「平時はもちろん、非常時においても、国民の命を守っているという強い使命感が、私たちの財産です」と語る一般社団法人日本医薬品卸売業連合会(医薬卸連)の鈴木賢会長に聞いた。

 −−情報通信技術(ICT)を駆使し、医薬品のバーコード表示を推進するなど「流通改革」を掲げていますね。

 私たちが扱っているのは医薬品です。安全が最優先されなければなりません。届けるだけではだめなのです。卸売業者が管理しているからこそ、間違いなく届けられ、不良品があれば追跡調査と即時回収ができる態勢を取ることが可能なのです。そのために、バーコード表示による流通管理を徹底しているわけです。海外を中心にインターネットによる偽薬の流通が問題になっていますが、日本の卸売業者を通った医薬品には偽薬が混入する余地はありません。

 −−日本の医薬品卸売業のシステムは海外からも注目されていますね。

 日本では諸外国と違い、製薬企業のMR(医薬情報担当者)のほか、卸売企業のMS(医薬品卸販売担当者)が開業医や薬局などに情報提供を行っています。MSは中立的な立場から開業医などに医薬品情報の提供が可能です。物流機能だけにとどまらないヘルスケアコーディネーター的な役割も担っています。2002年の薬事法改正で、医薬品の市販直後調査や品質保証体制の大幅な見直しが行われ、安全管理業務の一層の強化が製造販売業者の必須業務となりましたが、卸売企業はこの業務の一部について受託が可能になりました。医薬品安全対策の一翼も担っているのです。

 −−東日本大震災では鈴木会長の会社も含め、各社の東北の集配センターも大きな被害を受けました。

 共同配送を実施するなど業者間の連携もよく、迅速な対応がとれました。自らも被災者でありながら、薬を届ける社員の姿に涙したのを覚えています。

 今回の震災では、医薬品卸売業者が災害対策本部に詰めて、情報収集にあたったのが大きかったと思います。緊急の医薬品に加え、どこの医療機関に、日ごろからどんな医薬品を配送していたのかをつかんでいる人が本部にいれば、その時、必要な医薬品を把握し、的確に配送できる。JMAT宮城に宮城県医薬品卸組合が参加することになったのもこうした成果が認識されたからだと思います。地域の実情に応じた「毛細血管型」物流システムの機能が十分に発揮された事例だと思います。

 −−超高齢社会の中で地域包括ケアシステム構築でも、重要な役割を果たしそうです。

 地域の実情に応じた対応ができるという意味では、医療・介護の現場をつなぐ役割をすでに果たしている地域もあります。新型インフルエンザ対策や自然災害に備えた耐震対策など、これからも平時はもちろんのこと、緊急時にも安定した医薬品の供給態勢を維持できるように努めていきたいと考えています。

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 ■人物略歴
 ◇すずき・けん
 1948年宮城県生まれ。74年米国マッケンドリュー大卒、前身の鈴彦に入社。商号変更したサンエスで社長、2001年にバイタルネットに商号変更し社長。09年からバイタルケーエスケー・ホールディングス社長。13年から日本医薬品卸売業連合会会長。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150421ddm010040021000c.html
東日本大震災4年:医薬品卸売業の取り組み 「毛細血管型」震災時に機能発揮 厚生労働省医政局経済課長・城克文氏
毎日新聞 2015年04月21日 東京朝刊

 日本の医薬品卸売業者は、1万数千種類に及ぶ医療用医薬品などを全国津々浦々にある約23万カ所の医療機関・薬局などへ、必要な時に、必要な量を、必要な場所に迅速かつ確実に供給する基本的な機能に加え、不良品の回収などといった特殊な機能を持っています。

 「毛細血管型」と呼ばれる海外にも例をみない流通モデルを確立していて、2004年の中越地震、09年の新型インフルエンザ、11年の東日本大震災の際にも、その機能を発揮し、社会的インフラとして欠かすことのできない存在であることを示してきました。

 例えば、新型インフルエンザ対策のワクチンの全体の必要量が確保されたとしても、必要とする人たちが地域によって偏っていたり、あるいは遠隔地の1人のためにも供給せざるをえなかったりなどの課題が生じます。この課題を解決する力を持っているのが、医薬品卸売業界です。コスト面から考えれば、採算が合いませんが、医療の一端を担っているという使命感によって支えられています。

 また、これらの運用を支えているのがICTの積極的な活用とバーコード表示などの流通コードの標準化です。事故があった場合の回収などでも、この標準化によって流通経路の効率的な追跡(トレーサビリティー)を可能にしています。

 製薬業者と医療機関などを有機的につなぐ医薬品卸売業者の果たすべき役割は、今後ともますます、重要になってきます。(談)



http://medg.jp/mt/?p=3551
Vol.076 群馬大と医療事故調 ~群大「事故調」は混在の旧来型~
医療ガバナンス学会 (2015年4月20日 06:00)
井上法律事務所 弁護士
井上清成
2015年4月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
この原稿は『月刊集中』4月15日発売号からの転載です。

1.国際的水準の医療事故調

 この3月20日に厚生労働省「医療事故調査制度の施行に係る検討会」の取りまとめが行われ、公表された。この取りまとめられた医療事故調は、WHOドラフトガイドラインにいうところの「学習を目的としたシステム」に準拠していて、国際的水準のものといえる。
この大きな特徴は、図Aのように、「学習を目的としたシステム」(非懲罰性、秘匿性などが条件)と、「説明責任を目的としたシステム」とを切り分けることにほかならない。「学習」による医療安全の増進の現実化のため、「説明責任」をはじめとする責任問題(刑事責任・民事責任・行政責任・社会的責任など)をことさらに切り離す。だから、事故調に責任問題が混在したもの、たとえば責任追及型事故調になってはならない。誤解してはならないのは、責任問題と切り離しているだけなのだから、決して責任免除型(または責任減少型)の事故調というわけでもないことである。単に、説明責任をはじめとする責任問題とは切り離しただけなので、説明責任などの責任問題とは関係が無いだけ、といってもよい。

ところが、残念ながら、マスメディアの多くや一部の事故調関係者の思考は、約10年くらい前からの旧来型(原因究明と再発防止)のままである。旧来型は、「原因究明と再発防止」という標語で象徴されることが多い。図Bのように、「説明責任」と「学習」を一つの制度で実現しようとするもので、この二つが混在してしまう。往々にして、責任追及が中心にもなりかねない。幸いなことに、今般の医療事故調査制度(10月1日施行)は、国際的水準のものとなったので、「混在の旧来型」にならずに済んだ。

2.群馬大は混在の旧来型

 この2月以降、「群馬大学医学部附属病院」を巡る報道が過熱してしまった。大きな契機は、同病院の「事故調査委員会」による「腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書」の公表である。
最も目を引くのは、「死亡事例の医学的検証(個別事項)」において、8例すべてについてそれぞれ「以上のことから、過失があったと判断される。」と明記されたことであろう。過失の認定判断をして、しかも、その事故報告書を公表したことなどは、今般の制度のような「学習」を目的としたシステムではありえない。つまり、群馬大のそれは「混在の旧来型」だということである。

3.特殊状況下の事故調

 国際的水準と掛け離れた「混在の旧来型」となってしまった理由は、群馬大の置かれた特殊状況にあると推測されよう。特殊状況の第1は、高い診療報酬をとれる特定機能病院の承認が危機に瀕していることである。厚労省医政局地域医療計画課(かつての指導課)による行政指導に基づくものではあろう。しかし、過熱報道や特定機能病院承認取消のプレッシャーの下では、まともな「学習」的な「事故調」などは到底期待できない。これ以上に「事故調」を続行したり追加補充しようとすると傷を深くするだけであるから、群馬大は、これ以上の「事故調」は開催すべきではなかろう。

第2は、大学の教授人事や運営の問題が絡んでいるであろうことである。問題性の一つは、教授の診療への指示・指導能力という教授人事制度の根幹に関わるものかもしれない。当然、運営問題も含めて文部科学省の行政指導もあったであろう。混在を越えて混線してしまっても仕方がないかもしれない。

第3は、マスメディアなども含めて皆が医師個人の手術の未熟さ・下手さに注目しすぎていることである。高い診療報酬を取りながら未熟だったり下手だったりすれば、確かに不当なことであろうし、比例的平等の原則にも反しよう。しかし、それ以上の問題性は、この未熟さ・下手さへの注目が刑事事件(業務上過失致死罪)に直結してしまいやしないかという恐れである。過失犯という犯罪は、悪いから罰するのであって、決して未熟だから下手だから罰するものであってはならない。それは刑法の責任主義に反することである。

第4は、虚偽の診断書の作成の疑いが持たれていることであろう。虚偽診断書作成罪(刑法第160条)は「公務所に提出」用のものに限られているので、この件では問題ない。しかし、たとえ生命保険提出用のものであっても、民間ではなく国立大学なので、虚偽公文書作成罪(刑法第156条)が成立する可能性がある。この犯罪は過失犯ではなくて故意犯なので、医師といえども犯罪構成要件に該当する事実があれば有罪とされうることもやむをえないであろう。

第5は、保険診療報酬の不正・不当請求の問題やその他の倫理問題も絡んでいるが、ここでは省く。

以上のとおりの特殊状況であるから、「事故調」をやろうとすると、どうしても「混在の旧来型」となってしまい、さらに混迷を深める。そこで、「事故調」で諸問題を包摂しようとせず、問題ごとに一つ一つ対処していくことが賢明であろう。まさにクライシス・ガバナンスの観点が要請される状況である。

4.医療事故調の目指すところ

 ところで、群馬大は「改善報告書」も併せて公表した。その中に、「院内全死亡症例の収集と検証」「死亡症例検証委員会を設置、全死亡症例を収集」という項目がある。
実はこれこそが、10月1日の今般の医療事故調施行以降、すべての医療機関で、現場の実情に合わせてではあるが、やらなければならないことであろう。群馬大学医学部附属病院に限らず、すべての医療機関において、程度の差こそあれ、是非とも実施しなければならないことである。「予期しなかった死亡」ではなく、「予期していた死亡」を全死亡症例について、説明の有無、診療録記載の有無、または、医療従事者の事情聴取(医療安全管理委員会の意見聴取も。)の観点からスクリーニングしていかねばならない。

もちろん現場の負荷とのバランスで調整しつつではあるが、全死亡症例をスクリーニングしつつ、自然にインフォームドコンセントの向上と診療録記載の充実化へ誘導しようというのが、今般の医療事故調の目指すところであろう。全国津々浦々のすべての医療機関において、バラつきはあっても皆がそれなりに向上・充実化することこそが、マクロの医療安全の総和の増加につながるのであり、これこそが国民すべての利益であり期待でもある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/313124?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150419&dcf_doctor=true&mc.l=98011368
シリーズ: 医局?転職?キャリアに関する大調査
「医局なければ、へき地行かない」「裁判で助け」◆Vol.7-2
経験、職場、教授、医師派遣……医局への思い

レポート 2015年4月19日(日)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q18 医局人事という制度についてのご意見を教えてください。また、医局に所属していて良かったと思えたエピソードもあれば、教えてください。

【医局のメリット;人事・職場】
県内の関連病院との風通しが明らかによくなる。
・ 関連病院の部長は、医局人事で動いている人。
・ 意に沿った異動をしてもらった。
・ 問題が起こっても異動させてもらえる。
・ 見合いの時に、「○○大学病院に勤務医局に属している」と言えば、相手の親御さんに強い説得力が働いていた印象を持つ。やはり、働き口に困らない(困りにくい)のが良いと思う。
・ 周辺の医療機関にも関連病院が多く、困った症例などは治療を依頼しやすいこともメリットだと思います。
・ 病気になって長期離脱した医局員も復帰まで助けてもらえる。
・ 病気になった際の保険、失職のリスクがない。
・ 昇進がむずかしい。
・ 同じ医局員として、比較的まとまりのある診療ができる。
・ 難しい症例を大学病院へ送ることができる。
・ 妊娠出産を繰り返しているので、その都度一度退職しなければならないが、復帰後の就職先は面倒を見てもらえる。
・ 自分を認めてもらったり、評価してもらう時の後ろ盾として非常に有用です。
・ 医局人事の良い点は使えない医師もそれなりに対応できること。一方でその責任も上司や中間職にはかかり、育成の責任がかかること。育てた若手の退職が結果として上司や中間職に余分なストレスがかかること。ただし、それでも育てた若手の活躍はよいことだと思えること。
・ 病気で入院した時、助かった。
・ 互助会程度の存在としては役には立ちますが、給与やキャリアアップには邪魔な存在です。
・ いろいろな勤務体系の相談も受けてもらえる。
・ 医師の一都市集中化を避けるシステムとして有用だと思います。苦労しなくても仕事にありつけるのが良いと思います。
・ 人間関係がうまくいかない時に考慮がある。
・ 体調不良時に休みやすい。
・ 病気で長期療養になったが人事での配慮があった。
・ 医療事故で守ってくれた。
・ キャリア形成を考えた人事を行っているため、きちんと教育された専門医が育っていると思う。後輩を育てる義務も負うが、自分もそうやって教育してもらい、時には守ってもらってきたと思う。
・ 医局がないと全てを自力で切り拓かないといけないので大変。
・ 家庭環境などを考慮して勤務先を紹介してくれた。
・ 裁判でいろいろな先生方に助けていただいた。
・ 体調崩しても臨時医師の応援がある。。
・ 自分で考えずに就職先が決まるという点では恵まれているかもしれません。
・ その施設ごとで色々と違ってくるところがあり、視野を広げる観点ではよいと考えているものの、1年ごとの異動ばかりでは慣れた頃にまた1からやり直しになってしまってしまうので、個人的にはどうかと思っている。
・ 派遣先病院で、トラブルがあったときや勤務体制に意見を言いたいときに医局のバックアップがある。
・ バックに大学医局があることで、関連病院での待遇がいい。
・ 医局とつながりがあると、忙しい時などに手伝ってもらえる。
・ 自分は医局に紹介してもらった病院が、僻地なのですがやりがいがあるのでとてもよかったです。
・ 正当な理由なく移動が命じられる 好き嫌いの人事。

【医師派遣】
・ 地方への医師派遣には医局は必要。だれも田舎には行きたくない。
・ 一定の人数を派遣してもらえる。
・ 医局は派遣会社、就職あっせん業者と考えている。初期研修後期研修のときはよく知っている先生方に指導してもらえたのがよかった。
・ 派遣される我々は任期がある中で最大限の成果を出そうと努力する。
・ 病院にとっても人材の確保が安定するメリットがある。。
・ 頻繁に人事異動があるのが、教育という名目であるが、あまりよろしくない。
・ 僻地での医師不足のためには必要。
・ 医局にとっては人材が豊富になることで様々な分野で発展できる。
・ 一般病院にいても、医局人事でなければ医師数確保できない施設が多いので必要。
・ 地方の中核病院に勤務しているため、医局制度のありがたみを感じる。好き好んで、地方医療に従事する質の良い医師は、まだ少ない。
・ 人材派遣会社の一つ。医局以外の人材派遣会社が力を持つようになればよい。
・ 地域医療の維持といった意味合いではよかったと思う もう今は崩れつつありますが。
・ 医師派遣システムが機能しているのなら良い。
・ 地方大学医局所属ですが、地域医療の充実のためには必要。
・ 地方では、医局制度がないとマイナー科の医師が集まらない。
・ 当該診療科の人員が安定する。
・ 過疎地の病院維持のため、ある程度は必要。
・ 地域医療のバランスをとるのに必要。
・ 小児科は小児人口が減少し続けており、公的医療機関の機能が他科より必要だがその中で適切な人事管理をする必要がある。
・ 県内になるべく過不足なく医師を配置するという観点からは, 必要かなと思う。
・ 田舎では僻地医療のセーフティネットとなっている。
・ 東北地方においては、安定的な医師派遣のためには医局人事が不可欠であった。
・ へき地への医師の安定派遣などは、人材豊富な医局が担うべき。
・ 若手の教育と労働力とのバーターが成り立つのは、医局くらい。
・ 地方へき地と軋轢を生む。へき地で頑張っているのは自治医科大学ぐらいではないか。
・ 僻地や郊外において医療過疎を減少させるための医師の再配分、という意味では医局人事は必要であると考えます。

【医局のデメリット】
・ 医師を必要としている病院に派遣できればよいが、不十分であるので、特に医局制度のメリットはない。閉鎖的、下をこき使う、など古臭いところが多すぎる。所属していてよかったのは、大学病院に患者を紹介するときに知っている先生がいることくらいだが、他の病院の知らない先生に紹介することもできるので、良かったと思えることはない。
・ 良いことは何も無い。自分の留学先は自分で決め、就職先も自分で決めた。大学病院の人事権は弱体化している。研究を続けたい、あるいは教授になるという目的が無ければ大学に残る意味はない。
・ 奴隷。
・ ヤクザの集団。
・ 人身売買制度。
・ 理不尽さを強く感じる。
・ 虎の威を借る狐。
・ 医局に所属していて良かった点は、ない。

【医局の将来】
・ 専門医取得に必要なため所属しているが、初期研修制度も始まり、現在は情報インフラが整っており自分で情報を集めて職場を選択できる時代である。
・ 社会全体は確実にマーケット化の流れにあり、医局人事は時代の流れに即さないものだと思う。
・ 今は形骸化していると思います。
・ だんだん衰退してきて消滅するかもしれません。
・ 医師数の偏在は医局制度のぐらつきによって起こったものであるので、ある程度医局に力を持たせてもよい。
・ 完全になくして、自由競争にすべき。
・ むしろ自由標榜をなくして専門医のみ、その科を標榜できるようにするべき。。
・ 地方では必要悪。
・ 研究以外に魅力は無い。
・ キャリアパスが多様化した中で対応できていない。


  1. 2015/04/21(火) 06:18:54|
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