Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月19日 

http://www.sankei.com/politics/news/150419/plt1504190007-n1.html
【日曜講座 少子高齢時代】
論説委員・河合雅司 地方病院の活用策

2015.4.19 17:00 産經新聞

 ■「医療ポイント貯蓄制」導入を

 ◆大都市患者の受け皿に

 団塊世代が75歳以上となる2025年に備えるため、都道府県が地域医療構想づくりに取り組み始めた。疾病構造や人口の変化を織り込んで必要となる病床数を算出し、過剰分について削減や機能転換を促そうというのだ。

 人口減少が進む地域は、入院患者も減っていく。過剰分を減らさないと病院側が空きベッドを埋めようとして治療の必要性の低い人まで入院させかねず、医療の無駄が生じるとの懸念だ。

 医療費抑制の観点からすれば改革が急がれるが、地方の病床をただ削減するのはもったいない。発想を変えれば使い道はある。

 東京などの大都市圏では高齢者が激増するため、自治体は病院や介護施設の増設に追われているが、地価が高く用地確保は困難だ。これから整備を進めていたのでは、住民の高齢化スピードに間に合わないとの懸念もある。

 巨費を投じて大都市圏に建設するより、地方で余剰となる病床を活用したほうが現実的だといえよう。

 一方でリタイア後に故郷などへのUターンや移住を考えている人は多い。政府は地方移住を希望する元気な高齢者向けに、学問や趣味、ボランティアなどに打ち込める「CCRC」と呼ばれるコミュニティーを整備すべく取り組んでいる。これらを考え合わせて一番の方策は、CCRC構想と地方病院を連携させることだ。

 「CCRCに住めば医療や介護に心配がない」との評判が定着すれば、「“医療・介護難民”になる恐れがある大都市圏に住み続けるより、移住したほうが賢明」と考える人が増えるかもしれない。

 患者不足に悩む地方の病院にとっても、CCRCとの連携は経営を安定させる上で大きなメリットである。

 ◆「健康管理クラブ」設置

 とはいえ、地元の人々が利用する病院をCCRCの移住者が独占するわけにはいかず、連携には工夫を凝らす必要がある。そこで、小欄が考案した「医療ポイント貯蓄制度」の導入を提言したい。

 仕組みをご紹介しよう。CCRCへの移住者は、自治体が指定する保育支援や地元高齢者の通院・買い物サポートといった「公的な仕事」を行い、現金ではなくポイントを受け取る。

 CCRCと連携する病院は移住者の健康づくりをサポートする「健康管理クラブ」を開設。移住者はたまったポイントに応じて「健康管理クラブ」が提供する人間ドックや定期健診、専門スタッフによる健康アドバイス、夜間や休日の診療といったサービスを無料もしくは低価格で受けられるようにするというアイデアである。

 「公的な仕事」のメニューは自治体が提示。移住者はやりたい仕事を選び、自分のスケジュールや体力に応じて時間を決める。健康管理クラブを利用することで病院に健診データが蓄積される。医師やスタッフとも顔なじみになり、実際に病気になったとき不安なく治療が受けられるようにしようというのだ。

 ◆移住促進策として展開

 費用は移住促進事業として国と自治体が分担。たまったポイントはCCRCと連携する病院でしか使えないこととし、病院はCCRC移住者が利用した「健康管理クラブ」の利用料相当額を自治体に請求する流れとする。

 CCRCへの移住を促すため、移住後1年でボーナスポイント、数年間住み続けた人には追加ポイントを付与することにしてもよい。

 こうした優遇策には地元住民の理解が不可欠だが、移住者の受け入れは人口減少自治体にとって“消滅”を回避する有効策の一つである。大量に人が移り住めば、医療や介護をはじめ多分野の産業で雇用を生み出す。

 移住者が「公的な仕事」を行うことで地域住民との交流が進み、労働力不足の対策ともなる。本来、自治体が行うべき業務の一部を移住者が肩代わりしてくれるので、行政コストの抑制効果も期待できる。理解は得られよう。

 移住者にとっても、見知らぬ土地で仕事を探すのは大変だが、そうした心配をせずに実質的な所得を増やせる。社会とのつながりは生きがいとなり、健康寿命も延びよう。

 人口減少社会では既存施設の有効活用が問われている。地域医療構想は、人口交流がないことを前提にして検討するのではなく、大都市圏の元気な高齢者を積極的に取り込む「地方創生」の視点をもって考えるべきである。



http://mm.m3.com/r/6d6DL-16Lf-1aRI.html?dcf_doctor=true
医療事故、警察への届出、2割も増加
事故・訴訟 2015年4月17日(金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 医療事故等の関係で、医療者や家族などからの警察への届出件数は、2014年1年間で137件に上り、2013年と比べて約2割増加したことが、このほど明らかになった。2011年は146件と多かったものの、2012年は117件、2013年は114件と2年連続で減少したものの、また増加に転じた(2013年のデータは、『医療事故、被害者からの届出は微増』を参照)。

 137件の内訳を見ると、最も多いのが、医療関係者等からの届出で88件で、前年比13件増、家族等からの届出は40件で、前年比6件増で、いずれも17%の増加。2014年は、今年10月からスタートする医療事故調査制度の論議が活発だったほか、東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事故をはじめ、医療事故の報道がそれ以前よりは目立ったため、警察への届出にも影響したことが考えられる(『医療界の自発的な取り組みへの信頼が基本』を参照)。

 届出数増加の一方、2014年の年別立件送致数はそれ以前の2カ年と比べて、少ない。2013年は93件、2013年は81件だったが、2014年は55件にとどまっている。過去10年では、2011年と並んで低い数値だ。

 この年別立件送致数には、2014年よりも前に届出があり、送致された件数も含まれる。各年の届出が立件送致された数を見ると、2013年の114件の届出のうち、2013年中に送致されたのは2件だったが、2014年末まででは15件、その差、13件が2014年に送致されたことが分かる。データが入手可能だった2005年以降では、古いものでは2006年の70件のうち、3件は2014年に送致されたものだ。2014年に増加に転じた届出が今後、どの程度、送致されるか、その動向が注目される。
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http://mainichi.jp/opinion/news/20150420k0000m070081000c.html
社説:精神指定医不正 制度自体の見直しも
毎日新聞 2015年04月20日 02時30分

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の医師が「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は医師20人の指定医資格を取り消した。医師や病院の倫理観や法令順守、資格審査に問題があるのは明らかだが、そもそも指定医制度はきちんと機能しているのだろうか。徹底した調査が必要だ。

 同病院によると、医師11人は自分で診断や治療に十分関与していないのに、他の医師から症例データを受け取って内容を書き換えただけの虚偽のリポートを同省に提出した。他の9人は指導医で、実際に治療を担当した患者か確認しないままリポート提出に必要な署名をしたという。

 精神科医療では、患者自身が病気であるとの認識がないまま自分や周囲の人を傷つけることがあり、患者の意思にかかわらず強制的な入院や治療をしなければならない場合がある。介護や福祉の場では身体拘束は原則として虐待とみなされるが、障害者虐待防止法などで医療機関は調査の対象になっていない。治療の必要性に配慮したためだ。

 精神保健指定医は学会が認定する民間資格ではなく、精神保健福祉法に基づき厚労相が指定する法的資格だ。精神科医としての3年以上の実務経験に加え、指導医の下で自ら診察した入院患者8例以上のリポートを厚労省に提出する必要がある。治療のための身体拘束は少しの違いで人権侵害になりかねないリスクが付きまとう。微妙な判断を適切に行い、患者の医療を受ける権利を守るために指定医制度が設けられたのだ。

 患者の意思に反しても行う措置入院や医療保護入院、退院制限、保護室への隔離や身体拘束をする際には指定医の診察や判定が必要とされている。それだけ強い権限を持っているのだ。また、通院患者の初診では1.5倍の報酬が設定されているなど診療報酬上も優遇されており、全国の精神科医約1.5万人のほとんどが指定医資格を持っている。

 聖マリアンナ医科大では同じ症例を使い回した不正な資格取得が常態化していた。言語道断の不正だ。しかし、介護や福祉の場で処遇の難しい行動障害を伴う精神障害、認知症の人は安易に病院に送られ、行動制限や身体拘束をされている実態がある。指定医だからといって、患者の人権を守っているとは言い切れないのが現状だ。今回の不正の背景には患者の人権を軽視する精神科医療の体質があるのではないか。

 身体拘束や行動制限など人権侵害と紙一重の行為は「治療の必要性」が唯一のよりどころとなって許容されているのである。それを判断する指定医の審査や運用を厳格にチェックするよう見直すべきだ。


  1. 2015/04/20(月) 06:13:17|
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