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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月16日 

http://community.m3.com/v2/app/messages/news/2364314
福井大教授を逮捕 酒気帯び運転の疑い
共同通信社15/04/15

 福井署は15日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで福井市、福井大医学部教授菊田健一郎(きくた・けんいちろう)容疑者(49)を現行犯逮捕した。
 逮捕容疑は14日午後11時15分ごろ、福井市二の宮3丁目の市道で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。
 福井署によると、菊田容疑者は「酒は飲んだが運転したことは覚えていない」と容疑を否認している。住宅の外壁に車がぶつかったと近所の人から110番があり、署員が酒の臭いに気付いた。
 福井大は「事実関係を確認中で、適切に対処したい」とコメントした。

脳脊髄神経外科学教室教授



https://www.m3.com/news/iryoishin/313073
「JACME」、全80大学が参加し今秋発足
医学教育の認証が目的、「2023年問題」に対応

2015年4月16日(木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

医学教育の質保証検討委員会の委員長を務める、奈良信雄氏。
 全国医学部長病院長会議は4月16日の記者会見で、日本の医学教育を国際的な水準で評価するための新組織、「日本医学教育評価機構」(JACME;Japan Accreditation Council for Medical Education)が今秋にも発足予定であることを明らかにした。一般社団法人として運営、全国80大学のほか、日本医学会、日本医師会、医学教育振興財団、臨床研修推進財団、医療系大学間共用試験実施評価機構などが社員として加わる見通し。

 JACMEの発足は、医学教育の「2013年問題」への対応のほか、医学教育の質向上が狙い。米国以外の医学部出身者に対して、米国で医業を行う資格を審査するECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)は、2023年以降は、ECFMGへの申請は「国際的な認証評価を受けている医学部出身者に限る」方針。2010年にこの通告が出されて以降、全国医学部長病院長会議は「医学教育の質保証検討委員会」(委員長:奈良信雄・東京医科歯科大学特任教授)を設置し、準備を進めている(『医学教育の「2023年問題」への対応始動』を参照)。ECFMGへの日本からの申請は、年間80人から100人程度だという。

 奈良氏は、「医学教育の認証評価は、決してECFMGの要件適否だけを目的としたものではなく、むしろ自己点検や第三者による評価を通じて、日本の医学全体の教育を見直し、社会からの信頼を得ることが目的」と説明した。

 この3月には、JACMEの設立準備委員会が開催された。JACMEが行う評価が、「国際的な認証評価」と認められるためには、(1)政府and/or全医学部に認知される評価組織とする、(2)国際基準(世界医学教育連盟(WFME)など)に基づく評価基準の策定――の2つを満たすことが要件。これらの要件を満たすため、今秋にはJACMEを発足、2016年度にWFMEから公的組織として認められるための認定を受ける。2017年度以降、本審査を開始し、JACMEが認証した医学部を、ECFMG とパートナーシップを持つFAIMER(Foundation for Advancement of International Medical Education and Research)に登録していく方針。JACMEの運営費は、入会金と年会費のほか、評価を受ける医学部の受審料で賄う方針。

 医学教育全体の底上げを期待
 既に東京女子医科大学は、2012年にパイロット的にWFMEの国際外部評価を受けている。「医学教育の質保証検討委員会」でも、新潟大学、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、千葉大学、東京大学の5大学を対象に、トライアル評価を実施済みだ。2015年度には7大学の評価を実施予定で、2013年度までには全80大学の評価を終える予定だ。トライアル評価等で認証済みの大学については、JACME発足後、書類審査等で再評価を行い、正式認証する方針。

 評価は、(1)医科大学の使命と教育成果(アウトアム)、(2)教育プログラム、(3)学生評価――など、9つの視点から行う。受審の流れは、(1)自己点検評価による内部質保証(受審医学部が実施)、(2)自己点検評価の精査(評価委員が実施)、(3)実地調査(評価委員が実施)、(4)フィードバック、(5)受審医学部で改善策を検討――だ。

 実地調査は、約6人の評価委員が、5日間にわたり実施する。講義や実習、施設の視察などのほか、インタビューも行い、その対象は医学生、研修医、教員など多岐にわたる。評価結果は、「完全認証」「条件付き認証」「保留」「不認証」の4段階。「完全認証」は7年間有効で、その他はより短期間で再評価を行う。

 トライアル評価に携わった全国医学部長病院長会議相談役の岡村吉隆氏(和歌山県立医科大学理事長・学長)は、その意義について、奈良氏と同様に「国際的な認証評価を受けるだけでなく、日本の医学教育を向上させるという意味がある」とした上で、「外部評価は、それまで気が付いていても変えられないことを変えるいい機会になるほか、評価委員自身も評価を通じて勉強になる」と述べ、JACMEによる評価事業が「日本の医学教育全体の底上げにつながるのではないか」と期待を込めた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041602000150.html
指定医20人 資格取り消し 聖マリアンナ病院 不正取得で処分
2015年4月16日 朝刊 東京新聞

 聖マリアンナ医大病院(川崎市)の医師が精神保健指定医の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は十五日、退職者を含む三十~五十代の医師二十人の資格取り消しを決めた。同日、医道審議会の部会から答申を受けた。一度にこれほど多人数の資格が取り消されるのは初めて。十七日に発効する。
 厚労省によると、処分対象は、資格を不正申請した十一人と、その指導医九人。
 自分が関わっていない患者の症例を提出するなどしており、同省は「虚偽報告に当たり、想定を超えた事案だ」と指摘。全国の指定医についても同様のケースがないか調査する。
 二十人はいずれも不適切な申請書類の提出や、指導医としてのチェック不足を認めているという。
 精神保健指定医は精神障害があって、他人への危害や自傷の恐れがある患者を強制的に「措置入院」させたり、家族らの同意だけで「医療保護入院」させたりする必要があるかどうかを判定する。
 資格取得には一定の実務経験や、指導医の下で患者を診察したリポートの提出が必要。
 十一人は二〇一〇年六月~一四年七月、診断や治療に十分に関わっていない症例をリポートとして申請。指導医は、文面の添削などはしたが、実際に患者を担当したかどうか確かめずに署名していた。
 病院の別の医師が提出したリポートが、以前の症例と酷似していることに関東信越厚生局の職員が気付き、一月下旬に厚労省に報告。
 同省は三月下旬に立ち入り検査し、過去五年分を調べた。病院側は、指定医が外来患者を診察した際に上乗せされる診療報酬を過去五年分、約百七十万円返還する方針。
 指定医の処分をめぐっては、記録が残る〇二年以降、リポートの確認を怠ったとして指導医三人が取り消されている。
◆「先輩のリポート変えて申請 常態化」
 聖マリアンナ医大病院は十五日、記者会見を開き、学内に設置した調査委員会の青木治人委員長(同大学副理事長)が「精神保健行政の根幹を揺るがす大変な不祥事。何の弁解の余地もない。責任を感じている」と謝罪した。
 調査委は二月に調査を始め、疑いのある指定医らから聞き取りなどをしてきた。青木委員長は「医師としての倫理観の欠如は隠しようがない。指導医も十分な責任を果たしていなかった」としながらも「病院の組織的関与はないと考えている」と述べた。
 調査によると、先輩の医師からUSBメモリーなどに記録されたリポートを受け取ることが常態化、文章をわずかに変えて申請していたという。指定医らは「自分が担当していない症例でも、症例の報告会で情報を共有していると解釈していた」などと説明。指導医たちも「同時期に提出しなければいい」と考えていたという。
 指定医の資格は「取って一人前」という認識があったが、若手医師の間では、大学病院内では患者や症例が限られており、その中でリポートを出さなければならないことに不満などもあったという。
 <聖マリアンナ医大病院> 川崎市宮前区にあり、高度医療を提供する特定機能病院として、1993年に承認を受けた。病院のホームページによると、病床は1208床。神経精神科の他、総合診療内科など30科がある。聖マリアンナ医大を母体とし、医学部生の卒業前後の教育も担っている。
 精神保健指定医 精神保健福祉法に基づく資格で、厚生労働省によると2013年末時点、全国で1万4630人。精神科医として3年以上の実務経験や、資格を持つ指導医の下で統合失調症や児童・思春期の精神障害など8例以上を診断したリポートを提出することなどが要件。



http://www.m3.com/news/iryoishin/313006
聖マリ、20人が指定医取消、精神保健指定医
厚労省、全精神保健指定医調査の方針

2015年4月16日(木)配信池田宏之(m3.com編集部)

 聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市)の精神保険指定医の申請症例で不正が見つかり、厚生労働省は4月15日、医道審議会医師分科会精神保健指定医資格分科会の答申を受けて、同大学在籍時に症例を申請した11人と指導医9人、計20人について、指定の取り消しを決めた(『聖マリ、指定医の不正資格申請が常態化か』を参照)。発効は4月17日。不正な症例を理由とした精神保健指定医の取り消しは、初めてとみられる。厚労省は、一度に20人の取り消しとなった事態について、「想定していなかった。あってはならないこと」との見解を示し、今後、全国の医療機関の精神保健指定医の申請症例について、可能な範囲で調査を実施する方針を示した。


カンファ参加で、「十分な関わり」

 1月下旬に、同大学病院から、指定医の新規申請3人分のケースリポートをチェックしていた関東甲信越厚生局の職員が、過去に同病院から出たケースレポートと内容が酷似していたことから、厚労省に連絡。厚労省は、同大学病院に調査を求めたほか、事実関係の確認のためにカルテの提出を受け、聴聞も実施した。

 11人の指定医について、カルテの保存期間である過去5年間を対象として調査を実施したところ、1人についてはカルテへの記載がほとんど認められず、10人については全く記載がなかった。指定医の指定要件においては、「自ら担当として、診断または治療等に十分な関わりを持った症例等を報告する」との規定があり、厚労省社会援護局精神・障害保健課は「十分な関わり」について、「主治医などとして関わっている」との見解を示している。

 聖マリアンナ医大では、グループ診療を実施しており、11人は「カンファレンスなどの出席で、症例を知っていたと考えていた」「回診などを実施して、自分として『関わった』という甘さがあった」などと釈明したという。ただ、中には、他人からもらった過去の症例を、コピーして申請に用いていたケースもあったという。同部会は、精神指定保健福祉法に基づき、「指定医として著しく不適当」と判断した。不正とみられる症例は、新規申請者の3人も含めて14人で31症例あり、うち取り消しになった11人の分は24症例あった。架空症例については確認されていない。

 新規申請者については、今回の部会で判断は示されなかったが、厚労省の担当者は「(不正な症例の可能性について)把握している」といい、指定されない可能性が高い。過去には、症例の確認が不十分なために、指導医が取り消しになった事例はあるが、不正な症例申請で指定が取り消しになるのは、今回が初のケースとみられる。

取消医師、5年間申請できず

 指導医については、ケースリポートの内容を確認した上で、署名する制度となっている。9人の指導医は、「文面の添削は行ったが、申請者が実際に患者を担当していたかの確認を怠っていた」と説明したという。さらに、同一患者で同一期間の症例を用いることは認められていないが、複数の医師が症例として申請するケースも見つかり、必要なチェックを怠ったとして、同部会は「指定医として著しく不適当」との判断を下した。

 取り消しとなった指定医は30代が10人、40代が1人、指導医は30代が4人、40代が3人、50代が2人。聖マリアンナ医大では、過去5年間で、関東甲信越厚生局に15人が指定を申請していた。うち3人は、今回の発覚の経緯となった新規指定申請分で、今回取り消しを受けた11人を除くと、要件を満たした申請は1人のみ。3月19日時点で、指定医11人のうち6人、指導医9人のうち3人が、聖マリアンナ医大に勤務している。取り消しとなった医師は、精神保健福祉法に基づき、今後5年間、再指定の申請ができない。

 組織ぐるみの不正の可能性について、厚労省の担当者は、「指導医が(不正を)指示したり、部長の意図で実施された事実などは把握できなかった。組織ぐるみという断定はできなかった」とした。指定医は、報告する症例について、自ら選んだ旨を証言しているという。

厚労省、全指定医を調査へ

 大量の取り消しについて、厚労省は「想定していなかった事案で、あってはならないこと。医師の倫理の問題ではないか」と指摘。制度への信頼については、「他にも同様の事例がないとは言い切れない」との見解を示した。その上で、全ての精神保健指定医について、カルテの保存期間5年間に加えて、可能な範囲で過去までさかのぼり、調査する方針を示した。調査方法などの詳細は今後検討するという。

 精神保健指定医は、2013年末時点で1万4630人おり、2010年から2014年までに指定を受けたのは2466人。全数調査に加え、今後、申請に使った症例のデータベースを作って、確認ができる体制を作り、都道府県を通じた啓発などで、再発防止したい考え。

 精神保健指定医については、診療報酬上の算定もある。この点について、厚労省の担当者は、「(診療報酬の取り扱いについて)保険局の判断になる」との見解を示した。医療保護入院の患者への不利益については、今後、調査する方針。



http://www.asahi.com/articles/ASH4J63DPH4JULOB01H.html
不正取得指定医、4人の措置入院判定 聖マリアンナ病院
河井健
2015年4月16日21時32分 朝日新聞

 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の医師による精神保健指定医の資格不正取得問題をめぐり、川崎市は16日、不正取得を理由に資格を取り消される指定医11人のうち4人が、患者を強制的に入院させられる「措置入院」の判定に関わっていたと発表した。

 措置入院は指定医が判定し、都道府県知事や政令指定市長の権限で本人の同意が無くても患者を入院させることができる。川崎市によると、指定医4人が判定に関わり、措置入院した患者は、2014年度までの5年間で4人。現在も入院中の患者はいない。市は「重大な人権に関わる問題」として、指定医の資格を持つ市職員による独自の検証を行うという。

 この問題をめぐっては厚生労働省が、医師20人の資格を取り消す処分を決めている。病院によると、医師らは措置入院とは別に、家族などの同意を得て入院させる「医療保護入院」の判定に関わっていた。関係する患者は100人おり、病院は今後、判断が妥当だったか第三者の専門家に検証してもらうとしている。(河井健)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16H91_W5A410C1CC1000/
「精神指定医」剥奪20人、28人の強制入院関与 聖マリアンナ
2015/4/17 1:28 日本経済新聞

 川崎市は16日、精神保健指定医資格を不正に取得したなどとして厚生労働省から資格の取り消し処分を受けた聖マリアンナ医科大病院(同市)の医師20人が、2010~14年度に、本人の同意なしで強制的に入院させる「措置入院」の対象となった患者28人の判定に関わっていたと発表した。同市は入院の判定が妥当だったかどうか、独自に検証するとしている。

 患者28人のうち4人については、不正に資格を取得した医師11人が判定に関わっていた。残る患者24人の判定には、資格取得の際にチェックを怠った指導医9人が関与していた。判定に基づき、市長は患者28人の措置入院を決定していた。現在も入院している患者はいないという。

 16日記者会見した同市健康福祉局の坂元昇医務監は「人権に関わる重大な問題であり、判定の妥当性を早急に調査したい」と述べた。

 精神保健指定医は、重い精神障害のある患者を強制的に入院させる「措置入院」や家族の同意だけで入院させる「医療保護入院」の要否を判定できる。13年末時点で全国で1万4630人。

 聖マリアンナ医科大病院の医師20人は15日開かれた厚労省の医道審議会の部会の答申を受け、17日付で指定医の資格を取り消される。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/310331/?category=interview
「一流のコックが床掃除」、日本の病院
群大のような事故「ない」、埼玉医科大学国際医療センター院長の小山氏に聞く

2015年4月16日 池田宏之(m3.com編集部)

 日本で初めて、世界的な病院機能評価であるJCIにおける教育機関向けの認証「Academic Medical Center Hospital」を受けた埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県日高市)の病院長である小山勇氏に、JCIの印象や大学病院の在り方などについて聞いた(3月13日にインタビュー、『大学病院が初のJCI認定、埼玉医科大学国際医療センター』を参照)。

――JCIと日本の病院機能評価が最も違うのはどこですか。

 日本の評価は、ストラクチャー(構造)を見る傾向が強いですが、JCIで大事なのはガバナンスとリーダーシップでひっぱるシステムとプロセスを見る点です。

――センターでは、医療安全に向けて、積極的に取り組みを続けてきました。JCIを受けてみて、驚いたことはありましたか。

 日本と海外のスタンダードにおけるギャップはありました。例えば、日本では、医師主導臨床研究において、合併症が起きた際の補償を義務化していませんし、合併症に備えて、被験者が、保険に入るところもありますが、患者が経済的に負担しないといけないのは、世界基準からするとあり得ません。現在、センターでは、研究費から保険に入ってカバーするようにしています。

 また、薬のシートに、有効期限が書いていないという問題もありました。JCIの調査員から「シートに有効期限を書いてない薬を、患者に渡してはいけない」と言われ、院内処方では対応を取ることにしています。患者視点からの医療安全という点では、日本でも問題視すべき点と思います。

 退院時のサマリの問題もあります。日本の病院できちんと退院サマリを渡しているところは、そこまで多くないというのが実感です。ただ、退院したあと、夜間に体調が急変した場合、サマリがないと、何を実施したのか分かりません。患者が不利になるわけです。他院への転院も同様ですので、対応をしています。

 JCI認証取得のメリットは、働いている人の自信になることです。良い会社にいると、仕事に満足するのと同じです。


JCIにおける教育機関向けの認証「Academic Medical Center Hospital」を初めて受けた埼玉医科大学国際医療センターの小山勇院長。
――JCIでは、診療録の記入なども含めて、極めて細かいところまでチェックする印象です。現場の医師らの医療関係者からすると、手間が増えて、嫌がられることはないのでしょうか。

 やらせるようではだめです。質の担保・改善は、戦略が必要で、「漫然とやっていると、良くなっているかが分からない」ということを示す必要があります。カルテを例にすれば、実施したことの記録を書いて残して、チーム医療のチームの中で共有できないのであれば、「プロとしての仕事が完成した」と言えず、記録までがプロの役割と捉えないといけません。

 戦略が大事なのは(米国で開発されたチーム医療の質向上のためのプログラム)「TeamSTEPPS」でも同様です。現在は、医師以外の医療者や患者も含めて、「Speak up」(自分の意見を自由に話す)チーム作りを進めています。

――意識を変えるには苦労したのではありませんか。

 最初は、手術記録が出ていない場合、他の医療者がいる前で注意したりをしていました。とはいえ、現場のプロ職種が忙しすぎるのも理解できます。センターとしては、記録をチェックリスト形式にしたり、テンプレートを用意するなどして、現場の負担を軽減するように取り組んできました。

 日本の病院は全体的に、マネジメントをする人物が少なかったように思います。結局一流のコックが、レジ打ちや床掃除までやっている状況でした。日本の病院には、マネジメントをする人や医療関連職種でない人が、もっと増えるべきと考えます。医療のプロはプロとして、本来の業務に専念できるように導入したのが、内視鏡の洗浄や診断書の下書きを書く「メディカルアシスタント」の制度です。

――群馬大学の腹腔鏡事故が話題になっていますが、どう感じますか。

 (合併症など予期しきれない結果が一定の確率で起きる中で)システムとしてやらせたままになり、システムの整備が遅れていたように感じます。加えて、(連続して死亡するという)結果をチェックできなかったわけで、システム自体が機能しなかった点が問題だと思います。

 センターにおいては、(多数連続して患者が亡くなるような事象は)絶対にありません。全ての(予期しない)死亡例は報告されていますし、「継承事例」の考え方に沿って検討されます。医療安全報告書や副作用報告書を出すシステムもあり、センターの執行部が常に見るシステムになっています。もう1つは、通報する窓口もあります。群大のケースのように繰り返して発生すれば、同じチームの人が問題意識を持つはずです。いずれかの方法で、把握して、事故を繰り返すようなら、こちらで調査して、手術を止めることになっただろうと思います。

――各種報告をしない場合の罰則はあるのですか。

 特にありませんが、一方で(自然経過による死亡も含めた)全死亡例のリストがありますので、報告されていないものは把握できます。報告しなければ、まずは注意です。それでも出さないようなら、このセンターで、手術などをさせません。

――センターは大学病院といっても、新しい医療機関です。既存の大学病院でもJCI取得可能でしょうか。また、大学病院でもJCIを取得するべきでしょうか。

 「べき」とまで言いませんが、取り組んだ方が良いと思います。既存の大学病院で、JCIの取得が難しいとすれば、ガバナンスとリーダーシップの問題です。大学は、医局講座制を取っていて、各教授は“中小企業の社長”になる傾向があり、トップの権限が、各講座に及ばないことがあります。 センターでは、組織を作るときに、初めに“社長”でなく、“大企業の部長や課長”にすぎないことを認識させるところから始めました。医局はなくて、診療科制を取っています。診療部長は、教授とは限らず、准教授、講師がなることもあります。臨床も研究もできる「スーパー教授」というのは、実際は少ないでしょうから、診療の観点から、ふさわしいリーダーを選んでいます。

――既存大学病院がJCI取得というのは、一足飛びには難しそうですね。

 やはり難しいだろうと思います。ガバナンスとリーダーシップを発揮するということは、根幹に係る部分について、ローカルルールを許さないということです。大学とも分離していて、大学の教員代表者会議には、病院の人事権はありません。病院の執行部が決定します。



http://www.sankei.com/affairs/news/150416/afr1504160030-n1.html
医師へ謝礼は「適法」 最高裁が上告退ける 京都市の感染症対策めぐり
2015.4.16 19:27 産經新聞

 京都市が感染症対策で協力してもらう医師に報酬以外に謝礼を支払ったのは違法とし、住民が市長に返還請求するよう求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は16日までに住民の上告を退ける決定をし、原告側敗訴が確定した。14日付。

 二審判決によると、京都市は感染症流行に備えて予防接種などを委託する「市医」の制度を設置。平成23年に70人分の謝礼として計約400万円を支払った。

 一審京都地裁は「市の非常勤職員と解釈でき、支払いは条例に基づかず違法」とほぼ全額の返還請求を命令。しかし二審大阪高裁は「市医は要請を断る自由があり地方公務員に当たらず、謝礼は協力への対価だ」と支出を適法と判断し、請求を棄却した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/312748
日医、大学病院の別法人化に反対
「大学病院は特別扱い当然」と中川副会長

2015年4月16日(木)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は4月15日の会見で、大学病院の別法人化について「安易に認めるべきでない」として、反対する意見を表明した。経営重視の姿勢になる中で、教育や診療への影響を危惧していて、大学病院について、「医療の最後のよりどころ。特別扱いして当然」と述べた。4月14日の産業競争力会議実行点検会合で、別法人化が可能な制度を求める資料が示されたことを受けた措置。


 産業競争力会議実行点検会合では、事務方の資料として、「医療介護分野の成長戦略の進化に向けて」が提出された(資料は、同会議のホームページ)。その中で、大学病院について、大学から別法人化が可能になるように求めている。具体的には、別法人化が可能な制度とすることで「地域における医療提供体制を充実させつつ、先進医療分野で大学病院が持つ能力を最大限発揮できるような環境を整備できる」としていて、大学病院経営の自由度を高めることで、地域イノベーション推進や地域創生の観点からも有効と書かれている。

 会見で中川副会長は、従来の大学病院が担ってきた「診療、教育、研究」の3つの機能を挙げた上で、日本の医療水準維持に向けて、「適切なバランスが保たれるのが必須」とした。

 大学病院への運営費交付金や私学助成金が削られる中で、経営を重視した結果として、「一般医療機関の財源を浸食していった」と指摘。別法人化については、「一般病院と大学病院が同じ土俵に立つことになる」と危惧した上で、「安易に認めるべきではない。全国医学部長病院長会議も同じ見解」とした。

 具体的には、経営のために比較的容易な手術を多数こなすようになる、影響が出ることを見越して、「教育レベルの低下が、近い将来出てくるのではないか」と指摘。研究も同様の悪影響が出るとの認識を示した。中川副会長は、地域医療への悪影響も懸念した上で、「大学病院は、最後の医療のよりどころ。特別扱いして当然」とした。

 他にも、中川副会長は、多くの医学部、医科大学の卒業生にとって、医学部は病院のイメージがある中で「心のよりどころ」「ふるさと」と表現した上で、「精神的な価値観を覆して混乱が生じる」ともした。 

 そのほか、産業競争力会議実行点検会合の資料では、保険者が加入者に対して、インセンティブを与える「ヘルスケアポイント賦与制度」と、マイナンバー制度と結びつけた医療における「番号/符号」を活用する制度を導入するようにも求めている。

 中川副会長は、「ヘルスケアポイント制度」について、個人間の保険料の差や現金給付について「公平平等の原則に関わる問題」として、インセンティブでなく、意識改革で対応するように求めた。マイナンバーに関連する制度については、従来通り、個人情報保護の観点から慎重な対応を要求した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/313122?portalId=iryoIshin&promotionCode=opIshin&pageFrom=openIryoIshin
「十分な透明性の確保を」、國土・外科学会理事長
日本外科学会定期学術集会、プロフェッショナルオートノミー強調

2015年4月17日(金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 第115回日本外科学会定期学術集会が4月16日から、3日間の日程で名古屋市で始まり、初日に同会理事長の國土典宏氏が「日本外科学会とプロフェッショナルオートノミー」と題して講演した。國土氏は外科医がプロフェッショナルオートノミーを発揮し、医療に取り組んでいくに当たって、自律的な自由を得るためには「公平、合理的で、十分に透明性を確保しなくてはならない」と訴えた。


講演する日本外科学会理事長の國土典宏氏
 講演では、「喫緊の課題」として(1)2016年度から更新が始まる新専門医制 度、(2)National Clinical Database(NCD)の活用状況、(3)医療事故調査制度――の3点を挙げ、外科学会の考え方を説明した。

 新専門医制度については、「現行の外科専門医が問題視されているわけではないが、基盤専門医とサブスペシャリティのシンプルな構造になり、国民から分かりやすくなる」と解説。一方で、日本専門医機構にはガバナンスや財政面の不安があるとし、他の学会と共同して学会としての社員参加を求めた経緯などを説明した(『「学会外し」の専門医制度、73学会が覆す』を参照)。社員参加の際の基本方針として示している「受け入れがたい状況が生じた場合には、撤退する可能性も残し、毅然とした態度で新機構との協議に臨む」という文言については、「まだ消すことはできない」と述べた。

 また、私見と断った上で「新専門医機構は『小さな政府』であるべき。今は少し大きめの政府が考えられているようだが、医師に負担を強いることないように外科学会として主張したい」と説明した。

 NCDについては登録病院数が増えており、手術のリスク計算やビッグデータに基づいた病院別のベンチマークの提供など、利用者にメリットを提供できるようになってきていると報告。「年間2億円の事業が走っている」として会費納入の協力を呼び掛けた。

 今年10月からスタートする新たな医療事故調査制度に対しては、「System of Self-Regulation」とも呼ばれる「職業団体が有するシステムとしての自律」が重要になると指摘した。

 講演の後半では、胃摘出や肝移植を例に挙げながら、外科手術の歴史を振り返り、当初の死亡率が高い術式でもきちんと結果が記録されていると指摘。近年、注目されているALPPSと呼ばれる肝切除術についても、国際的な症例登録が行われていると紹介し、「イノベーションにはリスクが伴うが、そのリスクをオープンにしていることを強調したい」と述べた。

 プロフェッショナルオートノミーは、高度の専門性と倫理性に裏打ちされた専門家集団のみに与えられた自律的な自由である一方で、「集団の利益を守るための自律」という面もあると指摘。「国民の理解を得るには、公平、合理的で、十分に透明性を確保しなくてはならない」と訴えた。

 最後に、2015年のキーワードも「若手外科医のためにプロフェッショナルオートノミーを発揮する日本外科学会」とすると締めくくった。



http://www.m3.com/news/general/312917
国立大の改革に新たな評価制度 政府、成長戦略の柱に
2015年4月16日(木)配信朝日新聞

 政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)が15日開かれ、国立大学の改革に向けた新たな評価制度の導入を決めた。全国86ある国立大の役割をはっきりさせ、運営費交付金の配分にもメリハリをつける。6月にもまとめる成長戦略の柱にする。

 今夏までに文部科学省が「経営力戦略(仮称)」をつくる。「地域に貢献する教育研究」「特色ある分野で世界的な教育研究」「世界で卓越した教育研究」のいずれかから、各大学がめざす大学の特徴を選び、その大学像に沿った評価に応じて交付金を配分するようにする。安倍首相はこの日の会議で「これまでは各大学の特徴に応じたミッション(役割)設定が不明確なままで、自律的な経営に欠けていた面があったことは否めない」と指摘した。



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226580875194.html?pageKind=outline
規制改革WG、「14日処方制限」見直し要求へ  中医協での議論求める
( 2015年4月16日 ) 日刊薬業

 政府の規制改革会議健康・医療ワーキンググループ(WG)は16日の会合で、新薬の14日間処方制限について見直しを求める方針で一致した。年央にまとめる答申や規制改革実施計画に、14日間処方制限を中医協で議論するよう書き込む。規制改革推進室の大熊裕二参事官は日刊薬業の取材に「これから専門家で議論してもらい、その結果、制限の撤廃、日数の延長、現状のまま、いずれの可能性もあると考えている」と述べた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H5V_V10C15A4SHA000/
治療方針どうする 裏方が決める、質も高まる
「資源」を生かす(3)

2015/4/17 2:00日本経済新聞 電子版

 治療方針や診療体制は医師が決めるという病院の常識が変わりつつある。新たな担い手は事務職員だ。

 北海道旭川市の旭川赤十字病院。治療手順や薬の使い方を検討する会議で、医事係長の寺口大さん(37)が医師に尋ねた。「抗生物質の使用量が他の病院より多いのはなぜですか」

■「医師も納得」
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 よりどころは過去の診療記録の分析だ。東京の医療コンサルタント会社のシステムを使って全国700病院と治療内容を比較し、投薬や検査方法の見直しにつなげる。例えば、肺がんの治療では、検査の一部を外来に切り替え入院日数と医療費を半分に抑えた。牧野憲一院長は「よい結果が出ているので、医師も納得している」と話す。

 長野県立須坂病院(須坂市)医事課の高野千晶さん(52)は産業医科大(福岡県)が開発したソフトを使い、人口予測などをもとに需要が増えそうな診療科を予測する。同病院では呼吸器疾患の増加が見込まれるため、今年度から専門医を1人増やした。内川利康事務部長は「効率的な医師の配置のために先手を打つ」と意気込む。

 日本の病院は医師をトップとするピラミッド構造で様々な意思決定は医師が主導してきた。「コメディカル」と呼ばれる医師以外のスタッフは従属的な立場にあったが、コメディカルに任せた方が効率が良い分野も多いようだ。病院事務職員の経験がある東京医科歯科大の川渕孝一教授(医療経済学)は「コメディカルが発言力を持つには、説得力のあるデータとその見せ方が重要だ」と話す。

 東京医科大病院(東京・新宿)は毎月、糖尿病患者を対象とした食事教室を開く。患者には食生活の改善と運動が欠かせないが、継続は容易でない。講師を務める栄養管理科・部長の榎本真理さん(60)は「短い診察時間の中で指導してもうまく伝わらない。具体的なメニューを示し治療の手助けをする」と説明する。

 医療の安全でもコメディカルの創意工夫が光る。

 転倒は高齢者が寝たきりとなる要因の一つ。NTT東日本関東病院(東京・品川)では看護師の中尾正寿さん(41)が患者の転倒防止対策の中心メンバーだ。データ分析会社UBICの人工知能ソフトを使い、各看護師が電子カルテに記入した患者の発言内容をもとに、転倒リスクをリアルタイムで把握することを目指す。「早ければ1年後に実用化する」(中尾さん)

■術後はおまかせ

 多摩大大学院の真野俊樹教授(医療経済学)によると、医師からコメディカルに仕事を分散させるのは世界の潮流だ。例えば、米国のフィジシャンズアシスタント(PA)は医師の監督のもとで診察や薬の処方、手術の補助ができる。ユタ州の病院に勤務する日本人移植外科医の藤田士朗さん(58)は「手術後の患者の管理はすべてPAが担当するので助かる」と歓迎する。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、日本の勤務医の労働時間のうち診察は6割にとどまり、多くが書類作成などを負担と感じている。コメディカルがもっと表舞台に出れば、医師が診察に費やす時間も増える。医師の数を増やさずとも、医療の質を高める方法はまだある。


  1. 2015/04/17(金) 06:02:26|
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