Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月11日 

http://www.kahoku.co.jp/editorial/20150412_01.html
医学部新設/復興の使命、忘れていないか
2015年04月12日日曜日 河北新報 社説

 震災の聞き語りがつづられる中で、病院や介護施設の悲惨な場面には心を締め付けられる。大津波から逃げずに患者を守る医師や看護師らスタッフ。多くの命が失われ、医療資源が根こそぎ流された。
 37年ぶりに新しい医大をつくろう-。宮城県などが声を上げて数年。仙台市の東北薬科大は先月、文部科学省に設置認可を申請した。8月にも認められる見通しで来年4月の開学に近づいた。
 しかし、新設に対し、協力と連携を求められた東北の他の大学は冷淡で、医師会なども反対姿勢を崩していない。
 「教員採用で現場医師が地域から引き抜かれ、志望する学生も奪われる」と、いつもの懸念からだが、何のために新設するのか、いま一度、原点に立ち戻ってみたい。
 古い体質を残す既存の医大とは、おさらば。復興を担う人材を育て、東北全体の医師不足を補う新しい知の拠点づくりだったはずだ。
 薬科大の構想も準備不足ではあるが、全てを負わせるのは荷が重いというものだ。目先の利害より大きな視野に立ち、オール東北で理念の実現へ力を合わせてほしい。
 文科省の構想審査会は受け皿を薬科大とするに当たり、地元機関でつくる「教育運営協議会」の設置を求め、計6回の話し合いを重ねた。
 他の大学や宮城以外の5県代表からは「本当に卒業生が残るのか。首都圏に出て行くのでは」という地元定着の実効性への疑問や、「仙台に集中する」との声が出された。
 薬科大は、地域医療ネットワーク病院を決めてその協力の下、滞在型の教育を行う考えを示した。「仙台一極集中」については、各県と地元医学部との連携により、広く東北の情勢を反映した配置を行うとしている。
 学生に修学資金を出して地元に勤務させる制度は、宮城県内に偏って誘導していると批判が出たため、5県にも配慮するよう仕組みの修正を余儀なくされた。
 制度設計の甘さは否めず、不協和音が収まらないうちに時間切れとなった感がある。将来のありようを探るはずの運営協が、細かな議論に終始したのは大きな課題だ。
 あと1年で不安をなくすのは並大抵でなく、ハードルを一つずつ越えていかなければならないだろう。だが、せっかく東北に1校増えるチャンスである。どこにでもある医大ではなく、人に優しく、地域とともに生きる心豊かな人間教育が望ましい。
 パソコンばかり見て患者の方を向かない、専門分野にこだわり他の診療科へたらい回しするというのでは、新設する意味はない。
 軽い疾患から幅広く診察する「総合医」のような存在になれば、特定の診療科になり手が集中する偏在の解消にもつながろう。
 薬科大は薬学に特化してきた。ある大学教授は「臨床と組み合わせ、創薬などの新しい研究領域を開くことができる。東北以外から有能な指導者が集まり、教員引き抜きの心配も薄れる」と注目する。
 住民に愛され、郷土に根付く。いまは生みの苦しみでも東北全体で育て見守りたい。





https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/311143/
事故調査、「担当医の意見聴取」が必須 - 松原謙二・日医副会長に聞く◆Vol.1
報告対象の事故、手続き論で「3条件」整理

2015年4月11日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 いよいよこの10月から、医療事故調査制度がスタートする。制度発足に至るには、長年の紆余曲折した議論があり、直近に厚生労働省の検討会でも、院内調査報告書を遺族に交付するかなどをめぐって、最後まで議論が紛糾(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)、辛うじて関係者の意見集約にこぎつけた。

 本制度の目的や全体的評価、検討会の「取りまとめ」の解釈、日医として今後の対応のほか、医療事故調査をめぐる残された課題について、日本医師会副会長の松原謙二氏にお聞きした(2015年4月3日にインタビュー。計5回の連載)。


――2008年の大綱案は第三者機関の調査を基本とした制度だったのに対し、10月からスタートする今回の制度は、院内調査を基本としています。今回の制度についての全体的な評価をまずお聞かせください。

 私は大変、よくできた制度だと思っています。

――大綱案には問題があったということですか。

 今回の制度は、院内調査が十分にできれば、それで終わる仕組みだと思っており、第三者機関が調査を行う場合でも、厚生労働省内に第三者機関を作るのではなく、独立した機関にした方がいいということです。

――厚労省は現在、省令案に対してパブリックコメントを募集していますが、日医として出す予定はありますか。

 日医としては、出しません。

――現時点での省令・通知案について、日医として合意をしている。

 私たちとしては、現場の先生方の意見も踏まえ、十分な意見を言ってきました。最終的には、省令・通知案は、厚生労働大臣が決めたことです。現場に混乱がなく、患者さん側の信頼を得るための仕組みになっていると思います。

――今回の制度設計に当たっては、省令や通知等のたたき台は当初、厚生労働科学研究費補助金の「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」(研究代表者:西澤寛俊・全日本病院協会会長)で検討されていました。その後、11月に厚労省の検討会に議論が移った経緯があります(『“事故調”検討会、来年2月の取りまとめへ』を参照)。松原先生はその両方に関わられましたが、この辺りの経緯をどう見ておられますか。

 今回の制度は10月から完全施行ですので、厚労省としてはパブコメを募集し、省令等を出す時間的なリミットを考えて、11月に立ち上げたいということでした。

――厚労省の検討会は、当初から予定されていたとお考えですか。

 やはり省令等については、研究班ではなく、厚労省が検討会を開いて取りまとめを行い、パブコメを募集して、出さなければならないので、その手続きを踏んだということだと思います。

――制度の各論について、お聞きします。厚労省の検討会では、最後まで構成員の意見が分かれた点が幾つかありました(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。その一つが、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告する医療事故の定義であり、3月29日の日医臨時代議員会において、松原先生は「手続き論で整理した」と説明されました(『院内調査報告書の交付「努力義務」、松原日医副会長』を参照)。

 まず制度の“入り口”で、どのような症例を報告するか、厚労省の検討会でも、(西澤氏の)研究班でも大変議論になりました。当初は、ポジティブリストとネガティブリストのどちらか、あるいは両方を作成し、例示によって対応するような意向が厚労省にあったように思います。ただ、この場合、現場はいちいちお伺いを立てないと報告すべきか否かを判断できなくなってしまう恐れがあるので、日医としては、「現場にとって分かりやすい方法、自分の施設で十分に判断できる方法にすべき」と主張し続けていました。ポジティブリストとネガティブリストの場合、どうしても「グレーゾーン」が出てしまうからです。

 厚労省の法令担当と、「何か他の方法がないか」とかなり議論し、最終的には「手続き論で行こう」という結果に至り、今回の「3条件」になったのです。「手続き論」に徹して対応することで、医療側も遺族側にも納得していただいた。

「予期しなかったもの」の定義
 当該死亡または死産が予期されていなかったものとして、以下の事項のいずれにも該当しないと管理者が認めたもの。

1.管理者が、当該医療の提供前に、医療従事者等により、当該患者等に対して、当該死亡または死産が予期されていることを説明していたと認めたもの。

2.管理者が、当該医療の提供前に、医療従事者等により、当該死亡または死産が予期されていることを診療録その他の文書等に記録していたと認めたもの。

3.管理者が、当該医療の提供に係る医療従事者等からの事情の聴取および医療の安全管理のための委員会(当該委員会を開催している場合に限る)からの意見の聴取を行った上で、当該医療の提供前に、当該医療の提供に係る医療従事者等により、当該死亡または死産が予期されていると認めたもの。

――「3条件」であれば現場では、混乱が起きないとお考えですか。

 起きないと私は思います。医療機関の管理者にとって分かりやすく、ご遺族にとっても十分に説明されていたものでない場合に、「予期しない死亡」となるわけですから、両者とも納得できるのではないか、ということで、厚労省と議論しました。

――ご遺族の立場の一部には、「医療機関が、(センターへの報告を避けるため)リスクを防衛的に説明するようになるのでは」との意見もあります。

 私は検討会で、「単純に、(死亡率などの)パーセンテージだけを説明するのではなく、例えば、高齢であるとか、糖尿病などの合併、あるいは大きなリスクなどについて、十分に説明して納得した上で、手術などに踏み切るべき」と申し上げていました。その際、大事なのは、患者さんに十分に説明して、カルテに記載することです。

―― 一般論ではなく、あくまで当該患者さんにとって予期できたか否かを説明すべきということ。

 はい。その患者さんのリスクを十分に説明して、死亡の可能性があるのかどうかを説明すべきであって、「何%の死亡率があります」と説明する話ではありません。

 また「(3条件の一つとして、予期していることを事前に説明などをしなかったものの)管理者が、医療従事者や医療安全管理委員会の意見を聴取した上で、予期されていると認めたもの」との条件があります。やはりそこには合理的な理由が必要で、「この条件で物事を片づけてしまう(センターに報告せずに済む)ことにはならないようにすべき」と検討会で発言し、患者団体の合意も得たところです。

――センターに報告した後は、各医療機関が院内調査を行うことになります。例えば、群馬大学医学部附属病院の例など、昨今の医療事故の例を見ても、院内調査を的確に行う体制が整っているか、また調査の方法論も習得しているかなど不安な面があります(『群馬大学腹腔鏡事件の報告書は小学生レベル』を参照)。

 十分でないでしょう。私たちは、群馬大学、それから千葉県がんセンターの件は、「事故」ではなく、「事件」だと思っています。これらの事件では、院内調査にも限界があることが明らかになっています。群馬大学の事例では、「過失あり」という表現を報告書に後から書き加えるという、あってはならないことが起きているわけです(『最終報告書から「過失あり」を削除、群大病院』を参照)。やはり院内調査の結果をオーソライズするような機関があるべきでしょう。医療事故調査・支援センターが、その役割を果たすことになると思います。

 また院内調査の報告書をご遺族に渡すかどうかが、二番目の大きな山でした。適切に調査をすれば、恐らくほとんどの調査報告書は、ご遺族に渡して説明することができると思いますし、そう努力すべきです。しかし、群馬大学の件などでは、院内調査の委員長、つまり管理者と当事者の意見に相違があります。福島の事故(2004年12月、帝王切開手術後に産婦が死亡した県立大野病院事件)も、新宿の事故(2001年3月、心臓手術中に女児が死亡した東京女子医大事件)も、結局は院内調査が十分ではなかったために起きた「冤罪」です。これらの事故では、当事者であるお二人の医師は了解していなかったのに、結果として不十分な調査報告書が出されて、それを基に医師が逮捕された。これを避けなければならないわけです。

 当事者がどうしても報告書に反対している場合には、重く受け止めなければならない。厚労省検討会の取りまとめでは、「当該医療従事者や遺族が報告書の内容について意見がある場合等は、その旨を記載」という表現になりました。医療機関の管理者だけではなく、当事者の意見も十分に反映しないと、一方的な報告書になります。院内調査で意見がまとまらなかった場合に、文書にしてご遺族に渡してしまうと、独り歩きして危険です。このような場合には、「報告書を手渡せない合理的な理由」に当たる可能性はあり、院内調査で終了せずに、きちんとご遺族にも説明した後で、第三者機関によるオーソライズをお願いすべきだと思います。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20150411-OYS1T50047.html?from=sytop_main3
ノロウイルスで入院患者ら食中毒、岩国の病院
2015年04月11日 読売新聞

 山口県は11日、同県岩国市の市医療センター医師会病院の入院患者と職員計40人(24~96歳)が下痢や発熱などの症状を訴え、ノロウイルスによる食中毒と断定したと発表した。全員快方に向かっている。

 県によると、6~7日に調理施設で作った豚肉の煮物やホタテ料理などを食べた人が症状を訴えた。複数の人からノロウイルスが検出されたため食中毒と判断。11日から14日まで調理施設の業務停止を命じ、この施設の料理を提供している病院内のレストランにも営業停止を命じた。



http://www.the-miyanichi.co.jp/kuroshio/_11780.html
くろしお
問題外科

2015年4月11日 宮崎日日新聞

 作家の筒井康隆さんに「問題外科」という短編がある。ベテランで腕はいいが短慮、軽薄な医師たちが患者と取り違えた看護師をメスで切り刻むというむちゃくちゃな話だ。

 医師は開腹後、仮眠から覚めて錯乱状態に陥った看護師の内臓を一つずつ切除するという暴挙に出る。筒井流の刺激的な表現なので気弱な人は次の3行は読まずに飛ばしてほしい。「おれは剔除(てきじょ)した赤黒い肝臓を指先でつまみ、ぴらぴら振りながら彼女に見せた」。

 群馬大病院で腹腔鏡(ふくくうきょう)による肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、同病院はこれまでに、開腹手術の死亡調査と併せて、事故が繰り返された病院の体制を総合的に検証する委員会を新たに設立すると明らかにした。当然のことだ。

 一方、死亡した患者8人を執刀した医師が「手術前に患者に十分な説明をした」と主張し、「過失があった」とする病院の認識に対して「妥当ではない」と反論する文書を提出していたことも判明した。医師は「一身上の都合」を理由に3月末に退職したという。

 千葉県がんセンターの消化器外科でも過去、腹腔鏡下手術を受けた複数の患者が死亡している。同県の第三者委員会は、対象の11例中10例で「手術方法の選択や手術時の対応など診療上の問題があった」とする最終報告書案を発表した。

 「問題外科」では上司が「内密に処置せよ」と指示するが、群馬と千葉の両件は遅きに失したものの内密にはならなかった。検証の結果は今後の腹腔鏡医療に生かされる。気になるのは非を認めず、「一身上の都合」でやめた医師のことだ。



http://mainichi.jp/shimen/news/20150412ddm002040061000c.html
医師流出入:育てた医師定着せず 石川など7県、半数以上が流出
毎日新聞 2015年04月12日 東京朝刊

 地元の大学で養成した医師のうち、全国7県で半数以上が他県へ流出していることが慶応大などの研究チームの調査で分かった。多くが千葉や埼玉、兵庫など大都市近郊の都市へと流れたとみられる。チームは「大都市近郊で医師の養成率を上げない限り、地方の医師不足問題は解決できない」と指摘する。

 慶応大医学部5年の岡田直己さんらは、47都道府県別に、1994年から2012年までの18年間に医学部を出て国家試験に合格した医師の数を累計。実際にこの間に増えた医師数と比較し、増減を人材の移動とみなした。

 その結果、養成した医師のうち他県へ流出した割合が最も高かったのは石川で68%。島根、鳥取、高知、秋田、青森、山梨も含め計7県が50%を超えた。地方からの流入が多いと思われていた東京は、養成数の16%にあたる医師が他県へ流出していた。

 一方、地元で養成した医師と比べたときの流入した医師の割合が最も大きかったのは千葉で232・3%。続く埼玉も、養成した医師の倍以上の流入があった。両県とも人口は多いが、医学部を持つ大学は1校しかなく、地方で養成された人材を吸収している構図が浮かんだ。

 岡田さんは「医師不足は大都市近郊での対策が重要なカギを握る。医師は地方から大都市の東京ばかりに集まるわけではないと、認識を改める必要がある」と指摘する。

 研究成果は、11日の日本内科学会総会で発表された。【河内敏康】

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 <養成された医師のうち県外に流出した割合>

 (1)石川 68%
 (2)島根 58.9%
 (3)鳥取 56.4%
 (4)高知 54.4%
 (5)秋田 53.9%
 (6)青森 53%
 (7)山梨 51%
 (8)福井 49.2%
 (9)徳島 46.9%
(10)佐賀 44.8%

 <養成した医師に対する流入した医師の割合>

 (1)千葉  232.3%
 (2)埼玉  225.6%
 (3)兵庫   72.7%
 (4)静岡   68.3%
 (5)広島   57.3%
 (6)茨城   40.9%
 (7)宮城   36.1%
 (8)岐阜   33.5%
 (9)神奈川  32.3%
(10)長野   23.8%
 ※上位10県 慶応大など調べ


  1. 2015/04/12(日) 06:16:43|
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