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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月26日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/306785
医療維新
外国医師診療拡大「問題ありすぎ」、日医・横倉会長
地方創生特区の秋田県仙北市でアイデア

レポート 2015年3月26日(木)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は3月25日の会見で、政府の国家戦略特区諮問会議が3月19日に決定した「地方創生特区」の中で検討されている臨床修練制度の要件緩和などによる外国医師の診療拡大の検討について、「(医療安全の観点から)問題がありすぎる」として、反対する考えを示した。横倉氏は、特区の枠組みの中で、外国医師の診療拡大が検討されている点について、「経済活性のために、地域限定で医療本体の規制を解除することは賛成できるものでない」との考えも示した。


日医の横倉義武会長は、発展途上国の医療水準の向上などが目的の臨床修練制度が、医師不足対策に活用されることを疑問視した。
 新しく「地方創生特区」に指定された秋田県仙北市の区域方針では、「外国人医師の診療所における診察」の項目が盛り込まれている(資料は、内閣府のホームページ)。内容としては、(1)現在、外国人医師向けに実施されている「臨床修練制度」で、受け入れ可能な診療所の範囲を「臨床修練病院の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保された診療所」としている要件について、指導医の確保などを前提に、臨床修練病院との連携の条件をなくして「単独の診療所」でできるようにする、(2)臨床修練を行った外国医師について、特区において二国間協定に基づく実地試験を省略する――の2つ。

 (1)については、横倉氏は、国が「適切な指導医を確保すれば良い」との関係を示していることについて、同制度における指導医の指導状況を、地元の医師会などがチェックする仕組みの必要性などに言及した上で、「秋田県医師会や地元医師会は困っており、日医も同じ思い」「単独診療所で、1指導医がいるだけで良いというのは、安全上の問題がありすぎる」と指摘した。仙北市の案は、医師不足が発端になっている点については、「外国から医師を招くのでなく、(日本の)医療界で対応する問題だと思う」と話し、発展途上国の医療水準の向上などが目的となっている臨床修練制度が、医師不足対策のために拡大されることを疑問視した。さらに、現行の制度における指導医については、専門医の取得や大学における指導経験を念頭に「資格要件を明確にすべき」と話した。

 (2)について、横倉氏は、医師免許の互換制度において、相手がフランス、英国、米国、シンガポールの4カ国のみで、相互主義による二国間協定に基づいている点を指摘し、医師の質担保や、外国医師の受け入れに当たって片務的で不平等な関係にならないように、慎重な対応を求めた。

 1月の時点において、国家戦略特区諮問会議で出ていた「二国間協定による外国人医師が、日本の保険が適用できる外国人を診療した場合の保険適用」のアイデアがなくなったことについて、横倉氏は歓迎する意向を示した。

 

http://www.sankei.com/life/news/150326/lif1503260003-n1.html
医学教育の国際化考える 東京医科歯科大でシンポ
2015.3.26 07:00【産経Health】

 医学教育の国際化をいかに推進するかをテーマにした国際シンポジウム「医療系グローバル人材育成における大学の役割と取り組み」が21日、東京都文京区の東京医科歯科大学で開かれた。

 シンポでは、日本の医療水準は高いのに、国際的に生命科学分野の論文数で遅れ、医薬品・医療機器分野で輸入超過となり、さらに国際機関での活躍も見劣りする-との課題が提起された。これを受けて東京医科歯科大学グローバルキャリア支援室長の高田和生教授は選抜した学生を対象にすべて英語で授業を行う「HSLP」という制度をすでに始めていることを紹介し、「世界の保健医療分野で貢献できる人材を養成したい」と語った。

 新潟大学大学院の斎藤昭彦教授はこの2年で米国医師国家試験に計8人合格した実績を示し、「米国で働く選択肢が開ければ国際化につながる」と述べた。

 ソウル大学の金漢錫教授は韓国の英語教育は初等教育から熱心なため、大学進学後に「英語がストレスになる人は少ない」と指摘。「世界保健機関(WHO)事務局長に韓国人がかつて就任したように、韓国は国際舞台で活躍することを目指している」と語った。

 タイの参加者からは東南アジア諸国連合(ASEAN)で医療制度の垣根を取り除き、医師が各国で働ける構想が進められており、そのためにも「医学教育の国際化が重要になっている」ことが紹介された。

 パネルディスカションは東京医科歯科大学の田中雄二郎理事が司会を務め、早稲田大学の内田勝一学長代理らが参加した。



http://www.nnn.co.jp/news/150326/20150326003.html
患者に笑顔広がる ホスピタルアートお目見え
2015年3月26日 日本海新聞

 鳥取医療センター(鳥取市三津)の重症心身障がい児者病棟に「ホスピタルアート」がお目見えした。壁や天井に動物や乗り物の絵が大胆な大きさと温かみある配色で描かれ、見る人を包み込むよう。関係者は、患者の癒やしにつながることを期待している。

 機能が優先され、ぬくもりが欠けがちな医療機関の造りに芸術作品を取り入れることで、患者の心に癒やしを届けるのがホスピタルアート。欧米では広く浸透している。

 「改築記念にずっと残るものをつくりたかった」と話すのは下田光太郎院長(65)。センターは、旧病棟の老朽化に伴い2012年4月に病棟を新築。3病棟160床あり、県内はもとより島根、兵庫、京都など近隣府県の3歳から60代までの患者が入院している。長期入院者もいて、病棟は生活の場となっている。

 新築後、入院患者の保護者会による寄付金の使途について考える委員会を看護師らが設置。物品購入や彫刻などの案も出たが、「特に子どもたちの視覚に訴えるものを」と、院長提案で壁画制作が決まった。

 エレベーターホールと渡り廊下にはキリンやクジラなどの動物や列車、パトカー、飛行機などの乗り物が花柄を交えて描かれた。24日に関係者にお披露目され、保護者会長の松本泰子さん(61)は「生きる喜びを患者のみんなが感じてくれそう。保護者も幸せ」と感無量の表情。早速、廊下を通った患者の子どもや看護師に笑顔が広がった。

 作者は行動美術協会員で鳥取市内在住の画家、細川佳成さん(54)。「生きる喜びというテーマを頂き、動物や花の躍動感を描いたが、私自身すごく楽しかった」と話す。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2015/M48130201/
シリーズ 少子化最前線-産科医療の今 ④
「女性医師支援」で見えてきた課題と今後の展望

木戸 道子 氏
[2015年3月26日(VOL.48 NO.13) p.20] MT Pro / Medical Tribune


 産婦人科に占める女性医師増加の背景には「女性特有の悩みを相談しやすい」というニーズの高まりがある。一方,当直を挟んだ長時間連続勤務などの激務は改善されないままで,産科を専攻した女性医師の半数が働き盛りの時期に育児などを理由に分娩取り扱いを離れ,医療体制の維持に影響が出かねない状況だ。女性医師がやる気を持ちながらも診療の第一線を退くことのないよう,産婦人科では妊娠・育児中の勤務緩和や院内保育所の設置状況などを他科に先駆けて調査・提言してきた。そのような中,支援の在り方に新たな課題も見えている。産科の「女性医師問題」とその解決策とは。日本赤十字医療センター(東京都)第二産婦人科部長で日本産婦人科医会勤務医委員会の委員長を務める木戸道子氏に聞いた。

意外と気付かない“マミートラック”のリスク

 日本産婦人科医会の調査によると,分娩取り扱い施設に勤務する常勤医の4割は女性で,その半数は妊娠中,または小学生以下の子を育児中だ。さらに,小学生以下の子を育児中の女性の64.9%,中学生以上の子を育児中の女性の40.7%が当直緩和(免除を含む)を受けている。

 子供が小さい間は職場の勤務緩和を利用,または非常勤やパートで仕事を続け,育児に手がかからなくなったら本格的に復帰すればよい…。しかし「これは“マミートラック”に入り込む恐れがあり,支援する側もされる側も意外とそのリスクに気付かない」と木戸氏。マミートラックとは,子供を持つ女性の働き方の1つで,仕事と育児の両立はなんとかできるものの,昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースを指す。「勤務緩和は大変な時期にはありがたいが,いつまでも緩和のままでは支援する側も負担である上,本人のキャリアアップにもつながらない」と話す。

常勤医の3分の2が女性,集約化による交代勤務制で働きやすく

「女性医師問題」を改善するには,「勤務緩和よりも誰もが無理なく働けるシステムが鍵。その1つが交代勤務制」と木戸氏。同制度の長所は「オンオフをはっきりでき,ワークライフバランスの向上だけでなく,長時間連続勤務をしないことで医療安全につながること」。「育児中の女性医師への支援」としてではなく,あくまで患者の安全のために医師の性別にかかわらず必要なことと強調する。

 同氏が勤務する日赤医療センターは母体救命の受け入れを含め年間分娩数3,200件以上の日本有数の施設。研修医にも人気の病院だ。約30人の産婦人科医のうち,女性は3分の2,その3分の1が妊娠あるいは育児中だが,夜間休日の勤務も免除なく担当している。時には「女性医師が多いと勤務のやりくりに困る」ともいわれる現在の医療界では異例の体制だが,医師数の多い施設だからこそ可能な側面がある。

育児と当直の両立,交代制だと「意外とできる」

 例えば医局員が出産後に復帰した場合,日中のみの勤務から開始し,そのうち「月1回からでいいので,休日の日勤をやってみて」と声をかける。最初は「子供がいるので…」と迷っていても,一度体験すれば「“意外とできる”と自信につながる」と木戸氏。また「家族の援助などを受けながら頑張っている姿を見て,周囲も応援する気持ちが湧き,不公平感もなくなるようだ」と話す。交代勤務制であれば長時間連続勤務ではないため,当直入り明けの日中がフリーとなり,家族と過ごす時間や自己研さんに充てることも可能だ。

仕事と育児への向き合い方は異なる「1人で抱え込まない」

 自身も3人の子供を育てながら産科医を続けてきた。常勤を辞めようと思ったことも一度や二度ではない。それでも「産科の仕事は,健やかにこの世に産まれる新しい命を見守るかけがえのない仕事。大出血など時には怖い思いをすることもあるが,自分なりに考え,対応した経験が積み重なって力が付いていく」。

 一方,子育てで実感したのは「親業はエンドレスで,“何歳から手が離れる”ということはない。でも,育児は自分だけで抱え込む必要もない」と木戸氏。人により事情は異なるので周囲が自分の価値観を押し付けないこと,本人も「両立は無理」と退職や転職を決める前に周囲に相談することが大事,と話す。

育児中でも管理職目指すには

 職種にかかわらず女性が育児などを経ても仕事を辞めずに続けるだけでなく,キャリアアップし指導的立場・管理職として組織の運営に加わることが社会で求められるようになっている,と木戸氏。「既に民間企業では,商品開発や営業に女性が加わり成長を遂げている。医学・医療においても女性の視点でこれまでにない発想やアプローチにより学問の発展も期待できるのではないか」との考えを示す。

 キャリアアップを目指すには,院内外の会議や委員会などの管理業務を担当することで視野や人脈,経験の充実に役立つと話す。「“家に帰らないと”と時間に拘束されていると,こうした場に参加できないままで役割も回ってこない」(同氏)。会議に出れば,組織の意思決定の仕組みも体験できる。“この人なら頼める”と信頼関係の構築にもつながる,とそのメリットは少なくないと説明する。

使いやすい保育サービスの普及が望まれる

 とはいえ,会議は夕方など勤務時間外に開かれることも多い。育児中は,保育園の迎えなど帰宅時間がやはり気になる。「まず委員を引き受ける前提で,やりくりを考えるのがこつ」と木戸氏。時にはファミリーサポートやベビーシッターを上手に利用する方法もあると話す。

 医師,家庭人として限られた時間をやりくりするための保育サービス活用の意義は,自分自身のワークライフバランスの向上だけにとどまらない。「比較的,経済的に余裕のある医師が先行して各種保育サービスを利用し,どうすれば使い勝手が良くなるのか,どんどん意見やアイデアを出していくべき。そうしてサービスが充実すれば,より多くの人が利用できるようになり,さらに改善が進んでコストも下がっていくかもしれない。子供にとって,母親がずっと側にいるのが一番幸福とは限らない。保育士やシッター,異年齢の子供と接することで成長にプラスになる面もある」と話す。

「ピンチをチャンスに」

 木戸氏のモットーは「ピンチをチャンスに」。「○○だから,できない」と殻に閉じこもるのではなく,「だったらどうすればいいのか」とポジティブに考えてやってきた。今の職場に交代勤務制が導入される前は月8回の当直を挟んだ連続勤務もいとわず,出産,育児や家事をこなした,と振り返る。3人の子供のベビーシッター代が月給を超えた時期もあった。「こんな鉄人レースのような生活なしに成り立たないような制度自体がおかしい」。幸い家族も職場も“出産しても仕事を続けて当然”と理解があった。「たまたま周囲の理解に恵まれて仕事を続けられたのはありがたいこと。でも,もっと多くの人がライフイベントにかかわらず楽しく仕事を続け,ひいてはキャリアアップを目指せる環境づくりも大切」と勤務医の待遇改善に奔走してきた。

「当院の交代勤務制は分娩数も医師の数も多いから可能との声も聞く。でも“この病院は人数がいないから交代勤務制ができない”ではなく,地域に人員が多く症例の豊富な施設を1つつくれば,地域での救急受け入れ能力が向上する。さらにいったん現場を離れた医師の再研修の場となりうる。そこで再研修後を受けることで安心して現場に復帰できる,というさまざまなメリットがあるはず」と話す。

 同氏も医師・家庭人としてだけでなく,学会活動など仕事はたくさんある。そのための時間のやりくりは確かに大変だ。「家庭がおろそかになると子供がきちんと育たない,と言われないよう子供と向き合う時間をつくるよう努めてきた。夜間や休日にも親が不在がちで,子供なりに当時はさまざまな思いがあったかもしれないが,今では社会人の先輩としてとても尊敬してくれている」。子育ても仕事も「楽しそうにやっている背中を見せる」ことが肝心と話す。

 これからも,自分にできることはささやかかもしれないが,いろいろな立場の女性医師の経験を集め,そのノウハウや失敗を若い人になんとか伝えていきたい,と同氏。「“この先には,こんな落とし穴があるから気を付けた方がいいよ”“今はしんどいけど,もう少しすると違った景色が見えるよ”と駅伝コーチのように一緒に走っていきたい」と笑った。

Column
産科医のワークライフバランス改善にさまざまな試み

 日本産婦人科医会は2009年に女性医師支援情報サイトを開設。出産・育児の話題以外にも,家族の介護や職場の人付き合いなどに関する事例紹介やアドバイスを掲載している。
 現在,「ワークライフバランスやキャリアアップに関するさらに広いテーマを紹介するため,改訂準備中」(木戸氏)とのことだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=115097
腹腔鏡の波紋(中)…診療報酬「適用外」も請求
(2015年3月26日 読売新聞)

高難度手術倫理、審査受けず

 関東地方の病院で2013年に、肝臓の右半分に当たる「右葉」を切除する手術が行われた。患者は女性で、手術には腹腔鏡が使われた。

 大きな出血を起こす心配があった腫瘍は切除され、患者は無事退院。しかしこの手術には問題があった。保険が利かない「適用外」であるにもかかわらず、保険請求されていたのだ。不正請求に当たる疑いがある。

 腹腔鏡を使った肝臓手術では現在、二つの方法しか認められていない。肝臓の左3分の1に当たる外側区域の切除と、腫瘍をくりぬくように切り取る「部分切除」だ。

 これら以外は全て適用外で、100万円以上かかる治療費は患者が全額支払う自由診療か、病院が研究費などから賄うのが本来の姿だ。しかし、適用外の手術でも多くが保険請求されているとみられる。

 冒頭の関東地方の病院幹部は「右葉切除だが『部分切除』で請求した。適用外の腹腔鏡について他の病院に尋ねたが、どこも国から不正請求と指摘された所はなく、請求しても問題ないと判断した」と話す。

 読売新聞が、適用外の腹腔鏡手術について学会発表している28病院に質問したところ、関東地方の同病院を含む4病院が「保険請求した」と答えた(1病院は自由診療、23病院は無回答)。

 適用外の腹腔鏡手術は保険適用に比べ死亡率が高く、安全性や有効性が確認されていない。公の議論がないまま、病院側の判断で保険請求され、支払いが認められれば、なし崩し的に適用外の手術が広がることになる。

 患者が相次いで死亡した群馬大病院では、10年12月~14年6月の間に、58人に適用外の腹腔鏡手術が行われ、そのうち35人の手術が保険請求された。

 ある大学病院の病院長は「適用外でも保険適用の手術として会計上処理されていれば、難易度が高くない手術として倫理審査も受けずに済む。どうしても院内のチェックは甘くなる」と指摘する。

 同じ構図は、膵臓の腹腔鏡手術を受けた患者が相次いで死亡していることが昨年4月に発覚した千葉県がんセンター(千葉市中央区)でもみられた。同センターは、13年に行った適用外で高難度の腹腔鏡手術を通常の開腹手術として請求していた。同センターは健康保険法に基づく国の調査を受けている。

 群馬大病院に対しても厚生労働省は調査を行う方針だ。他の病院の適用外手術の保険請求に対しては「病院側から出ている保険請求内容と、院内の手術記録を突き合わせてみないと不正かどうかわからない。群馬大病院の調査結果を見て判断したい」と対応を検討している。

 日本肝胆膵外科学会などの調査によると、この分野の適用外の腹腔鏡手術は年間約400件。保険の「不正請求」についても実態解明が急務だ。



http://apital.asahi.com/article/news/2015032600006.html
事故調査、医師「納得できず」 東京女子医大病院
2015年3月26日(朝日新聞 2015年3月26日掲載

 東京女子医大病院で医療事故にあった患者や家族らによる被害者連絡会は25日、厚生労働省に資料を提出し、同病院の特定機能病院の承認取り消しを改めて求めた。資料には、担当医らが遺族に「外部調査委員会の調査結果に納得していない」と話したことを示す文書もあった。文書は、原則禁じられている麻酔薬プロポフォールの投与後に死亡し、病院の外部調査委員会で「悪影響を及ぼした可能性は否定できない」とされた子どもの家族に、担当医らが1月に説明したのを書き起こしたもの。それによると、担当医らは「他の病院でも使用しているのに、(なぜ)女子医大だけが問題にされるのかわからない」と話したという。



http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_11498.html
社説
研究不正対策

2015年3月26日 宮崎日日新聞

学会は自主的に取り組んで

 科学や医療の分野で研究上の不正や疑惑が相次いだことを受け、政府が規制強化に乗り出している。不正行為への対応の基本を定めた文部科学省のガイドラインが4月から適用され、厚生労働省も不正防止のための法案づくりを進めている。しかし大学や研究機関は研究活動を萎縮させないためにも、より公正で透明性のある規制の仕組みをつくる必要がある。

■証拠の優越あいまい■

 最近の不正行為の中でもSTAP細胞よりも事態が深刻とみられるのは、東京大分子細胞生物学研究所で起きた論文不正だ。東大の調査では、33本の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんが確認され、元教授ら11人が不正に関与していた。

 ガイドラインはこうした不正行為を防ぐための取り組みや疑惑が生じた際の対応について基本的な考え方を示し、それに沿った規定作成など体制整備を大学や研究機関に求めている。問題があれば指導し、改善しなければ研究費の配分を止める措置も取る。

 ただ、ガイドラインには十分に議論してつくったと思えない部分がある。まず証明責任を、告発された側の研究者に負わせている点だ。証明できなければ不正と認定するとしている。

 しかし訴訟では証明責任は原則として告発した側にある。行政機関が処分する場合は機関の側に証明責任があるというのが一般原則で、米国の研究不正の規定もそうなっている。特殊なルールを採用するのなら、議論を深め、社会的な合意を得るべきだ。

 またガイドラインは、不正かどうかは大学や研究機関の設ける調査委員会が「総合的に判断する」としている。米国やフランスでは「証拠の優越」による判定が原則だ。双方が証拠を出し合い、どちらに分があるかを判断する。日本の民事裁判の原則でもある。ガイドラインはそうした原則を示しておらず、あいまいな判断がまかり通る可能性がある。

■背景に自浄作用衰え■

 不正の有無を調べる方法として、疑いをもたれた側が再実験をすることを盛り込んだのも疑問だ。実験で結果が再現できるかどうかと不正の有無は別の話だ。どんな調査をするかは状況に応じて考えればいい。

 公正さの面でも十分とは言えない。欧州の科学アカデミーは疑われた側が告発内容を把握できるようにしたり証人を立てることを認めたりするよう提言している。参考にしてはどうか。

 ガイドラインは不正行為の背景に科学界の自浄作用の衰えがあると指摘する。本当なら日本の科学の存立自体が危うい。学会はぜひ自主的に取り組んでほしい。

 過酷すぎる競争が不正の温床になっているという指摘もある。博士を増やしたものの、安定した職になかなか就けない現状を考えれば、政府はもっと根本的な、不正の起こりにくい環境づくりに取り組むべきだ。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/158718
地域枠医師、巣立ち 第1期の鹿大卒女性2人 [鹿児島県]
2015年03月27日(最終更新 2015年03月27日 01時26分)西日本新聞

 鹿児島県が離島やへき地などの医師不足を解消するため鹿児島大医学部の学生を対象に導入した奨学金制度第1期生の女性2人が、地域枠医師として4月1日から勤務する。2人は26日、県庁で伊藤祐一郎知事から勤務先決定の通知書を受け取り「地域のために頑張りたい」と決意を語った。
 奨学金制度は2006年度に創設された。入学金や授業料、生活資金、図書購入費など6年間で最大940万円を学生に貸し付ける。学生は卒業後、計3年の臨床・実務研修を経た上、離島やへき地で最長6年勤務すれば返還を免除される。
 勤務先が決まった2人のうち、鹿児島市の新村尚子さん(28)は肝付町立病院に配属される。奨学金制度の利用は予備校の講師に勧められたといい、「地域に医療が届いていない現状を知り、自分を必要としてくれる所に行きたいと思った」と振り返る。専門は循環器内科だが、肝付町では岸良診療所への出張も週に2回あり、総合診療を要求される。「患者さんを少しでも元気づけられる医師になりたい」と力を込めた。
 県によると、12年の県内の医師数は4227人。人口10万人当たりの数は全国平均より12・3人多いが、鹿児島医療圏(鹿児島市・郡、日置市、いちき串木野市)に集中しており、最も少ない曽於医療圏(曽於市・郡、志布志市)とは3・5倍もの格差がある。
 奨学金の貸与者は現在116人。県は地域枠医師を今後10年間で137人に増やす予定で、医療の地域間格差の解消に努めていくという。
=2015/03/27付朝刊=



http://mainichi.jp/select/news/20150327k0000m040105000c.html
千葉県がんセンター:50代医師執刀で死亡相次ぐ
毎日新聞 2015年03月26日 21時51分(最終更新 03月26日 22時37分)

 千葉県がんセンター(千葉市)は26日、肝細胞がんの治療を受けていた県内在住の男性(65)が抗がん剤投与後に容体が急変し、死亡したと発表した。投与したのは消化器外科の50代の男性医師で、同センターで腹腔(ふくくう)鏡手術を受けたがん患者が相次いで死亡した問題では大半の事例を執刀していた。センターは医療ミスの可能性もあるとみて外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置した。

 死亡した男性は2009年、他病院からの紹介で治療を開始。カテーテルを通して抗がん剤を投与し、がん細胞を壊死(えし)させる治療を約5年半受けていた。計12回目となる今月16日の投与後の同19日に容体が急変して死亡した。死因は肝細胞がんの破裂による出血で、センターは「(破裂が)自然経過によるものか、治療によるものか検証したい」としている。

 投薬した医師は、腹腔鏡手術を巡る問題で県の第三者検証委員会が検証対象としている腹腔鏡手術による死亡11例のうち8例の執刀医だった。同問題が発覚した昨年5月から手術への中心的な参加を禁じられていたが、投薬治療の担当は続けていた。センターは今回の事案を受け、この医師に全ての診療行為を控えるよう指示した。【岡崎大輔、円谷美晶】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032602000153.html?ref=rank
千葉県がんセンター 腹腔鏡手術複数に「問題」
2015年3月26日 朝刊 東京新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で、腹腔(ふくくう)鏡を使って膵(すい)臓や肝臓などの手術を受けた患者十一人が死亡した問題で、医学的な調査・検証を行った日本外科学会が、手術方法の選択に誤りがあったことや執刀医の技術水準が手術を担うレベルに達していなかったなど、複数の事例を問題視していることが関係者への本紙の取材で分かった。十一症例のうち、手術の技量や前後の措置を含め「問題ない」と判断した事例は二例にとどまる。
 同学会に調査を依頼した県の第三者検証委員会(会長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会会長)は、こうした検証結果などをもとに二十六日にも最終報告書をまとめる。
 検証対象となっているのは、二〇〇八年六月~一四年二月に腹腔鏡下手術を受け死亡した事例。男女十一人のうち八人の手術を一人のベテラン男性医師が執刀、残り三人をそれぞれ別の三人の医師が担当した。
 一三年一月にベテラン医師が実施した肝門部胆管がんの男性=当時(74)=の手術について、「開腹手術でも難しい手術で腹腔鏡下で行ったことが最大の問題点」「挑戦的な選択だった」とそれぞれ批判した。
 さらに腫瘍が転移していない部分まで肝臓を切除したことなどが死亡につながったと判断。初めて行う手法を伴った手術にもかかわらず、倫理委員会で検討した記録がなく、「患者や家族への説明や、同意を得る過程も適切ではなかった」と結論づけた。
 同学会は、ベテラン医師について、腹腔鏡下手術の経験が豊富で「実績があり日本をリードする医師だった」と評価する。しかし一二年九月、手術中の出血による心筋虚血で亡くなった膵がんの女性=当時(76)=の場合は、大量出血時にしばらく腹腔鏡下で止血を試みており「腹腔鏡下での止血に固執したきらいがある」などと指摘した。
 〇八年十一月の胃がんの男性=当時(58)=の手術を担当した別の医師については、手術記録から「盲目的な手術操作が目立ち、手術を安全に実施できる水準に至っていなかった」と技量不足を指摘。
 一一年八月、さらに別の医師が執刀した肝細胞がんの男性=当時(72)=の手術では「胆のう管と他の管を誤認して切り離した」ため死因の肝不全につながったと分析した。
 県がんセンターを所管する県病院局は「第三者検証委員会の調査が最終段階に入っており、コメントは差し控えたい」としている。
◆「選択は誤り」「家族へ説明足りず」「技量不足」
 日本外科学会による千葉県がんセンターで行われた腹腔鏡下手術の事例検証からは、病院内の倫理委員会の審査を経ずに保険適用外の高難度の手術に踏み切るなど、患者八人が死亡した群馬大病院と類似点が浮かび上がる。
 一般的に保険適用外の腹腔鏡下の手術は難易度が高く、日本肝胆膵(すい)外科学会が二十三日に発表した調査でも、肝臓切除手術の死亡率は保険適用外の手術で保険適用の手術と比べ五・四倍高く、膵臓切除の場合は一〇・八倍に上った。
 千葉県がんセンターの場合も十一の症例中、保険適用外の手術は八例を占めた。このうち少なくとも五例で倫理委員会の審査を経ていなかった。一〇年七月に胆管がんの手術を受けた男性=当時(82)=のケースは、手術や術後の管理には問題がなかったものの、日本外科学会の検証結果は「倫理委員会の審査が行われないままに実施されたことに問題があった」と明確に指摘している。
 こうした危険度の高い手術だったにもかかわらず、倫理委員会の事前承認だけでなく、患者や家族に対しても、手術方法のメリットやデメリット、発症しうる合併症について説明をしたかどうか、すべての事例で十分な記録を残していなかったことも明らかになった。
 日本肝胆膵外科学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は、同センターの死亡事例十一件のうち、保険適用外が八件に上ることについて「難しい症例に挑戦し過ぎたのかどうか、センターは調査で明らかにする責任がある」と指摘。
 センターを所管する県は第三者委員会の報告を受けた後、センターの過失の有無を含めて対応を協議する。
 <千葉県がんセンターの患者死亡問題> 昨年4月、腹腔鏡を使った手術で患者が相次いで死亡していたことが発覚。県は同6月に原因究明と再発防止を目的とする第三者検証委員会を設置。これまで8回開催され、死亡した11人の事例について、医療の専門的見地からの調査・検証を日本外科学会に委ねた。同センターは日本肝胆膵外科学会により、高度な手術例が多い「修練施設」として「A認定」されている。体に数カ所の穴を開け、カメラ(腹腔鏡)や操作器具を挿入して行う手術は開腹手術に比べて体の負担が少ないのが利点だが、高度な技術が必要とされる。


  1. 2015/03/27(金) 05:39:02|
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