Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月25日 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240875-storytopic-5.html
「コンビニ受診 抑制を」 北部の医療で初回シンポ
2015年3月25日  琉球新報

 【名護】北部地域の医療機関と住民の関わり方を考えようと「地域で医療を守る・医療を育てる」第1回シンポジウムが7日、名護市の北部会館で開かれた。外来診療をしていない夜間や休日に軽症患者が救急外来を受診する「コンビニ受診」の抑制をめぐり、かかりつけ医を持つ重要性など市民の協力態勢について意見が交わされた。
 シンポジウムは北部地域の安全・安心な定住条件整備事業の一環として実施した。北部広域市町村圏事務組合が窓口となる定住条件整備推進委員会が主催した。
 討論会には名桜大の金城やす子副学長、北部地区医師会病院の笹倉渉医師、県立北部病院の上原正樹医師、名護市各種団体女性ネットワーク協議会の大城美智子事務局長、北部広域市町村圏事務組合の比嘉克雄事務局長が出席。名桜大の大城真理子准教授が進行役を務めた。
 比嘉事務局長は北部の医療現場の状況として、人口10万人に対する医師数は183・9人で、県平均235・2人、全国平均230・4人を下回っている点などを説明した。
 北部地域に勤務する医師への調査から、(1)救急対応などの勤務負荷が高い(2)専門の資格が取りにくい―などを要因に「5人に1人が家族に反対されながら働いており、4人に1人が他地域で働きたいと感じている」と北部地域での医師不足の課題点を述べた。
 他のパネリストからは、患者の適切な行動が安定した地域の医療体制づくりにつながる点が強調され、医療現場の勤務負荷を招く「コンビニ受診」の制限を促す声があった。また、勤務に負担感はあるが北部地域の医師はやりがいを持ち、業務に当たっている点などの報告もあった。
 シンポジウムに先立ち、名護市各種団体女性代表ネットワーク協議会の岸本能子会長が、静岡県の藤枝市立総合病院での視察について報告。病院や保健所、市民らの協力などでコンビニ受診の抑制に成功している事例を紹介した。



http://www.sankei.com/region/news/150325/rgn1503250002-n1.html
宮崎大、来月から市立病院運営
2015.3.25 07:00 産経ニュース

 宮崎大は、4月から宮崎市立病院の運営に乗り出す。医師確保と経営の安定を目指す市と、臨床現場の教育充実や大学病院の混雑緩和を狙う大学の思惑が一致した。医療政策の専門家は、公立病院経営のモデルになる可能性があるとみている。

 対象は、市立田野病院と併設の介護老人保健施設。公共施設の管理を企業や団体が代行する「指定管理者」となって、20年間にわたり請け負う。文部科学省によると、国立大学法人が指定管理者として公立病院を運営するのは全国初。市は20年間で総額約191億円を上限に、人件費や管理費を宮崎大に払う。

 田野病院は昭和23年に診療所として出発、地域の医療や介護サービスを担ってきた。ただ、近年は医師や看護師の不足が悪循環を招き、高齢化に対応した在宅医療やリハビリが困難に。直近の常勤医は3人だけで、手術も年20~30件。平成25年度は約1億8800万円の赤字を出し、市の担当者は「負の連鎖だ。地域が必要とするサービスを提供できていない」と指摘する。

 市は昨年、県内外から管理者を募り、審査で宮崎大が選ばれた。宮崎大病院は外来患者が急増しパンク寸前で、吉原博幸病院長は「想定を超えて患者が増え、医師はかなり疲弊している」と訴える。

 そこで、場所が近い田野病院とすみ分けることで大学側の混雑を緩和する作戦だ。研修医や学生にとっては、医療や介護を現場で学ぶ貴重な機会で、文科省担当者は「地域の包括的な医療を学ぶのに有効」と説明する。

 27年度中に外科、整形外科、内科などで、大学病院との兼務を含め計8人の医師が働く体制を整える。病院長には、経験豊富な医師が就任する。

 手術は年約200件に増やし、病床の利用率も25年度の85・4%から90%以上に引き上げるのが目標だ。29年度には黒字転換を目指す。地元住民らが加わる協議会も設け、要望を反映できる仕組みをつくる。

 総務省によると、全国約900の公立病院のうち、25年度は約半数が赤字。大学との協力は再建の一つの鍵になるとみられ、高知大も20年7月、診療所では国立大学法人として初めて高知市の山間部にある「土佐山へき地診療所」の指定管理者になった。「高度先進医療とは別に、学生に地域をみるという視点を強く意識してもらうため」(高知大)という。

 民間シンクタンク「日本医療政策機構」の宮田俊男エグゼクティブディレクターは「社会保障費の財源確保は難しく、病院も効率的な経営が必要だ。地元の意向をくみながら効率と医療水準の確保を達成できるか、大学との連携を注目したい」と語った。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO84865690W5A320C1MM8000/
市町村、患者情報を地域で共有 在宅医療を推進
2015/3/26 1:40日本経済新聞 電子版

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 厚生労働省は4月から、病状や服薬歴など病院が管理している患者の情報を、地域の看護師や介護士らが共有する仕組みをつくる。全国の市町村にシステム整備を義務付ける。末期がんや寝たきりの患者が看護師や介護士らのケアを受けながら、自宅で安心して療養できるようにする狙い。


 医師や介護関係者らが参加する協議会で市町村ごとに具体的なシステムや運用ルールをつくる。介護保険法の関係省令を改正し、2015年度から開始。18年度までに全市町村での整備を終える考え。厚労省はシステム整備を財政支援する。

 共有する情報の範囲は今後詰めるが、診察記録や服薬・検査の記録、入院中の様子などが対象になる見込み。患者の自宅を訪問して治療やケアにあたる診療所の医師や介護士、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)らが知っておいたほうがよい情報を伝える。

 末期がん患者や寝たきりの高齢者などは最期を自宅で過ごしたいと希望する人が多いが、実際には病院で亡くなる人が多い。在宅医療は緊急時の対応など患者や家族が安心できる体制が不十分なためだ。

 このため訪問看護師や訪問介護士、地域の診療所の医師ら在宅療養を支える関係者が患者情報を共有することで連携を深める。投薬歴などを把握しておけば容体の急変や病気にも気づきやすく、在宅でもきめ細かい対応が可能になる。患者や家族は今よりも安心して自宅で療養できる。

 今も病院から診療所に情報提供する取り組みはあるが、介護士らへの提供は患者のプライバシー保護などを理由に慎重な病院が多い。介護士が患者の状況を把握できずに介護サービスを始めるのに時間がかかり、病状が悪化することもあった。

 今回の情報共有は本人の同意を得るなど個人情報の保護を前提とする。例えば患者にがんを告知していない場合は介護士らにかん口令を敷く。患者情報が漏れないように関係者に誓約書を書いてもらうことも検討する。

 自宅で療養する人が増えれば入院患者が減り、入院医療費の抑制にもつながる。政府の長期推計では在宅医療を受ける患者は1日あたり約23万人から25年度には29万人に増える。一方、入院患者は1日あたり約133万人から129万人に減る見込みだ。



http://diamond.jp/articles/-/69070
知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴【第92回】
病院ビルのテナントに薬局が入ったら便利?
医薬分業に水をさす規制改革会議

早川幸子 [フリーライター]
2015年3月26日 ダイヤモンドオンライン

 3月12日、規制改革会議で「医薬分業における規制の見直し」と題する市民公開のディスカッションが行われた。

「医薬分業」は、「医師は診療」「薬剤師は調剤」と役割を明確にして、それぞれが専門分野で力を発揮して医療の質を上げ、国の医療費を削減するために取り入れられた仕組みだ。

 今回、規制改革会議は、この医薬分業に設けられている規制が形骸化しているほか、コストに見合ったサービスを国民が実感していないと主張。患者の利便性を高めるために、6月の答申に規制廃止を盛り込む予定だという。

 形骸化している規制とは、医療機関と薬局は相互の独立性を高めるため、建物構造上も直接行き来できるような一体的な構造になっていてはいけない、というものだ。

 だが、会議側の提案は、国民の健康を守る上で正しい提案なのか。そして、超高齢化社会となった日本の医療体制にどのような影響を及ぼすのか。長期的な視点から考えてみたい。

医薬分業はGHQの勧告でスタート
1974年以降に医療費抑制策として加速

 日本で医薬分業法が可決したのは、戦後まもない1951年(昭和26年)。民主化の一環としてGHQが行った勧告に従って成立したが、その後、修正が繰り返され、施行されるまでに5年の月日を要した、いわくつきの法律だ。

 GHQの報告書では、「医師法第22条の規定を、医師は患者からの求めに応じて、薬ではなく処方箋を特別料金を請求することなく与え、かくして人々に調剤者の自由選択を保証するように修正すべき」と勧告している(『医薬分業の歴史―証言で綴る日本の医薬分業史』〔薬事日報社〕)。

 だが、利害の対立によって分業の強制は見送られ、医師がほぼ自由に調剤投薬できる骨抜きの内容となって成立。1956年(昭和31年)に施行されたあとも、実際にはほとんど分業が進むことはなかった。

 医薬分業が、再び、医療制度改革の表舞台に立つのは高度経済成長期だ。1960年代以降、薬剤費が国民医療費の4割を超えるようになり、逼迫する医療保険財政を改善するために、国の施策として推進されるようになる。

 健康保険を利用する処方薬は、ひとつひとつ国が「薬価」を決めているが、当時の医療機関は、医薬品メーカーから薬価より大幅に安い価格で薬を仕入れるのが当たり前となっていた。

 薬価と仕入れ値との差によって生まれる「薬価差益」が、医療機関の収入に大きな影響を与えていたため、必要のない薬まで過剰投与して利益を上げていると疑われるケースが散見されるようになる。「薬漬け医療」という言葉が聞かれるようになるのもこの頃だ。

 そこで、国は医薬品メーカーが卸す実勢価格を調査し、それに近づくように薬価を引き下げ、薬では医療機関が利益を出せない仕組みに変更。年々、薬価は引き下げられ、今では薬価差益はほとんどなくなっている。

 そして、1974年(昭和49年)、医療機関を調剤から引き離す施策が断行される。まず2月に、それまで6点(60円)だった処方せん料を10点(100円)に、同じ年の9月に50点(500円)への引き上げを実施。つまり、医療機関が自前で薬を出すより、処方せんを書いて薬局に回すほうが利益が高くなるようにして、診療報酬での誘導を図ったのだ。

 薬の在庫は医療機関の資産とみなされ、資産課税の対象になる。薬価差益で稼げればいいが、その旨味が減った今、医療機関も薬の在庫は抱えたくない。在庫を減らせれば税制上のメリットだけではなく、薬の管理にかかるコストを削減できて、たくさんの薬剤師を抱える必要もなくなる。

 処方せん料の引き上げを機に医薬分業は徐々に広まり、2013年度は67%まで上昇。国民医療費に占める薬剤費は2割程度まで減少しており、医薬分業は医療費削減に一応の効果を発揮したといえるだろう。

過剰投与など健康被害防止目的の
薬剤師によるチェックが本来の意義

 70年代以降、日本では医療費削減を目的に医薬分業が推進されてきたことは否めない。しかし、医薬分業の真の目的は、患者の健康を守ることにある。

 薬は、正しく使えば病気やケガの回復を助けてくれるが、用量を間違えたり、飲み合わせが悪かったりすると、効果が薄れたり、相互作用が起きたりして、思わぬ健康被害を受けることがある。

 とくに高齢になると、「心臓病で内科に通いながら、腰痛で整形外科にも通って、時には歯医者にもかかる」など、複数の病院や診療所から薬を処方されるケースも多い。そうしたとき、かかりつけの薬局を決めて一括管理してもらえば、それぞれの医療機関で出された処方せんの内容を薬剤師がチェックしてくれて、重複投与や相互作用よる健康被害を未然に防ぐことができる。

 そもそも医師が処方した薬が間違っていることもあるため、患者にとって本当に有効で安全な薬なのかを、薬剤師の目でチェックできるのも医薬分業のメリットだ。

 ただし、医療機関と薬局が馴れ合っていたり、力関係に問題があったりすると、忌憚なく医師の処方に薬剤師が意見できない可能性もある。両者はお互いに独立した関係であることが求められるため、医療機関と薬局が一体的な構造となって、一体的な経営を行うことが禁止されているのだ。

 規制改革会議は、この建物構造上に設けられた要件が形骸化しており、患者の利便性を損なっていると主張。委員の多くから、「規制を撤廃して、医療機関の中に薬局をつくることを認めるべき」との意見が相次いだのだ。

 現在、薬局と医療機関が公道を通らず、専用の通路で行き来できるような建物構造は禁止されている。そのため、実際には診療所のすぐ横に薬局を作ったのに、フェンスを立てて、わざわざ公道を通らないと薬局に行かれない作りになっていることがある。

 また、大病院の前には、そこで出される処方せんをあてにした門前薬局がひしめいている。そうした薬局では、医師の処方せん通りに薬を揃えて患者に渡すだけで、ろくな服薬指導が行われていないこともある。すべての薬剤師が、その職能を発揮し、医療の質の向上に貢献しているとは言いがたい状況だ。

 一方で、同じ薬を出してもらうにも、院内処方より院外処方のほうが患者負担は重い。たとえば、投薬にかかる患者の自己負担は、薬の内容が同じでも、院内処方は420円、院外処方は1840円と4倍近い開きがある(規制改革会議公開ディスカッション資料より=PDF)。

 医薬分業のメリットを十分に感じられないなか、医療費に差が出る今の仕組みに国民が疑問を抱くのは当然のことで、規制改革会議の指摘は一理ある。

 たしかに、フェンスを隔てて建物を構造上分離させるような無駄な規制は意味がないように思う。しかし、患者の利便性を追求して、病院内に薬局を作れるようにすれば、医薬分業の問題点は解決されるのだろうか。

高齢者に遠くの病院内薬局よりも
在宅対応もする近所の薬局が必要では

 前述したように、複数の医療機関から処方された薬を、薬剤師がチェックすることで薬による健康被害を防ぐのが医薬分業の目的で、国民の健康を守る上では必要な仕組みだ。

 だが、病院内に薬局が作られるようになれば、今以上に薬局の独立性が保たれなくなることは想像に難くない。疑問のある処方でも、医療機関への遠慮から薬剤師が口を閉ざすことにはならないだろうか。

 また、受診した病院にある薬局で、その都度、薬を受け取る患者が増えれば、かかりつけ薬局によるチェックは難しくなり、ますます医薬分業が絵に描いた餅になるだろう。

 さらに問題なのは、日本が超高齢化社会を迎えているという現実だ。

 団塊の世代が75歳以上になる2025年は、あと10年後に迫っている。そのとき、医療機関のなかに調剤薬局があっても、肝心の病院や診療所に自力で行かれない高齢者は多くなっているはずだ。

 高齢になって体の自由が利かなくなったとき、本当に頼れるのは、病院まで行かないと調剤してもらえない薬局ではなく、必要な薬を自宅まで届け、そこで残薬や服薬状況を確認してくれる、在宅対応の薬剤師ではないだろうか。

 そのために、厚生労働省では、高齢になっても住みなれた地域で医療を受けながら暮らしていけるように在宅医療を推進し、それに伴い、在宅でも投薬業務を担ってくれる薬局を増やすことに力を入れてきたのだ。

 医療機関のなかに調剤薬局をつくるという規制改革会議の発想は、一時的に患者の利便性を向上させるかもしれない。しかし、これまで医療に携わる人たちが苦労して作り上げてきた医療体制を無視した思いつきで、長期的視点に立つと超高齢化社会迎えた日本が抱えた問題を解決するものとはいいがたい。

 真に国民の健康と幸福を考えるなら、提案すべきは、一時期の利便性の追求ではなく、かかりつけ薬局を持つことを促す仕組み作りではないだろうか。

 薬剤師を中心として医薬分業の意義を患者に啓蒙し、それぞれの患者がかかりつけ薬局で薬を一括管理する仕組みが構築されれば、過剰投与や飲み残しの薬が減り、結果的に薬剤費の削減にも貢献できる。

 そのためには、毎回、同じ薬局を利用する患者の医療費を割安にするなど、かかりつけ薬局を利用することが患者のインセンティブになるような仕組みを導入することも検討すべきだろう。

 目先の利便性だけ求めて病院内の薬局ばかり増やしても、この日本に横たわる高齢化の問題解決には程遠い。

 在宅療養を支援する薬局の整備を怠れば、そのツケを払うのは未来の国民だ。調剤薬局の規制撤廃には、慎重な議論が必要だ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306463
医療維新
二次救急減少、患者調整求める意見、厚労省研究会
救命救急士の処置行為の拡大も議論

レポート 2015年3月25日(水)配信池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省は3月24日、救命救急士の業務拡大やドクターヘリの運用について検討する「救急・災害の課題に対する研究会」を開き、昭和大学病院院長の有賀徹氏を座長に選んだ(資料は、厚労省のホームページ)。軽症者などが増える一方、二次救急医療機関が減少しているため搬送を調整する必要性を指摘する声や、救命救急士の処置行為の拡大に伴い、指示する医師の負担を考慮するように求める声などが出た。研究会は今後、検討課題の必要に応じて、年1回以上開催し、救急医療や災害医療行政についての意見を集めて、検討に役立てる方針。

伸びる救急隊現着時間

 救急医療については、2013年に現場到着まで所要時間の全国平均が8.5分、医療機関への収容時間の全国平均は39.3分となっていることや、二次救急を請け負う医療機関は、2012年に3269施設、2013年に2904施設、2014年2836施設と減少傾向にあることが指摘された。

 二次救急医療機関の減少の原因について聞かれた、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「高齢化などで人材の確保が難しくなっているとの話を聞く」とした。救急について科研費による調査をしている東京医科大学救急・災害医学分野准教授の織田順氏は、二次救急医療機関の中で、救急車の受入台数が365台以下の医療機関が1000施設以上あった点に触れ、「今まで取っていなかったところが外れている印象。救急車を良く受け入れている医療機関は減っていないのでは」と話し、実数の減少より影響が少ない可能性を指摘した。有賀氏は、救急搬送の人員について、最近10年間で、高齢者における軽症者が78%増加、中等症が52%増えている点を踏まえて、救急搬送のアレンジの方法について議論する必要性を指摘した。


「やらない選択の教育の必要」

 救命救急処置については、救命救急士の処置範囲について、気管チューブを用いた気管挿管、エピペンの仕様、心停止前の輸液などと拡大してきた経緯などが紹介された。2014年度の10月から11月に救命救急士を対象に実施したアンケートにおいて、「現着から接触・車内収容までの延伸要因の実感」を聞いた質問で、約4割が、「救命救急士の業務拡大に伴う現場の処置時間の増加」を選択した結果が示された。

 処置行為の拡大行為のきっかけが、厚労省検討会の議論や、国会での要望など、統一されていないことから、救命救急東京研修所教授の田辺晴山氏は、「何らかの一貫性のある追加方法が検討できないか」として、厚労省の地域医療計画課の担当者も同意した。

 実際の項目追加については、織田氏は、一貫性のあるシステムを作った際でも、検討する追加処置が際限なく増える可能性を指摘して、検討に入る前の基準作りの必要性を指摘。国立病院機構大阪医療センター救命救急センターの梶野健太郎氏が、医学的観点から予後の改善に資する項目については、積極的に追加していくべきとの考えを示した。札幌市消防局警防部救急課長の菩提寺浩氏は、救急救命士の教育の必要性を指摘した上で、「やらない(選択をできる)教育も必要」と述べ、行為ができるようになった救命救急士が状況判断しないまま実施して、搬送などに影響し、予後が悪化する可能性を指摘した。

 広島国際大学保健医療学部医療技術学科教授の安田康晴氏は、責任の所在が不明な中で、気管挿管を誤った救命救急士3人が業務停止になった事例を挙げて、処置行為拡大に消極的意見がある点を指摘。さらに、メディカルコントロール体制の中で、医師から救命救急士への指示を伴うことから「医師の負担も考えないといけない」と話した。

ドクターヘリについては、東日本大震災や2014年の広島県における土砂災害の運用実例が紹介された上で、災害時に都道府県を超えたドクターヘリの参集のための規定整備や、指揮命令系統の明確化を求める声が出た。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=115044
腹腔鏡の波紋(上)…実験的手術「他病院でも」
(2015年3月25日 読売新聞)

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 群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡を使う肝臓手術を受けた8人が死亡した問題で、保険適用外の高難度手術が倫理審査もなしに行われていた事実が明るみに出た。それをきっかけに、学会の調査などから全国の病院で同様の問題があることが判明。安全性が確認されていない新しい手術が、なし崩し的に広がる現状と背景を追った。

「患者に説明」徹底されず

 「先生、そんなことやっていいんですか」

 国内で開かれた外科系学会で、腹腔鏡手術に積極的に取り組む男性医師が発表している途中、進行役の別の医師が、そう尋ねた。非常に難易度が高い手術だったため、思わず出た質問のように聞こえた。居合わせたある外科医は、2、3年前のその情景が今も印象に残っている。

 男性医師が発表したのは、進行がんに対し、膵頭十二指腸切除という手術方法で治療を試みたケース。開腹でも難しく、腹腔鏡手術としては保険適用外だ。

 この外科医は「学会では多くの適用外手術が発表されているが、中には難しすぎる手術をやろうとする医師も目につく」と話す。


 日本肝胆膵外科学会が23日に発表した腹腔鏡手術の実態調査によると、保険適用外手術の実施件数は、過去4年間で、肝臓が1587人、膵臓が651人に上っていた。しかし、この調査では、回答した病院診療科の55%が、群馬大と同様、病院の倫理委員会から承認を受けないまま、本来は臨床研究として行うべき試験段階の手術をしていたこともわかった。

 同学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は「保険適用外の腹腔鏡手術は慎重にすべきだ。まして半分が倫理審査も通していないとなると、手術前の検証が十分だったのか疑問だ」と懸念を示した。

 保険適用されるということは、一定の安全性や有効性が確認され、全国の病院で幅広く行われても問題ない標準診療として「お墨付き」を得たことを意味する。肝臓や膵臓の腹腔鏡手術は、比較的難易度が低い切除方法に限り保険診療となっているが、それ以外は標準とするには時期尚早とみなされ適用外のままだ。

 「保険適用外の腹腔鏡手術は多くの病院で前から行われていたが、普通は倫理審査まで受けないし、患者にも説明しない。ほかの病院でもやっているので問題ないという感覚だ」と、東京都内の病院で腹腔鏡手術を行う消化器外科医は話す。群馬大の問題が注目され、現場も慎重な空気に変わったという。しかし、それまでは、「多くの外科医が、同様の感覚だったのではないか」と明かす。


 同学会の調査では、適用外手術はリスクが高いこともわかった。保険適用の手術に比べ適用外の手術は、死亡率が肝臓手術で5・4倍、膵臓手術で10・8倍の高リスク。患者にこうした危険性も含め十分な説明がされたのか不透明な面もある。

 群馬大の死亡者の遺族も多くが「リスクが高い保険適用外の手術とは聞いていない」と口をそろえる。

 2011年、肝臓がん治療のため手術を受けた男性の遺族は「高齢なので体に負担が少ないほうがいい」と腹腔鏡手術を提案された。行われた手術は、肝臓のほか、胆管も切除し、腸とつなぐ難しい方法。保険適用外の手術だと知ったのは最近になってのことだ。

 遺族は「最終的には思ったより多く切ったと言われたが、通常の保険診療だとばかり思っていた」と語る。

 人より早く新しい技術に挑戦し、実績を上げたいという外科医は多い。倫理審査は法的義務でもないだけに、無理な試みを抑止しきれない側面もある。

 医療倫理に詳しい東京財団の●島(ぬでしま、●は「木」へんに「勝」の旧字)次郎研究員は「実験的な医療だと患者に告げず行うのは現代の医療では許されない。その点が現場で徹底されていないなら問題だ」と指摘する。



http://www.sankei.com/region/news/150325/rgn1503250019-n1.html
患者の救命率向上へ 埼玉県が群馬県とドクターヘリ連携
2015.3.25 07:08 産経ニュース

 県は25日から、医師や看護師が同乗し救急現場に向かう「ドクターヘリ」の広域連携を群馬県と開始する。対象地域は県境の埼玉県北・西部と群馬県南部で、自県のヘリ出動中に別の要請があった場合に相手県のヘリが応援に入り、患者の救命率向上を図る。

 重複要請のほか多数の傷病者が発生し、自県のヘリだけでは対応できない場合に要請。駐機する基地病院の埼玉医科大総合医療センター(川越市)と前橋赤十字病院(前橋市)から、半径約50キロ圏内で出動する。

 埼玉県側は秩父▽本庄▽毛呂山▽羽生-など27市町村、群馬県側は館林市や伊勢崎市など13市町村が対象。応援に入った場合、50キロ圏内には約15分で到達が可能で、救急医療用の機器を搭載したヘリに同乗する医師や看護師が機内で患者を処置し、基地病院などに搬送する。

 県ドクターヘリの出動件数は平成25年度が361回で、19年10月の運用開始以降、増加傾向にあり計2千回を超えた。うち半数以上は連携可能な範囲だった。23~25年度の重複要請件数は13、14回で、26年度は25回(2月末時点)に上り、連携範囲内は11回となっている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/305789
医療維新
医療安全の推進、患者の“犠牲”伴う - 橋本岳・厚労大臣政務官に聞く◆Vol.2
10月の制度開始に向け最大限の努力

インタビュー 2015年3月25日(水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――各医療機関、支援団体、医療事故調査・支援センターが調査に関わると、相当の費用がかかります。しかし、厚労省のセンターへの予算は、昨年の概算要求の10.5億円から、5.4億円に半減しました。この辺りの手当ては。

 その点は、正直言ってやってみなければ分からない面があります。当然ながら、一定の積算をして、予算を要求していますが、制度を始めてみて積算が正しかったのかをウォッチしていくことが大事だと思います。追加的に必要になってきた場合などは、検討する準備をしておかなければいけないでしょう。

――医療機関の費用はいかがでしょうか。診療報酬では「医療安全対策加算」がありますが、これは入院料に対する加算です。

 私自身、さまざまな場で医療事故調査制度の話をする機会がありますが、医療者から一番多く受けるのは、費用に関する質問です。今回は(入院施設を持たない)診療所までも対象となるので、加算ではなく、基本料に含まれているというのが、一つの立て付けだと思います。


――何らかの形で、別途手当を付けることは、あまり考えていない。

 例えば、不幸にして事故が起きてしまった場合、誠実にいろいろな取り組みをすると、当然、さまざまなコストが発生するわけです。その負担を医療機関に今のままで負わせて大丈夫か、という点は多くの方が懸念されています。現状のままでいいかについては、検討課題として持っておかなければいけないと思います。

――日本医師会が、医療機関における事故調査の費用をカバーする保険を検討されているとのことです(『「支援団体は医師会の役割」、総力を結集』を参照)。

 それもアイデアかもしれません。

――各論ですが今、日本医療機能評価機構で、医療事故やヒヤリ・ハット事例の収集、分析を実施しています。10月から新制度が始まれば、「事故報告が二度手間になる」とのイメージもあります。この辺りは、今後、整理統合する方向性が考え得るのでしょうか。

 「一本化」とまで言うかは別として、二つの制度が並び立っている状況がいいのか、あるいは二つの制度があっても例えばフォーマットを統一するなど、うまく連携できれば、「二度手間」にならずに済むのかなど、運用的な合理化も含めて、一つの宿題だと思います。

 ただ二つの制度は、報告を求める医療機関の対象が違っているほか、収集事例も死亡事例以外も含めるか否かなど、両制度に違いがあります。それぞれの良さ、あるいは欠点があるのかもしれません。二度手間という点も考慮しつつ、それぞれ持っている機能を生かすことも考えなければいけないと思います。

――検討会の「取りまとめ」が出たばかりで恐縮ですが、医療事故調査制度についてはその在り方を検討し、法律の公布(2014年6月25日)から2年以内に、必要な措置を講じることになっています。今お考えになっている今後の検討課題は何でしょうか。またいつ頃からその検討を始める予定でしょうか。

 厚生労働省としては、10月1日の制度開始に向け、最大限の努力をしなければいけません。制度の形が見えないと、見直すべき点も分かりにくい。その意味でも10月1日までは、スタートに向けて努力します。

――実際に制度を動かしてみないと、議論はしにくい。

 議論はしにくいと思います。具体的な話が今あるわけではありませんが、自民党などで検討を始められることについては、私たちは制限するものではありませんが、厚労省としては10月に向けて準備をしていきます。

――(異状死体の届け出を定めた)医師法21条の問題についてお聞きしたいのですが、今後の議論の対象になるのでしょうか。あるいは都立広尾病院事件の最高裁判決に基づく解釈で結論が出ているとお考えでしょうか。

 今回の制度は、医療安全の向上が目的であり、医師法21条を代替するものではありません。ただし、医療界が費用の負担もして、事故調査を必ず行う。それを動かしていき、何例も積み重ねていき、世間や患者ご遺族からの見え方が、制度の前後で変わるくらいに、この制度が機能してほしいと思っています。「それを見てから議論していただきたい」というのが、これから制度を立ち上げる立場としての思いです。

 法律は法律であり、また(最高裁判決が示した「外表異状説」という)解釈は違うという、法律家の説も読んだことがあります。ただ、いずれにしても問題は、(医療事故に対して)刑事処分が必要なのかということ。これは、警察、検察、司法の方々が判断される問題ですが、医療界の方々がどれだけきちんと身を律しているかということも影響がないとは言えません。(2008年8月の福島地裁の)県立大野病院事件の判決前と、判決後で立件件数が減少している事実もあるわけです。

 今、必要なのは、「医療界として、起きてしまった事故を、次に起こさないようにする努力をしています」「遺族への説明もきちんとやっています」などを当たり前の取り組みにすることです。それができるようになった上で、医師法21条などをどう考えるのか、という議論が必要ならば、やっていただければ、というのが個人的な思いです。理想論すぎるかもしれず、また「2年以内」という話は難しいかもしれません。

――2年以内の見直しに、その辺りまで入るかどうか、何が検討課題になるかは、ある意味白紙。

 もちろん、法案を自民党内で議論していた際に、医師法21条や業務上過失致死罪の問題も入るか入らないか、という議論もありました。ただし、今はこの制度を動かすことが第一です。
――最後に、今回の制度では現場の取り組みが重要になってきますので、医療機関、医療者へのメッセージがあれば、改めてお願いします。

 今回、こうした制度を作りましたが、「作ったけれど、全く必要がなかった」と言われる状態がベストなわけです。もちろん、なかなかそれは難しいと思うので、理想論だとは思います。

 これは一議員的な発言になりますが、「がんばって、医療をしたけれども、結果が結び付かなかった、残念な結果になってしまった」という事態は起こり得ます。その時に、ご遺族は、やりきれない思いをされるでしょう。同時に、真剣にやっておられれば、当然医療者も同じように残念な思いをされると思います。場合によっては、県立大野病院事件のように、医師が逮捕されることもある。一生懸命努力をした方が報われない、場合によっては罰を受けてしまう状況は防ぎたいという気持ちはあります。今回の医療事故調査制度は、懲罰などとは関係ないのですが、間接的にでも、こうした状況の防止につながればと思ってはいます。

 もっとも、昨今の大きな病院における医療事故報道などを見るにつけ、調査どころではなく、「本当に一生懸命にやっているのか」と思ってしまう例があるのは、非常に残念です。

――その一方で、本当にがんばっておられる方がいるから、より残念に思う。

 その通りです。ただし、患者、ご遺族のご主張をお聞きしたり、ご著書を読んだりしていると、「やはりこれはひどい」と思うケースもあるわけです。こうしたことはなくしていかないと、医療界そのものが変わっていきません。

――一部にそうした事例があると、医療界全体の信頼が失われることになる。

 先ほども言いましたが、今回の制度は医療安全を追求する制度ですが、その際には患者の犠牲を伴うということを、医療界も、当然ながら厚労省も忘れてはいけません。その重みを受け止めながら、きちんと次に生かす取り組みを進めるのが、今回の制度です。この点を感じていただけるだろうという、ある種の信頼に基づく制度であることを、汲んでいただきたいと思います。


  1. 2015/03/26(木) 05:50:56|
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