Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月18日 

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114790
法医解剖、地方の人手不足がさらに深刻
(2015年3月18日 読売新聞)

警察庁目標に遠く、若手育成が課題

 秋田県警が2014年に扱った明らかな病死や交通事故死などを除く「異状死」の遺体1564体のうち、法医解剖に回ったのは199体。すべて秋田大学の医師2人でこなしている。解剖率12・7%は全国平均を上回っているものの、警察庁が掲げる目標には遠い。4月からは、法医がいなくなる青森県の分も一部代行することになっており、人手不足はますます深刻だ。

 警察庁のまとめでは、14年に全国の警察が扱った異状死の遺体16万6353体のうち、解剖されたのは1万9392体で、平均の解剖率は11・7%。近年は犯罪の多様化で自殺か他殺かの判別が難しいケースが増え、解剖の必要性が高まっていることもあり、同庁の有識者研究会は11年4月の段階で全国平均を20%にする方針を打ち出している。

 東京23区や大阪市などには、専従の法医が解剖する「監察医制度」があるが、秋田県など制度のない地域では、大学の法医学講座の教授らが授業を持ちながら行う。法医は全国に154人(2013年度)しかおらず、東北6県では各県に1~4人。日本法医学会庶務委員長で和歌山県立医科大の近藤稔和教授は「外国の事例などを考えると、法医1人が行う解剖は年間50件くらいが理想」だが、遺体が見つかればすぐに対応しなければならない。

 青森県では、弘前大の准教授が今月末で退職するため法医が不在になり、後任が決まるまで解剖が必要な遺体は秋田大や岩手医科大で代行することになっている。青森県では09年11月~11年3月にも法医不在となり、秋田大ではこの間、約100件を代行した。

 一方、警察庁は犯罪死の見逃しを防ぐため、09年から法医学の専門教育を受けた検視官(警察官)を増員しており、遺体発見現場に立ち会う(臨場)機会も増えた。警察庁によると、増員前の08年に全国平均14・1%だった臨場率は14年には72・3%に上昇。秋田県警でも13年に検視官が4人から6人に増員され、10年の22・1%から14年は74・4%に急上昇した。

 ただ、検視官は主に遺体の外見や体温を観察して犯罪死かどうかを判断するため、例えば、薬物や毒物が投与されていたとしても外見に異常がなければ見落とすこともあり、解剖しなければ死因が判明しないケースがあるのも事実だ。

 秋田大の美作みまさか宗太郎教授は「解剖で死因がわかることで、事件や事故の予防策を示せる。勤務状況を改善して、人を救うだけでない医学の重要性を若い医師や医師を目指す人に伝えないと法医がいなくなる」と危機感を募らせている。

<法医解剖> 犯罪の疑いがある遺体の死因などを調べる司法解剖と、行き倒れなど犯罪性なしと判断された遺体について、伝染病予防といった公衆衛生上の目的、身元確認のために行う行政解剖がある。2013年に施行された死因・身元調査法で、死因の究明が特に必要な場合は「新法解剖」も可能になった。いずれも遺族の承諾は不要。行政解剖は東京、大阪など監察医制度のある地域で行われ、秋田県など制度のない地域で同様の解剖をする場合は遺族の承諾が必要(承諾解剖)。



http://www.sankei.com/affairs/news/150318/afr1503180042-n1.html
青森県で司法解剖一時休止 担当者が退任、後任着任は5月以降 
2015.3.18 19:11 産経ニュース

 青森県内でただ一人、司法解剖を担当してきた准教授が今月末で退任する弘前大学大学院(同県弘前市)が18日、医学研究科の教授会を開き、後任に埼玉医科大に勤める高橋識志氏(37)を充てる人事を内定した。着任は5月以降の見通しで、青森での司法解剖は一時、休止。捜査への影響が懸念される。

 退任するのは、法医学講座の阪本奈美子准教授(46)。昨年7月以降、1人で司法解剖を担ってきた。「負担は相当だった。大学側に昨春、転出の意向を伝えていた」と話す。

 弘前大は昨年12月に後任を募集したが応募がなく、他大学へ直接、働き掛けて後任を見つけた。弘前大の担当者は「今後は補助員の雇用も含めサポート体制を整えたい」と話す。

 青森県警は当面、秋田大や岩手医科大に司法解剖を依頼する方針。県警幹部は「捜査に支障がないよう努める」としている。



http://www.sankei.com/life/news/150318/lif1503180028-n1.html
医師試験8258人合格 合格率トップは浜松医大、自治医大、順天堂大医学部の3校
2015.3.18 19:18 産經新聞

 厚生労働省は18日、2月に実施した医師国家試験に8258人が合格したと発表した。9057人が受験し、合格率は昨年より0.6ポイント高い91.2%だった。

 女性の合格者は2603人で、31.5%を占めた。男女別の合格率は男性90.6%、女性92.6%だった。最高齢の合格者は60歳の男性。

 大学別の合格率は、浜松医大と自治医大、順天堂大医学部がいずれも99.1%で同率トップ。次いで千葉大医学部(99.0%)、横浜市立大医学部(97.6%)だった。



http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block00
第109回医師国家試験合格状況
テコム

第109回医師国家試験合格率

  第109回医師国家試験の合格率は 91.2 % でした。

第109回医師国家試験合格基準

  一般問題を1問1点,臨床実地問題を1問3点としたとき,

  [1]必修問題については,160点以上/200点
    但し,必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては,
    必修問題の得点について総点数の80%以上とする。
  [2]必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については,
    一般問題は,129点以上/200点
    臨床実地問題は,405点以上/600点
  [3]禁忌肢問題選択数は,3問以下

  採点除外等の取扱いとした問題が3問あります。

第109回医師国家試験合格状況

  学校別合格者状況(15/03/18 15:40掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block01

  回数別合格状況(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block02

  男女別合格者数等の推移(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block03

  卒業年次別受験者数・合格者数・合格率(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block04



http://www.m3.com/news/iryoishin/304274
医療維新
勤務医の過労自殺、上司の個人責任認めず
公立八鹿病院の控訴審、病院側が1億支払い

レポート 2015年3月18日(水)配信成相通子(m3.com編集部)

 公立八鹿病院(兵庫県養父市)に勤務していた整形外科医が長時間労働とパワーハラスメントで過労自殺したとして、整形外科医(当時34歳)の両親が、病院を運営する公立八鹿病院組合と上司の医師2人に対し計約1億7700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3月18日、広島高裁松江支部であった。塚本伊平裁判長は、長時間労働とパワハラを認定した上で、「亡くなった医師を含む職員は地方公務員で、(上司の業務も)公権力の行使に該当する」と指摘、病院組合と上司医師2人が連帯責任で約8000万円の損害賠償を支払うよう命じた一審判決(鳥取地裁)を変更し、上司の個人責任は認めなかった。

 また、損害賠償の金額は一審の約8000万円から約1億円に増額。病院組合に対して支払いを命じた。一審判決では、過労自殺したのが医師で、「一般人よりうつ病に対する知識があったのに、発症可能性を軽減する行動を自ら取っていなかった」として過失相殺を認め、賠償金額が減額されていた。控訴審では、過失相殺を認めなかった。

 控訴審判決によると、整形外科医は2005年4月に医師免許を取得。2007年4月に鳥取大学医学部整形外科教室に入局、同大整形外科で約半年の勤務後、同年10月に公立八鹿病院整形外科で勤務を始め、うつ病を発症。同年12月に病院宿舎で自殺した。月170時間以上の長時間労働の上、患者の前で頭を叩かれる暴行や、「田舎の病院だと思ってなめとるのか」「仕事ぶりが給料分に相当していない。両親に連絡する」といった叱責などのパワハラを受けていた。

 一審判決では、月170時間に及んだ時間外労働と、上司のパワーハラスメントを認定(『「過労自殺、上司のパワハラ認定」の訳 - 岩城穣・弁護士に聞く』を参照)した上で、病院の管理責任だけでなく、上司医師の個人責任を認めた。公立八鹿病院組合が運営する公立八鹿病院は、国家賠償法の対象となり、地方公務員だった当時の上司2人の個人責任は問えないのが原則だが、一審判決は「民営病院と異なる点はない」として民法の不法行為責任を認定。上司2人にも損害賠償の支払いを命じた。

 地方公務員災害補償基金(地公災基金)は2010年8月に同事案を公務労災と認定、約6278万円の遺族補償を支給した。自殺した医師の遺族の両親は、過重労働と上司のパワハラが自殺の原因だとして、病院と上司2人に対し慰謝料など約1億7700万円の損害賠償を求め、2010年12月に提訴。2014年5月26日の鳥取地裁判決(上杉英司裁判長)は、病院と上司2人の連帯責任を認め、約8000万円の支払いを命じた。

 一審判決(2014年5月)の8000万円の損害賠償の根拠は、過労自殺したのが医師で、一般の人と比べてうつ病やうつ病に対する対応の知識があったことなどで、過失相殺で2割を減額。さらに地公災基金の遺族補償を差し引いた。鳥取地裁の一審判決に対し、病院側は事実認定などについて広島高裁松江支部に控訴。遺族側も過失相殺の認定と損害賠償金額などをめぐって控訴した。

表 事案の概要
 2005年4月 医師免許取得、鳥取大学医学部付属病院臨床センターで研修医として勤務。
 2007年4月 同大学医学部整形外科教室に入局。同大整形外科で勤務。
 2007年10月 同大より公立八鹿病院に派遣される。同病院で勤務開始。
 2007年12月 うつ病を発症。自宅の病院宿舎で自殺。
 2008年2月 同病院が外部委員を含む調査委員会を設置。
 2008年6月 同調査委員会が「医師死亡事故に関する調査報告書」を作成。
 2008年11月 遺族が地公災基金に対し、公務災害の認定を請求。
 2010年8月 地公災基金が自殺を公務災害と認定。
 2010年12月 遺族が病院組合と上司医師2人を相手取り約1億7700万円の損害賠償を求め、鳥取地裁に提訴。
 2011年1月~2月 地公災基金が約6278万円の遺族補償を支給。
 2014年5月 鳥取地裁が病院組合と上司医師2人に対し連帯責任で約8000万円の支払いを命じる。
 2014年6月 病院側、遺族ともに鳥取地裁の一審判決について控訴。
 2015年3月 広島高裁松江支部で控訴審判決。



http://www.m3.com/news/iryoishin/304212
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
理不尽なレセ審査、7割が経験、過去1年◆Vol.15
再審査で認められるのは3人に1人程度

医師調査 2015年3月18日(水)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q11 過去1年間で「理不尽なレセプト査定」の経験
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 診療所医師に対して、Q11以降で、レセプトの査定について聞いた(回答者256人)。Q11では、過去1年間で「理不尽なレセプト査定」(診療上の必要性があっても算定が認められない査定など)を経験したかを聞いた。

 結果、「経験した」が71.9%。「経験していない」と比較すると3倍以上となった。背景には、医学的必要性があるにも関わらず査定で問題となるケースや、同じ内容でも地域ごとに、査定内容が異なる事情などがあるとみられる。

「理不尽なレセプト査定」を受けた分野
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 前問で、「理不尽なレセプト査定を受けた」と回答した会員に対して、査定を受けた分野を複数選択が可能な方式で聞いた。最も多かったのは「投薬・注射」で49.6%。次いで「検査」で36.3%となった。適応の問題などが、病名からさかのぼって考えやすいだけに、査定が集中しがちになっているとみられる。

「理不尽なレセプト査定」への対応
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 理不尽なレセプト査定について、実際にどのような対応をしたかを聞いた質問では、最も多かったのは「再審査請求したが、認められなかった」が48.9%で約半数となった。「再審査請求して認められた」は23.9%。「理不尽な査定」と感じた場合、約7割の医師が再審査を請求するものの、実際に認められるのは、3人に1人程度という傾向となった。

 4.9%の「その他」では、再審査請求中の医師が多かったが、「再審を出しても認められることが少なく、ほとんどあきらめて再審は出さなくなった」との声もあった。

 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304328
医療維新
シリーズ: 地域医療構想
機能別病床数の推計法が決まる、政府・専門調査会
療養病床の入院受療率は幅を持って目標設定

レポート 2015年3月18日(水)配信高橋直純(m3.com編集部)

 政府の社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下で、医療に関するデータ分析手法などを検討する「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」(会長:永井良三・自治医科大学学長)が3月17日に開催され、医療機能別病床数の推計方法が示された。2015年度から各都道府県で策定が始まる地域医療構想において、基礎的なデータとなる医療機能別病床数の必要量を算出するために使われる。

 病床数の推計に当たってはDCPデータと1年分のNDBのレセプトデータを活用し、人口の伸びを性・年齢階級別に反映させた。(1)病床の機能別分類、(2)高度急性期、急性期、回復期の医療需要、(3)慢性期および在宅医療の医療需要――を算出した上で、現状の病床稼働率で割り戻して、医療機能別の病床数の必要量を推計するとしている。

 病床数の機能別分類の境界点は「高度急性期」と「急性期」の区分は3000点、「急性期」と「回復期」の区分は600点、「回復期」と「在宅医療等」の区分は225点とすることが示された。退院調整等を行う期間も考慮し、175点以上で入院している人も回復期には含まれる。

 都道府県ごとにばらつきの大きい療養病床の入院受療率については、パターンA(全国最小レベル(県単位)まで入院受療率を低下する)とパターンB(全国最大レベル(同)の入院受療率を全国中央値レベル(同)にまで低下させる割合を用いて、2次医療圏ごとに全国最小との差を等比的に低下する)の2パターンを設け、その範囲内で目標を定めるとした。

 また、(1)2次医療圏の減少率がパターンBによる療養病床の減少率の全国中央値より大きい、(2)高齢者単身世帯割合が全国平均よりも大きい、という条件を満たす、――2次医療圏に限り、目標達成年次を2025年から2030年に遅らせることができるとする配慮も盛り込まれた(パターンC)。

 現在、厚生労働省の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会で、2015年度より各都道府県が策定するためのガイドライン作りが進められているが、専門調査会は検討会と連携しながら推計方法を作成した。都道府県は専門調査会が示した推計方法を使って、2次医療圏ごとの病床数を盛り込んだ地域医療構想を策定することになる。

 一方で、専門調査会も1、2カ月以内をめどに、全国と都道府県ごとの病床数を算出するとしている。推計に使われる数値や算定式は同じだが、人口の流出入や療養病床の入院受療率の目標の置き方などで変わってくるため、内閣官房社会保障改革担当室は「各都道府県は専門調査会の数値を参考に使ってほしい」としている。

 専門調査会は、推計病床数の算出が終わったのち、第1次報告を出す方針。永井会長は会議後の記者会見で、「専門調査会は病床数、医療費適正化目標を考える場。第1次報告はベッド数の話で、終わったら医療費の議論に入っていく。最後は介護の話になる」と説明した。医療費については、外来や精神病棟の病床数などの検討も必要となるため時間がかかるとしているが、「少なくとも厚労省が進める医療費適正化計画の見直しに際して、専門調査会としてデータを使ってもらえるようにしたい」(内閣官房)としている。

 調査会は非公開で行われ、社会保障・税一体改革担当大臣の甘利明氏のあいさつのみが公開された。甘利氏は「医療情報の客観的なデータを活用した推計法。各都道府県は推計法で算定した病床数を盛り込んだ地域医療構想を策定し、その実現に向けてしっかりと取り組んでもらいたい。どの地域の患者も適切な医療を受けるとともに地域差の是正を含めた医療費の適正化を目指すことを期待している」と話した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/304360
医療維新
シリーズ: 地域医療構想
地域医療構想策定ガイドライン、了承
3月中に省令・通知、4月から策定開始

レポート 2015年3月18日(水)配信橋本佳子(m3.com編集部)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)は、3月18日の第9回会議で、この4月からスタートする地域医療構想の策定ガイドライン案を、一部の文言等の修正の上、了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。厚労省は3月中に、地域医療構想策定ガイドラインなど、構想策定に必要な関係省令と通知を出す予定。この4月から、2025年の医療提供体制の構築に向けた地域医療構想の策定が各都道府県でスタートする。


 会議後に会見した厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「今夏くらいまでには、医療需要の推計ができる環境が整う。構想の策定時期は、都道府県によって相違があり、来年度(2015年度)から再来年度(2016年度)にかけて策定することになるだろう」と説明。地域医療構想は医療計画の一部であり、2018年度に第7次医療計画の策定時期を迎えるため、その議論の本格化に先立ち、構想策定を進めることになる。

 厚労省医政局長の二川一男氏は、検討会の最後に、「この4月からガイドラインに基づき、地域医療構想の策定が始まる。これは、地域の医療提供体制の在るべき姿を示す重要な課題。(各構想区域に設置する、関係者の協議の場である)地域医療構想調整会議も、構想ができてからではなく、早期に設置をして、議論を行うことが適当であるとされている。(各区域で設置して)より良い地域医療構想を策定してもらいたい」とあいさつ。本検討会は、病床機能報告制度や地域医療構想の実現状況を検証したり、ガイドラインの見直しなどのため、今後も継続する予定。

 「地域医療構想は医療費抑制のツール」にあらず
「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」は2014年9月に設置され、(1)高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの病床機能ごとの、2025年の医療需要と必要病床数の推計、(2)地域医療構想の実現に向けた方策、(3)2014年10月からスタートした病床機能報告制度の公表の仕方――について議論してきた。これらを取りまとめた内容が、地域医療構想策定ガイドラインとなる。
 一番のポイントは、構想区域(原則、2次医療圏)ごとに行う、(1)の推計。従来、高度急性期や急性期などの病床機能は、入院日数を指標にイメージされることが多かった。これに対し、今回はレセプトデータ等から得られる「医療資源投入量」に着目、その投入量に応じて病床機能を区分したのが特徴だ。北波課長は会議の会見で、「344の2次医療圏における人口構成は、今後、10年で変わってくる。それに伴う医療需要の変化に見合った地域の医療提供体制を構築するのが、(地域医療構想の)狙い」と説明。

 ただし、北波課長は、「医療費をいくら投入するかは別のフェーズ」とし、医療費抑制の論議とは切り離して、2025年の医療需要などを検討したと説明。地域医療構想の策定が、急性期病床等の削減、ひいては医療費の抑制につながると見る向きもあるが、北波課長は、医療費は診療報酬の設定次第で左右されることもあり、「今回の検討会の結論をもって、医療費の抑制につながるとは言えない」とした。地域医療構想の実現に向けて、2014年度から地域医療介護総合確保基金という、診療報酬とは別のスキームが創設されていることからも、医療費抑制の論議とは次元が異なるという。

 第9回会議でも、日本医師会副会長の中川俊男氏が、本ガイドライン案について、「全国の関係者の納得にかなり近い。(検討会の議論の)当初は、2025年に向けて病床削減が進められ、大変だとの声があったが、今は地域医療構想は、地域に不足している病床を手当てする仕組みという理解になっている」と発言しており、「地域医療構想は医療費抑制のツール」とは今のところ言えない。また中川氏は「各医療機関が、自らの構想区域の医療資源を把握しながら、行く末を考えることができる画期的なものになる」と評価する発言もしている。


 境界点は「3000点」「600点」「225点」
 地域医療構想策定ガイドライン案は、前回の第8回会議でほぼ固まっていた(『「高度急性期」「急性期」、3000点で区分』を参照)。第8回会議の案からの主な追加点は二つ。

 一つは、病床の機能別分類の境界となる点数が明示された点だ。「高度急性期」と「急性期」は3000点、「急性期」と「回復期」は600点。「回復期」と「慢性期」は225点だが、さらに在宅復帰に向けて退院調整等を行う期間の医療需要を見込み、175点で推計する。いずれも患者1人1日当たりの出来高換算した診療報酬の点数だ(入院基本料相当とリハビリテーション料の一部を除く)。

 注意したいのは、これらの境界点は、構想区域全体で、マクロな視点で医療需要を推計するための点数であるという点だ。境界点が、個別の医療機関が、自らの病床機能を選択する基準に直ちになるものではない。

 入院受療率の削減に配慮
 もう一つは、療養病床の入院受療率の目標について特例が設けられた点。

 療養病床は、主に「慢性期」の機能を担っているが、その入院受療率は地域による差が大きい。在宅医療への移行を見込み、入院受療率の地域差を解消することも、地域医療構想の狙いの一つ。都道府県は、「パターンA」(全ての構想区域が、全国最小値まで入院受療率が低下)から、「パターンB」(構想区域ごとに、入院受療率と全国最小値との差を一定割合解消させるが、その割合は全国最大値が全国中央値にまで低下する割合を一律に用いる)の範囲内で定める。

 しかし、より緩やかな「パターンB」であっても、退院患者の受け皿整備の遅れなどから達成が難しい都道府県があることが想定されるため、一部の構想区域では「目標の達成年次を2025年ではなく、2030年とすることができる」というルールが追加された。対象となるのは、(1)「パターンB」で入院受療率の目標を定めた場合における当該構想区域の慢性期病床の減少率が全国中央値よりも大きい、(2)当該構想区域の高齢者単身世帯割合が全国平均よりも大きい――という条件をいずれも満たす構想区域だ。2025年の目標は、2030年の目標から逆算して設定する。

 さらに、いったん入院受療率の目標を定めた場合でも、その達成が、在宅医療の充実が大幅に遅れるなど「特別な事情により著しく困難」と厚生労働大臣が判断した場合には、目標を変更できるルールも追加された。

 北波課長は会議後の会見で、療養病床の入院受療率の格差が、最も高い高知県と低い長野県では約5倍の差があることから、大幅な低下を迫られる県などから配慮を求める声が上がったとし、「(入院受療率の低下という)原理原則は変えないが、一定の緩和はできないかということで、配慮をすることにした」と説明。

 日医の中川氏は、地域医療構想は地域の実情に応じて策定していくのが基本であると念を押し、在宅医療の整備が非常に遅れる場合などに、入院受療率の目標の見直しが可能な仕組みになっていることを評価。また、慢性期医療を担う機能として、療養病床と在宅医療のどちらが優位の構想を策定するかは、各地域の判断に委ねられるべきとした。

 ただし、連合総合政策局長の花井圭子氏からは、地域医療構想は2025年をターゲットにしているにもかかわらず、「2030年」という時期が出てきたことについて疑義も呈せられた。目標変更できるルールも厳密に対応すべきとした。北波氏は、「基本的には、地域医療構想に記載する必要病床数は2025年の値。ただし、その設定方法の考え方において、バリエーションがあるということ。目標としての考え方は同じであっても、少し到達年次を調整することによって地域の事情に配慮したい」と説明し、理解を求めた。2025年は10年後であり、さらに10年延ばすのは長いことから、15年後に当たる「2030年」を選んだという。

 「協議の場」、病院代表も議長候補に
 第9回会議で議論になった一つが、地域医療構想の実現に向け、関係者の協議の場として、各構想区域に設置される地域医療構想調整会議の議長の在り方だ。ガイドライン案では、「都道府県の関係機関、医師会の代表」となっている。これに対し、日本医療法人協会会長代行の加納繁照氏は、「(病床機能の在り方を議論する場であるため)当事者である病院団体の代表をぜひとも入れてもらいたい」と求めた。他の病院団体の構成員からも同様の意見が出た。

 これに対し、中川氏は、「議長は、あえて病院団体を含めずに、医師会としている。病院団体とすると、当事者すぎる。行司役である議長には、医師会の代表、あるいは行政が適任ではないか」と述べ、都道府県の医療審議会でも「診療に関する学識経験者」として医師会が入ってきた経緯も紹介。

 そのほか、日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、「慢性期については、当初から見ると、ある程度評価してもらってありがたい」と発言をした上で、いまだになお、「回復期」のイメージが分からないと指摘した。「ポストアキュートも含むのか、回復期リハビリ病棟だけなのか」などと問いかけ、4年前の社会保障・税一体改革の議論で出ていた病床機能と、今回の議論との整合性を質した。

 北波課長は、「一体改革の議論と、今回の病床機能報告制度は直接的には関係なく、別の議論」とし、回復期は、同制度において、「急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリを提供する機能」と定義されていると説明。2014年度診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟」はどこに入るのか、との武久氏の質問に、北波課長は、「今回の医療需要は、どんな病期にあるかを見て決めている。地域包括ケア病棟でどんな患者を診ているかにもよるので、今、この点について答えられない」と答えた。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1503/1503047.html
「加算とれる状況ではない」が4分の3―新「休日・時間外・深夜加算」
日本胸部外科学会調査

[2015年3月18日] MT Pro / Medical Tribune

 2014年度の診療報酬改定で,「医療従事者の負担軽減」への取り組みの1つとして,手術および一部処置の「休日・時間外・深夜加算」の見直しが図られた。施設基準を満たし,届け出を行った施設ではこれまでの2倍,すなわち休日,深夜で160%,時間外で80%の加算(以下,新加算)となる。外科医の労働環境改善と手術の安全性向上に結び付く改定と評価する意見がある一方,施設基準が厳し過ぎるとの声も聞かれる。日本胸部外科学会が胸部外科3領域の施設を対象に行ったアンケートでは,「加算がとれる状況ではない」と回答した施設が約4分の3を占めた。特に「予定手術前の当直免除」という施設基準の達成が難しいようだ。昨日(3月17日)東京で開かれた外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の記者懇談会で,日本胸部外科学会診療問題委員長の荒井裕国氏(東京医科歯科大学心臓血管外科教授)が報告した(関連記事)。

予定手術前の当直免除などが条件

 新加算を得るには,少なくとも次の(1)~(3)を全て満たしていなければならない。

(1)予定手術前の当直(緊急呼び出し当番含む)の免除を実施(術者,第1助手のみ対象)

(2)①交代勤務制(常勤の医師3人以上,夜勤の翌日の日勤は休日,日勤と夜勤を連続させる場合は休憩を置く)②チーム制(医師5人ごとに1人の緊急呼び出し当番を置き,休日・時間外・深夜の対応を一元化し,緊急呼び出し当番の翌日は休日)③時間外・休日・深夜の手術や1,000点以上の処置の実施に関わる医師(術者または第1助手)の手当支給−という3制度のいずれかを実施(診療科ごとに異なってもよい)

(3)採血,静脈注射および留置針によるルート確保を原則として医師以外が実施(新生児除く)

 なお,(1)の予定手術前の当直などの免除は,年間12日までは実施していなくてもよいとされた。つまり,当直などの日数は年間12日以内と規定されたわけだが,これは診療科単位ではなく,新加算の届け出を行った診療科全体の合計であることに注意する必要がある。

70%が施設基準「緩和してほしい」

 こうした新加算の施設基準に,外科施設はどこまで対応できているのか-。日本胸部外科学会は2014年9月に,新加算に関するアンケートを実施した。全国の胸部外科3領域(心臓血管外科,呼吸器外科,食道外科)1,499施設に調査票を送付。931施設(62%)から得られた回答を分析した。

 荒井氏によると,質問は主に3つ。まず,加算の状況を聞いたところ,胸部外科3領域の全施設で「加算がとれている」施設はわずか17%。74%は「加算がとれる状況ではない」と回答した。大学病院と一般病院に分けて見ると,一般病院の回答は3領域全施設の回答とほぼ同等。大学病院では「加算がとれる状況ではない」施設が66%とやや減ったが,「加算がとれている」はやはり14%と少なかった。「加算がとれる状況にあるがいまだとっていない」大学病院は19%とやや多かった(図1上)。増収は見込めても,各専門領域の手術レベルを維持できないという大学病院が少なくないようだ。

 次に,施設基準に対する印象を聞くと,3領域の全施設で「妥当」は27%。70%が「緩和してほしい」と回答した。「緩和してほしい」とした施設の割合は,大学病院では63%とやや減ったが,一般病院では72%とわずかながら増えた(図1下)。
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 さらに,「加算がとれる状況ではない」と回答した施設に,施設基準を満たさない項目を聞いた。「予定手術前の当直免除」「交代勤務制」「チーム制」を掲げた施設はいずれも約80%に上った。「緊急手術手当の支給」は50%台(図2)。手当支給により上記(2)の項目をなんとかクリアしている施設が多いことがうかがえる。領域別では,食道外科施設において「予定手術前の当直免除」がネックとなっている大学病院が96%にも及び,スタッフの確保がより厳しい状況にあることが推察された。
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国立病院の支給手当は1,000円

 施設基準に対する要望についても聞くと,「予定手術前の当直免除」に関しては,「診療科全体での年12回の免除を,回数を増やすか,医師当たりにしてほしい」「対象から第1助手を外して術者のみにしてほしい」などの意見が見られた。

 交代勤務制やチーム制に関しては,「人員不足のため,夜勤・緊急呼び出しの翌日を完全に休日にすることは,手術だけでなく外来業務などにも支障が生じるために実施できない」という反応が多かった。その対応策として,夜勤・緊急呼び出しの翌日は「外来業務なら認める」「術者および第1助手以外であれば手術参加を認める」「休みは半日でも可とする」などの代案が示された。

 手当支給に関しては,支給額の基準がないため,施設によって大幅な差が生じている。東京大学病院は3万円だが,国立病院では現在1,000円。手当の多寡は,施設基準要件には関係しないことから,わずかな手当であっても基準をクリアできてしまう。「施設基準が形骸化し,必ずしも医師のインセンティブ向上につながらない可能性がある」など,問題を指摘する声が目立った。手当支給の対象が術者,第1助手に限られている点を疑問視する意見も聞かれた。

加算額の何%支給と規定できれば

 アンケート結果を踏まえ,荒井氏は「今回の加算基準は,医師数が多く,重症例の少ない診療科にとっては有利だが,少ない医師数で地域医療を支えている地方の第一線病院では,主にマンパワーの制約から導入が厳しく,特に胸部外科領域で影響が強く出ており,約7割の施設が施設基準の緩和を要望している」と指摘する。一方で「現状の容認に基づく施設基準の緩和は,病院の増収はもたらすが,現場の労働環境の悪化を招きかねない」とも。2016年度の改定に向け「細目の精緻化,手当配分の適正化,例外規定の設定など,より現実的な視点で施設基準の見直しが必要」と訴えた。

 具体的には「当直などの日数が年間12日以内という規定をせめて診療科単位にする,夜勤・緊急呼び出しの翌日は完全休日としている点を外来業務は認める,あるいは午前中勤務で午後休みにするなど,施設基準細目の修正を求めていきたい」。手当に関しては「加算の何%を支給するなど,一定のガイドラインを厚労省でつくってもらえたら」とした。

 外科医の過重労働は改善しなければならない。しかし,人員不足の現状の中で,加算をとれずに取り残されてしまう可能性も考えなければならない。特に地方の一般病院などでは難しい判断に迫られそうだ。

(高橋 義彦)



http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001.html
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書をとりまとめました
経済産業省

本件の概要

経済産業省は、今年1月から「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」を開催し、このたび報告書をとりまとめました。
当報告書では、高齢化や人口減少が更に進行する2040年まで見据えた将来の医療需要を地域ごとに推計した上で、現状の医療提供体制と併せ考えることにより、地域ごとの医療の需給ギャップを可視化し、それを基とした医療保険者や企業による地域医療のあり方への提言の方策を整理しています。

1.背景

今後、我が国の人口動態の変化に伴い、医療の需給ギャップが拡大していく見通しの中で、地域医療体制の検討が重要な課題となっています。
こうした中、医療介護総合確保推進法が制定され、平成27年4月より、都道府県が地域医療構想等を策定するにあたり、健康保険組合等で構成される保険者協議会の意見を聴くことが義務づけられました。
そのため、医療保険者としても、こうした地域医療の意思決定プロセスに貢献することが求められています。また、企業としても、従業員等の健康維持や社会保険料負担のあり方は重要な課題となっており、主体的に取り組む必要が認識されています。

2.報告書の要旨

報告書では、高齢化や人口減少が更に進行する2040年まで見据えた医療需要の推計や現状の医療提供体制に関する考え方を整理した上で、医療保険者と企業が連携して行う、医療提供体制及び医療需要の適正化についての提言の方策について検討を行っています。
医療保険者と企業が将来の地域医療への貢献に向けて、自らの保有するデータ等の根拠に基づき、地域医療の将来の姿を構想し、都道府県や他の医療保険者と認識を共有した上で、その実現に向けて具体的な方策の提言を行うなど、主体的な取り組みを行っていくことが期待されます。

担当   経済産業政策局産業構造課

公表日  平成27年3月18日(水)

発表資料
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書をとりまとめました(PDF形式:108KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書(PDF形式:2,257KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(全国-群馬県)(PDF形式:1,952KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(埼玉県-三重県)(PDF形式:2,393KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(滋賀県-高知県)(PDF形式:2,171KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(PDF形式:1,320KB)PDFファイル



http://news.livedoor.com/article/detail/9901070/
なぜ、生活保護者の医療費は2.6倍なのか
2015年3月18日 9時15分 プレジデントオンライン

1人当たり年79万円の医療費!
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■軽い風邪でも診察を受ける
1兆6759億円。

これは、2012年度のわが国の生活保護費のうち医療扶助として支出された金額である。人口約620万の千葉県の総予算が約1兆7000億円で、それに匹敵する額が生活保護受給者の医療費に使われている。

わが国で生活保護を受けている実人員は月平均で約213万人。その中の8割が医療扶助を受けており、その費用は、生活保護費全体の46.5%を占めている。

医療扶助は、福祉事務所から発行される医療券を持参して医療機関に行けば、自己負担なしで受診できる制度で、いわば「タダ」で医者に診てもらうことができる制度である。

ある薬局関係者は、「軽い風邪のときは、市販の風邪薬を飲む人が多いと思いますが、生活保護の人は薬局で市販薬を買うと自腹(生活扶助費から支出)ですが、病院に行けばタダ(医療扶助)で風邪薬をもらえるんですよ」と語る。

生活保護受給者1人当たりの医療費(年間約79万円)は、一般国民(約30万円)と比較して2.6倍超と高い。もともと生活保護は病気や高齢などで働くことができない人も対象にしているため、医療費が高くなるのは当然といえるが、人間の心理として「無料」ならば少し調子が悪いだけでも「病院に行こう」と思うのが自然である。

逆に、生活保護受給者の生活水準に達していない多くの国民年金生活者が、病気なのにお金がかかる病院へは行けない実態は深刻さを増している。

そうした中、厚生労働省は医療扶助の適正化を進めようと各種の取り組みを進めている。

その1つが、ジェネリック(後発医薬品)の使用促進。生活保護法改正により13年度からジェネリックの使用が原則化された。14年の数値では、医療全体でのジェネリックの数量シェアが54.5%であるのに対して、医療扶助が61%であり、生活保護での活用が示されている。

ただ、現場の実態としては、まだまだ課題が残されているようである。東京都板橋区の板橋福祉事務所の話によると、ジェネリックそのものを知らない人が多く、その説明に努めているとのこと。同福祉事務所援護係長の野島浩司氏は、「精神疾患の方で手もとにいっぱい薬がないと安心できないという方もいます」と現場の一端を明かす。

ほかにも、複数の病院を受診して薬をもらう「重複受診」や「重複処方」、必要以上に病院へ通う「頻回受診」などの問題もある。中には、向精神薬を複数の病院から入手して転売するといった悪質な事例も見られた。

こうした問題を発見して解決するために、電子レセプトによる点検の強化もなされている。レセプトとは、医療機関が診療の報酬を国民健康保険や社会保険の保険者へ請求する明細書のことであるが、生活保護では福祉事務所に送る明細書のことを指す。

かつては紙のレセプトを職員が手作業で点検して問題がないか確認していたが、11年度より全国の自治体で電子化が図られ、専用ソフトで効率的に点検ができるようになった。今では、電子レセプトにより転売などの悪質な事例はほぼなくなったという。

また、精神科で睡眠薬をもらった受給者が、ほかに眼科や整形外科などに通院し、そこでも睡眠薬をもらってしまうといった悪意のない重複処方も簡単に発見できるようになったという。

医療扶助の適正化は、ともすると必要な医療すら抑制される恐れがある。生活保護制度本来の目的である「受給者の自立」のためにも、健康を回復させ生活保護費を減らすことにつなげたいところだ。

14年9月より厚労省は、「生活保護受給者の健康管理の在り方に関する研究会」を立ち上げ、具体的な検討を進めている。15年4月には各自治体に通知を出す予定だ。

生活保護から自立した生活に戻ることができるのは、受給後半年ぐらいまでの人が多い。病気などで受給せざるをえない人は、早期に健康を回復させることが重要である。受給者の健康回復や増進は、生活保護を考えるうえで忘れてはならない視点といえよう。

(ジャーナリスト 高沢一基 図版作成=ライヴアート)



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/156800
論文不正行為なし ネット指摘の7本、九大が結論
2015年03月18日(最終更新 2015年03月19日 01時27分)=西日本新聞朝刊=

 九州大の研究者3人の論文7本がインターネット上で不正を指摘された問題で、九大は18日、学内で調査した結果、「故意ではない作図ミスなどの誤りがあった」とし、不正行為はなかったと結論づけた。
 論文の責任著者は生体防御医学研究所の教授2人と医学研究院の教授1人で、1999~2007年に発表された。調査では、関係者へのヒアリング、実験データの確認、再現実験を実施。その結果、7本のうち4本と、新たに関連の論文1本に誤記や画像の取り違えなどがあった。他の3本は実験データが処分されていたが、実験ノートの確認や再現実験により、科学的な正当性が確認できたとしている。
 ネット上では、東京大、大阪大などの研究者の科学論文84本について、不正があると指摘されていた。



http://mainichi.jp/select/news/20150319k0000m040025000c.html
九州大:論文5本に画像取り違えミス「不正行為なかった」
毎日新聞 2015年03月18日 19時08分

 国内の複数の研究者が発表した科学論文約80本に画像の切り張りなど不正の疑いが指摘された問題で、九州大は18日、九大関連の論文8本のうち5本で画像の取り違えなどのミスがあったが「不正行為はなかった」との調査結果を発表した。

 調査対象は、生体防御医学研究所の教授2人と大学院医学研究院の教授1人の論文計8本。8本中5本については、画像の取り違えや臓器名の誤記などの作図ミスがあった。しかし、故意ではなく、実験結果は科学的に正しかったと結論づけた。既に科学誌に正しい図の掲載を依頼したという。

 残る3本については研究所の移転で元データが処分されたものもあったが、実験ノートや第三者の検証によって正しさを証明したという。【川上珠実】



http://mainichi.jp/shimen/news/20150319ddm005010087000c.html
地域医療構想:策定へ 都道府県、医療費格差是正図る
毎日新聞 2015年03月19日 東京朝刊

 各都道府県は4月、高齢化が進む2025年の医療需要を把握して効率的な医療を提供するため、「地域医療構想」の策定に着手する。軽症患者が医療費がかさむ重症向けベッドに入院するケースの解消や、在宅医療の推進、医療費の都道府県格差是正などを図る。

 今国会に提出された医療保険制度改革関連法案は、18年度から都道府県が国民健康保険の運営主体(現在は市町村)になると定めている。

 都道府県は4月以降、高齢化率や患者の傾向を踏まえ、25年時点で必要になる入院ベッド数などを絞り込む。25年には団塊の世代が全員75歳以上になり、その時点の想定より現状のベッド数が過剰なら削減を促す。

 1人当たりの医療費(12年度)は都道府県格差が大きい。最高の高知(62・5万円)は最低の千葉(40・1万円)の1・6倍。1人当たり医療費が高い地域は人口10万人当たりの入院ベッド数も多い傾向にあり、最多の高知は最少の神奈川の3倍だ。
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 そこで厚生労働省は18日、都道府県による構想策定の指針をまとめた。療養病床(高齢者向けの長期入院施設)に入院している人の割合(入院率)を設定する際、「13年時点の最も低い県」に合わせることなどを求めた。

 都道府県は、医療機関からどういう症状の患者向けにベッドを整備するか報告を受け、病状に応じてベッドを再編する。数が過剰な場合は病院に削減を要請するなど強い権限を持つようになる。

 現在約39兆円の医療費は、25年には約54兆円に膨らむと想定されており、厚労省は在宅を中心に医療と介護、福祉を一体化した地域包括ケアシステムを進める。ただ、重症患者向けのベッド数を減らし、患者を軽症向けのベッドや在宅に誘導する方針は道半ば。「ベッド削減ありき」で進めれば、行き場を失う患者が相次ぐ可能性がある。【中島和哉】


  1. 2015/03/19(木) 05:56:43|
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